アナマガ

どちらかというと シッカリ書きたい人のためのコーナー 10年以上の渡り、続いてきたアナルームニュースの中で 好例の連載企画を「コラム」という形で集めました。 個性あふれるラインアップ!ブログとはひと味違う魅力をお楽しみください!

アナルームニュース 2007年05月01日号

いい加減でいこう! ~アクセントは最初の「い」に~ Vol.1 思わぬ発見
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編集員 モモンガ【編集員 モモンガ】
入社以来13年間ずっと朝の番組を担当してきた奥寺アナが2006年10月からはお昼のニュースの顔として頑張っている。スポーツから報道という大転換に戸惑っているかと思いきや、意外にすんなりとシフトできている様子・・・・。
フィールドは違えど、そこには思わぬ
共通点があったとか!

取材 こんにちは。これまで私は、アナウンスマガジンを始めフジテレビのサイトで、何か自分にとってのビッグイベントがあった時などを中心に出稿する機会がありましたが、次第に、普段の仕事を通して感じたことや考えたことを、ある程度の継続性を持って書くことで、私自身の頭を整理するようにしたいと思うようになりました。


以前は「めざましテレビ」などの取材において、スポーツに関することについて書くのが基本でしたが、回を重ねるにつれ、そのスポーツを取り巻く環境・・・、たとえば、開催地における市民の生活や街の様子などについて、そこに居合わせた一人の人間として感じることに素直に反応して書くスタイルになり、そしてそれが私の取材スタイルの基本になったのです。


この経験は私の宝になりました。



FNNスピーク 私は、2006年10月に担当番組が昼のニュース「FNNスピーク」に変わり、取材対象が急に広がりました。そのため、今後アナマガで書くテーマについて間口は広がりますが、内容についてはこれまで以上に精査する必要性が生じます。
しかし、これまでもそうであったように、人として、自分の目で見、耳で聞いて感じたこと一つ一つを、自分なりに謙虚に考察し、本来の立場である
テレビの「伝え手」として前進する糧にしたいと思っています。それを前提にお付き合いいただければ幸いです。


話がちょっと硬めになりました。でもそれはここまで。


ここからは、"普段着かつ等身大"の『いい加減』(アクセントは最初の「」に)でいきますね。「いい加減」は私の座右の銘です。


いい加減

話は少し遡ります。3月後半はかなり慌ただしい日々でした。
昼のニュースに加え、スピードスケートの世界距離別選手権の実況、フィギュアスケートの世界選手権の番組司会とインタビュー、BS『MLBダイジェスト』開幕直前スペシャルの司会などと、
スポーツイベントが目白押しだったからです。
スポーツ好きの一人としては嬉しい悲鳴。
でも、単細胞の私は並行して複数の仕事を進めるのが苦手で、自転車操業的な毎日になってしまいました。
ちょっと反省・・・。


ラヴシーン vol.10
ラヴシーン vol.10
それが一段落した先日、芝居を観るため久しぶりに劇場に足を運びました。
私は
小さい頃から舞台が大好きです。
演じるだけでなく観るほうももちろんです。『ラヴシーン vol.10』の制作でお世話になった、私の尊敬する演者が出演することがきっかけで観た今回の作品は『
やってきたゴドー』。
日本の現代演劇を形作った大変有名な劇作家、
別役実さんが脚本を書かれた、軽妙洒脱な台詞の続く素晴らしい作品です。舞台に引き込まれ、約2時間があっという間でした。


感想を"立て板に水"よろしく喋りまくりたいところでもありますが、今最もお話したいのは、その観劇がきっかけで、ちょっとした発見があったことについてです。


FNNスピーク 私は、ニュースの現場に行くことに大きな興味を持っています。
半年前までは、スポーツ関連が主でしたが、番組が替わった今は、全てのジャンル。
自身の周囲360度に興味の対象が広がっている感覚です。
ただ、スポーツ以外の現場では、取材者として新人同然なので、担当記者などの力を借りて小さなことから一つずつ勉強させてもらっています。
これが本当に興味深い。
これまでのところ、国会、省庁、自治体、司法など公的機関などに足を運ぶことが多いのですが、思いもよらなかったことに次々と気づき、同時に様々なことを考えます。
大抵は、昼のニュースが終わってから出かけていくので、取材をしたらそれでおしまい。
取材したものが放送に直接つながることはほとんどありません。
表面的には、云わば
取材しっぱなし


しかし、ニュースを伝える者として、あらゆる事象を考察するために必要な常識を少しずつでも増やしていくと、やがて、ニュース原稿の文字の奥にある真実の肌触り感を得られるケースが出てくると思います。


これは、恥ずかしながら、約12年半にわたりスポーツの現場で試行錯誤した中での一つの結論です。
ニュースの背景をよく知ることができれば、内容がよく伝わるだけでなく、伝わり方の間違いを防ぐ一助になると思います。


いい加減この作業を地道に続けることで、ニュースの言葉を自分の中に取り込むことが少しずつできるようになるはずだと思っているのですが、ここにきて、あることにはたと気づきました。


「これを役者で例えれば、「役作り」に相当する」 と。


「役作り」は、その役どころを役者が自分のものにするための基本中の基本。
芝居好きの自分の中に元々あった
役者としてのマインドと、今携わっている仕事であるニュースの伝え手としてのマインドが、この時初めてオーバーラップしました。
今後日々の仕事がより充実するようになると思いました。


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編集員 モモンガ【モモンガのひとりごと】
今年から朗読舞台ラヴシーンのプロデューサーを務めるなど、様々な“顔”&“声”をもつ男。この連載のタイトルであり、彼のポリシーでもある・・・“いい加減”( アクセントは最初の「い」に )とは一体どういうことなのか、次回の投稿が早くも楽しみだ。