![]() |
![]() |
![]() |
- 中居:
- どうもこんばんは、中居正広です。ええ、12月に入りました。早いですね、もう1年、あと1カ月でまた今年1996年が終わろうとしてますけども、悔いの残らない1年だったでしょうか? みなさんにとって、ね?
さあそれではですね、今週のゲストを紹介しましょう。僕はお会いするのが初めてですし、もちろん喋ったこともないですし、あまりテレビに出られない方です。御紹介しましょう。今週のゲストは、高中正義さんです。どうもこんばんは、はじめまして。- 高中:
- こんばんは、はじめまして。
- 中居:
- テレビは、あまり出られない?
- 高中:
- 出してもらえないというか。
- 中居:
- 自分から積極的に出ようとしないタイプじゃないんですか?
- 高中:
- んー。でも最近はなんかね、「Kinki」の番組とか。
- 中居:
- 「LOVE LOVE あいしてる」。
- 高中:
- そうなんですよ。
- 中居:
- やってますよねえ。
- 高中:
- そうなんです。
- 中居:
- うしろでねえ。
- 高中:
- うしろで。
- 中居:
- そういうバラエティじゃないけど、そういうのは初めて?
- 高中:
- えっと、「夜ヒット」とか前たまにあったり、「ひょうきん族」も2回ぐらい出たことがあるんですよ。
- 中居:
- ・・・えっ?
- 高中:
- 「ひょうきん族」。僕ね、鶴太郎がやる浦部粂子のマネがすごい好きでね。一度出してもらったことある。
- 中居:
- 鶴太郎さんがマネをする浦部さんが?
- 高中:
- 浦部粂子がすごい好きで、出してもらって。
- 中居:
- 出してもらうって?
- 高中:
- え? あの、お婆さんのカッコして、顔もシワ書いてもらって、で、鶴ちゃんと一緒にあの、「よ〜っ!!」とかってのをやったんですよ。
- 中居:
- なに? 高中さんって、おもしろい人ですか?
- 高中:
- うん。そういうの好きです。
- 中居:
- 「ひょうきん族」ですか。
- 高中:
- うん。あれ、もう10年以上。
- 中居:
- そうですよね、10年以上になるんじゃないですかね。
- 高中:
- とにかく、あの浦部粂子を鶴ちゃんがやるのが大好きで、あの頃レコーディングでもね、こっち側がギター弾く側で、向こうがミキサーとかあるほうで、「じゃ、いきますよ〜だ!」とかいってさ、スタジオ中でね、みんな。ミキサーの人なんかさ、「じゃ、録りますよ〜だ!」とかって。レコーディング終わるとみんな、のどが痛くなるわけ。
- 中居:
- そっちのほうに気ぃ取られちゃたりするんだ。
- 高中:
- そん時は鶴ちゃんと飲みに行くのが夢だったの。
- 中居:
- あ、片岡鶴太郎さん本人が、好きだったんですね。
- 高中:
- 浦部粂子が好きだったんだけど、鶴ちゃんがすごい好きだったの。で、「ひょうきん族」に出れることになって「あ、やった! 友達になれる」と思って。
- 中居:
- え、それは鶴太郎さんが好きなだけですか。
- 高中:
- そう。好きだった。大ファンだった。それでね、友達になれて、「じゃ、今度、和食の店に飲みに行こう、食べに行こう」っつって行って、それから六本木行って。まあ、2回ぐらいだけどね。
- 中居:
- へぇー。やっぱり自分の好きな人っていうか憧れてる人と一緒にプライベートを過ごすなんて、もう最高うれしいですよね。
- 高中:
- 直々にね、いろいろ声の出し方とか、その浦部粂子の。
- 中居:
- 教えてもらったりしたんですね。
- 高中:
- うん。
- 中居:
- へえー「ひょうきん族」ですか。でも、比較的テレビには露出じゃないですけども、多いほうではないですよね。
- 高中:
- 僕、ギター弾きだからね。だいたいギター弾き、ギターだけじゃない、インストゥルメンタル音楽っていうのは音楽番組では出してもらえないのよね、普通。日本語で歌がないと、まず出してもらえない。
- 中居:
- はい。高中さんはダルファーがお好きなんですよね。
- 高中:
- はい。あ、知ってます?
- 中居:
- 僕ねえ、こうやって話すの初めてなんですけど、ダルファーめっちゃくちゃ好きなんですよ。「ビッグボーイ」とか、もちろん、あれもそうなんですけど。
- 高中:
- ということは、お父さんのほうだよね。
- 中居:
- ええ。お父さんのほうなんですけど。あの、去年のコンサート、コンサートって自分たちで構成するんですけど、あいだあいだのつなぎの所で洋楽入れたりするんですよ。僕はダルファーを4曲ぐらい入れてるんですよ、ライヴで。
- 高中:
- あ、素晴しい。
- 中居:
- もちろんライヴビデオにもなってますけども、めっちゃくちゃ好きなんですよ。
- 高中:
- うん、ボクも大好きで、去年、曲を作ってて、あのダルファーの「ミッキーマウス」って曲、あれすごいインパクトあるでしょう。
- 中居:
- うん。「ワンツ−スリーフォー!」
- 高中:
- それは違うかもしれないですけど。
- 中居:
- 違いますね。
- 高中:
- ♪ティーティータララ、ティーティータララ〜っていう、ちょっとフォークソングに昔あったような。
- 中居:
- あっ、その曲、俺、ファン!
- 高中:
- あれが大好きで、あんなような曲をすごい作りたくてね。インストって、けっこう昔は一世を風靡した時代もあるんだけど、今インストなんて、あんまり出てこないじゃないですか。
- 中居:
- まあ音だけっていうのは。
- 高中:
- 音だけってのはね。で、「ミッキーマウス」ってのは、すごい曲だなって思って、自分もインストやってるから、それだけインパクトの強い曲作りたくてね。なんかやってたらね、レコード会社が一緒だってこともあって、一緒にできることになって。
- 中居:
- なっちゃったんですよね。羨ましいですよね。今年ライヴもやりましたよね、日本で。
- 高中:
- うん。
- 中居:
- 行かれました?
