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- 中居:
- こんばんは、中居正広です。
今週のゲストの方なんですけども、いろんな肩書きがあるのではないかと、我々も、そして視聴者の方も思ってると思います。本当にテレビに出る今まで回数が非常に少なく、本当、数えるほどじゃないかなと思いますが。いったい、今日はどんな話が聞けるんでしょうか? 僕も楽しみです。御紹介します、今週のゲストです、THE STREET SLIDERSの皆さんです。どうも。- ハリー:
- こんばんは。
- 中居:
- と言ってもヴォーカルのハリーさんだけ。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- 後ろでメンバーの方は。
- ハリー:
- 密談してるけどね。
- 中居:
- あれは密談ですかね? 本当、ざっくばらんですね。お酒飲んでますよ。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- まあ、いろいろとお話を伺いたいこといっぱいあるんですけども、結成されて今年で何年になるんですか?
- ハリー:
- 15〜6年ですね。
- 中居:
- 15〜6年。本当にテレビに出る回数、さきほどもチラッと言いましたけども、数えるぐらいですよね。なんかその、テレビに出ないこだわりみたいなのっていうのはバンドの形式としてあるんですかね?
- ハリー:
- 俺はね、元々あんまりテレビ見ないほうなんだよね。
- 中居:
- あ、見ることもそんなないほうなんですか。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- へぇー。じゃあ、もちろん興味みたいなのっていうのもないんですかね?
- ハリー:
- うーん? そうだね。あんまりテレビは、うん。
- 中居:
- でも、今、音楽界もいろんなバンドの人とか。
- ハリー:
- ああ、そうだよね。
- 中居:
- すごいんですよ。まあ、それはいろんな話を耳にすると思いますけども、いろんなバンドがいて、いろんな音楽を演ってたりしますけども、スライダースの皆さんの音楽の形式みたいっていうのは、結成されて15〜6年、ちっとも変わんないですよね。
- ハリー:
- そうだね、うん。もう、やりたいことが決まっちゃっててね。好みが決まっちゃってるからね、変わんないんだよね。
- 中居:
- 影響されるっていうことはないんですかね?
- ハリー:
- そうだね、まあ、あんまり新しいのもね、あんまり聴くほうじゃないね、どっちかっていうとね。ほら、出るとたくさん聴く人いるじゃない。そういうタイプじゃないね。
- 中居:
- 15年16年、ずっと同じ音楽、自分たちの好きなような音楽を。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- でもね、さきほどもチラッと話しましたけど、ライヴも例えば3年振りだったり4年振りだったり。で、今回11月に出ますアルバムも1年振りだったり2年振りだったり。期間が長いですよね。
- ハリー:
- うん、そうね。
- 中居:
- それっていうのは、作る段階で作ろうと思って作ってらっしゃるのか、それとも逆に周りの人に、レコード会社なりスタッフの方に「ちょっと作ってくれよ」と。「もうそろそろ作ってくんないと困るから作ってくれよ」と要求されて作ってるのか、どっちなのかな? と思うんですよ。
- ハリー:
- あのね、俺はね、テーブルに向かって「作るぞ」っていう感じで作ったことはないんだよね。
- 中居:
- あ、曲も詞も?
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- 「よし、じゃあ、曲を作ろう。こんな曲を作ろう」そういう気持ちで作らないんですか?
- ハリー:
- うん。あのね、まあ、曲は作りたいなぁって常々思ってはいるんだけども、浮かんでくるまで待ってるっていうかね。あの、無理してね、作らないんだよね。無理してもね、いいの出来ないのね。
- 中居:
- じゃあ、自分がもう自然に? 自分でもわからないですね、いつ出てくるかっていうのは。
- ハリー:
- そうだね、うん。
- 中居:
- いつ閃く、まあ閃くっていったらおかしいですけども、いつポンッて出てくるかわからないんですね。
- ハリー:
- そうそう。
- 中居:
- それが2年であったり、3年のブランクがあるわけですね?
- ハリー:
- そうそう、そうそう。
- 中居:
- でも、ファンの方々っていうのは、やっぱり早くライヴもやって欲しいですし、早くアルバムも作って欲しいですし。やっぱり早くっていう気持ちは絶対あると思うんですよね。
- ハリー:
- うん、そうだね。
- 中居:
- それに応えてあげようっていう気持ちとかはないんですか?
