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NON EDIT TALK : 小室哲哉★槇原敬之


小室:
こんばんは、小室哲哉です。えぇと、夏に向けてですね、ええ、大物アーティストのヒット曲がですね、めじろ押しなんですが、その中でH Jungleどうですかね? 「GOING GOING HOME」は。みなさんの、あの、なんでしょう? リゾートミュージックにちゃんと入っていますか? という前振りです。今日はですね、あの、どうなんですか? 夏はシングルとかは出るんですか? 夏はお休みですか? 

槇原:
うん、なにも出ないです。

小室:
じゃあ、なにも出ない槇原敬之さんです。どうも。

槇原:
どうも。

小室:
はじめまして。

槇原:
はじめまして。

小室:
ちゃんとお話するのは初めてですね。

槇原:
そうですね、はい。

小室:
まあ、当たり前ですけど、お互い知ってますけどね。

槇原:
そうですね、もう。

小室:
情報的にも、いろんな音楽の話とかまで。

槇原:
はい。

小室:
僕もね、なんか、いろんな人からうーん、セッションの時の人かな? ツアーの人とか、あの、ドラムのアベ君とか。

槇原:
ああ、そうですよね。

小室:
ギターの葛城とかも知ってるんですか? は、直接は関係ないですか? 

槇原:
は、そうですね、ちょっとわかんないです。

小室:
うん、でもなんか、レコーディングの時の話とか、いろいろ聞いたりしてて、なんとなくは「ああ、そうやって作ってんの」とかいう話とかは。

槇原:
言ってますか? 

小室:
うん、聞いたことあるんですけどね。

槇原:
ええ、ええ。僕はね、あんま聞いたことないんですよ。

小室:
あ、こっちの情報は。ああ、そうか。

槇原:
ええ、そうなんですよ。なんとなくね、こう、言ってくんないんですよ。

小室:
あ、言ってくんないんだ。

槇原:
「ああ、きっと秘密があるのかな?」と思ってんですけど。

小室:
ぜんぜんね、秘密なんにもないですけどね、そんな。

槇原:
あ、そうですか? で、昔ね、僕あの、「テッチー」っていう雑誌にね。

小室:
え?

槇原:
「テッチー」っていう雑誌だったと思うんですけど。

小室:
「テッチー」?

槇原:
シンセサイザーの好きな人用の雑誌があって。

小室:
初耳ですね。

槇原:
あれ!? 本当?

小室:
うん。

槇原:
あれ? 

小室:
「テッチー」?

槇原:
「テッチー」じゃなかったっけな?

小室:
俺と関係ないですよね?

槇原:
いや、あるんですよ。それで、まだその、TMネットワークって名前だった時の小室さんがソノシートを雑誌用に入ってて。だから「テッチー」じゃないかもしんないんですけども。

小室:
きっと「テッチー」じゃないと思いますね。

槇原:
あ、そうですか。ごめんなさい。

小室:
あの、雑誌名わかんないけど、あ、でも、そういうソノシートみたいなの、やったことありますね。

槇原:
で、それをね、僕はね、持ってたりとかして。

小室:
「テッチー」って名前だったかもしれない。いや、わかんないけど。

槇原:
なんかその頃、なんか細野さんとかが、わりとメインになって、シンセの好きな人の雑誌とかいって作ってて。それがね、異常に鮮烈に残ってて。

小室:
あ、そうなんですか。まあね、もう長いっちゃあ長いですからね。

槇原:
いや、長いですよね。素晴らしいですね。

小室:
もう十年、越えましたからね。うん、シンセでデビューしてから、もう十年、越えてるから。そういう意味では長いですね。

槇原:
そうですね。

小室:
僕はね、あの、まあ、ドラムのまあ、友人っていうかまあ、まあ通じてたんですけど、槇原くんのその『どんな時も』が、だんだんこう、ヒットしてきた、まあ、そのぐらいの時期に、聴かせてもらったんですよ、曲とかも。それで、もうイントロがね、非常に好きだったんですよ、僕。なんとなくこう、こう、なんか想像もできるし「どういうルーツかな?」とかってのも想像もできたし「あ、キーボードなんだろうな」とか。

槇原:
ええ、ええ、そうですよね。

小室:
いろんなことでね、うん、けっこう容易かったね。わかりやすかった。そういう意味で、すぐ、すんなり入れて「ああ、こういうの好きな人なんだな」とかっていうことがまず、あの、もちろん歌もすごい良かったんだけど、一番やっぱ印象に残ったのが、やっぱキーボードプレイヤーだったからかもしれないけど、イントロのね、フレーズとかほら「あ、これ、そういうの好きなのかな?」とか、おもったんですよ。

槇原:
ああ、はいはいはい。もう、すごく好きだったんですよ。

小室:
好きだったんですね。そう、それであの、ああ、シンセとかキーボードの、メインはね、そういう人なんだなっていう。

槇原:
うんうん、そうですね。

小室:
あ、どう? まあ一応、必ず聞くわけでもないんですけど、ルーツみたいのはなんとなく、こういうゲストの方でね、そういう話に必ずなっちゃうんですけど、どこらへんですかね? エルトン・ジョンとか違いますか? 

