アナマガ
どちらかというと シッカリ書きたい人のためのコーナー 10年以上の渡り、続いてきたアナルームニュースの中で 好例の連載企画を「コラム」という形で集めました。 個性あふれるラインアップ!ブログとはひと味違う魅力をお楽しみください!
アナルームニュース 2008年04月08日号


アナマガ+plusのブログ【きょうのぬかどこ】で、2年にわたり季節感あふれる
素敵な文章を書いてくれている吉崎アナ(通称:てんこさん)♪
大のお芝居好きであるのは、もう周知の事実ですよね。(^^)/
それでは、恒例 吉崎アナの『てんこてん2008年版』をどうぞ!
素敵な文章を書いてくれている吉崎アナ(通称:てんこさん)♪
大のお芝居好きであるのは、もう周知の事実ですよね。(^^)/
それでは、恒例 吉崎アナの『てんこてん2008年版』をどうぞ!
10位 「キャバレー」 (10・17 青山劇場)
あの有名なブロードウェイ・ミュージカル「キャバレー」を、松尾スズキが手がけると聞いては見逃せません。松雪泰子の歌唱力と美貌に仰天し、阿部サダヲの獅子奮迅のMCぶりに感激!秋山菜津子、森山未來、小松和重らが脇を固める手堅い陣容が大きな安心感とゼイタクさを与えてくれた。欲をいえば、未來くんのダンスシーンがもう少し観たかった・・・。華やかで楽しいミュージカルをありがとう!!!
9位 「アデュー・マルセイユ」 (12・23 東京宝塚劇場)
宝塚花組男役トップスターの春野寿美礼サヨナラ公演。千秋楽とその前日のみサヨナラ公演がおこなわれたそうですが、その千秋楽前日のプラチナチケットを入手できたので、喜び勇んで行って参りました。春野さんの特長である憂いを帯びた歌唱力が印象的でした。2000年の「冬物語」で鮮やかな存在感を見せてくれ、以後の8年間でたくさん観ましたが、今回の「アデュー・・・・」は陰のあるヒーロー役で、退団公演にはぴったりの内容。何てったって、アデューですもんね。退団公演の内容が、本人の持ち味としっくりこないこともあるなかで、今回は泣けましたね。聞くところによると、千秋楽公演チケットには多額のプレミアがついたとか??そこまでに成長したオサの大きさに感動しつつ、本当にお疲れ様でした。今後はどのように活動するのでしょうか。
8位 「ゼブラ」ONEOR8 (11・6 シアタートップス)
1970年代を設定した、昭和風の一軒家で繰り広げられるホームドラマ。四姉妹とそのつれあいたち、亡き母をめぐるこのドラマ、向田邦子の「阿修羅のごとく」がイメージの源になっているそうです。唯一独身を貫く三女の奈央の背中の演技が切なくて涙してしまいました。(次女の巨体は笑いを誘いましたね・・・・)終演後、思わず田村孝裕の台本を購入。読み返してみると、そこには、緻密さと遊び心がぎっしり詰まっておりました。
7位 「橋を渡ったら泣け」 (3・21 シアターコクーン)
何がしかの災害に見舞われ、孤島に取り残された7人の男女。グループ内のボスの恐怖政治に反抗してリーダーを代えたものの、またそのリーダーが暴君化していく。そのリーダーを倒した男もまた・・・・。人間が集団で生きていく上で、序列や性の問題は、必ず付いて回る命題なのだ。新たにグループに加わることになる「諏訪湖周遊船・諏訪チャンのそう舵手」役の大倉孝二が、正気から狂気に、そして狂気から逃れるために群れから離れていく孤独感をうまく演じる。八嶋智人は、あたまがあまり上手く回らないぼんやりと人の良い男性の役作りのため、始終口を開けてぼやーっとしていたら、日常会話も変になっちゃったらしい。いつもの狂気&シャープな路線とは一線を画した新機軸を開拓。戸田恵子が小松和重と夫婦役。何が正しくて何がおかしいのか、分からなくなっていく中で、ちゃきちゃきとした、まっとうな感覚を維持する妻を好演。この人が出ると、実に舞台が引き締まる。奥菜恵は、小柄なキュートさにパワーを感じさせ、いい存在感。舞台装置のうえに敷き詰められた白砂が、乾いた孤島を上手く表現していた。のどの乾き、絶望感をひしと感じる。最近の舞台にありがちな「救いの無い結末」ではなかったので、ほっとした~。
