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- 中居:
- こんばんは、中居正広です。3月に入りました。だんだん寒いのから暖かくなってきて、こういう季節の変わり目は、風邪をひきやすい時期でもありますし、なんかウキウキして羽目を外したくなる時期でもあります。皆さんはどうお過ごしでしょうか。
さぁ、今週のゲストを御紹介しましょう。今週はですね、僕も初めてですね。こう言ってはあれですけど、ファンの人たちは、本当にこの人たちの音楽を常に耳にしていると。僕も今日は、本当にあまり知識がないんで、どういう展開になるかわかりませんが、楽しみな感じがします。さぁ、御紹介しましょう。今週のゲストです。ピチカート・ファイブのお二人です。どうも。- 野宮:
- どうも。
- 小西:
- どうも。
- 野宮:
- よろしくお願いします。はじめましてですね。
- 中居:
- はじめましてですね。お二人はどういう関係ですかね?
- 野宮:
- 関係?
- 小西:
- 友達です。
- 中居:
- どういうところからお二人はスタートしたんですか?
- 野宮:
- スタートはね、もうぜんぜん別なんですけど。私はソロで大昔デビューしてるんですけど。小西君はずっとピチカート・ファイブをやっていて。それで、ピチカート・ファイブでヴォーカルが変わってって、私で3人目なんですね。私が入ったのが90年。
- 中居:
- 90年ていうと、今から7年前ですね。
- 小西:
- そうですね。
- 中居:
- それからこの形で。
- 野宮:
- そうです。90年は3人いたんですけどね。
- 小西:
- そう。
- 野宮:
- 最近、二人になって。
- 中居:
- あの、ピチカート・ファイブっていうのは、ファイブっていうのは5ですよね。でもお二人ですよね? 今は。これは、どうなっちゃったんですかね?
- 小西:
- いや、なんか、結成した時に5人いたんですけど。でもなんか、「バンド始めよう!」とか言って、もうその時にすでに5人目のドラムの人がね、いなかったんですよ。だから、5人になったことぜんぜんなくて。でもなんか、名前、それにしちゃったから、今さら変えるのもって思って。
- 中居:
- で、そのままズルズルズルズルと?
- 小西:
- はい。
- 中居:
- 小西さんは、昔っぽい人ですよね。
- 小西:
- 昔の人なんで。
- 中居:
- すごいなんか、なんて言うんですかね? 教科書かなんかに載ってるような感じしますよ。
- 小西:
- そうですね。そうですか?
- 中居:
- ヘアスタイルは、散髪はどのぐらいのペースで行ってます?
- 小西:
- えぇとね、あんましないほうです。
- 中居:
- 伸びきったら伸びきったままで。
- 小西:
- そうですね。だいたい3ヶ月に1ぺんぐらい。
- 中居:
- あ、ちょっと気になり始めたら。
- 小西:
- ええ。
- 中居:
- それは初耳ですか?
- 野宮:
- うん。髪の毛切るペースまでは知りませんでした。
- 中居:
- でも、長いんですよね? もちろんね。
- 小西:
- 長いですね。
- 野宮:
- うん。でもね、普段はあんまり一緒に遊んだりしないんですよ。あまり会わないっていうか、電話もしないっていうか。
- 中居:
- プライベートでのお付き合いみたいのはないんですか? 例えば二人で「じゃあ、ちょっと、お酒飲みに行こう」とか。
- 野宮:
- ないですね。ぜんぜんないですね。
- 小西:
- ぜんぜんないですね。
- 中居:
- もうじゃあ、仕事だけの仲間って言っちゃあおかしいですけど、仕事する時の良きパートナーっていうことになるんですかね。
- 小西:
- うん。
- 中居:
- プライベートのお付き合い、例えば音を作るだったり、何か作品を作る時に「ちょっと話があるから、ちょっと出てきてくれないか?」みたいなことも?
- 野宮:
- それもないよね。
- 小西:
- ないですね。
- 野宮:
- 音はね、全部、小西君が作ってて。で、スタジオに入ってレコーディングになるまで、どういう曲が出来上がるのか、私はぜんぜん知らないんですよ。
- 中居:
- 最初に「こういう歌やるから覚えてきて」とかは?
- 野宮:
- ぜんぜんデモテープとか作らなくて、小西君の頭の中だけで出来てるんですよね。
- 小西:
- うん、そうですね。
- 中居:
- それはあの、どういうふうに作るんです? もちろん想像のうえで「歌ったらこれ、いいものが出来るだろうな」っていう確信のうえで?
- 小西:
- そうですね。あの、いちおう彼女のイメージは考えつつ作りますけど。
- 中居:
- でも、レコーディングして音が入って、ヴォーカルが入った時、「あ、これはちょっと違ったんじゃないかな?」とか、そういう経験も?
- 野宮:
- あるよね。
- 小西:
- まあ、無くはないですけど。
- 中居:
- そうすると、最初からデモテープを作って彼女にね、「これ、ちょっと覚えといて」とか。
- 小西:
- あ、いや、なんかね、作る時にね、あんまりそういう話し合いとかしたくないんですよ。
- 中居:
- なんでですかね?
- 小西:
- いや、なんか嫌じゃないですか?
- 中居:
- え? なんで嫌なんですか? だって、一緒のね、グループだったりチームだったりするわけですから。それはやっぱり納得したうえでやったほうが。
- 野宮:
- 私はね、ぜんぜんもう小西君はすごいいい曲を書くし、信頼してるからいいんです。
- 小西:
- いいこと言うね。
- 野宮:
- たまには。
- 小西:
- 良かった。
- 中居:
- いいこと言ってくれました。嬉しいですか?
- 小西:
- ちょっと嬉しいですね。
- 中居:
- 小西さんは、失礼ですけども、今お幾つですか?
- 小西:
- 僕、38です。
- 中居:
- あ、そうですか。もっと大人の匂いが漂ってくるような。
- 小西:
- あ、45ぐらいな感じですかね?
- 中居:
- でも、94年には日本を離れて。
- 野宮:
- 海外でやりました。
- 中居:
- ヨーロッパとかワールドツアーみたいなことをしましたけれど。
- 小西:
- そうですね。
- 中居:
- まず自分で日本以外のところでやろうって思ったきっかけみたいのを教えていただきたいんですが。
- 野宮:
- ぜんぜんね、海外進出とか考えたこともなかったんですよ。なんですけど、なんかちょっとした機会があって、ニューヨークでライヴを一度やったら、なんか評判が良くて。で、毎年行くようになって、そのうちレコードが出て、みたいな感じです。
- 中居:
- そのライヴをやろうっていった動機は、どういうところからきてたんですか?