- ハリー:
- そうだね、うん。やっぱりね、ファンがいてくれるからね、続けられるっていうのはあるからさ。あの、放ったらかしてるわけじゃないんだけど、うーん? 結局は自分のペースになっちゃうんだよね。
- 中居:
- まあ、そうすることによってでも、どんな年月が経っても自分たちの後悔しない音楽ですよね。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- 自信を持って出せる音楽ですよね。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- 中途半端に月日に追われたり、周りに要求されてしょうがなしに出してる作品ではないってことは確かですね、じゃあ。
- ハリー:
- そうだね、うん。
- 中居:
- それは、もしかして一番言えることなのかもしれませんよね。でもあの、ライヴでね、前、最初の頃っていうのは、アンコールをやらない?
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- ちょっと珍しいなと思ってたんですよ。なんでアンコールをやらないっていうのは?
- ハリー:
- 気分屋なんだよね、俺が。
- 中居:
- 気分屋?
- ハリー:
- だからまあ、その当時は、本当にやりたくなければやらない。やりたくなったらやる。そういう感じだったからね。
- 中居:
- だからあの、ライヴのオープニングも、なんかダラーって入ってきて、「これからやるよー」。
- ハリー:
- うん、そうそう。
- 中居:
- 「まあ、演るから観ててよ」。
- ハリー:
- そうそう。
- 中居:
- すごい気まぐれなんですかね?
- ハリー:
- うーん?
- 中居:
- 「おらぁ! いくぞ、おめぇら!!」っていう雰囲気もなんかね、強く伝わるわけでもないですし。なんか、「自分たちの好きな音楽をやってるのを、まあ見てくれればいいや」。だから、お客さんとの距離っていうのもけっこうあるんじゃないかな? なんて思ったりするんですけども。
- ハリー:
- そうだね。まあ、お客さんが喜んでれるのはすごく嬉しいけどね。やっぱりそれはこっちも感じるけど。やっぱり、自分たちがやっぱりいい感じでステージの上にいないと、演ってる俺たちに意味がないっていうかね。だから、俺たち自身が何かつかみたいっていう気持ちが強いのかもしれないね。
- 中居:
- まあでもね、お客さんに左右されることっていうのは、もちろんないでしょうし。多分、皆さんはしようともしないでしょうね。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- お客さんのノリが悪いから、「じゃあ、俺たちの音楽の趣向を変えよう」とか、お客さんのノリが悪いから、「じゃあ、今度のライヴはこの曲をやめてこの曲にしよう」とか、そういうなんか周りの反応みたいのを気にせずに、自分たちが本当にやりたいものであったり、本当に「これだ!」っ思うものしかやらない、その頑なな意思っていうのはやっぱり強いでしょうね。でも、15年16年ずっと同じ形態っていうか、自分たちの好きな音楽をやってますけども、なんですかね? その、ロックの魅力じゃないですけども。
- ハリー:
- うーん? そうだなぁ。
- 中居:
- 何が15年16年、一途にできるのかな? って。
- ハリー:
- やっぱりあの、まあ、若い頃にね、ロックに出会うわけじゃない、最初にさ。その時の衝撃とかさ、新鮮さ、それが忘れられないっていうかね。
- 中居:
- それだけなんですかね?
- ハリー:
- まあ、あとはロックンロールバンドを続けて行くっていうことに、何か意味があるような気がするからね。
- 中居:
- なるほどね。どういう意味が込められてるんでしょうかね?