槇原:
あ、あの、エルトン・ジョンはもう、後の方のルーツですね。

小室:
後の、ふーん。

槇原:
高校ぐらいかな? それまでやっぱもう、YMO。

小室:
YMO?

槇原:
YMO。矢野顕子さんからYMOに入った感じですかね。だから「在広東少年」て曲があって、で「すごい」と思って、それがじつはほら、あの「パブリック・プレッシャー」ってアルバムの中で、矢野さんが歌ってるっていうのわかってから、初めてあの「ソリッド・ステート・サバイバー」っていうアルバムを買ったのがきっかけで、それまではもう、クラシック一本やりで。

小室:
あ、そうなんだ。ピアノのクラシック?

槇原:
そう、ピアノの。ヘタで。

小室:
ヘタだったんですか? 

槇原:
ものすごいヘタだったんですよ。

小室:
それでも一本やりだったの? 

槇原:
そう。あの、なんかね、親のね、親がね、別に英才教育家でもなくて、ただ単になんかあの、母親がバレーボールやってたんですね。で、その頃、王選手がこう、全盛期で、王選手はじつはピアノが弾けるっていう話が、ウチの親に、幸か不幸か入っちゃって「じゃあ、あんたは、ピアノが弾けるバレーボール選手になれ」っていわれて、それで「そんな突き指もするようなスポーツ出来ねぇよ」っつって。

小室:
そうだよね。

槇原:
でもなんか、それでなんか、かたくなに僕にはピアノはやらせたかったみたいですね。ただあの、習うっつったのは自分からなんですけどね。だけどこう、譜面とかすごい苦手で、僕でも、いまだにアレンジする時とか、譜面使わないんですよ。   

小室:
ああ、僕もそうですけどね。いっさい書かないですけど。読めないし、僕は、譜面。 

槇原:
本当ですか? やった!!

小室:
もう、初見なんて、まあ昔、バイトで十何年前とか、バックバンドの時に、なんか変なオッさんがこう、配るんですよ。

槇原:
変なオッさんが?   

小室:
ギターの人とか、ドラムの人とかに。僕の前にも「はい、これね」とかいって配って「はい、じゃあやります」ってもう、3分も経たないで演奏しちゃうんだよね。で、ぜんぜんわかんない。

槇原:
どうしてたんですか? それ。

小室:
だから、コードが書いてあったから、まあコードを追うぐらい、せいぜい。

槇原:
ああ、そうかそうか。僕もそう、もうコードネームが。

小室:
コードでやるぐらいで。で、まあ、うーん、3回に1回か、3回に2回は、オーディションとか落ちてましたよ、だからそういうのは。

槇原:
そうなんですか。僕もね、えぇと、大学受ける時に、あの、大阪教育大学っていうところ受けたんですよ。たまたまそこ、一次試験が通ったんで。で、そこの作曲科っていうのを受けたんですけど、あの、初見のテストがあって。

小室:
やっぱりあって、うん。

槇原:
で、僕もその時、大学受験自体もう捨ててて。あ、こんなこと受験生の人に言っちゃあマズいんですけども。

小室:
いや、マズくはないと思うよ、ぜんぜん。

槇原:
マズくないですか? 

小室:
まあ、「おまえは捨てたんだろ」っていうことになりますから、大丈夫です。

槇原:
でもね、けっけうね、デビューしたてのころね、こう、けっこう余計なお世話で売れちゃったんですよ。僕、デビューした後もう、すぐ大学いかなくなっちゃったんですよ。そしたら「僕たち受験生で、こんなに頑張ってるのに、せっかく受かったのに行かないなんて」っつって、僕、ラジオで「そんなの馬鹿野郎!!」っつって言ったんですけど。

小室:
青山かなんかじゃなかったでしたっけ? 

槇原:
青山なんですけど、二部なんですけども。で、そん時はたまたま、そこを受けてたんですけども、あの、いきなり初見の時に、こう、ピアノのまえに座ってこう、一応、見る振りはするんですけど、わかんないんで「帰ります」っつったら、先生が慌てちゃって「何をいってるんだ!? 君は」とか言って「とりあえずなんか弾きなさい」って言われて。「なんか弾きなさい」って言われても「僕、譜面、初見ダメなんで」って、そしたら「いや、じゃ、他の人たちよりも、もっと時間あげますから、頑張ってください」って言われたんですけども、そのまま部屋から出てきて、落ちましたけど。

小室:
あ、もう、ぜんぜん弾かなくて? 

