ずっと、キースが好きだった。あの押しつけがましいくらいの何の変哲もない一本槍なリフを30年間もかきむしり続けるキースが好きだった。あのリフをあの通りに寸分違わず弾くことにどれ程の時間を費やしたことだろう。それが無意味だと気付くまで、何本の弦を切ったことだろう・・・キースのあの頑固なロック魂が好きだった。ストーンズを愛して止まないキースが好きだった。
ビルはもう居なくなってしまったし、まぁ、居たころも「邪魔にならない程度に、俺は」ちう老後を約束された呑気なロックじじいぶりは端から見ても窺えたし、チャーリーに至っては、「ストーンズは世界一時給のいいバイトさっ」くらいにしか思ってなかっただろうし、ロニーはいつになっても飄々と他人面だったし・・・
まあ、みんなそれぞれストーンズのことは大好きだろうし、大切に考えていたのはわかる。が、しかし、ストーンズといって一等先に頭に浮かぶのはキースだったし、俺が愛して止まないのもキース・リチャーズその人だった。(過去形だけど実際、過去形ではないよ)
最近、俺の中の「ストーンズ・ブーム」再燃し(それは大凡2年周期で訪れる)、昔のストーンズ関連の記事やインタビュー本などを読み漁った。すると、どうしたことか キースの言葉にそれ程、共感を覚えない自分を発見してしまった。「これはこれは、さあ大変」と読み進めていくうちに、昔は飛ばし読みしていたミックの発言が異様なまでの生々しさで自分に突き刺さってくるのを感じた。単純なくらい何ともあっけなくミックの虜になってしまった。俺は今日、1996年6月9日「ロックの日」俺にとっての「ストーンズの内なる敵」、俺にとっての“OVER THIRTY”、俺にとっての「微分積分」、ミック・ジャガーと握手を交わした!
やっと解り合えた。いや、すみません。やっと、解れるようになりました。
今まで、鼻についたあのインテリ気取りのしゃべり方、ビジネス・ライクな考え方・・・「ロック誌で何気取ってんだよ〜!ロックはこう!ほらっ!腰を据えてギターをガツーン!!」本当にすみませんでした・・・
未熟でした。
今まで、自分でバンドやってきて、ふとした瞬間に頭をよぎり、グルグルと何百周も頭の上を回り、結局、自分の中で折り合いのつかない大疑問があった。
それは「俺たち、ギターとベースとドラムのバンドでいいのかよー?」ということだった。どういうことかというと、俺がティーンの頃に影響を受けたバンドは、そのほとんどがギター、ベース、ドラムの三種の神器で奏でられ、そのルーツでもあり、俺がもっともたまらないところのエディ・コクラン/ジーン・ヴィンセント/ローリング・ストーンズもまた、その三種の神器をベースに「ロック」を「ンロール」してた訳だよ!しかも、1950年代後半〜1960年代前半にかけ、それは生まれた。そこが大問題で、その当時、「ロックンロール」をやってた間違いなくヒップな兄貴たちに憧れ、ギターを手にした90年代の俺のアイデンティティーはどこにあるんだよー!まぁ、アイデンティティーを人にすがってもしゃあないんやけど・・・
世の中はやれモッズだ!ブリット・ポップだ!と、大騒ぎしているが、どれもこれも糞ばっかだよ!(OCEAN COLOUR SCEAN はいーぜ!あと、Men's Wearもなかなかやるぜ!確かにいいのもある・・・)60年代のスウィンギング・ロンドンを90年代にぶり返しても始まんねーだろー!あてはまんねーのは演ってる奴等が一番わかってんだよー!(おーっと!誰に何が言いたいのか、わかんなくなってきたぞー!)要すーるに、'64年当時、一番HIPだったストーンズや一連のWho/Small Faces以下多数のモッズ・バンドは間違いなく、'64年当時、超クールだったんだぜ!じゃ、'96年
[1996/6/18 from POCCA]
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