溝端淳平「“世間に認知されている自分”と“本来の自分”のギャップに悩んだ時期も」
6月1日(土)23時40分~『仮面同窓会』第1話
いよいよスタートする、オトナの土ドラ『仮面同窓会』。高校時代の親友4人が体罰教師への仕返しに催した“仮面同窓会”が殺人事件となり、友人同士が疑心暗鬼に陥りながら、お互いの人生を狂わせていくクライムサスペンス。
主人公・新谷洋輔を演じるのは、民放の連続ドラマ主演が8年ぶりとなる溝端淳平。そんな彼に、本作への思いを聞いた。
<溝端淳平インタビュー>
Q.『仮面同窓会』のオファーを受けた時の心境を聞かせてください。
僕は10代の頃に「第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のグランプリ受賞をきっかけにデビューをして、お芝居の難しさや本当の楽しさも知らないまま、幸運なことに主演や大きな役をいただくことが多く、でも、身の丈に合っていないと感じることが多かったんです。それが当時から嫌で、世間に認知されている自分と、自分の本来の実力のギャップがありすぎて悩んだ時期がありました。
そんな時に蜷川幸雄さんと出会い(2013年、蜷川幸雄演出による舞台『ムサシ』)、打ちのめされて、いろいろ背負っていた物が引き剥がされた気分になりました。そこから真剣に舞台に取り組もうと思い、その後も蜷川さんのシェークスピアや、ハロルド・ピンター、アーサー・ミラー、寺山修司という、舞台の中でも難しい戯曲にチャレンジしていきました。
その頃に「30歳という節目を機に、映像と舞台を両立させていきたい」と事務所の社長と話をしていたのですが、今回まさにそのタイミングで『仮面同窓会』のお話が来て、願えば叶うではないですが、5年間舞台に没頭していたその経験を活かすチャンスが舞い込んできたと思いました。
以前、主演をやらせていただいた時とはお芝居に対する考え方が違うので、今は「ゼロから」という気持ちです。今年30歳になるというタイミング。元号も変わり、俳優人生の第2章、第一幕の始まりと捉えて取り組んでいきます。
Q.台本を読まれた感想はいかがですか?
群像劇であり、とても重厚なクライムサスペンスであり、台本が上がるたびスリリングな展開に読み応えを感じています。新谷洋輔という人間が、回を追うごとにどういう風に変わっていくのか、また周りの人間が隠していることや背負っている罪というものがとても細かい伏線となり、それを読みながら回収しつつも毎回大きな衝撃を受けるという、近年にない面白いストーリーだと感じています。
誰もが、他人に対して多少なりとも仮面を被って生きている
Q.洋輔の印象を教えてください。
非常に感受性が豊かで、優しい青年だと思います。ただ、周りの人間の影響や過去の出来事から、一見、普通の人に見えて全然そうではない何かを抱えているような印象です。快活ではなく仕事で打ちのめされて肩を落としている青年が、実はこう思っていて生きているのではないかという怖さや、どこにでもいるようなリアルな青年の狂気みたいなものが洋輔にはあると思いました。
Q.溝端さんは洋輔のように学生時代の同級生と今も会うことはありますか?
僕は、小学校が一学年に1クラスしかないような和歌山県の田舎育ちだったせいか、実家に帰ると今でも小学校、中学校の同級生に会うんです。ただ、17歳で上京したこともあり、最初、久しぶりに同級生たちに会うことになった時には、きっとギャップがあるんだろうなと思っていました。でも実際には学生当時の失敗談やバカ話をし始めると、何年経っても学生時代に戻るような感覚があったんです。
今回、監督にそんな実体験をお話したところ、台本に活かしてくださいました。第1話で洋輔が同窓会に行って、しばらく昔の仲間と間隔が空いているから「どうかな?」と思っていても、話し出すとすぐに学生時代に戻るというシーンは、とても共感できました。
Q.それでは最後に、視聴者の皆さんにメッセージを願いします。
皆、人に対して多少なりとも仮面を被って生きていると思うんです。さらにネット社会では、匿名で思ったことを言うこともでき、人間の関係性が簡略化されていく事に僕は恐怖を感じています。『仮面同窓会』は、そういったことをエンターテインメントとして上手く描ける作品ではないかと思っています。
本当にスリリングな展開を楽しんで頂きたいですし、土曜の深夜という時間帯なので、観た後は緊迫した余韻に浸っていただきたいです。
番組概要
オトナの土ドラ『仮面同窓会』
<放送>
6月1日(土)スタート毎週土曜23時40分~24時35分
<出演者>
溝端淳平
瀧本美織
佐野 岳
木村 了
廣瀬智紀
雛形あきこ
永井 大
渡辺裕之
ほか