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Vol.56

CLAMP TALK


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CLAMP TALK :川本真琴



中居=中居正広
川本=川本真琴

中居:
自分のその時の心境の変化とかで詞が変わったりするん ですよね。

川本:
うん。でも内容はそんなに変わらないんですけど。例え ば、歌うと勝手に言葉 が変わったりするんですよね、私。アドリブで間違ったり して。間違ったのがそのまま。レコーディングにしてもそのまま入っちゃったり とか。

中居:
それ、間違ってるのかな?

川本:
間違ってるんです。私が完全に。言葉を間違ってるんで す。心のイメージが一緒で言葉が多分違ってて。でも一緒なんで。で、それが例 えば、聴いてる人が「今のよかった!」っていうふうに言った時に、「あ、こうい うのが伝わる言葉なんだな」って。

中居:
評価されたるするんだなぁって。

川本:
そう。「こういう言葉が良かった」「今の言葉、好きだ よ」って言ってもらえれば「じゃあ、こっちにしよう」って選んでいったりし て。

中居:
それは、決して間違いではないでしょうね。

川本:
そう、ですね。

中居:
と思いますよ、僕。

川本:
ちゃんと決め決めでやってないっていうのも、最初から。 「こういう詩で、曲もこうで」って。だんだんメチャクチャ変わっちゃうんです ね、私。途中で。まだ2曲、2枚しか出してないですけど。

中居:
へぇー、そうですか。じゃあ、どう転ぶかわからないん ですね。

川本:
そうそう、そう。そうですね。レコーディング面白いで すもん。

中居:
レコーディングの段階で作っていくってことですから。 だから「詩ができた」「じゃ曲を作りましょう」「それにメロディーのせましょ う」「テープができた」「録音しましょう」「音録りましょう」っていうんじゃ ないですよね。

川本:
そう。もう、試行錯誤の連続で。

中居:
じゃあ、逆に煮詰まったりしないんじゃないですか?

川本:
そうです。全然ないですね。逆に煮詰まったりするのは 普段の生活で。あの、私あんまり音楽知らないんです。この番組にきて、みんな いつもすごい音楽のこと話してるから、どうしようかなって思ってたんですけ ど。私、あんまり知らないんですよね、あまり。昔からずっとロック聴いてたわ けじゃなくて、誰かを崇拝してるわけでもないんで。だから、どうしようかなっ て思ってたんですけど。普段の生活の中でも、音楽ってただの楽しみなんです よ、私の。ちゃんと研究もしてないし、あの、なんですか?なんですか?

中居:
僕に突っ込まれても。

川本:
ごめんなさい。なんていうか…。

中居:
うん、わかりますよ。それは逆にいいと思いますよ。

川本:
そのことにたまに悩んだりしますね。

中居:
悩みます?

川本:
うん。「こんなんでいいんだろうか?」って。

中居:
もしかして川本さんが音楽を勉強していくうえで、もっ と発見があるかも知れないですよね、追求することによって。それが新しい発見 なのか。例えば、誰かの音楽を聴いて影響されることもあるでしょうし、それが もしかしたら川本さんの音楽になっちゃうかも知れないです し。それこそ、そればっかりもどう転ぶかわからないですよね。それはそれで、 誰の影響もなく自分の感性だけでやるっていうのも、決して悪いことではない なぁと僕は思いますけどね。

川本:
うん。好きなアーティストの人じゃないや、音楽やって る人います?

中居:
僕?僕あんまり音楽は得意じゃないんですよ、歌が… …。好きなんですけどね、好きとウマいって違うんだよ。

川本:
あ、好きとウマいは違うんですか?ウマいっていうのが よくわからないんですね。

中居:
ウマいっていうのは、♪ドレミファソラシド〜ってちゃ んと歌えることだよね。

川本:
うーん?うんうん。

中居:
僕ね、要求された音が出ないんですよ。困っちゃうで しょ。

川本:
ふーん。

中居:
今、楽器もギターとピアノもやってらっしゃいますよ ね。どっちが好きなんですか?

川本:
ピアノとギターですか?うーん?

中居:
どっち好き?

川本:
どっちも好きです。

中居:
どっちも好き。

川本:
ちっちゃい頃からずっとピアノを習ってて、ソロになっ てからはギターなんです。

中居:
なんでピアノからギターに?