- 高中:
- それは行ってないけど、僕のコンサートにダルファーが飛び入りで参加してくれて。
- 中居:
- うえーっ!?
- 高中:
- うん。で、オランダに行ったんですよ。ダルファーの本拠地、オランダだから。 それで、4曲だけ一緒にレコーディングして、で、ダルファーの家っていうのが郊外、ちょっと1時間ぐらい走ったところにあって、それが風車小屋なの。
- 中居:
- ふうしゃごや?
- 高中:
- 風車小屋に住めるのね。
- 中居:
- え? どう?
- 高中:
- 風車小屋ってこうあって、風車がクルクル回ってるんだけど、1階2階、4階建てくらいになってて。最初、1階はもうすごい広いスペースで、そこがダルファーのサックスの練習場。
- 中居:
- ダルファーのおうちに行ったんですか?
- 高中:
- うん、おうち行ったんですよ。すんごい、もう、ほとんど地平線までグァーッとグリーンが見えるとこで、風車小屋がドーンと建ってて、ヨーロッパのすごい田舎っていう雰囲気ね。そこで牧歌的な生活してるんだよね。冬に雪が降ったらもう照明もないし、クリスマスはいいんだろうけど、すっごい寂しいようなとこで。
- 中居:
- はあー。ダルファーのおうちに。で、ダルファーの何が好きなんですか。
- 高中:
- うーん。基本的にはジャズサックスプレーヤーなんだけど、新しい感じがするじゃないですか。あとやっぱり、リズム的なことかな。
- 中居:
- 愉快にもなれるんですよね。
- 高中:
- うん。あの人はすごい賢い人っていうか、こんなこといったらあれだけど、ただのジャズ吹いてたら、ここまでSMAPの人まで届かなかったと思うのね。やっぱり、すごくいいリズムの上に、ジャズのフレーズをのっけたっていうのがすごくて。
- 中居:
- そうでずよね。最初は多分「ミスマッチじゃないかな?」っていうのがあったと思うんですよね。そのダンスのリズムとサックスっていうのが「えっ?」っていうの、絶対あったと思うんですけども、それを組み合わせたことが、やっぱり賢いっていうのかなと。
- 高中:
- でもね、あの人って聞けば聞くほど変な人でね。
- 中居:
- え? どういうことですか。
- 高中:
- 例えば、ダルファーのうちに遊びに行く日に、ボクが泊まってるホテルの前に待ち合わせしてたの。1時に。で、行ったら、ダルファーが、自分のコンサートのパンフレットを道行く人に配ってんのね、ひとりで。マネージャーもいなくて。
- 中居:
- 自分で宣伝?
- 高中:
- 道行く人に「コンサートありますからよろしく」って。で、10人にひとりくらいは「あっ、本人じゃないか!?」って、握手したりするんだけど、普通だったらそれ、スタッフのする仕事じゃない。
- 中居:
- ええ。
- 高中:
- 自分で配るの。
- 中居:
- 自分からすすんでやってらっしゃるんでしょうかねえ。
- 高中:
- かと思えば自分のCDを出した頃に、奥さんと2人でかけまくってるらしいんだけど、いろんなレコード屋さんに電話して、「もしもし、ダルファーありますか?」。で、「ない」っていうと、「え? ないの?」ってまた他のとこに電話して「ダルファーないの?」。そういう電話かかってきたら、CD屋さんも「あ、ダルファー? じゃ、置こうかな」ってなるじゃないですか。それを狙ってるんだろうけど。そういう話がいっぱいあるんですよ、あの人には。
- 中居:
- いわゆるエピソードですね。
- 高中:
- サックスも昔っからずーっとやってるんだけど、昔は車のセールスマンもやってたらしいのね。
- 中居:
- ご自身で? 何をきっかけに?
- 高中:
- やっぱりそれだけじゃ食えないからっていうのもあったんだろうけど、でも、車のセールスマンでも、ヨーロッパ地域で一番になっちゃったらしくて、それがおもしろくなくて辞めちゃったとか。
- 中居:
- あぁ。夢じゃないですけども、自分が目指していたものをつかんだときってのは「あ、こんなものなのか」って思っちゃったりするかもしれないですね。
- 高中:
- なんかセールスオフィスがあってね、自分のデスクとライバルのデスクがあって、お客さんがくると、ライバルのデスクの方が近いから、お客さん取られちゃったりするんだって。で、考えたのが、電話をしてもらうんだって、ライバルの所に。で、電話で忙しいときに走ってって、お客さんをつかまえるとかね。そういうズルがしこいというか、意地悪爺さんみたいなノリのとこがあったり。
- 中居:
- 意地汚いですね。それで、自分が好きな音楽やってる人と一緒にやりましたよね。アルバムも。
- 高中:
- うん。
- 中居:
- あらぁ。
- 高中:
- それは、すごいよかった。
- 中居:
- 自分と共感する面っていうのは? ダルファーさんってのは、サックスじゃないですか。で、高中さんはギターですよね。サックスはお吹きになるんですか?
