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NON EDIT TALK : 小室哲哉★Tei Towa


小室:
こんばんは、小室哲哉です。ええ、夏といえばですね、あの、当然、みなさんエアコンを使ってると思うんですが、僕たちスタジオに長くいましてね、エアコンのあたってる部屋にいるわけですよ。それでですね、あの、臭いんですね、フィルターが。と言うのも、みんな煙草喫ったりなんだかんだで、で、スタジオ出ると必ず髪の毛がですね、あの、フィルター臭い匂いになっちゃうんですけど、こっち日本の、東京のスタジオみんなそうなんですよ、どこのエアコンも。ちょっと、フィルター掃除をマメにやってください、お願いします。えぇとですね、ニューヨークのエアコンで、そういう記憶はあんまないんですけど、今日はニューヨークからお越しいただいた、っていうわけじゃないんですけど。

TEI:
そうですね。

小室:
東京は東京ですけどね。

TEI:
東京です。

小室:
ええ、どうですかね? Tei Towaさんですが。

TEI:
はい、はじめまして、Tei Towaです。

小室:
はじめまして、どうも。

TEI:
はじめまして、どうも。

小室:
スタジオとか、やっぱニューヨークどう? あんまり。

TEI:
そうですね、まあでもなんか、スタジオ自体が臭いっていう。

小室:
やっぱ匂いますよね? なんかね、ニューヨークもね。

TEI:
体臭のある人とかね、けっこういるんで。

小室:
やっぱあの、どこのスタジオも気のせいか、やっぱりあの、ブラック系の匂いがするんですよね。

TEI:
そうそう。僕でもけっこう、あのココナッツっぽいのとか、嫌いじゃないんですよ。レゲエな匂いとか。

小室:
すごいやっぱ、ああいう匂い、来てやっぱ日本のスタジオは違うなって、まず鼻から入りますね。

TEI:
そうですね、鼻からね。耳から入る前に。

小室:
うん。とかありますけど、まあそれはいいんですが、あの、いろんなこう、断片的にとか間接的にですね、いろんなお話は聞いてまして。

TEI:
そうですか。

小室:
ただ、実体はどういうのかっていうの、ぜんぜん僕わかんなくて。あの、CDとか聴かしていただいたんですけども。

TEI:
あ、ども。

小室:
実際、Tei Towaさんっていったら何を扱うのかな? っていうのも、まだちゃんとわかってないんですよ。まあ、打ち込みというのはイメージにあるんだけれど、キーボードプレイヤーから始まったのか? とか、ギタリストだったからとか、じつは歌を歌ってたとか、ぜんぜんわからないんで、みなさんも多分、そこらへんちょっと知りたいのかな? とか思ってるんで、あの、ある程度なんですけど、こう、プロセスありますよね? で、まあ、デイライトにいきつくぐらいまで、ちょっと聞いてみたかったんですよね。もともとは、本当はこういうまあ、コンテンポラリーミュージックっていうか、っていうのは、なんか一番最初に触れた機械っていうのは、どっからなんですか? 

TEI:
一番最初はね、あの、コルグのMS-10っていう。

小室:
コルグのMS-10っていうは、どういうんだっけ? 

TEI:
あの、一応パッチはできる、すごい安いんだけど。

小室:
このぐらいの、小っちゃいヤツですか?

TEI:
台形になって、こうなってる。

小室:
ええ、ええ。

TEI:
それを新聞配達して買いましたね、16ぐらいの時なんですけどね。

小室:
あ、それが、一番最初の。

TEI:
そうです。

小室:
自分が手に入れた機械ですか。

TEI:
うん、やっぱ、クラフトワーク、YMOが、中学生の時に、あのコンピューターゲーム、インベーダーゲームあるじゃないですか? それにハマってて。で、受験勉強もしなきゃいけないなって時に、そのYMOとかクラフトワークの音楽知って、で「これはいいな」って。あれ聴きながら、けっこうインストゥルメントじゃないですか? だから聴きながら勉強したり、本読んだり、漫画描いたりできるっていう。「気持ちいいな」と思って。だから、ゲームから入ったんですよね。

小室:
それで自分でも「ちょっと音出してみたいな」っていう。

TEI:
うん、そうそう。で、たまに「ロッキング・オン」とかの自宅録音講座みたいな。で、ラジカセ、弟のラジカセを自分のラジカセとつなげて、で、シンセを一個こう、重ねてって。

小室:
重ねてったりとか。

TEI:
でも、なんか、重ねてるうちに「遠くにいっちゃうな」みたいな。

小室:
ああ、そうか、そうか。この番組はね、もう本当、普通の人じゃあ聞いたことないメーカーの名前が、ガンガン出てくるんですよ。

TEI:
あ、いいんですか? 

小室:
だから、ぜんぜんいいんですよ、もう。

TEI:
あ、大丈夫ですか? はい。

小室:
コルグだろうが、ローランドだろうが、もう、ぜんぜん大丈夫なんですけども。

TEI:
専門用語OKですか?

小室:
もう、専門用語はもう。

TEI:
F.F.Tとか。

小室:
いくらでも大丈夫ですけどね。

TEI:
M.R.Aとか、はい。

小室:
なに言ってるか、わかんなくていいんですけど。

TEI:
そうですか。

小室:
それででも、一応それ、あれアナログシンセですよね? 

TEI:
そうですね。

小室:
ここに鍵盤ついてて。

TEI:
で、そん時に。

小室:
鍵盤って、やってたんですか? 

TEI:
いや、やってなくて、僕、音楽の成績ってね、いつも悪かったんですよ。

小室:
嫌いだった? 