- 小西:
- いや、なんか誘われるままに。
- 中居:
- 「じゃあ、やってみようか」って。
- 小西:
- うん。最初はなんか「ただでニューヨーク行けるからいいかな」とか。
- 野宮:
- そうそう。
- 中居:
- けっこう安易な気持ちで。
- 小西:
- うん。
- 中居:
- そしたら、みるみるうちにお客さんが集まり。
- 野宮:
- なんかね。
- 中居:
- いろんな人に注目をされ、っていうことですか。で、それはニューヨーク。ヨーロッパのほうもなんか回ったってお聞きしたいんですけど。
- 野宮:
- はい。
- 中居:
- また違うと思うんですよね。アメリカでの、ニューヨークでのお客さんと、ヨーロッパ系のお客さんと反応も違うでしょうし、聴き方とかのり方とかも違うと思うんですけど。そういうところで「あれ? ちょっとおかしいんじゃないか?」っていうのありませんでした?
- 野宮:
- アメリカはとにかく、アメリカは10都市ぐらいやったんですけど、どこに行ってもすごい盛り上がるんですね。もうみんな。
- 中居:
- どんなですか?
- 野宮:
- 日本語でほとんどやってるんですけど、それでも日本語わからないはずなのに、でもなんか一緒に歌ってたり。もう踊ってるし。すごい「来た以上は楽しむ」っていう感じで、すごい楽しんでくれてて。
- 中居:
- それはあの、知った上で来てるんですかね? アーティスト名だったり。
- 野宮:
- まあ、そうでしょうね。
- 小西:
- まあ、どっかは知ってるみたいな感じで来るんじゃないですか。
- 中居:
- それはやっぱり音が好きで、アーティストが好きでライヴを観にきてるって形ですかね。
- 野宮:
- とにかくすごいよね、アメリカはね。
- 小西:
- うん、アメリカはね。
- 野宮:
- でも、ヨーロッパは、ドイツとロンドンでやったんですけど、ドイツのお客さんとは、始まる前とかすごい騒いでるんですね。で、曲が始まると、わりと静かにじっくりと聴いてくれて。 それで面白かったです。
- 中居:
- それはそれで、でもなんかやりにくいとこありませんでした?
- 小西:
- なんか日本のファンに似てるっていうか。
- 野宮:
- うん。似てる感じがした。
- 小西:
- いい感じですよ。
- 中居:
- でも、ステージ上で立ってるうえでは、どういうふうなお客さんだと気持ちいいですか? 例えば、アメリカのそのノリノリっていうか。
- 野宮:
- うん、ノリノリ気持ちいいですね。
- 小西:
- うん。
- 中居:
- ノリノリがやっぱりいいですか。
- 野宮:
- なんか、こっちまでテンション上がっちゃって楽しかったですけど。
- 中居:
- ヨーロッパ系だったり、まあ、ロンドン、ドイツってさっきおっしゃってましたけども、ちょっとおとなし目のお客さんより、やっぱりお客さんがガーッてノってるほうが。
- 野宮:
- そうですね。だから、ワールドツアーから帰ってきて、日本でライヴやったんですけど、なんかすごくおとなしいように感じてしまって。
- 中居:
- 日本のお客さんはどうなんですか? ヨーロッパ系の人と似てるっておっしゃってましたけども 。もちろん言葉がまず通じますよね。
- 野宮:
- うん、そうなんですよ。だから歌詞とか間違えられないんですよね。
- 中居:
- え? やっぱりあっちの方って変な話、言葉がわからないですよね。
- 小西:
- わかんない。
- 野宮:
- うん。もう間違いっ放しみたいな。そんなことないですけど。
- 中居:
- 何を通じて伝わるんですかね? もう音だけですかね?
- 野宮:
- ハートですかね。
- 小西:
- いいこと言うね。なんつって。同じか。多分ね、ハッピーな感じが伝わるんだと思いますけどね。
- 中居:
- さっきもハートっておっしゃってましたけど、やっぱり気持ちなんですかね?
- 野宮:
- なんかね、だから、アメリカでいっぱい集まってくれたファンにインタビューしたんですね。「ピチカートのどういうとこが好きですか?」って。大抵は「ピチカートを聴くとハッピーな気持ちになるから、そういうとこが好きです」って言ってました。言葉がわからないのは、あんまり関係ないっていうか。と、言ってました。
- 中居:
- へぇー。我々が海外というか、洋楽を聴く時っていうのは、まず曲をやっぱり聴くじゃないですか。「ああ、メロディがいいな」って。
- 野宮:
- 言葉はね、そんなにわかんないですよね。
- 中居:
- で、CDを本当に好きだったら、やっぱり「どういうものなのかな?」って自分でね、辞書を引いたりするじゃないですか、「これはどういう意味なんだろう?」とかって。でも、あっちの人っていうのは、そこまで? とにかく本当に音が、ノリが気持ちいいがためにやっぱり見に来たり聴いたりするんでしょうね。
- 野宮:
- あとは、ライヴけっこうピチカート派手だし、面白いんですよ。だから、見ても楽しめるし。
- 中居:
- 日本ではどうですか? ガンガン!! っていう雰囲気と、普通にライヴを見ているっていう感じと。
- 小西:
- ピチカートのファンの人って、おとなしいほうかもしれない。
- 中居:
- おとなしいですか。
- 野宮:
- うん、どっちかっていうとおとなしいかな。
- 中居:
- でも、ステージ上は激しくやってるわけですよね。
- 野宮:
- はい。
- 中居:
- でも、お客さんは。
- 小西:
- わりとクールな感じですかね。
- 中居:
- それってやりにくくありません?
- 小西:
- いや、もうそういうもんかなって思ってるし。
- 中居:
- それってやりにくいんじゃないですかね。こっちは例えばね、ガーッてやってるつもりであっても、そういう絵であっても、お客さんがそれについてきてくんないと、なんかやりにくいんじゃないかなって。
- 野宮:
- 半分から前は、わりとウワァーッ!! って騒いでる若いファンが多くて。で、ピチカートわりと年齢のいった人のファンが多いんですよ。男の人とかね。そういう人はね、なんかね、後ろのほうでね、じっくり聴いてたりとか。それは世界中どこ行ってもそうでしたけどね。
- 中居:
- へぇー。前列のほうは。
- 小西:
- そうですね。
- 中居:
- 後列の人はじっくり、普段のように聴いてる。それもどこでも一緒でした?
