TK MUSIC CLAMP

Vol.54

CLAMP TALK


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CLAMP TALK :The Street Sliders



中居=中居正広
村越=Harry(村越弘明)

中居:
15〜6年。本当にテレビに出る回数、さきほどもチラッ と言いましたけども、数えるぐらいですよね。なんかその、テレビに出ないこだ わりみたいなのっていうのはバンドの形式としてあるんですかね?

村越:
俺はね、元々あんまりテレビ見ないほうなんだよね。

中居:
あ、見ることもそんなないほうなんですか。

村越:
うん。

中居:
へぇー。じゃあ、もちろん興味みたいなのっていうのも ないんですかね?

村越:
うーん?そうだね。あんまりテレビは、うん。

中居:
でも、今、音楽界もいろんなバンドの人とか。

村越:
ああ、そうだよね。

中居:
すごいんですよ。まあ、それはいろんな話を耳にすると 思いますけども、いろんなバンドがいて、いろんな音楽を演ってたりしますけど も、スライダースの皆さんの音楽の形式みたいっていうのは、結成されて15〜6 年、ちっとも変わんないですよね。

村越:
そうだね、うん。もう、やりたいことが決まっちゃって てね。好みが決まっちゃってるからね、変わんないんだよね。

中居:
影響されるっていうことはないんですかね?

村越:
そうだね、まあ、あんまり新しいのもね、あんまり聴く ほうじゃないね、どっちかっていうとね。ほら、出るとたくさん聴く人いるじゃ ない。そういうタイプじゃないね。

中居:
15年16年、ずっと同じ音楽、自分たちの好きなような音 楽を。

村越:
うん。

中居:
でもね、さきほどもチラッと話しましたけど、ライヴも 例えば3年振りだったり4年振りだったり。で、今回11月に出ますアルバムも1年振 りだったり2年振りだったり。期間が長いですよね。

村越:
うん、そうね。

中居:
それっていうのは、作る段階で作ろうと思って作って らっしゃるのか、それとも逆に周りの人に、レコード会社なりスタッフの方に 「ちょっと作ってくれよ」と。「もうそろそろ作ってくんないと困るから作って くれよ」と要求されて作ってるのか、どっちなのかな?と思うんですよ。

村越:
あのね、俺はね、テーブルに向かって「作るぞ」ってい う感じで作ったことはないんだよね。

中居:
あ、曲も詞も?

村越:
うん。

中居:
「よし、じゃあ、曲を作ろう。こんな曲を作ろう」そう いう気持ちで作らないんですか?

村越:
うん。あのね、まあ、曲は作りたいなぁって常々思って はいるんだけども、浮かんでくるまで待ってるっていうかね。あの、無理して ね、作らないんだよね。無理してもね、いいの出来ないのね。

中居:
じゃあ、自分がもう自然に?自分でもわからないです ね、いつ出てくるかっていうのは。

村越:
そうだね、うん。

中居:
いつ閃く、まあ閃くっていったらおかしいですけども、 いつポンッて出てくるかわからないんですね。

村越:
そうそう。

中居:
それが2年であったり、3年のブランクがあるわけです ね?

村越:
そうそう、そうそう。

中居:
でも、ファンの方々っていうのは、やっぱり早くライヴ もやって欲しいですし、早くアルバムも作って欲しいですし。やっぱり早くって いう気持ちは絶対あると思うんですよね。

村越:
うん、そうだね。

中居:
それに応えてあげようっていう気持ちとかはないんです か?

村越:
そうだね、うん。やっぱりね、ファンがいてくれるから ね、続けられるっていうのはあるからさ。あの、放ったらかしてるわけじゃない んだけど、うーん?結局は自分のペースになっちゃうんだよね。

中居:
スライダースの皆さんは、そういう周りの音楽に流され ることなく、常に今のメンバーの4人だけでずっとやってくってことは、ある意味 では勇気の要ることでもあるんじゃないかなって思うんですよ。で、売れたいっ ていうのはやっぱりあります?

村越:
そうだね。やってるからには売れたほうがいいんじゃな い?

中居:
売れたほうが?