- ハリー:
- あの、俺の場合、ロックンロールじゃないとダメなんだよね。他にいろんな音楽があるじゃない。だけど、なんて言うのかな? もう生活から何から全部ロックンロールっていうイメージ。
- 中居:
- でもあの、スライダースっていいますと、グループじゃないですか。で、15年16年、ずっと変らず同じメンバーと過ごしますと、必ずやっぱり音楽に対する姿勢であったり、気持ちのズレみたいのがね、生じてくるんじゃないかっていう。今まで、そういうなんか対立っていうか、対立じゃなくても、擦れ違いがあったんじゃないかな? って。
- ハリー:
- そうだね。やっぱりロックンロールをずっと続けてくっていうのは、楽しいことばっかじゃないよね、やっぱりね。あの、まあ、人間ね、生きてれば、例えば壁にぶつかってさ、どん底まで落っこって、ヘヴィーな状態になったりするじゃない。まあ、その時はその時でまあ、動かなきゃならなかったりとかね、そういうのって辛いじゃない、やっぱり。どうしようもなくなって、例えばもうとりあえず活動を一旦停止するとかさ、まあそういうこともあったしね、今までに。それでもやっぱりロックンロールが好きなんだよね。他にやりたくないんだろうね。
- 中居:
- 好きだっていう気持ちだけで、ここ長い年月続いてるんでしょうね。
- ハリー:
- うん、そうだね。
- 中居:
- それはやっぱりメンバーの皆さんも、やっぱり向かう方向は多分、一緒なんでしょうね。
- ハリー:
- うん、そうだね。
- 中居:
- 先々に見ている方向っていうのが、ちゃんと一致してるんでしょうね。ですからやっぱりここまでやってこれたのかなと。
- ハリー:
- うん、そうだね。
- 中居:
- でも、一時あの、メンバーの方で事故に遭ったことがあって、停止になった時あったじゃないですか。ライヴも全部中止になった。あの時っていうのは、他のメンバー誰かを入れて何とかライヴをやろうかなっていう意思は、気持ちはなかったのかな? と思って。
- ハリー:
- うん、ぜんぜん考えなかったね、それは。「あ、もう他の奴じゃダメだ」と思って。
- 中居:
- 他じゃダメなんですかね?
- ハリー:
- うん。ウマけりゃいいとかさ、そういうもんじゃないんだよな、バンドってさ。やっぱりもう家族みたいな感じだからさ、一つのさ。まあね、どっかの奴連れてきてやろうと思えばやれるんだろうけど、まあ、それは考えなかったな。
- 中居:
- ってことは、誰が抜けてもダメなんでしょうね。
- ハリー:
- そうなんだろうね。
- 中居:
- 誰が抜けても成立しないバンドなんでしょうね。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- 他のバンドの方々の話にね、長い年月をやってる方々の話を聞くと、途中でメンバーが変っただったり、あるいは音楽性が時代のその、まあ流行りっつっちゃあおかしいですけども、その音楽の形態に移って行くだったりするじゃないですか。
- ハリー:
- そうだよね。
- 中居:
- それはもしかして、どのバンドもそうかもしれないですよね。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- だから、スライダースの皆さんは、そういう周りの音楽に流されることなく、常に今のメンバーの4人だけでずっとやってくってことは、ある意味では勇気の要ることでもあるんじゃないかなって思うんですよ。で、売れたいっていうのはやっぱりあります?
- ハリー:
- そうだね。やってるからには売れたほうがいいんじゃない?
- 中居:
- 売れたほうが?
- ハリー:
- でも、どっちかっていうと「売れたい」っていうより、「やりたいことやりたい」っていう感じかな。
- 中居:
- そうでしょうね。
- ハリー:
- わかると思うけど。
- 中居:
- その順位とか枚数とか数字にこだわらず、自分たちの音楽だけをやっていきたい。
- ハリー:
- だから、なんかやりたいことをやり通してさ、それで売れたら最高じゃない。
- 中居:
- 最高ですよね。
- ハリー:
- うん。そうなったら最高だね。
- 中居:
- それをね、評価してくれたら、もう何にも言うことないですよね。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- 中途半端に自分のやりたいことを崩してね、もしかして、売れようと思ったら売れるかもしれないですよね。もしかして音楽の趣向を変えたりしてね。
- ハリー:
- ああ、なるほどね。
- 中居:
- 売れるかもしれないですよね。
- ハリー:
- そうだよね。
- 中居:
- 売れなくてもやっぱり自分の音楽っていうのをやりたい気持ちのほうが強いってことですよね。
- ハリー:
- そうなんだよね。
- 中居:
- でもあの、もう15年16年ておっしゃってましたけども、なんか米軍のキャンプかなんかに行って回ってたっておっしゃってましたよね。どんな感じなんですか? 想像がつかないんですよ。経験ももちろんないですし。周りの音楽やってる人でも、そういう人っていうのはあんまり聞いたことないんでね。
- ハリー:
- ああ、そうかもね。まあ、福生っていう街、知ってる?
