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- 小室:
- こんばんは、小室哲哉です。えぇとですね、今日は3月6日なんですけども、今日はですね、3枚目のシングルが今日リリースされて、えぇ、まあ、それはどうでもいいんですが。どうでもよくはないか、大事なんだけど。あの、というよりは、ゲスト的に非常に難しい方をですね。
- 華原:
- 難しい方なんですか? 私は。
- 小室:
- お迎えしてますが。華原朋美さんです。
- 華原:
- こんにちは。華原朋美です。
- 小室:
- こんばんは。
- 華原:
- こんばんは。
- 小室:
- えぇと、この時間の最初の時間ていうのは、今までで言ったら、誰ですか? チャゲアスとかサザンオールスターズとか、あとは誰ですか? たくさんいろんな人で、女のひと、女性の歌手の人でいくと、森高さんと渡辺美里さんぐらいかな? っていう感じで。けっこうもうアーティストっていう感じがここに出てくるんだけど、今日は特別ですね。
- 華原:
- 特別なんですか。ありがとうございます。
- 小室:
- スーパースペシャルかもしれないんですけど。
- 華原:
- ありがとうございます。
- 小室:
- のトークの場所なんですね。
- 華原:
- はい。
- 小室:
- それで、話しにくい?
- 華原:
- うん。
- 小室:
- でも、話してもらわないと僕も困ってしまうんで。一人で喋らなくちゃなんないんで。というわけなんですが。えぇと一番最初出たじゃない。”Get Wild”だっけ?
- 華原:
- はい。
- 小室:
- 普通でいいですよ。”Get Wild”歌ったじゃない。で、あれってその後に”50/50”歌って、で、”Keep yourself alive”をここで歌って。
- 華原:
- そうです。
- 小室:
- 歌って。で、今日で4回目なんだよね、一応ね。一年で4回出てる人は、もしかしたら初めてかな? あ、そうか、ウルフルズが最多出場で3回だったかもしれなかったんだけど、4回でいちばん出てるということですね。
- 華原:
- ありがとうございます。
- 小室:
- ありがとうなんですかね?
- 華原:
- うん。嬉しいですよ、それは。テレビに出れるのは。
- 小室:
- あ、本当。
- 華原:
- 嬉しいです。
- 小室:
- あんまり、そうだね 。ミュージシャンっていうか音楽家の人しか出ないからね、これはね、ほとんど。あの、”Get Wild”の時ここで歌った時と今とどうですか? はっきり言って心境の変化として。
- 華原:
- ここに座れるとは思ってなかったです。
- 小室:
- なんで?
- 華原:
- なんで?
- 小室:
- うん。そんなにしっかりしたものになるとは思ってなかった?
- 華原:
- いや、そういうわけじゃなくて。そういうことまで考えられなかったっていうか。
- 小室:
- べつのものだと思ってた? あの時もほら、ここにゲストの人がいたわけじゃない。
- 華原:
- だって、ここに座る人ってすごい大それた人っていうか。大きいアーティストの人ばっかりじゃないですか。
- 小室:
- そうですね。日本の。
- 華原:
- 「大それた」って間違えたかもしれない。
- 小室:
- いや、まあ、わかります。
- 華原:
- わかる? そう。だから自分がここに座れるとは。
- 小室:
- まあ、そうだよね、そう考えればね。でも、あ、でもじゃない。それで、でも、実際まあ、いろんな環境があるから特別かもしれないけど、でももう実際こうやってテレビで二人で話ししてるのが流れてるわけじゃない。これは本当のことじゃない。で、今、こうなってみてどう思う? そのなんかさ、自分があそこに”Get Wild”歌った華原朋美があそこに今見えてるとして、僕はなんかここから見てたような感じだったじゃん。あの時弾いてたっけ? ギターやってたっけ? そっちかなんかでやってたんだけどね。で、今そこにいる、あの時の本人、華原朋美がいて、今ここで見てるとするとかなり違うと思うんだよね。言葉では説明できないかな? それは。
- 華原:
- 出来ないですよ。うーん? わかんない。言葉でなんていっていいかわからない。少しずつっていうか、ぜんぜ違いますよね。大きくなっているんだなと。成長してってる自分かなって。
- 小室:
- 積み重ねっていう感じはすごいするよね、それはね。
- 華原:
- 4回積み重ね。
- 小室:
- それで今日は、”I'm proud”の、新曲の発売の日じゃない。
- 華原:
- はい。
- 小室:
- だから、それだってまあ、決して少ないほうじゃないと思うのね。9月じゃない、去年の。9、10、11、12、1、2、3、まだ半年ちょっとだから。で、3枚シングルが出てんのは、決してあの、すごくなんか「あんま出ないね」っていう感じじゃないと思うのね。
- 華原:
- はい。
- 小室:
- で、ずっとなんていうのかな? ラッキーにチャートに入ってたじゃない。ウマく入ってたから。なんだかでカラオケで華原朋美の歌を歌ってくれる人がたくさんいたりとか、リクエストしてくれる人がいたりとかっていうのが、9月からずっと切れてないよね。なんかすっかりいなくなることってないじゃない、ぜんぜん。半年間でさ。必ずどっかにいるみたいな。それで3枚目が今日出るから。なんていうのかな? うーん? 本当キレイに鎖のように繋がってってるっていうか。っていう感じはするんじゃないかな? そこらへんは。
- 華原:
- 小室さんのおかげです。ありがとうございます。
- 小室:
- いや、そんなことない。
- 華原:
- ありがとうございます。
- 小室:
- いや。
- 華原:
- この場をお借りしてありがとうございました。
- 小室:
- そうですね。
- 華原:
- はい。
- 小室:
- すごくウマくいってると思います。そこらへんはね。
- 華原:
- はい、ありがとうございます。
- 小室:
- あの、自画自賛になっちゃいますけどね、それは。自分でなんか担当してて、ウマくいってて。まあみんなスタッフの人とかもね、頑張ってくれてるからっていうのもあるけど、すごくまあでも、僕というよりは買ってくれたりとか聴いてくれたりしてる人たちじゃないかな。それはそれで。
- 華原:
- ありがとうございます。恥ずかしくなってきちゃった、なんか。ごめんなさい。
- 小室:
- ずっと音楽はけっこう触れてるわけじゃない、この一年近くは。あんまり僕、そうかな、僕のこと言ってくれる人はいるけど、こうやって話しして「小室さんの音楽ってこうだよね、ああだよね」って言ってくれる人もいるけど、あんまりちゃんと僕が質問する人っていないから。僕の音楽って、近くで触れたりとかもしてて、これもウマく言えないかもしれないけど、もしも誰かに説明するとしたらどんな感じですか?