川本:
ピアノも弾いてますよ。ただ、今は本物のピアノがなく てキーボードしかないんで、ちょっと「ピアノじゃないな」って気がするんです けど。ギターしかないんです、家に。

中居:
おうちに?

川本:
はい。

中居:
じゃあ、ギターを始めたきっかけじゃないですけども、 やっぱりなんかを見たり聴いたりで「あ、いいな」って興味本位でギターを握っ たんだと思うんですけども。

川本:
うん、ギターは高校の時にすごくバンドをやりたくて。 友達との間でバンドをやろうってなった時に、みんなヴォーカルはできるんで 「やりたい!」ってことになりますね。あと、叩きものっていう意味でドラムも 「やりたい!」って、すぐできる。でも、ベースとギターは難しい。特別な楽器な んで、弦楽器だから。だからなかなかやる人がいなかったんですよね。だったら 私がするしかないなって、それでギターをやろうって思ってYAMAHAのギター教室 に通ったという。

中居:
ギター教室に通ったの?

川本:
すぐ辞めちゃったんですけど。ギター教室に通ったのが きっかけっていう。

中居:
で、学校みたいなのを辞めて、すぐ自分で、おうちで練 習したんですか?

川本:
そう。でも、そのバンドは1回も何もせず終わっちゃっ たんです。私がギターを習っただけで終わっちゃって。で、そのあと大学いって バンドやって、その時にギターをちょっとやって。で、このデビューをきっかけ に、岡村靖幸さんに「愛の才能」っていうデビュー曲を書いてもらったんです が、その時にすごくカッコいいギターを弾いていただいたんで「これはちょっと 真似してやらなきゃこの曲はかっこよくないぞ」と思って必死で練習したってい う。そんな感じです。

中居:
やっぱ、カッコいいの好き?

川本:
うん。岡村さんカッコ良かったです、スタジオの中で。 もうアドリブなんです、全部。最初に決まってるものとか全然ない感じで、ガ チッって録音ボタン押して、♪ジャカジャカジャカ〜って歌ってて、「カッコい いなあ。この曲はこういう曲だなあ」と思って。

中居:
そう。だから、そういうところで影響じゃないですけど も、川本さんの自由な感じじゃないですけども。だって、ぜんぜんフリーでその 時演奏されてたんでしょ?

川本:
フリー?

中居:
自由に、というか。それがカッコよく見えたってこと は、今そうして曲を作る段階でも詞を作る段階でも自由な感じがやっぱり?

川本:
そうですね。トィヤァーッ!!って感じでしたよ。もうす ごい勢いで、作ってる 時が。もう部屋に入れないぐらい。

中居:
あ、そう。じゃあ、今後はやっぱりギターですか? まぁ、ギターだけってわけじゃないでしょうけど。

川本:
うーん?ピアノもギターもすごく好きなんで、ピアノと かでもできたらいいなって思ってるんですけど。今ないんですよ、うちにピアノ が。

中居:
そんなのだって言えば?好きだったら。

川本:
買ってくれないですよ。

中居:
自分で買った方がいいんじゃないの?

川本:
そうなんですよ。なんとかしようと思って。だから来年 は絶対ピアノを買うって。

中居:
でもピアノを買うっていったら、それなりのスペースも 必要だもんね。

川本:
あたし貧乏なんで、バイトしなきゃいけないかなって 思って。

中居:
バイト?ん?バイトって言ったって今は…。もう音楽活動 がけっこうだからねぇ。

川本:
いや、すごい普通です。

中居:
普通っていいますと?だって、すごく忙しくなってきた でしょう?

川本:
いや、私もイメージとして、こうやってテレビとか出る ようになったら「ちょっと芸能人だし、家のお風呂にはライオンがいて、口から お湯が出てる」みたいな、そういう生活だと思ったんですけど、ぜんぜん普通の ユニットバスなんですよ。ピアノ買えないですよ。

中居:
まだこれからですよ。

川本:
だから、どうにか買ったら出します。ピアノの曲を。

中居:
じゃあ、買うまではピアノの曲出せないかも知れないで すね。

川本:
買うんです、来年。

中居:
じゃあ、来年まではピアノの曲は出ないんですね?

