FACTORY TALK Vol.46

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FACTORY TALK : 中居正広

CHIKADA in Talking with NAKAI

近田:
えぇ、こんばんは。今日はですね、とてもスペシャルな ゲストを御紹介したい と思います。もちろん皆さんよく御存じ、SMAP のリーダーの中居正広さんです。

中居:
どうも。こんばんは。

近田:
こんばんは。こういうふうに紹介すんのも照れちゃうん だけど。あの、僕ね、初めてね、SMAP見た時覚えてるんだ。いつだったかっての は忘れたんだけど、その時の感じ。

中居:
え?SMAP?

近田:
テレビで見た時。

中居:
どのぐらい前?

近田:
デビューしてすぐぐらいだと思うんだけど。知ってる女 の子が、すごいジャニーズ事務所好きな女の子がいたんだよね。女の子って、も うけっこう年なんだけど。それで遊び行ったらさ「ねぇ、近田さん、近田さん、 すごいいいから見てごらんよ」っつうの。それで、曲とか覚えてないんだけど、 テレビでその、撮ったビデオ見せてもらったんだ。その時ね、どう感じたか、今 だに覚えてるんだ。

中居:
え?ちなみにどんぐらい前?

近田:
だから、本当にデビューしてすぐだから、あれ、8年ぐ らい?どんぐらいになる?

中居:
結成が、もう僕ら9年目ですから。8年9年ぐらい前です ね。

近田:
8年ぐらい前だと思うんだ。デビューしてすぐぐらいだ と思うんだけどね。その時ね、パッと見てね、思ったことは、「あ、この」なん て言うのかな?動き?まあ、踊りのことしか覚えてないんだけど、その動きの決ま る形がね、「今までのジャニーズ事務所と違うな」と思ったんだよ。あのね、ゆ らいでたの。こうさ、それまでのジャニーズ事務所の踊りの形って、けっこうみ んながキチッキチッとなってたじゃん。それをけっこうさ、その大きなところで は同じ形なんだけども、ちょっとした手の感じとかが、全員けっこうさ、自分の なんて言うかな?形でやってたでしょ。

中居:
それはあるかもしれないですね。

近田:
なんかそれがすごい印象に残ってて。そのゆらぎみたい のが、「あ、けっこうなんか時代は変わってきたんだな」ってそれすごいね、覚 えてるんだよ。

中居:
まあ、ある人に言わせれば個性的でね、あの、まあ、そ の、基本的な振りはやってるんだけども、やっぱり自分の好きな感性で踊って るってよく言ってくれる人もいれば、逆に「みんなバラバラでね、何やってるか ぜんぜんわかんない」って言う人もいるですよ。

近田:
だけど、あの当時って、ジャニーズ事務所ってさ、僕わ かんないんだけど、けっこう振りとかキチンと揃えろってうるさかったんじゃな いの?

中居:
そうですね。だから、僕らっていうのは、ダンスのレッ スンていうのそんなに積まなかったですし。で、あんまりバック、後ろで踊った 経験ていうのも、あんまなかったん でね。とにかくその振り付けの稽古やってすぐ本番みたいのが多かったですし。 でも、好きなことやりたかったっていうのありましたね。与えられたものをなん かやるって言うより、もう自分たちで3与えられたら、じゃあ10にして返したい じゃないですけども。そういう気持ちっていうのは昔からあったような気がしま す。

近田:
あ、そう。なんかね、その感じが僕はずっとさ、けっこ う若い頃から、妙にそのジャニーズ事務所のタレントチェックすんの。面白くて ずっと見てたんだよ。

中居:
どんぐらい前ですか?

近田:
最初はね、あそこからだね。僕ね、フォーリーブスは ね、僕もまだ子供だったから。子供っていうか、まあ、同世代ぐらいだけど。そ んなにだからなんて言うんのかな?自分もこういう商売入るとは思わなかったから わかんなかったんだけど、やっぱりちょうど、トヨカワジョウって覚えてます?

中居:
……………?

