アライブ

アライブ インタビュー

今回演じる心はどのような女性ですか?
「今回は初めて働く母親を演じます。夫は意識不明で入院中ですし、息子とも上手く感情を噛み合わすことが出来ずにいます。仕事も医師として追われるような忙しい日々です。その中で、心にとって良いことも起こっているとは思いますが、それをキチンとキャッチ出来ない状況にいることが多いんですね。強い女性ではありますが、心の拠り所をどこに求めれば良いかが分からないんです。そんな時に、薫と出会うのですが…。心自身は人の気持ちが理解出来て寄り添うことが出来る優しい女性ですね。完璧ではありませんが、だからこそ人に寄り添うことが出来るんだと思います」
腫瘍内科医の心はどのような医師だと思いますか?
「心は患者さんと向き合って話し合うことが多いです。オペではなくて、患者さんの精神的な安定剤のような役割です。患者さんのメンタル面を助けて寄り添って行けるところは、外科医とは違う魅力だと思います。また、そうすることで患者さんから教わることも多い仕事です。台本を読み進めても心は毎日のように、そうしたことを繰り返しています。患者さんと心を通わせて行く日々が、心の医師としての醍醐味なのではないかなと感じています」
医者としての気持ちをどのように表現しようと思われますか?
「今から医師になれと言われても無理ですし(笑)。医師の方からお話を伺って、それを自分の中に取り込んで表現するしかありません。でも、もちろん医師は難しい仕事だと思っていますが、自分が病院に行った時にどういう判断で先生を信頼しているかが演じる上で一つのバロメーターにはなると思います。そんな思いを心に投影して“この先生なら診てもらいたい”ということは考えることが出来ます。特に、心は患者さんにがん宣告をすることが非常に多いです。そんな時、どう伝えれば良いのか?優しさを見せるのが正しいのか?冷静に話すのが正しいのか?どちらも偽善に見えてしまわないか?本当に、医師は大変な仕事だと思います。とてもデリケートな部分ですので、毎回のように心はがん宣告をすると思いますが、私自身が慣れないようにしたいと思っています」
医師役は、医療用語などを覚えるのが大変そうですが…。
「心は腫瘍内科医なので、オペをすることはありません。今のところ、用語としては難しい薬の名前ぐらいです。それでも、語呂合わせみたいに覚えないといけなくて(笑)。緊迫したシーンも多く、そういう場面では心にも格好良い医師でいて欲しいので薬品名をさらっと言えるようにするのは難しいですね。毎回思います。でも、医療用語に関しては、私よりも外科医役の木村(佳乃)さんたちの方が大変ですよね」
木村さん演じる薫とはバディのようになる?
「心は内科医で薫が外科医です。一人の患者さんを診るために、複数の医師が必要になるのもがん専門医ゆえだと思います。私も、刑事ドラマではバディという言葉を聞きますが、医療ものでバディと聞くのは初めてです。同じ医師ですが専門が違うので、その辺が興味の対比になりますし、でも、患者を治療するという目指すところは一つというところがどうなって行くのか私も楽しみです」
薫とは大人同士の友情が芽生えるのでしょうか? 大人になってからの友情はどのように考えますか?
「子供のころは友達として仲良くなって、そこから自然に親友へと発展していきました。大人になると、お互いにいろいろな事を抱えていて壁にぶつかったりしている中から見つけた答えに共有出来ることがあると、それが友情や絆につながっていくと思います。ですから、子供の時の感覚とは違いますよね。だからこそ、大人になってから生まれた友情は守ろうと思うし、崩れてしまっても“それで終わり”と思えないものが強い絆になって行くのだと思います。そういう意味では、最初はまだ心と薫はお互いに絆と思ってはいません。お話が進むうちに、友情を深めて行くのではないかと思います。女性同士で同じ職業なので、分かり合える部分は多いと思うので、心が持ち合わせていない部分を薫からもらいながら成長して行く。逆に、薫も心に刺激されて、二人で補い合うみたいなところが絆としてあって欲しいと思います。その前提には患者さん、人の命を助けるというテーマが大前提としてあるんですけど」
今回の撮影で楽しみにされていることは?
「(木下)ほうかさんとは何度か共演させていただいているんですけど、いつどんなタイミングでセリフを言われるのか分からないので毎回ドキドキします。今回もすごく楽しみです。藤井(隆)さんも医師役は初めてとおっしゃってましたが、みなさんの医師、白衣姿を見るのも楽しみですね。何よりみなさんがそれぞれに演じるキャラクターがはっきりしていて、まず台本で読んで“こう演じるのかなぁ?”なんて想像しているだけでも楽しいです。腫瘍内科の医局内は1話では“一番居心地が良い”というセリフも出て来ますので、みなさんとそんなファミリー感を出せていけたら良いなと思っています」
今回のドラマを通じて伝えたいことはございますか?
「私も今回の役をいただくまでは腫瘍内科は知りませんでした。がんの治療は外科が最先端なんだろうと思っていたんです。でも、腫瘍内科があって、そこから治療方針を決めて行く…。セリフにもあるんですが、日本人の二人に一人ががんに罹るという身近な病気でもありますので、腫瘍内科によって一人でも多くの方が治癒に向かうことが出来れば良いと思います。まず、腫瘍内科の存在を知っていただく事から、医師や患者さん、がんそのものへの関心を深めていただけたら意味があると思っています」

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