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NON-EDIT TALK : 吉田拓郎 * 小室哲哉

小室:
こんばんは、小室哲哉です。えぇとですね、もう日本は梅雨なんですが、ええ、毎年、大体この時期はですね、外国行ってまして、逃げてんですけど、今回はですね、あの、こうやってレギュラーを持っちゃってるんですね、ん? 大丈夫ですか? 一週間ごと、必ずここにいなきゃいけないので、まあ、今年は日本にいるといった感じなんですが。えぇと、今日のゲストの方もですね、もうここ毎週大御所なんですが、今週も僕なんかとしては、中学、小学校からもう聴いていたという、吉田拓郎さんをお招きしてですね、お話を進めていきたいんですが。どうも。

吉田:
どうも。

小室:
よろしくお願いします。

吉田:
どうも、お久し振りでした。

小室:
あの、まあ、4月から始めてて。

吉田:
あ、この番組? ええ、ええ。

小室:
このあいだ坂本龍一さんとか、桑田さんとか、B'zとかですね、いろんなもう、人、飛鳥とかですね、いろいろ来てもらってるんですけど、拓郎さんあの、僕の方からお願いしたんですけども、今の、僕も含めてなんですけどね、音楽ってどう見えますかね? とりあえず。

吉田:
え? いや、それは、どういう意味ですか?

小室:
えっと………、音楽のなんですかね? 傾向ですかね? ヒットチャートとかですかね?

吉田:
ヒットチャート? もう、さっぱりわからない。

小室:
あんまりやっぱ聴かないですか? そのへん。

吉田:
いや、だけどね、それは聴きますけども、僕、やっぱ正直いって、僕はやっぱ、感覚的に自分がズレてんのかな? と思うぐらい、あんま、ぜんぜんこう、ピンとこないですよね。だから、そうとう自分がズレてるな、って気はするんだよね。

小室:
あ、それ、興味ありますね、すごくね。どういうところがこう、ピンとこないかっていうのはね。

吉田:
いや、小室君がいろいろその、ヒット曲とか作るじゃないですか。僕、さっぱりわかりませんよ。いや、本当にね、だから、あ、これはだから、このあいだのだから、ダウンタウンの浜田君のあれ、それは率直に言って、僕、すげぇいい歌だなって思って、あれ、すごいシビレてるんですけどね。

小室:
ありがとうございます。

吉田:
まあ、中にはシビレないのもあったりして。

小室:
ええ、そうですよね。

吉田:
でもなんか、小室さんがやるからいいのかな? とか。音楽ってほら、そういうのあるでしょ? なんかちょっと、妙なカリスマみたいなものが通る、みたいなとこがあるから、だからなんか、僕はもう、よくわからいんですよ。ええ、正直いって。

小室:
例えばあれですかね? すごい展開がメチャクチャ早かったり、転調しまくってたりとか、音が詰まり過ぎてるとかですかね? 自分でも、どんどん、どんどんあの、エスカレートしてるのはわかるんですよ。刺激がやっぱりあの、一般のユーザーの人っていうのは、イントロからエンディングまで、どんどん、どんどんなんか、びっくりしたりとか、面白かったりとか、カラオケで歌う時にこう。

吉田:
そうなんだよね、カラオケで歌うものね、みんな。

小室:
そうなんですよ。カラオケのこと考えちゃったりするんですけど。

吉田:
なるほど、考えるんですか? カラオケのことも。

小室:
考えますね、やっぱりね。

吉田:
それは勉強になりますよね。

小室:
そうですか?

吉田:
カラオケ考えてないですよね、私は。

小室:
やっぱ張り上げてね、みんながこう、歌った時に、そういう人たちが張り上げた時に、やっぱりなんか、みんなが「おっ?」って思うような曲とかまで考えちゃうんで、どんどんエスカレートしちゃうんですよね。曲調、特にシングルですけど、それは。だから、どんどんこう、詰まってく感じはあるんですよ。

吉田:
例えば、あれなんですか? 小室さんなんかの感じだと、例えばアレンジっていうのを、人にもう、任しちゃうっていうような気にはなれない?

小室:
アレンジから作りますからね。

吉田:
ああ、やっぱりね。そっちからいきますか。

小室:
アレンジ任せたらもう、ほとんどまあ、自分のね、あの、弟子とかっていうか、自分の周りのブレーンとかには任せますけど。

吉田:
まったく知らないその、アレンジャーに任せるのはちょっと?

小室:
難しいですね。やれないことはないと思いますけど。とにかく、オケ全部作っちゃってから、最後にあの、メロディ自分で歌って乗っけて作るんですよ。

吉田:
それだよね、うん。ここなんだよね。もう、そこをオジさんずいぶんズレてるなと思って。

小室:
いや、そんなことないですよ。まあ、僕は特殊な方だと思うんですけども。

吉田:
あ、そうですか?

小室:
うん。やっぱりあの、若い人でもその、ちゃんとこうギター片手に、やっぱり歌いながら作る人も。

吉田:
ちゃんとしてないけどね、ギター片手っつうのもなんか、大してね。

小室:
まあ、同時にね、コードと歌が出るっていう作り方してる人も、たくさんいると思いますけど。

吉田:
あ、そうですか。

小室:
僕の場合は、やっぱりあの、自分が最終的に歌うんじゃないとこもあって、やっぱ、どうしても誰かに歌ってもらう部分で、自分でそんな最初から歌っちゃうと、あまりにもなんか、自分が色が出ちゃうっていう。

吉田:
出ちゃいますよね。

小室:
怖さがあって。それでもまあ、出ちゃうんですけど。そういう意識もあると思うんですけど。

吉田:
なんか自分でこう、例えばAっていう作品を何年か前に作ってさ、で、ずいぶん月日が流れてから、なんか曲作ってる時に「あれ?」と思って「あの曲に似てらぁ」と思ったら自分の曲だったっていうのとか、そういうのないですか?

