CLAMP TALK Vol.29

NAKAI in talking with TSUNKU.
- 中居:
- 「みなさんこんば…」あ、すみません、緊張のあまり声がひっくり返ってしまいま
した。先週も小室さんがちょっと休憩ということで、私、中居正広がこの番組を引き継が
せていただきます。そして、第一回目のゲストをさっそく御紹介しましょう。多分、長く
なるんじゃないかと思いますんで、さっそく御紹介したいと思います。第一回目にふさわ
しいゲストです。この方、シャ乱Q、つんくさんです。
- つんく:
- 「みなさんこんば…緊張のあまり…」。よろしくです。
- 中居:
- こうやって喋るのは初めてですね。
- つんく:
- 初めてですね。緊張しますね。
- 中居:
- 緊張します。
- つんく:
- 緊張ますね。
- 中居:
- 僕は多分、つんくさん以上に緊張してると思います。
- つんく:
- そうでしょうね。
- 中居:
- 一回目ですもん。
- つんく:
- 先週もすごかったですね。
- 中居:
- 先週御覧になりました?
- つんく:
- 御覧になりましたね。
- 中居:
- 率直につんくさんから見てどうでした? 今までずっと1年間小室さんがやってきた
。
- つんく:
- いや、だから、僕らがその小室さんの前にくると、本当に音楽に対して何か懺悔
するような感じじゃないですか、いつも来て。
- 中居:
- そうですよね。
- つんく:
- なんかそれをね、まあ言いに来てたような、ちょっと先生に言いつけするような
感じでね、小室さんのところにはいつも来てましたたから、この番組は。だから、それが
まあ、中居君に変わるってすげぇプレッシャーだろうなと思って。
- 中居:
- プレッシャーはありますね。なんかだって、天才に近い人じゃないですか、小室さ
んていうのは。で、僕とやっぱり価値観も違いますし、ジャンルも違いますし。まあ、ど
う転がるか本当わかんないですよ。それで一回目がつんくさんですからね。いろいろと僕
は聞きたいこともありますし。
- つんく:
- あ、俺もあるんですよね。いっぱいあるよ、いっぱい。
- 中居:
- じゃあゲストですから、いろいろと引き出したいと思います。
- つんく:
- はい、わかりました。お願いします。
- 中居:
- まず、シャ乱Qの音楽に対する姿勢、こだわり、いろいろとあると思うんですけど
。今までずっとバンドブームがあったじゃないですか。
- つんく:
- はい。
- 中居:
- で、バンドブーム一時終わったじゃないですか。
- つんく:
- 終わりましたね。
- 中居:
- それからのシャ乱Qですよね。それから出て来たシャ乱Qですよね?
- つんく:
- そうそう、そうそう。はい。
- 中居:
- で、なんでバンドブームに出て来ないで、バンドブームが終わってから「あれ?
今までのバンドブームはどうしたのかな?」って。「何でここまで自分たちが来れたのか
な」っていう、その認識みたいのをね。
- つんく:
- あの、勝つ気でいればいつか…。だから、一番近い試合は負けても次の試合で勝
てたりするじゃないですか、なんか。あの、トーナメント形式じゃないから、この世界は
。だから、「一番近い試合で負けても、その次の試合に勝てばいいや」と思って練習を毎
回続けて。練習というか、トレーニングというか、鍛練というか。で、ちょうどアマチュ
アやってる時に世の中がバンドブームで、もう出るバンドばんばん売れてる、みたいな。
「何で俺たちが出れないんだよ?」ってね、大阪でくすぶってて。で、デビューした頃が
ちょうどバンドブームの一番最後というか。もうバンドであることがカッコ悪い、みたい
な。やっぱ時間かかりましたよね、だからなんとなく。
- 中居:
- 1988年ですよね?
- つんく:
- 結成はそうです。
- 中居:
- SMAPも1988年なんですよ。
- つんく:
- 結成が? あ、そうなんですか?
- 中居:
- ちょうど。
- つんく:
- なんか、すげぇ嬉しい。すごい、それびっくりしたね。
- 中居:
- あ、そうですか?
- つんく:
- え? その時っていうのはレコード出してたわけじゃなくて?
- 中居:
- もう結成して、とりあえずアイドル全盛期ですよね、いわゆる。
- つんく:
- その頃バリバリが?
- 中居:
- ヒカルゲンジ、オトコ組、少年隊、忍者。
- つんく:
- の頃はいくつだったんですか?
- 中居:
- 僕が15の時ですね。
- つんく:
- え? 88年でしょ? 15?
- 中居:
- 15。
- つんく:
- え? 今いくつ?
- 中居:
- 今23です。
- つんく:
- 今年4?
- 中居:
- 今年4です。
- つんく:
- 今年、俺8だから…。
- 中居:
- そうなんだよね、二十歳の時に結成されて。
- つんく:
- そうそう、そうそう。
- 中居:
- ちょっと長かったですね、じゃあ。
- つんく:
- 長かった。で、あ、そうだよ。中学生だったんですね、じゃあ中居君。
- 中居:
- そうですよ。だから結成の時は中学生でしたよ。
- つんく:
- 俺、もうだって結成した時、大人だっていう意識が自分の中にあったから。
- 中居:
- 自分でどうでした? もし、今の自分がなかったら音楽をやめてました? それとも
?
- つんく:
- 何らかの形で携わってたとは思うけど、今は。でも、まさかこんなにちゃんと出
来ると思って…、未だにまだ怪しいなと本当に思いますけどね。
- 中居:
- でもね、8年間やってきて、いわゆる下積みみたいのがあったわけじゃなですか。
下積みで4年5年、「もしかして、俺らはもうこのまんま花が咲かずに自分たちが終わって
しまうんじゃないか」っていう不安にも陥るでしょうし。正直、何をきっかけに、何を原
動力にして?
- つんく:
- 何だろう? でも、「儲けてやるぞ」じゃないけど、ちょっと入ってるでしょ。
あと「モテてやるぞ」。で、なんかやっぱ、男というか同性に関してもやっぱ、「バンド
で飯なんか食えないよ」ってあざ笑ったやつに対して「いつか見てろよ」とか。まあ、あ
とはやっぱり父親に対してというか、両親に対してというか、「いつかは恩返しできれば
」という気持ちとかね。でも、どれが一番でかいかといえば「モテたい」が一番でかいで
すよね。
- 中居:
- …単純なのね。
- つんく:
- 動機はすごく不純。
- 中居:
- モテたい?
