インタビュー

第2シーズンの企画を聞いた時の率直なお気持ちからお願いします。
とても大事に思っていた作品でしたし、しかも2クールということで、素直に嬉しかったです。
第1シーズンもたくさんの方に評価していただいたわけですが、そういう評判は戸次さんの耳にも入りましたか?
私も、ニュースは大体ネットで見ていますので、オンエア当時は評判を気にしていたんですけど、好評だったようで嬉しいなと思いながらやらせていただいていました。
再び同じ役柄に取り組むにあたって、何か考えられたことはありましたか?
設定の話なんですが、強行犯係の係長だった山倉が、鑑識に行くみたいな構想もあったらしいんです。役職的には見習いというか、1年生みたいな形になるので、「あ、それも面白いな」と思ったんですけど、台本をいただいて見てみたら同じ立ち位置でした(笑)。でも、制作サイドの皆さんが山倉という役を膨らませてようとしてくださっているのはありがたいなと思いました。
どのキャラクターも愛おしい存在ですから。
ドラマって、憎まれ役みたいなのがいたりして、それが良いスパイスになったりもすると思うんですけど、この『朝顔』に関しては、刑事たちは刑事たちで事件を解決するのに必死だし、監察医の方々は「不詳の死」にしたくないという思いで死因を探るのに必死で、そういう見やすさみたいなものもあるのではないかと思います。
ひとつの役柄に長い期間取り組むというのは、役者さんにとってどういう意味があると思われますか?
単純に集中できるという部分は大きいですね。役者さんによっては、他の作品をやりながら、というのは出来ないとおっしゃる方もいますけど。
イメージが付くから同じ役は嫌だという方もいらっしゃいますから、いろいろなタイプの役者さんがいらっしゃるということなのかもしれないですね。
僕はまだそこまでの役者ではないので「いただいた仕事は何だってやらせていただきます!」というスタンスでいつもやっています(笑)。
山倉という役柄を演じるにあたって、戸次さんの中で何か決め事のようなものはあったんでしょうか?
部下がいるので、威厳的なものが必要なのかなと思ったのですが、前作で段々、威厳がない上司というキャラクターになっていって……。でもそれって、言ってしまえば自分に近いので(笑)、自分自身の延長線上で演じさせてもらっているようで楽しかったです。具体的に言えば、カッコつけなくて良い。カッコつける芝居が本当に苦手なんですよね。苦手ですけど、出来ますよ!(笑)。なので、カッコ良い仕事も待ってます!(笑)
時任三郎さん演じる平さんとの距離感が絶妙です。
山倉って、大体警察署か現場にいますが、この第2シーズンでは、「ここにいて、いいのかな?」というシチュエーションにいたりもする回もあるんです。その中で、平さんもがっつり絡んでくるので、そこは山倉としての見どころでもあります。山倉のことが気になっている視聴者の方がいたとしたら、「そこに行ったか!」という驚きがある回がありますので、楽しみにしてもらいたいですね。平さん……というか、時任さんはもの凄くまろやかな方なんです。大先輩ですけど、本当に気さくに接してくださるので、一緒にお芝居をさせていただくのが楽しいです。背も高いですけど、威圧感なんてまったく感じたこともないですし。ということは、体の大きさと威圧感は比例しないんだな、ということですよね(笑)。僕の勝手な印象なんですけど、時任さんは凄く自然体でお芝居をされているんです。その姿も素敵なんですが、それって時任さんご自身が魅力的な方じゃないとそう見えないと思うんです。僕のつたない役者人生で得た考えなんですけど、例えば面白いお芝居をする方って絶対その人自身が普段から面白いんです。カッコいいお芝居をされる方って、やっぱりその人自身が相当カッコいいんです。なので、自然体で、核になる素の部分が優しかったり、包容力があったりするお芝居をされる時任さんは、ご自身がそういう方だからだと思うんです。
画面を通して現場の雰囲気がなんとなく伝わったりするのも、そういうことなのかもしれないですね。
現場の人間関係の温かさとか、チームワークの良さみたいなことはよく言われますけど、絶対出ます。仲が良い・悪いということではなく、みんながあ・うんの呼吸でお芝居をできる環境、というのはやっぱり大きいと思います。『朝顔』に関していえば、第1シーズンもありましたから、今回も安心しています。きっとそれは、見てくださる方にも伝わると信じています。
今回は2クールということで、第1シーズンでは描かれなかった部分も出てくるんじゃないかという楽しみもあります。
凄く描かれています、第2シーズンは。まず、強行犯のメンバーに関していうと、お話の中でちょっとした飲み会をやっているシーンがあったりとか。事件解決に奔走する姿だけでなく、刑事たちの普段の姿というか、人となりが出るようなシーンもあるので楽しいですよ。そこが、『朝顔』の良いところだと思うんです。単純に、事件が起きてそれを解決するだけのストーリーではなくて、ちゃんと登場するキャラクターそれぞれの人間性も織り込まれているから。普通に考えたらあり得ないような、そういうシーンもいっぱい出てくるので期待してほしいです。詳しくは言えないですが(笑)。
最後に、ドラマを応援してくれている視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。
今回の『朝顔』も、メインテーマとして、震災を忘れないというテーマが描かれていますけど、そこも胸を締め付けられるような展開になってきますので、事故や事件の究明だけではない、登場人物それぞれの思いを感じてもらえたら嬉しいです。あまり言えないですが、本当に凄い展開が待っているのでお楽しみに!

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