TEI:
そう、一番苦手な科目で。で、いつも美術が得意で。

小室:
あ、そうですよね。なんか美術学校って書いてますよね。

TEI:
そうですね、中退してますけど。それで、で、なんかこう、音楽とは無縁なような感じがして、けっこう奥手だったと思うんですよ、スタートしたのが。それで、いろいろ聴きだして、まあ、坂本龍一さんがラジオ番組の聞いて、で、いろんな音楽、モータウンしか知ったりしてたんですけど。で、デジタルサンプラーっていうかね、ホールドっていってたんですけど、コルグのえぇと、サンプラーがあって、DDA-2000かな? そうなようなのあるんですけど。で、ホールド機能っていうのがあって、で、それはサンプリングできたんですよ、12bitで。で「これだ!!」って思って、だから、17ぐらいからもう「サンプリング命」みたいな、けっこう。

小室:
17っていうと、ああ、そうか、そうか。

TEI:
全然ポップなことは、やってなかったですよ。もう、本当にマスターべーションみたいな音作りしてて。

小室:
なるほどね。あの、さっきクラフトワークとか出ましたけど、けっこう、あそこらへんのジョルジォ・モルダーとか、まあ含めて、ずっとこう、シーケンサーのループみたいので、こうまず、発信音がずっと鳴ってることを基本にするようなとこってあると思うんですよ。それが勝手に鳴ってて、その上になんかこう、乗っけたりとか。

TEI:
そうそう。

小室:
その基になるものっていうのは、なんかやってなかったんですか? 

TEI:
いや、でもね、一番最初にやった時はその、シーケンサー持ってなかったから。

小室:
そうですよね。

TEI:
あの、ドラムマシンも安いの買って。

小室:
あ、買って。

TEI:
で、それを打ち込んでなんかこう、ドクターリズムみたいなヤツで、こう♪ドン、タン〜て入ってて、一生懸命弾きました、手で。

小室:
ああ、それを、じゃあ音はその、ドラムのを弾いて、で、それカセットに。とりあえず基本を作るんですね? それで。

TEI:
基本を作って、で、だんだん5回ぐらいこう、ピンポンっていうんですけど、やってるうちに、どらむが遠くに行ってしまうんですね。今その、安いシンセとか持ってる人は、ぜんぜん、そういうのはわかんないと思うんですけど。

小室:
そうでしょうね。

TEI:
すごいじゃないですか、今の機材って。

小室:
その、遠くへ行ってしまうっていうのは、すごくわかるんですけど、要は音がどんどん悪くなってっちゃうってことですよね。

TEI:
そう、劣化するってことなんですね。

小室:
大体みんなそうですよね。音重ねて、コピーして、ダビングしまくってるビデオみたいなもんですよね。

TEI:
うん、うん、そうです。

小室:
ほとんど、画像がメチャクチャになって。

TEI:
裏ビデオみたいなもんですね。

小室:
そうですね、そういうふうに音が、絵のように、どんどん行ってしまってという。

TEI:
そう、だから、それを逆にサバ読んで、あのまあ、少しハイを上げたりとか、ローを上げといて、遠く行ってもいいぐらいっていう。そういうなんか、感覚を一番最初に多分、音楽の中で音響的なことっていうか、スタートしたんで。で、ハウスとかヒップホップが出た時に、あの、ニューヨークにちょうど渡ったときなんですよ。で、もう僕、音楽ちょっとその、3万円ぐらいでテレビのジングル作ってたりとかしてましたけど、あの、もう、音楽は、自分やっぱしプロにはなれないし、と思って。で、行ったらその、DJ、ターンテーブルとかでやってる音楽が、すごく刺激的で。

小室:
なんか、さっきネルズとか、なんか書いてあったんですけど、やってたんですか? 

TEI:
やってました。レギュラーで。ネルズ一番、面白かった時期に行って、で、その直後にあの、まあ、バンドのメンバーと知り合って、紹介されて、「プロになった方がいい」って言われて。で、それで、ターンテーブル2台がこう、友達が置いてったのがあって、それでやってるうちにできるようになって、で、気がついたらその、ディーライトっていうバンドであの、サンプラー持ってるの、僕だけだったんで、で、なんかこう、サンプリング中心に、けっこう打ち込みやってたんですよ。

小室:
じゃあ、あの、一応、基本的なDJのこう、曲つなげてみんなをまあ、とりあえず職業として楽しませることは、もうニューヨーク渡ってできてたんですか? それは。

TEI:
いや、行ってからですよ。

小室:
あ、行ってから。

TEI:
いって、その美大に行きながら、学校の帰りにこう「つまんないな」って思いながら、いつも中古レコード屋さんとか行って、えぇとまあ、SOSバンドとか持ってなかったヤツを買い揃えてって、で、ハウスの新譜を買って。で、二本目ぐらい、一本目か二本目がその、DJテープってその、ノンストップでつながったテープを作ってみたんですよ、自分でも。で、作ってその、いつも行くネルズとか持ってって、二人目に渡したのがその、ディミトリーっていう僕の相棒、相方なんですけどね。で、彼はバリバリやってて、で「プロになった方がいい」っつって電話かかってきて。

小室:
「プロになった方がいい」っていうのはその、DJじゃなくて? 