槇原:
うん。それぐらい譜面が苦手なんで。

小室:
それでよくクラシックピアノやってましたね? 

槇原:
先生の指見て。あとは音で覚えてたんですよ。

小室:
ああ、音でね。うん、ああ、それはわかる気もする。ああ、なるほどね。

槇原:
だって、なんか、あくまでそれはこう、継承するための記号みたいなもんじゃないですか? だから耳で覚れる人は、覚えた方がいいんじゃないの? っていうところがあったんで。

小室:
なるほど。ああ、本当にじゃあ、見るのは嫌いだったんだね、譜面をね。

槇原:
もう、すごい嫌いだった。

小室:
まあ、僕も、いちおうはバイオリンやってたんで。

槇原:
ああ、バイオリンやってたんですか?

小室:
バイオリン、いちおう3歳からやらされてたんですよ。

槇原:
じゃあもう、音感とかバッチグーじゃないですか?

小室:
うーん、どうかな? まあ、耳はその頃に多分、育ったんだと思うんだけどね。   

槇原:
ですよね。僕は移動ドだから。

小室:
ああ、そうかそうか。

槇原:
きっと固定ドですよね? 

小室:
うん、そうですね。バイオリンっていうのは、みなさんわかるかわかんないですけども、あの、調が一個なんですよね。

槇原:
そうなんですよ。

小室:
こう、転調とかないんですよ。もう、全部一個なんで。それでやるんで、確かにまあそういうのは、その頃。

槇原:
そうですよね。僕、5歳から始めたのがダメだったのかな? わかんないけど。   

小室:
僕でも、もう、小学校6年? 中学1年ぐらいは、さすがにもうやめてたと思うんですよ。

槇原:
あ、そうなんですか? 

小室:
うん。小5か小6で、もうやめちゃって、それからはもう、キーボードのが。

槇原:
あ、じゃあ、もうそんなとこからキーボードやってたんですか? 

小室:
シンセはね、中学の時初めて買ったんで。

槇原:
ええ!? 早い。

小室:
だから、1972年ですね、買ったのは、最初に。2年か3年、そんなもんです。

槇原:
じゃあ、僕が3つの時。

小室:
そうですか。

槇原:
ですか? 

小室:
うーん? そのぐらいかもしれない。 

槇原:
そうですね。僕、68年生まれだから。

小室:
あ、68年だったらそうですね。うん、そのぐらいでしょ。

槇原:
でも、そので、シンセっていったら、すっごい高かったでしょ? 

小室:
えぇとね、その頃安いのがあったの。

槇原:
何てヤツだったんです? どこの?

小室:
SH-1000っていう。ローランドのSH-1000っていうのがあって。

槇原:
あ、知ってる。あの、こういう四角のヤツじゃないですか? 

小室:
うーん? 四角………、四角っていうか、エレクトーンみたいな、鍵盤がこうあって、こっちにちょっとだけあって、ボタンが、ピアノ、とかフルート、とかなんかこう、押すと出るような。まあ、ここでいじれるんですけどね、少しは。

槇原:
いわゆるまあ、ポータブルトーンみたいな世界の、ああ。

小室:
うん、ああいうヤツで。でもまあ、それでもすごい、やっぱりすごかったんで、みんなびっくりしてたよ、それでも。

槇原:
いや、だって、びっくりしますよ。

小室:
うん、そういうので始めてたんで、まあ古いっちゃあ古いんだけどね、本当に。   

槇原:
それ、すごいですよね。

小室:
だからあの、ちょっと話、ザアーッとずれちゃったけど、だから、なんだ? ルーツっていうか、そういう邦楽なんだね、YMOとかね。

槇原:
そうですね。邦楽ですね。それよりもっと前だと、もう西條秀樹とかいう世界になっちゃうんで、多分あんまり影響は受けてないと思うんですけど。

小室:
ええ? どっかの振りになにげに出ちゃうとか、そんなことない?

槇原:
いや、あのね、すごい好きなんですよね。このあいだもコンサートで、そういうメドレーやっちゃったんですけど、僕は歌わないんですけど、アレンジとか、そういう頃の曲とかやってると、楽しいですよね。楽器編成が明確なんで、楽しかったですけど。だから、もともとYMOから入って、しばらくはもう、高校ぐらいまではYMOでしたからね。

小室:
でも、そのぐらいの歳だったらわかりますね、それはね。そうか、じゃあもう本当、バックトゥベーシックっていうか、バックトゥセブンティー、バックトゥシックスティーみたいな感じで戻っていったんだね。

槇原:
そうですね、全部もう後々って感じで。

小室:
後々でね。普通はね、槇原君みたいなサウンドで、あの良質のポップスというくくりだけど、アルバムとか聴くと、あらゆる音楽をね、こう、取り入れてるとかいうアーティストだと、僕たちの場合、間違いなくビートルズに影響受けたとしか、思えないっていうようなことがあるんですよ。そういうイメージがね。

槇原:
ああ、そうかそうか。よくありますよね。

小室:
最終的にポップスなんだけど、やってることは実験的なことを、あらゆることをやってるっていうね。

槇原:
うんうん、ああ、いわゆるその、スタイルっていうか? 