- 高中:
- いや、ぜんぜん出来ないですけど。でも共通点は、多少あるのかなぁ? どっちも歌でもないし。
- 中居:
- そうですよね。歌じゃないですよね。音だけですもんね。今年のライヴでもダルファーの音は使ってるんですよ。僕ら。
- 高中:
- あの人、きっとすごい出たがりだと思うのね。で、きっと、ただ昔からあるジャズのサックスの音だったら、そんなにこんなにSMAPの人が知ってるくらいにはなってないと思うんだけど、やっぱりいろんな事を考えて、CD屋さんに電話するとか自分でパンフを配るとか、なんかハチャメチャな意欲があるっていうか。
- 中居:
- 「自分が出たいんだ!」っていう気持ちが強かったんでしょうね。ライヴで日本に来たときも、「プロ野球ニュース」から出たんですよ。「プロ野球ニュース」でCMにいくときに、いつもダルファーがかかるんですよ。それで「今日は実際にダルファーのおふたりが来てマース」♪ププププップップップッププップッ、ピョヨヨヨヨーン〜ってなんか面白い音楽かなんか自分たちで吹いて、「あーっ! ダルファーだよーっ!!」って見入ってたんですよ。好きですよ、すごく。
- 高中:
- そうか、良かったな。共通点が1個あったな。
- 中居:
- ありましたねえ。ボク資料を先ほど見せて戴いたんですけどダルファーって書いてて、「とにかく好きだ」って書いてあって「あーっ! ダルファー好きなんだ!? これだったらお会いしたことないけど大丈夫ですよ。それだけでもお話できますよ」って。
- 高中:
- けっこうテレビっ子だからね、テレビ好きだからね。
- 中居:
- え? 何か好きなテレビとかあるんですか。よく見るテレビとか。
- 高中:
- 他局になってしまうんですけど「中居くん温泉」ってけっこう好きなんですよ。
- 中居:
- !?
- 高中:
- けっこう一日中テレビ見てて。まあ、他の局になっちゃうんですけど。
- 中居:
- あ、ぜんぜん大丈夫ですよ。「中居くん温泉」、好きですか。
- 高中:
- 深夜になるじゃないですか。
- 中居:
- 2時、3時ですね。
- 高中:
- 2時、3時ぐらいになってくると、通販の番組とか、プロレスになっちゃうじゃないですか。つまんないじゃないですか。プロレスもあんまり好きじゃないし。で、その時に「中居くん温泉」ってすごいありがたいなと思って。あれは、本当に、あの時間帯でとても助かる番組だなあと。
- 中居:
- ああ、そうですか。じゃあ、ためになってますね、僕。
- 高中:
- うん、すごく。
- 中居:
- いやぁ、高中さんの口から「中居くん温泉」が出てくるとは思いませんでしたね。
- 高中:
- あと、「歌」、あんまりウマくないでしょ。自分でいってたよね、「笑っていいとも!」かなんかで。「僕が歌うとボリューム2か3で、イェーィ! とかいう時だけ10になる」っていってなかったっけ?
- 中居:
- !? よく……、よくご存じですね。
- 高中:
- よく見てるよね。この間ね、3日ぐらい前かな、「笑っていいとも!」で誰かの誕生日だったじゃない。で、「ハッピーバーズデイートゥーユー」っとかって、こーんなでっかい箱ででてきて、その時、みんなで大合唱になったじゃない。で、「なんかこの歌変だなあ?」って思ってよーく聞いたら、すごいハズして歌ってたんだと思うんだよね、「ハッピーバーズデイートゥーユー」って。「あぁ、そうか」って思って。その時、きっと意識しないで、場が盛り上がってたから、けっこう大声で歌ってたと思うんだけど、すっげえハズれてたんだよねえ。
- 中居:
- なんか、嫌なゲストぉ!!
- 高中:
- いやいや。でも昔アイドルだったらね、そんなの絶対「極秘事項」じゃないですか。もし音程が悪くても、それはテレビで言うべきことじゃないじゃないですか。
- 中居:
- そうですよね。
- 高中:
- それを逆にいっちゃってるって事は、なんか「肝っ玉座ってる」って感じで、「これはもう面白いなぁ」って。
- 中居:
- しょうがないですよね。
- 高中:
- しょうがないよね。
- 中居:
- ヘタなもんはねえ、「今日明日でウマくしろ」っつったって無理なことですからねえ。こんな、隠して隠してね、あとから「アイツヘタなんだぜ」って言われるんだったらべつに。
- 高中:
- うん、そうそう。
- 中居:
- しょうがないですもん、ヘタなもんは。
- 高中:
- それがね、昔はテレビ的じゃなかったと思うんだけど、今はそれを言っちゃうのがかえって新鮮でいいなって思って。昔は絶対、音楽番組で口パクでもさ、だから口パクでやるんだろうけど、そんなの誰もが触れてはいけない部分だったのを、堂々といってるあんたは偉い!! 逆に共感を覚えるというか。
- 中居:
- そうですか? でもまあ、よく見てくださってありがとうございます。今、僕らの後輩のKinki Kidsの土曜日やってます「LOVE LOVE あいしてる」で、Kinki Kidsと一緒じゃないですか。いかがなんですか? 世代的にも違いますし。
- 高中:
- うん、違いますね。
- 中居:
- 16とか17とか18とかですからね。どうですか? 一緒にひとつの番組を若い子ふたりと、まあ、拓郎さんもいらっしゃいますけども、取り組むっていうのはどんな感じなんですか? 今までそういう経験もちろんないですよね。
- 高中:
- 初めてですね。
- 中居:
- どうなんですかね?
- 高中:
- どうなんだろうねぇ?
- 中居:
- どんな感覚なんだろうな? って。
- 高中:
- 拓郎にいわれたのね、最初、お酒の席で。「やれよ」みたいな感じで言われて。あ、それは違うか。それ違ったわ。それ、神戸の話だ。
- 中居:
- では、違くない話をして頂けますか。「LOVE LOVE あいしてる」やってらっしゃいますよね。
- 高中:
- どうなんだろう? 昔から拓郎のレコーディングとかツアーとかやったことあるんですよ。で、ずっと会ってなかったのかなぁ。今年、僕、結婚して、パーティーに来ていただいてすごい久しぶりに会って。それからちょこちょこ仕事したりするようになって、すごい懐かしいやら面白いやらで。それでKinki Kidsと拓郎が音楽番組をやるんだけども、今時珍しくっていうか、口パクなしのライヴの演奏で、ライヴの歌でやるっていう。そういう番組最近少ないじゃないですか。で、面子を見ると懐かしい人っていうか、スゴい人が多いのね。「だったら、やろうかな」って思って。
- 中居:
- ふーん。拓郎さんとは昔からの? ツアーとか回ったりする?