小室:
ああ、もう、ほとんどそうですね。

吉田:
メチャクチャ自分の曲の盗作してるっていうの。

小室:
そうですね。ほとんどありますね。

吉田:
ただ、それが結局やっぱりでも、そうすると小室節っていうのが、どっかにそうなんか、あるんだよね、きっと。

小室:
ああ、そうだと思います。自分では気付かないんですけど。

吉田:
うん、気が付かないな。

小室:
でもやっぱりあの、他の誰か、まあ、例えばビートルズとかっていうんじゃなくて、自分の中の真似になっちゃうんですよ。

吉田:
そういうのあるでしょうね。だから小室君の曲とか、いろんなそのプロデュースなんかした曲を、ずーっとこう聴くと、やっぱりなんか一貫したものが、どっかにあるんでしょうね。

小室:
そうだと思いますね。

吉田:
なかなか気が付かないのかな。

小室:
自分、まあ、気が付かないですね。あの、それをなんていうんですか? まあ、あの、タイアップとかで「それ出してくれ」っていうこともありますけど。

吉田:
ああ、逆にね。そういうこと言っちゃうんだ?

小室:
まあ、ありますから。

吉田:
タイアップでね。「それでやってくれ」って? すごいな、それ。

小室:
「わからないと困るんです」っていう感じもありますから。

吉田:
ああ、逆にね。

小室:
最近の面白い話で、あの、コマーシャルってなんか、いろいろな規定がありますよね? あの、いくつ以上のなんか、提供しちゃいけないけど。だから、僕の名前は出したい時があるわけですよ、スポンサーとしては。プロデュース・小室哲哉。

吉田:
ああ、やりたいね。

小室:
でも、その歌ってる人も出したいと、で、曲も出したいという、そんな3つも絶対出しちゃいけなくて、で、どれ出そうか? とかいって悩む企業がありますからね。

吉田:
それ、悩んでんの?

小室:
そういうの悩みます、ええ。

吉田:
ああ、そうか。そういうのってでも、痛快でしょう? なんか気分は。

小室:
今はそうですね。今はもう、なんか「そんなに使いたいんですか?」っていう感じです、もう。

吉田:
そうそうそう。それってなんか、わりとウチ帰ってほくそ笑むんじゃないですか? そういうのってありますよね。

小室:
うーん、今はなんか、そういうのがまあ、多少感じて………感じさせてもらってるって感じですね。

吉田:
感じてるでしょ? いっぱい。ねぇ。そういう気するんだよね。

小室:
あ、そうですか?

吉田:
うん、なんかテレビなんてもさ、例えばあの、某歌手なんかのその、なんつうの? お世話役みたいな形で横に出てくるじゃないですか? 時々。そういうの見てると「ほくそ笑んでるな」っていう気がするよね、やっぱりね。ウチ帰ってけっこうニタニタしてない?

小室:
うーん? ウチ帰ってっていうかもう、どうですかね?

吉田:
もう、年中ニタニタしてんでしょ?

小室:
あ、一番落ち着く場所スタジオなんで、自分のとこなんで。

吉田:
ああ、スタジオだね。

小室:
まあ、スタジオでその、自分のあの、スタッフとかと、そういう自慢話とかしますね。

吉田:
しますよね。

小室:
それはしょうがないですね、やっぱり。

吉田:
けっこう自慢話って、周り嫌なんだよね。周りは。もう、参ってるんだよね、大体。

小室:
たくさん参った方がいたんじゃないですか? じゃあ。

吉田:
みんな辞めていきますよね、自慢話ばっかりやってるから。

小室:
そうですか。あの、さっきの前の自分の曲をね、に、盗作っていうのは、思っちゃうっていうの、拓郎さんとかもやっぱり、いまだにありますか?

吉田:
もう、ムチャクチャ最近、だから時々その、恥ずかしいなと思ってる曲なんかあるんですよ。人にあげた曲なんかでも。そして、その人にすごい御迷惑なんだろうけども、その時はその、そうも思ってなくて作ってたんだけど、たまたまなんかのラジオなんかでこう、流れたりすっと、すっごい申し訳ない気分になって「これってあの曲のパクりでした」っていうの自分で思うとね、なんか、その人になんかこう、御挨拶に行かなきゃいけないのかな、っていうぐらいね、けっこういっぱいね、やってますね、盗作を。

小室:
盗作ですか。うーん、僕、拓郎さんのあの、意識はしてないんですけど、コードとかでね、自分で弾いて「あ、これ拓郎さんになっちゃった」って思う時ありますよ、でも。

吉田:
ああ、そうっすか。

小室:
あの、具体的に言うともう、AmからCに戻ると。

吉田:
あ、戻るんですね。

小室:
戻ると「あ、これ、拓郎さんなっちゃうよ」とかいうね。

吉田:
あれ、気分いいんですよ。

小室:
ああ、やっぱ、あれ好きなんですか?

吉田:
僕、大好きなんすよ。だから、例えばその、CからAmへ行くってよりは、AmからCへ行く方が好きなんですよね。同じメロディにしちゃって、コードそっちにしちゃいたいっていうのが。

小室:
僕たちにとっては、すごいカルチャーショックですけどね、あれが。「AmからCに、なんで行くんだろうね?」っていう話をよく、まあ、いまだにしてましたけども。それで、Cで終わればいいものもっていうか、Cで終わるはずなのにAmに戻りますよね?

吉田:
うん、Amで終わっちゃう。

小室:
あの2つっていうのは、やっぱり、いまだに思いますね。

吉田:
あれはボブ・ディランなんですよ、でも。

小室:
あ、そうなんですか。

吉田:
うん、ボブ・ディランて、意外なね、あの、人なんですよね、なんかそういうところ、ポップな。だから、ボブ・ディランなんですよ。あれを聴いてるとね、昔のヤツなんて特に、大体AmからCに行くんですよ、あの人。

小室:
そうですか。

吉田:
そしてAmで終わっちゃうんですよ。

小室:
ああ、ボブ・ディランはちょっと僕、エアポケットなんですよね。

吉田:
そうですか。

小室:
ええ。

吉田:
あの人の中に、けっこうそういうポップのエッセンスがいっぱいあって、で、逆にほら、イメージとしてはフォークシンガーで、なんかそういうプロテストを作ってるみたいな感じなんだけど、メチャクチャなんかメロディメイカーっていうか、それ、僕なんかは好きなメロディっていうの、いっぱいあるんですよね。これもだから、いっぱい盗作しましたけどね。

小室:
あ、そうですか。あの、ボブ・ディランていえば、僕なんかは最近だと「We are the World」でね、歌ってて。

吉田:
ああ、ヘタでしたね、一番。浮いてましたもんね。

小室:
でも、みんな歌っちゃって、もう完パケに近いのに「キーは変えちゃいけねぇのか?」とかいって、質問してましたよね。

吉田:
まだ、間に合わない男なんだよね、アイツって。いつでもそういう感じ、あの人は。

小室:
ああいうところ、拓郎さんあるんですかね?

