CLAMP TALK Vol.41

NAKAI in talking with TATSUYA ISHII.
- 中居:
- じゃあ、そのカールスモーキー石井というのをやっぱり
捨て切っての。
- 石井:
- うん。もう、ひょっとしたら本名すらどっかに忘れて
るっていうか。自分が石井竜也であるということさえも、もうちょっと忘れて怒
鳴ってる時もあるし、頭下げてる時もあるし。もう170人に「お願いします!お願
いします!あと一回やって、お願いします!!」とかって。もう、監督なんてそん
な、こんなに(ふん反り返る)なってる商売じゃないですよね。
- 中居:
- そういうイメージありまけどね。「おら!違うだろ、お
めぇ!!」。
- 石井:
- まあ、そういう時もある、確かにね。「冗談じゃねぇ!
誰の映画撮ってんだよ!!おめぇ」っていう時もあるけど、でも、やっぱりスタッ
フがあっての自分だから。やっぱりもうスタッフの外たちにも頭下げて。ユニオ
ンがとにかくオーストラリアとかしっかりしてるわけですよ。
- 中居:
- はいはい、はい。
- 石井:
- あの、何て言うんですかね?労働基準法みたいなのが。
- 中居:
- はいはい。
- 石井:
- そうするとやっぱり、動いてくれない時は動いてくれな
いですよ、そりゃ。そこをもう、本当、頼み倒すっていうのは、こういうことを
言うんだっていう。
- 中居:
- でも、それだけあの、映画に対する姿勢というか、思い
込みがやっぱり強いがためのやっぱり。
- 石井:
- まあ、そう言ってくれると嬉しいですけどね。
- 中居:
- そりゃ怒鳴るっていうのも、決してその状況ではよくな
いことかもしんないけども、そんだけ熱があるっていうことですからね。
- 石井:
- まあ、そうですね。
- 中居:
- わかる様な気しますよ。
- 石井:
- まああの、自分がそれだけのめり込んでれば、相手もの
めり込んできてるんだから。そうするとやっぱりどうしたってパァーンとそこで
火花散る時だってそりゃあるさ。
- 中居:
- ぶつかりますよね。
- 石井:
- でも、それが負の方向に行かせる人と、それを正の方向
に持っていく人と。正って言っても”りっしんべんの性”じゃないですけど。そうい
う……、だれも言ってねぇよ!って、んなこと。
まあ、そういうのはあるかもしれ
ないですね。だから悪い雰囲気にしてしまう人と、本当にこう
「違うじゃないか、中居。そこのとこはもっとこうだよ!」
「いや、監督、違うよ。そこ、俺はこういきたいんだ」
「じゃあ、よし、やってみろよ」
「よぅし、やってやるぜ!」
っていう、そういう方向に持っていける人と、
「いや、俺、じゃあ、やんねぇよ」
みたいになっちゃう人と、それはあるかもしれないですね。
- 中居:
- そこらへん、相手のやっぱり、歌とはまた違うところで
すよね。
- 石井:
- ただ違うのは、あの、例えばバンドっていうのはさ、ま
あSMAPもわかるだろうけど、いちおう6人とかでこう(肩を組み合う)できる瞬間が
あるわけよ。だから、中居君が「チクショー、いけねぇ」っていう時には、やっ
ぱバックにいるわけじゃない。あと5人なり6人なり7人なりわかんないけど。それ
でこう(肩を組み合う)できるわけよ。「いや、俺らは違うよ」って言えるけど、
映画は違うんだね。君一人しかいないんですよ。誰も仲間になってくれない。
- 中居:
- え?どういうことですか?例えば監督さんが。
- 石井:
- だから、10人ぐらいに「どうすんですか!?」って言われ
た時に、「いや、いやぁ、これはこうして、これはこうして。こうしてこうやる
から、君はこっちいってね、あっちいってね」っていう指示は一人でやらなきゃ
いけないわけですよ。どんなに苦しい立場でも。そこはやっぱり辛いかもしれな
いですね。こう(頭を掻きながら考える)やってらんないんですよ。「いや、だか
ら」ってやってらんないから。「あ、だったら君、何にも持ってなかったんじゃ
ん。最初っからイメージ」。
- 中居:
- うわぁー。
- 石井:
- それは苦しいですよ。
- 中居:
- 苦しいですよね。
- 石井:
- だから、そこは乗り越えないきゃいけないとこはあるか
もしれないですね。
- 中居:
- でも、逆にそれを乗り越えた時の自分の達成感はありま
すよね。
- 石井:
- そりゃ、充実感ありますよ。それはそうかもしれない。
- 中居:
- あらゆることを仕切んなきゃいけない。
- 石井:
- それはそうでしょう。だって、だって僕の映画を、中居
くんの映画を作るわけですから。「じゃあ、Tシャツ何にするんですか?どんなデ
ザインですか?素材は何ですか?丸首なんですか?三角首なんですか?どっちなんで
すか?三角首でも、長いのと短いのとありますよ。どっちなんですか?」って。全
部「それ短いの。どうでどうでどうだ」って言えないと。その場で判断が出来な
かったら意味ないし。
- 中居:
- それはでもあの、カールスモーキー石井も忘れるでしょ
うし、本名も忘れると思います。
- 石井:
- 忘れちゃいますよ。
- 中居:
- ね。でも、その映画をやることによって、アーティスト
としての、ミュージシャンとしての米米に対する考え方っていうのもやっぱり、