- つんく:
- モテたい。
- 中居:
- それが音楽だったわけですか?
- つんく:
- いろいろやったの、俺。全部一通り。
- 中居:
- 例えば?
- つんく:
- だから、モテそうなこと。波乗りとか。なんだろう? バイクとか車とか。なん
だろう? えぇと、まあ、勉強もそこそこ。
- 中居:
- 世間体でいうモテる男の条件みたいのを自分で揃えて。
- つんく:
- そうそう、そう。チェックメイトとか買ったりして。ファッション研究とかね、
いろいろやって。一番なんとなく自分に都合がよかったのがバンドというかギターという
か。で、ジャニーズには入れなかったし。タイミング的にというか、顔的にというのか、
肉体的にというのかわかんないけど。気がついたらもう18とかだったら「あ、もうダメだ
な」と思って。
- 中居:
- でも28っていうと僕なんかのヒカルゲンジの世代ですよね。
- つんく:
- 一番大きい人と同じ年、俺と、確か。
- 中居:
- そうですよね。
- つんく:
- ああ、そうだ。
- 中居:
- ウチウミさんとか?
- つんく:
- ウチウミさんとかね。
- 中居:
- へぇー。僕なんかね、ずっと前っていうか、シャ乱Qが、つんくさんが売れる前で
すよね。あの知り合いの。
- つんく:
- そうそう。もう本当、涙が出るくらい嬉しかったよ。あれ、俺の誕生日会で中居
くんが来てくれたの、夜中に。酒持って、裸でバァーンて来て。「おめでとうございます
」って言って帰っていったの。…カッコいい。
- 中居:
- 違う。あの時なんで僕も行ったのかわかんない。その知り会いがとにかく「シャ乱
Qって知ってる?」って。「シャ乱Q?」。で、「ヴォーカルのつんくって知ってる?」っ
て。「いやぁ…」。その時ぜんぜん出てませんでしたもんね。
- つんく:
- チョコっと出始めたぐらい。
- 中居:
- なんかね、名前が。
- つんく:
- そう。まだ「名前が変だ」って言われてたぐらい。曲なんてぜんぜんまだ。
- 中居:
- 「シャ乱Qなんかバタンキューだ」なんて言われてた頃ね。
- つんく:
- そうそう、そうそう。
- 中居:
- そういう時代ですよね。
- つんく:
- そういう時代。いわゆる。
- 中居:
- 時代的には。
- つんく:
- 時代的にはそういう。
- 中居:
- その時に時間がある限りだったらって。
- つんく:
- もう本当、きまぐれっていうか。よく来てくれましたよね、本当にね。
- 中居:
- 夜中の1時2時ぐらいかな?
- つんく:
- そんなもんかもしれないですよ。
- 中居:
- 誕生日だから、家にあるお酒どれがいいんだろうなって。金持ってる人たちなのか
な? それとも貧乏っタレの人たちなのかな? と思って。とりあえず自分の家の一番高い
お酒を。
- つんく:
- あ、そうなんだ。俺、まだ大事にとってある。
- 中居:
- あれ?
- つんく:
- だって多分、それはでも今テレビ見てる人たちとかだったら、それはいくら出し
てもいいから欲しいと思うんじゃないですか。中居くんが持ってたウイスキー。
- 中居:
- そうなのかな?
- つんく:
- 大事にとってありますから。
- 中居:
- で、とりあえず「おめでとう」って。でも、もうその時酔っ払ってたんですよ。「
あ、どうもはじめまして」って言ったら「オーィッス!!」ってもう。
- つんく:
- 俺がですか? うそ? いや、それは緊張の裏返し。俺、すごい話いっぱいしたか
ったんじゃないかな、その時もきっと。
- 中居:
- とにかく混み合ってましたしね。けっこう狭いお店でしたし。
- つんく:
- そうですね。いろんなバンドのメンバーが。
- 中居:
- その時なんかね、「ま、頑張って欲しい」じゃないですけど、「出てこいよ」って
いうのが自分の中でありましたよ。
- つんく:
- 本当ですか?
- 中居:
- うん。「出てこいよ」って。
- つんく:
- で、どうですか? その後シャ乱Qの動きは。
- 中居:
- で、出て来たじゃないですか。で、僕ね、僕なんかのグループと比較するわけじゃ
ないですけど、今後はやっぱりどうなるのか。だから、今つんくさんがいますよね。で、
つんくさんがバラエティ番組もそうですし、喋りますよね。歌いますよね。踊りますよね
。で、僕らっていうのは6人が歌って、6人が一人でも、だれが真ん中に来てもおかしくな
いグループなんですよ。だから、例えばこの音楽界、芸能界が戦争だとしたら、誰もが戦
力になるメンバーとして今までこの8年間か9年間、僕らはやってきたつもりなんですよ。
で、今シャ乱Qが、今は勢いじゃないですけども、バッときた時にはいいと思うんですよ
。でも、今後なんかいろいろ、これから壁があったり戦いがあったことによって、つんく
さんがどっかの歌手、どっかの音楽界からバァーンて撃たれた時、次に先頭に立つメンバ
ーが。
- つんく:
- ああ、チームシャ乱Qとしてね。
- 中居:
- その時に、そういう場合はシャ乱Qは誰が出てくるのかな? 誰が戦力になるのか
な? ってとこが。
- つんく:
- ちょっとメンバー、見てるか? おぃ! おぃメンバー、焦ったほうがいいぞ!