- 中居:
- ええ、知ってます。
- ハリー:
- あのへんだったんだけど、まあやっぱりね、あのへんは外人がすごく多いしさ。
- 中居:
- 多いですよね。
- ハリー:
- で、まあなんか、リトルストーンズとかいうふうに呼ばれててさ、その頃。
- 中居:
- へぇー。え? 今から何年前ですかね?
- ハリー:
- だから、15年ぐらい前。
- 中居:
- 結成当時ですね。
- ハリー:
- うん。まあなんかね、すごい外人の方っていうのはやっぱりストレートだからさ、リアクションが。もう、つまんないとビール瓶は投げてくるわ、野次は飛ばすわっていう感じで。俺もステージ下りてってそいつ捕まえてさ、トイレの中ぶち込んでさ、ぶん殴りまくってさ。で、叩きのめしてからステージ続けたっつうのあるけどね。
- 中居:
- それってどうなんだろ?
- ハリー:
- いや、あの、気持ち良かったけどね。
- 中居:
- 気持ち良かったんですか?
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- それは「なんだ? これ! つまんねぇよ! おめぇ!!」っていう雰囲気だったんでしょうかね?
- ハリー:
- その客がね。
- 中居:
- お客さんが。それでステージから下りてって。
- ハリー:
- それで俺が「うるせぇ! この野郎!!」っつって。
- 中居:
- 「おまえ、ちょっと来いよ! おらぁ!!」って。
- ハリー:
- 「聴きたくねぇなら帰れ! おめぇ!!」っつう感じで。
- 中居:
- でもそれ、最初の頃だからこそ出来たかもしれないですよね。
- ハリー:
- うん、若かったしね。
- 中居:
- ストレート。嫌なものは嫌だ。
- ハリー:
- でもね、やっぱり気に入ってくれる人もいてさ。で、なんか、FENのDJやってる奴がいてさ、そいつがなんかチラッと俺たちのことを、まだアマチュアだったんだけど紹介してくれたりしたんだよね。そういうだから好意を持ってくれてる連中もいてさ。すごいいろんなことがあって楽しかったけどね。今じゃもう、ああいうことはね、出来ないからさ。
- 中居:
- 出来ないですよね。メジャーになっちゃうと出来ないですよね、逆にね。
- ハリー:
- そうだよね。
- 中居:
- でも、そういう外人の人でも、音楽を通じて認めてもらえれば認めてもらえるわけですよね、じゃあ。
- ハリー:
- そういうことだね。
- 中居:
- その時の歌詞っていのは日本語だったんですか?
- ハリー:
- うん、日本語。
- 中居:
- それでも「いい」って思う人は。
- ハリー:
- そうだね。それとやっぱりストーンズのコピーとかもやってたから、そんなのでやっぱりリトルストーンズとか呼ばれたのかもしんないしね。
- 中居:
- でも、そういう人たちに認めてもらうじゃないですけども、伝わると嬉しいですよね。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- もう音楽だけですもんね。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- 会話で認めてもらうってわけいかないですし。
- ハリー:
- ああ、そうだね。
- 中居:
- もう4人の、スライダースの音楽性だけであっちはね、OKサインかNOサインかあれですけども。ストレートに伝わるんですけどね。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- それっていうのはでも、嬉しいことですよね。また日本人が認めるのと、また違う快感みたいのっていうのは。
- ハリー:
- そうだね。はっきりしてるからね、すごく。
- 中居:
- そうでしょうね。
- ハリー:
- 日本人はNOって言えないとか言うじゃない、よく。あっちの人ははっきりしてるからね。嫌いだったらもう来ない、みたいに。
- 中居:
- 来ない。でもなんか、メンバーといちばん最初の出会いっていのも、なんかハリーさんが暴れてた時ってなんか話聞いたんですけども。
- ハリー:
- うん、なんかステージに一升瓶でね、酒をぶちまけてたらしいよ。
- 中居:
- その「らしい」っていうのは? イッちゃってたんですかね?