- 野宮:
- うん。わりと。
- 中居:
- そうですか。僕なんか海外でのライヴの経験がないんでね、こればっかりは一概に言えないですけども、どうも僕、ピンとこないんですよね。そのノリがノってるっていうのが、どういう気持ちでノっているのか。ただ、ハッピー。気持ちだけでガーッときてるものなのか。それとも、もっと何か違う感情でね、聴いているのか。
- 野宮:
- あとは、多分、言葉がわからない分、なんか面白いっていうか、興味があるんじゃないですか? わかんないけど。
- 中居:
- うん、でも楽曲、本当だから気持ちだけだったりしますよね、そうなりますとね。
- 小西:
- 一つ、っていう感じでやってますけどね。「気持ちをわかってくれ」って感じで。
- 中居:
- そういう気持ちやっぱりあります? 「我々の」っていう気持ちは。
- 小西:
- うん。やっぱり最初に向こうで公演したりした時に、本当、最初は本当に不安だったけど。
- 中居:
- やっぱり不安はありました?
- 小西:
- うん。「ブーイングとかきたらどうしよう?」って。
- 野宮:
- ぜんぜんね、向こうの状況がわかんなかったし、初めて行った時は、べつに向こうでCDとか出てるわけじゃないし。誰もほとんどね、知らないわけでしょ。だから、それで向こうのお客さんて、良くないとブーイングとか帰っちゃったりするじゃないですか。だから、それ覚悟で行ったんですけど、なんかね、わりと反応が良かった。
- 中居:
- 予想以上に。
- 野宮:
- うん。
- 小西:
- 「英語で歌えー!!」とか言われたらどうしよう!? っていう感じでね、ちょっと不安だったけど。
- 野宮:
- そうね。
- 中居:
- でも、変な話、スタートがあっちだったり。あっちっていうか、こっちでね、いろんな人に注目される前っていうか。まあ、いろいろあったんでしょうけども、先にあっちで注目され、それからこっちの、東京、日本での活動が頻繁になってたりしましたから。なんか僕から見ると、普通のアーティストの方とはちょっと逆なんじゃないかな、なんて思いましたけどね。好きなアーティストってどなたでした?
- 野宮:
- KISS。
- 小西:
- KISSね。
- 野宮:
- KISS。このあいだ行きましたよ、コンサート。
- 中居:
- ライヴやってましたね。どちらですか? 日本でですか?
- 野宮:
- うん。
- 中居:
- いや、でも、さっき僕、歌もちょっと収録の時に見ましたけども、音楽はちょっと……ぜんぜん違うような気がするんですよね。
- 野宮:
- ぜんぜん違いますよね。趣味ですから。好きなものと歌と。私、ハードロックとか歌えないんですよ。声がやっぱり向いてないかなと思って。
- 中居:
- ハードロックっていうイメージは、やっぱりちょっとないですね。ハードロックお聴きになるんですか?
- 野宮:
- あ、聴いてました。若い時。
- 中居:
- へぇー。KISSですか。
- 野宮:
- そう。
- 中居:
- まあ、考えられないって言ったら失礼ですけども。
- 野宮:
- まあね、そういう時もありました。
- 中居:
- 小西さんは?
- 小西:
- 僕はもうね、本当にいろんな音楽聴いてるから。「なに」って言えないんですけどね。やっぱりビートルズが好きだったのはありますけどね。
- 中居:
- やっぱり。
- 小西:
- もうメチャクチャですよ、いろんなの好きで。
- 中居:
- ビートルズだけに限らず。
- 野宮:
- もう何でも。
- 小西:
- 何でも聴いてますから。
- 中居:
- ジャンルは?
- 小西:
- ジャンルぜんぜん関係なし。ジャズも聴くし。
- 中居:
- 日本の音楽は?
- 小西:
- もちろん聴きますよ。
- 中居:
- え? どんなのお聴きになるんですか?
- 小西:
- いや、いろいろ。
- 中居:
- 普通のポップスも。
- 小西:
- うん。SMAPとかだって聴くし。
- 中居:
- …………?
- 野宮:
- いや、SMAP聴いてるらしいですよ。
- 小西:
- 本当、本当。
- 野宮:
- どうやら。
- 中居:
- SMAPお聴きになるんですか?
- 小西:
- SMAP聴きますけど。
- 中居:
- それ、どういう気持ちでお聴きになるんですか? ハッピー?
- 小西:
- ハッピーな気持ちになりますよ。
- 中居:
- ハッピーですか?
- 小西:
- うん。
- 中居:
- 気持ちがウキウキするわけですか?
- 野宮:
- なんか「頑張ろう!」っていう感じになるんじゃない? そうでもない?
- 小西:
- そうかもね。
- 中居:
- 本当にじゃあ、ジャンル問わず、日本の音楽も、ポップスに限らずロックももちろんそうですし、いろんなの聴くわけですか。
- 小西:
- うん。あんまりね、暗い音楽は聴かないですけどね。明るい音楽なら何でもOKですね。
- 中居:
- 先ほどの収録のもそうですが、あれっていうのはジャンルは何になるんですかね?
- 小西:
- 何かな?
- 野宮:
- だから、「ピチカートの音楽って一言で言うと」っていう質問をされると、いちばん困っちゃうんですよね。
- 中居:
- 難しいですよね。
- 小西:
- うん。
- 中居:
- ビートルズの匂いっていうのも………。ビートルズだけの匂いじゃないなっていうのもね、思ったんですよ。60年代というより………。これは何だろうなって。ロックの一種は一種なんじゃないかなと思うんですけど、なにがあるんだろうなっていう。
- 小西:
- 何ですかね?
- 野宮:
- 何ですかねぇ?
- 中居:
- 何を訴えたいですか? 訴えたいっていうか。
- 野宮:
- 訴えたいことですか?
- 中居:
- 何を伝えたいですか? 歌を通して。
- 野宮:
- やっぱり、そう感じてくれているといいんですけど、その、さっきから言ってる幸せな気持ちになったり、なんかウキウキしたりとかね。そういうのが伝わればいいですけど。
- 中居:
- うん。小西さんは?
- 小西:
- うん。なんか音楽にあまり深いものは求めないので。なんかほら、部屋に入ってきた時にいい曲かかってたら嬉しいじゃないですか。それぐらいな。朝起きた時は、なんか気持ちいい音楽聴きたいとか。それぐらいのね。
- 中居:
- あんまりグァーッ! てなんか、煮詰まっちゃうようなことっていうの、じゃあ、あんまりないですか?
- 小西:
- いや、ね、それは無いわけじゃないんだけど。でも、音楽を聴く時は、あんまりそういう突き詰めた気持ちにならないようにしようかなと。
- 中居:
- 作る時はでも、やっぱりぶち当ったりします?
- 小西:
- そうですね。今ぶち当ってんですけどね。
- 中居:
- ぶち当ってます?