おぃ。だいたい俺が一人で出る番組見ないんだよな。
- 中居:
- いや、でも今のつんくさんのいる立場っていうのは、今全部をしょってもおかしく
ない個人として僕は価値観があると思うんですよ。それはもちろん歌にしろ喋りにしろ。
だから、今の勢いっていうか、今の価値観のままずっとこの先けっこういけると思うんで
すよね。でも、万が一ね、なんかにぶつかってバキューンがきた時に、シャ乱Qはどうす
るのかな? って。
- つんく:
- ……どうしよう? 撃たないでね! いや、でもね、もちろん本当に逆にいうとす
ごいその、バァーンと掘り出されてこの世界に飛び込んで、そのバンドブームでいうとい
ちばん隅っこから入ってきたじゃないですか。で、みんなが「まさかシャ乱Qが」と思っ
ててくれたから、逆にその隙間産業じゃないけど、一個一個、のしあがってきて。もちろ
んそこの表街道にはヒカルゲンジからの流れがあって、ジャニーズというかその。で、ち
ょうどSMAPが俺らが東京に来た頃に「夢モリ」始めたかぐらいで。
- 中居:
- はいはい、はい。
- つんく:
- 曲で♪ウォウォウ、ウォウォウ〜。
- 中居:
- ありましたね。
- つんく:
- で、ヒットチャートを賑わそうかという頃で。まあやっぱ、それまでなんとなく
俺らが同じ世代でいた時に、その少年隊にしてもなんか中学生の持ち物のような感じがし
てたのが、SMAPが出てきた感じの時はなんとなくOLもOKみたいな感じがしてたのね。それ
がすごく悔しくて。でも、もう俺らにその力も立場もなくて、見てるしかなくて。で、ま
た武道館のライヴかなんかテレビで見て。武道館かどうかわかんないけど。サイン色紙を
ピューッと投げて、角を折って投げるのを。
- 中居:
- ああ、はいはい。
- つんく:
- たまたま東京でしかオンエアしなかったのかな? 誰かに撮ってって頼まれて、
東京で暇だったからビデオ撮りながら見てたら、「ケッ!」とか思いながらSMAPを見てた
のに、どんどん「くっそー」とか思いながらどんどんハッとさせるシーンがそのコンサー
トの中にあって。「わぁ、すごいな」と思って。で、まうその「夢モリ」とかはじまって
、いろいろチェックし始めて。で、「この元気なやつは誰だ?」とやっぱ思うんですよ。
それが中居正広で、ちくしょー。なんか「ちくしょー」なのよね。すごく喋るし。で、な
んか茶を濁すじゃないですか。なんかちょっと照れ臭い感じになったりとか。で、はじめ
は「どっちなのかな?」って思ってて。ただ照れ臭いのか、単に嫌なのかわかんないけど
、なんかその空気があったらバァーンと入れ替えようとするやつが。まあ他の周りが大き
くて、「あの小さいやつは何をしてるんだろう?」って思いながら、テレビで一視聴者と
して見てて。で、俺らもどんどんちょっとずつ駆け上がろうとしてる時に、けっこうその
「夢モリ」とかにしても数字とりはじめてて。そう、「いいなぁ、悔しいなぁ」と思って
る頃にその、ちょうど知り合いがいて誕生日会があって、「何とか話したいんだ」とか言
う話になったりして。で、俺らもチョコっと出てきて、まあ音楽番組とか一緒になりまし
たよね、チョコチョコと。「え? そろそろもしかしたらシャ乱Q、SMAP抜くかな?」とか
、なんか勘違いしてた時期があって。俺の中にもなんかしんどそうにSMAPが見えた時があ
って。その時俺らのってるから気付かなかったんだよね。「あ、これはもしかしたらシャ
乱Qイケイケだなぁ、おい」とか。……スマン!! スマン! ちょっとだけな。思った時
があったんよ。うん、でもね、それを覆えされたのが今年の頭一発目の。っていうか年末
の、暮れの音楽スペシャルものに出る時も「あれ? ちょっと待てよ」と思った時あった
んですけど、今年の1月のHEY! HEY! HEY! のチャンプに来た時のオンエアを見てた時に、
「ああ、俺、もう降参」。もう白旗を思いっ切り上げたんですよ、俺の中で。
- 中居:
- え? どういうことですか?
- つんく:
- いや、とにかく出てきていきなり浜田さんに「キムタクは俺たちのもんだぞ」み
たいなこと言って。「ダウンタウンて面白くなりましたよね」って洒落でも言えるキャラ
クターっていうのが
俺はもう真似できないと思って。
- 中居:
- でもね、あの、そういうふうに言ってくれてね、スタッフの人たちも聞いてたんで
すよ。まあ、ライバルじゃないですけど、「意識してる」みたいな話を聞いた時に、僕は
ある意味で嬉しい反面ね、つんくさんには失礼かもしれませんけども、まあ、情けないじ
ゃないですけども、「ちょっと待ってよ」っていう気持ちにもなったんですよ。
- つんく:
- なんで、なんで、なんで?
- 中居:
- なんでSMAPなんかを目指すのか? なぜSMAPを目標に超そうと思うのか? 「おい、
ちょっとシャ乱Q、どうしたんだよ?」って。
- つんく:
- だから、それはグループとしてね、男が複数集まる団体というのが昔から、まあ
こんな話あれだけど特攻隊とか、一丸となってバァーンていく時にすごいエネルギーにな
ると。で、その俺がなんでSMAPあれかなって思ったのは、みんな一緒にいる時に、すごく
面倒臭そうに見えたんだけど、ここぞっていう時を知ってるんだなと思って。俺らそれま
で知らなかったから、出る番組出る番組、全部塗りつぶすために必至でやってたけど。ほ
ら、最近、要領覚えて、ここで一休みして、ここでグッといってとか、そういうのわから
なかったから。で、そういうチャンプで来た時に、バァーンてやっぱ6人のこのパワーっ
て「やっぱすごいな、SMAPこの野郎」って思ったのね、俺が。さっきの、もし俺がバァン
て撃たれた時に、じゃあどうなるのかっていうとこに関しては、SMAPは6人がグッと一緒
になる時を知ってて、攻め際を知ってるんだなって思って。で、俺とかテレビのそっち側
にいる人間とかが見たら、もうSMAPに多分。
- 中居:
- いや、どうでしょうかね?
- つんく:
- いや、でもあの6人組は今いない、日本には。
- 中居:
- いやぁ。もっと僕は上を目指して欲しいっていうか。
- つんく:
- いや、もちろんだからそこに関してはもっとわかんない敵がいて未来があって。
なんですけど、その通過地点なのか結局ずっと永遠なのかわかんないけど。でも、SMAPっ
ていう見えやすいこのグループは、俺たちシャ乱Qにとってはすごいわかりやすい比較材
料というか。非常に申し訳ない言い方なのかもしれないけど、一人足りないけども、じゃ
あ5人でっていう。
- 中居:
- でもね、シャ乱Q。ちょっと聞いて。
- つんく:
- なになに? なにSMAP?