小室:
スタイルとしてはね、うん。だから「きっとビートルズだよ」っていう「これはルーツは」というふうなね、感じになるんだけど。もう、間違いなくそういうところからではないね、じゃあね。

槇原:
そうですね。だから、YMO自体やっぱり、例えば高橋幸宏さんが作る曲とか、すごいビートルズっぽかったりして。

小室:
そうだね。

槇原:
こう、本当、2〜3世代後で、ビートルズに影響受けた人の曲で、ビートルズ知ってるみたいな感じだから。ただ、このあいだなんかあの、なんだっけ? ブートレッグなんだっけ? なんとかビートルズって出ましたよね?

小室:
はい、ありましたね。出ましたね。

槇原:
うん。で、あれのなんか、メドレー聴いてて、僕らもう、自分からビートルズ聴くことはないですから。で、でもこう、メドレーでこう、ずっと流れて、ずいぶん長いあいだ聴いてたんですけども、やっぱいいんですよね。びっくりしちゃった。   

小室:
すごいところは、もう本当、もう山のようにありますね。

槇原:
うん。だから、やっぱりあの、ちょっと精神的にこう、算数とかみたいなもんで、なんかこう、大人になんないと楽しさがわかんない音楽の感じがしたんですよね。

小室:
ああ、そうですか。

槇原:
で、子供の頃やっぱビートルズ聴きますよね、従兄弟とかもいるし。だから、聴いててもやっぱ、なんかこう「べつに」って感じだったのが、今聴くとすごくもう、なんか、お手上げっていうか、もう。例えば、簡単なところ、メロディラインからしても、「なんだもう、世の中にあるメロディ、ほとんどこれじゃない」みたいな。

小室:
そうなんだよね。もう、あらゆるテクニック、いろんな人をびっくりさせる手法っていうのがね、一曲の中に山ほど入ってるんだよね。

槇原:
ね、すごいですよね。

小室:
そこらへんは、プロになって、自分でやってみてわかるっていうのもありますよね。

槇原:
ああ、ありますね。

小室:
「一曲、ここまで詰めるか?」っていうようなことあるでしょ? 

槇原:
うん、ちょっとなんか、大変だなって思っちゃう。

小室:
あれやっぱり、湧きに、湧き出てきたんでしょうね。あの人たちはね、その頃ね。

槇原:
そうですよね、うん。

小室:
まあ、そういう感覚なんだよね、きっとね。

槇原:
そうですね。

小室:
あの、でね、それでまあ、そういうプロセスっていうか、あって、これもまあ、間接的に聞いてたんだけど、槇原君の場合、詞も曲も案外、同時期だって聞いたんだけど、それは違う? 

槇原:
そうですね。

小室:
そうでしょ? なんとなくこう、雰囲気で言葉が出てくるっていう。

槇原:
そうですね。やっぱ初期の頃はそうでしたけど、やっぱりもうあの、プロになって、たくさん曲を作らなくちゃいけなくなってから、もうそうはいかなくなっちゃったんですけど。もう、詞が全部先ですね。

小室:
あ、詞が全部先なんですか。

槇原:
なんかこう、昔、僕その、ピアノやり始めてた頃は、同時期にすごい、絵、描くのか好きだったんですよ。でも別に格調高い絵じゃなくて、本当にあの、漫画からなにから、自分が。で、一人っ子で、親とかも働いてたんで。

小室:
一人っ子ですか。

槇原:
そうなんですよ。

小室:
僕も一人っ子なんですけど。

槇原:
あ、そうなんですか? 対照的な一人っ子って感じがしますけどね。ものすごい健康に育っちゃったから、僕は。それで、やっぱり一人遊びの中で、絵、描くこと覚えて、それが音楽になっちゃったから、音からなにか派生するってことはないんですよ。

小室:
絵からとか? 絵をイメージしたりします? 

