CLAMP TALK Vol.38

NAKAI in talking with YUKI.
- YUKI:
- うんあの、ポエマーだったんですよ。
- 中居:
- え?ポエマー?
- YUKI:
- ポエマーってあのね、よく小学校の時にイジめられそう
な感じの。なんて言うの?
- 中居:
- え?イジめられっ子さんですか?
- YUKI:
- そうです。
- 中居:
- …それですよ。ここ(胸)にあるものって。
- YUKI:
- ああ、そうかな?そうかな?え?イジめたことないですも
んね、だから。嫌で。
- 中居:
- それは自分が経験したことがあるから?
- YUKI:
- うん、そうですね。
- 中居:
- そういう痛い思い、痛い思いっていうか苦い思いってこ
とで、やっぱり相手にさせたくないって気持ちでやっぱり表われてんじないで
しょうかね?
- YUKI:
- そうかもしれない。
- 中居:
- え?それ、イジめられてる時にポエム?
- YUKI:
- ポエムに走って、余計イジめられた。「あいつ、詩とか
書いてやがるぜ」みたいな感じになっちゃって。やっぱ、それしか逃げ道がなん
か、なくなっちゃって。それまでわりとつるんで遊んでた人に一斉にやっぱあ
の、いきなしシカトこかれますよね。それで「どうしようかな?」と思って、本を
読んで本の世界に入ろうとしたんだけど、私、活字がけっこう苦手。あの、読む
のダメで。ダメだなと思って。それで姉がすごい音楽が好きで、その頃からいっ
ぱいレコードを持ってて、それでお姉ちゃんの全部聴いて、「あ、救われた」と
思って。それで小学校の時にレコードバァーって買うようになるんですよ。
- 中居:
- へぇー。
- YUKI:
- 頑張ってお小遣いほとんどレコードになって。で、それ
であの、詞が面白いなと思った人とかは、あの、ちょっと猫が死んじゃったりす
る歌詞なんですけど、あの、谷山浩子さんていう方なんですけど。その人のレ
コード好きで、その人の詞はわりとシュールなんです、すごくね。
- 中居:
- へぇー。
- YUKI:
- あの、恋人が半魚人だったりとか。
- 中居:
- いわゆる普通のラブソングだったり?
- YUKI:
- 違うんですよ。
- 中居:
- 普通じゃないんだ。
- YUKI:
- 普通とちょっと違う感じ。で、面白い詞だったから「こ
れは私も書きたい」と思って。で、ペンネームを作ったりなんかして。それで、
あの、ノートに毎日、授業中に書いたり。
- 中居:
- え?それっていうのは誰かに見せるわけでもないし?
- YUKI:
- じゃなかったですね。
- 中居:
- 自分の中での楽しみだったり。
- YUKI:
- そうですね。授業中ずっと書いて。
- 中居:
- へぇー。
- YUKI:
- そうです。それで、レコード仲間ってやっぱり集まって
くるんですよ。レコードが好きだってなると、何か知らないけど、そういう地味
目な感じの人か集まってきて。3人組みになっちゃって。で、「じゃあ、帰り、今
日はこのレコード聴こうよ」とかいって。
- 中居:
- へぇー。
- YUKI:
- その子の家行ってレコード聴いてパズルやったりとかし
て。
- 中居:
- わかるような気がします。
- YUKI:
- それでなんか、絵描いたりして。絵もすごい好きだった
から、絵描いたり詞書いたりして。
- 中居:
- それはでも、逃げ道じゃないですけども。
- YUKI:
- そうです。それで逃げたんです、私。
- 中居:
- そっちにね。
- YUKI:
- そうそう。
- 中居:
- あの、忘れよう忘れようじゃないけども、自分の楽しみ
の一環としてそういうふう続きにポエムを、詞を書いたりレコードを聴いたり。
- YUKI:
- うん、そうです。
- 中居:
- それがきっかけで、やっぱり音楽への目覚めじゃないで
すけど。
- YUKI:
- うーん?そうなのかな?でも、私あの、家族対抗歌合戦っ
ていうのがあって。
- 中居:
- ああ、ありましたね。
- YUKI:
- それに「出よう!」ってことになって、家族で。それで
私、やっぱりなんか歌はずっとうちの家族みんな好きで、カラオケセットとか
でっかいとかの置いたり。
- 中居:
- 歌も当時からやっぱり好きだったんですか?
- YUKI:
- 好きでしたね。で、姉と一緒にハモったりとか、踊った
りして。あの、町内のカラオケ大会とかね。
- 中居:
- ありますね。
- YUKI:
- なんかそういうので、あの、なんだっけ?お菓子一年分
とかもらったりとか。
- 中居:
- ああ、ああ、ああ。
- YUKI:
- なんか、そんなにもらってもしょうがなかったんだけ
ど。それで、父と母と私と姉で出ることになったんですけど、あの、父が「薔薇
が咲いた」を歌うことになって。
- 中居:
- ♪薔薇が咲いた、薔薇が咲いた〜
- YUKI:
- そうそう。それで落ちたんですね。
- 中居:
- あ?それで?