- 中居:
- シャ乱Q、あのね、僕なんか8年間同じあれですけども。今、僕が今までSMAPって
いうグループのことを考えながらやってきたっていうのは、まず何色にも、一色に絶対に
染まらないことを基準にやってきたっていうのがあるんですよね。例えば僕なんかが歌を
ベースにやってきて、バラエティやって、ドラマをやって、ダンスをやって。いろいろと
あらゆるジャンルじゃないですけど、たしなむ程度かもしれませんけどやってますよね。
で、今「SMAPってどういうグループ?」って言われた時に、僕自身も「いや、芝居をやっ
てる連中が6人集まって」っていうわけでもないし。歌だけでもないし、バラエティの6人
でもないし。「何だすか?」ってそう聞かれた時っていうのは、僕は「SMAPです」。「中
居君はなんですか?」「SMAPのメンバーです。もうそれ以外の何者でもありません。バラ
エティでもないし、歌でもないですし。ドラマでもなく、僕はSMAPのメンバーです」。何
色にも、なんかの色に染まるっていうのが僕らにとって一番敬遠してたものじゃないかと
。
- つんく:
- それは6人みんなそう思いながらやってたのか、それとも結局、中居君だけがい
ちばん気にしてたのかっていう。
- 中居:
- あるきっかけはありましたけど。ちょうど「モリモリ」の時ですよ。僕なんかの中
では、「自分たちは人気がある」と。ジャニーズではもう「そろそろいくんじゃないか」
と。で、マスコミの人も何か言ってくれたりするし。
- つんく:
- ああ、「SMAPだ」と。
- 中居:
- 追っかけもいたりしちゃって。
- つんく:
- 追っかけもいたりとかしてね。
- 中居:
- 「受け取りして!」なんて。僕なんかは頂点だと。ちょうど「モリモリ」の時期で
すよ。でも、その年の夏のコンサートをやって、東京は武道館、大阪は大阪城、名古屋は
名古屋レインボー。名古屋だったかな? 幕がバァっと開いた時に、お客さんが半分も入
ってないんですよ。ちょうどだから、つんくさんが僕なんかの「夢モリ」でどうのこうの
って思った時期ですよ。自分たちじゃあ、もう信じらんない世界なんですよね。自分たち
はもう、影ながら頂点だと自分たちでは思ってたんですよ。スターだと。いわゆる天狗状
態ですよ。
- つんく:
- 本当に思ってたのか、今、トークで言ってるのか、どっち?
- 中居:
- メチャクチャ思ってましたよ。本当に天狗でしたよ。「これはもう、このままいく
んだろう」と。レギュラーも増えてるし。歌もそこそこ。で、コンサート、もちろん満杯
で当り前のようにね、幕が上がるわけじゃないですか。その時にお客さんがアリーナ席が
あって、スタンド席があって、アリーナ席が半分くらいで、スタンド席なんて誰もいない
んですよ。
- つんく:
- 2000人とか3000人とかだな、多分。10000人に対して。
- 中居:
- そうですよね。その時のショックは、とにかく忘れられなかったですね。
- つんく:
- あ、そう。
- 中居:
- もうデビューしてだから、1年2年目だったんですよ。
- つんく:
- 曲出しててね。
- 中居:
- その時のショックが、まあ他のメンバーはわかんないですけども、自分にとって。
- つんく:
- え? その話は他のメンバーとしない?
- 中居:
- いや、その時、最初はドッキリだと思ったんですよ。
- つんく:
- 「こんなに入ってないわけはないだろう」と。
- 中居:
- で、昔、西城秀樹の「ヤングマン」でこういうこともあったなと思いながら。
- つんく:
- ああ、客いない時とかね。イントロ始まったと思ったらもうエンディングだった
りとかね。あったあった。
- 中居:
- 「これはドッキリだろ」と。
- つんく:
- 「その手だろ」と。
- 中居:
- メンバーと目を合わせて「ドッキリだな」とか言ってたもん。結局、最後までや
っぱそのままでした。で、2回目の公演はもっと減ってましたし。
- つんく:
- ずーっとドッキリだと思ってたりして。
- 中居:
- うん。ずーっとドッキリだと思ってた。それからやっぱり「このままじゃいけない
」って。で、ちょうど音楽番組がなくなって、いわゆるベストテン番組、ランキング番組
。露出するとこなくなって。だから、デビューして3年目で初めてチャート1位っていうの
を経験して。
- つんく:
- なに? 曲は。
- 中居:
- 「ヘイヘイ、おおきに」っていう大阪弁で歌った。それまではやっぱり、1位の経
験がなかったっていう悔しさもありましたしね。
- つんく:
- 俺らまだ1位の経験がないんですよ。
- 中居:
- 1位あるじゃない。
- つんく:
- いや、ない。
- 中居:
- 本当に?
- つんく:
- うん。有線とかラジオチャートとかではあるけど。
- 中居:
- え? いわゆるオリコン基準に。
- つんく:
- そうそう。
- 中居:
- それはいい励みになると思う。
- つんく:
- でしょ?
- 中居:
- うん。
- つんく:
- まだ上があるっていうか。車でいうと、全開踏んでないって自分で思ってるけど
。けっこう全開だったりとかしながら。自分の中では「余力がある」とか思いながら、「
まだ前があるんだ」っていう。
- 中居:
- それはすごいいいことだと思いますよ。
- つんく:
- でも、それもすごい経験ですね。
- 中居:
- それがあったから、メンバーがまずやっぱり物の考え方が。なんか番組出る時に、
歌は自分がヴォーカルをとりたい。踊りは真ん中で踊りたい。バラエティは自分が笑いを
とりたい。みんなボケたいし。で、それが今までは僕が10代の時は6人が6人ボケて、みん
なボケっ放しなんですよ。
- つんく:
- ああ、なるほど。わかるわかる。
- 中居:
- で、誰もすくうこともないですし。で、そういうことがあってから、もう6人で一
つになんなきゃいけないと。もう歌だったら、「じゃあ歌はちょっと俺はいいや。SMAPの
ためには木村なり森が歌ったほうがいいんじゃないの?」って。自分の歌唱力なんてもう
。下手でも歌は歌いたい。目立ちたい。お笑いで「みんなボケるの? 俺、すくうのもぜ
んぜんすくえるからさ。とにかく6人で一個笑いをとろうよ」って。そういう物の考え方
が。
- つんく:
- その話をしたのか、知らない間にそうなっていったの?
- 中居:
- もう暗黙の了解で。もうみんな、涙が出るぐらい悔しかったっていうかね、悲しか
った。
- つんく:
- え? そこまでライヴっていうのはやらなかった?