- 華原:
- 小室さんの曲について?
- 小室:
- うん。自分の3曲も含めてかな。
- 華原:
- うーん? 私の曲で「小室さんの曲はこうだ」って言えない。私の曲だから。え? なに? もうわかんない。
- 小室:
- 私の曲だから?
- 華原:
- 私の曲だからっていうか、他のいろんな…難しいですね、その質問。
- 小室:
- 小室サウンドとか小室ミュージックっていうか、小室哲哉の音楽を誰かに言うとしたらっていう感じだけどね。それで、でもやっぱ自分の3曲も入らないと、なんか真実味がないじゃない。で、自分のも入れてでいいんだけどね。
- 華原:
- 小室さんの曲…。聴いてるとすごく、だから例えばカラオケでもし歌おうと思った曲だとするじゃないですか。それを聴いてて、絶対に鼻歌でお風呂とかでもどこでも♪フ、フ、フー〜って歌っちゃうんですよね。で、もしそれをカラオケで歌おうと思って家出るじゃないですか、それで歌うとぜんぜん歌えない。難しい。そういうところがなんか小室さんの。
- 小室:
- 自分の曲ももしかしたらそう? それはわからない、自分のとかはね。
- 華原:
- 私は好きですけど、小室さんの曲は。
- 小室:
- 自分のも歌えそうだなと思って歌ってみると大変みたいな感じ? でも、今回の曲はそうでもなよね。
- 華原:
- はい。”I'm proud”。”I'm proud”は…。
- 小室:
- 難しそうだったら歌ってみたら案外すんなりメロディは入ってきたんじゃないの?
- 華原:
- うん。あの”I'm proud”、なんて言っていいかわかんない、口で。
- 小室:
- いつも言ってるじゃない、たくさん。すごい喋ってんじゃない。
- 華原:
- ”I'm proud”は…。
- 小室:
- 僕より、朋ちゃんのほうが僕に喋るよね、普通はね。
- 華原:
- いつも?
- 小室:
- うん。ぜんぜん違うね。逆ですかね。
- 華原:
- 誰もなんか、ウンともスンとも言ってくれない。え? なんだっけ?
- 小室:
- ”I'm proud”は?
- 華原:
- ”I'm proud”は、えぇと、…流れがある曲? うん。すごく流れがあって、うーん? 最初から最後まで、ちゃんとキッチリ。始まりはこうで、最後は絶対こうなのみたいな。”I beleave”もそういう感じだったんだけど、でも、”I'm proud”はすごい現実的に…、現実に近い。
- 小室:
- 流れとかが?
- 華原:
- うん。と思ってるんですけど、違いますか?
- 小室:
- うーん? うん、そうですね。そうですねっていうか、あれですね。あの、”I beleave”とかは行ったり来たりできる曲だよね。
- 華原:
- ”I beleave”が?
- 小室:
- あの、イントロからエンディングとかで、エンディングからまたイントロに行ったりとか。なんか一番から急に飛んだりとかできる曲だよね。過去とか未来が全部同居してるから、一緒に住んでるから、一曲のなかに。過去・未来とか。でも”I'm proud”は、今度の新曲とかはイントロからエンディングまででそうだね 。ドラマがあって、だんだんお話しが進んでくじゃない。過去から今に至る未来。過去・現在・未来っていうのかイントロからエンディングまで、そういう行き方してるよね。まあ、確かにそれは話しててそう思いましたね。
- 華原:
- 思いました? うわぁよかった。当たった。
- 小室:
- ”I beleave”はタイムマシーン的だから。あっち行っちゃったりこっち行っちゃったりしちゃっててね。
- 華原:
- ”I beleave”は未来だから。ごめんなさい。
- 小室:
- ちなみに、ロスではその言葉が流行ってますね。
- 華原:
- 未来ですか?
- 小室:
- いや、「ナントカだから」っていうのが。
- 華原:
- 未来なんだから! ダメなんだもうそれやると、きっと遠藤さんに怒られる。
- 小室:
- えぇと、わかりました。あとさ、ぜんぜん今、急に思い出したんだけど、最初の頃ってさ、ドラマをやるとかさ、そういう話しもあったじゃない。あの、どうなの? 音楽、本当、歌だけやってけるのがいちばん自分には合ってると、これだけやってきて思う? そういうふうに。
- 華原:
- うーんと、歌しかないです。
- 小室:
- 例えばじゃあ、ラジオとかは?
- 華原:
- 私、喋らないほうがいいって言われてるんですよ、あんまり。あの、あんまり喋るなって言われてて。
- 小室:
- それは前から? 昔から?
- 華原:
- いや、あの、華原朋美になってから。あんまり喋んないほうがいいって。
- 小室:
- え? 僕に言われてんじゃないよね?
- 華原:
- 小室さんじゃなくて。小室さんはそんなこと言わないです。
- 小室:
- あ、周りにいる人だったりとか。
- 華原:
- 本当、頭が弱い人だねって。そうじゃないでしょ?