- 高中:
- うん、そうなんですよ。
- 中居:
- へぇー。それをきっかけにKinki Kidsと? Kinki Kidsの二人とは何か話は?
- 高中:
- まだね、一度も喋ったことないんですけどね。僕もあんまりね、突っ込む方じゃないし。
- 中居:
- 積極的に「Kinki Kids!!」っていうのはない?
- 高中:
- 「仲良くやろうぜ」とかそういうのは。泉谷じゃないからね。あそこまでできたらいいんだけど。
- 中居:
- まあ、そのうち。
- 高中:
- 喋るとは思うけどね。
- 中居:
- まだ始まったばっかりですもんね。
- 高中:
- うん。番組自体の方向性とか、姿勢っていうのが前向きだなと思うから。
- 中居:
- 前向きっていいますと?
- 高中:
- 「ライヴでやろう」とか、番組終わっても飲み屋でプロデューサーとかみんな、「どうしたら良くなるかね?」って話を聞いてたら、「ああ、こんなのテレビ界にあったのかな?」と思って。「これはすごい前向きだな」って思って。なんか、やっつけ仕事で終わっちゃう場合が多いじゃないですか。
- 中居:
- そうですね。ですから流れちゃったり、時間に追われて「あ、しょうがないや」じゃないですけども。
- 高中:
- うん。それを良くしたいんだったら、なんかしたいなって感じ。
- 中居:
- そうですね。物事を作るにあたってね、常に向上心じゃないですが、その姿勢が良かったんでしょうね、高中さんにとっては。
- 高中:
- 特にね、音楽番組がなんでなくなっちゃったのかなぁ? 少ないですよね。今は多くしようという流れがあるみたいですけど。
- 中居:
- あるみたいですね。急激になくなり始めましたからね。うわぁーって。
- 高中:
- なんでなのかなぁ?
- 中居:
- やっぱり、数とかじゃないでしょうかね。数が悪いとなくなってしまう。そういう時代なんじゃないんでしょうかね、今は。
- 高中:
- ひとつにはね、なにか面白いことが増えてきちゃったっていうか、歌以外に、音楽以外に。物真似なんかも面白いだろうし。なんかドラマもすごくなってきちゃったよね。ただ歌ってるだけじゃ見てる人も納得いかないのかなぁ?
- 中居:
- 物足りないんでしょうね。僕らがちょうどデビューしたときが、全部の歌番組がなくなった時だったんですよ。
- 高中:
- 一つにはちゃんと歌ってないっていうか、口パクだとやっぱり見てる人も「あ、真剣にやってない」っていうのもわかっちゃうし。どっちがいいのかわからないけどね。昔MTVとか流行ったじゃない。で、その曲を売るためにすごいプロモーションして、曲なんだけど背景を良くした方がいいとか、面白い動きやすごい踊りをした方がいいとか。踊ってたらあんまり歌えないから、結局歌は口パクになっちゃうとか。見てる方もただ歌ってるよりも踊ってる方が面白いだろうし、背景もすごい方がいいだろうし。そういうなんか。
- 中居:
- 見る音楽っていうんですかね。聞くだけじゃやっぱり物足りない。だから、お客さんの目も肥えてきてるってのがあるんですかね。
- 高中:
- それはそれで見て面白いよね。見て面白いし、音もいい。音もいいけどそれはただ録音した音が流れてるだけじゃない。だからその辺で、見て面白いけど実際はやってないっていうところ、ライヴでやってないってところも、一つは敗因のような気もするけど。
- 中居:
- はい。今、生のバンドの、ここは裏側ですけれども、バンドでもやっぱり生放送だと、セット替えとかなんかの事情もあるんでしょうけど。変な話、間違える事もないでしょうし、ハプニングがないでしょうね。
- 高中:
- 多分ね。そういうとこで中居君が歌っているときボリューム1か2ぐらいって話を聞くと、なごむなあっていう。
- 中居:
- 他のメンバーはちゃんと上がってるんですよ。他のメンバーは歌ってるんですけど、僕は意識的にちっちゃく歌ってるんですよ。
- 高中:
- そうなんですか?
- 中居:
- 僕が歌ったら迷惑かけるってわかってるんですよ。
- 高中:
- 素晴しい。
- 中居:
- 素晴しいですか?
- 高中:
- いや、そういう意味じゃ……。
- 中居:
- 僕はべつに。それで僕がガンガンに歌ってSMAPがぶち壊れちゃうのは嫌ですし、なんか意識的に押さえますね、やっぱり。特に歌番組とか。
- 高中:
- 僕もってわけじゃないけど、本当は僕ね、ギターじゃなくて、ギターも弾いて歌も歌ってデビューするはずだったんですよ。
- 中居:
- え、デビューは?
- 高中:
- 二十何年前。
- 中居:
- 二十何年前。じゃ僕はまだ……、今、僕24ですから。
- 高中:
- さっき28って言ってたよね?