吉田:
ないです、ないです。僕、けっこう小器用な方ですから。彼は典型的なあの、不器用でしょ?

小室:
ああ。

吉田:
うん、あれで通しちゃうんだからすごい。

小室:
通しちゃうっていうね。

吉田:
それと、周りがもうしょうがないから彼に合わしちゃうっていうのが、素敵な世の中だなと思うんですけどもね。

小室:
じゃあ、そこまではかたくなというわけではないですね。

吉田:
うん。僕はもう、けっこうね、その、人に好かれたいタイプだから、一生懸命、裏で勉強してるんで。

小室:
そうか。じゃあ、そうですね、僕、今日、今お話ししてて「あ、けっこう聴いてもらってるんだな」っていうのは、率直に思いますけどね。

吉田:
いや、聴いてますよ。聴いてますよ、だってもうね、本当にうるさい。

小室:
うるさい。

吉田:
うるさい。trfっていうのは、あれはいいんだ? ねぇ、あれはやっぱり。

小室:
いいっちゅうのは?

吉田:
いいっちゅうのは結局さ、あの、売れるっていうアレがあるんだ、やっぱり。

小室:
あ、売れるっていう、その方程式ですか?

吉田:
うん、なんか。

小室:
うーん? どうかなぁ? もうけっこう、もう自分では話し飽きちゃってることなんですけど、あの、もう、とにかくディスコとカラオケ、プラス…………あ、ディスコ、プラス、カラオケ割る2なんですよ、trfっていうのは。

吉田:
割っちゃうのがすごいよね、2で。

小室:
それがtrf。

吉田:
割っちゃうと、ディスコもカラオケも、なんか違うとこいっちゃうわけ?

小室:
いっちゃうわけですね。

吉田:
ああ、普通の2分の1になるわけじゃないのね?

小室:
2分の1にならないですね。うん、まあだから、今はディスコっつったって「ディスコ行こうよ」なんつってる若い人、多分いないと思うんですけどね。多分まあ、クラブとかっつっても、まあ、少ないですよね。ほとんどカラオケに食われちゃったりしてますけど、でも、あの、trfを始めた時はちょうどいいバランスだったんですよ、両方ともありだったんで。で、あの、なんですか? 風営法とかも絡んでくるんですけど。

吉田:
あ、そういうのもあるの?

小室:
風営法は、やっぱ時間がね、制限とかいろんな規制がありますから、カラオケのほうがないんですよ。

吉田:
ああ、ないよね。

小室:
なにかと。そういう分でいろいろ無理が出来るんで。酒飲もうが。

吉田:
君、店やってんじゃないんだから。

小室:
店はやってないですよ。

吉田:
やってない? 本当? どっかのオーナーと話してるみたいだから。

小室:
やっぱりあの、ジュリアナとかね、12時で終わらざるを得ない。

吉田:
ジュリアナは、君の店じゃないでしょうね?

小室:
じゃないですけど。そこらへんやっぱり、すごい音楽以外のことをこう、リサーチしてますから。

吉田:
好きなんだ? そういうの。

小室:
好きなんですよね。

吉田:
あ、そっか。それ、けっこうマメなんですね? じゃあ。

小室:
そういうとこはマメですね。

吉田:
それ、しないんですよね、俺たちって、ぜんぜん。家にいてやろうとしてるからね。それ、ダメだね。

小室:
噂でしか知らないんですけど、お家が好きなんですよね?

吉田:
家は好き、家はすき、もう。本当に腰が重いんですよ。家が好きで、旅行が嫌い。

小室:
旅行が嫌い? じゃあ、ツアーとかも嫌いですか?

吉田:
嫌いです。ツアーとか、海外旅行とかも。だからその、毎年ロンドンにいたっていうのが、もうとても信じられないぐらい、もうホームシックがすごい強いです。だから、家にいるのが一番居心地がこう、よくて、一番安心してるっていう。昔から、若い頃からね、そういう人なんですよね。

小室:
まあ、僕もね、ツアーとかはね、好きじゃないんですけど、ぜんぜん。まあ、家はずっといたくない方なんでね。

吉田:
小室君、今、気分としちゃあその、ソロでっていうか、一人でやってるのとか、前の、つまりチームみたいなのあったじゃないですか? 人間の。ああいうのとだったら、自分の本質はやっぱ、一人でやってる方が面白いんですか?

小室:
うーん? 本質は世話好きなんでね、一人でも嫌なんですけど。まあ、さっきあの、ほくそ笑むお話じゃないんですけど、やっぱりそういう、ズルいですね。

吉田:
タイプだよね? でもね、絶対。いるんだ必ず。

小室:
そうですか?

吉田:
どの時代にもね、そういうね、困ったヤツ。

小室:
困ったヤツ?

吉田:
うん、いるんだよ。

小室:
え? 拓郎さんの時代でも、その、ちょうど一番、まず走り出した時期っていうの、例えばどなたですかね? 小室等さんじゃないですよね? まさか。

吉田:
違いましたね。これ、小室さん本名ですか? 哲哉は。

小室:
もう、本当、相変わらず最近までいわれますね。小室等さん。

吉田:
ずいぶん違うタイプですよね、同じ小室でもね。

小室:
そうですね。あの方、あれじゃないですかね? 福島の方の方じゃないですよね?

吉田:
あれ、東京なんですよ。

小室:
郡山じゃないですよね? 郡山って、小室って多いらしいんですよ。

吉田:
ああ、そっちなんですか?

小室:
らしいんですけどね、くわしくは知らないんですけど。

吉田:
知らないんですか?