また嗜好っていうのも変わって。
- 石井:
- まあ、愛情出ましたよね、逆にね。
- 中居:
- ええ、ええ。
- 石井:
- うん、「やっぱりこれじゃいけない」っていうね。だか
ら、ひょっとしたらば米米クラブというものは、そういうもので支えちゃいけな
かったのかもしんない。ひょっとしたら、もっといい加減に「まあ、これでいい
んじゃん?面白いじゃん、面白いじゃん」ていうとこでやるのがね、すごいひょっ
としたらその上辺が全てだったのかもしれないんだけど。僕があまりにも深く入
り込み過ぎてしまったのかもしれない。だから、やっぱり米米クラブに対して、
すごく今いろんな形態を模索して、いろんなこと悩んじゃってるのかもしれない
んだけれども。ただ、やっぱり物事って悩みからやっぱり始まるんですよね。
「ああ、どうしたらいいんだろう?ああしたら?こうしたら?」っていう、まあそう
いうことをやっぱり経て物事って作ってかなきゃいけないんじゃないかなって。
今までやっぱり米米クラブは、もう本当、時間との闘いの中でやってきたんです
よ。あの、もう本当、洋服もステージングも歌も全部自分たちが、自分が中心で
やってきましたから。その中でやっぱりその1年間のタームじゃ、とてもとても賄
い切れない量なんだな。
- 中居:
- わかります、わかります。
- 石井:
- それがやっぱりその、じっくりものを作っていかなきゃ
いけないんだなぁと思った瞬間に、やっぱり多少なりともスピードは遅くなるけ
れども、クォリティは高いものが作れるっていう自信が出ただけでもよかったの
かなっていう気はしますけどね。
- 中居:
- いろんな意見あると思います、やっぱり。出来た時に。
「なんだ?これは!?」っていう人もいれば、絶賛する人もいれば。それは賛否両論
だと思いますけども、「これはもう、みんなに何と言われようと、俺の作品だ」
と。
- 石井:
- そうです。
- 中居:
- そうやって自信持って。
- 石井:
- もう、そう言うしかない。もう出来ちゃったもん。
- 中居:
- 出来ちゃったんでしょ。
- 石井:
- 出来ちゃったことだから、しょうがないですよね。それ
はだから、コンサートの当日にさ、「やっぱり、あそこ、こういうふうに直そ
う」なんて出来ないでしょ、だって。
- 中居:
- ええ、ええ。
- 石井:
- だからまあ、それと同じですよ。しゃーないですよね。
- 中居:
- そうですよね。
- 石井:
- でもあの、それはいいか悪いかわからない。それはま
あ、みなさんのもう、それは勝手ですよ。でもやっぱり、僕は一生懸命作ったん
で、これはもうここで断言できることといえば、これしかない。「一生懸命作り
ました」っていうね。だからまあ、「観て下さい」と「批評して下さい」と。
で、「勉強させて下さい」ということしかないですよね。だから、3本目を作れる
か作れないかっていうのは、やっぱりお客さんの判断だと思うしね。
- 中居:
- ありますよね。
- 石井:
- だからやっぱり、まあ「3本目を、できたら石井に作ら
せてやって下さい」っていうことしか、今は言えないなぁっていうのもあるし
ね。まあでも、そうかと言うと、「また、そしたら米米クラブ休んじゃうの?」と
かね、言われると辛いんですけども。
- 中居:
- それもね、やっぱり確かにやっぱり辛いと思いますよ。
- 石井:
- やっぱり自分は生き生きしていたいんですよ。
- 中居:
- うんうん。
- 石井:
- いつも。
- 中居:
- うん。
- 石井:
- 自分がやりたいことを堂々と。
- 中居:
- 胸を張って。
- 石井:
- 胸を張っている人間でいたいんですよ、本当に。
- 中居:
- わかります。
- 石井:
- だから、あの、だから、そういう自分を見せていきたい
し。僕なんかの仕事、まあ中居君もそうだけども、タレントっていう仕事ってい
うのは、タレントっていうのは才能っていう意味なんですね。この才能を、いか
に生き生きとファンの人たちにアピールしていくかが僕なんかの仕事なわけだか
ら。
- 中居:
- はい。
- 石井:
- やっぱり僕は作品を作って、映画を作って、歌を歌っ
て、そのどれ一つもやっぱり僕はあの、手を抜くことができないんです。これが
わかって欲しいの。っていう、僕はこれしか言えないんですよ。でも、一年間て
いう時間は365日しかないし。一日は24時間しかないし。
- 中居:
- 限られた時間の中ですよね。
- 石井:
- その限られた時間の中で、俺がもがいて苦しんでる様を
ね。でも、生き生きとやってる自分をみんなには見て。
- 中居:
- それはやっぱり、物事に対する姿勢がやっぱりね。
- 石井:
- そうだね。
- 中居:
- 姿勢を認めてもらうっていうか、認めてもらいたいって
いうのありますよね。
- 石井:
- そうだね。
- 中居:
- まあ、結果も大切ですよ、確かに。
- 石井:
- そうだね。その過程もでも、見て欲しいよね。
- 中居:
- そこまでね、やっぱり。それまでのやっぱり過程ってい
うのは、すごく大事だと思いますね。
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