- 中居:
- あれは僕のネタなんで、すみません。嘘です。僕が物心つくかつかないかって時ですよね。
- 高中:
- 昔、フライドエッグっていうのやってて、来年再結成するんだけど、そのあとサディスティック・ミカ・バンドってのをやってて。それもあんまり知らないですよね。
- 中居:
- 知らないです、すみません。
- 高中:
- そっかーっ。そのあとソロのなったのが23、4の頃だから、同じ頃ですね。
- 中居:
- 今の僕ぐらいですね。
- 高中:
- ソロになって、その時には歌ってギター弾くつもりだったんだけど、ちゃんと録音してみるとね、ひどいんだよね、歌。音程悪いの。で、結局ギターになってしまったんだけど。
- 中居:
- ギター1本だけだったんですね。
- 高中:
- レコーディングではね、最新技術を駆使してちょっと下がった音を上げるとかできてやったたんだけど、ライヴじゃできないからね。で、ライヴで口パクやるの俺、嫌だったし。インストのギター中心になってきてしまって。
- 中居:
- そのバンドから、デビューのバンドから次のバンドいって、一人になる時って嫌じゃないっていったらおかしいですけども。
- 高中:
- いや、早くね、一人でやりたかったの。早く自分のソロアルバムってのを作りたかったの。
- 中居:
- それは歌ですか? ギターでですか?
- 高中:
- だから、その時は「歌もギターも」って思ってたんだけど、実際録音してひどかったんで、「じゃ、ギターでやるしかないなぁ」って思って。
- 中居:
- で、いちばん最初のグループでデビューしたのが、なんか、ベースでデビューしたとか?
- 高中:
- うん、そうなんですよ。
- 中居:
- それおかしいですね。
- 高中:
- ギターもずっと高校時代からやってたんだけど、成毛滋、つのだひろ、っていうすごい人がいまして、ある日電話がかかってきて、「おまえ一緒にやんないか」って。もう、アマチュアからプロになれるし、その2人とできるってのはすごいことだったのね。で、「はい、やります」っていって、「そのかわりおまえベースやれ」っていわれて。「もう、ベースでも何でもやります」って。
- 中居:
- でも、ベースは?
- 高中:
- その頃はね、ギターもベースも大して変わらないんですよ。その頃のは。
- 中居:
- え? どうしてですか? 今のギターとベースが違うんですか?
- 高中:
- ギターの低い方の4本の弦は、ベースと一緒なのね。オクターブは違うけど。だからその頃ギター弾ける人はベースも弾けたの。こういう世界(チョッパー)はなかったから。♪トーン、スット、トーン〜ってやってればいい時代だったから出来たんですけどね。
- 中居:
- でも、出来たっていうか、「やらなきゃならない」っていう気持ちの方が強かったかもしれませんね。自分の憧れてる人だったり、プロとしてできるっていう。
- 高中:
- それもあるし、一緒にできるっていうだけでね、もう、素晴らしい。
- 中居:
- それが終わってからあとは自分で? でもまたバンドで? その時はギターをやられたんですか?
- 高中:
- うん、その時っていうのは、1年で解散しちゃったんだよね、そのバンドが。で、サディスティック・ミカ・バンドっていうのができて僕がそれに参加して、それは3〜4年続いたんだけど。知らない? 「タイムマシンにお願い」とか聞いたことない? 知らないかなぁ?
- 中居:
- どんな? 今、ちょっとできます?
- 高中:
- え? どんな曲ってねぇ(ギターを取り出す)。
- 中居:
- それ、ご自分のですか? こんなカワイイので。
- 高中:
- いや、これはね、きくちさんのギターなんだけど。えーっと何だっけ? あ、そうか(「タイムマシンにお願い」のイントロを弾き始める)。
- 中居:
- あ、知ってる、知ってる。知ってます!!
- 高中:
- 知ってる?
- 中居:
- 知ってます。
- 高中:
- 本当に知ってる?
- 中居:
- 本当に知ってます。曲聞いたことあります。あれ、高中さんが?
- 高中:
- ギター弾いてたんですよ。
- 中居:
- それは知りませんでした。いつからギターを?
- 高中:
- 僕は中学はいったぐらいからやってる。
- 中居:
- なんですかね? ギターの魅力ってのは。
- 高中:
- ギターの魅力? なんだろうね?
- 中居:
- ギター持ったきっかけってのは?
- 高中:
- それはやっぱりビートルズとかベンチャーズとか。なんなんだろうね? でも、その頃はこういうエレキギターってのは珍しかったの。
- 中居:
- みんなフォークばっかりで?
- 高中:
- うん。エレキギターって今どこでもあるし、こんな小っちゃいのとかあるし、当たり前じゃない。
- 中居:
- それ、すごいですね。スピーカーもついてるし。昔は考えられないというか。
- 高中:
- その頃はエレキギターを弾くこと自体が、なんか冒険みたいな感じだったんだよね。あんまりなかったから。今はもう、ゴマンとバンドがいてやってるけど。
- 中居:
- それじゃあ、ギターはもう高中さんにとって手放せないものになるんでしょうね。
- 高中:
- うん、それしか能がないっていうか。歌がダメだったらって。だから、中居君もあんまり歌わないんだったら、SMAPでひとりギターってのはどうですか。
- 中居:
- …………。
- 高中:
- ロックンロール。ロックンロールの基本。
- 中居:
- ロックンロールの基本ってのは? どうなんですか?
- 高中:
- ここの2本(5弦と6弦)だけでいいんですよ。
- 中居:
- 2本だけでできるんですか?
- 高中:
- この2本だけでいいんです。で、押さえるのは5弦だけ。全部弾かないでこの2本だけ弾く(弾き始める)。簡単でしょ?
- 中居:
- でも、それだけじゃ喰っていけないですよね。
- 高中:
- でもいいじゃない。ここから応用があるんじゃない。
- 中居:
- え? ギター何年やってるんですか?