- 中居:
- やってたんだけども、ちっちゃい厚生年金会館だったり。初めての大きい開場だっ
たんで。
- つんく:
- ああ、なるほどね。面白いね。
- 中居:
- だから、自分たちにとっては今までやっぱ長かったけども、あれがあってよかった
なって、すごく思いますよね。シャ乱Qもだから、今8年間で、やっぱり結成6年7年目ぐ
らいでやっとじゃないてずか。
- つんく:
- やっと。やっとだけど、でも自分たちの中でそのSMAPのなんかわかんないけど、
未来にいつまで歴史があるのかわからないけども、もしやるべき使命があるとしたら、何
%ぐらいクリアしたような気がします?
- 中居:
- 自分の中でですか?
- つんく:
- うん。
- 中居:
- 50%。半分ですね。
- つんく:
- ああ、半分。
- 中居:
- やっと人間でいえば、今8年だから8歳ですよね。やっと自分の足で一人で学校にい
けるようになった。芸能界に入れるようになった。これからがやっぱり成長するスタート
ラインじゃないかなと、自分の中では思うんですよね。
- つんく:
- ああ、そうですよね。俺らなんかまだ、本当20か30%。で、やっぱ50%のとこに
SMAPはいるんですよ、結局は。マジな話で。やっぱ6人重なった時は強いなと。無敵のキ
ャラ。ファミコンで言えば、多分、無敵のキャラ、SMAPは。
- 中居:
- いや、どうなんでしょうね? でも。
- つんく:
- いや、話してもそれなりにちゃんと強くて。
- 中居:
- でも、シャ乱Qにはもっとね、もっとなんか絶対に守りに入ってほしくないってい
うのが僕なんかありますよ。
- つんく:
- SMAPはまだ守ってない?
- 中居:
- 絶対、守りに入りませんね。つもりですよ。
- つんく:
- 守って、早く。SMAPが守りに入らないとね、こっちがいくら加速してもね、なん
かゆっくり動いてるように見えるんだ。ほら、100キロで走ってると80キロで走ってるや
つがさ、速いんだけどさ、なんか80キロだとゆっくりに見えるじゃない。俺らまだ80キロ
なのよね。
- 中居:
- でも僕は、いちばん最初にシャ乱Qをテレビを通して見た時に、まず印象的には守
りに入ってないグループ。ちゃんと攻めて、芸能界にも戦いにいってる姿っていうのは僕
が見てわかったんですよ。
- つんく:
- わかりました?
- 中居:
- うん。決して守りに入ってない。無難なことはするグループじゃないなって。何か
をしでかすんじゃないかなっていうね。期待感と不安感が。「こいつら、こんなことまで
しちゃうんじゃないかな?」「こんな歌まで歌っちゃうんじゃないかな?」「どんな衣装で
出てくるのかな?」っていう期待感ていうのを、これからも何かやって欲しいと思います
よね。
- つんく:
- やりますよ、はい。
- 中居:
- すごい頑張って欲しいグループよ。
- つんく:
- だからね、どっか一回言われたじゃないですか、俺、ミュージックステーション
で。もう覚えてないかもしれないけど。もう、そこそこいってるのよ、シャ乱Q的には。
で、年末ぐらいの時、中居君といて、「あ、久し振りだね」なんて話をしたかいなやぐら
いの時に「いや、最近けっこうすごいね」っていう一言と「もっときて。もっといきな」
みたいなことを俺にポソッと言って。俺はなんか、神からのお告げのように。
- 中居:
- そんなことはない。
- つんく:
- あの、多分、中居君が言ってるんじゃないぐらいの感じで、俺の耳に入ってきた
の、なんか。なんかSMAP教というかSMAP神かなんかわかんないけど、ガッて言われて。俺
ももしかしたらどっかで腰を据えてね、なんかヤバい時ってあるじゃない。フッとそこで
目が覚めて。「ああ、行け」だなと思って。
- 中居:
- 守っちゃダメですよね。で、人と違うことをやっぱりやりたいっていう。でも、シ
ャ乱Qの中にもあるんじゃないですか? シャ乱Qのルールの中でも人と同じバンドじゃ
なんか。
- つんく:
- よそのバンド?
- 中居:
- うん、よそのバンドと。
- つんく:
- えん、よそのバンドとは。でも今、バンドで多分似てるやつはいないと思ってる
。
- 中居:
- うん、その姿勢っていうのは絶対に忘れちゃいけないことだと思うんですよね。
- つんく:
- 真似したくないぐらい嫌味でいいやと思ってるから、人はね。それが個性で。
- 中居:
- だから今、変な話あの、お笑い界で今ダウンタウンがやっぱりすごいじゃないです
か。で、今、深夜番組なんかで見るとダウンタウンみたいな面白さを引き出そうとしてる
若手の人がやっぱり多いんですよね。
- つんく:
- それ、作る側はどうなんですか? それは。僕が言うのもなんだけど。そのダウ
ンタウンみたいな番組を作りたいんじゃないかな? って気も。俺らの時も「バンドブー
ムみたいな音楽して」って言われた感じがして。一回俺らもそっちに行きかけたのね。
- 中居:
- でも、そこで自分たちは?
- つんく:
- だから、一回バァーンと放り出されて本当にクサいメシ食ったっていうか。何も
なかったですけど。でも、それでよかったなって、今本当に思う。あっちに媚びてたらも
う俺は今いない。
- 中居:
- まあ、こればっかりは本当、結果論だからね。
- つんく:
- でも、まだ途中だからまだわかんないけどね。
- 中居:
- だから、どこが終わりで、どこで達成かっていうのも。
- つんく:
- メンバー違ってくるしね。だんだんズレてくるし。
- 中居:
- こればっかりはわかんないんだよね。
- つんく:
- いつまでやりたいんですか? 個人としては。
- 中居:
- SMAPってこと?
- つんく:
- うん。
- 中居:
- 僕自身の気持ちは「おまえ、馬鹿。なに考えてんだよ」って思わけるかもしんない
けど、一生やるつもりなんですよ。
- つんく:
- 一番好きなんですよね、多分。SMAPのメンバーの中で。他のメンバーも好きかも
しんないけど。
- 中居:
- SMAPっていうグループはもう言葉では言い表せないですよね。だから、メンバーっ
ていうのも、よく「メンバーっていうのはどういう感覚ですか?」って聞かれた時に、兄
弟でもないですし、友達でもない。
- つんく:
- ちがうね。
- 中居:
- 親友でもない。「何ですか?」「メンバーですよ」。
- つんく:
- 一番近いのはでも、恋人に近くない?
- 中居:
- 恋人とまた違うんだよね。
- つんく:
- でも、他のやつにとられると悔しくない?
- 中居:
- 悔しい…?
