香川照之「思念的で思慮深い村田諒太――心の時限爆弾のスイッチを入れてくれ」
7月12日(金)20時~生中継 『マイナビスペシャル 村田諒太ミドル級世界王座奪還へ!~WBA世界ミドル級タイトルマッチ』
村田諒太(帝拳)が世界王座奪還のリベンジマッチに挑む『マイナビスペシャル 村田諒太ミドル級世界王座奪還へ!~WBA世界ミドル級タイトルマッチ/ロブ・ブラント×村田諒太~』の記者会見が行われた。
また、この試合の国歌独唱は、ソプラノ歌手の田中彩子が務めることが決定した。
「ベルトは必ず取り返す!それだけです」
9ヵ月ぶりの再戦。前回の敗戦からここまでの時間を村田は「あっという間でした」と振り返り、試合については「ボクシング自体がものすごく過酷なスポーツですし、こういう環境をいただけていることを有り難く感じています。普通のボクサーではあり得ないことですから。その中で絶対結果を残さなければいけない、ということは最低条件ですね。大事なことはボクシングを通じてどう成長していけるか、ということ。前回の敗戦を受けて自分自身、ボクシングでも、人間としても、すごく成長するにはいい時期だったと思っています。その姿を(試合当日に)見せたいですね」と抱負を語った。
一方、敵地での防衛戦となるブラントは、過去に喫した1敗が国外での試合だが、「敗れた試合は、アウェーという状況に負けたのではなく相手に負けた、と捉えているので場所は関係ない。日本は大変温かく迎えてくれて優しい国だと感じています。日本、アメリカ関係なく、戦う場所はリングの上、そこで力を発揮するだけです」と自信を見せた。
ブラントは、栄養士をつけ「1日3食をしっかりと食べて体重を落とすという方法をとっているので力も全く落ちていません」と語り、村田とアッサン・エンダムの再戦も見ているという。
「エンダム選手との再戦の時にもKOを狙うようなアグレッシブな動きが見られましたので、そういう変化が今回の試合でも見られると思います」と、警戒も怠っていない。
その上でブラントが「私にとっては大変エキサイティングな試合になると予想しています。村田選手もこれまでにないハードな試合を仕掛けてくると思います。私のカギとなるのは私自身がリングの上で彼の変化にどれだけ合わせていけるか、というところだと思います。私にはその能力を持ち合わせているので心配はしていません」と言えば、村田も「リマッチは難しいところはあると思いますが、トレー二ングをしてきたことを出すことが一番だと思いますし、プレッシャーかけて動く、アウトボクシングするブラントに僕が強いパンチを何発当てるか、だと思いますので期待してほしいです」と意気込んだ。
そして最後に、目の前に置かれたベルトについて聞かれた村田は、一転、厳しい顔になり、こう言い放った。「必ず取り返す。それだけです」
拳四朗が臨む6度目の防衛戦は、初の凱旋試合
また、ダブル世界戦となる今回、デビューから無傷の15連勝(8KO)で世界王者に君臨する拳四朗(BMB)が早くも6度目の防衛戦を迎え、強打が持ち味の同級1位ジョナサン・タコニン選手(フィリピン)と会見に臨んだ。
地元関西での初の防衛戦について拳四朗は「久しぶりの関西ということでモチベーションはすごく高くなっています。順調に仕上がってきたので、あとは戦うだけかなという感じです」と心躍らせた。
試合についても「僕のスタイルはパンチをもらわず当てる、なので、それを突き通して圧勝して、今後も強い人とやって自分を磨いていけたらと思っています」と自信を示した。さらに「今後は防衛記録もそうですが、統一戦も視野に入れているので、そこでどんどん勝って知名度も上げていければと思っています」。
一方のタコニ選手も「コンディションは非常に良好、マニラと日本はそれほど離れていないので時差の調整もそれほど難しくないと考えています」と順調な仕上がりをアピール。
「もちろんタイトルを取りたいと考えています。WBCでは最後の試合だと思っている。このタイトルを取れたらフィリピンの国民の皆さんを喜ばせることができるし、自分の人生も大きく変わると思っています」と背水の構え。
拳四朗の攻略法を聞かれると「拳四朗選手の当日のスタイルにもよって自分の出方も変わると思いますが、今の考えでは中に入って彼にプレッシャーを与える戦い方をしたいと思っています」と、王座奪取のプランの一端を明かした。
拳四朗は「(関西での)世界戦は初めてなので、僕の強くなった姿をみなさんに見ていただければすごく嬉しいです」と、凱旋試合で成長した姿を見せつけるつもりだ。
<スペシャルゲスト 香川照之コメント>
それはどんな気分なのだろう?練習を見ても、日頃の言動、試合の解説の言葉をとって聞いても、哲学的にボクシングを突き詰めようとひたすら精進してきた聖なる求道者が、完膚なきまでに敗れた相手に再び挑むというその心の中は、いかばかりのものなのだろう?