- 高中:
- で、ここに指1本いれればまた違うでしょ。まずはここだけ。ちょっとね、この辺の弦を軽く押さえて。押さえないと。まあ、これでもいいんだけど、少しミュートを効かせてっていうか、音を短くするために。(ギターを中居君に渡す)
- 中居:
- 僕はね、本当はギター、すごいっすよ。〜
- 高中:
- そうなんですか。
- 中居:
- 「Emの中居」って有名ですよ。
- 高中:
- こんな簡単なことをお願いしちゃいけないのかな?
- 中居:
- 僕ね……(指がおぼつかない)。
- 高中:
- これこれ(指導)。
- 中居:
- え?
- 高中:
- あ、違う違う、これ。
- 中居:
- ノってるかい!? ベイビー!!
- 高中:
- ちょっとここにのせて、軽くあてるだけでいいから。この2本を弾く。
- 中居:
- (演奏)これでいいんですか。
- 高中:
- そう、それでいい。それだとリズムがないから(カウントを出して)、♪デンデンデンデン〜。
- 中居:
- この2本を弾いていいんですか?
- 高中:
- うん。その2本だけ。
- 中居:
- え? こう押さえるの?
- 高中:
- うん。ここは押さえてるだけ。このまんまでいいよ。
- 中居:
- それで、こう。
- 高中:
- 2本いっぺんに弾く。
- 中居:
- …………?
- 高中:
- それはちょっと押さえすぎ。
- 中居:
- ……………?
- 高中:
- このへん、このへんですね。
- 中居:
- (ストラップはずれる)あっ!? これ、とれちゃいました。不吉ですね、なんか。
- 高中:
- べつになくてもいいんだよね、これ。
- 中居:
- なくてもいいんですか。僕に大変なことをさせてますね。僕、音感がないんですよ。
- 高中:
- これなら、大丈夫だよ。
- 中居:
- (弾き始める)。
- 高中:
- うん、そう。
- 中居:
- ああっ、もうそんなできない、僕。ねえ、今の奴、やってもらえます?(ギターを戻す)
- 高中:
- もうすこし我慢すればできると思うんだけど。
- 中居:
- じゃあ、僕にマンツーマンで教えてもらえます? ねえ。僕、マジでやってみようかなぁ?
- 高中:
- (♪プレイ〜)これはもうできたのかな?
- 中居:
- ええ。
- 高中:
- 1、2、3、4、1、2、3、4。はい(また中居に渡す)。
- 中居:
- カッコいいっスね。ギター持ったの初めてなんですよ。
- 高中:
- そうなの?
- 中居:
- ええ。ウクレレならあるんですけど。こことここですね。僕、手が届かないんですよ、ほら。ここですね、ほら、届かないんですもん、指が。
- 高中:
- 小指は? 小指でもいいよ。
- 中居:
- これはあってますよね。僕には不可能ですね。まず僕にはリズム感がないし、音感がないし。僕、音楽やる権利ないんですかね? 音符も読めないですし。僕、なんで歌ってるんだろ? うちのメンバーの木村君とか稲垣君てギターやるんですよ。ライヴとかでもやったりするんですよ。弾き語りとかやったりするんで、「あ、カッコいいな」って思ったりするんですけど。やっぱ好きっていう気持ちがないと出来ない気がするんですけどね。
- 高中:
- きっと明るいんだよ。
- 中居:
- 明るい? 明るいってどういうことですか?
- 高中:
- 今、ちょっと出来たじゃない。この指なしで。で、多分もうちょっと練習すればもっとできると思うのね。でもあまりやりたくないでしょ?
- 中居:
- いや、僕やりたくて。でも、僕がやってるのテレビ見てる人はつまんないだろうと思って。
- 高中:
- きっとね、中学、高校で「やりたいな」と思ってやるけど「ちょっとめんどくさいからサッカーの練習にいこう」とか、「ナンパにいこう」とか思っちゃう人は、明るい人だと思うのね。機転がきいて社交的だろうし。そういう人はきっとギターはつまんないから違うほうにいっちゃうと思うのね。
- 中居:
- そうですかね? 確かに僕もバンドじゃないですけど、小学校、中学校のときは、耳に入ってきましたし、「ギターできればカッコいいな」ってほうき持って真似したりってのはありましたよ。でも、購入して勉強しようと思うよりも、もっと遊びたいというかやりたいことが他にあったんでしょうね。
- 高中:
- 僕なんか、暗いほうだったのかな。「もうちょっと弾いたらウマくなるかな」と思ってそれに固執しちゃうっていうか、そればっかり。他に楽しみなかったんだろうね。
- 中居:
- ギターやってる時は楽しかったですか? 上達していく自分が。
- 高中:
- いや、きっとね、ウマくなったらモテるんじゃないかとかね。ギターケース持ってるだけで、学校で放課後練習できたのね、教室で。だから、ただ持ってるだけでモテるんじゃないかとか、そういうのもあったしね。
- 中居:
- きっかけって、ささいなものだったりするんですね。
- 高中:
- きっと、「ちょっと難しいな」って、遊びにいっちゃうような明るい人は、ギターうまくなんないっていうか。
- 中居:
- 高中さんの周りにもそういう人、たくさんいらっしゃったでしょうね。遊びに夢中になったりして。小さい頃ってのは何かしら好きなことってのがありますよね。僕の場合は遊びが好きだったんですけど、大人になって遊ばせたら多分。「これなくしたら取り柄ない」っていうの、おっしゃったじゃないですか。「ギターとったら何の取り柄もない」って。僕も「遊びとったら何の取り柄もない」とか思っちゃいますよ、うん。
- 高中:
- 遊びって、どういう遊びをしてたんですか? まさか、マリファナ吸って……、とかっていう遊びじゃないでしょうね?