- ハリー:
- うーん? その頃は生活が荒んでいたんでね。
- 中居:
- お酒飲みながら?
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- え? ライヴ中だったんですか?
- ハリー:
- そうそう、そうそう。
- 中居:
- ライヴ中に?
- ハリー:
- ステージの上から客に。
- 中居:
- え? それはなんか、さっきの米軍のあれじゃないですけども、批判してたお客さんだったんですか? 「何だよ!? その音楽は!!」って。
- ハリー:
- どうかなぁ? あのね、わりとね、日本人のお客さんはシーンとしてる感じが多かったね。
- 中居:
- え? ロックででもですか?
- ハリー:
- そうそう、そうそう。俺たちほら、ステージ上がってもさ、MCとかあんまりしなかったからさ。最近はちょっとやるんだけど。
- 中居:
- 昔そうですよね。僕、ビデオ観てもそうでしたもん。ただもう演ってるだけっていったら失礼ですけども。
- ハリー:
- いや、そうそう。
- 中居:
- もうだから変な話、スタジオでやってる姿勢と、ステージでやってる姿勢っていうのは変んないですよね。
- ハリー:
- そうだな。
- 中居:
- お客さんのなんかっていうのないですよね。昔のあれですけども。で、その当時もジーッと見てたんですかね?
- ハリー:
- そうだね。みんなジーッと見てたね、シーンとして。で、やっぱ「踊れ! この野郎!!」みたいな感じでぶっかけてたんじゃないかな?
- 中居:
- あ、やっぱその当時、お客さんの反応であったり、やっぱり気になってたっていうか、悔しかったんですかね?
- ハリー:
- うーん? あんまりシーンとされてもね。やっぱりノッてくれたほうが気持ちいいよね、やってるほうはね。
- 中居:
- でも、ライヴビデオ見させてもらいましたけど、お客さんすごい自由ですよね。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- 中にはやっぱりいますよ、ジーッと見てる人。お客さんたまに映るんですよ、そのビデオの中でも。ジーッと見てる人もいるんですよ。頬杖ついて見てる人もいるんですよ。拳を振り上げて見てる人もいるんですよ。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- 中には座ってる人もいるんですよ。
- ハリー:
- そうなんだよ。子連れとかね。
- 中居:
- そうですよ、親子連れもいるんですよ。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- いろんなあらゆる見方でね、スライダーズの音楽を見てる、聞いてる。あの形態っていうのはやっぱり、お客さんの質っていうのはアーティストの質に似たりするんですよね。
- ハリー:
- いいこと言うね。そうかもしれないよね。
- 中居:
- ね。だから、お客さんが自由に見てるっていうことは、アーティストも多分、自由なんでしょうね。そのお客さん見た時に、スライダーズの皆さんていうのは、自由、まあ自由っていう言葉だけで片付けるのはあれですけれども、うん、気ままに見てるお客さんがいて、気ままにやってるスライダースの皆さんがいて。でも、さきほどもチラッと言いましたけど、アンコールを、MCを最近はやるようになったって。何ですかね? その気持ちの。まあ、些細なことですけどもね、その移り変わりじゃないですが。
- ハリー:
- うん、まああの、自分にとって気持ちいいようにステージやりたいっていうだけなんだよね。で、あの、MCも前もって決めたことを喋るんじゃなくてさ、なんかそのステージで感じたことを、その時にちょっと喋るっていう。だから、毎回、多分違うだろうし。
- 中居:
- 何が出てくるかわからないですよね。
- ハリー:
- そうだね。言わない日もあるだろうし。
- 中居:
- あ、やっぱりその喋れない日も。
- ハリー:
- うん、そうだね。
- 中居:
- へぇー。何も感じなかったべつに喋んなくってもいいんじゃないか。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- 喋りたいなぁ、喋ろうか。
- ハリー:
- そうそう、そうそう。
- 中居:
- いいですね、気ままですね。
- ハリー:
- そうだね。そうだよ、本当にね。
- 中居:
- でも、さっきのアンコールはやるようになりました?