村越:
でも、どっちかっていうと「売れたい」っていうより、 「やりたいことやりたい」っていう感じかな。

中居:
そうでしょうね。

村越:
わかると思うけど。

中居:
その順位とか枚数とか数字にこだわらず、自分たちの音 楽だけをやっていきたい。

村越:
だから、なんかやりたいことをやり通してさ、それで売 れたら最高じゃない。

中居:
最高ですよね。

村越:
うん。そうなったら最高だね。

中居:
それをね、評価してくれたら、もう何にも言うことない ですよね。

村越:
そうだね。

中居:
でもあの、まあ最初のきっかけの話じゃないですけど も、最初にハリー さんはリードギター。やっぱりギターっていうとやっぱり、誰しもがやっぱり リードギターやりたいんですよ。

村越:
そうだよな。

中居:
と思うんですよ。なんでハリーさんはリズムをね、率先 して自分からやろうと 思ったのかな?って。

村越:
そのね、まあ、ローリングストーンズのキース・リ チャーズっていうギタリストいるんだけど。まあ、あの人に影響を受けたってい うのが、やっぱり一番大きいかな。あの、バンドを支えてる感じがするんだよ ね、サイドギターってさ。リードギターっていうのはすごく華やかでさ、綺麗 だったりとかさ、メロディでしょ。

中居:
見せ場もありますよね。

村越:
そうだよね。そういうんじゃなくってさ、もうちょっと リズム寄りでさ、刻んでバッキングを固めてる感じ、バンドを固めてる感じ。そ れがね、そのイメージがすごく強くて、それがすごく好きなのね。だから、もと もと俺、歌はね、どうでもよかったの。

中居:
え?どういうことですか?

村越:
あの、サイドギターだけでもよかったの。

中居:
みんなでも、ヴォーカルもやりたいし、リードギターと ヴォーカルって言ったらみんながやりたいところを、なんでですかね?

村越:
うん、だから、ガキの頃の俺の目から見て、それがカッ コよかったんじゃないかな?

中居:
そのキースの?

村越:
うん、あの、バッキングやってバンドを固めてる役。そ ういうパート。

中居:
へぇー。珍しいですね、でもね。

村越:
そうかもね。あんまね、ロックバンドのヴォーカルは ね、あんまり目が行かな かったね。

中居:
だって本当、15年16年前っていろんなバンドもちろん ね、今もそうですけども、いろんなバンドの人がいて。で、それを見る度にやっ ぱりね、まあ目立つって言ったらおかしいですけども、メインはヴォーカルだっ たりリードギターだったりするわけじゃないですか。

村越:
そうだよね。

中居:
そこに目が横で。

村越:
そうそう、そうそう、うん。

中居:
だから、サイドギターの人っていうのは、テクニックも もちろん要るでしょうけども、テクニック以上になんか大事なものを追及じゃな いですが。テクニックの世界だけじゃないような気がするんですよね。

村越:
うん。そのやっぱ、バンドのなんか、うん、支えだよ ね。だから、支えの部分。リズムがあってサイドギターっていうのがあって、そ の上に歌とかが乗るわけじゃない。だから、前のヴォーカルとかリードギターっ ていう部分じゃなく支えの部分。そこで黙々とやってるのがイメージだったんだ けどね。だから、スライダーズ今のメンバーになった時もね、あの、ヴォーカル ずいぶん募集してさ。

中居:
最初ヴォーカルやろうって、最初っからなかったんです か?

村越:
あのね、いちおう俺が歌ってたんだけど、本当はヴォー カル入れて5人バンドにしたかったんだよね。

中居:
あ、そうですか。

村越:
うん。でも、あんまりいい奴がいなくてさ。合う奴がい なくてさ。まあ、曲書いてるのも俺だしさ。まあ、最初は拙い歌だったんだけ ど。

中居:
アマチュア時代ですよね。

村越:
そうそう。で、しょうがないから自分で歌うっていう感 じになっちゃったんだけどね。

中居:
じゃあ、もしその時にヴォーカルの人を募集したとこ ろ、誰かが入ってたとしますよね。そしたらスライダーズのもしかして方向性っ ていうのも、もしかして変ってたかもしれないですよね。

村越:
でもまあ、俺が作るナンバーは変んないから、似たよう なもんだろうな、きっと。

中居:
誰が歌おうが?

村越:
うん。

中居:
まあ、その当時のこと考えますとね。

村越:
「俺の好みはこれだから」っていう感じで。

中居:
そのハリーさんが作ってる曲にしろ詞にしろ、長いブラ ンクがあったとしても、他の周りのメンバーの方は何かおっしゃらないんです か?「ちょっとそろそろやったほうがいいんじないか?」と。

村越:
そうね、みんな優しいんだよ。

中居:
メンバーの方は優しいですか?