- つんく:
- 悔しいよね、なんかね。普段は顔も見たくないのにさ。あれ? ちょっと待って
、俺、今ヤバいこと言った?
- 中居:
- おかしいね。
- つんく:
- でも、普段も一緒に番組でももう「ヒャー」とか思うけど、よその番組とか出て
友達とか作ってきやがったら、なんかムカつくでしょ。
- 中居:
- だってさ、自分たちより上の人じゃないけども、売れてる人を友達とかにしちゃう
とさ。
- つんく:
- そうそう、そう。
- 中居:
- こんな人には勝てないよね。
- つんく:
- ねぇ。
- 中居:
- だからやっぱり自分たちが8年とか何年てわけじゃないけど、やってきてメンバー
間の。
- つんく:
- みんな知ってるよね、それは。メンバーみんなそう思ってる。
- 中居:
- もう嫌なところもいいところもね。
- つんく:
- きっとそうだね 。
- 中居:
- あらゆるところをお互いがお互い知ってますしね。もう一生ですよ。
- つんく:
- でも、年が違うからもしかして変だよね、SMAPは。
- 中居:
- みんな一緒ですもんね。
- つんく:
- 一個だけ違うけど、まあほとんど世代は一緒だから。だから、慎吾ちゃんと中居
君みたいに、5つとか絶対に離れてないから。それも本当、すごいなと思う。それも全部
、本当に価値観が。この間、なんかの番組で見たのが、セーラームーンだかクレヨンしん
ちゃんだかわかんないけど、俺がまったくわからない、あ、ドラゴンボールの歌をね、フ
ルコーラスで歌ったの。俺たちのメンバーは絶対誰もわからない。もう、世代を越えてる
人がグループにいるっていうのは「ちくしょー、またこれでハンディついちゃった」って
。「また当分、遠いな」っていう。
- 中居:
- いちおう、上と下はあれですよね。
- つんく:
- 羨ましい。
- 中居:
- でも、同世代っていうのも僕なんかある面では羨ましいとこありますよ。
- つんく:
- まあ一丸になる時はあれだけど。
- 中居:
- 強烈なものがあると思いますけど。今後はどうするつもりですか? シャ乱Qは。
- つんく:
- 今後? いや、うちらも本当、意識的にはバンドってものだけにこだわってなく
やってきたつもりだけど、どんどんバラエティ的な要素をなんか求められると、俺なんか
はいちばん音楽をちゃんとやらないと絶低ヤバいなっていうのはすごく危機感に感じて。
だから俺、まだ番組とかで尻とか出したことないけど、曲がものすごく売れてれば尻出し
てもいいと思ってるのね。だって、べつにそれほどカッコいいものはないなっていう。で
も、音楽売れてないくせに尻出しててら、それほどカッコ悪いものはないなっていうぐら
い、俺らギリギリのところにいて。けっこうそこがわからなくなる瞬間が自分の中にもあ
ったりとかして。その守りと攻めがわからなくなってきたりとか。で、とにかく危険だな
って思う時があるんだけど。でも、その自分たちで音楽作れてるうちは、とにかく売れて
るから偉いっていうわけじゃないんだけど、それはなんていうか。売れてなくてもちゃん
と支持されるというか、価値観のある音楽作っとかないと。もしくはコンサートなのかア
ルバムなのかわかんないけど、音楽に携わってないとギャグの一言も言っちゃダメだなと
思うぐらい危機迫る瞬間とかあるから。とにかく今後は、まずは第一はミュージック。
- 中居:
- ベースは音楽と。
- つんく:
- うん。音楽。歌じゃなくて音楽。ライヴかなんだかわかんないけど、そう。なん
かミュージシックって感じのするもの。で、それに負けないぐらい他のエネルギーを、ト
ークなのか笑いなのかダンスなのかわかんないけど。なんかそういう。
- 中居:
- でも、未知の場面がいっぱいありますよね、シャ乱Qっていうのは。
- つんく:
- そう?
- 中居:
- これからこんなことをしたらどうだろうか? っていう。まだいろんなものが。
- つんく:
- ある気がします?
- 中居:
- うん。
- つんく:
- メンバーのなかにも隠されてます?
- 中居:
- たくさんあると思いますよ。
- つんく:
- 本当に隠されてるといいんですけどね。俺もわからない。だってね、俺たちの親
ですら、多分中居君のお父さんとかもそうだろうけど、自分たちの息子が売れるとは思っ
てなかったから、うちの親なんか。親ですら、その息子に未知数があると信じれないと思
うから。もう本当、その見えない期待指数にかけてもっともっと伸ばしていくしかないな
って。
- 中居:
- だから、今の段階でまだまだ音楽をやってく上での過程じゃないけども、もっとさ
かのぼれば今がスタートだっていう気分で。だからもう、思いきってじゃないけど、ズッ
こけるかもしれないけど、ズッこけてもいいや的な。
- つんく:
- 助けてくれる?
- 中居:
- え? なんで?
- つんく:
- ほら、「うん」て言わないでしょ。ね。
- 中居:
- いや、SMAPもそうやってズッこけてズッこけて。
- つんく:
- そうか。え? ちょっと待って。なんか一つだけ俺たちに課題を。もうその、気
にしないで、一視聴者として。
- 中居:
- 僕、まあつんくさんにはあれかもしれないけども、シャ乱Qイコールつんく色って
いうのは。
- つんく:
- とったほうがいい?
- 中居:
- これからは、もっと他のメンバーが戦力になるように。で、一色に染まらない歌。
カラオケでよく歌われるグループシャ乱Qじゃなく、いい歌を歌うグループシャ乱Qじゃ
なく、とにかく新しいものを。シャ乱Qが携わってないジャンルっていうのは、あらゆる
ものがあるわけじゃないですか。
- つんく:
- ああ、ああ、そうですね。
- 中居:
- それでまだ2年なり3年ないし、例えば音楽がとにかく心から好きで、売れることじ
ゃなく音楽が好きでやっていくバンドでしたら、もう何もなくて音楽だけをやってればい
いと思うんですよ。
- つんく:
- そうだね 。
- 中居:
- 売れるも売れないも関係なく。でも、やっぱりこの芸能界で華々しく、長くやって
いきたいっていう気持ちがあるならば、色を付けないことじゃないかなと思うんですよ。
- つんく:
- あ、一色にね。すごい。うーん。
- 中居:
- 例えばつんくさんが、今ドラマに出るとするじゃないですか。そしたらシャ乱Qの
つんくが出てるドラマ、「あ、歌手がドラマに出てる」、そういうイメージでとられると
見てる人はその時点でもう何に対してもそういう目でしか見れないんですよ。
- つんく:
- なるほどね。
- 中居:
- 例えば、お笑いやってる人がドラマ出たら「え? このお笑い芸人の人がテレビ出
てるよ」って、もう物語に入り込めず、テレビに入り込めず、その人が客観的に見れなく
なっちゃうんですよ。だから、僕なんかも今までバラエティずっとやってきて、ここ最近
1年か2年ぐらいですけどドラマをやり始めて。やっぱりバラエティだけに染まる前に違う
色も。それがだか
- 中居:
- それはもう、あらゆるジャンルやってく上で何に対しても吸収はありますよね。
- つんく:
- うん、あるある、あるある。
- 中居:
- ドラマやったことによって音楽に対する姿勢が変わる時があるんですよ。まあだか
ら、僕なんかが正しいのか、こればっかりは本当わかんないからね。
- つんく:
- え? でも、SMAPは一生やりたいけども、中居君の最終目標は?