6位 「えっと、おいらは誰だっけ? ~CASH ON DELIVERY~」 (1・29 青山円形劇場)
脚本/マイケル・クーニー、綾田俊樹/演出。喜劇作家の頭の中とは、一体どうなっているのでしょうか。ある嘘をついたために、これでもかこれでもか!というほど、様々な新しい嘘を積み重ねていかなければならなくなった男の滑稽な顛末。演じている俳優もよく混乱しないものだ。名前は変わるは、出入りがたくさんあるは、いま、この人何の役だっけと戸惑うことしきり。それにしても、ラストがノウテンキな結末で「おーーい!」とつっこみたくなります。エピソードの積み重ねによって、エネルギーをどんどんふくらませていき、それが一気にはじけ飛んだとき、想像を絶するパワーを発する。
ベテランの小林隆が人の良さをじんわり醸し出していて、実に心地よい。綾田は老獪な怪優ぶりを存分に発揮。村岡希美・岡田達也が夫婦役。いい加減な夫を岡田が好演、村岡の間のよさ、ワンテンポはずして笑いを確実にものにしていく才能は、いつもながら素晴らしい。峯村リエもパワー全開。あー、面白かった!
ベテランの小林隆が人の良さをじんわり醸し出していて、実に心地よい。綾田は老獪な怪優ぶりを存分に発揮。村岡希美・岡田達也が夫婦役。いい加減な夫を岡田が好演、村岡の間のよさ、ワンテンポはずして笑いを確実にものにしていく才能は、いつもながら素晴らしい。峯村リエもパワー全開。あー、面白かった!
5位 「欲望という名の電車」 (11・20 グローブ座)
篠井英介の「欲望~」を観るのは、これで3回目。女形がブランチを演じるということで、話題を呼んできました。初回は、違和感がなかなか拭えなかったけれども、今回3回目にして完成形をみた感がある。今回はからだをしぼり、ぜい肉をそぎ落とした、不幸な風情の篠井ブランチに、北村有起哉のスタンリーが初挑戦。北村は、ドラマ「SP」でも見せた静かな狂気と比べると更にパワーアップした分かり易い粗暴な狂気を体現。小島聖、伊達暁も含めて過去最強の組み合わせではないだろうか?!思わず映画「欲望という名の電車」もおさらいしてしまった。みなさまご存知、ビビアン・リーとマーロン・ブランドの二大名優競演ですね。こちらも、当然やっぱり魅力的。ただ映画というのは便利な表現手法があるなあ・・・・とも思う。回想シーンは、映像でインサートできるもんね。
結論。結局のところ、私は、この作品が大好きなんだぁ!!
結論。結局のところ、私は、この作品が大好きなんだぁ!!
4位 「煙が目にしみる」鈴置洋孝追悼公演 (2・6 新宿シアターサンモール)
舞台冒頭、白装束に身を包んだ男が二人。ん?これは、お遍路さん?それとも・・・・と、手甲脚半姿・・・これはもしかすると死人??窓の外には満開の桜。下手ソファーに低音が響くいい声の俳優。あ!内海賢二さんだ。「これが見納めですかねえ・・」の会話。うん、間違いない。この人たち、死んでる人たちだ。ある焼き場で隣り合った二組の家族が葬式で織りなす人間模様。死んでいるのに、二人の存在がわかるおばあちゃん役に麻生美代子。(サザエさんの、「フネ」さん役の声優さん。いい!麻生さんサイコー。この人が出てくるだけで可笑しい。間がいい。さすが!)芸達者たちに誘(いざな)われ、笑いと涙にあふれる感動的なドラマに仕上がっていた。死者への思いは、家族だけにしか分からないものだけど、この舞台はその個人的な思いを普遍化することに成功していて、こみ上げる思いは、笑いも涙も一緒くたとなった。ああ、忙しい。有名な声優だった「鈴置洋孝」さんが去年夏に急死し、(文化芸能部でも扱いました。)その追悼公演でした。最後に出演者挨拶で内海さん、泣いていましたもんね。死者は、私たちのすぐそばにいて、ずっと守護神として見守ってくれるんですよね。シアターサンモールも久しぶり。昔はよく、ここで三谷幸喜さんひきいる、東京サンシャインボーイズを観たものです。私の観劇歴も長くなってきたなあ。ちなみに、この「煙が・・」は、朗読舞台にもいいなあ、と思った。