- YUKI:
- お父さん、「薔薇が咲いた」歌えないくせにね、歌えな
いくせに「俺はこれだ!」って言って。審査員の人が予選で。
- 中居:
- あ、予選でも、ちゃんと受けたんですか?
- YUKI:
- 行ったんですよ。
- 中居:
- 家族全員で?
- YUKI:
- そうです。それで、前奏が始まって♪薔薇が〜
「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」って言ってもう一回やって、「ちょっと待って
くれ!」って言ってもう一回やって。もう3回ぐらいやり直して。「もう結構で
す」って言われて。私、「山口さんちのツトム君」歌って。
- 中居:
- …僕、「薔薇が咲いた」と変わらないと思うんですけ
ど。
- YUKI:
- 何の話でしたっけ?そう、それで、なんでしたっけ?
- 中居:
- だから、音楽にね。
- YUKI:
- あ、そうそう、そう。そうだ。だからそういう、けっこ
う小さい頃から歌はわりと家族がそうだったんで、身近にあったんで、あんまり
その時に自分では思わなかったけど、今から思うと「そうなのかな?その時なのか
な?」とか思うけど。
- 中居:
- じゃあ、その、なに?まあ、中学生だったり高校生だっ
たり、自分が自ら「音楽をやろう」っていう、その決意じゃないですけども。最
初やっぱりなにげなーくプライベートで「なんかバンド組んでみようか」ってい
う雰囲気で組んだのか、それとも「いつかはプロになってやる」っていう強い意
思があってでの最初のバンドだったのか。
- YUKI:
- あ、バンドは「プロになろう」と思って。
- 中居:
- あ、もう最初っから。
- YUKI:
- なんですけど。でも、やっぱギャルバンで5人バンドで
やってたんですけど、けっこう私の友達のワンマンバンドみたいな感じで、あん
まりウマくいかなかったですね。みんなバラバラになっちゃって。だって、とに
かく楽器弾けない奴でも、可愛い奴を集めるっていう。私と友達で。
- 中居:
- お、それ、いいですね。
- YUKI:
- それは客が入るから。「とにかく何でもいいから、4組
のあの娘連れてこい」とか言って。ウワーッて連れてきて、で「あんたベース弾
いてよ」って言って。案の定、その娘可愛かったから、すごい客入ったんです
よ、やっぱり。
- 中居:
- でも、弾けない…?
- YUKI:
- 弾けないですね。弾けないけど、途中でやっぱ面白味が
わかってきたみたいで、「私、ベース買うわ、有希ちゃん」とか言って。
- 中居:
- へぇー。
- YUKI:
- で、買って。今、バスガイドになっちゃったんですけ
ど。
- 中居:
- あらー、方向が違いましたねぇ。
- YUKI:
- うん、方向ちょっと違うけど。でも、すっごい可愛い、
本当、可愛くて。その娘のおかげでわりとお客さんが、その娘とドラマーがすご
い可愛くて。
- 中居:
- え?みんな女の子ばっかりで組んでたんです?
- YUKI:
- みんな女の子ばっかり。
- 中居:
- え?それは幾つの時だったんです?
- YUKI:
- それが高校2年生の時。
- 中居:
- へぇー。
- YUKI:
- それでも、なんかやっぱりいつも「ちょっと違うかな?
違うかな?」と思ってやってて。
- 中居:
- それは「違うかな?」っていうのは、音楽への考え方が
違って?のセンスだったり。
- YUKI:
- センスかなぁ?
- 中居:
- 今でもそうですけど、やっぱりグループじゃないです
か。
- YUKI:
- そうですね。
- 中居:
- で、自分たちのやりたい音楽と、自分のやりたい音楽
と、例えば他のメンバーのやりたい音楽って、絶対、擦れ違いが生じると思うん
ですよ。
- YUKI:
- 生じますね。で、それで4人でやることの意味みたいの
をずっと追及してったら、4人がOK出せる曲じゃないと出せないっていうことに最
後にはなっちゃったから。だから、すごく時間がかかるんですけど。リハーサル
とか曲選びは。でも、間違ってなかったなぁって思うし。今はだから、4人がOKな
曲じゃないと出さないですね。
- 中居:
- 一人の時って、何やってます?
- YUKI:
- 一人の時?一人の時は掃除機をかけながら歌ったりして
るぐらいかな?あと、お花に水あげたりとか。
- 中居:
- ほぉー。
- YUKI:
- 植物がけっこううち、いるんですけど、蜘蛛が住んでる
んですよ。最近気付いたんですけど。
- 中居:
- 汚い家?