小室:
ええ、僕も一応、三軒茶屋なんですけど。

吉田:
あ、三軒茶屋なの? 一応って三軒茶屋なの?

小室:
その、親父の親父がの方とか。

吉田:
あ、そうか、近所だね。

小室:
あ、近所ですか。

吉田:
そうか、それでこのスタジオで撮ってんの? そういうことはない?

小室:
それはないです。

吉田:
それもずいぶんだよね。わがままなヤツだな。

小室:
生まれがです、ただ。

吉田:
あ、生まれがね。あ、そうか。

小室:
生まれがなんで、ぜんぜん関係ないですけど。

吉田:
でも、絶対あれでしょ? かなりわがままでしょ?

小室:
うーん? なんでしょうね。

吉田:
いや、わがままだと思うな。

小室:
自分では気は使ってる方なんですけどね、思ってるんですけど、気は使ってると。

吉田:
わがまま通っちゃえば最高ですよね。

小室:
それのまあ、初代は拓郎さんたちなんじゃないかな、と思うんですけどね。

吉田:
いや、でも、僕らの頃ってあの、残念ながらほら、例えばその、アイドルたちの曲作ったりすると、わりとほら、やっかみとかさ、そういうのがこう、まともにミュージシャン仲間でもあったりとか。わりとなに? 卑怯者とかね、言うわけですよ。

小室:
卑怯ですかね?

吉田:
そうだよ、卑怯だって言うんだから。その、生き方なんてどうでもいいわけなんだけど、そういうことをうるさく言うっていう時代だったから。つまり、フォークソングは四畳半に住んでなきゃ、とかいうようなこと言う人がいるんですよ。で、今、そういう馬鹿いないから、だからね「楽しそうだな」って思って。やっぱ、今、一番わがままが言えるのが、一番楽しいんだよ。

小室:
あ、今が。

吉田:
俺たちの時代って、ちょっとわがままがね、ちょっと過ぎるとね、ツマハジキみたいなところがあったんですよ。

小室:
ああ、僕たちでも、わがまま言ってないつもりがわがままなんですかね?

吉田:
いや、言ってるよ。言ってる、言ってる。言ってないつもりでいるわけ? 相当だよ。

小室:
相当ですかね? あ、一番、自分が言わないのが一番わがままですね。

吉田:
自分でわかってないでしょ? それ、相当だっていうことだと思うな。小室さん、相当な男ですよ、いや、見てて。

小室:
あ、そうですか?

吉田:
あの、そばにこう、横にね、出てくるんだからね、これ、たまらないんだな。なんとなくこう、立てといて、横へスーッっていってさ、それで「みんなが自由にやってっから楽しいんだ」みたいなこといってて、もう内心、ほくそ笑んでるのがね、伝わってくるとね「相当わがままなんだろうな」と思うんですよね。

小室:
うーん。なんか深いとここう、えぐられますね、なんか。

吉田:
テレビってほら、出るじゃないですか? そういうのって。で、ステージって、意外とごまかし効くんだけど、テレビってね、出てるんですよ。

小室:
あ、テレビはそうですね。

吉田:
で、小室さんみたいなタイプは、わりとテレビでバレちゃうタイプですね。

小室:
あの、それを避けてるというか、あの、すごく心配してる方がこの番組にね、僕に話してきてくれるんですよ。

吉田:
あ、そうなんだ。

小室:
みんなかたくなに、やっぱり、そういうの嫌がってる人が多いですよ。

吉田:
嫌がってる人?

小室:
嫌がってますね。

吉田:
どうすんの? それに対しては。

小室:
そうすると、あの、そっち側になんか、いい気なもんで立っちゃうんですよ、僕は。うん、だからまあ、そっちの気持ちも本当にわかるんで。

吉田:
いい加減な男だよね。

小室:
いや、そっちもわかっちゃうんですよ、でも。

吉田:
わかっちゃうの? それって、すっげぇいい加減だよね。

小室:
どうしたもんですかね?

吉田:
いや、どうする気もないでしょ? ぜんぜん。

小室:
ええ、どうする気もないです。

吉田:
口から出まかせ言ってるだけでしょ? すっげぇいい加減だね。

小室:
で、困っちゃうんですよ。だから、あの、その時本当に、例えばミュージシャンで、自分もそういうところがあったんで、その気持ちでいれるんですけど、テレビとかまあ、本当はじゃあ、拓郎さん的な解釈でいくと、僕なんか嫌じゃないんでしょうね。

吉田:
テレビですか?

小室:
出るのね。

吉田:
ああ、出るの、本来的にいうと好きなはずなんですけどね。

小室:
そうでしょうね。

吉田:
ポーズとしちゃあ嫌なんですよ。

小室:
ポーズとしてはね。

吉田:
絶対に嫌なんです。

小室:
嫌なんですよ。

吉田:
嫌なんですよね。嫌だよね。

小室:
嫌なんですけど、本質はじゃあ案外。

吉田:
そうそう。本質はこの番組いる時、気分いいでしょ?

小室:
ああ、そうですね。

吉田:
でも嫌ですよね? 出るのはね。だから、そういうもんだよ。

小室:
そういうもん。

吉田:
誰も理解してくんないでしょ、こんな話。

小室:
あ、そうですよね。ただのわがままですね、それね。

吉田:
「じゃあ、やめりゃあいいじゃない」ってことになるもんね。やめんの嫌だもんね。

小室:
そういうことですね。

吉田:
うん、理由もなくね。

小室:
理由なく。

吉田:
うん、理由なく。なに言ってんだろうね。君と結婚すると不幸になるよね。

小室:
独身ですけどね。

吉田:
唐突な話だけどね。

小室:
声を大にして言っておいていただきたいですね、それは。

吉田:
いや、それは、よした方がいいな。大変なことだと思うな、一緒に暮すのは。

小室:
拓郎さんは、お家がね、それだけ好きだとしたら。

吉田:
僕ほら、家は好きだから。僕はそうやってその、あちこち行かないから、大事にしてあげるんだけど。あなたダメでしょ? そのへん。

小室:
ダメでしょうね。あ、でも、すごくなんか、指針になる方、初めて見付けた感じがしますよ、本当に。

吉田:
あ、そうですか。

小室:
ええ、これ、初めてですね、こういうトークは、本当に。

吉田:
あ、そうですか?

