Vol.54

FACTORY TALK ：HOODRUM

HOODRUM AND MONSIEUR in Talking

近田:

いまさあ、凄い「テクノ」って言葉が巷に氾濫してるけ どさあ、テクノという言葉にくくられる音楽っていうのの幅？そのいちばんこっ ちとこっち！真ん中辺は判るんだけれど…、テクノである音楽ってのの、一番の 条件って何なの？

田中:

テクノってまあ、よくわかんないんですけど、個人差？ て思うんですよね。だから言う人言う人、聞く人聞く人、これがテクノって言う 人がいたら…、隣にいる人がテクノっていうのと、ホンマばらばらやから…それ が凄い、なかなかこれをテクノって言っちゃうのが難しいんですけど…

近田:

その音楽じゃないかもしれないんだけど、そのスピリッ ツとしてね…テクノっ て、俺やっぱり、絶対、金持ちだから勝つ音楽じゃないところがおもしろいん だと思う。

田中:

まあ、センスだから…。

近田:

そう、センス！センスが一番って音楽だから、僕はテク ノの面白さだなあって思ってるんだけど。今そういう二人が一緒に音楽を作って いく方法ってのは、どんな形で進めてるんですか？そこが結構、聞きたいんだ。

山本:

いや、それよく聞かれるんですけれど、スタジオ入って 一緒に作るっていう？

近田:

それは想像つくんだよ。それで、君は楽器はやらないん でしょ？

田中:

いや、やります。

近田:

あ、やるんだ！

田中:

打ち込みもやります。

近田:

やるんだ、それじゃ一緒にやるんだ。エディットとか ミックスだけじゃなくてその部分から一緒にやるんだ？

田中:

そうです。

近田:

そういう時って、機材は今、２人とも共通のものなの？

田中:

同じものも…、サンプラーぐらいですけれど、同じもの は。ま、でも２人とも 違いますよね

近田:

シーケンサーは一緒なんですか？

田中:

シーケンサーは違います。

近田:

ちなみに何を？

田中:

僕はねえ、ローランドのMC-50っていう

近田:

お、渋いの使ってるね？君は？

山本:

僕はVISIONです。

近田:

VISION、ああミュージシャンっぽいね。僕はちなみにエ ンソニックのKSって いう鍵盤のついた、あの変な、中に入ってるシーケンサー？俺、あれが一番良 くってさあ…。あれ、一番ループするのが楽なんだ。でさあ、トラック１２個 しかないんだあ。で、１２個でやりくりする方が頭使って面白いんだぁ。

田中:

なるほどね。

近田:

ほら、今、たとえばヒップホップの人なんかSP1200が流 行るとみんな買ったりするじゃん。そういうのって、俺、つまんない気がすんの よ！であれ、MC-50？なかなか最近使ってないじゃん。

田中:

どうですかね？僕、身近でDJ-KRUSH彼もMC-50なんです よね。

近田:

あぁ、DJ-KRUSH。なんかあれ、ＤＪの人ってさあ、現場 にポッて持っていけ るものが便利なんじゃないの？

田中:

手軽ですからね。

近田:

昔、ほんとにさ、テクノってのはＤＪ中心だったけど、 だんだんさあ、ライブPAみたいなのが多くなってきたじゃない！そういうものっ て…ライブPAみたいな形でやろうと思ってるんですか？

山本:

あの、だからA-DATで

近田:

だから録音してあるトラックのいくつかを…

山本:

そうですね、だからミュートで作る直すという…。僕が もう、あえてライブ、ローズとかオルガンばっかだから、で、絡んでいくという

近田:

で、フミヤ君はミュートで絡んでいくんだ。

田中:

そうですね、ミュート、もう、その日の気分によって、 もう全然。

近田:

なるほど、うれしいときはうれしいよね！

田中:

失敗しちゃうともう…

近田:

取り返しつかないよね。

田中:

キックだけ忘れちゃう時ありますよ。

近田:

あ、わかりますよ！それ！