CLAMP TALK Vol.29

NAKAI in talking with TSUNKU.
- 中居:
- 自分でどうでした?もし、今の自分がなかったら音楽を
やめてました?それとも?
- つんく:
- 何らかの形で携わってたとは思うけど、今は。でも、
まさかこんなにちゃんと出来ると思って…、未だにまだ怪しいなと本当に思いま
すけどね。
- 中居:
- でもね、8年間やってきて、いわゆる下積みみたいのが
あったわけじゃなですか。下積みで4年5年、「もしかして、俺らはもうこのまん
ま花が咲かずに自分たちが終わってしまうんじゃないか」っていう不安にも陥る
でしょうし。正直、何をきっかけに、何を原動力にして?
- つんく:
- 何だろう?でも、「儲けてやるぞ」じゃないけど、
ちょっと入ってるでしょ。あと「モテてやるぞ」。で、なんかやっぱ、男という
か同性に関してもやっぱ、「バンドで飯なんか食えないよ」ってあざ笑ったやつ
に対して「いつか見てろよ」とか。まあ、あとはやっぱり父親に対してという
か、両親に対してというか、「いつかは恩返しできれば」という気持ちとかね。
でも、どれが一番でかいかといえば「モテたい」が一番でかいですよね。
- 中居:
- …単純なのね。
- つんく:
- 動機はすごく不純。
- 中居:
- モテたい?
- つんく:
- モテたい。
- 中居:
- それが音楽だったわけですか?
- つんく:
- いろいろやったの、俺。全部一通り。
- 中居:
- 例えば?
- つんく:
- だから、モテそうなこと。波乗りとか。なんだろう?
バイクとか車とか。なんだろう?えぇと、まあ、勉強もそこそこ。
- 中居:
- 世間体でいうモテる男の条件みたいのを自分で揃えて。
- つんく:
- そうそう、そう。チェックメイトとか買ったりして。
ファッション研究とかね、いろいろやって。一番なんとなく自分に都合がよかっ
たのがバンドというかギターというか。で、ジャニーズには入れなかったし。タ
イミング的にというか、顔的にというのか、肉体的にというのかわかんないけ
ど。気がついたらもう18とかだったら「あ、もうダメだな」と思って。
- 中居:
- へぇー。僕なんかね、ずっと前っていうか、シャ乱Q
が、つんくさんが売れる前ですよね。あの知り合いの。
- つんく:
- そうそう。もう本当、涙が出るくらい嬉しかったよ。
あれ、俺の誕生日会で中居くんが来てくれたの、夜中に。酒持って、裸でバァー
ンて来て。「おめでとうございます」って言って帰っていったの。…カッコい
い。
- 中居:
- 違う。あの時なんで僕も行ったのかわかんない。その知
りあいがとにかく「シャ乱Qって知ってる?」って。「シャ乱Q?」。で、
「ヴォーカルのつんくって知ってる?」って。「いやぁ…」。その時ぜんぜん出て
ませんでしたもんね。
- つんく:
- チョコっと出始めたぐらい。
- 中居:
- なんかね、名前が。
- つんく:
- そう。まだ「名前が変だ」って言われてたぐらい。曲
なんてぜんぜんまだ。
- 中居:
- 「シャ乱Qなんかバタンキューだ」なんて言われてた頃
ね。
- つんく:
- そうそう、そうそう。
- 中居:
- そういう時代ですよね。
- つんく:
- やっと。やっとだけど、でも自分たちの中でその
SMAPのなんかわかんないけど、未来にいつまで歴史があるのかわからないけど
も、もしやるべき使命があるとしたら、何%ぐらいクリアしたような気がしま
す?
- 中居:
- 自分の中でですか?
- つんく:
- うん。
- 中居:
- 50%。半分ですね。
- つんく:
- ああ、半分。
- 中居:
- やっと人間でいえば、今8年だから8歳ですよね。やっと
自分の足で一人で学校にいけるようになった。芸能界に入れるようになった。こ
れからがやっぱり成長するスタートラインじゃないかなと、自分の中では思うん
ですよね。
- つんく:
- ああ、そうですよね。俺らなんかまだ、本当20か30
%。で、やっぱ50%のとこにSMAPはいるんですよ、結局は。マジな話で。やっぱ
6人重なった時は強いなと。無敵のキャラ。ファミコンで言えば、多分、無敵の
キャラ、SMAPは。
- 中居:
- いや、どうなんでしょうね?でも。
- つんく:
- いや、話してもそれなりにちゃんと強くて。
- 中居:
- でも、シャ乱Qにはもっとね、もっとなんか絶対に守り
に入ってほしくないっていうのが僕なんかありますよ。
- つんく:
- SMAPはまだ守ってない?