TEI:
いや、DJとして。

小室:
DJとして、はあ。

TEI:
と同時に昔やってたその、坂本さんとこにも送ったりしてたんですけど、そのデモテープとかを。「こういうのも作ってんだ」っていうの聞かして、で。なんか、「じゃあ、僕らもこういうのやってるんだ」っていう感じで、で「せーの!」で音出したら、なんか「いいね」っていう。で、ちょうどディライトはあの、2度目のショーをやったとこだったんですよ。で、3回目のショーはね、一緒にステージに上がってたんですよ。

小室:
あ、上がってたんだ。

TEI:
そう。で、中退しましたけどね。

小室:
それでね。

TEI:
それでっていうか、こういうふうになるとは思ってなかったんだけども、ぜんぜん楽しいし、で、まあ、DJでギリギリ食べれるようになって、で、曲、時間さえあれば曲作ってるっていう生活が88年9年とあって、そうこうしてるうちにあの、なんかいろんな弁護士さんとか会うようになってって。

小室:
ことがだんだん大きくなってきたんですね。

TEI:
そうですね。ストレスありましたけどね。

小室:
ちなみにそういうの、素朴にみんな思うと思うんですけど、全部、英語でいけたんですよね? 

TEI:
そうです。

小室:
英語は大丈夫だったんですか? 

TEI:
いや、行った時はぜんぜんダメですよ。だから、自分でね、あの、DJネームみたいなのを、なんかスタンプかなんか作って「Dumb DJ Tei Towa」っていってたんです、最初は。dumbってあの、喋れない人のことを言うんですけど。

小室:
へぇー、なるほど。

TEI:
で、そのうち、気がついたらあの、いろんな音楽、僕。

小室:
今のあの、野茂投手みたいな状況ですか? どっちかってったら。

TEI:
そうですね。なんか、そのうち「dumbっていうのは、良くないよ」っていうことで、で、なんか考えようと思って。で、それで「Jungle DJ」っていう芸名にして。

小室:
あ、「Jungle DJ」っていってたんですか? 

TEI:
そうそうそう、早かったでしょ? 

小室:
早いですね、それは。早過ぎないですか? 

TEI:
多分ね、今、流行ってるジャングルと、関係あんのかわかんないんですけど、僕のDJスタイルって、いつもその、あのB.P.Mってそれこそ70ぐらいから140ぐらいの、ジャンルこだわらず、けっこう一晩でミックスするんですよ。で、それでなんか「コンクリートジャングルな響きがいいな」と思って。

小室:
ああ、でもそれは、でもまさにそうですね。

TEI:
そうですよね? 今のジャングルってね。

小室:
ジャングルってなんか、そうらしいですからね。

TEI:
H Jungleってね。

小室:
コンクリートジャングルとか、そういうとこからですよね。

TEI:
ああ、そうなんですか。最近ロンドン行ってないから、あんまりね、わかんないんですけど。

小室:
なるほどね。あのね、その楽器をね、なにか特殊なものを持ってて、それで「入れよ」っていうきっかけって、すごい多いと思うんですよ。

TEI:
ああ、そうですよね。

小室:
特に、こういうシンセサイザーとか、そういうの扱ってるヤツの場合はね。僕なんかもそうだったんで、中学・高校の時っていったら、もうギタリストとかばっかりだったから、僕だけローランドのね、SH-1と、SH-3を買おうかな? とかっていって、まあ買ったとこぐらいだったんで、もう他は誰もいないですからね。うん、その、さっきのモータウンじゃないですけど「コモドアーズの『マシンガン』やりたい」とかいう時には、いないとどうしようもないわけですよ。

TEI:
そうですね。

小室:
うん、だから、それでやったりしたんで、その「楽器ありき」っていうか、その「使えるヤツありき」だったからね、曲がね。

TEI:
でも、最初から弾けたんですよね? 鍵盤はね。

小室:
僕も習ってないですけどね。

TEI:
あ、そうですか。

小室:
うん。僕もその、ちゃんとピアノとかってのは、いっさいやってないんで、コピーからだったんで。だから、ちょっと、でも、時期がもうちょっと早いんで、あの、あれですよ、プログレッシブ・ロックから入ってますから、キーボードは。だからそう、あれはもう、弾けるか弾けないかの勝負で、機械にやらせるなんてとんでもない、っていうところもあったんで。

TEI:
そうですね。

小室:
で、弾けなきゃしょうがないっていうんで。

TEI:
で、ウマくなったという。

小室:
それで、そうですね、早弾きはやらないとっていう。まああの、ギタリスト感覚? だからソロが弾けないとダメっていうかね。だから、そんなバッキングなんて考えもしなかったから、あんまりね。

TEI:
まあ、キーボーディストとして、やっぱルーツはじゃあ、プログレとか? 

小室:
キーボード、キーボードプレイヤーっつったらプログレで。

TEI:
ですか? 

小室:
プログレだね、やっぱりね、一番ね。もう、今だったら「なんであんなものを、自分で手で弾かなきゃいけないんだ」っていうような、一曲ずっとシーケンサーみたいのね、ことやってるのもあったからね。やってましたけどね。だから、僕よりもやっぱり、世代的にはちょっと新しい感じですね。その、新しい&早いですよね、やっぱりその、やりだしたスタート時点がね。どう考えても、圧倒的に早いんじゃないですか? その、1988年とかいったら。

TEI:
うん、87年ぐらいからヒップホップとかハウスが。

小室:
ハウスっつっても、そんな、サンプリングがどうのっていうんじゃなかったね。

TEI:
ないですよ。909とか。それで909だっていうの、よくわかんなかったんですけど、303とか使って、あとM1とか出てたから。DXとかも使ってるの多かったな。

小室:
日本人の人でね、若い男の子女の子で、雑誌とかで多分こう、潜在的に808っていう言葉とかはね、すごい見てると思うんだよね、目にしてると思うんだけど、いまだになんだかわかんないかもしれないですね。

TEI:
うん、そうですね。いまだに。

小室:
むこうの人たちもそうなのかな? アメリカの人たちも、きっと808って数字をたくさん見てるんじゃないですか? 