- 小西:
- うん。僕、最近ね、曲がなんかあんまり出来なくなってきて。
- 中居:
- それ何ですかね? 例えば以前はできたけど、今は出来ないって、どこで。
- 小西:
- なんでかな?
- 野宮:
- でもね、いつもレコーディングの前はね、そう言うんです。でも、ちゃんと作ってる。
- 小西:
- だといいんですけどね。いいこと言いますね。でも、最近ちょっと不安で。
- 野宮:
- 本当?
- 小西:
- うん。「もうダメだ」って。
- 中居:
- 「出来るのかな? ダメなんじゃないか」ってですか?
- 小西:
- そう。
- 野宮:
- でも、いつも言ってるよ。
- 小西:
- あ、そうかな?
- 野宮:
- それで心配するんだけど、いい曲が出来るから大丈夫。
- 中居:
- それはもう、御自分の中で、与えられた時に「これはちょっと………」っていうのはないんですか?
- 野宮:
- ないですね、今のところ。
- 中居:
- 「私、ちょっとこれは」っていうのないですか?
- 野宮:
- うん。
- 中居:
- 「ここは、こういうふうにしたほうがいいんじゃないかな?」とか、そういうのもないですか?
- 野宮:
- うん。
- 小西:
- 思ってても言わないでね。
- 野宮:
- 思ってない。
- 中居:
- へぇー。なんか変。妙な感じでもないですし。居心地も今、僕こうやってお話してても悪くもないですし。かと言って何か強制的なものもないですし。だから、なんかすごい不思議な感じがしますよね。怒ったりします?
- 小西:
- 僕はね、わりと怒りんぼなんですけどね。
- 中居:
- 怒ります?
- 小西:
- うん。
- 中居:
- 何に対して腹が立ったりします?
- 小西:
- 何だろうな?
- 野宮:
- タクシーがね、遠回りしたり。
- 小西:
- やめようよ、そんな。
- 野宮:
- パリでタクシー乗ったんですけど、言葉がフランス語とかあんまり出来ないけど、いちおう目的地を告げて。なんか知らない道を通って行くんですよ。で、怒ってましたよ。フランス語か英語かわかんないけど。
- 小西:
- ああ、外国では以外と怒るかもしれない。
- 野宮:
- 「カッコいい」とか思っちゃった。
- 中居:
- 日本でだってずっと環境でね、育って生活してるから。やっぱりあっちでは生活のリズムが違うわけじゃないですか。それに対して、もうね、怒ってもあっちの人もチンプンカンプンだったりしないんですか?
- 小西:
- あ、そうかもしんないですね。
- 中居:
- でも何か腹立たしい?
- 小西:
- うん。
- 野宮:
- 「ナメられちゃいかん!!」って感じ?
- 小西:
- そうそう。野蛮人なんですよ。「ナメんなよ」っていう感じが。
- 中居:
- 喧嘩とかないんですか? お二人。
- 野宮:
- ないですよね。
- 小西:
- ないですね。
- 中居:
- 争わないんですか?
- 野宮:
- うん、そんなに。
- 小西:
- ないよね。
- 野宮:
- なんか、音楽の話をしたりとかないから。本当に会話ってなんか他愛のない話しかしないし。食べ物の話とか。
- 小西:
- さっき、味噌汁の具の話とかしてましたけどね。
- 中居:
- 音楽の話、なさんないんですか?
- 野宮:
- ほとんどしないですね。
- 小西:
- うん。
- 中居:
- 何で、どこでつながってるんですかね?
- 小西:
- いや、僕、前から野宮さんのファンだったし。すごい素敵な歌手だなって思ってたから。
- 中居:
- 一緒にできて。
- 小西:
- うん。あと、僕、けっこういろんな人に曲書いたりするんですよ。やっぱりなんか、たまにね、レコーディングしてて「ああ、やっぱり本当に歌ウマいな」とかって思う時あるし。だから、あんまりそういう意味ではね、あんまり不満とかはないですけどね。
- 中居:
- 不安がないって簡単におっしゃいますけど、すごいことと思いますよ。どっか自分の中で気持ちをセーブしながらね、お仕事なさる方っていて。どこかしらやっぱりギクシャクしたところってあると思うんですよ。例えばお二人ですけど、団体行動だったりグループだったり、それは我々に限らず、普通のサラリーマンの人でもね、そういう「まあ、いっか」ってそういう気持ちもなかったりするんですか?
- 小西:
- 今のところね。これからはわからないですけどね。
- 中居:
- 小西さんに対しても?
- 野宮:
- うん、ないですけど。
- 中居:
- なんか「私はこうなのよ!!」とか?
- 野宮:
- そういうのあんまりないんです。あと音楽も、KISS聴いてる頃は聴いてましたけど、自分が歌手になってから、なんかあんまり音楽聴かなくなっちゃって。歌うのは好きなんだけど、歌うのは好きなんですけど、他に聴いたりしないし。ピチカートぐらいですね。
- 中居:
- 御自身の歌を聴くぐらいですか?
- 野宮:
- うん。
- 中居:
- へぇー。
- 野宮:
- 本当にあまり聴かない。
- 中居:
- 小西さんもそうですか? あんまり聴かなかったりします?
- 小西:
- 僕はもう、音楽ばっかりの人間だから。
- 中居:
- 常になんか音楽とか流れてる。
- 小西:
- うん。
- 中居:
- 家の中でも移動の車の中でも。
- 小西:
- うん。聴かない時は聴かないんだけど、でもなんか音楽のこと考えてますね。
- 中居:
- そういう習慣なんでしょうね。
- 小西:
- そう。
- 中居:
- 常にいいフレーズだったり、いいメロディが浮かんだらっていうふうに考えるんですかね。
- 小西:
- うん。なんかね、音楽が好きっていうより、レコードが好きなんですよ。
- 中居:
- あ、なるほど。
- 野宮:
- 一生かかっても聴けないほどたくさん持ってる。
- 中居:
- 御自宅ですか?
- 小西:
- うん。うちにレコードいっぱい持ってて。
- 中居:
- ちなみに、どのぐらいあるんですか?
- 小西:
- わかんない。多分、1万5千枚とか。
- 野宮:
- すごい……。
- 小西:
- もうちょっとあるかもしれないけど。
- 中居:
- 1万5千枚ですか?
- 小西:
- うん。でも、そんな多いほうじゃないんだよ。
- 野宮:
- まあね。
- 小西:
- このあいだ会った人、「3万枚ですね」って言ってた。
- 野宮:
- そういう人もいるけどね。
- 中居:
- 1万5千枚っていうことは……、1万と5千枚ですよね?
- 野宮:
- そうですね。
- 中居:
- それ、もう全部、自分でお聴きになりました?