- 小室:
- うん、そんなことないんだけどね。褒めることになっちゃうのかもしれないけど、そういうふうに見せる、演出するよね。ある種ね。なんか、頭がさ、なんかそういうふうに。
- 華原:
- 落ち着かないなぁ、私、なんか。どうしよう? ごめんなさい。
- 小室:
- 頭があまり強くないっていうふうに演出しない? 本当はさ、もっといろいろ考えてるじゃない、たくさん。すごい考えてんじゃない、いろいろさ。
- 華原:
- 追求の毎日です。
- 小室:
- でも、こういうところでっていうか、わかんないけど、こういう時にはそういうふうに「あんまり喋んないほうがいいよ」って言われるように、それはある程度自分でも、自然とそうやってんのかな? けっこう作ってるとこあるんじゃないの?
- 華原:
- 作ってないですよ。私は絶対に作らないですよ。
- 小室:
- じゃあ、自然にそうなるの?
- 華原:
- なるの。
- 小室:
- 頭ではわかってるんだけど、口からは違うこと言ったりするんだ? じゃあ。自然に。
- 華原:
- わかんない。
- 小室:
- だって、そんなにね、ちゃんと考えてると思うよ、ちゃんとしっかり。
- 華原:
- 私ですか? ありがとうございます。
- 小室:
- そこらへんは僕も、いまだに不思議なところだけどね。まあ、ちょっと真剣な目になってきたね。
- 華原:
- うん。真面目にやんないと。
- 小室:
- 少し普通になってきました?
- 華原:
- うん、なってきた。
- 小室:
- いつもの感じになってきたのかもしんないけどね。
- 華原:
- なってきた?
- 小室:
- うん。
- 華原:
- よかった。みんななんか、なんでそんなに見るの? 私のことをって感じ。
- 小室:
- みんなゲストの人はぜんぜんいつもですね。歌しかないっていうのは、表現がそれがいちばん自分に合ってると思う?
- 華原:
- うん。ドラマとかあるじゃないですか。
- 小室:
- 前、だってやったりしたでしょ?
- 華原:
- ちょっと。
- 小室:
- ちょっとは。
- 華原:
- ぜんぜんなんか、ドラマってよくわからないですけど、結局、台本があって、それを読んでその役になるじゃないですか。その役なんて、もう一人の自分を持って、体と口と全体で表現して、それがドラマになるじゃないですか。だけど、そんなの出来ないですよ、私。
- 小室:
- 歌はそうじゃないんだ。
- 華原:
- 歌はそうじゃないんです。
- 小室:
- 歌は自分そのもので出来るっていう感じ?
- 華原:
- うん。
- 小室:
- まあ、そうだよね、それは。僕なんかは音楽しかやってないから、わかんない。そう思うけど。
- 華原:
- っていうか、基本的っていうか、自分は始めから歌が好きだから。歌なんだから! っていう感じ。歌なんだから! って。…誰か笑ってる。誰かあっちのほうで笑ってる。
- 小室:
- うーん? わかった、それは。えぇと、じゃあね、あの、こういう立場っていうのは、あまりないじゃない。僕だって生まれて初めてだし、こんなふうな立場っていうか環境で誰かテレビで出てる人見たことない。今までない? 朋ちゃんとかはもちろんそういう経験ないからいいのかもしれないけど、もしもこれをテレビで見てたら、ぜんぜん関係ない人としてだよ、そんなことはないから無理かもしれないけど、どう思います?
- 華原:
- 見てる人?
- 小室:
- うん。こういう関係のもういろいろなマスメディア、マスコミっていうか、そういうのでみんな一般的な人もある程度、二人がどういう立場でどういう仕事をしてて、っていうの想像して見てるわけじゃない。知ってて見てるわけじゃない。それ、そのなかに入って朋ちゃんが入ったとしてさ、そういう二人がなんかテレビ出てたら、どう思う?
- 華原:
- 自然だったら、すごく。出てる二人が自然だったらそれはいいと思う。
- 小室:
- 自然ですか?
- 華原:
- 私?
- 小室:
- だんだん自然になってきた?
- 華原:
- だんだん自然になってきた。自然になりたいんだから! ほんとは。
- 小室:
- やっぱり不自然だよ。不自然っていうか、よくないと思ったら、「よくないよね」とか言うの?
- 華原:
- うん。あの、野球選手とアナウンサーの人が結婚して。
- 小室:
- フジテレビの人ですね、それは。
- 華原:
- そう。で、出てたんですよ、テレビ見てたら。出てて、なんかね、なんか変なの、すごく動きが。なんかその野球の選手の人が椅子に座って、で、立ってて、女の人が「ナントカですよね」とか言って。「ナントカですよね」じゃないでしょっていう。「ナントカよね」って言いなさいよっていう感じ。
- 小室:
- じゃあ、言いなさいよ、そういうことを。
- 華原:
- 言っていいの? だって遠藤さんに「しっかりやってね」って言われちゃったんだもん、だって。
- 小室:
- やっぱりそういうところは自然なほうがいいんじゃない?
- 華原:
- じゃあ、わかった。
- 小室:
- っていうのもあるけどね。じゃあ、もしも朋ちゃんが見てたらそう思うでしょ?
- 華原:
- うん。そう。
- 小室:
- それが印象がいいなと思ったら、やっぱり「ああ、いいよね」って思うしね、きっとね。それがなんか見てて不快だったりとかしたら、これテレビの人が、向こうの人たちにはなんか本当、無意味なもんだよね。チャンネル今、回されてるよね。
- 華原:
- はい。
- 小室:
- きっとね。
- 華原:
- はい。そうだね 。
- 小室:
- そう思うよね。
- 華原:
- 嫌われたくないから。
- 小室:
- そうなの?
- 華原:
- え?
- 小室:
- やっぱりそれは、自分の歌を聴いてくれる人たちが世の中にはたくさんいて、そういう人たちにやっぱり華原朋美はキチッと見せたい?
- 華原:
- そのまんまの朋ちゃんを見せたい。
- 小室:
- それがいいと思う?