TEI:
そうですね、いまやね。

小室:
909とか。 Tei でも、最初やっぱしその、ハウスの定義がなくて、ただ音響的に「なんか気持ち良ければいいんじゃないか」っていう、その、業務用レコードとかっていうのがあって、その感覚が新しくて、僕にはね。

小室:
ああ、僕もね、一番そこ聞きたいね。だから、ちょうど僕なんか、ハウスとかっていう時期っていうのが、まったく遠いところにいて、音楽のジャンルとしては。その、いつのまにか一般的になってて、ミドル・オブ・ザ・ロードになってたんですよ。だから、その頃の時期をどう、その、今の解釈っていうか基準みたいなの、どうやってたのかっていうの、すごい知りたいんですよね。シカゴからどうのとかって話をいろいろ出てくるでしょ?

TEI:
そうですね。ただなんか、たまたまですけど、その新しいクラブできて面白いなと思って行ってたら、で、いつもなんか、いい感じの選曲してるなと思ってたのが、まあディミトリーとかあと、いまやデビッド・マロウズとかフランキー・ナックルズで。で、フランキーとかも、ちょうどシカゴから来たばっかしらしくて、で、僕はなんかこう、いつも熱心に近くまで行って「何スか? この曲」みたいな、一生懸命喋ったりしてたから。

小室:
ああ、そういう感じの、ほとんど向こうの人たちから見たら、少年ですよね。    

TEI:
そうですね。

小室:
確実にね。

TEI:
うん、確実に少年で、よく、クラブ入れてくんなかったですよ。「いくつ?」とか言われて。

小室:
「ID見せろ」っていう感じですよね。

TEI:
そうそう。で、そうこうしてるうちに、気がついたらなんかこう、ローカルDJとしてはあの、東洋人DJって、僕とあと一人ぐらいしかいなかったのかな? そのメインストリームでやってたのは。 

小室:
そこがね、やっぱりこう、話を聞けば「ああ、そういうことでなったのね」ということなんだけれど、どうしてそうなったのかって、やっぱその部分てのは、みんなやっぱ不思議だと思うね。

TEI:
そうですね。

小室:
俺なんかも、もしも同じようなプロセスを経ていたとしても、で、そのDJのとこで、となりにいて聞いたりとかしたことあったとしてもね、そこで入っちゃうとこまでの、そのあいだって、なんかスポッてやっぱりわかんないよね、誰もね。

TEI:
そうですね。だから、気がついたら全員、本当のブラックの総金歯みたいな人しかいなくて、僕と彼女しかいなかったとか、東洋人は。そういうことがしょっちゅうありましたね。

小室:
それはどうなんですかね? もともとそういった、なんていうのかな? ナショナリティみたいなの、意識がね、すごく無かったっていうか、気にしない方だったんですか? 

TEI:
いや、本当にいっぱい、いろんな人種いるでしょ? それで僕、日本では国籍、韓国なんですけれども、まあ、それもあんまり意識したことなかったんですが、向こうに行って、なんつうのかな? そういう国籍の違いとかっていう以上にさ、なんか、みんなけっこう地球人的な意識が、僕なりになんか、コスモロジーみたいのができて。

小室:
なんかあったんだね、それはね。

TEI:
だからなんか、たまたまその、人種でいうとブラックの人が多かったけれども、そういう人たちの作る、作ったり熱狂してたりする音楽が、とにかく面白かったんでしょうね。一番、自分にフィットしたんで、そこにドップリ浸かってたって感じです。

小室:
まあ、そのドップリが大事なんでしょうね。

TEI:
そうですか? 

小室:
かなり浸かっちゃったわけですよね? 

TEI:
そうですね。

小室:
その時はね。ああ、なるほど。じゃあまあ、そこがけっこうこう、本当、凝縮して、もう人生の中で、非常にすごいコンプレッションされたとこで。

TEI:
そうですね、コンプレッションされて。だから、朝ごはん食べながらもう、ヒップホップのミックスとか聴いてましたから。今、できないですから。歳ですから。

小室:
うーん、そうだね。うーん、なるほど。えぇと、じゃあ、そこからどちらかというと、非常に自分のスペースっていうかリラックスした時の、なんていうか。    

TEI:
そうですね。まあディライトも、一応シンガーがいるんですけども、やっぱりなんかその、彼女もラッパーじゃないし、ゴスペルシンガーではないし、だから、僕らは僕らでなんか、ある時点でこう、その、なんつうのかな? ブラックの人に対するこう、コンプレックスじゃなくてその、それをリスペクトに変えて、で、僕らは僕らでそのリスペクトを表現するっていう。その、なんつうの? 自分なりにね、やればいいんじゃないかって気がついたんですよ。で、それが今度バンドからちょっと、僕は休憩してその、プロデュースワークとか、他の人とも仕事したかったんで、してるうちに、なんかボサノバとか聴くようになっちゃって、で、まあ、ソロアルバムはちょっと、今までのディライトと較べると、もうちょっとラウンジな感じで、まあ、自然になんですけど。

小室:
あれはあの、今のっていうのは、海外も出てるんですか? 

TEI:
はい。出ました。

小室:
ニューヨークとかイギリス出て。

TEI:
で、シングルがえぇと、出て、まあ、ビルボード、ダンスだと22位ぐらいかな? 今週。まだなんですけど。

小室:
まあ、でも、それが入ってて? 