槇原:
そうですね。

小室:
ああ、それは僕も一緒ですね。

槇原:
絵とか、あとやっぱり、その詞、もっと複雑ですけど、なんか精神状態から出てくる絵に触発されて、メロディラインとか言葉が出てきたりとかするから、ちょっとこう、面倒臭いプロセスかなって気はするんですけどね。

小室:
あの、まあ、具体的に言っちゃったらね、その、ビデオクリップだったりとか、映画とかになっちゃうかもしれないけど、ああいったその、曲も詞もできる前に、そういう絵って浮かびます? なんとなく。ああいうカットがね、バッバッバッバァーッと羅列されてるような。

槇原:
そうですね、浮かびますね。

小室:
浮かびます? それにこう、このへんガァーンてきて。

槇原:
こうかな? みたいな。

小室:
とかいうような。

槇原:
あとはやっぱり、歩いてて、ちょっとした景色に。だからまあ、いってみれば、ヘッドホンステレオの出だしの頃に僕、もうすぐに、ウチ実家が電気屋だったもんでこう、親からもらってずっとそれをこう、肌身離さず持ってて、一回、女の子と喧嘩するぐらい持ってたんですよ。「どうしてそんなに、いつも耳になんかつけてんの?」っていうぐらい。そう、でも僕はすごい怒って「これがないと、僕はダメなんだ」って怒った記憶があるんですけども。要するに、暮らしの中で足りないものだと、ずっと思ってたんですよね、音楽っていうものは。で、今みたいに、そんなに街中あふれてないじゃないですか? このあいだ、僕、初めてパリいった時になんか、びっくりしたんですけど、なんかその頃思い出しちゃって、街中に音楽がそんなにないんですよね。意外と店に入ってもなかったりして。で、あの時やっぱり、もう、大阪の高槻っていう小っちゃい街だったけど、やっぱりキレイな景色とかたくさんあって、その中でこう、どうしても欲しかったものが音楽だったっていうか。

小室:
その絵にまあ、自分なりのその、合うサウンドとかっていうの?

槇原:
そうですね。あとやっぱテレビ世代だったっていうこともあって、その、テレビって必ずバックに音楽が流れてるんで「どうしてないんだ?」みたいな感じもあったし。

小室:
それがまあ、あれですか? じゃあ、いつのまにか最初はそう、まあ受け入れて、ただいわゆるなに? ただってことはないけど、組み合わせでそう楽しんでたわけですよね? 

槇原:
そうです。

小室:
ある場所の風景と、ある音楽とで。

槇原:
そうです、そうです。

小室:
それ、なんとなく自分で作る側になってったっていう。うん、そうなのか。あの、そこらへんの感覚は僕、まあ、世代は違うかもしれないけど、作り方すごい似てるのね。僕も完璧に映像からなんで。ほとんど絵が浮かばないと、やっぱ音もなんにも出てこないんですよ。で、まあ当然その、持ち楽器はキーボードだから、キーボードの前にこう、で、なんか音は出すんだけど、まあ、出してる時に、やっぱり絵がね、浮かぶ。で、最近ね、どんどんあの、目つぶる傾向があっちゃって、作る時とか。まあこれ、どうなっちゃうのか怖いんですけど。

槇原:
入ってっちゃいますね。

小室:
どの世界に入ってっちゃうのかわかんないけど、ほとんどね、目つぶってんですよ、そういう時。

槇原:
ああ、わかりますよ、なんか。

小室:
で、言われて気がつくんだけど、で、そうすっと、やっぱ見てるんですね、映像をね、その時は。 

槇原:
ああ、ありますね。僕はあの、いわゆるこう、ほら、よくこう、ボーッとなにか見てる状態ってあるじゃないですか? 目がこう、目が死んじゃってる状態によくなるみたいで、一回、注意されて。「どこ見てんの」とかいわれて。で、そん時、僕、ちょっと目の左右がズレちゃうみたいで「怖いからやめて」っていわれて。うん、だから僕は、目はつぶらないけど、なんか、ここまでもう、神経がいかなくなっちゃうみたいで。

小室:
え? それはキーボードとか向かってる時に? 

槇原:
いや、僕はだから逆に、もう向かってない時の方が多いんですよ。

小室:
あ、じゃあ、向かってない時じゃあ、余計わかんないですね、それは、なにやってるか。

槇原:
すごい怖いんだそうですよ、うん。

小室:
あれ? 街中でとか? 

槇原:
街中はね、さすがに歩いててヤバいんで。ただやっぱ、お茶飲みに行ったりとか、御飯食べたりとか。

小室:
ちょっと仕事のときの。

槇原:
あ、もう、仕事の時なんか余裕ですよ。だから、一時期ひどいこう、本当にその、クリエイトするっていうモードに入ってる時とかは、もう、どんな仕事の打ち合わせしてても、マネージャーさんに2回、3回と、自分の仕事を聞いちゃうんですよ。「で、なんだっけ?」「で、なんだっけ?」っつって。もうそれぐらいこう、頭の中がいっぱいになっちゃって。

小室:
こういう、なんか目の前で、こういうふうにやられたりします? 

槇原:
しますよね。

小室:
「大丈夫? マッキー」とか? 