半世紀前、輪島功一は己を乗り越えた。完敗した柳済烔に嵐の連打で打ち勝った。キーはどこにあるのか?思念的で思慮深い村田諒太――この彼の金科玉条を、どこまで捨ててどこまで無心の聖域に踏み込めるか。要塞で組み立て構築してきた高度なストラテジーを脱ぎ捨てて、最前線の戦時下にいる命知らずの軍曹が纏(まと)うライオンハートをむき出しに出来るか。
すなわち、私は見たことのない村田諒太を見てみたいのである。今回ばかりは、痛みを伴わねばならない。ブラントを最前線に引きずり出して、一つ一つ武装を解いて、自分も吹き飛びかねないコンボを爆発させねばならない。ロンドン五輪で勝って聞いたその君が代を、当日の試合前に聞く時、この7年の全てを振り返って、心の時限爆弾のスイッチを入れてくれーー。
<MC 中村アン コメント>
いよいよ7月12日は、待ちに待った村田選手のリベンジマッチ!ブラント選手はスピードがあって手強い相手ですが、村田選手が打ち勝って再び世界チャンピオンに返り咲いてくれると信じています。日本中が村田選手を応援しています!当日は私もリングサイドから精一杯応援しますので、頑張ってください!
<国歌独唱 田中彩子コメント>
今回、村田諒太選手がロブ・ブラント選手に挑戦するWBA世界ミドル級タイトルマッチという、とても光栄な場で日本ならびにアメリカの両国の国歌を歌わせて頂く機会を頂けて、大変うれしく、身が引き締まる思いです。選手の皆さまは試合に向けて想像を絶するような鍛錬を重ねてこられたと思います。どうぞその強い思いとパワーを存分に出し悔いのない満足がいく試合になりますよう、少なからず私も全身全霊、応援の心を込めて歌わせて頂きます。
<試合カード>
WBA世界ミドル級タイトルマッチ
王者:ロブ・ブラント(アメリカ)vs挑戦者:村田諒太(帝拳)
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
王者:拳四朗(BMB)vs挑戦者:ジョナサン・タコニン(フィリピン)
WBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級タイトルマッチ
王者:ジョー・ノイナイ(フィリピン)vs挑戦者:清水聡(大橋)
※本試合のみディレイ中継
番組概要
『マイナビスペシャル 村田諒太ミドル級世界王座奪還へ! ~WBA世界ミドル級タイトルマッチ/ロブ・ブラント×村田諒太~』
<放送>
7月12日(金)20時~21時55分
※地域により、20時6分~21時55分
※生中継/延長対応あり
<出演>
【ゲスト】
井上尚弥、八重樫 東
【解説】
長谷川穂積、山中慎介
【スペシャルゲスト】
香川照之
【MC】
三宅正治(フジテレビアナウンサー)、中村アン
【実況】
森 昭一郎(フジテレビアナウンサー)、竹下陽平(フジテレビアナウンサー)、立本信吾(フジテレビアナウンサー)、木村拓也(フジテレビアナウンサー)
【FUJI BOXING 応援団長】
ビートたけし(VTR出演)