- 華原:
- いちばんそれがいいと思う。
- 小室:
- そうか、そうか。
- 華原:
- だって、いちおう自分のなかでは華原朋美っていうのは、もちろん私だけど、目上の人っていうか、仕事、歌を歌う時は分身とかじゃないけど、目上の人ですごい人って思ってるのね、自分で。だけど、普通の時は、朋ちゃんは朋ちゃんだから、べつに何か作ってるとか飾ってるんじゃなくて、自分のなかでは目上の人。しっかりしなきゃいけない人っていうふうには、気持ちはそう思って歌を歌ってる。
- 小室:
- まあ、そうだね 。華原朋美っていうのでキャラクターを出すっていうことが、今まではあんまりないもんね、そういう場はね。歌のCDの部分でしかないもんね。今後はそういうのは出していきたい? その、自分のなかの華原朋美っていうのが自然なのがいいとすればね、そういう華原朋美はどんどん出していきたい?
- 華原:
- うん。出していきたいです。
- 小室:
- 今だからこういうふうに喋ったりしてるのも一つの表現だと思うけど。テレビにじゃあ、出ちちゃったりすんのかな?
- 華原:
- 私?
- 小室:
- うん。で、喋ったりすんのもぜんぜんいいの? それは。
- 華原:
- うーん? 難しいことなんですか? それは。
- 小室:
- ん?
- 華原:
- そういうことするのは私まだやったことないじゃない。
- 小室:
- うーん? 僕もこの番組が生まれて初めてだから。そういうのはわかんないけどね。
- 華原:
- 難しい? これ。
- 小室:
- 僕は辛いね、すごく。大変。でもまあ、司会っていうか、招待してそのゲストの人の話しを聴くのがいちばんメインの仕事だから。
- 華原:
- でも、小室さんおしゃべり上手だから。
- 小室:
- 喋り上手じゃないよ。僕はぜんぜん。朋ちゃんのが喋り上手だよ。
- 華原:
- そうかなぁ?
- 小室:
- うん、それは。
- 華原:
- そうか。
- 小室:
- このテレビ見てる人はそうは思わないかもしれないけど。わかんないけど。
- 華原:
- そう?
- 小室:
- うん。一瞬、目が怖いんだけど。
- 華原:
- ごめんなさい。
- 小室:
- なんかせっかくだから、こういう機会あんまりないから、あとどんどん言ってよ。話ししてよ。
- 華原:
- うーん? ”I beleave”100万枚いきました。ありがとうございました。だって、嬉しいんだもん。
- 小室:
- うん。あとはなんか。
- 華原:
- 3月の6日、今日”I'm proud”が発売されます。聴いてください。
- 小室:
- 僕にとかないですか? なんか。
- 華原:
- 小室さんにですか?
- 小室:
- テレビを通して。
- 華原:
- 小室さんに? テレビを通して小室さんに?
- 小室:
- まあ、テレビを見てる人を通して。
- 華原:
- 一生懸命頑張ります。
- 小室:
- そうかな? もうちょっと、少しずつ引っ張ろうと思ってるんだけどね。いつもの朋ちゃんをね。「一生懸命頑張ります」とか言わないじゃん。
- 華原:
- そう。ちょっと待ってください。難しいんだからぁ!
- 小室:
- どう言ったらいいかね? ないじゃないあんまり、こうやって見てるとこで、人の。じゃあね、じうしようかな? 僕のこと見てて、あの、朋ちゃんと会ってから変わった? どう? なんか変化してってる? まあ、それは音楽のことでもいいし、普通のことでもいいし。
- 華原:
- え? 音楽のことで、小室さんの音楽について、私は喋れないです。
- 小室:
- それはどうして?
- 華原:
- 私がね、もしね、ここでね、「小室さんの音楽はこうで、こうで、こうなんだから!」って言っちゃったら、「ああ、そうなんだ」って、もしかしたら私その発言、間違えてるかもしれないでしょ。
- 小室:
- うん、わかんない。でも、それは朋ちゃんが思うからいいんじゃないの?
- 華原:
- そうか。
- 小室:
- うん。
- 華原:
- なーんだ。
- 小室:
- とにかく、変化してったとこある?
- 華原:
- 小室さんが?
- 小室:
- うん。
- 華原:
- 約束はキチンと守ってくれる人。
- 小室:
- ん? 変化はしてないよね? それはね。
- 華原:
- だって、変化したこと?
- 小室:
- うん。ほら、朋美さんと出会って。
- 華原:
- 「朋美さん」て言わないで。
- 小室:
- じゃあ何て言うの? 朋ちゃんと出会って、で、ほらやっぱ何か変わらないと。
- 華原:
- え? じゃあ、小室さんは自分で変わったところってあるの?
- 小室:
- うーん? まあ、そう、いろいろ生活が変わったとか、そういうのあるよ。っていうのあるけど。
- 華原:
- そうかなぁ?
- 小室:
- うん。
- 華原:
- 私はわかんない。
- 小室:
- わからない? あんまり困らせないで下さい、司会者を。
- 華原:
- ごめんなさい。
- 小室:
- もうちょい、もうちょっとなんか言って欲しいね。なんつったらいいんだろう? すごい困ってきてるんだけどね。なんかないですかね? そこらへんは。
- 華原:
- うん。ないです。ない。うーんと、小室さんが変わったとこでしょ?
- 小室:
- うん、そう。よく言う言い方だとだから、誰々と出会ったことで「すごく奇麗になったね」とかあるじゃない。女の人が。なんかそういう言い方になるかな? 「カッコよくなったよね、あの人」とかさ。「何々ちゃんと付き合って」とかさ、そういうのあるじゃないですか。
- 華原:
- 友達いなくなった。
- 小室:
- それは、淋しいよね。
- 華原:
- 友達がいなくなって。
- 小室:
- それ、朋ちゃんのことだね。僕のことじゃないね。
- 華原:
- あ、そうだ。自分勝手なんだね、私やっぱりそういうとこね。
- 小室:
- 僕はそれはそれでまあ、いいけどね。僕はないかね?
- 華原:
- 僕?
- 小室:
- うん。朋ちゃんの目からでいいんだよ。
- 華原:
- 小室さん?
- 小室:
- うん、とかね。
- 華原:
- 髪の毛が伸びた?