近田:
♪タ、タ、タ、タン、タン、星巡り〜とかいうの。

中居:
ああ………わかんないですね。

近田:
けっこうそれ、ちょっと暗いタイプ。超暗いタイプの 人。もうその人がメインで。あとだから、ナベプロがイタミ社長がメインだった 頃。それで、ちょうどだからね、ナベプロもジャニーズ事務所も、けっこうわり と地味だった時代でね。わりとロックみたいのが出てきた時代で。フォークとか がさ。わりとその、ちょうどなんか「どうすんだろうな?」っていう時代。その頃 ちょうど僕も、音楽の仕事やり始めて。当時はウエスタンカーニバルってのが さ、あって。その頃はなんかかまやつさんなんかも出てたんだけど、けっこうな んて言うのかな?その頃はチョコチョコなんかその、なんか突っ張って楽屋とか出 入りしてたたんだよ。で、その頃からけっこうさ、ジャニーズ事務所のタレント チェックするようになって。

中居:
へぇー。近田さんはなんで、その頭見るとね、いい子い い子ってしたいんですよ。

近田:
したくなるでしょ。

中居:
いい子だねって。

近田:
ありがとう。

中居:
なんでクルクルパーマ?

近田:
僕ね、あの、夏にたまたまね、ちょっとあの、人の曲プ ロデュースやってて。で、その時に、あの、OPDっていう、大阪パフォーマンス ドール。

中居:
はいはい、はい。

近田:
で、彼女たちのアルバム作ってる時に、「アフロゴー ゴー」っていう曲を一曲ね、プロデュースしたのね。

中居:
いいですね、「アフロゴーゴー」。

近田:
それで、「たまにはアフロをかぶってキレてあげるの、 自分のこと」っていう詞があったわけよ。で、それ読んで、確かにアフロかぶる と、なんかちょっとキレる感じがしていいなって思って。で、試しにさ、この番 組で初めてかぶって出てきたわけ。したらもう、スタッフの人たちがさ、急にな んか、やたらそれまで緊張してたのが、みんななんか、やたらなんかだらしない 気分がしたわけよ。あ、これは効果あるわと思って。これよりその時は一回り小 さかったわけよ。これはでも、もう一回ぐらい効くだろうと思って、もう一回収 録の時にかぶって、これより小さいやつね。したら、効き目があったわけよ。ま たその時なんかけっこうスタッフの人、嬉しそうな顔して。でも、「これはこれ 以上喜ばすためにはどうしたらいいかな?」と思って、その次には、「よし、これ より大きいのかろう」と思って。本当はでも、これ、4段階ぐらいあると思った の。そしたら、2段階しかなくて。話にはこれくらいのがあるって話だったんだ よ。で、この大きめのをかぶって来たら、なんか気付かなかったかな。わりとそ の時はなんか、地味な感じで。その時は悲しかったんだけど。

中居:
悲しかったんですか?

近田:
うん。悲しかったの。でも、その後に家帰ってね、テレ ビでオンエアされた後に、疎遠になってた人とかから、けっこう電話かかってく るわけよ。「おまえ、あれ、ヅラかよ?」とかさ。なんかいろいろかかってくるん だ。「どうしたんだよ?」とかね。けっこうスタイリストのやつとかに、「近田さ ん、あれカッコすげぇよかったですよ」とかってなんかさ、このあいだもそこの とこで言われたわけよ。オオクボっていう、なんか有名なスタイリストがいるん だけど。褒められたりして、けっこうそれで気を良くして。

中居:
有名ですけど、僕、知らないです。

近田:
あ、有名な人がいるのよ。あの、男の、男用のスタイリ ストの日本では第一人者的な人がいるんだよ。

中居:
あ、そうなんですか。

近田:
そういうとこに褒められたりとかね。それ以来なんとな く、やめるわけにいかなくなっちゃって。どうしようかなと思ってんだ、俺も。

中居:
だから、その頭のイメージしかないんですよね。

近田:
ないでしょ。

中居:
ええ。

近田:
このイメージしかないっていうのはいいことよ。一番新 しい僕っていうことだから。

中居:
あ、そうですか。

近田:
ただ、これのいいところは、もうほら、テレビってけっ こう強力なメディアだからさ、見てる人は君と一緒で、僕ってこれだと思うじゃ ない。だから、普段、街を歩いてる時、これじゃないとまったく気付かれない。

中居:
あ、これ、一つ聞こうと思ってた。あの、近田さんね、 あの、今例えば10代20代の若い人たちに、近田さんのこと何も知らない人に、 「自己紹介して下さい」って言われた時、どういうふうに自己紹介します?

