clamp talk : 千秋
kahala and chiaki in talking.
talk
千秋:
うんと、ずっとバラエティばっかりやってたので、歌とか音楽的なことは、他の人はぜんぜん知らなかったのね。私は音楽をやりたくてバラエティをやってただけなんだけど。それでパッパラーさんは、初めなんか「試しに歌ってみて」とかって言って歌った時とかに声質とか音域とかをけっこうすぐ見抜いてくれて。それで私がいちばん歌いやすくって、一番いいふうに聞こえるような曲を書いてくれたりして。
華原:
千秋ちゃんって。すっごい音域広いよね。なんかそれは言われない?
千秋:
言われる。
華原:
なんか、すごい高い声も出るし、低い声も出るし、私はすごく歌がウマいなって思うんだけど。
千秋:
ありがと。声が、喋ってる時と歌ってる時が違うって言われる。
華原:
うん。それはそんな感じがする。
千秋:
喋ってる時じゃなくて、歌ってる時のほうが滑舌がよくてハキハキしてるって。太くって。音域が広いかどうかはわからないんですけど、自分で。
華原:
すごくね、朋ちゃんから見るとすごく音域が広いなと思って、すごくね、聞いちゃうな。
千秋:
ありがとうございます。アルバムも聴いて下さい。
華原:
はい、聴いてます。
千秋:
本当?
華原:
うん。
千秋:
アルバム?
華原:
アルバムも聴きます。
千秋:
はい、聴いて下さい。
華原:
はい。アルバムの出来はどうですか?
千秋:
アルバムは、先月に発売されたんですけど、アルバムとかシングルでもそうなんだけど、ぜんぜん時間がないところでやらなきゃいけないのね。
華原:
時間がないっていうのは?
千秋:
企画もので、お笑い中心で作ってるので。
華原:
アルバム?
千秋:
うん。
華原:
お笑い中心?
千秋:
内容は音楽的なんだけど。作業とかは番組中心とか、そういうのなんで急に「アルバム作るだに!!」ってウッチャンに言われて。
華原:
「作るだに」?
千秋:
うん、そういう喋り方するのね、ウッチャン。ポケットビスケッツやってる間。「作るだに!」って言って、「いつ作るの?」って言ったら、「来週からレコーディングだから、それまでに5曲作らないといけないだに」って言って。それでウッチャンとウドちゃん一個ずつと、私が3曲をそのレコーディングまでに急いで作って。そしたら、それが発売の1ヶ月前とかだから、それからレコーディングとかも一週間とかしかないの。
華原:
時間がないよね、レコーディングっていうのはね。私もレコーディングとかね、するんだけど、ぜんぜん時間がなくてね。すごいドキドキしちゃうよね。
千秋:
急に「間に合わない、間に合わない」ってみんなが言うの。
華原:
間に合わないっていう気持ちのなかで、いい曲を作らなきゃいけないし。そういう気持ちの切り替えみたいのは、どういうふうな感じなの?
千秋:
うーん? とにかく終わんないと「なしだ」って言うのね。
華原:
終わらないとなし?
千秋:
レコーディングが終わらないと、「じゃあ、出さない」って言うの。私、すごい音楽をやりたいって思ってるのが私だけで、他の人はべつに出さなくても。「間に合わないんだったら出さない」「やれないんだったら、じゃあその企画やめよう。アルバムやめよう」ってなっちゃうから。もう何が何でも終わらせないといけない感じ。
華原:
すごく厳しいね、それはね。
千秋:
超厳しい。いっぱい泣いちゃうぐらい。
華原:
でも、すごく千秋ちゃんて強いよね。もう絶対に音楽が好きでしょ、すごく。だから、歌が絶対に歌いたいじゃない。そういう気持ちっていうのは、すごくファンの人も、朋ちゃんもファンだし。
千秋:
本当?
華原:
うん。
千秋:
ありがと。
華原:
そういうのね、なんかすごくね、強い人だなっていうのは伝わってくるのね。
千秋:
音楽を、さっき言ったんだけど、音楽をやりたくって。でも、事務所に入った時に「音楽はとりあえず後回しで、とりあえずバラエティやんなさい」って。バラエティでしっかり出来るようになったら音楽やらせてくれるって言って。それで何年もバラエティだけやってたから。せっかく今、音楽に関われたから、「なくなったら大変だ」と思って。それで一生懸命やってるのかもしれない。企画ものだから、その企画がなくなったら終わりなところがあるから。すぐ「解散、解散」っていうのね。だから、解散しちゃったら、音楽できなくなったら大変だから。だから一生懸命「歌いたい、歌いたい」って言ってるんだと思う。思います。
華原:
千秋ちゃんて、もともと朋ちゃんが知ってる限りではね、もともとね、いちばん初めから音楽、歌を歌いたくて、それでオーディションを受けて、それでバラエティ番組を出て、それで今ここに至るじゃない。バラエティ番組っていうのはどう? どうだった? どう?