- 小室:
- うーん? それは切ってないからかもしれないね。
- 華原:
- 髪の毛伸びたよね。朋ちゃん切ったから、髪の毛。
- 小室:
- 僕は切ってないだけでね。
- 華原:
- でも、時々横のへん切ってない? このへんジーって。
- 小室:
- あってからずっと切ってなかったら、もう肩のあたりまでのびてると思うよ。
- 華原:
- そんなに伸びちゃうんだ。
- 小室:
- うん。と思うけどね。
- 華原:
- あと、私、魚食べなくなった。
- 小室:
- ん? ああ、朋ちゃんがね。
- 華原:
- うん。小室さん食べらんないでしょ。
- 小室:
- うん。
- 華原:
- だから。朋ちゃんは魚食べなくなった。
- 小室:
- 朋ちゃんが変わったことだね、それは。それもありだね。
- 華原:
- あ、わかった。小室さん牛乳飲むようになった。牛乳飲むようになったじゃない、だって。
- 小室:
- うん、そうですね。
- 華原:
- ね。
- 小室:
- うん、それはありだね。
- 華原:
- だって、ね。牛乳飲まなくてカルシウムが無くなっちゃうよ。無くなっちゃうんだからぁ!
- 小室:
- わかりました。レコーディングはどうでしたか?
- 華原:
- えぇと、楽しかった。うん、ロサンジェルスで。
- 小室:
- なんで? どう楽しかったの? レコーディングは。
- 華原:
- うんとね、”Keep yourself alive”と”I beleave”2曲だして、で、3曲目。小室さんは「3曲目が勝負だ」って言うじゃないですか。
- 小室:
- はい、よくいいますね、それは。
- 華原:
- だから、「3曲目が勝負だからね」って。だから、朋ちゃんはすごく一生懸命でした。だけど、”I'm proud”をレコーディングしてて、すごくいろんなことに気付いた。本当になんか小さいことから、小さいことなんだけど例えば”I'm proud”は、例えばじゃなくて、一つ気付いたこと言うと、”I'm proud”は優しく歌わなきゃいけないなぁ。それは一つ思った。あと、なんとなくだけど、哀しい、淋しい、切ない詞でも、楽しく、笑って、優しく伝えることだな。うん、それは思った。
- 小室:
- じゃあ、今後”I beleave”とかを歌うこともあるじゃない絶対に。
- 華原:
- はい。
- 小室:
- 絶対になんかで歌ったりするじゃない。で、なんかも詞的にはそういう明るい部分じゃない詞とかもあるじゃない、文章的として。そういうのも変わる? 今後、歌い方もきっと。
- 華原:
- うん、変わっていく私がいると思います。
- 小室:
- 変わっていく私が。
- 華原:
- うん。変わっていくんだから! 変わってっちゃうんだから!
- 小室:
- あの、テレビに前、出てないわけじゃないじゃない。出てたじゃない。今なんかよりはもっとぜんぜん出てたよね。
- 華原:
- うん。
- 小室:
- 時間的には多かったわけじゃない、もっとさ。もう別人?
- 華原:
- 別人。うーん?
- 小室:
- 多分、この時間にもしかしたらね、テレビ見てるフジテレビファンの人。深夜にフジテレビずっとつけっぱなしの人とかいるじゃない。そういう人とかは、「あれ?」とか思う人もいると思うんだよね。何にも知らないでけっこうパッとフラッシュバックすると思うんだ。そういうやっぱ別人かな? それは。
- 華原:
- ちょっと信じられないかな。ぜんぜん信じられない。本当、私が見つけたかった、いきたかったところはここだな。過去だから、それは。過去で悪いことだとは思ってないけど、その昔の私はね。だけど、今がいちばん大切だから。今しかないから。うん、だから、過去は見てない。見ない。
- 小室:
- あの、これはもう僕は聞いて知ってる話しだから、あんまり僕に喋ってもらってもしょうがないんだけど。すごいいい話しっていうのかわかんないけど、ほら、その今のね、前やってた仕事とかでね、自分をなんか光らせるみたいな話ししてたじゃない。
- 華原:
- うん。いいんですか?
- 小室:
- うん。
- 華原:
- あの、深夜番組であの。
- 小室:
- あれだよね、8chだからここだよね。
- 華原:
- そう、8。ウブゲ。「天使のウブゲ」っていう番組に出てた時があって、その時に私と同じ年ぐらいの。
- 小室:
- 人がバァーッと出てたんでしょ?
- 華原:
- 30人ぐらいかな? で、出てて。みんなもう画面で、テレビでこうやって見たらもう同じような顔しか見えないっていうか。そのなかでも絶対に、自分はそんなかで絶対に負けたくなかったから、私は。絶対もう何が何でも目立たなきゃいけないなって思ってた。で、みんなもそういうふうに絶対思ってたと思うのね。だけど、私は絶対負けない。絶対負けないから。で、なんかアイドルからなんか「私ね、ナントカなの」とか、すぐ内に秘めるようなことするじゃないですか。私はべつにそういうのは好きじゃないから、別に悪口言ってるわけじゃないけど。だから、個性を、自分の個性を思いきりぶつけたかったっていう。それだけなんだけど。それで、見てる人が「あっ」て気付いてくれないと意味ないじゃないですか。なに? 自分の出来る限りの限界のところまでぶつけて、「あっ、あいつ面白いじゃん」とか思ってくれなきゃ意味がないなと思って。だから、それすごく意識してたわけじゃないけど、それはいつも思ってた。
- 小室:
- それはあの、それのずっと辿っていく先は、歌を歌うことだったりするんだよね。
- 華原:
- うん。私は歌を歌いたかったです。
- 小室:
- だから、すごく一見つながってないようで、つながってるんでしょ? それは。
- 華原:
- うん。いきたかったところ。絶対、そんなにね、あの、すぐにいきたいところにポンていけるわけじゃないでしょ。
- 小室:
- うん。
- 華原:
- 絶対、それまでの道は、絶対通らなきゃいけない道。近道しちゃいけないし。近道できるその手もなかったし。絶対、通ってきた自分は。
- 小室:
- それはだいたい何年ぐらいのことなの? 何年間ぐらいのことなの? よくよく考えてみれば。
- 華原:
- …一年間。
- 小室:
- それは一年間。でも、一年前、その前も歌は歌おうと思ってたんじゃないの?