- 中居:
- 僕はね、単純だけど田舎で奥さんと二人でゆっくり暮らしていたい。
- つんく:
- SMAPやりながら?
- 中居:
- 結局はね、そこらへんにいるガキじゃないけども。
- つんく:
- そうだよね。
- 中居:
- もう変わんないですよね。そこらへんで例えばお酒飲みにいった時も、もうくだら
ない話がとにかく面白くてたまんないんで。
- つんく:
- そうだよね。アホ話とエロ話だよね。それ以外に興味ないもんね、だってね。
- 中居:
- ああ、なんでこんなくだらないことが何でおかしいんだろう? と思うぐらい。だ
から、それは隣の席にいる大学生が会話はてるレベルと変わらない。いや、逆にそれより
次元的には下かもしれない。それが楽しい自分ていうのが逆に好きでもありますし、拒否
もしたくないなと。このままでいいんじゃないかなと。吉野屋が好きな自分ていうのが好
きだったり。定食の好きな自分が好きだったり。そう、あの、なんかの雑誌でね、つんく
さんが童貞心?
- つんく:
- ああ、童貞心。
- 中居:
- それを忘れない。で、女性は処女心を忘れない女性がいいと。まあ、略せば「初心
忘るるべからず」じゃないですけど。
- つんく:
- そうだね 。
- 中居:
- あ、この人たちは、周りの人が「あいつ、調子に乗ってるよ。つんく、調子に乗っ
てるよ」。でも、ちゃんとしたもう一人の自分がいて、もう一人の自分がしっかりと客観
的にシャ乱Qっていうグループにしても、つんくっていう自分にしても自分を客観的に見
てることが出来てるんだなと思ったんですよ。
- つんく:
- それはね、いつの間にかでき上がった自分のなかの永遠のテーマだから。多分、
売れようが貧乏になろうが、多分変わらないなっていう気がしてるけど。もしかしたら雑
誌とかそういうインタビューでちょこっと言うってことは、自分の中で一瞬変わろうとし
てるかもしれないから、自分に言い聞かせるために発言したのかもしれないなっていう時
もあるんだけど。でもまあ、本当のテーマとしてはなんか、そういう初々しかった時から
ちょうど大人になってく瞬間な感じ。脱童貞みたいな頃がいちばん吸収力もすごかったし
。
- 中居:
- ガムシャラだしね。
- つんく:
- そうそう、そうそう。なんかそういうの、男としてのテーマですよね。
- 中居:
- シャ乱Qとしては今後は? つんくさん個人としててもいいですし、シャ乱Qとし
てでもいいですけど。何を今目指してます?
- つんく:
- 俺はわからないんですよ。本当だから、シャ乱Qっていうチームをくずしたくな
いんだけど、俺がシャ乱Qをやるために生まれてきたのかどうかっていうことに関しては
自分でもクエスチョン。でも、リーダーはうちのハタケなんだけど、たまたま俺の知り合
いばっか集まった5人なのね。で、メンバーの中でも、そうでないやつもいるかもしれな
いけど、「いや、やめないで頑張ろうな」っていう意見は出るのね、ずっと。近い将来じ
ゃないけど、遠い未来を含めての話。で、そいつらもずっと音楽をやりたいかっていうと
、そのためにやってるわけじゃないような気もするのね、大人の男同士として。だから、
まだちょっと今ようやくシャ乱Qが乗ってきたところだから、先の話をするのは自分たち
ではすごく馬鹿馬鹿しいんだけど。でもなんか、本当はもっと違うものを目指してんだろ
うなと、自分でも。でも、決めないでおこうと。さっきのアクセルをまだ8分ぐらいにし
てる感じで。なんかまだ2速3速ぐらいで4速5速がまだあるんだぞってなんか、自分に言い
聞かせながらね。本当はもうフルオート3速ぐらいで、ガリガリ走ってるかもしれないけ
ど。だけどそういう気持ちでね、いたいから。だから、音楽をしたいって言ったけど、で
も、チームシャ乱Qはなんか他のことするべきだし、と思いながら。でも、今は一つ一つ
確立するのが一つ。で、あそこには、あいつらにはかなわないって帰る場所を今作る時だ
なってなんとなく思ってきたから。だから、とにかく音楽をやろうっていうのと、シャ乱
Qとしてはまだ他のことがあるなと思ってるのと、将来的には俺らがもとで5人がまた違
うほうにいって楽できればいいなって。変なそんなこと考えたりとかするでしょ。するし
。みんないいね、みんな頑張れよって、そういう時代が来ればいいなとか思ったりするし
。でも、本当は自分が第一線でずっと頑張ってなきゃいけないやつなのかなと思ったりす
るし。
- 中居:
- 本当、今決めなくてもいいと思いますしね。
- つんく:
- そうですね。
- 中居:
- 僕も何をやるっていうか、決まってないですしね。決まらないまま死んじゃっても
いいかなと思ってますし。
- つんく:
- ああ、結果的にはね。
- 中居:
- だからもう、本当ね、笑って死ねれば一番いいかなと思いますよね。ニコニコしな
がら目を閉じて。だって、人間はみんな泣いて出てきてんだもん。
- つんく:
- あ、そうか。笑って出てくるやついないよね。
- 中居:
- みんな泣いてさ、丸裸で出てくんだからさ。
- つんく:
- そうね。
- 中居:
- もう泣いて生まれて来てるんなら、死ぬ時は笑って死ねればいいなとか思っちゃい
ますよね。
- つんく:
- 笑ってね。
- 中居:
- ニコニコしながら。ちょっと怖いけどね。そんな人生いいじゃないですか。
- つんく:
- 残されたやつは何で笑ってるんだ? と思うけどね。でも、そうだよね。
- 中居:
- 何だ? こいつ。生きてんじゃねぇか? って思われるかもしれないけど。
- つんく:
- まあでも、そうだよね。
- 中居:
- うん、笑える人生っていうのは一番いいんじゃないかと思っちゃいますよね。
- つんく:
- あとあの、子供だけ欲しいです。
- 中居:
- 子供? 子供だけ?