槇原:
友達とかけっこう「こっちこっち」とかいわれて、みんなに。「おぉ!?」とかっつって。

小室:
その時やっぱもう、世界がね。

槇原:
できちゃうっていう。だから、すごいあの、ディズニー映画じゃないけれども、こう、なんか自分の中で「不完全だな」って思ってる部分を、自分の中でビィジュアライズして、槇原王国みたいなものを作ってる傾向は、あるかもしれない。

小室:
ああ、なるほどね。まあ、僕なんかはそこは、ある程度きっちり別けようとはしてるから、その、作る時とかっていうのはなるべくね、僕もだって怖いじゃないですか、やっぱり。急に目つぶって、寝てもいないし。ちょっと怖いかなと思ってて。まあ、やっぱり鍵盤のね、前とかの時、弾く時にはしてるんですけど。多分そうなっちゃうんですよ。

槇原:
やっぱり、一種のトランス状態ですよね?

小室:
そうなのかもしれないね。

槇原:
なんかもう、匂いとかでもきますよね? 

小室:
そうですね。

槇原:
匂いとか、感触とか、皮膚感覚みたいなものまできますよね。

小室:
あの、変な話だけど、こう鍵盤に触ってるここの感覚はないですね。

槇原:
ないですね。それはすごくわかります。

小室:
ここの皮膚感覚ないよね? 本当。

槇原:
ないです。不思議ですよね。で、あの、筋肉運動してる感じもしませんよね。

小室:
しないですよね。

槇原:
勝手に動きますよね、手がね。

小室:
こういう話があれなんですかね? 超能力者の人たちがテレビ出てる時に、なんか「うん、うん、うん」とか言ってるじゃないですか?

槇原:
ええ、ええ。 

小室:
お互いに。

槇原:
ええ。

小室:
「本当かよ?」みたいな。

槇原:
ありますよね。

小室:
でも、本当だよね、それはね。

槇原:
本当なんですよ。

小室:
本当なんですよ。

槇原:
なんかね、ヘタするとあの、すごい、もっと研ぎ澄まされちゃうと、あの、未来のこととか見えてきちゃったりする時とか、たまにありますよね、僕とか。

小室:
ああ、そうですか。

槇原:
だから小室さんとかほら、すごいもう、今やもう、すごいじゃないですか。だからきっとそういうの、なんかこう、フューチャースコープみたいのでこう、見てるのかな? って思って。  

小室:
先をね。

槇原:
なにかこう、先にいった自分がなにか持って帰ってくるみたいな。で、僕は詞ですごくそれがあるんですよ。それはもう、すごくパーソナルなことだけど「こんな書いてても、ぜんぜんわかんないよ」って思ってることが、5年後ぐらいに「あ、こういうことだったんだ」っていう。

小室:
あ、自分が自分で起こるんですか? それは。

槇原:
うん。だからそこは怖い。「じゃあ一体、僕はこの歌を、どういうつもりで書いてたのか?」みたいなのはよくあって。

小室:
まあでも、それはでも、たくさんの人が、やっぱ同じ状況で聴いてるわけだから、同じこと思う人も、たくさんいるんじゃないの?

槇原:
だと思うんですけどね。

小室:
パッと見た時はね、聴いた時は、私とか僕とかは関係ない世界だなって思ってもね、どっかのタイミングで「マッキーが言ってたこと、本当だったよ」みたいなとこあると思いますね。

槇原:
だといいんですけどね。最近の若いヤツは、ちょっとわかんないですからね。思考がね、止まんないんですよね。っていうか定まらないっていうか。僕まだ、そんな歳じゃないから。

小室:
槇原君から若いヤツっていってると、いくつぐらいの感じなのかねぇ?

槇原:
ねぇ? やっぱ十代、二十代前半ぐらいの子とか。

小室:
でしょ? 

槇原:
でも、考え方わかんなくなっちゃうんですよね。だから、一番困るのは、そういう人たちにも、もちろん聴いてもらいたいのに、こう、自分で作ってるその、世界観みたいなものが、伝わらない日がきたらどうしよう、みたいな時は、一番怖いかな。

小室:
そう、あの、やっぱアーティストでなんていうんですか? そういう人たちと、成長型、同時進行型の人と、それから、もう勝手に学校型って思ってんですけど、僕なんかは学校型で、ある時期必ず入学して、卒業してっちゃうようなタイプだと思ってるんですよ。だから十代のこの時期に、一番、僕の音に敏感にまあ、感じてくれて、で、ある時期になると、また違うとこへ行くようなね。だから、そのまあ、進行形の人たちっていうのは、自分が大人で成長してって、それでそのファンであったり、そのユーザー側の人たちもね、それと同時に進行してくから、ちょっとした難しい解釈のしかたのものでも、すぐわかっちゃう人たちがでてきて。ただ、こう行っちゃうと、ここに取り残された次の世代の人たちが「ぜんぜんわかんない」というようなね、ことも起き得るから。

槇原:
それ、けっこう不安。

小室:
まあ、そこの部分だよね、きっとね。

槇原:
ぜんぜん関係ないんですけど、小室さん自身て、例えばクラブとか、そういうとこに遊びに行ったりするんですか? 