- ハリー:
- やるようになりました。
- 中居:
- なりました。それはやっぱり気まぐれなんですかね?
- ハリー:
- なんか、お客さんの質もずいぶん昔と変ってきてね。あの、みんなすごく楽しんでくれるようになったし。それで、アンコールもすごく多くなってきたんだよね。そうすっとやっぱり、こっちも嬉しいじゃない、みんなに呼んでもらえるとさ。そうすると、「じゃあ、今日はやろうかな」みたいな感じで。
- 中居:
- じゃあ、もちろんやらない日ももちろん出てくるでしょうし、あったでしょうね。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- 本当、気ままなんスね。
- ハリー:
- そうなんだよ。
- 中居:
- そのアルバムなりライヴも1年2年、多分まあ、ポンッと浮かぶまで1年2年が経ったりするわけですよね。その間って何をやってらっしゃるんですか? 本当に素朴な疑問であれなんですけども。
- ハリー:
- うん、本当に俺はだから、気ままにやってるんだよね。うーん? なんて言うんだろうな? ブラブラしてるっていうか、とにかく自由にしてたほうがね、何か浮かぶんだよね、いいものが。頑張っちゃうとね、何かイマイチ感触がね、違うんだよなっていう。だから、本当に気ままにやってるほうがね、いいバイブレーションで出てくるんだよね。
- 中居:
- それ本当、わかんないですよね。いつ出るかっていうのも。
- ハリー:
- うん、そうだね。
- 中居:
- 今までの過程ですと、2年だったり3年だったり。もしかして、その間が今後10年のブランクがあってもおかしくないですよね。
- ハリー:
- あ、俺の場合、考えられるね。
- 中居:
- なくはないですもんね。
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- その間ブラブラしてるのか、自由にしてるんでしょうけども、あってもおかしくないですよね。
- ハリー:
- そうだね、確かにね。
- 中居:
- 周りに急かされても、べつに「出てこねぇんだもん、しょうがねぇじゃねぇか」じゃないですけどもね。
- ハリー:
- そうだね。本当にそうなんだよ。
- 中居:
- へぇー。でもあの、まあ最初のきっかけの話じゃないですけども、最初にハリーさんはリードギター。やっぱりギターっていうとやっぱり、誰しもがやっぱりリードギターやりたいんですよ。
- ハリー:
- そうだよな。
- 中居:
- と思うんですよ。なんでハリーさんはリズムをね、率先して自分からやろうと思ったのかな? って。
- ハリー:
- そのね、まあ、ローリングストーンズのキース・リチャーズっていうギタリストいるんだけど。まあ、あの人に影響を受けたっていうのが、やっぱり一番大きいかな。あの、バンドを支えてる感じがするんだよね、サイドギターってさ。リードギターっていうのはすごく華やかでさ、綺麗だったりとかさ、メロディでしょ。
- 中居:
- 見せ場もありますよね。
- ハリー:
- そうだよね。そういうんじゃなくってさ、もうちょっとリズム寄りでさ、刻んでバッキングを固めてる感じ、バンドを固めてる感じ。それがね、そのイメージがすごく強くて、それがすごく好きなのね。だから、もともと俺、歌はね、どうでもよかったの。
- 中居:
- え? どういうことですか?
- ハリー:
- あの、サイドギターだけでもよかったの。
- 中居:
- みんなでも、ヴォーカルもやりたいし、リードギターとヴォーカルって言ったらみんながやりたいところを、なんでですかね?
- ハリー:
- うん、だから、ガキの頃の俺の目から見て、それがカッコよかったんじゃないかな?
- 中居:
- そのキースの?