- 小西:
- まだ聴いてないのがちょっとありますけどね。でも、なんかレコードはもう、レコードがないとか、レコード触ってないっていう自分の生活が考えられないから。
- 中居:
- それ、CDじゃダメなんですか?
- 小西:
- 最近はCDも買いますけどね。でもやっぱりレコードのが好きですかね。
- 中居:
- 何ですかね? CDとレコード、アナログの違いっていうのは。
- 小西:
- ジャケットが大きいとか、それぐらいしか違いはないんですけどね。いや、SMAPってレコードないでしょ。
- 野宮:
- ああ、そうね。
- 小西:
- あの、リミックス盤のね、あの豚のジャケットのやつ。
- 中居:
- ええ、アナログで。
- 小西:
- あれは買いましたけど。
- 中居:
- え? お買いになったんですか?
- 小西:
- 買いましたよ。でもなんかSMAPね、本当はレコードで欲しいんですよね。
- 中居:
- 僕らのですか?
- 小西:
- うん。
- 中居:
- そうですか? え? それは豚のやつ以外のものでですか?
- 小西:
- 以外のもので。普通のヒットしてる曲とかもね。
- 中居:
- え? それ、どういう……? CDじゃなしにレコードなんですか?
- 小西:
- いや、なんか家にCDプレイヤーもあるんですけど、あんまり聴く気しないんですよね。なんかレコードかけるっていうのが習慣になってるから。SMAPもね、あれだけ売れてるんだから、レコードがあるといいなっていつも思っちゃう。
- 中居:
- そう、アナログが一枚だけ、去年かな? 一昨年ぐらい、最近ですけどもね。一枚出したぐらいですかね。なんかクラブかなんかでかけてもらえればっていうことで、限定だったんですけど。
- 小西:
- でも、あれね、買ったんですけどね、あれよりもね、やっぱり普通のやつが聴きたいなと思って。
- 中居:
- 普通のやつって言いますと? 普通の?
- 小西:
- うん、リミックスしたやつじゃなくて。
- 野宮:
- そうだね。
- 中居:
- オリジナルの?
- 小西:
- オリジナルのほうをレコードで聴きたいな。
- 中居:
- へぇー。僕は自分らの歌をそういうふうに考えたことはないですけどもね。
- 小西:
- あの、レコード会社の人に会ったら、ちょっと言っといて下さいよ。
- 中居:
- いや、僕はレコードっていっても。
- 野宮:
- プレイヤーとか持ってないでしょ?
- 中居:
- ないですね。
- 野宮:
- 最初っからCDだった?
- 中居:
- いや、僕だから、CDが出来たのって10年ぐらい前ですか。
- 小西:
- ですね。10年ちょっと前。
- 中居:
- だから、僕が小学校、中学校の時は、もちろん、てんとう虫のレコードプレイヤーで。
- 小西:
- てんとう虫のレコードプレイヤー。
- 野宮:
- あれ、欲しいんですよ。
- 小西:
- あれいいですよね。
- 野宮:
- まだ持ってますか?
- 中居:
- 持ってないですよぉ。今ないですよね、てんとう虫の赤いレコードプレイヤー。
- 野宮:
- あれ可愛かった。
- 中居:
- あれをね、LPが33回転で、シングルが45回転かなんかで。それはやっぱり聴いてましたけどね、小さい頃は。でもやっぱり、中学ぐらいになるとCD以外は聴かない。レコードはほとんど聴く機会ないですね。
- 小西:
- まあ、そうですよね。
- 中居:
- だから、あの針を置く音だったり、プツプツプツプツッっていう、ああいう音だったり、針を置くまでの過程だったり。その、先ほども言ってたジャケットの大きさも、CDとの大きさの違いをレコードが好きっていうのに当てはめる人もけっこういらっしゃいますよね、レコード好きな人は。やっぱりレコードですか?
- 小西:
- うん、僕ね、本当に毎日レコード買ってたりするんですよね。で、たまに仕事、スタジオ行く時もなんかレコード持ってたりするでしょ。だからレコードを持ってない時って、何か忘れ物をしたような気持ちになっちゃって。
- 野宮:
- なんかね、そういえばいつもだったような。
- 中居:
- 必需品だったりするんですか?
- 小西:
- そうですね。そうかもしれない。
- 中居:
- それはあの、買いますよね。それだけの数になると、アーティスト名もわからないまま購入したりっていうのも?
- 小西:
- それもね、一時期は多かったですね。
- 中居:
- 「どんなのかな?」って。
- 小西:
- うん。ジャケット買いというか。
- 中居:
- レコード屋さん、今でもじゃあ、行ったりするんですか? タワーレコードだったらタワーレコードに行って。
- 小西:
- うん。
- 中居:
- でも、そんな雰囲気が、見た感じで話すのは失礼ですけども、そういう方なのかなって。
- 野宮:
- そう。だから、海外に行っても、レコード屋さんばっかり行ってる。
- 中居:
- それは日本には売ってないレコードを?
- 野宮:
- なんか、いろいろあるんでしょうね。
- 中居:
- そういう世界は?
- 野宮:
- もうついて行かない、ぜんぜん。
- 小西:
- 女の子とレコード屋行かないですよね。
- 中居:
- 興味はないんですか?
- 野宮:
- ないです。本屋さんだったら一緒に行くけど、レコード屋は行かないです。
- 中居:
- ぜんぜん趣味趣向が違います?
- 野宮:
- どうでしょう?
- 小西:
- どうですかね?
- 中居:
- お二人の共通点とかないんですか?
- 野宮:
- 共通点ですか? 何でしょうね?
- 小西:
- 買い物好き。
- 野宮:
- ああ、それはそうですね。買い物好き。
- 中居:
- 例えば?
- 野宮:
- 洋服から雑貨から本から。レコードは私は買わないですけど。もうなんか、ちょっと時間があると、お買い物に行きます。
- 中居:
- 買い物に行って、何かを買ってそれが楽しかったり。小西さんもお洋服?
- 小西:
- わりと洋服買いますね。
- 中居:
- どんなのを買われるんですか?
- 小西:
- なんかね、真貴ちゃんもそうかもしれないけど、気付くと同じような服ばっかり買ってるんだよね。
- 野宮:
- ああ、そうかもね。
- 中居:
- 「こんなのがいいんじゃないの?」とか、そういうのないですか?
- 野宮:
- 小西君に?
- 中居:
- ええ。
- 小西:
- そんなこと言わなくていいよ。
- 野宮:
- 小西君、お洒落だから。
- 中居:
- 小西さんは小西さんで「こんなの着たらどう?」とか、そういうのはないですか?