小室:
クラブはまあ、遊びには行かないですけど。

槇原:
ネエちゃん系じゃないクラブですよ。

小室:
あれは、クラ………、発音一緒ですね。

槇原:
「いらっしゃ〜い・」の方じゃなくて。

小室:
1月からね、今年の1月からずっとやってたんですよ、毎週。イベントを自分で。やっぱやりたくて、ジャングルというスタイルに限定して。で、ちゃんとした、決まった箱じゃなくて、あの、勝手に自分たちでその、クラブイベントっていうことでやって、それでやってたんで。まあでも、ほとんど遊びみたいなもんだったけど、リハーサルとかそういうのもしないし、気楽にやってたんだけど。

槇原:
でもその、じゃあ、仕事離れたところで、自分から行くタイプですか? やっぱそういうところに。

小室:
いや、行かないですね。

槇原:
あ、やっぱ行かない? 僕ね、すごい苦手なんですよ。

小室:
もう、無理やりでも、連れていかれても行かないですか? 

槇原:
うん、行かないですね。で、あの、特にこの仕事やるようになってから、特に行かなくなっちゃったんですけど。で、ずっと考えてて、何なんだろうって思ったらその、踊らせるのは好きだけど踊らされるのは嫌、みたいなところがあんのかな? とか思って。で、ほら、割とこう、ダンサブルな曲作ってらっしゃるんで、そういうのも作ってる第一線の人って、よくほら、昔あったじゃないですか? ユーミンさんが恋人の話聞きに、どっかに行くんだっていう逸話があったりして、そういうふうにしてこう、やっぱりその「踊ってる子たちの気持ちがわからなきゃ」みたいなってあるのかな? と思って。

小室:
えぇと、ああ、そういう、だから結局、仕事ということでは最近は行かないけど、行ってましたね。うん、まあ、ほとんどあの、好きで行ってんだと思われてたと思うんですけど。基本的にその、踊るのが好きじゃないから、やっぱり言い方よくないけどね、でもけど、踊らせるの、踊らせる方だから。

槇原:
なんかやっぱりね、ノらして踊ってくれるとうれしいですもんね、見てるとね。   

小室:
そうだよね。だから、あのDJブースの空間の、あれの特殊な気分っていうのは、やっぱりいまだにわかりますよ。今、憧れてる人たちっていうのは、すごく増えてると思うんですけど、DJって。

槇原:
そうですね。もうDJが公用語のようになってますものね、今ね。

小室:
あれね、多分、ブースのやっぱり神聖化されたね、ある種の世界だと思うんですよ。

槇原:
ああ、そうか、そうか。

小室:
あそこに入るっていうことが、まあ、一つのね。

槇原:
ステータスみたいな感じの?

小室:
ステータスだし、あの空気っていうのは、やっぱ一回味わうと。

槇原:
ちょっとやめらんないかな? みたいな。

小室:
「いいなぁ」って思うと思うのね、きっと。

槇原:
ああ、ちょっと行ってみようかな? なんて。

小室:
一回ね、入って見るといいよね、あのブースにはね。あのね、場所によっては見えないとこあるじゃない。その、ブースがほとんど。

槇原:
そうですよね、こっそり。

小室:
うん。だからこう、なんか、そういう知り合いの関係の人たちとかで、ただ別に自分が回すとか、自分が「イェーィ!!」とかいうこの、ノリに行かなくてもいいから別に。掛け声かけに行かなくてもいいんで、もう、ただ単にいるだけでまあ、お酒飲みます? 

槇原:
僕飲まないんですよ。

小室:
飲まないんですか。

槇原:
あ、でも、大丈夫。飲む。

小室:
そういう時にちょっと、まあ、ソフトドリンクでもいいですけどね。で、ぐらいで、入ってみると、あのね、いわゆる俯瞰の世界ですね。

槇原:
ああ。

小室:
完璧に俯瞰の世界が、こう、見下ろすわけじゃないのに、俯瞰の世界になりますね。

槇原:
じゃあその、ちょっと、なんていうんだろう? そんなにキツい意味じゃないだろうけど、ちょっと言い方、合ってるかどうかわかんないですけども、こう、独裁気分っていうか、ちょっとしたあの、演説気分っていう? 

小室:
あの、えぇとね、んーとね、演説はなんていうんですかね? うーん?

槇原:
もっと自然なのかな? 

小室:
えぇとね、どういったらな? まあ、オウムの問題があったからあれだけど、どっちかっていったらやっぱり、もう洗脳でしょうね。

槇原:
ああ、そうか、そうか。

小室:
そういう方でしょうね。で、いわゆる、こっちを「おまえら聴けよ、聴けよ、聴けよ」っていわないのに、自然に自分のコントロールにできるでしょ? 