近田:
今はね、なんだろう?

中居:
だから、ゼロの段階で。

近田:
自分で紹介する時?

中居:
ええ。

近田:
音楽家って言うしかねぇだろうな。今、俺、音楽以外、 興味ないんだよね。だから、本当に音楽が好きだっていうことにね、なんかどん どんどんどん自分が気付いてくんだ。昔はね、そういうふうに音楽家とか言う の、けっこう照れ臭かった時期もあるんだけど、今はそう思う。

中居:
例えばその、若い子たち、まあ、若い子たちだけじゃな いと思うんですけども、「僕はこういう音楽をやっている」「こういう生き様を してきた」っていうふうに、まず何を見てる人に伝えたいですか?

近田:
え?どういう意味?

中居:
あの、「僕の音楽っていうのは、こういうことが好き で、こういうものをやってきて、こういう仕事をはてきてる」って、何をまず伝 えたいですか?

近田:
何を一番伝えたいか?

中居:
何にもゼロな知らない人に、もし伝えるとしたら、どう いうことになりますかね?

近田:
「踊り出したくなる音楽を作ることは難しい」っていう ことを伝えたい。

中居:
踊り出したくにるような音楽。

近田:
を作るのはすごく難しいっていう。あの、僕さ、昔から すごいディスコっいう音楽が、とにかく何より好きなの、ディスコミュージック が。

中居:
ええ、ええ。

近田:
で、とにかくさ、ダンスミュージック以外の音楽は好き じゃないんだよ、俺は。

中居:
へぇー。あ、そうですか。

近田:
それで、中居君もすごく踊り好きだからわかると思うん だけど、日本の音楽ってさ、本当のダンスミュージックってあんまりないじゃ ん。あの、例えばさ、やっぱりダンスミュージックって重要にのは、やっぱりグ ルーヴとかさ、あとはテンポとか。そういうなんかベースの感じとかキックの感 じとか、そういうメロディとかじゃないと思うの。もっとその、キックとハイ ハットとベースとかのことなんだと思うのね。あの、ディスコってさ、要するに ♪ドッ、チー、ドッ、チー、ドッ、チー、〜っていう感じがあって、それにカッ コいいベースラインが入って、そこで踊りたくなるわけじゃん。

中居:
わかります。すごいわかります。

近田:
わかるだろ。だから、でも、日本の音楽って、やっぱり どうしても上物っていうかさ、メロディとか、あるいはテンポもさ、本当はダン スするのには、ちょっと中途半端なテンポの曲多いんだよ。だから、そこらへん とかで。でも、ずっとやっぱりアメリカの曲を、ダンスミュージックを聞いてる と、本当にやっぱりカッコいいわけよ。どうしても。どうしてそれが作れないん だろう?っていうことを、ずっと。だから、おれが若い頃から、なんでそのジャ ニーズ事務所のアーティストをチェックしたかっていうと、ジャニーズってさ、 けっこう群舞とかの時ってさ、ディスコかけんじゃん、昔から。

中居:
ええ、ええ。

近田:
でも、それがさ、テンポが早いんだよ。あの、本物のや つより。絶対に。「それはどうしてなんだろう?」って考えた時、日本人てあのテ ンポ、要するにもとのテンポで踊るともたないんだよね。で、どうして日本人 は、ゆっくりのテンポだと、なんかスピード感がなくなるのかとかね。とにかく その、要するに僕がずっと研究してることは、「グルーヴとかそういうものって 何なんだろう?」ってことを、とにかく考えてて。だから、俺ね、昔ね、去年ぐら いかな?なんか普通の雑誌で、「今、SMAPに望むことは何ですか?」って書いた時 に、一個はね、一個はよ、「正業以外はやんないで欲しい」って書いたんだけ ど、もう一個は「120以下のテンポの曲でヒット曲出して欲しい」って書いたの。