- ハリー:
- うん、あの、バッキングやってバンドを固めてる役。そういうパート。
- 中居:
- へぇー。珍しいですね、でもね。
- ハリー:
- そうかもね。あんまね、ロックバンドのヴォーカルはね、あんまり目が行かなかったね。
- 中居:
- だって本当、15年16年前っていろんなバンドもちろんね、今もそうですけども、いろんなバンドの人がいて。で、それを見る度にやっぱりね、まあ目立つって言ったらおかしいですけども、メインはヴォーカルだったりリードギターだったりするわけじゃないですか。
- ハリー:
- そうだよね。
- 中居:
- そこに目が横で。
- ハリー:
- そうそう、そうそう、うん。
- 中居:
- だから、サイドギターの人っていうのは、テクニックももちろん要るでしょうけども、テクニック以上になんか大事なものを追及じゃないですが。テクニックの世界だけじゃないような気がするんですよね。
- ハリー:
- うん。そのやっぱ、バンドのなんか、うん、支えだよね。だから、支えの部分。リズムがあってサイドギターっていうのがあって、その上に歌とかが乗るわけじゃない。だから、前のヴォーカルとかリードギターっていう部分じゃなく支えの部分。そこで黙々とやってるのがイメージだったんだけどね。だから、スライダーズ今のメンバーになった時もね、あの、ヴォーカルずいぶん募集してさ。
- 中居:
- 最初ヴォーカルやろうって、最初っからなかったんですか?
- ハリー:
- あのね、いちおう俺が歌ってたんだけど、本当はヴォーカル入れて5人バンドにしたかったんだよね。
- 中居:
- あ、そうですか。
- ハリー:
- うん。でも、あんまりいい奴がいなくてさ。合う奴がいなくてさ。まあ、曲書いてるのも俺だしさ。まあ、最初は拙い歌だったんだけど。
- 中居:
- アマチュア時代ですよね。
- ハリー:
- そうそう。で、しょうがないから自分で歌うっていう感じになっちゃったんだけどね。
- 中居:
- じゃあ、もしその時にヴォーカルの人を募集したところ、誰かが入ってたとしますよね。そしたらスライダーズのもしかして方向性っていうのも、もしかして変ってたかもしれないですよね。
- ハリー:
- でもまあ、俺が作るナンバーは変んないから、似たようなもんだろうな、きっと。
- 中居:
- 誰が歌おうが?
- ハリー:
- うん。
- 中居:
- まあ、その当時のこと考えますとね。
- ハリー:
- 「俺の好みはこれだから」っていう感じで。
- 中居:
- そのハリーさんが作ってる曲にしろ詞にしろ、長いブランクがあったとしても、他の周りのメンバーの方は何かおっしゃらないんですか? 「ちょっとそろそろやったほうがいいんじないか?」と。
- ハリー:
- そうね、みんな優しいんだよ。
- 中居:
- メンバーの方は優しいですか?
- ハリー:
- そうね。「早く起きろ!」とか言わないんだよ。4年半寝てたからね、俺。
- 中居:
- 他のメンバーの方って、どういう気持ちだったんですかね?
- ハリー:
- うーん? ま、その頃はね、あの、みんな俺以外のメンバーは他のプロジェクト作って活動してたんだよね。スライダーズ以外でね。だから、それなりにみんな動いてたんだけどさ。寝てたのは俺だけなんだけどさ。
- 中居:
- 4年半寝ますかね?
- ハリー:
- 普通、寝ないか。
- 中居:
- 普通は寝ないですね。パンダでも冬だけですよ。
- ハリー:
- あ、そう?
- 中居:
- 冬眠は。
- ハリー:
- そっか。
- 中居:
- 4年半てオリンピック1回分ですよ。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- まあ、今までね、15年16年ですけども、今までハリーさんが音楽をやってきた上で、「うわぁ、これは最高だな」って思った時っていうのかな。「ああ、今までやってきてよかったな」って実感できた時、できた時。もしかして質問が悪ければあの、もしかして出来てないのかもしれないんですけども。
- ハリー:
- あのね、あんまり事がウマく運び過ぎちゃうとね、俺はつまんないのね。スルスルスルッとステージが調子良く終わっちゃうだけだと、自分でぜんぜん実感がないのね。だから、多少、山あり谷ありでも、自分で何かつかめればね、つかめたステージっていうのがやっぱり自分にとっては一番いいね。なんかほら、ツアー何本も何本もやってくとさ、すごく慣れてきてさ、調子が良くなって、調子がいいだけで終わっちゃったりするじゃない。そういう時っていうのは、なんか何にも残んなくてね。
- 中居:
- あ、逆に。
- ハリー:
- うん、なんか惰性でやってるだけ、みたいな感じで。
- 中居:
- ああ、それはわかるような気がするな、僕なんかでも。常に何か、まあプレッシャーだったり、反省っていうのかな? 「なんかしっくりこないな」そういうふうに気持ち的に思っていないと、次へ行こうっていう気持ちにならないのかもしれないですね。
- ハリー:
- うん。やっぱり何かを打破した時って嬉しいじゃない。
- 中居:
- はいはい。
- ハリー:
- そういう感じかなぁ?