小室:
この、えぐられた感じがするのは初めてですよ、本当。

吉田:
そういう番組じゃないんだよね?

小室:
あ、そういう番組でもあるんです。あの、いや、ないわけですから、中にはね。

吉田:
「ロンドンはいいね」かなんか話してるわけ?

小室:
うん、大体ね、一般的につまんない話ですね。

吉田:
それって、これまで出たヤツらがつまんねぇ、ってことになっちゃうよね。

小室:
うーん、僕が多分、ホストとしては、ぜんぜんつまんない進行してるんだと思うんですけどね。

吉田:
おまえはいいよね。そうやって言っちゃってさ。それ最高だよね。

小室:
最高ですかね? いや、本当、思うんですよ。

吉田:
もう、それでね、そう思ってるんでしょ?

小室:
本当に思ってます。

吉田:
思ってるんだと思うんだけど、それは伝わらないと思うね。

小室:
伝わらないですね。

吉田:
それ、知ってるでしょ? 伝わらないの。

小室:
ああ、最近わかってきましたね。

吉田:
知ってるんだ? ズルいよ。ズルい。君は本当にズルいよ。

小室:
どうしたもんかっていうのね。

吉田:
どうする気もないでしょ?

小室:
もう、なに言ってもダメですね。

吉田:
いや、小室さんがよく見えましたよ今日。

小室:
見えました?

吉田:
ええ。近づいてみるもんだな、人間は。

小室:
どういうヤツだと思いました? もうちょっとなんか。

吉田:
まあ、見た通り。

小室:
見た通りでしょ?

吉田:
ええ、そういう人だと思ったんですよ。ずいぶん昔ね、あの新譜ジャーナルっていう本があったでしょ?

小室:
はいはい。

吉田:
そこのオオゴシっていうのがいたでしょ?

小室:
はいはい。

吉田:
そうそう、彼がよくねT.M.Nの話をあの、してた時に、あの、連載なんかしてましたよね?

小室:
はい、やってました。

吉田:
で、それ僕、マメに読んでたんですよ。で、音楽やる人が書くのって、僕けっこう気になって見てたんですけどね、なに書いてあるのかなって思ってて、あそこからほら、いろんな情報を、コンピューター情報を仕入れて、で、シンセサイザー情報をいろいろ仕入れて、面白い人だなって思ってたんですよ。多分、こんな人だなって思ってたんですけど、その通りな人ですよね。

小室:
そうですか。

吉田:
大体その直後にその、単身ロンドンへ行ったりとかするタイプってのがね、もう、ほとんど信用できないヤツだもん。

小室:
そうですね、あの、そのね、わかるんです、それは。大体だからみんな、特にチームって意味でバンドのメンバーとか、一緒にこう、歩んできてるはずだと思う人間がいますよね?

吉田:
うん、いるいる。共に同じ青春を歩んでるって思ってるわけ?

小室:
こう「えぇっ!?」って、「え!? なに?」って感じの、こう、鉄砲玉食らったような感じですか?

吉田:
うん、そうでしょう。

小室:
そういうのが、多分、何回も味わせちゃってるんですよね。

吉田:
そうでしょうね。

小室:
それは、味わせちゃってるんでしょうね、じゃなくて、味わせちゃってるんですよ。それはもう、ちゃんとわかってるんですけど。

吉田:
それ、わかっててくんないと、困るもんね。

小室:
そうですよね。

吉田:
そんなこと自慢してんの?

小室:
いや、それでね、それでもう、ここまできちゃってるんですよね。

吉田:
それって開き直りじゃない?

小室:
そうでしょうね。

吉田:
最初から、あんまり考えてないな。

小室:
そうですかね?

吉田:
うん。かなりいろんなヤツが迷惑してんだけど、あんまり気にしてないよね?

小室:
してないです。

吉田:
悪いとか思ってないでしょ?

小室:
それは、悪いとは思ってないですね。拓郎さんとかでも、バンドとかってそれでやんなかったんですか?

吉田:
いや、僕は今でもだから、バンドが組みたくて。バンド組んで迷惑かけたいっていうのが、すごい今、本当に。バンドは組んどいて、わがままいい放題で、そのメンバーにものすごい迷惑かけてみたいっていうね。自分でほら、一人でやってると、結局、自分で責任とっちゃうでしょ? そういうの嫌なんですよ。本来、責任はスタッフが取るもんだとか、まわりが取るもんだって、ずっと若い頃から思ってるんですよ。自分は取らない人なんだっていう。だから、バンドを組んで、誰かのせいにして生きていたいなっていうのが、ずっと今まであったですね。

小室:
なるほど。例えばだから、プロデューサーとか、まあ俺なんかやってるようなヤツが、もしも着いたら、そいつのせいにっていう、そこで出来ますよね?

吉田:
もう、人のせいにして、なるべく人のせいで生きていたいんですよね、ずっと。

小室:
ああ、なるほどね。やっぱりじゃあ、俺なんかのじゃあ、今のポジションはおいしいなって思われますよね? それはね。

吉田:
ええ、思いますよ、思いますよ。おいしいって言葉は、このためにあるんじゃない? 他のヤツが使うとおかしいって気がするぐらいね、あなた今、おいしいと思いますよ、気分も。今が食い時だよね。

小室:
そうですね。

吉田:
そんな気するな。そんな人ごととは思えないぐらい、食い時なんだなって。昨日ね、小室哲哉さんと明日あれですね、っつったら、食い時だねって話してて、ずっと盛り上がったんですけどね。

小室:
あ、俺がですか?

吉田:
ええ、小室哲哉って食い時なんだなっていうのはすっげぇ。食い時っていいんだ。

小室:
うーん。

吉田:
うーんじゃなくて。本当に人ごとだよね、話が。

小室:
拓郎さんとかは自分で食い時って?