- 華原:
- で、私、初めて買ったレコード、CD、レコード、テープ。中山美穂さんの”50/50”って言ったでしょ。それは小室さんが作曲してるじゃないですか。私は知らなかった。もちろん知らなかった。小学校4年生5年生6年生ぐらいの時のことだから。お母さんに、お母さんとお父さんに初めて買ってもらったラジカセで、すごく欲しかったテープがあって、それをお金をためて、お小遣いをためて初めて買ったんですよ。それが絶対欲しかった。それを買って聴いてて、で、すごく小室さん、今だからわかったけど。
- 小室:
- そうだよね。
- 華原:
- うん、小室さんの曲、もちろん作曲って小室哲哉って出てて。読めないじゃないですか。小ナントカっていう人すごいっていう。
- 小室:
- いちおう、小だけだったんだね、当時。
- 華原:
- そうです。小は読めたの。そう、すごいって思ってて。
- 小室:
- 「こしつ」って読む人も小学生にはいるけどね。
- 華原:
- 私も読んだかもしんない。「こむろ」とは読めなかったです。
- 小室:
- うん、読まないよね。
- 華原:
- 「何て読むのかな?」って思ってたけど。その頃からもう音楽っていうものに私はひかれてた。ひかれてたっていうか。
- 小室:
- 難しくいうとそれ、潜在的にとか言うやつ? 洗う洗剤じゃなくてね。
- 華原:
- え? 今、そうだと思っちゃった。センザイ?
- 小室:
- 潜在意識とか言うのかもしれないけどね、それはね。奥深いところにしまってあるみたいな感じですかね。
- 華原:
- 私は…。
- 小室:
- あ、しまってないのか、べつにそれは。そんなにしまいこんではなかったのか。
- 華原:
- だって、びっくりしちゃったもん、本当。あの時買ったCDに。
- 小室:
- びっくりしちゃったんだ。
- 華原:
- テープがね、小室さんだったなんて、最近知ったじゃない。
- 小室:
- まあ、一年くらいだね。
- 華原:
- ああ、もうこれは音楽との出会いかなって。
- 小室:
- まあ、それもここで歌ったわけだしね。
- 華原:
- そう、歌ったの。すごい嬉しかった。もうすっごい、本当に嬉しかった。まさか自分がね、テレビに出て歌えるなんて思わないでしょ。あの時にその中山美穂さんの”50/50”を何度も何度も聞いて。だ、自分で鏡見ながら歌ったのも覚えてるし。で、「私もテレビに出て歌えたらいいな」ってちょっと、ちょっとだけ思ってた。それがね、その、本当にそういった作り話みたいになっちゃうけど、すごいじゃないですか、そんなことって。
- 小室:
- そうだね 。まあ、うん。あんまり僕が長くやってるっていうのもあるけどね。
- 華原:
- もしね、もしこの話しが朋ちゃんがね、作ってね、作り話でみんなに話ししてることだったら、朋ちゃん本書けちゃうもん。
- 小室:
- そうなの? 絵本作家になれるっていうこと?
- 華原:
- うん。絵本描けちゃうんだから!
- 小室:
- そのぐらいおとぎ話みたいな本との話しって感じ?
- 華原:
- うん。すっごい、本当に嬉しかった。
- 小室:
- あの、ここ一年、ここ半年だけとればまあ、なんかすごくトントン拍子にウマくいってラッキーだなとか思ってる人もきっといるよね、たくさんね。それはどう思う?
- 華原:
- 私のことを見て? あ、もう私も言われた。だってね、悪い人はね、私、べつに悪いことしてないじゃない。だって、奇麗に歌ってね、みんなに想いを伝えたいがためにっていうか。小室さんの曲を歌いたくて夢を見て、で、やっと小室さんに出会えて、それで小室さんにプロデュースしてもらって歌が歌えるんじゃないですか。で、歌が歌えるだけじゃなくて、それがCDになって。で、それを売っちゃうんですから。売っちゃうっていうか、売られてるんだから。私は一生懸命。一生懸命っていうか、ちゃんと想いを伝える人じゃないですか。だけど、たまに道とか歩いてて「ラッキーな娘だよね」とか。始めの頃、本当、始めの頃ちょっとだけ言われたけど。今は「朋ちゃ〜ん」て言ってくれるから、「朋ちゃんです〜」って。
- 小室:
- そうですよね。
- 華原:
- ダメなの? そういうこと言ったら。いいんでしょ?
- 小室:
- うん。っていうコミュニケーションになってんだよね。
- 華原:
- そう。うん。それはね。やっぱ私も見事なのかね? それは。「ラッキーな娘だよね」とか言われてたのが「朋ちゃ〜ん」て手を振ってもらえるっていうのは、私はもしかしたらよかったのかもしれない。
- 小室:
- いや、もちろんキャラクターっていうはすごい大事だから。そういうのもあるんじゃないの? そういうふうに思ってもらってると、すごい幸せだよね。
- 華原:
- うん、すごいね、本当に幸せだし、嬉しいし。変なふうにとってもらいたくないの。
- 小室:
- 変なふうにっていうのは?