千秋:
初めは無理って言ったの。
華原:
本当はさ、歌が歌いたいじゃない。だけどバラエティ番組に出ないと歌が歌えないっていう、そういう条件のなかで、すごく気持ち的に厳しくなかった?
千秋:
初め、どうしよう? と思って。「どうして音楽をやりたいって言ってるのにバラ エティなのかな?」って思って。それで、何にも教えてもらうわけじゃなくて、いきなりそういう番組とかにポンって放り込まれて「何していいかわかんないから出来ないです」って言ったの。人を笑わせることも出来ないし、難しいし、みんなバァーッて早いでしょ、喋ることが、いろんな人。みんなすごい頭がいいなかで、私、何にも喋れないし。「もう出来ません」って何回か言ったことがあるんだけど。でも、「出来ない」って言ったら、「じゃあ歌手になるのもやめなさい」って。で、「じゃあ、もうOLでもやりなさい」みたいな感じだったから。だから悔しいから。
華原:
悔しいね、それはね。
千秋:
で、「歌手になるためにバラエティをちゃんとやれば絶対ならせてくれますか?」 って言ったら、「それは約束する」って言ったの。
華原:
約束したんだ。
千秋:
うん、会社の事務所の人と。それで「じゃあやろう」と思って。もう右も左もわかんないままバラエティをいろんな人にもまれながら、人の波に流されながらやってって。でも絶対に音楽を。音楽からどんどんどんどん遠くなってったのね。バラエティやってるうちに。でも、絶対そこであきらめたらどんどん遠ざかっちゃうから。「やりたい」っていうことだけは、いつもいつも言ってたの。口が酸っぱくなるぐらい「いつ歌手になれるんですか? いつ歌手になれるんですか?」っていって、ずっとバラエティをやってて。そしたらすごい偶然にポケットビスケッツの企画になって。その時は、こんなに続くとは思わなかったし、もう一回限りだったんだけど、一曲限りだったんだけど。でも、音楽に関われるから「やったぁ!!」と思って。「事務所の人の言った通りだ」と思って。バラエティ一生懸命やってたら音楽に関われたと思って。それで一曲しかないけど、その一曲を一生懸命やろうと思ってやったら、たまたまちょっと売れて。
華原:
100万枚いきましたね。
千秋:
それで2曲目3曲目って。あきらめないで良かったと思いました。
華原:
そのCDによって変化したこと、すごく売れたじゃない、そういう自分の気持ちの変化みたいなのはありました?
千秋:
うーん? 変化?
華原:
難しい? すごいさ、勢いがあったじゃない。だって、初めは企画ものだったわけ じゃない。で、一枚って、そういう約束で。で、なんか100万枚いっちゃったわけじゃない。そういう のって、やっぱり100万枚っていうのは、なかなかそれは難しいことじゃない。だけど、100万枚もいっちゃって、一位もとっちゃって、そういう変化みたいなのは?
千秋:
うーん? びっくりした。
華原:
びっくりした?
千秋:
音楽をやりたくて、ちゃんと一生懸命やったけど。でも、企画ものっていうのは、もう前提にあったから。そんなにいっぱい売れるとも思わなかったし。なんか人事みたいだった。で、いっぱいレコードが売れたり。売れれば売れるほど「出来なかったらすぐ解散」っていう番組のゲームがいつもついてきて。売れれば売れるほど私たちの周りのスタッフはすごい厳しくなって。反比例するのね。「売れて良かったですね」って言ってくれる人はほとんどいなくて、「売れたから天狗になるな」とか「売れたけど、明日には解散するかもしれない」っていう危機が、本当に現実にあって。だから、なんかすごい嬉しいけど、すごい大変で。もうどうしていいのかわかんないから、毎日困りながら。でも解散しないように頑張ってる。
華原:
解散って、解散するって言ったってさ、解散できないよ。だってすごく素晴しいものが出来上がったじゃない。
千秋:
でも、そうやって思ってたら、なんかいつも何だっけ? 「綱渡りが出来ないと解 散」とか、「早食いで」とか。
華原:
見た。私ね、あのね、傘もって綱渡りのやつ。テレビで。
千秋:
超大変だった。
華原:
あれ一生懸命練習してね、「千秋ちゃんて本当に一生懸命なんだな」って思ったの朋ちゃんは。もう本当に歌が歌いたくて、あれって冗談で、みんなは冗談って思ってるわけね。「すごいポケビっていうのは、すごい売れてるから解散するわけない」ってみんな期待してる気持ちがあるからね。だけど、千秋ちゃんはいつもドキドキドキドキしてて「解散するのは嫌だ」っていう気持ちがたくさんあるでしょ。それでああいう傘を持って綱渡りしてっていう、そういう企画あったじゃない。で、一生懸命練習したじゃない。サーカスのところでさ。あれ見てたのね。で、「すごいなぁ、この子は」って思ったの。