- 小西:
- 言うよね。
- 小西:
- 僕はわりと言ってるかもしれないね。やっぱりほら、あの、「今日テレビ出る」とか「ビデオ撮る」とか、そういう時ってなんか「こういうのはどうかね?」っていう話はわりとするよね。
- 中居:
- 小西さんは特に言われたりしないんですね。
- 小西:
- いや、僕、何着ても似合わないし。
- 野宮:
- いや、何着ても似合うし。お洒落な人だから言う必要ない。
- 小西:
- 何を言ってる。そんな心にもないことを。
- 中居:
- なんか不思議な感じですよね。今、何が自分に必要だと思います?
- 野宮:
- 何だろう?
- 中居:
- なんか自分にもの以外で。
- 野宮:
- もの以外で?
- 中居:
- ええ。もの以外で自分が持てるとしたら、何を一つもらいます?
- 小西:
- 僕、若さかな。なんて。嫌だな。
- 野宮:
- あ、私も若さもらいたい。
- 中居:
- 若さって、若さの何に魅力を感じます?
- 野宮:
- なんか若いっていうだけでいいんじゃないですか、何をやっても。
- 小西:
- いいよね。最近、全てに若さがないもんな。
- 野宮:
- そんなことないけど。
- 中居:
- やっぱり若い時のが良かったって思いますか?
- 小西:
- 若い時はそんなふうに思わなかったけどね。
- 野宮:
- そうですね、私も。
- 中居:
- でも、今考えると。
- 野宮:
- 今の状態で、身体だけが若くなったらいいな。
- 中居:
- あ、今のこの生活だけは変わらず。
- 野宮:
- 年が若くなって。
- 中居:
- 身体だけっていいますと?
- 野宮:
- 身体っていうか、年齢がね。
- 中居:
- 年齢だけが若くなればいいと。
- 野宮:
- そしたらいいですね。
- 中居:
- 若さってでも、そんなに必要っていうか、やっぱり。
- 野宮:
- いや、必要ですよ。っていうか、年をとっても、それはそれなりに楽しいけど。
- 中居:
- 何が欠けるんですかね? 年齢を重ねると。音楽をやっていくうえで。
- 小西:
- 何でしょうね?
- 野宮:
- うーん?
- 中居:
- 何でしょうかね?
- 小西:
- 僕、単純にやっぱり若い時って、今のほうがいっぱい音楽聴いてるわけだから、逆に若い時って、「ああ、世の中にこんな音楽もあったんだ」とかって、そういう驚きとか新鮮さとかそういうりがあったでしょ。洋服だってそうじゃない。
- 野宮:
- そうだね。
- 小西:
- もう、だいたい洋服は着てたりするでしょ。昔はなんか「こういう服着てみたい」とかさ。
- 野宮:
- そう。だから、70年代の洋服が流行っても、実際その当時着てたりするから、新鮮味ないじゃないですか。
- 中居:
- それを経験してきたんですからね。
- 小西:
- なんかそういうとこだよね。あんまりものを知らなかった頃のほうがね、良かったっていうか。
- 野宮:
- そうだね。
- 中居:
- そんなもんですかね? でも、今は今で、いろんな知識をね、いろんな音楽が耳に入って、いろんな知識がね、頭の中に入って、また音楽に接する姿勢みたいなものも変わってくるじゃないですか。だから僕は、今のほうがね、もちろん経験もあって、キャリアもあって、腕も上がり。あらゆることに対して、どんどんどんどんクォリティの高いものになったりするじゃないですか。
- 小西:
- 大人ですね。
- 野宮:
- ね。
- 小西:
- 大人なこと言いますね。
- 中居:
- でも、それでもやっぱり若い、その時の新鮮なってことなんですかね?
- 小西:
- うん。
- 野宮:
- でも、ライヴはちょっとキツいですね。ワールドツアーとか、すごいスケジュールでやってたんですよ。3日連続で飛行機で移動して、みたいな。けっこうまあ、気合いで乗り切りましたけど。
- 小西:
- ステージやってる最中はね、ぜんぜん疲れないんだけど。
- 野宮:
- そう。だから、バックステージでメイクとかね、衣装とか着てる時も、本当になんか居眠りしちゃうんですよ。眠いっていうか、疲れてて。でも、ステージに上がるとね、なんか元気になっちゃうんですけど。
- 小西:
- でも、翌日の疲れがね、簡単にとれない、みたいな。
- 野宮:
- そこがちょっと。
- 中居:
- いや、でも本当に必要とするものは、べつにそんな今ね、本当になんか要求してるもの、今の状態、今のピチカート・ファイブの活動だったりが、お二人にとってはすごく満足したうえでの活動なんじゃないかなって思うんですよね。だから今、不満もね、お互いないですし。グループとして何か欲しいものってあります?
- 小西:
- グループとして欲しいものですか? 何ですかね?
- 野宮:
- 何ですかね?
- 小西:
- やっぱり出会った頃の新鮮さだね。そればっかりだね。
- 中居:
- 出会った頃の新鮮さって、べつにお二人は恋人同士じゃないですよね。
- 野宮:
- うん。違います。
- 小西:
- うん。違いますけど。
- 中居:
- でも、出会った頃の新鮮さっていうのは、それは声だったり?
- 小西:
- そう。やっぱりね。
- 中居:
- やっぱり違います?
- 小西:
- うん。初めて真貴ちゃんに曲書くわけだから、「ああ、こういう曲もいい、こういう曲もいい」ってね、やっぱりいっぱいあったんですよね。で、どんどんどんどん曲ができたけど、でも、だいたいやり尽くしたよね。
- 野宮:
- それで曲ができないのかな。
- 中居:
- なんかすごい、今日は気持ちいいですね。
- 野宮:
- そうですか。
- 中居:
- なんかすごい気持ちいい感じがします、僕。だからあの、のんびりした雰囲気っていうんですか? だから本当、肩に力を入れない、すごい気持ちいい感じがしますね。
- 小西:
- 真貴ちゃんのんびりしてますね。
- 野宮:
- うん、そうかもね。
- 中居:
- 本当、怒ったりとかは?
- 野宮:
- 怒ったりは、あんまりしないですね。
- 中居:
- しないですよね。
- 小西:
- 怒ると白髪増えるから怒んないように気をつけてるんでしょ? なんちゃって。
- 野宮:
- まあ、そういう理由も。
- 中居:
- なんちゃってね。
- 小西:
- なんちゃって。
- 中居:
- テレビもあんまり出られませんよね。
- 野宮:
- そうですね。
- 小西:
- なんでですかね?
- 中居:
- なんで?
- 野宮:
- 出たいんですけどね。
- 小西:
- 出たいんですけどね。
- 中居:
- あんまり露出したくないってことじゃなくて?