- 中居:
- 絶対、守りに入りませんね。つもりですよ。
- つんく:
- 守って、早く。SMAPが守りに入らないとね、こっちが
いくら加速してもね、なんかゆっくり動いてるように見えるんだ。ほら、100キロ
で走ってると80キロで走ってるやつがさ、速いんだけどさ、なんか80キロだと
ゆっくりに見えるじゃない。俺らまだ80キロなのよね。
- 中居:
- でも僕は、いちばん最初にシャ乱Qをテレビを通して見
た時に、まず印象的には守りに入ってないグループ。ちゃんと攻めて、芸能界に
も戦いにいってる姿っていうのは僕が見てわかったんですよ。
- つんく:
- わかりました?
- 中居:
- うん。決して守りに入ってない。無難なことはするグ
ループじゃないなって。何かをしでかすんじゃないかなっていうね。期待感と不
安感が。「こいつら、こんなことまでしちゃうんじゃないかな?」「こんな歌まで
歌っちゃうんじゃないかな?」「どんな衣装で出てくるのかな?」っていう期待感
ていうのを、これからも何かやって欲しいと思いますよね。
- つんく:
- やりますよ、はい。
- 中居:
- すごい頑張って欲しいグループよ。
- つんく:
- だからね、どっか一回言われたじゃないですか、俺、
ミュージックステーションで。もう覚えてないかもしれないけど。もう、そこそ
こいってるのよ、シャ乱Q的には。で、年末ぐらいの時、中居君といて、「あ、
久し振りだね」なんて話をしたかいなやぐらいの時に「いや、最近けっこうすご
いね」っていう一言と「もっときて。もっといきな」みたいなことを俺にポソッ
と言って。俺はなんか、神からのお告げのように。
- 中居:
- そんなことはない。
- つんく:
- あの、多分、中居君が言ってるんじゃないぐらいの感
じで、俺の耳に入ってきたの、なんか。なんかSMAP教というかSMAP神かなんかわ
かんないけど、ガッて言われて。俺ももしかしたらどっかで腰を据えてね、なん
かヤバい時ってあるじゃない。フッとそこで目が覚めて。「ああ、行け」だなと
思って。
- 中居:
- 守っちゃダメですよね。で、人と違うことをやっぱりや
りたいっていう。でも、シャ乱Qの中にもあるんじゃないですか?シャ乱Qのルー
ルの中でも人と同じバンドじゃなんか。
- つんく:
- よそのバンド?
- 中居:
- うん、よそのバンドと。
- つんく:
- えん、よそのバンドとは。でも今、バンドで多分似て
るやつはいないと思ってる。
- 中居:
- うん、その姿勢っていうのは絶対に忘れちゃいけないこ
とだと思うんですよね。
- つんく:
- 真似したくないぐらい嫌味でいいやと思ってるから、
人はね。それが個性で。
- 中居:
- だから今、変な話あの、お笑い界で今ダウンタウンが
やっぱりすごいじゃないですか。で、今、深夜番組なんかで見るとダウンタウン
みたいな面白さを引き出そうとしてる若手の人がやっぱり多いんですよね。
- つんく:
- それ、作る側はどうなんですか?それは。僕が言うの
もなんだけど。そのダウンタウンみたいな番組を作りたいんじゃないかな?って気
も。俺らの時も「バンドブームみたいな音楽して」って言われた感じがして。一
回俺らもそっちに行きかけたのね。
- 中居:
- でも、そこで自分たちは?