TEI:
うん。まあ、入ってて。で、セカンドシングルが7月の末出て、7月と8月にヨーロッパとアメリカちょっと、ツアーするんですよ。

小室:
ああ、なるほどね。

TEI:
DJツアーですけど。

小室:
あ、DJツアー。

TEI:
演奏、大嫌いなんで。

小室:
そうか、みんなは演奏より大変だとか思うだろうけどね。

TEI:
でもDJは、人のレコードを回すわけだし、基本的にその、人のレコードで踊らせればいいわけだから。で、それはなんか僕、フリーなんですね、僕にとって。で、僕の作る音楽っていうのは、その、レコーディングでしたミックスダウンでね、艶、出した時点で完結しちゃってるから、だからそれを再演奏するってことにはまったくね、興味ないんですよ。シーケンサーがそれこそ、やればいいじゃない、ロボットがやればいいじゃないって。

小室:
なるほどね。じゃあ、自分のお皿もその、DJの一つのソースとしては。

TEI:
そう、客観的に。

小室:
客観的に使う?

TEI:
でも、ちょっとやっぱし、自分の曲は、もうちょっと最後まで、ここまではかけたいなっていう、入っちゃいますよね、思い入れがね。

小室:
ああ、はい、はい、はい。

TEI:
でもやっぱ壊さなきゃって思うんですけど。一番いいとこでブチ壊すとかね。    

小室:
じゃあまあ、次の曲に行ってしまうとか。ああ、なるほど。僕なんかもよく、「けっこう冷たいね」って、自分の音楽にとか、まあ、とか言われることもあるんですけど、やっぱりかなり、そこらへんはクールに見てますね、そしたらね。    

TEI:
ライヴとか、あんまり興味ないですか? やっぱし。

小室:
ん? 興味なくはないですけどね。まあ、僕はその、半分半分だね。今の、その再現性っていう意味で、非常になんていうんですかね? 繰り返しの、リピート作業という気持ちもあるし、うーん、まあ、そっからなんか、よくライヴをたくさんやってる人が、そっから何か生まれるっていうこといいますよね?

TEI:
ああ、そうですね。

小室:
だから、そっちのこともあるんで、まあ、どっちもどっちですね、半々で。いい時もありますよ、それでね。

TEI:
それも、もちろんありますよね。

小室:
あとはだから、僕なんかはさっきの話で、プログレッシブロックとか、そういうとこから入ってるから、ああいう人に対しての憧れみたいなのはね、いまだにあるから。

TEI:
あとやっぱ、パフォーマンスの比率が、多分、僕に較べて少しなんかその、大事だなっていうのが、わかってるんじゃないかな? 

小室:
うん。高いかもしれない、それが。

TEI:
僕はだから、パフォーマンス、練習が嫌いなんですよ。

小室:
あ、それは僕もそうです。

TEI:
ああ、そうですか?

小室:
もう、大っ嫌いですよね、うん。できることならそう、リハーサルしたくないもんね、僕もね。段取りぐらい追うぐらいでね、したくないけど。

TEI:
舞台とかはね、すごく興味あるんですよ、映像とか。だから、そっちにはね、なんか裏方に回りたいなっていう感じかな? 必要があったら。

小室:
そうか。今のその自分の名前、名義で、自分名義でソロアルバムのは、それは作業、行為としては、どこに入んですかね? そういうのはね、じゃあ。

TEI:
うーんとね、まあディライトでデビューしてからプロになって、必ずなんか身意識のうちにディライト…………、自分のやること=ディライトっていう、なんか最初あったんですよね。それ以外のこと考え付かなくて。で、まあ、そのバンドメンバーとのこう、音楽的なズレとかも、今ちょうどタイミング的に来てて、それを別に僕はポジティヴなことだと思っているんだけど。で、そん時にどういう形の中でやるのがいいのかな? と思って、まあ、それこそだから、なんかTowa Jungleとか名前付けてもいいのかもしんないけど、T Jungleとかでもいいのかもしれないけど、別にTowa Teiでもいいかな? っていう程度のもんなんですよ。ただその、小室さんがやるようにその、Prodused by t.komuroとかっていう形の、Towa Teiっていうのも確立したいなと思ってるし。

小室:
なるほどね、じゃあ、まあ、それはまあ、これでもう、なんていうのかな? 本筋にしてとかっていうことではなくて? 

TEI:
ないですね。

小室:
ぜんぜんそういう感じじゃないですね。

TEI:
Tシャツとかも作ってんのとか楽しいし、今日もDJやるんですけど、小っちゃいところで、シークレットで。

小室:
ああ、本当に。   

TEI:
だから、アートディレクションとか最近すごい楽しいんですよ。あのGeishaのやったんですけど。

小室:
あ、そうなんだ。

TEI:
LPの方。

小室:
あ、本当に。へぇー。でも、そういう美術の学校行ってるぐらいですからね。    

TEI:
まあ、学校は関係ないですけどね。

小室:
でも、興味はあったんでしょ? 

TEI:
ありますね。もともとそういう仕事、やっぱり音楽が好きだったから、音楽やる人のビジュアルブレーンになりたいっていう発想で、美大行こうと思ったんで、なんか立場が逆転しちゃったけど。

小室:
そうですね。

TEI:
それを利用してね、あの、ミュージシャンであることを利用して、どんどんなんか、僕ならではのグラフィックをやっていけたらいいかなと思ったから、5年後とかは、ソロアルバム作ってないかもしれないですね。アートディレクターやってるかもしれないし。

小室:
まあでも、新しいまあ、プロデュースっていう言葉かどうかわかんないんですけどね、でも、クリエイターとしてはもう絶対、日本で、まあ多いのかもしれないけれど、でも、ちゃんと形になってるってう人やっぱ少ないと思うんで、必要な人材ですよね、きっとね。

TEI:
僕ですか? 