- 中居:
- 今、僕ここにいませんよ、そんなことしてたら。捕まっちゃいますよ。
- 高中:
- このあいだ、Kinkiの番組で泉谷さんがマリファナ、マリファナっつってたから、おかしくって。
- 中居:
- あのお父さん、泉谷さん、この番組に出たんですよ。放送できないことばっかり言ってましたね。すぐ放送できないことを。「マリファナうっちゃえ!」とかね。ダメだっちゅうの。放送できないっつってるのに。もう。じゃあ、ギターをいちばん最初に持ったのが30年ぐらい前になりますかね。
- 高中:
- 中1ぐらい。12歳ぐらいですね。僕、今、28だから10年ちょっと前ですかね。
- 中居:
- 僕のごまかした年と同じ。それじゃ同い年じゃないですか!? それからずっと?
- 高中:
- そうですね。
- 中居:
- なんですかね? 高中さんにとって30年もギターを続けていくうえで大事なことは?
- 高中:
- なんだろうね? 難しい質問だなぁ。
- 中居:
- 「ウマくなるために」じゃなくて、高中さんにとってメリットがあるってことですよね。自分の好きなことをやるってことは。
- 高中:
- 難しいなぁ。
- 中居:
- 上達するためにっていうか、ウマくなるためのギターに対する姿勢ってのはみんな違うと思うんですよね。ただ持ってるだけで楽しいっていう人もいれば、ライヴでガンガンにやるのが楽しいっていう人もいるし。高中さんはギターをやっててどういうところに快感を感じます?
- 高中:
- 快感を覚えるのはやっぱりライヴかな。ボクの場合レコーディングするかライヴやるか、二つしかないのね。こういう番組に出るっていうのもたまにあるけど。喋るのはあまり得意な分野じゃないんで。やっぱりライヴですごいウマくいったときは楽しいし、気持ちいいっていうか。汗かいて、あまり悩むこともなくて。だいたい2時間ぐらいのコンサートじゃない。すごい楽しいよね。レコーディングで何ヶ月もスタジオ入って、いろいろ悩みが出るのね。「この曲はどうやったらカッコよくなるんだろう?」とか「この部分はちょっとしつこすぎるかな?」とかいろんな悩みが出てくるのね。
- 中居:
- じゃあ、ライヴの方が発散っていったらおかしいですけども。
- 高中:
- うん。スポーツに近いっていうか、はっきりしてるよね。
- 中居:
- やっぱり「ずっとやっていきたい」っていう気持ちは強いんでしょうね。
- 高中:
- 全部自分で作ってるのね、ほとんど。自分で曲を作って、弾いて、レコーディングして、アレンジもして、トラックダウンもして。そのあとライヴがあるんだけど、自分の曲は自分で作らないとダメなのよ。自分でアレンジしないと嫌なの。
- 中居:
- 人から提供してもらった曲を弾くっていうのは?
- 高中:
- すごい好きなのがあればいいんだけど。昔、すごく好きだった曲をカヴァーするっていうのもあるんだけど、やっぱり自分の都合のいいっていうか、自分の好きなようにアレンジするっていうのがあるから、それはすごくつらい作業なのね。
- 中居:
- ゼロからですもんね。
- 高中:
- どうしたらインストのギターが気持ちよく弾けるかとかカッコよくなるかって考えるわけね。インストってそのへんがすごく難しいのね。歌も難しいんだろうけど。だからやるだけだったらライヴは気持ちいいんだろうけど、曲を作るとかスタジオに入る作業も不可欠というか、なくてはならないものだから。
- 中居:
- 時間かかるでしょうね。
- 高中:
- うん、時間かかるし。でも俺、それしかやってないからそれでいいんですけど。
- 中居:
- でもその中で、「これは自分にとって納得はいかないが」っていうところはありますか? 「でも仕方がないな」っていうか。
- 高中:
- それはいつも朝起きると違うこと考えてたりするし。そういう時は本当、困っちゃうよね。
- 中居:
- もう自分の発想しかないんですもんね。
- 高中:
- そうですね。かといって世に出すものだからね。自分が好きなことだけだったら、べつに録音して外に出す必要なんてないですよね。自分の家で楽しんでればいいんだけど。やっぱり人に聴いてもらって「いいね」って言って欲しいし。かといってこの時代はこんなリズムが流行ってるから、マーケティングしてこんなもんが売れてるからって、それに迎合して全部やるっていうのも嫌だし。やっぱり自分の好きなものをやっていたいっていうのもあるし、難しいことですね。
- 中居:
- なるほどね。わかりますね、それは。自分の好きなものを世に出そうか、それとも世が認めてくれる音楽、もしかしたら自分のやりたいことをセーブしなくちゃいけないような時も。
- 高中:
- いちばん最高なのは、自分のやりたいことやって、それがバンバン売れて、みんなに「いいね」っていわれるのが最高だけどそうはいかないじゃない。かといって自分の趣味を押し曲げて、「これが売れるから」っていうのも嫌だし、そのへんがとても難しいですね。
- 中居:
- 今いろんなバンドが本当、スゴイじゃないですか。で、いろんな形の演奏がありますけど、今のこの音楽界についてどう思われますか? 「こいつらいい音楽やってるな」とか感心するようなアーティストっていらっしゃいます? すごいですよね、バンドの数。今までの音楽界の歴史の中でいちばん多いんじゃないかっていうくらい、いろいろありますけど。
- 高中:
- どうなんだろうなぁ? それって日本のこと言ってますよね?
- 中居:
- ええ。日本の。多分、今やってるアーティストの方々にも、ある意味で海外というか洋楽に影響されてる方々もいらっしゃるとは思いますけどね。
- 高中:
- 難しいな。昔はね、「日本語はロックにのらない」って言ってた時代があったのね。
- 中居:
- え? 日本語がロックに乗らない? 合わない?