中居:
遅いですよね。今までの僕なんかの曲調でいきますと。

近田:
あ、だから、それより遅いわけだよね、120以下ってい うと。だからでもほら、遅いテンポで さ、あのほら、アメリカのさ、まあテクノ とかは最近早い、ああいう140以上とかは別だけど、普通のヒップホッ プにしてもハウスにしてもディスコにしても、けっこう130より早いとかってあん まなくて。みんな120とか遅いじゃない。あとほら、90幾つとか。そういうテンポ だとさ、また踊りもぜんぜん違うグルーヴ出せるじゃん。だけどやっぱり、あの イケイケのアッパーののりだとさ、ある踊りの種類しか出せないじゃない。そう すっとやっぱさ、いわゆるディスコの、あるいはストリートっぽい踊りって、な かなか出しにくいじゃん。で、やっぱり俺はそこんとことにかく、カッコいいダ ンスミュージックっていうのを、どうやったら日本人が自然に作れるか。あと、 もう一個は、コード進行が変わんない音楽が好きなんだよ、俺。

中居:
難しくないですか?それはでも。

近田:
いや、難しいよ。だから、でもさ、向こうの音楽って コード進行変わらない音楽多いじゃん。ずっとさ、ずっと同じバックを繰り返し てるのが多いじゃん。でも、日本の曲ってSMAPなんかでも残念なのは、サビにな るとコード進行変わっちゃったりするじゃん。

中居:
A→Bがあってサビになるとやっぱり。

近田:
そう。あれはさ、本当言うと古臭いじゃん。今の世界的 な音楽の中でいったら。でも、日本にずっとコード進行の変わらない音楽ってな いじゃん、なかなか。そう、だから、そのコード進行がずっと変わらなくて、踊 り出したくなる曲で、日本人がちゃんと作ったっていうオリジナリティが感じら れる物を作りたいっていうのが、自分のずっとやりたいことだね。だから、俺が ずっとSMAPをチェックしてるのは、やっぱりどこかっていうと、何が面白いかっ ていうと、これは俺の推測だよ、多分その、音楽の優先順位の中でね、歌より踊 りのが先にあると思うの。SMAPの中に。だから、それはまずジャニーズ事務所の バンド以外の踊る人たちは全員そうだと思うんだけど、まず踊りがあるから、 歌っていうよりもさ、音程よりタイム感のほうが絶対さ、重要になってくると思 うの。ジャニーズのさ、歌ってハモんないっていうか、ずっとユニゾ ンのが多いじゃん。でも、タイミングはすごくみんなさ、キッチリいってるじゃ ん。あれってすごくさ、踊ってる人じゃないと出来ないことだよね、タイミング がいいってこと。普通さ、歌、歌う人って、メロディの高低とか、そういうこと のが重要で、スネアの位置とかこの位置の一致だとか、そういうことっていうの は二の次になってると思うんだけど、ジャニーズのアーティストは、どっちかっ ていうとメロディ云々とか歌い方のニュアンスよりは、タイム感とかグルーヴの が先にきてるんだよね。だから普通さ、今さ、いろんなアーティストって、わり と英語っぽい発音で歌う人多いじゃん。でも、ジャニーズ事務所の人ってさ、絶 対その歌い方しないじゃん。あれどうして?

中居:
なんでだろ う?

近田:
あれはね、だから、踊ってるから自然にそうなるんだと 思うの。

中居:
うん、そういうのがあるでしょうし。でもあの、ライヴ になると、変な話、今、僕なんかが与えられてるシングルの曲であったりアルバ ムの曲っていうのは、もう与えられて「これを歌いなさい」。そういうCDに関し ては、僕なんかは口出しは出来ないんですよ。出来ないっていうか、いままで受 け入れてもらったことがないんですよね。

近田:
言うんだ?いちおう。

中居:
ええ。で、毎回のように「なんでこれ?これ、やっぱり カッコいいかな?」と。

近田:
じゃあ、やっぱり「仰げば尊し」とか、そういうわけで 歌うんだ。

中居:
よく御存じですね。

近田:
だから、俺、詳しいって言ったじゃん、俺は。

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