小室:
うん。

TEI:
いやー、小室先生に言ってもらえるなんて。

小室:
あの、たくさんいるとは思うんですけどね、なかなか日本て今、今の状況、これはまた変わるかもしれないんですけど、けっこうなんていうのかな? 差が激しくなってきちゃってんですよ、もうこんなにたくさん、みんな趣味が多様になってて、みんな好きなものがあって、バラバラなはずなのに、はずなんだけども結局なんか、かなり昔みたいに、みんな右なら右っていうとこに向いちゃうのが、前みたいに指令で動くんじゃなくて、なにげなく向いてるんですよ。その、流行とかも。だからこれ、面倒臭いからなのか、そういうなのかね、コンビニエントだからっていうことですね、ことだからなのか、わからないんだけど、確かに前その、戦後何年とかの時の高度成長時代の、みんな右向けっていって、みんな流行をそっちに行く、っていうのとは違うと思うんですけど。

TEI:
違いますよね。

小室:
ぜんぜん違うんだけど、今、僕が言ったその、コンビニエントな感じで、なんとなくこう、流れていっちゃうようなことも、ありがちだと思うんですよ。だから、この前もちょっと、坂本龍一さんがゲストに来てて、そういう話ちょっとしてたんですけども「それだと僕たちは楽だけどね」みたいな話を彼がしてて、でもそう「本当いいのかね?」みたいなこともあったんですけど。多分もっと「もうA、B、もうこれ、どっちとったらいいか、もう本当、迷っちゃう」なんていうぐらい、AもBも面白くて、それでどっちもすごいあの、質も高くて「本当、迷っちゃう」なんていうような状況が、音楽とかね、そういうアートとか、全部あれば、そこで迷わせるということで、全部こっちに行かないかもしれないっていうかね、と思うんですよ。

TEI:
なるほどね。

小室:
だから、そのためにはもう。

TEI:
いろんな人材が?

小室:
いろんな人材がガガッとこう上がっていて。

TEI:
そうですね。

小室:
なんていうんだろう? もう、迷わざるを得ないというか、もう「本当、悩んじゃう」っていう感じのね。

TEI:
そうですね。

小室:
そういうのあると、いいと思うんですよね。あの、ゲームの機械とか、みんな頑張ってるじゃないですか? 今。ソニーも頑張ってるし、セガも頑張って、任天堂も頑張っててとかって。で、確かにプレイステーションというのと、セガサターンというので「どっち買おうかな?」っていうので「ソフトによって」とかで、確かにこう、迷うとこってあると思うのね。だからちょっと、音楽もそういうようなものっていうか、わかりやすく言うとそういうもんで、そのぐらいこう、考えちゃうようなね。例えばダンスミュージック一つにしても、それがあるとね、面白いなと思ってて。

TEI:
そうですね。でも、変わってくるんじゃないですか? きっと今の若い子の耳とかっていうのは。けっこう変わってきてると思うんですけどね。全世界的にね。

小室:
変わってきてる感じします? 

TEI:
僕はしますね。だからなんだろうな? 僕の未来像っていうのはその、なんていうのか、もっとなんかその、今、言われたように多様になっていく、本当にゴッタになって、それがまあ最終的にジロジロになってね、一つのなんかこう、わかんないけど、いろんな色が混じり合って黒がいできるとか、そういうふうになっていくんじゃないかなっていうか、そういう絵を見たいなっていう気がしてるんですよ。だから、いろんな価値観あっていいから。

小室:
 うん、うん、そうなんですよね。で、もう、だから、これはもう本当、正直いってその、Tei Towaさんていうのはまあ、向こうでやってるとイメージで、まあニューヨークとかであったりとかで、まあ、なかなかこう、日本での作業っていうのは、まあ、その流れで辿り着いたとこでの作業だったりとかするのかな? と思ってましたけど、でもまあ、日本のマーケットっつうのもきっと、面白いなとかそろそろ思ってるのかな? っていう。

TEI:
そうですね。っていうかまあ、単純にニューヨークちょっと飽きたかな? っていう感じなんですけど。で、だから、その、僕が行ってるあいだに例えばその、小室さんとか、TMネットワークとかもなんか、たまに送ってくるさ、「月刊カドカワ」とかにバァーンて載ってて「何だろうな? この人たち」っていうぐらいたったんですよ。で、最近はその、まあいろいろプロデュースいっぱい仕事してるしっていうので、まあ耳にはしますよね、っていう感じで、なんかよくわかんないんですよね、日本が。だから、ちょうどニューヨークに行った時に「何だかわかんないな」っていう「だけど面白そうだな」っていう感じがあったんで、だからまあ、今は東京の方が僕は、ニューヨークより刺激的かなと。

小室:
ふーん、でもけっこうね、ガンガンやって欲しいんですよね。だから、できたら。

TEI:
あ、そうですか。でも仕事遅いんですよ、僕。アシスタントも一人もいないんでね。

小室:
ああ、使わないんですか? 

TEI:
使わないっていうかね、わかんないんすけどね。

小室:
もう一人でこう? 

TEI:
巡り合いがまだないんですよ。アシスタント募集してますのでよろしく。なんて。

小室:
そうですね。少ないっちゃあ少ないけどね。アシスタントも大変ですよね、選ぶのもね。

TEI:
でもなんか、小室さんの噂も聞きましたよ、その、アシスタントがなんか「俺さ、小室やってんだけどさ」みたいなこと言ってんだけど、結局、小室さんが後ろで全部やってる、みたいなそういう。

小室:
そんな人いたかな? 