- 中居:
- 常に何か目標っていうか、目指してるものっていうのは?
- ハリー:
- うーん? そうだね、やっぱり毎回同じステージをなぞるようにやっても、まったく意味がないからさ。だから、毎回毎回その時の自分のバイブレーションでさ、まあ、何か新しいものを見つけるなり、なんて言うのかな?
- 中居:
- 僕、言わんとしてること、本当すごくわかりますよ。その今の気持ちっていうのを大事にしたいんですかね?
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- ステージやってる時はそのステージの本番その時の気持ちだったり。だから、もしかしてその時に、もちろんMCがなかったりアンコールがなかったり。でも、今後のこと考えるともしかして、予定した曲、10曲なら10曲、20曲なら20曲、5曲で終わる、そういうことも無くはないですよね。そういうハプニングとか。
- ハリー:
- 福生時代とか、よくありましたよ、そういうのは。
- 中居:
- ああ、そうですか。
- ハリー:
- うん。デビューして最初はやっぱりライヴハウスを回ったんだけどさ、その時もなんか4〜5曲で帰ったりとかね、したよ。
- 中居:
- お客さんは?
- ハリー:
- 客は唖然としてたけどね。
- 中居:
- 「おぉい、何だよ? おい」「あれ? まだ時間。何やってんだよ? おい」。
- ハリー:
- 「金払ってんだぞ!!」みたいな。
- 中居:
- あるでしょうね。「なんで金払ってんのに、おまえらさっさと帰るんだよ!?」。
- ハリー:
- そうそう、そう。
- 中居:
- 多分、やりたくなかったから帰ったんでしょうね。面倒臭かったんでしょうね、その時の気分が。
- ハリー:
- そうそう、そうそう。
- 中居:
- でも多分、それっていうのは僕わかんないですけど、今後のそのね、活動とかにも、15年16年経ったとは言え、もしかしてそういう気持ちっていう、その時の気持ちだったり、その時その時に感じてることをやっぱり表現する姿勢っていうのは多分、うん、今後変らないんじゃないかなって思うんですよね。
- ハリー:
- 人間なかなか変んないからね。
- 中居:
- うん。基本的な部分は変んないですよね。
- ハリー:
- 変んないよね。
- 中居:
- だからまあ、MCがちょっと喋るようになった。あんだけ喋らないっていうスライダーズが喋るようになった。あんだけアンコールをやらないスライダーズがアンコールをするようになった。ポイント、ポイントでは変ってるかもしれませんけども、基本的なその芯ていうのかな? 気持ちのところは多分、変ってないんでしょうね。
- ハリー:
- そうだね。うん、変ってない。
- 中居:
- 面白いっスね。面白いっスよ。まあ、今後もあの、多分、僕が望んでるっていうか、多分これスライダーズをずっと見ているファンの方々もそうだと思いますけど、そういう頑なな意思じゃないですが、その変らない、音楽に対する姿勢を変えないスライダーズっていうのをやっぱり、もしかして一番望んでることなのかもしれませんよね。変に方向性とか変えられちゃうと「今まで俺たちがついてきた、私たちがついてきた今までは何なのよ!?」って思われるかもしれませんよね。
- ハリー:
- そうだね。
- 中居:
- まあ、今後の活動も僕は、ちょっと一目置いて見させていただくようなことになりますけども。いわゆるね、オーソドックスな言葉ですけども、マイペースに、自由に、作品作品に自信を持ってなんかやっていっていただきたいなと思いますけども。ぜひとも頑張っていただきたいと思いまいす。はい、今週のゲストはストリートスライダーズの皆さんでした。どうもありがとうございました。