- 高中:
- うん。「日本語でロックはできない」っていう論争になった時があって。でも今は「日本で今流行ってるロック音楽が本当にロックかどうか?」って話は置いといて、すごいロックっぽい日本の音楽が流行ってるじゃないですか。それはすごい進歩だと思うのね。なんだか難しい話になってきたけどね。
- 中居:
- さっきもチラッと出てきましたけど、「ロックじゃないかもしれない」って。それはあるかも知れないですね。あっちのハードロックだけじゃないですけども。
- 高中:
- 僕がギターを始めたのが、向こうの音楽を聴いてからなのね。ビートルズとかベンチャーズとか。で、ビートルズとか歌詞があるんだけど、英語だから全然わからなくて、片仮名で書き直して歌ってたのね。意味はどうでもいいの。音としてすごく好きでやってて、今でもそんなに僕は歌詞の内容なんて興味なくて、やっぱり洋楽が好きなのね。今の人って、ほとんど日本でできた、例えばロックでいうとBOOWYとか。まあ、最近のロックバンドとか知らないけど、どっちかっていうとあんまり日本語の歌詞がはいってるのってわかんないんですよね。
- 中居:
- わかんない?
- 高中:
- わかんないっていうか、僕はどうしても英語圏のほうがカッコいいと思っちゃう。
- 中居:
- 詩っていうのは洋楽では本当にわからないですよね。詩で刺激を受けるんじゃなくて音で、曲で。
- 高中:
- 音しかないんだよね。よくユーミンが「別れる彼氏と出会った頃は安いサンダルを履いてた」なんていうのは「ああ、そういう世界もあるのかなぁ?」って感心するんだけど、あんまり詩のことわからないっていうか、聴いてても耳に入ってこないのね。
- 中居:
- なるほどね。その考え方っていうのは今後も変わらないでしょうし、曲に対する、ギターに対する追求っていうのはずっとつづくんでしょうね。「どうしたらいいものができるんだろうか?」って、高中さんは考えていくんでしょうね。
- 高中:
- そうですね。ダルファーがSMAPの中居君を刺激したように、僕もそういう音楽を作りたいと思います。
- 中居:
- やっぱり認知されたいというか、そういう気持ちがあったうえで音を作っていきたいと?
- 高中:
- うん、できたらね。
- 中居:
- そうですね、やっぱり難しいですよ。自分の好きな音楽をやって、まわりの人に否定されるか、ちょっと自分のやりたいことをセーブして。難しいですよ。
- 高中:
- 難しいですよね、っていったら話にならないんだけど、本当に難しいですよね。
- 中居:
- 今後も高中さんのやりたい音楽というのは、今までと変わらず?
- 高中:
- 基本的には変わらないと思うね。昔ね「虹伝説」っていう絵本があるんだけど、それも知らないよね? 「虹を食べる7匹の鬼がいる」っていう絵本なんだけど、それを15〜6年前に出したんだけど。それはね、外国でその絵本を発見して「これは面白いな」って思ってそのストーリーに全部インストゥルメンタルで曲をつけて、アルバムを作ったんだけど、それがとてもおもしろかったのね。それ外国の作家なんだけど、最近その「虹伝説」のパート2じゃないけど、続編の絵本がでたのね。で、ボクはそれを何年も待ってて、15年もなんでその人が続編を書かなかったのかわからないんだけど、すごく夢のある話なんでね、それに音楽をまた作って来年やろうと思ってるんだけど、それがすごい楽しみでね。
- 中居:
- 来年? また、なんで来年?
- 高中:
- それ、今年の後半に出てきたから、曲を作るために時間がすごいかかるんだけど、来年にリリースできるかな? っていう。
- 中居:
- 多分、お好きなんでしょうね、時間をかけて作るのが。
- 高中:
- 好きっていうか、どうしても時間がかかっちゃうんですよね。
- 中居:
- どうしても自分が納得できるものを作るってことで、時間がかかるんでしょうね。僕らなんかそういう経験がないんですよね。
- 高中:
- マイケル・ジャクソンとか3年に1枚とか、4年に1枚とかしかアルバムが出ないじゃないですか。その間、遊んでるっていうこともあるんだろうけど、やっぱりツアーもあるだろうけどレコーディングもチョコチョコやってるのね。そういうのも優雅でいいなあと思うのね。そこまで売れればね、っていうのもあるんだけどね。
- 中居:
- のんびりしてるかも知れないですね。
- 高中:
- 日本だと年にアルバム2枚、シングル何十枚もっていうのがあるじゃない。
- 中居:
- そのへんは日本と海外の音楽に対するペース配分っていうのが違うんでしょうね。やっぱりじっくりと、マイペースでっていうのがあるんでしょうね。まあ、でも「LOVE LOVE あいしてる」のほうも、Kinki Kidsもよろしくお願いします。いい子たちなんで。
- 高中:
- はい、頑張ります。こちらこそよろしくお願いします。
- 中居:
- あと、衣装。すごいですね。
- 高中:
- ちょっと変わってますね。
- 中居:
- 「LOVE LOVE」でも派手な衣装を? それは自分のご趣味?
- 高中:
- 趣味ですね。
- 中居:
- 派手なの、けっこう好きですか?
- 高中:
- 昔はその「虹伝説」っていうのをやったときは、髪の毛も7色にしてたんですよ。派手なのけっこう好きなんですよ。真っ赤なスーツとかね。
- 中居:
- あ、そうですか。なんか人間と衣装がギャップがあるなって感じが。
- 高中:
- そうなんですよ。人間的にはすごく地味だと思うんだけど、それで衣装も地味だったら本当につまんないものになっちゃうし。
- 中居:
- 「LOVE LOVE あいしてる」は、僕も見させていただきます。来年のリリースするものも、納得いくものを見せて下さい。
- 高中:
- 納得いくものね。はい、頑張ります。
- 中居:
- というわけで、今週のゲストは高中正義さんでした。どうもありがとうございました。
- 高中:
- ありがとうございました。