- YUKI:
- 違う、蜘蛛、ちっちゃい蜘蛛が住んでるの。水あげると
いつも上に出てくるんですけど。何言ってるんだろう?それがいいなぁ。とかいっ
て。「いいなぁ」じゃねぇよ。何言ってるんだろう?
- 中居:
- でも、ちょっとあの、感覚的になんかでも、ちょっと違
うかもしんない。
- YUKI:
- 普段はそんな感じです。でも、あの、いや、普段、家に
います、普通に。
- 中居:
- なんか一人で笑ったり?
- YUKI:
- それはないですよ。「サザエさん」見て泣くことはあり
ますけど。あとはないですね。
- 中居:
- ああ、そうですか。なんかね、ね、まだ本当、僕らなん
か数十分しか話してないですけど、なんかね、そう、僕だけが今感じてるかもし
んないけど、まあ、普通の人とは感覚的にちょっと感性がなんか個性的な感性を
してる以上に、ある意味ではちょっと恐い。
- YUKI:
- 恐い?
- 中居:
- なんかしでかす。
- YUKI:
- あ、そういう恐いですか。恐いってなにかと。
- 中居:
- そういうあの、なんか。「この人、恐いな、ちょっ
と」っていうんじゃなくって、なんかある意味で自分の容姿とは逆に、なんか危
険性みたいの感じる。「なんかしでかすんじゃないか?」って。
- YUKI:
- あ、でも、あの、いや、思ったより、そうでもないです
よ。
- 中居:
- そうかなぁ?やっぱり純粋に音楽が好き、歌が好きって
いうことで今こういう活動してるのかな?それとも、なんか誰かのために、何かの
ために、何かに向かって?
- YUKI:
- うーん?そこまで、そこまであんまり。
- 中居:
- 考えたことない?
- YUKI:
- 考えたことないかな。ないです。
- 中居:
- え?だって、音楽はやっぱり自分が好き、自分が快感に
思える、それがやっぱり一番なのかな?
- YUKI:
- そうですね。
- 中居:
- 例えば、完成度の高い時の快感が忘れることなく頭に
あったりすると、「ああ、今度もやっぱりいい作品作ろう。いい作品作ろう」っ
ていう。
- YUKI:
- あ、わかった!やっぱ、山登りする人が山を登るよう
に。そして、野菜を作る人が野菜を作ったりするように、ただ好きだからだ。
- 中居:
- 純粋に多分、音楽が好きなんだ。
- YUKI:
- 好きでやったら、それが仕事だから、それで御飯が食べ
れるじゃないですか。お金もやっぱりあると生活できるし。普通の暮らしもでき
るし。それかなぁ。お金もちゃんと歌唄って、ビジネスできるし。切るようにい
うとそうかな、そうなのかな?
- 中居:
- でも、一番やっぱり自分のやりたいことなんでしょう
ね。
- YUKI:
- そうですね。
- 中居:
- やりたかったことなんでしょう。
- YUKI:
- やりたかったことでしょうね、ここまで……。私、バス
ガイドとかもやったことあるんですよ。
- 中居:
- ん?
- YUKI:
- バスガイドとか。
- 中居:
- バスガイド?
- YUKI:
- うん。あとチーママとかね。
- 中居:
- ……………?
- YUKI:
- あと代行車とかを運転したりとか。あ、代行車とか御存
じですか?
- 中居:
- ダイコウシャといいますと?
- YUKI:
- あの、飲んだお客さんが、車で来てます。
- 中居:
- うんうん、うん。
- YUKI:
- 「俺ぁ車で帰れねぇよ。酔っ払っちゃったよぉ」。
- 中居:
- やっぱり、お酒入ってるからね。
- YUKI:
- 「ママ、代行車呼んで」「はいはい。もう、ターさんた
ら本当に、チッチッチッ」。ターさんてなんだろう?「すいません、ツバメさん一
台お願いします」。
- 中居:
- ツバメ?なに?「ツバメさんが」って。
- YUKI:
- ツバメさんて、ちょっとライバル会社だったんですけ
ど。私、違うスニーカーっていうとこだったんです。あの、二台くるんです。
あ、二台じゃないや。軽自動車で一台で二人乗ってくるんですよ。それでお客さ
んの車を一人が運転して、お客さんを乗っけて帰るんです。私は、それを後ろを
着いていく。だから、パートナーを乗っける軽自動車の役で。
- 中居:
- へぇー。
- YUKI:
- バイトとかしてた。私、車好きだし、もしかして車の運
転で何か食ってけるかなぁと思って。
- 中居:
- あ、何事もやっぱり、「食ってけるかな」っていうの?
- YUKI:
- やっぱ、手に職付けなきゃ。
- 中居:
- ああ、なるほどね。
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