- 華原:
- だから、「本当は小室さんに」言われたんだけどね、これもね。「小室さんに近寄って、なんかね、どうかしてね、なんか一生懸命自分作ったんじゃないの?」とか言われたりするんだけど。私はべつに小室さんに初めて会った時に、小室さん怒ったじゃないですか、私のことを。怒ったじゃないですか。
- 小室:
- 怒ったっちゅうかね。
- 華原:
- 怒ったっていうか、私が筋の通ってない話しをしたから小室さんが「筋、通ってないよ」って言ったじゃないですか。私あの時はっきり言って、なに言ってんのかぜんぜんわかんなかったのね。なんでそんな大したことじゃないのに、なんでそんなに怒るの? っていう感じだったけど。今はよくわかります。なんかそうやってやって、なんか「もう一人の自分でも作ってみたんじゃないの?」って本当に言ってくる人いるんですよ。いたんだけど、今いない。「朋ちゃ〜ん」だけど。だから、そういう人にいないように、いないように。「朋ちゃんです」っていうのを、ちゃんと「華原朋美です」っていうのをきちんと伝えたい。
- 小室:
- そうね。あのまあ、好感持ってもらわなきゃ意味ないよね。音楽まで届かないもんね。音楽いく前にまず「あの娘ダメ」って言われちゃったら、せっかく音があってもね。まあ、そういうのもあるからね。
- 華原:
- そう、だから、「気を付けなきゃいけないよね」っていう話しでもないじゃないですか、それって。気を付けるもなにも、そのままで自然で、そのままの私がフッて出てたら、それでいいじゃないですか。
- 小室:
- それがいいと思われれば、いちばんよくてってことですね。
- 華原:
- そうです。ダメなんだから。いいんだから、それは。いいんだからぁ。よかったんだからぁ。
- 小室:
- ええと、じゃあですね、”I'm proud”でずっと今日から、これ初めてじゃない、出てから。
- 華原:
- すごい嬉しい。
- 小室:
- これからテレビ出たりとかはすんだよね? ”I'm proud”歌うんだよね。
- 華原:
- 歌います。
- 小室:
- 歌になると急に大人になるって、よく言われるんだよね。
- 華原:
- 言われるのね。なんでだろう?
- 小室:
- なんでだろうね?
- 華原:
- 小室さんはじゃあ、わかった。私、聞くことあった。あの、小室さんは私の声、どう思いますか? あの、涙腺を刺激するって書いてあったんですけど。
- 小室:
- あの、すごい大好きですね。
- 華原:
- 大好き?
- 小室:
- うん。
- 華原:
- よかった。
- 小室:
- 声、やっぱりまあ、音楽やってて、歌える人っていうのは羨ましくて、僕は。僕は歌って本業じゃないじゃない。歌えないわけじゃないけど。
- 華原:
- 小室さんの歌好きだよ、私。
- 小室:
- でも、なんていうの? ヴォーカルじゃないよね。自分では、もう知ってると思うけど、レコーディングだとたくさんいろんな音が入ってるじゃない、マルチのテープに。で、僕はシンセで何チャンネルも使ってドラムの音とかさ、全部出してるでしょ。で、三十何チャンネルも使ってるじゃない。オーケストラとかも今度の曲入ってるから、何十チャンネルって使ってるでしょ。でも、歌は1chだけじゃない。一本だけじゃない。それ全部を、その歌の1chだけでなんていうの? まとめちゃってるでしょ。包んでるっていうか。すごい声って、ただ単音じゃない。コードとかじゃないじゃん。ハーモニーでもなくても一本の声だけだけど、それだけ影響力持ってるから、何も勝てないのね。そういう勝ち負けじゃないのね。人間の声のそれってやっぱり、僕は勝るものは未だにないと思ってるから。それをすごく僕が好き嫌い激しく言うのは、いいと思ってもね、好き嫌いっていうかいい声の人はいいと思うし。もう、正直に本当にいいと思うって言いたいし。で、やっぱりそういう人の声じゃないと、世の中に伝えて届かないね、それは。これきもう、厳しいこと言えば生まれた時から、瞬間オギャアって声出すじゃん、最初に。歌うじゃない。あれ、ほとんど歌ってるのと一緒だけど。
- 華原:
- ああ、そうなんだ。
- 小室:
- うん。あれは喋ってるというよりは歌ってるんだよね。あの時点で決まっちゃうよね。その人の運命はね。音楽としては。
- 華原:
- わかった。じゃあ、私はオギャアっていったのが、オギャアって声が高かったんだ。
- 小室:
- 高かったと思うね、きっとね。高くて、けっこう太い声だったと思う。
- 華原:
- うそ?
- 小室:
- でかい声で、太くて、keyが高いかもしれない。それはわかんないけど。でも、それぐらい運命、音楽をやるってことに関してだよ、あとは僕、専門じゃないからわかんないけど。音楽で歌う人になるかならないかは、もしかしたら16、7、8の時に決めることかもしれないけど、でも、多分僕は生まれた瞬間でもうその人は、間違った選択か合ってる選択か。
- 華原:
- あ、その声でいえば?
- 小室:
- その声だけで言えば、その時でもう決まっちゃってて。もしかしたら間違った選択をする人もいるかもしれないし。僕なんかも正直いって、「歌っちゃおうかな」なんて思ったこともある、それは。ヴォーカルでね。メインでギター持ったりとか、ピアノ弾いて正面に立ってとか思ったこともあるけど、自分はこういう職業の人じゃない。自分が自分を見て、バッテンなの。ダメなのね。
- 華原:
- 小室さんの声? 私は。
- 小室:
- 僕は声もそうかもしれないけど、歌い方だったり表現力であったりとか。自分がプロデューサーとかいう偉い立場とかいっちゃって、小室哲哉の歌がオーディションに来たら落とす。
- 華原:
- ああ。
- 小室:
- っていう感じだから。だから、すごい歌って声のいい人っていうのは羨ましい、本当それは。
- 華原:
- え? 私はね、小室さんglobeの”Feel like Dance”で♪Feel like Dance〜って歌ってるでしょ。
- 小室:
- ちょっとだけね。
- 華原:
- なんで私、敬語になっちゃうんだろう? いいんだよね、敬語使わなくてもね、べつに。
- 小室:
- うん。
- 華原:
- いいんですよね?