吉田:
いや、もうすっかり湯冷めしちゃいましたね。

小室:
そうですか。

吉田:
ちょっと食い時終わっちゃったなって気は、自分でしますね。不思議でね、だから、そういう音楽やってて、長いあいだやってるでしょ? で、時々こうやって小室さんとかと会えたりとか、いろんな人に会えたり、時々あるでしょ? だから、そういう時に、必ず最近はやっぱ、確認できちゃうんですよ、自分との距離が。以前はね、あんまり変わんないと思ってたんですけどね、最近やっぱ、距離がはっきり見えますね。小室さんとの距離も、今、こうやって、今、感じてますもんね。

小室:
そうですか?

吉田:
年齢的な距離とか、いろんな距離を感じてますがね。話はよくわかるんだけど、ついてくのは嫌だなと思いますね。

小室:
ああ、ついてくのはね。

吉田:
この人と一緒には組めないと。

小室:
それは、ああ、そうか。

吉田:
だって、僕よかは、ひどいわがままだと思うからね。そういうのあるじゃないですか? 自分よからがままなヤツがいるとね、すごい不愉快なの。そういう気がするんですよ。

小室:
拓郎さんなんかは、僕たちがその、中学、高校の時っていうのはその、典型的でね。

吉田:
もう大変でしょう? お山の大将で。

小室:
うん、わがままに見える人でね。

吉田:
いや、見えてました?

小室:
うん。

吉田:
あ、そうですか? 僕、一目にはね、すごくね。

小室:
あ、それはでも、僕たちから見りゃあ、あの、なに? 一つの指針ですから。それこそ憧れの。

吉田:
ああ、わがままのね。

小室:
うん。「あそこまで言っていいんだよ、おまえ」とかいう感じの話でしたから。

吉田:
ああ、そうなの? それってあんまり、誉められたこっちゃないんだけどね。

小室:
「やっていいんだよ」とか、そういう感じですよ。で、あの、僕たちももちろんこう、やっぱ雑誌とかね、そういうのはよく見てましたから、だからやっぱり、とょっとした発言でもこう、いい方に取っちゃいますからね。

吉田:
あ、そうそうそう。いい方に取ってもらって。こりゃあ、いいですよね。だって、こっち、すごい悪気があっていってるのに、いい方に解釈されて、すごい助かったっていうのがありますからね。

小室:
やっぱ、ここまで人はね、なんか自由にどうのこうのとか、そういうのも全部いい方に取っちゃいましたたからね。

吉田:
それって幸せ者ですよね。小室さん、今、幸せ感じてるでしょ?

小室:
その……………?

吉田:
みんながいい方に取ってますよ。いや、なに言ったって。大丈夫よ、今は。

小室:
その、どれぐらいで痛い目に会うんですかね?

吉田:
え?

小室:
痛い目には会うんですかね?

吉田:
十年後じゃない?

小室:
十年後ですか?

吉田:
うん。十年後。でも、十年は長いよ。

小室:
そうですかね?

吉田:
けっこう時間ある。

小室:
あ、今をその、食い時という時期にしたらですか?

吉田:
うん。僕だって、ここ、この音楽って、まあ、音楽って、どのへんが音楽でね、自分でやってたのは、アマチュアに毛が生えたようなことだったから、わからないけど、けっこう、居心地いい時間が長いなって思いましたよ、意外と。僕、もっと短いかと思ったの、こういうところって、サイクルが。意外と長いことが今、わかってね。そんなこと話す場合? なんか「食い時は長いぞ」って。馬鹿だね。それをまた、勝手な言い分でさ、誰もそう思ってないかもね。

小室:
うーん、いや、どうですかね?

吉田:
きっと、わがままなヤツが十人ぐらい集まってね、話、始めたらもう、大騒ぎでしょうね、それって。で、さっき聞いてると、ここにゲストで来てる人、相当わがままな人、挙げてましたね、さっきね。

小室:
あ、さっき。

吉田:
みんなね。

小室:
みんな、でも「小室が一番わがままだ」と思ってるから来てるんですか?

吉田:
ああ、そうか。みんな、打ちひしがれて帰ってんじゃないですか? 「あいつのわがままひでぇ」って。

小室:
かなわないってかんじですか?

吉田:
うん。だから今度、同窓会、この番組のゲストの人に開いてもらえれば、あなたの悪口、みんなで言いますよ。「あいつ、最低だ」って。「あんなわがままと、もう話したくない」っていう会合、開きません? 今度。

小室:
あの、ウチのメンバーとかはね、もう、いつも会ってやってますね、それはね。僕いなくて、そこで話はしてると思います。

吉田:
してると思うわけ? それ、そうやってまた、してると思うとこがさ、汚ねぇよね。

小室:
あの、してるっていう話も聞きますけどね。

吉田:
聞くよね。ちょっと気になるよね? やっぱり、なに言ってんだか。そんなその、人前でさ、気になるから聞いてこいってわけにいかないけど、まあ、知ってるんなら教えてみろよっていうような話って、けっこうあるじゃない? スタッフから。まあ、聞く気はないんだけど、話したいんなら話なよっていう感じで聞いてて、ええ!? そうなの? って。そういうことしてるんでしょ? ずっと、スタジオで。

小室:
大体…………うん、大体、当たってますね。

吉田:
いいんだこれが。十年。

小室:
十年?

吉田:
うん。十年たったら、また会おうね。

小室:
そんなに会ってもらえないですか? 十年も。

吉田:
うん。十年経って、また会った時に「やっぱ十年経っちゃった、ダメだこりゃ」とかいう話が出るかもしんないしね。俺、十年後にちょっとあれだ、その、ディスコとカラオケを2分の1に、それを割る割り算をちょっと勉強しとこ。十年ぐらいかかりそうだな、勉強するのに。意外と音楽ってほら、人のやってきた音楽って、認めるのに時間がかかるんですよ。

小室:
あ、そうですかね?

吉田:
僕なんか、すごく頑固だから、頑固と不器用、両方いるからね、こん中に。だから、自分が正しいと思ってずっと生きてるもんだから、ちょっと正しくないんじゃないかな? と思い始めると、けっこうその、正しくないっていう、きっかけになったものを理解するのに、けっこうが時間かかるんですよ。

小室:
きっかけっていうのは、僕じゃないですよね?