村越:
そうね。「早く起きろ!」とか言わないんだよ。4年半寝 てたからね、俺。

中居:
他のメンバーの方って、どういう気持ちだったんですか ね?

村越:
うーん?ま、その頃はね、あの、みんな俺以外のメン バーは他のプロジェクト作って活動してたんだよね。スライダーズ以外でね。だ から、それなりにみんな動いてたんだけどさ。寝てたのは俺だけなんだけどさ。

中居:
4年半寝ますかね?

村越:
普通、寝ないか。

中居:
普通は寝ないですね。パンダでも冬だけですよ。

村越:
あ、そう?

中居:
冬眠は。

村越:
そっか。

中居:
4年半てオリンピック1回分ですよ。

村越:
そうだね。

中居:
まあ、今までね、15年16年ですけども、今までハリーさ んが音楽をやってきた上で、「うわぁ、これは最高だな」って思った時っていう のかな。「ああ、今までやってきてよかったな」って実感できた時、できた時。 もしかして質問が悪ければあの、もしかして出来てないのかもしれないんですけ ども。

村越:
あのね、あんまり事がウマく運び過ぎちゃうとね、俺は つまんないのね。スルスルスルッとステージが調子良く終わっちゃうだけだと、 自分でぜんぜん実感がないのね。だから、多少、山あり谷ありでも、自分で何か つかめればね、つかめたステージっていうのがやっぱり自分にとっては一番いい ね。なんかほら、ツアー何本も何本もやってくとさ、すごく慣れてきてさ、調子 が良くなって、調子がいいだけで終わっちゃったりするじゃない。そういう時っ ていうのは、なんか何にも残んなくてね。

中居:
あ、逆に。

村越:
うん、なんか惰性でやってるだけ、みたいな感じで。

中居:
ああ、それはわかるような気がするな、僕なんかでも。 常に何か、まあプレッシャーだったり、反省っていうのかな?「なんかしっくりこ ないな」そういうふうに気持ち的に思っていないと、次へ行こうっていう気持ち にならないのかもしれないですね。

村越:
うん。やっぱり何かを打破した時って嬉しいじゃない。

中居:
はいはい。

村越:
そういう感じかなぁ?

中居:
常に何か目標っていうか、目指してるものっていうの は?

村越:
うーん?そうだね、やっぱり毎回同じステージをなぞる ようにやっても、まったく意味がないからさ。だから、毎回毎回その時の自分の バイブレーションでさ、まあ、何か新しいものを見つけるなり、なんて言うのか な?

中居:
僕、言わんとしてること、本当すごくわかりますよ。そ の今の気持ちっていうのを大事にしたいんですかね?

村越:
そうだね。

中居:
ステージやってる時はそのステージの本番その時の気持 ちだったり。だから、もしかしてその時に、もちろんMCがなかったりアンコール がなかったり。でも、今後のこと考えるともしかして、予定した曲、10曲なら10 曲、20曲なら20曲、5曲で終わる、そういうことも無くはないですよね。そういう ハプニングとか。

村越:
福生時代とか、よくありましたよ、そういうのは。

中居:
ああ、そうですか。

村越:
うん。デビューして最初はやっぱりライヴハウスを回っ たんだけどさ、その時もなんか4〜5曲で帰ったりとかね、したよ。

中居:
お客さんは?

村越:
客は唖然としてたけどね。

中居:
「おぉい、何だよ?おい」「あれ?まだ時間。何やってん だよ?おい」。

村越:
「金払ってんだぞ!!」みたいな。

中居:
あるでしょうね。「なんで金払ってんのに、おまえら さっさと帰るんだよ!?」。

村越:
そうそう、そう。

中居:
多分、やりたくなかったから帰ったんでしょうね。面倒 臭かったんでしょうね、その時の気分が。

村越:
そうそう、そうそう。

中居:
でも多分、それっていうのは僕わかんないですけど、今 後のそのね、活動とかにも、15年16年経ったとは言え、もしかしてそういう気持 ちっていう、その時の気持ちだったり、その時その時に感じてることをやっぱり 表現する姿勢っていうのは多分、うん、今後変らないんじゃないかなって思うん ですよね。

村越:
人間なかなか変んないからね。

中居:
うん。基本的な部分は変んないですよね。

村越:
変んないよね。

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