TEI:
噂を聞きましたけどね。

小室:
そうだね、まあ。

TEI:
結局、そうなっちゃうんじゃないですか? だから「ここぞ」っていう時は。    

小室:
うん。最後のね、やっぱり味つけみたいのはね、自分じゃないとわかんないですけどね。

TEI:
その数値でさ、242なのか243なのかっていう、今その、bitのこと言ってるんだけれども、そういうこだわりって、いちいち数字にしてコミュニケーションすること自体がタルいじゃないですか。だったら自分で打ち込んじゃった方がいいかなっていうのが、気はしますね。

小室:
そうだね。あのまあ、仕事は、仕事のそのスピードはともかくね、でもなんか、メジャーな感じのをこう、ボンッてこうちょっと、投げかけてくれると、きっと相乗効果があると思うんだね。今、自分で言うのなんですけど、でも、かなりプロデュースっていう名前は、僕の名前より、プロデュースって名前を頑張って売ろうとしてたんで、なんか、わかりやすくはなってきたと思うんですよ。だから、ここにまた違う血でボーンとかやってくれると、面白いなと思いますけどね。

TEI:
いやいや、ありがとうございます。

小室:
俺、けっこう真面目で言ってますけど。

TEI:
いや、目、見てました、僕も。

小室:
社交辞令じゃなくて、本当、思うんですよ、それは。

TEI:
でも、あの、小室さんのね、あの、はっきり言って好きなものも、嫌いなものもあるんですけれども「すごいな」と思うのは、なんつうのかな? こう、最初に言ったこととか、ボンッて、例えば「200万枚売るぞ」とかいって、しちゃったりとか、それ、しようと思っても出来ない人が多いじゃないですか? っていうこととかとね。あとね、なんだかわかんないけど「俺、プロデューサーなんだ」っていうヤツ多かったんですよね、クラブとか特に。ディスコん中とかで。なんか「なんかいろいろプロデュースしてるんですけど」っていう「なにプロデュースしてんのかな? この人」っていう人、多いじゃないですか。いません? いや、笑ってますけど。

小室:
いまだに多いですよ。

TEI:
多いですよね? 

小室:
多いですっていうかその、名刺にね。

TEI:
うん、うん。あ、プロデューサーって入ってる?

小室:
プロデューサーって入ってる人、多いですね。

TEI:
多いですかね。

小室:
まあ、間違いなくそれは。

TEI:
で、そういう意味ではなんか、そういうのをさ、なんか、邪道っていうか、突き放してくれた感はあるよね。

小室:
突き放したわけじゃないですけど。

TEI:
だから、実際だって、そんな売れない…………、まあレコードだったらね、売れないものをプロデュース100個してたら、それはクビですよ。僕がレコード会社の人間だったら雇いませんよね。だから、そういうのは明確にしてくれて、まあ、ちょっと勘違いしてる人もまだいると思うけど、それはまあ、なんかリスペクトしてるとこかな? っていう。

小室:
ああ、ありがとうございます。

TEI:
いえ、いえ。

小室:
だから、僕、プロデューサーっていう名刺持ってないですね。

TEI:
僕も持ってないですね。

小室:
「こういうものです」っていうね。厭味ですよね? こう、プロデューサーって書いてあったらね。

TEI:
僕、吉本興業なんです。

小室:
あ、吉本の方なんですよね?

TEI:
そうなんですよ。

小室:
今日、一番あの、衝撃的だったのそれなんですよ。

TEI:
あ、そうですか? けっこう衝撃みたいですね。

小室:
そうですよね。

TEI:
あの、ダウンタウンと一緒のオオサキはんなんで。

小室:
オオサキさんがマネージャーだと聞きましたけども。

TEI:
そうなんです。

小室:
それでもまあ、一つまた面白いことっちゃあ面白いことなんだよね。

TEI:
なんか面白そうな予感はね、してるんですけど。だから僕、ダウンタウンとかやっぱ、向こうに行ってて知って。

小室:
あ、向こうで見ました?

TEI:
うん、向こうでビデオとかも送ってきて。で、向こう、大阪の人間多いんですよニューヨーク、なぜか。で、大阪の人は声が大きいっていう説もありますけど、で、耳にするって浜ちゃんが言ったんだけど。そう、だから、それで知ってカッコいいなと思ったし、なんかそういう人をね、えぇと、世に出した人がマネージャーになってくれるっていうのは、ラッキーだなと思いますけどね。 

小室:
あ、それ、最近ですか? 

TEI:
つい最近です。

小室:
じゃあ、これから、いや、今までのその、流れが吉本がやってたら、僕すごく不思議だったんですけど。「かなりシブいマネージメントすんな」みたいな感じだったんですけど。でも、これからなんですよね? 

TEI:
そうですね。で、別に入ったからっつって、あの、こうやってテレビ出てるとか、その、これからなんかあの、ヌイグルミ着たりとか、そういうことも別に。    

小室:
そういうカブリものをやるというわけじゃないですね? 

TEI:
僕は希望してるんですけど。

小室:
希望してる? あ、そこはすごいですね。

TEI:
それはないと思いますよ。みんななんかね、なんか出るんじゃないかと、アホアホマンとかなって。思ってるみたいですよ。ないです。

小室:
それはないと。

TEI:
ないですね。

小室:
それはもう、ちゃんとオオサキさんに話してある。

TEI:
うん、いってます。知ってますよね? オオサキさんね。

小室:
知ってます、うん。このあいだ初めて会いましたけどね、ええ。

TEI:
そうですよね。

小室:
あ、じゃあ、でもまあ、とは言ってもちょっと面白い、特に日本の中の展開だったらね、面白いこと出来んじゃないかなぁ? いろいろ。

TEI:
そうですね。

小室:
その、オモチャがたくさんありますからね、マネージメントする時に、あの、吉本とかだったらね。いろいろ出来んじゃないかな? ナインティナインとかプロデュースしてくださいよ、なんか。

TEI:
いやー、ちょっとノー・コメントかな? 

