アライブ

アライブ インタビュー

『アライブ がん専門医のカルテ』の撮影に参加されてきていかがですか?
「非常に穏やかで明るい現場です。撮影の合間は、(木村)佳乃さんたちとゲラゲラ笑いながらお話をしていて、それを松下(奈緒)さんが暖かく見守って下さっている感じです。スタッフのみなさんも優しい方が多くて…。冬のドラマに出演すると、朝早い時には“眠たいな”とか“寒いな”と思ってしまいがちなんですけど、今回はあまりそういう思いはなく楽しく現場に行くことが出来るので大変恵まれているなと思っています。オンエアが始まる前までは1〜2話ぐらいまでの台本しか読んでいないので、ドラマの全容はわかりません。頂いた役としては全容は知らなくても良いのですが、オンエアが始まると先の台本も頂いていますので、だんだんみなさんが演じている役の心模様が分かってくることで、ますます気を引き締めて参加させて頂いています」
実際に放送をご覧になっていかがですか?
「映像がすごく綺麗だなと思いました。監督はもちろんですが、カメラマンさん、照明さんたち、技術部の方たちのお力ですよね。第1話の収録は様子を見ながらの撮影になりますので、時間がかかってしまうと思いますが、『アライブ』の撮影はめちゃくちゃ時間がかかるようなことはなく、撮影はテンポ良く進んでいるように感じています。にもかかわらず、心先生が深呼吸する場面もとても綺麗ですね。映像だけではなく音楽も素敵です。私が出演する部分は、物事が解決する前や後の陰陽で言えば陽の場面が多いので、収録中はあまり気づかなかったのですが、本当に心先生たちの悲しみや苦しみなどを非常に綺麗な映像として見ることが出来ました。私も一視聴者として胸に迫るシーン、映像の美しさで救われるシーンもたくさんありました」
光野はどのようなキャラクターだと思われますか?
「もともと麻酔科だったのですが、子供が5人になって家庭を優先したいということを理由に心先生の腫瘍内科のチームに入りました。年齢は心先生よりも光野の方が上ですが、なんとなく心先生を頼っている面がたくさんあります。物事の判断基準は先の理由から家族を優先するので“早く帰りたい”などと言うこともありますが、仕事自体は真面目に取り組んでいる人物だと思います」
光野を演じる上で留意されている点は?
「まず、セリフを間違えないことです。たいして喋っているわけではない時に間違えている場合ではないので(笑)。今回は医療ドラマなので、医療用語などは注意しています。でも、本当に現場が暖かいので、NGを出すと“クスクス”ぐらいな感じで。若い時でしたらスタッフさんも含めて大笑いしちゃうようなこともありましたが、引きずるようなことはなく“さぁ、チャッチャと行きましょう”という大人な雰囲気も心地良い現場です」
光野と阿久津(木下ほうか)の会話も楽しみですが…。
「当初、阿久津先生はもっとご陽気なキャラクターなのかな?と、思っていたんですが、かなりミステリアスな存在になっていて。ほうかさんご自身が舞台挨拶で“裏切る役になるのでは?”とおっしゃっていらしたので(笑)、私の予想とは少し違ったのですが、そういう感覚も含めてご一緒するのは楽しいです」
光野は腫瘍内科医です。藤井さんご自身は腫瘍内科の存在をご存知でしたか?
「お恥ずかしながら存じ上げておりませんで、今回のドラマで知りました。1話でノンスタイルの石田(明)君が患者役で担ぎ込まれて来て“助かりました”と執刀医の美川先生(阿南健治)に礼を言い、それを心先生、結城先生(清原翔)が見ているというシーンがありました。結城先生はどこか納得できない表情でした。あの場面が腫瘍内科の存在感を表現しているんじゃないかな?と思います。外科医にスポットが当たりがちですが、腫瘍内科医は陰の存在ではなく、患者さんのより近くに寄り添っている場合も多いと思います。 撮影に参加しながら物語の中でですが、腫瘍内科医という職業をもっと知っていきたいと思います」
藤井さんご自身が病院に抱かれるイメージは?
「私は子供の頃に骨折ばかりしていて外科によく通っていました。3歳の時に骨折した時の手術室に入っていく景色…ライトの明るさとか、麻酔で意識が遠のく瞬間などを本当にクッキリ覚えていて…。それからも何度も骨折を繰り返したので、病院には決して良い思い出はありません(笑)。でも、3歳で入院した時は担当医さん、看護師さん、婦長さん、みなさんが子供ということもあって可愛がってくださいました。両親も出来るだけ付き添ってはくれましたが、そうでない時は孤独で寂しかったので、甘えさせて下さった方々に感謝しています。退院の時、可愛がって下さったみなさんに“また遊びにおいでね”と送り出してくださったんですが、一年も経たないうちに骨折してしまって…。担当医さんは“冗談でも、またおいでなんて言ったから”と気を揉んでいらっしゃいました。今、私はドラマの中で医師のみなさんの気持ちを役を通して知ることが出来ます。もちろん、ドラマなので実際とは違うかもしれませんが、自分が体験した病院とはまた違ったイメージを時を経て教えてもらえています。そういう医療ドラマに医師の一人として出演させて頂けるのはすごく嬉しいです」
松下さんの印象はいかがでしょう?
「圧倒的な清潔感と品の良さがある方と勝手に思い描いていたのですが、その期待は裏切らず、一方で私たちの場所へ降りて来てくださると言うか…。気さくに話してくださったりするのですごく楽しいです。魅力的な方ですね。関西のご出身ということも知らなかったのですが、松下さんはあえてイントネーションを変えて話して下さることもあるんですよ。そういったサービス精神も持っていらっしゃって、ファンになってしまいました」
木村さんはいかがですか?
「佳乃さんとは何度かご一緒させていただいていますが、変わらず明朗で気分爽快な方ですね。現場に行く楽しさの一つに佳乃さんと会えるという思いもあります。どんな人にも壁を作らないリベラルな方だと思います」
3話で心の夫、匠(中村俊介)が亡くなってしまいました。
「光野のセリフにはないのですが、心先生には小さなお子さんがいるんだということを改めて感じました。お医者様の仕事って、なかなか自分自身のプライベートや人生設計を自分中心に組み立てることが難しいと思うんです。ですので、心先生はこれから、京太郎(北大路欣也)というお義父さんがいるとは言え、漣君(桑名愛斗)を育てて行くのは大変だなぁ…と。光野としては早く家に帰してあげたいけど、自分も家族思いなので早く帰りたいでしょうから。私としては、出来るだけ心先生に譲りたいところですが、どうなるのかなぁ?と思っています」
これからの見どころをお願いいたします。
「3話まで、匠の手術の際の出来事を薫先生の振り返りで見て来ました。私も一視聴者として“なるほど、ああいう出来事があったんだ”と見ています。ですので、あの出来事に薫先生はどういう決着をさせようとしているのか?心先生にあれだけ近づいて信頼しあっていたのに…。楽しみと言っては不謹慎ですが、サスペンスフルな展開になりそうなので、私も気になっています。光野はそんな二人の関係は知りませんので、クレープを買って来たりします(笑)。心先生や薫先生をはじめ、横浜みなと総合病院で働く医師や患者さんそれぞれの思いが交差する『アライブ』をご覧いただけたら嬉しいです」

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