- 小西:
- べつにそれはないんですけど。
- 野宮:
- ぜんぜん。
- 中居:
- 機会がもちろんあれば。
- 野宮:
- 出ます。
- 小西:
- テレビでね、「はーい」とかってやりたいですよね。
- 中居:
- でも今、テレビに出ればもちろんね、見る人ももちろん多いですし、聴く人もやっぱり多いですし、やっぱりすごい電波だと思うんですよ。そうすると、今の世の中、ライヴだけであったり、聴く人の規模が大きくなると、やっぱりそれだけ注目も浴びるでしょうし。今やっぱりどうしてもね、小さいところって言ったらあれですけども、やっぱり自分たちの中で大ヒットしたいっていう気持ちっていうのは? 例えばチャートで判断するのはあれなんですけど、ヒットチャートで何週連続1位とかってやっぱりあるじゃないですか。ああいうふうに大ヒットをつくってみたいなっていうふうに思ったことっていうのは?
- 野宮:
- 思いますよ。やっぱりやってる以上はね。どうですか?
- 小西:
- そうかな。僕、もう充分なんだけどね。
- 野宮:
- 何をおっしゃるんです。
- 中居:
- 欲がないんですかね。
- 小西:
- いや、欲がないっていうわけじゃないんだけど、売れなくてもいいとかって思ったことはないけども。でも、充分、売れてる気もするんだけど。
- 野宮:
- まあ、これ以上ね、忙しくなるのも嫌だけどね。なんて。
- 小西:
- 嫌だよね。
- 野宮:
- まあでも、売れたら売れたでね、嬉しいと思うけど。
- 中居:
- いろんな人も聴くでしょうし、いろんなとこ行って、どこの店行っても、どこのデパート行っても、どこに行っても自分たちの音楽が流れてるみたいな。
- 小西:
- 今そうでしょ? なんて突っ込んだりして。
- 中居:
- いや、CDはそんな………。いや、すごくあの、だからその、上を見ちゃえばきりがないんでね。我々は我々ですごく満足は、うん……、難しいなぁ。やっぱりグループなんでね、自分たちのやりたい音楽っていうのは、そう簡単にできないですし。自分の好きなジャンルっていうのは、やっぱり出来ない。自分たちで作ったりしませんから。そこらへんはだから難しいですよね、音楽に関しては。メンバー5人もいますし、作る側のスタッフもいますし。自分一人がやりたいことっていうのは、かなりセーブされますね。でも、流れたら流れたでやっぱり嬉しいですけどもね。「ああ、流れてる」っていうのは。でも、自分が作った作品ていう感じより、みんなで作った作品ていうのが気持ちが強かったりしますからね。
- 小西:
- ああ、でも僕もね、最近、本当に自分たちの曲が街でかかったりするのを聴くチャンスがあると、そうするとやっぱり嬉しいや。
- 中居:
- 素直にやっぱり嬉しいですよね。
- 小西:
- うん。本当に嬉しい。
- 中居:
- いつまでたっても嬉しいものですし、なんか「あ、俺の歌だ。俺、ここにいるのにな」なんて思いながら。そういうのやっぱり、正直思ったりしますよ。ごく普通のね、気持ちだったりしますからね。
- 野宮:
- だってほら、スーパーマーケットとかでさ、歌が入ってないインストになってるやつとか流れてるじゃん。
- 小西:
- そうそう。
- 野宮:
- ああいうのとか、けっこう嬉しかったりする。
- 中居:
- ありますよね。「誰かアレンジしてる」みたいな。
- 野宮:
- そうそう。
- 小西:
- 去年、初めてそういうの聴いてさ、本当、嬉しかった、僕。「ああ、俺も一人前だな」とか思って。
- 中居:
- 本当、嬉しかったでしょ。
- 小西:
- その時、トマトジュースかなんか買ったんだけど、しみじみした。
- 野宮:
- 思わず言っちゃいそうになった?
- 中居:
- トマトジュースうまかったんじゃないですか? そういうのありますよね。なんか、勝手にどっかでやってたりするとね。
- 野宮:
- そうそう、そういうのが嬉しい。
- 中居:
- ああいうのって、「ああ、この曲が必要とそれてるのかな」とか思ったりするんですよね。世間だったり、デパートだったらデパート、スーパーだったらスーパー、「ああ、貢献してるのかなぁ」とか思っちゃったり。お二人の夢は何ですかね?
- 野宮:
- 夢? 夢ねぇ。
- 中居:
- 漠然とした質問で申し訳ないですが。夢。
- 野宮:
- 何でしょう? 何だろう?
- 小西:
- あんま大きい夢持ったことなくて。
- 野宮:
- 私もそうかも。
- 中居:
- 小さい夢でも夢は夢ですし。
- 野宮:
- 小さい夢でもいい?
- 小西:
- なんかね、やっぱり大きいとこでライヴやってみたいね。まあ、東京ドームでもね、横浜アリーナでもいいんだけどさ。それで会場にロビーにピチカートのね、プリクラ製造機がたくさん並んでて、それでみんなで作ったりするといいよね、とかって。それぐらいしか思いつかなくて、なんか。
- 中居:
- なるほどね。それもだから、先ほどおっしゃってたように、お客さんだったり、見てる人が楽しい、なんか幸せな気分ておっしゃったじゃないですか。やっぱりプリクラっていうのも多分、楽しんでもらいたいなっていう気持ちが僕はあったと思うんですよ。まず、お二人の音楽のテイストっていうのは、やっぱりとにかく幸せになってもらおう、楽しんでもらおうっていうのがやっぱり、なんとなく僕なんかにも伝わってきた気がしましたけどね。
- 小西:
- 笑ってもらえるのがね、一番ですよね。
- 野宮:
- うん、そうですね。
- 中居:
- 笑ってもらえる?
- 小西:
- うん。
- 中居:
- え? 笑うって?
- 小西:
- そう、笑えるっていうのがね、必要で。
- 野宮:
- さっきの曲も笑えたでしょ。
- 中居:
- ああ、笑えますね。ニヤニヤしちゃいましたね、なんか。
- 野宮:
- なんかだから、ピチカートって「お洒落な」とか言われるんですけど、なんか、お洒落すぎるのもカッコ悪いじゃないですか、って思うんですけど。なんかそこにユーモアがあると、なんかいいかなと思って。ステージでもけっこう面白いんですけどね。CD聴いてるだけだとわかんないけど。
- 中居:
- それがまた絵になって出てくると。
- 野宮:
- うん。演出とかけっこう馬鹿馬鹿しいことやってるんですけど。
- 中居:
- へぇー。ユーモアねぇ。笑う。
- 小西:
- なんかおもろいバンドだといいですね。
- 中居:
- 「何だかよくわかんねぇ。面白ぇなぁ、こいつら」みたいな。
- 小西:
- うん。
- 中居:
- 「何だかなぁ」っていう。
- 野宮:
- でも、それは外国でも通じますよ、ユーモアは。
- 中居:
- なるほどね。
- 小西:
- ワールドツアーやった時に、僕、パッと引っ込んで、ヘビメタのかつらみたいのかぶって、ギター弾く真似やったのね。
- 野宮:
- そうそう。
- 小西:
- それが、とにかくウケるの、どこでも世界中。
- 野宮:
- それからもう、毎回やってるっていう。
- 中居:
- それがなんでウケるか、ピンとこなかったりするんですか?