- つんく:
- だけ。まあ、奥さんいてもいいんですけど。
- 中居:
- いてもいいって…。奥さんもいるもんだと思うんだけど。
- つんく:
- あ…、かな? いや、でも、子供だけ欲しいんですよ。
- 中居:
- え? それはどういう?
- つんく:
- 子供が好きなんですよ。
- 中居:
- 子供好き? どこが好き? 何が好き?
- つんく:
- やっぱ自分にないものをいっぱい持ってるから。それがもし自分の子供だったら
もう、すごいじゃないですか、未来が。いっぱい欲しいと思ってるのが、なんか男として
の宿命かなって思ってる。
- 中居:
- もし子供が出来た時に自分と同じようにバンドとして育てるか、それとももう一般
市民のように?
- つんく:
- あ、でも、好きにさせる。多分。わかんないけど。実際でも、女の子だったらど
うするかな?
- 中居:
- 女だったらこれはちょっとね。
- つんく:
- 鉄のパンツはかせるよね、きっとね。俺みたいなやつがどこにだっているんだか
ら、だって。
- 中居:
- そうですよね。女の子だったら心配するでしょうし。男だったら本当もう。
- つんく:
- だってもう、芸能人の息子だっていうのも仕方ない宿命だから。グレても仕方な
いし。
- 中居:
- グレるんだったらもう、死ぬまでグレろと思いますし。
- つんく:
- そうですね。女の子だったら?
- 中居:
- 女の子だったら? うーん? どうするんだろうね?
- つんく:
- 子供は好きなんですか?
- 中居:
- 子供好きだね。自分はもう18、19で絶対結婚して子供を作ろうっていう。ちっちゃ
い頃ね。
- つんく:
- ヤン父になろうと思ってたんですか?
- 中居:
- うん。ヤン父?
- つんく:
- ヤン父。
- 中居:
- 思ってたね。思ってたし、でも、子供と遊べたらいいな。子供ってもう、笑ってる
顔とか泣いてる顔とか、喜怒哀楽なんでもそうなんだけど素直で。
- つんく:
- 制御がないもんね。
- 中居:
- 嘘ないじゃん。
- つんく:
- 忘れてるよね、俺ら。嘘つきそうな顔が、二人とも。
- 中居:
- あれ見ちゃうともう。
- つんく:
- そうだね 。
- 中居:
- 考え直しちゃうしね。
- つんく:
- うん。やつらには勝てないね。
- 中居:
- 本当、勝てない。いやぁ、でもシャ乱Q頑張って欲しいなぁ。
- つんく:
- 頑張ろう。くっそー、みんな見てるかなぁ? ちっょと本当に有難い話だよ。
- 中居:
- うん。本当、頑張って欲しい。もう頑張るっていうのはもうどこのグループも頑張
るでしょうし、一生懸命なら一生懸命やるんでしょうけども。もう本当ね、たかが一生懸
命、たかが努力かもしれない。ありきたりの言葉だけども、でも必要なことじゃないかと
思うんですよね。
- つんく:
- 頑張ります。なんかね、あとね、曲を他の番組で俺、SMAPの曲をとうちの5人と
かで練習して、何時間とか自分たちのバンドの練習よりもして出た時とかあるから、すご
いなんかSMAPに対して愛着があるのを思い出した。そうだよ。
- 中居:
- 何の歌を?
- つんく:
- ♪ヘイヘイヘイボーイ、どんな時も〜でしょ。もう一曲なんか。踊りも完璧にや
って覚えたりとかもしたから、それもあるんだよ。そこらへんの話このあいだ聞いたら、
中居君が振りとか構成とかもけっこうやってるって聞いて、またなんか「んにゃろう」っ
て思いましたよ。
- 中居:
- でも、シャ乱Qでも踊ろうと思えばぜんぜん踊れる音楽ですよね。もっとガムシャ
ラにやって欲しいね。もうなんか音楽界を引き裂くじゃないけども、そういうところまで
シャ乱Qって。
- つんく:
- でも、この番組の親分がまだバリバリ現役でいるんですよ。
- 中居:
- だから、同じことは絶対できないけど。
- つんく:
- うん。でもこの親分はね。
- 中居:
- 僕はシャ乱Qはやっぱりカッコいいし、いい歌歌うと思うけど、歌おうとは思わな
いですし。小室さんの音楽はいいと思うけど、小室さんの音楽をやろうとは思わないし。
メチャクチャいいと思いますけどね。
- つんく:
- 認めるけども自分じゃないっていうね。
- 中居:
- 尊敬はするけど目標じゃないっていうのかな。
- つんく:
- そう。それはでも、そう。
- 中居:
- それは常々持ってなきゃいけないですし、芸能界にいる限りそうじゃないと新しい
ものはできないんじゃないかなと思いますね。
- つんく:
- ちなみに3年一区切りで、俺が30。
- 中居:
- おいらが27です。
- つんく:
- いい頃ですね。
- 中居:
- いい頃ですねぇ。
- つんく:
- その頃にまた親父さんも帰ってくるかもしれませんしね。
- 中居:
- ちょうど波間でピクピクピクって。
- つんく:
- なってる頃だったら、まて俺らどうなってるかわかんないですよ。俺がもっと下
でピクピクしてるかもしれないし。本当の意味でゲホゲホしながらね、ヤバいなと思って
るかもしれないけど。それはわかんないけど。
- 中居:
- でも、こんなような話が出来れば僕は幸せだなぁと思いますよ。
- つんく:
- ええ、そうですね。
- 中居:
- 今後のシャ乱Qを僕は見てますよ。
- つんく:
- はい。お願いします、ぜひ。
- 中居:
- 期待してますんで、頑張ってもらいたいと思います。
- つんく:
- ありがとうございます。
- 中居:
- はい、今週のゲストはシャ乱Qのつんくさんでした。どうもありがとうございまし
た。
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