- 小室:
- いや、いいんだよ、ぜんぜん。
- 華原:
- あの、”Feel like Dance”。
- 小室:
- うん、歌ってるよね。
- 華原:
- で、♪平穏と幻想の〜って歌ってるでしょ。あれ、すごい好きなの。
- 小室:
- だって、あれは8回重ねてんだよ、俺。
- 華原:
- あ、いってた。
- 小室:
- いつも俺、コーラスの時とかは8回とか10回とか12回とか重ねてて。だから僕、歌のくせに何チャンネルも使ってる。で、足してるのね。
- 華原:
- え? それはやっぱりその、小室さん、さっきのオーディションじゃないけど。
- 小室:
- 「ダメだよ、一人じゃあ」って感じ。「12人できなさい」みたいな。「あなたの声だったら12人いっぺんに歌ってくんないと、CDに出来ない」っていう感じ。
- 華原:
- あ、厳しいね、それ。
- 小室:
- そうそう。だから、朋ちゃんの”I'm proud”の後ろでも、僕16回ぐらい重ねてるじゃない。あれも16回重ねないとなに? あの、フォローできないの。フォローっていうか。っていう感じなんだよね。
- 華原:
- 一回じゃダメなの?
- 小室:
- 一回じゃダメなの。
- 華原:
- いや、だけど、カラオケとかいくとさ、小室さんは。
- 小室:
- カラオケ? はい、いってますね、カラオケ。
- 華原:
- 小室さんはTMネットワークの歌、歌ったじゃない。
- 小室:
- それは歌ったことありますね。
- 華原:
- ダメなんですか?
- 小室:
- いいよ。
- 華原:
- その時とか、「なんでそんなに何回も重ねなきゃいけないのよ」っていう。「なんでそんなに重ねるのよ」っていう感じ。
- 小室:
- 重ね重ねっていう感じですね。
- 華原:
- 私も重ねたいな。
- 小室:
- 今度やってみればいいんじゃないの? 多分ね、厚い。ちょっと待って、厚いって感じになると思う。充分一人でっていう感じだと思うけど。それでもコーラスとかやってみるといいんじゃないの?
- 華原:
- コーラスやっていい? じゃあ。
- 小室:
- そういうのやってみたら? アルバムも作ることだし。
- 華原:
- ん?
- 小室:
- まあ、音楽的な話しになってよかったですけど。ちょっと。
- 華原:
- もう終わりなの?
- 小室:
- うん。
- 華原:
- もうちょっとダメなの? ダメなんだから? もうダメなの?
- 小室:
- なんか話しててもいいよ。
- 華原:
- ううん、いい。
- 小室:
- 大丈夫? うん、だから、いい声だよ、それは。
- 華原:
- あの、”Keep yourself alive”とか? ♪Keep yourself alive〜とか、あれ、小室さん何回重ねた?
- 小室:
- あれは6回かな?
- 華原:
- 6回? じゃあ、”I beleave”は?
- 小室:
- 全部8回とか。同じことをやるんじゃないけどね。同じ言葉でハモるじゃない。自分でハモってるから。だから、僕の声を真似する人って、声は真似する人たくさんいるかもしれないけど。
- 華原:
- いるよ。だって私、街とか歩いててね、始めの頃ね、今は歩かないけど。あの、”Keep yourself alive”のビデオで宣伝すごい流してくれたじゃないですか。流してくれたでしょ。それでみんな♪Keep yourself alive〜ってなんか言うのね。で、なんか♪Keep yourself surprise〜とか言う人もいるのね。だから朋ちゃんが信号待ちとかしてて、♪ 〜って。なんだよ、もう! っていう感じ。…ごめんなさい。私やっぱダメだね。
- 小室:
- 大丈夫、大丈夫。
- 華原:
- ごめんね。ダメなんだからぁ! もう。ダメなんだからぁ!!
- 小室:
- そうそう、そう。だからまあ、声を真似する人はいるけど、どこの音程を歌ってるのかわかんないだろうね。ピアノでいったらね。
- 華原:
- 小室さんさ、そう、”Keep yourself alive”あれだって、私は♪Keep yourself alive〜っていってないでしょ。私の歌ってくれないのね。私の部分。道とか歩いてても。「あ、♪Keep yourself alive〜」とかいって、朋ちゃんじゃない、そこ。っていう感じ。いいんだけど、それは。
- 小室:
- まあでも、ずいぶん変わってきたからね、それは3枚目でね。
- 華原:
- そう。
- 小室:
- 今度は絶対でしょ。
- 華原:
- ”I'm proud”?
- 小室:
- うん。”I'm proud”は振りは自分なんですよね。振りっていうか。
- 華原:
- ”I'm proud”、振り小室さんだよ。
- 小室:
- え? そうだっけ?
- 華原:
- うん。
- 小室:
- あ、ビデオて「こうしたら?」とかってやつ?
- 華原:
- そうそう。
- 小室:
- あ、ビデオのお話しだけしとこうか。
- 華原:
- ”I'm proud”ね。ビデオすっごい、本当にカッコいい。ヘリコプターが朋ちゃんと小室さんをビデオ? あ、ビデオじゃないや、ビルの最上階、屋上で。すごい奇麗だったね。
- 小室:
- うん。
- 華原:
- 歌って、それをヘリコプターが撮って。で、そのヘリコプターを撮ってるヘリコプターがいて。で、なんだか最後4台だったっていう。なんだろうね? っていう感じだったけど。あのビデオは絶対に日本初だと思います、私は。
- 小室:
- 楽しみですね。もう流れてると思うんだけどね、今。
- 華原:
- 流れてんの? なんだ、ズルいじゃん。朋ちゃんより先に見るんだ、みんな。
- 小室:
- いや、多分見てると思うんだ、もう。
- 華原:
- あ。
- 小室:
- 3月6日だからさ、今日。
- 華原:
- 確認しなきゃいけないんだもんね、私ね。
- 小室:
- 確認、そう。角煮じゃないよね。
- 華原:
- 確認。確認なんだからぁ!
- 小室:
- っちゅうことでいいですか? じゃあ、ありがとうございました。
- 華原:
- ありがとうございました。