川本:
そうなんです。来年はちょっと出ないかも知れないで す。

中居:
ぜんぜん普通なんだ、生活とか。

川本:
はい。

中居:
でも生活変わったでしょう?シングル2枚出して。

川本:
うーん?変わってないですねぇ。あ、ただ最近、街中で 声をかけられるんですよ、「こんにちは」って。すごい嬉しいです。

中居:
嬉しい?

川本:
うん。

中居:
そりゃあ、みんな声かけるよ。これだけテレビに出てる んだもん。

川本:
ん?ちょっと前まではなかったんですよ。で、たまに 「1曲目、好きです!」って言ってくれたりする人がいて。で、ギターをね、私の を見て「買ったんですよ」とか、「習い始めました」とか言う方がいて、「う わぁ、申し訳ないなぁ」って思って。

中居:
そういう人たちは、川本さん見てカッコいいって思った んだよ。カッコいいって思って「自分もギターやろう」って。それだけ魅力的 だったって思ったんじゃないですかね。

川本:
そういうふうにいってくれる人がいるから、最近ちょっ と調子に乗ってますね。

中居:
調子に乗ってる。調子に乗らないとダメだよ。

川本:
そうですか?

中居:
俺、メチャクチャ調子に乗ってるぜ、うん。今もうガン ガンだよ。もう、ガンガンにいかないと。

川本:
そうかぁー。だから、締め切りの話をしてるときは完全 にその対決モードなんですけど、いったん曲を作り出すとまったく私、周りの人 のこととか見えなくなっちゃうタイプで。もう、どうにか今思ってることがその 曲にならないと気が済まないって、自分の中の対決になってるんで。けっこうい つの間にか入れ替わっちゃってるんですよね。で、それが、いつなのかわからな いんです。そんなに、まだ4年ぐらいしかやってないんで、作曲も作詞も。

中居:
へぇー、そう。面白いですよねぇ、でも。いいですよ。

川本:
ありがとうございます。

中居:
自分のペースで、多分、音楽が好きで、歌が好きで、好 きっていう気持ちだけかもしれないですね。

川本:
うん。あ、そうだ。でも、歌詞とか間違ったらどうしよ うとか、そういうプレッシャーはあるんですよ。それとか、今も何を喋ろうと かって思ったりとか。

中居:
いや、けっこう喋ってるよ。

川本:
喋ってますよね。勝手に喋っちゃうんですよ。でも、間 違ったらどうしようとかね。

中居:
でも喋ることなんてね、特に間違いもなにもね。「これ を喋りなさい」っていう台本があるわけじゃないですから。

川本:
多分ね、歌も一緒で、喋ってるのと一緒なんじゃないか な。一緒なのが私、好きなんですね。歌詞とかも、あまり作り込まないでいつも 友達と喋ってるような言葉がメロディーに入っていけばいいなと思ってて。その ほうが自分も泣いちゃったり出来るんで、そういうもののほうが聴きたいってい うか、自分でも聴きたいと思ってるし、歌いたいんで。で、やってると「間違っ たらダメだ」とか「こういう決まりがあるんだから」とか、そういうプレッ シャーがあるんですよ。「誰かにこう言われてるから」とか。でもそういうこと は、なるべく忘れる。やっぱり。

中居:
忘れようとしてる?

川本:
なんか、間違ったりしてたほうが、後で聴いて面白いん ですよね。

中居:
それに自分が納得したうえで満足したものをやらないと 後悔したりしますしね。

川本:
そうですね。それは私まだ。

中居:
自分の好きなものやった方がいいと思いますよ。

川本:
後悔とかって、まだ私、完璧なものっていうのがぜんぜ んわからないんで、後悔もわからないんです。多分、後悔っていうのは、完璧に やった人が次にやった時に「完璧にできなかった」って後悔するんだろうと思う んですけど、私いつも間違ってるんで。歌詞とかでもなんでも。

中居:
でも完璧っていうのは、周りの判断する完璧じゃなく て、自分が完璧じゃなくても納得できるものだったらね、それが世に出た時にみ んなに評価されなくても「でも、これは私が作ったものです。評価されなくても これが私です」って自信を持って満足したものを出すんだったら、周りに評価さ れなくても後悔はしないんじゃないかなって。

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