吉田:
君です。君ですよ。君以外、君だからここへ来たの、確認しに。

小室:
ああ、それはでも光栄ですね。

吉田:
いや、もう、それは絶対、小室君です。あ、もう一人の小室君っていうのはね、ぜんぜん気にしなくていいところなんですけどね。これはもうね、本当に楽だったんですけどね、付き合うのもね。適当に言っときゃあ、ごまかし効きましたけどね。同じ小室でも、これはちょっと大変だと思って。

小室:
ああ、そうですか。

吉田:
ええ。

小室:
なるほど。今日はちょっと話しやすいんでね、もう、ちょっと、わがままついでで、テレビの話とかしたいんですけど。あの、どうですか? あの、浜ちゃんとかの番組は。

吉田:
面白い。

小室:
あの、松本さんと。

吉田:
面白い。

小室:
あの、はさまれてお話したりとかっていうのは。

吉田:
いや、まだぜんぜんあの、飛行機の中で一瞬お見受けしたぐらいでね、遠くからあの、幸せを祈ってるぐらいのことなんですよ。本当に面白いなと思いながら、痛快でしょうね、あの二人もね。あれはまた、それがまた面白いっていう、なんか。

小室:
こういう話はしてみたりとかは? あの二人に。あの二人はまた、ぜんぜん別なんですかね?

吉田:
でしょうね。

小室:
ミュージシャンじゃないんで。

吉田:
ミュージシャンぽいですよね、でもなんかね。

小室:
俺はミュージシャンぽいなと思うんですけど、やり方とかが。

吉田:
ぽいよね。彼らの発言てミュージシャンぽいんだよね。なんかそのつまり、お客さんに対しての接し方って、一歩間違うと泉谷しげるですからね、あんなの。それを間違わないところが、間違わないところが彼らのすごいとこ。ダウンタウンの。だから、そういうのもなんか、けっこう見てて面白いですね。僕ね、ああいう、つまり、ああいうっていうか、この、笑いを提供してくれる人って、すっげぇ好きなんですよ、昔から。だから、志村けんなんかだと、死ぬほど好きなんですよ。だから、そういう人の番組だったら、いつでも飛んでいくっていうぐらいね、歌番組とかは出たくないけど、ああいうお笑い、あの、なんかああいうの、ドリフの番組、出たくてしょうがねぇんだけど、出してくんないんですよ。

小室:
あ、そうですか?

吉田:
なんかそういうのにこう、そばにずっといたい感じがする。

小室:
あ、じゃあ、浜ちゃんと松ちゃんのあいだ、話のなんか、ネタ的に参加してみようとかっていうのは?

吉田:
いや、そこまで積極的じゃなくて、ファンとしてね。

小室:
あ、ファンとしては。

吉田:
ファンとしてなんか、番組なんか作ってるとこを、横でずーっと見てたいなっていうぐらい。こう、わりとミーハー。わりとっていうか、本当にミーハーで、そういうミーハーな気分でいたいの、あの、ダウンタウンとか、だから志村さんそう。お笑いの人のそばでね、ミーハーとして、一、こうやってこう、見てたいですよね。だから、テレビもう、本当に見ちゃう。

小室:
それはまたぜんぜん。

吉田:
テレビってみません?

小室:
うーん。気にしては見ないですね、そんなに。

吉田:
自分が出た番組って見ません?

小室:
最近は見ないです。

吉田:
最近はって、なんですか? それ。

小室:
昔あの、バンドで音楽番組とかっていうのはこう、すごいチェックしたりとてましたけどね。

吉田:
それ、なにチェックするんですか?

小室:
なんでしょうね?

吉田:
自分の写り具合とかそういう?

小室:
うーん。そうですね。自分じゃないですね。やっぱその、ヴォーカルなんかでうん、やっぱ、よかったかどうかだけですけど、それは。

吉田:
じゃあ、絵的なのを、けっこうチェックしたりする?

小室:
ええ、そうですね。まあ、昔は、ある種アイドルバンドでしたから、TMとかっていうのは。

吉田:
ある種じゃなくて。

小室:
あ、モロですか。やっぱりその、絵っていうのが大事なんで。

吉田:
ええ、ええ。絵は大事だと思うよね、すっげぇ。

小室:
だから、それは見てましたけどね。

吉田:
あれだ、テレビとか、そういうの例えば、こういう番組なんかやってても、もう、カメラのその椅子に座ってみたいとかさ、自分でカメラやってみたいとかなんか、向こう側で人を操って、操ってっていうかなんか、番組は作りたいとか、そういうのはないですか? まあ例えば、歌番組とか作っちゃうとか。

小室:
うーん。あ、そうですね。あんま、絵はあんまり、自信なくしたこと何回かあるんですよ、今まででも。そのわがままついでの中で、まあ、あったとしますね、まあ、あったんですけど、まあそういうの。それでやっぱり絵までは入る気ないです。

吉田:
例えば、映画作るとか?

小室:
そうです。ぜんぜんないですね、それはね。

吉田:
映画に出るとか?

小室:
も、ないですね。

吉田:
役者やるとか?

小室:
もう、いっさいないですね。

吉田:
うん。やめた方がいいみたい。

小室:
もう、何回も断ってるんですよ、もう、そういうのは。

吉田:
あ、それ、君、絶対そのオファーあると思うけど、やめた方がいい。その性格がね、場を壊すね。

小室:
もうそれは、自分でもわかってるというか、やってないですね。

吉田:
みんな気を使うだろうしね、かえってそれがまた、チームワークを壊してね、ろくな映画できないと思うな。

小室:
そりゃあ、もう、なんとなくわかってますね。

吉田:
だから、ドラマとかもやめた方がいいですよね。

小室:
拓郎さん出ませんでしたね。

吉田:
いや、よくないです、絶対。出ちゃうのはいけないです。で、やっぱりね、一回出るとね、すっげぇ自分がヘタなのに気が付いて、今度はちゃんとやろうとか思い始めると、もうね、地獄ですよ。だから、絶対やめた方がいいです。お芝居に出るとか、お芝居をやるとかいうのは、もうステージで喋ってるぐらいで、ドラマはね、絶対やりません。

小室:
なるほど。ああ、なんとなく、テレビのその、なんか、感じ方みたいのちょっとわかりましたけどね。

吉田:
いや、小室君、歌番組作ったら?