- つんく:
- だから、一回バァーンと放り出されて本当にクサいメ
シ食ったっていうか。何もなかったですけど。でも、それでよかったなって、今
本当に思う。あっちに媚びてたらもう俺は今いない。
- 中居:
- まあ、こればっかりは本当、結果論だからね。
- つんく:
- でも、まだ途中だからまだわかんないけどね。
- 中居:
- だから、どこが終わりで、どこで達成かっていうのも。
- つんく:
- メンバー違ってくるしね。だんだんズレてくるし。
- 中居:
- こればっかりはわかんないんだよね。
- つんく:
- 今後?いや、うちらも本当、意識的にはバンドっても
のだけにこだわってなくやってきたつもりだけど、どんどんバラエティ的な要素
をなんか求められると、俺なんかはいちばん音楽をちゃんとやらないと絶対ヤバ
いなっていうのはすごく危機感に感じて。だから俺、まだ番組とかで尻とか出し
たことないけど、曲がものすごく売れてれば尻出してもいいと思ってるのね。
だって、べつにそれほどカッコいいものはないなっていう。でも、音楽売れてな
いくせに尻出しててら、それほどカッコ悪いものはないなっていうぐらい、俺ら
ギリギリのところにいて。けっこうそこがわからなくなる瞬間が自分の中にも
あったりとかして。その守りと攻めがわからなくなってきたりとか。で、とにか
く危険だなって思う時があるんだけど。でも、その自分たちで音楽作れてるうち
は、とにかく売れてるから偉いっていうわけじゃないんだけど、それはなんてい
うか。売れてなくてもちゃんと支持されるというか、価値観のある音楽作っとか
ないと。もしくはコンサートなのかアルバムなのかわかんないけど、音楽に携
わってないとギャグの一言も言っちゃダメだなと思うぐらい危機迫る瞬間とかあ
るから。とにかく今後は、まずは第一はミュージック。
- 中居:
- ベースは音楽と。
- つんく:
- うん。音楽。歌じゃなくて音楽。ライヴかなんだかわ
かんないけど、そう。なんかミュージシックって感じのするもの。で、それに負
けないぐらい他のエネルギーを、トークなのか笑いなのかダンスなのかわかんな
いけど。なんかそういう。
- 中居:
- だから、今の段階でまだまだ音楽をやってく上での過程
じゃないけども、もっとさかのぼれば今がスタートだっていう気分で。だからも
う、思いきってじゃないけど、ズッこけるかもしれないけど、ズッこけてもいい
や的な。
- つんく:
- 助けてくれる?
- 中居:
- え?なんで?
- つんく:
- ほら、「うん」て言わないでしょ。ね。
- 中居:
- いや、SMAPもそうやってズッこけてズッこけて。
- つんく:
- そうか。え?ちょっと待って。なんか一つだけ俺たち
に課題を。もうその、気にしないで、一視聴者として。
- 中居:
- 僕、まあつんくさんにはあれかもしれないけども、シャ
乱Qイコール
- つんく:
- 色っていうのは。
- つんく:
- とったほうがいい?
- 中居:
- これからは、もっと他のメンバーが戦力になるように。
で、一色に染まらない歌。カラオケでよく歌われるグループシャ乱Qじゃなく、
いい歌を歌うグループシャ乱Qじゃなく、とにかく新しいものを。シャ乱Qが携
わってないジャンルっていうのは、あらゆるものがあるわけじゃないですか。
- つんく:
- ああ、ああ、そうですね。
- 中居:
- それでまだ2年なり3年ないし、例えば音楽がとにかく心
から好きで、売れることじゃなく音楽が好きでやっていくバンドでしたら、もう
何もなくて音楽だけをやってればいいと思うんですよ。
- つんく:
- そうだね 。
- 中居:
- 売れるも売れないも関係なく。でも、やっぱりこの芸能
界で華々しく、長くやっていきたいっていう気持ちがあるならば、色を付けない
ことじゃないかなと思うんですよ。
- つんく:
- あ、一色にね。すごい。うーん。
- 中居:
- 僕も何をやるっていうか、決まってないですしね。決ま
らないまま死んじゃってもいいかなと思ってますし。
- つんく:
- ああ、結果的にはね。
- 中居:
- だからもう、本当ね、笑って死ねれば一番いいかなと思
いますよね。ニコニコしながら目を閉じて。だって、人間はみんな泣いて出てき
てんだもん。
- つんく:
- あ、そうか。笑って出てくるやついないよね。
- 中居:
- みんな泣いてさ、丸裸で出てくんだからさ。
- つんく:
- そうね。
- 中居:
- もう泣いて生まれて来てるんなら、死ぬ時は笑って死ね
ればいいなとか思っちゃいますよね。
- つんく:
- 笑ってね。
- 中居:
- うん、笑える人生っていうのは一番いいんじゃないかと
思っちゃいますよね。
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