小室:
ノー・コメント? ノー・コメントですね。

TEI:
一つね、考えてるのあるんですけど。

小室:
あ、なんかアイデアはあるんですか?

TEI:
はい。

小室:
じゃあ、まあ、さっきチラッと、東京にけっこう拠点をもう置くっていう感じなんで。

TEI:
そうですね、そこ、だから、東京発でね、あの、だから多分、次のLPも全世界発売になるだろうし、まあ、そういうものをなんか、東京で作っていけたらいいかな。

小室:
その、ワールドワイドがサラッと言えるとこがいいよね。

TEI:
いやー、もう。

小室:
僕もやっとヨーロッパ出たんですよ、このあいだ。

TEI:
あ、本当に。

小室:
このあいだから。ヨーロッパ特にUKですけどね、チャートにやっと入ってきたんで、で、やっとそういう話が出来るようになってきたんだけど、まだアメリカは遠いね、僕からすれば。僕は確実にもう昔から、あの、ブリティッシュ経由っていうか、ブリティッシュっていうかUK経由でアメリカっていうのが、一つの自分の中のあったんでね。

TEI:
僕のルーツが、けっこうそうなんですけど、それを何故かニューヨーク行っちゃったのが良かったかなっていう。本当はロンドンのが好きだったんですよね、その頃のグラフィックとか音楽とかはね。

小室:
ああ、そあですか。

TEI:
でも、そこにいたから、あんまりアメリカでとかっていうのは意識しなくてよかったっていうのはラッキーかな。DJとして、だから自分でかけて、自分の曲で一番盛り上がりを見たいって思ってて、それがなんか、出来るなと思ったら実際その、ダンスチャート一位とかなるようになったってことなんで、別にその、なんかいるじゃないですか? ピーであの、M・Sさんとか、あの、ソニーの、松田聖子さんとかいるじゃないですか。で、なんか、そういうのってなんか、ぜんせんわかんないなっていうか。

小室:
あ、向こう、アメリカで。

TEI:
そうそうそう。実際やっぱ、みんな知らなかった。でもね、向こうで知ってたのはやっぱ、Yellow Magic Orchestraはやっぱ、みんな知ってましたね。Ryuichi Sakamotoっていう名前と。

小室:
うん、まあね。賞が賞ですからね。

TEI:
ピンクレディーもけっこう有名でしたよ。

小室:
あ、そうなんだ。

TEI:
友達のオカマの子とか、持ってますよ。

小室:
あ、持ってます? 

TEI:
あのキッチュさがたまんないみたいですよ。

小室:
へえー。そういうのはね、やっぱりずーっとそういう話聞いてみないとわかんないもんね。

TEI:
そうですね。

小室:
たまに行ってちょっと聞いたからって、やっぱわかんないしね、そこらへんは。

TEI:
そうですね。でもロンドンはすごく近くなってると思うし、僕はヘタしたら東京のが、面白いもんは面白いと思うから。だからまあ、ニューヨークも含めてだけど、なんか東京でこう、チャートかなんかあって、それをロンドンがこう、フォローするとか、そういうふうになってきたら面白いかな。

小室:
ああ、そうですね。若干だから、このあいだそのね、ロンドンの、ロンドンって、ミュージックウィークっていう本があの、H Jungleを取り上げてたんですよ。どういう取り上げ方かっていうと、だから「全世界で、ジャングルで一番売れたCD」っていう。

TEI:
あ、そうでしょうね。

小室:
っていうくくりだったんだけど。

TEI:
日経プレジデントみたいなくくりですね。

小室:
そういうくくりで、で、どこが、だから最初の問いかけで「誰がジャングルのCDを一番売ったんだ?」みたいな、そういうなんか会話調でね、なってて。で「ロンドンじゃないんだよ」「M・ビートじゃなかったんだよ」みたいな感じで「H Jungleって知ってるか?」みたいな感じで書かれてて、まあ、ちょっととかそういうのはわかんないけどね、でもまあ、そういう話題になってたりして、まあ、面白いっちゃあ面白いですね。

TEI:
そうですよね、面白いですよね。

小室:
そういう、もうちょっとそれがこう、頻繁に行われてるといいですけどね。

TEI:
ね。普段いつもだから、アメリカチャートとか、ロンドンチャートとか、こういう深夜の番組とかで………、これ深夜じゃないのかな? わかんないすけど。

小室:
ド深夜ですよ、ええ。

TEI:
ド深夜ですか? わかんないですけどあるじゃないですか? なんか、それじゃなくてね、両方あると面白いですよね。そろそろ〆に入りますか?

小室:
そうですか? 

TEI:
なんか気配が。

小室:
気配が?

TEI:
バイブを感じます。

小室:
ここに出てくるゲストの方で、そう、二つに別れますね、そこらへんで。まったくそういう気配を感じてくれない人と。

TEI:
ああ、なるほど。

小室:
こう、なんとなく察してくれる人と。

TEI:
ああ、プロデューサータイプですから。

小室:
そうですね。

TEI:
冗談ですけど。

小室:
面白いですよね、そこらへんはね。本当そうですか? 僕ちょっと今日は、紙がいま、見えなかったんで。あ、そういう感じで。

TEI:
いやー、面白かったです。なんかいろいろ。

小室:
そうですか? 

TEI:
ちょっと、秘密がわかって。

小室:
なんかいろいろ、今日は聞き手に回って、いろいろ本当、聞きたかったので。    

TEI:
僕も、もっといろいろ聞きたかったですけどね。また、そのうち。

小室:
はい、ありがとうございます。

TEI:
はい。 

小室:
じゃあ、どうもありがとうございました。

TEI:
どうも。


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