小室:
歌番組? そんなのできませんよ。

吉田:
歌番組、面白いじゃん。ベストテン番組作ってよ。

小室:
できません。

吉田:
君が作るベストテン番組。けっこう面白そうだけどな。

小室:
ああ、きっとそれは、見てくれるんでしょうね、拓郎さんもね。

吉田:
見るよ、見る見る。いつもいろんな人に言うんですけどね、そう、つまり、そういうものに関心持ってるミュージシャンて、意外といたりしてさ。そしたらなんか、じゃあ、そういうテレビ番組作ってよっていうね、そういうなんか、なんか。誰もやんないですね、でもね。だから、歴代、誰もやらないってことは、やんない方がいいってことなのかな? 結局ね。

小室:
そうですかね? ぜんぜん発想もなかったですね。

吉田:
歌番組なんかで、テレビなんかで歌うのっていうのは、つまり、抵抗なんかないんですか?

小室:
僕、歌わないじゃないですか?

吉田:
うん。それがねぇ。

小室:
うん、だから、これはもうメチャクチャ、ズルい典型ですけど。

吉田:
バンドのね。

小室:
そうですね。

吉田:
歌わしとくんだもんね。

小室:
そうなんですよ。本当そう。

吉田:
それがやりたいわけよ。バンド組んで、誰かに責任取らして。だから、ドラムとかの場所に。このあいだね、あの、泉谷が主催してるんだけど、チャリティーでやったんですよ。で、バンド組んで、いろんなその、大友とかみんな連中と。で、僕、ベース弾いてたの。すっと、ベースって弾くとすげえわかることは、バンドのこの、立つ位置なんか、歌うのと違う位置に立つじゃない? そうすっと、すっげぇバンドとかがよくわかるんだよね、なんか、みんながここ、どんなふうに弾いてると、歌ってるとかいうのが。すっと、すっごいここって楽しそうだなとか思って、バンドの中でもやっぱりほら、歌ってる人以外の方が、楽しそうだね、なんかね。

小室:
うん、歌う………、まあちょっと、割りが合わないぐらい大変ですよね、歌ってる人って。

吉田:
うん、割り合わないよ、歌って。だから、歌、あんまり嫌なんだけど、割りに合わないんだけど、後ろでやりたいんだよね。

小室:
うん、なるほど。

吉田:
バンドやりたかったよね。

小室:
そうか、まあちょっと、いろいろ自分で話はしてみたいんですけど、これ、自分で一人で話してみたいですね、なんかね。

吉田:
一人で話すって?

小室:
拓郎さん今、話、聞いたことは、さっきの話じゃないですけどね、隠れて自分で確認したいこと、たくさんありますね、ええ。

吉田:
あ、そうなの? 一人で確認すんの?

小室:
とても、とてもちょっと、テレビの前でね、言えることじゃないんで。

吉田:
何すんだろうね? 確認するんだ?

小室:
そうですね。

吉田:
それがまたすごいな。俺、ぜんぜん確認しない。もう、どうでもいいやって思ってっから、その、言っちゃったからしょうがない。で、もう、早く忘れて。あんまりね、だからほら、面倒見いいんでしょ? 意外と。なんだかんだ言いながら、つまりその、面倒見いいっていうのは、あの、人が苦しんでる時に助けに行くような面倒見じゃなくて、なんとなくその、2〜3人があの「どうしようか、どうしようか」っていうと「それはさぁ」っつってこう、相談乗っちゃうタイプでしょ? どっちかって言うと。面倒臭くならないんだよ、あんまり。おれ、すっげぇ面倒臭いんです、そういうことが。だから、例えば誰か「ねぇねぇ、ちょっと相談あるんだけど」とかいうと「勝手に決めれば?」と思うんだけど、小室君、意外と「じゃあ、ちょっと、どっかで会おうか?」っていう感じ?

小室:
うん、そうですかね。

吉田:
あんまりだからこう、親切心はないんだけど、一応、話に乗っちゃったりして、そっからなんか盗もうとしてるわけ?

小室:
うーん、そっから…………? それはないですけどね。

吉田:
まあ、人嫌いに見えるんだよね。

小室:
うん、そうですね。

吉田:
人を遠ざけてるようなイメージがあるんだけど、この番組、そんなこと言ってらんないってとこあるじゃない?

小室:
そうですね。

吉田:
そうすっと、これをやるきっかけは、そこはもう、乗り越えようと?

小室:
そうですね。で、もう今、そしたらあの、今の拓郎さんの話で、その、盗もうっていうのが近いかもしんないですね、それは。もう、で、今日の話でもう、俺はけっこうその、なんていうんですか? もらったのはありますからね。

吉田:
ありますか?

小室:
うん。

吉田:
お金、それ、あれって、許可取ってる?

小室:
取ってないです。著作権ですか?

吉田:
俺ね、お金よこせとは言わないけど、一応、許可取ってほしいな。なんか、電話の一本でいいから。

小室:
OKですか? これ、短いんですよ。

吉田:
知ってます。

小室:
だから、今のでどこを採るか、ちょっとわかんないんですけど。

吉田:
どうぞ。

小室:
僕が編集してないんでね。

吉田:
あ、そうですか。どうぞ、どうぞ、ご自由に。

小室:
じゃあ、あの、えぇと………。

吉田:
流れるような番組でしたね。

小室:
流れないですよね、ぜんぜんね。

吉田:
最初になんか、打ち合わせでね、流れるって感じで聞かされて、本当にすごい流れだ。

小室:
流れ作っていただいたって感じがする、もう。

吉田:
いや、とてもうれしかったです、お会いできて本当に。

小室:
ありがとうございます、本当。

吉田:
いや、とんでもない、また、十年後に。

小室:
ありがとうございます。あの、電話、じゃあ、あの、その。

吉田:
電話ええ、その、0468です。

小室:
これは絶対俺だろうと、ちょっとなんか雑誌で見ててね。

吉田:
なるほど。ああ、そうだね。

小室:
もしも指摘してください、それ。

吉田:
ああ、言っときます。「小室君、これ僕でしょ?」って、はい。

小室:
お願いします。

吉田:
わかりました。

小室:
ありがとうございました。

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