千秋:
それも「出来なかったら解散」っていって、嘘だと思ったら、本当に解散した時のため記者会見の人とカメラマンの人がいつも待機してたんですね。
華原:
それはね、冗談だよ、本当に。
千秋:
でも、ああいうスタジオの横に見たことない人がいるんです、いつも。スタッフと関係ない人。で、「あの人たち何ですか」って言ったら「べつに何でもないよ」ってスタッフの人はなんか濁すんだけど、司会のアナウンサーさんの台本見たら、解散した場合と解散しなかった場合の台本が二つあって、「解散した場合は記者会見後解散」って台本に書いてあって、本当にいたの。それで嘘じゃないんだって思って。「こりゃ大変だ」って思って。だから、初めは私も「出来なくっても何とかなるかな? 解散しないかな?」って思ったんだけど、実際にそういう人が目の前にいたので、「あ、本気なんだ」って思って。だから、綱渡りも今まで生きてきていちばん大変なプレッシャーだったのね。いきなり「一週間後に綱渡りやれ」って言われても、「ええ!? 出来ないよ」って思ったんだけど、「やんないと解散だ」って言われたから。「なんで歌手になりたいのに綱渡りなんだろう?」ってすごい思ったんだけど、でもやんないといけないから。それでやったら本番で出来たから解散しないで済んだ。
華原:
それさ、今はさ、3人でやってるじゃない。千秋ちゃんとウッチャンとウドちゃん。3人でやってるじゃない。ソロでやる気とか、そういう気持ちは持たない?
千秋:
ソロでいつかはやれたらいいなとは思います。でも、ポケビが解散しないんだったら、ずっと解散しないでいいんだたら解散しないでやりたいなって思うけど。ポケビにいるだけで、いつも解散って不安定だから、もし普通にミュージシャンみたいにソロだったり、レコード会社にいたり、1年に何枚シングル出してっていう計画性のあるのができたら、それもいいなって思います。でも、ポケビがある間は、ポケビで頑張りたいと思うし。
華原:
やっぱり3人、今は3人だけど、やっぱり3人じゃないと淋しい?
千秋:
うん、淋しい。
華原:
淋しい?
千秋:
初め、3人だった時に「どうなるのかな? このメンバーで」って思ったけど、今1 年半ぐらい経って、いつも一緒にいるでしょ。そしたらなんかインタビューの時とかに、一人誰か忙しくていなかったりとかだとすごい淋しいのね。3人揃ったらすごい嬉しいの。それはウドちゃんも、「やっぱり3人いると嬉しいね」って言ってて。本当はそれぞれ違うジャンルの、違う事務所の、違うグループの人でしょ。ウドちゃんはキャイーンっていうコントのメンバー。ウッチャンナンチャンのウッチャンだし。ポケビってなった時だけの臨時のメンバーみたいなんだけど、なんか1年以上一緒にいたら、本当に一緒にバンドやってたみたいな感じで「いなくなったらどうしよう?」って思う。
華原:
だけどすごいよね、なんか。なんかメイクとか。
千秋:
ウッチャンの? ウッチャンは72歳の役なの。
華原:
72歳?
千秋:
うん。
華原:
私ね、すごいなんで、私はね、わからないけれども、なんでなのかな? って。
千秋:
皺がいっぱい書いてある。
華原:
とかさ。それは見てる人は、すごく楽しいなって、面白いなぁってすごい思うんだけど。そういうのはどうしてなのかな? って。
千秋:
それは、もともと一曲だけって言ってたじゃないですか。だから、企画もので、そういう自分がお爺ちゃんと私とウドちゃんとっていう企画だったから。長く続くと思わないから。時間すごいかかるんですよ、あのメイク。男の人なんだけど私より長い。鼻かくしたり。だから初めは遊びで、冗談でやってたんだと思うけど、それが結局1年以上続いたから。今、すごい文句言いながらメイクしてる。
華原:
「なんでこんなことやんなきゃいけないの?」って?
千秋:
そう。すごい時間かかって、かゆいんですって。いっぱい黒いドーラン塗ったり、いろんなのを塗ったらかゆくなるんだけど、「もうこれで始めちゃったから、今さら変えられない」って言って。もう皺の数とかも全部覚えて、ササササッて書いてる。
華原:
大変だね、そういうのはね。
美味しい?