- 小西:
- いや、なんかアメリカ人てああいうの好きなんだよね、きっとね。
- 中居:
- まあ、日本でいうとベタですよね、メチャクチャ。
- 小西:
- うん、そう。
- 中居:
- ベタなネタだったりしますよね。
- 小西:
- そうなの。でもね、わりと単純に喜んでくれるんだよね。
- 野宮:
- うん。盛り上がるんですよ。あとはね、アンコールは、私とお揃いのワンピースを着て出てきたりとか。
- 小西:
- そうそう。
- 野宮:
- かつらかぶって。
- 小西:
- 嫌なのに。
- 中居:
- 今日のような格好なさったりするんですか?
- 小西:
- お揃いでね、ワンピース作ったんです。
- 野宮:
- あるんですよ。
- 中居:
- へぇー。
- 小西:
- 最近、太って着れないけど、お互いに。
- 野宮:
- かもしれない。ギクッ。
- 中居:
- お客さんはやっぱり「おい、何だよ? 何だよ?」って思いますよね。それがやっぱりツボだったりするんですか?
- 野宮:
- うん。
- 中居:
- 面白いですよね、でもね。意外性ですよね。
- 小西:
- なんか、一瞬のギャグっていう。瞬間芸みたいな。
- 中居:
- へぇー。野宮さんは夢は何かあります? 小さいのでも。
- 野宮:
- そうですね。なんだろう? でも、小西君が言ったみたいな、大きいとこでコンサートっていうのはやりたいですね。なんか、火とか燃やしちゃって、バァーンとかいって。なんかそういう派手なのが。
- 小西:
- KISSですね?
- 野宮:
- そう。ちょっとKISSのコンサート見て、空中飛んでみたいなとか思いましたけど。
- 中居:
- 大きいところで。難しいツアーですけども。大きいところは大きいところで、また本当、小さいところと違いますからね。一つになるかっていうのが難しいと思うんですよ。けっこう難しかったりするかもしれないですよね。そうなるまではね、もしかしてトントントンと、お客さん次第だと思いますけども。大きい会場でたくさんの人と。でも、例えば東京ドームで5万人なら5万人の人を笑わせるっていうのも、また難しいと思いますよ。
- 野宮:
- そうですね。
- 小西:
- その時はおしり出しますよ。ダメか。
- 中居:
- 例えば同じ格好してワァーッて出ても、東京ドームだったら100m、150m先ですから。
- 野宮:
- 小さいですよね。
- 中居:
- 同じ格好しててもわかんなかったりしますよね。そうするとまた、構成とか演出も変わってきたりしますよね。
- 小西:
- そうね。
- 野宮:
- ですね。
- 小西:
- やっぱり、あの電光掲示板とか使ってね。
- 中居:
- 電光掲示板。なるほどね。多分、ずっとこういうペースでいくんでしょうかね? のんびりした感じで。
- 小西:
- そうでしょうね。
- 野宮:
- でも、けっこうCDとか、すごいたくさん出してるし。いろいろやってるんですけどね。
- 中居:
- そうですよね。
- 野宮:
- ペースは早いんですけど。
- 中居:
- デビューしてもう何年ですか?
- 野宮:
- 11年前? もっと?
- 小西:
- ピチカート・ファイブってなったのは85年だから。
- 中居:
- 85年でしたっけ。もう12年前になりますけどね。
- 小西:
- そうですね。
- 中居:
- 12年ですもんね。ずっと変わらずですか? デビュー当時から。
- 野宮:
- いや、すごい変わってますね。
- 小西:
- 変わったかもね。
- 野宮:
- ヴォーカルが変わってるから。その都度ね、変わってるし。
- 中居:
- でも、そうするとヴォーカルが変わるっていうことは、やっぱり提供する曲もだいぶ変わってくると思うんですよ。
- 小西:
- そうですね。本当に。
- 中居:
- どんどんどんどんその声に合った、その雰囲気に合った曲をやっぱり作らなければならなかったりするじゃないですか。そうするとやっぱり変わってくるんじゃないかと思うんですけども。
- 小西:
- そうですね。でも、あんまり今までは悩んだことはなかった。
- 中居:
- けっこうスムーズに?
- 小西:
- うん。
- 中居:
- へぇー。そうですか。なんか、すごいのんびりしちゃいますね。今度、お庭かどっかで喋りたいですね。
- 野宮:
- ああ、いいですね。
- 中居:
- 外でね。
- 野宮:
- ポカポカして。
- 中居:
- ポカポカ暖かくなってきた時にでも。なんか太陽を見ながらのんびりお喋りしたいですね。
- 小西:
- なんか、3月頃って、僕、いちばん好きな季節です。
- 中居:
- 3月。暖かくなってくる季節ですよね。
- 小西:
- そう。なんか仕事したくないっていう。
- 中居:
- でも、それでも常に音楽は頭に入ってるんですよね、小西さん。
- 小西:
- そうですね。
- 中居:
- 常に何か音楽のこと考えてらっしゃるわけですよね。多分、今後も本当、のんびりとした、その夢でもね、大きい会場っていう夢でもつかんで欲しかったりしますよね。
- 小西:
- 今日、中居君に会えて夢叶ったね。
- 野宮:
- うん。
- 小西:
- なんつって。
- 中居:
- 「なんつって」とか好きですか?
- 小西:
- すいません。
- 中居:
- いいですね。本当、怒るんですか?
- 小西:
- うん、怒る時は。
- 中居:
- どんな顔して怒るんですかね?
- 小西:
- うーん? ちょっと……。
- 中居:
- なんちって。まあ、ぜひね、いろんな人にまた注目されることあると思いますけども、ぜひともこの番組に来ていだきたいです。今日はどうもありがとうございました。
- 野宮:
- ありがとうございました。
- 小西:
- ありがとうございました。
- 中居:
- はい、今週のゲストはピチカート・ファイブのお二人でした。どうもありがとうございました。