3位 「ビューティ・クイーン・オブ・リナーン」 (12・14 PARCO劇場)
過去に作者も演出も同じ組み合わせで(作者:マーティン・マクドナー、演出:長塚圭史)「ウィー・トーマス」と「ピローマン」という2作品を観た。どちらもとても鮮やかな印象を焼き付けられた。今回はさらに白石加代子VS大竹しのぶ、の二大天才女優対決・・・とくれば期待が膨らみまくるのも当たり前???40歳を過ぎた独身の娘の希望と絶望。その娘と二人暮らしの母親の狂気。血縁関係があるからこそ、口にだしてしまう言葉の暴力の応酬。ここまで書くとさぞやドロドロの救いの無いストーリーかと思いきや、さすが二大女優はちがいます!日常会話の何気ないやりとりで思い切り笑わせてくれる。母と娘、という関係性で言えば、アイルランドと日本の現代に置き換えても充分リアリティが感じられる内容で、余計にぞっとするのである。
2位 「恐れを知らぬ川上音二郎一座」 (11・21 シアタークリエ こけら落とし公演)
2006年から2007年にかけて破竹の勢いの三谷幸喜。「決闘!高田馬場」、「コンフィダント・絆」(次項参照)、そして本作と新作連発。どの作品も大当たりしてくるレベルの高さと底力に拍手喝采。中でも今回はキャストも万全。面白さも寄せては返す大波小波・・・!常に自分の口角が上がっているという表情で観劇できるHAPPYな状態。三谷作品を観るとつい、その時代背景や登場人物に興味が湧きます。それだけ、登場人物が魅力的に深く描けているということなのでしょうね。2007年は、本作と「コンフィダント・絆」が観られて、本当に幸せでした。
1位 「コンフィダント・絆」 (4・16 PARCO劇場)
前述の通り、やはり文句なしに面白い。19世紀末を生きたパリの画家たち。ゴッホ、ゴーギャン、スーラ(絵は知ってるけど、名前と一致していなかった)、シュフネッケル(名前も知らない)の4人の男たちの才能と嫉妬と人間関係が複雑に絡み合う。生瀬勝久のゴッホ、寺脇康文のゴーギャン、中井喜一のスーラ、相島一之のシュフネッケル、堀内敬子のルイーズ、という、まったくもってあてがきのようにはまった、パーフェクトなキャスティング。笑いと涙であっという間の3H弱でした。やはり三谷さんは天才です!中でも涙を誘ったのは、ゴッホなど他の三人と違い、飛びぬけた才能が無いのにもかかわらず絵を描くのが好きで好きでたまらないシュフネッケルが、その才能の無さを三人からよってたかって指摘されるシーン。うすうすは気づいていたかもしれないけど、それなりの自負心だってあったのに、自信を木っ端微塵に打ち砕かれても絵画を愛することをやめられない・・・・・実に人間味に満ちた人物設定でした。フツウの人間はほとんどこっちだもんね。あそこまで言わなくても・・・とおもわず彼をかばう気持ちになってしまう、フツウ人間の私なのでした。
次に記すのは、スペシャル編。
これにも是非触れておきたいです。
夏にNYで観た、平成中村座公演「法界坊 隅田川続俤」。
観劇直後の感想を、アナマガのブログ「きょうのぬかどこ」の8月3日分に記してあります。よろしければ、ご覧下さいませ。
これにも是非触れておきたいです。
夏にNYで観た、平成中村座公演「法界坊 隅田川続俤」。
観劇直後の感想を、アナマガのブログ「きょうのぬかどこ」の8月3日分に記してあります。よろしければ、ご覧下さいませ。

これを読むと、吉崎アナにとっては、演劇が“人生の一部”になっているのがわかります。
忙しい日々の中でも、演劇の世界にどっぷりとひたる至福の時をかかさず持ち続けているライフスタイル、とっても素敵です♪来年も楽しみにしていますよ~!
忙しい日々の中でも、演劇の世界にどっぷりとひたる至福の時をかかさず持ち続けているライフスタイル、とっても素敵です♪来年も楽しみにしていますよ~!