千秋:
うん。
華原:
千秋ちゃんの夢は?
千秋:
夢は、いちばん大きい夢は、東京タワーを買うこと。
華原:
それはいい。
千秋:
東京タワーのてっぺんに住むの。
華原:
私ね、東京タワーにね、行ったことないんだけど。いちばん上に立ってみたいんだけど、立てるかなぁ?
千秋:
いちばん上はね、多分とんがってるから痛いと思うよ。
華原:
それは本当の答えだね。
千秋:
うん。でね、いちばん上までは行けないようになってるみたいなのね。真ん中まで。
華原:
真ん中までしか行けないんだ。東京タワーよく行くの?
千秋:
東京タワーにちっちゃい時よく行ったんだけど、「なんかあんまり面白いことないな」って思って。たまたま東京タワーに、なんか従姉妹かなんか案内するのに東京タワーに行ったら、すごい面白かったの、東京タワーが。東京タワー、望遠鏡があるのね。100円入れて1分ぐらいの。
華原:
よく外とかの景色を見るやつ?
千秋:
そう。あれですごいよく見えて。見てたら、人が住んでる家の中まで見えるの。
華原:
本当。
千秋:
それでずっと家の中見てて。で、家とかの中見てると、ビルがあって、1階には夫婦が住んでて、2階には家族が住んでで、3階には独り暮らしの人と猫が住んでたりとか。それぞれの生活がちゃんと見えるのね。そうやって見てるうちにね、「ここに住んでたら、いろんな人の生活が毎日見れて楽しいな」と思って。それで、360度見渡せるでしょ。で、すごいそういう人が住んでるとことか、渋滞してる道があったり、普通に犬の散歩してる人がいたり。「え? こんなところにこんなものがあるの?」っていうような、普通の綺麗なビルのとなりにお墓があったり。東京ってけっこうお墓がいっぱいあるなぁとか、下からだとわかんないことがいっぱい発見できて、すごい面白かったのね。それで、「いつもここにいたら」って、女王様みたいな気持ちになったの。
華原:
女王様になりたいんだ?
千秋:
お姫様になりたい。
華原:
お姫様。でも今、お姫様だよ。
千秋:
うそ?
華原:
そうじゃない、だって。
千秋:
なんで?
華原:
だってね、3人でやってるけれども、いちばん必要とされてるのは千秋ちゃんじゃない。
千秋:
本当!?
華原:
みんなが見たいなって思ってるのは千秋ちゃんじゃない。
千秋:
嬉しい。楽譜は普通に読める?
華原:
楽譜とかはぜんぜん読めない。楽譜とか読める? オタマジャクシみたいの。
千秋:
うん、読める。すごいゆっくりだけど読める。
華原:
じゃあ、曲も書いたりとか?
千秋:
うん。曲も、詞を書いてるから曲も書いてみれば? っていわれて家でやってみたんだけど。
華原:
おうちにピアノがあるの?
千秋:
うん、おうちにピアノがあって。でも、どうしてもなんかね、ちっちゃい時に習ってた童謡みたいのになっちゃうの。何を作っても童謡みたいに。
華原:
童謡っていうのは?
千秋:
♪ズン、チャッ、ズン、チャッ〜ってなっちゃうの、全部。だから、「やめた、向いてない」って思って。
華原:
いいじゃない、それで。
千秋:
すごいゆっくりな変な歌なの。
華原:
なんで?
千秋:
ポケビみたいなのとか、ロックみたいな速くなれないし。
華原:
ロックのほうが好き?
千秋:
うん、ロックが好き。パンクが好き。
華原:
今はどんな音楽を聴いたりしてるの?
千秋:
今は、昔の、3〜4年前までずっと聴いてたパンクの70年代とか、昔流行ったパンクとか、昔、陽の目を見なかったスウェーデンとかノルウェイとかそっちのほうのパンクとか。いろんなのが。
華原:
私ね、ぜんぜんね、パンクとかそういうのはわからないんだけど、教えてくれる?
千秋:
うん。なんかね、音がシンプルで、歌詞は英語だからわかんないけど、多分、訳すとパンクっぽい攻撃的なこととか。
華原:
攻撃的なんだ?
千秋:
攻撃的なことが書いてあると思うのね。それでね、ずっと中・高生の時にそういうの聴いてたから。パンク聴いていろんなレゲエとかいろんなハウスとかいろんなの聴いて、また戻ってきた感じがして。だから、一周した感じなのね。そしたら、そのパンクを聴くと、中・高校生の時に「将来ミュージシャンになりたいな」って思ってたことをまた思い出してきて、余計に頑張ろうって思うの。だから、また昔のとか聴いてます。
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