槇原:
ああ、そうか。

小室:
いわゆる、一曲かけて、二曲目かけて、三曲目って時の、その自分で「ここでこうやって、きっとここで盛り上がるな」と予想してやってるわけでしょ? で、本当にそうなってきますよね。

槇原:
じゃあ、確かに僕も、数少ないですけど、何回かは行ったことがあって、気持ちよく曲の間がこう、スポンといったり、そん時に、自分の大好きな曲だったりすると、ちょっと特殊なホルモンが分泌されますよね。こう、ヒューッてきちゃうっていうか。

小室:
そうだね。

槇原:
ああ、そういうの楽しいんだ。

小室:
だから、パブロフ状況で、なんかこう、ウッてなる感じありますよね? 

槇原:
うん、なりますなります。

小室:
あれを、要するにその、DJブースが、まあ、DJということだけじゃないかもしれないけど、あそこの人間がね、それを要するにコントロールしてるわけですよ。それはライティングスタッフだったりも、そうかもしれないし、ビデオのビジュアルのスタッフもいたりする時もあるから、そういうヤツらが、そういったちょっとね、あの、斜めなコントロールなんですよ。

槇原:
ああ、わかる。

小室:
それがきっといいと思うんだよね。

槇原:
じゃあ、すごい、聞いてて楽しそうだなぁ。

小室:
これがやっぱり、もっとアーティストの人のステージとかっていうのは、晒け出しますよね? 

槇原:
そうですね。

小室:
「俺も見せるから、みんなも見せて」っていうようなところの。

槇原:
なりますもんね。

小室:
ありますよね。だから、それよりはズルいんですよね、もっとね。

槇原:
うん、でも、ズルい分、気持ちいいみたいなところありますよね? 

小室:
そうなんですよ。ズルい分、自分は見えてないわけだから、心も出してないし。   

槇原:
じゃあ、あれか。なんかすごい、お互い感じてる気持ちよさが、ぜんぜん違うものなんだけど、すごい、成り立っちゃってるのか。

小室:
そうですね。

槇原:
ああ、面白そうですね。また行ってみようかな? 

小室:
成り立ってる世界ですね、それはね。だから、まあ、別に日本ということじゃなくてもいいと思うんですよ。で、向こうのロンドンとかは、やっぱりクラブで、ゲストDJがね、「誰々がくる」っていうことでみんなも来ますよね。

槇原:
ああ、そうか、そうか。

小室:
うん、そういう時の、そのDJの技とかっていうのは、そういうのが随所にやっぱりね、出てると思うんでね。

槇原:
ああ、そうか。ね、一回ね、行ってみたいなと思ってんですけどね。

小室:
あの、まあ、それが今までの、そういうDJスタイルだと思うし、で、今年とかで、まあ、僕なんかジャングルとかいってやってるのは、もうちょっとレゲエのスタイルとかとってるから、あの、そういうヤツと、やっぱりアジテーションする奴がいるんですよ、MCがちゃんと。ラッパーまでいかないけれど。 

槇原:
ちょっと、なんていうんですか? ラガ・マフィンみたいな感じで? 

小室:
そうですね、ラガ・マフィンみたいで。もうそうなると、曲と曲は、はっきりいって切っちゃうし。切って、その間にちゃんと「次は、こんなにいい曲かけんだから、いくよ! いくよ! いくよ!!」っつってやる。

槇原:
一曲、一曲の前説みたいな感じですね?

小室:
まあ、だからコンサートに近い、コンサートをもっと説明して、わかりやすくしてあげて、で、お客さん楽しんでっていう世界もできてきてるし。

槇原:
ああ。なんか、確かにあの、ウンチクって大事っていう話を、このあいだちょうど、ウチのプロデューサーともしてて、その、お寿司屋さんいってね、こう、ただ出されるよりは「今日、一生懸命買いにいって、こういうのだから美味しいよ」って出された方が美味しいっていう話があって、まあ、あんまうるさいと逆にしんどいんだけども、それと一緒でやっぱりこう、なんかこう「こんなにいい曲だから」みたいなのがあると、すごいノっちゃいますよね、気分が高揚しちゃうっていうか。

小室:
ああ、そうですよね。なんか、槇原君と、そのクラブサウンド、まあ、サウンドも、もちろんなんですけど、そういう世界っていうのも、僕は面白いと思いますね、すごく。

槇原:
うん、なんかやりたいな。

小室:
ここにね、よく座ってきてくれる人って、そこそこなんかやっぱり、僕のそういったダンスっていう部分も、興味持ってくれる人多くて、接点てどういうとこなのかな? っていう話にまあ、結構なることあるんですよ。で、そういう時に僕も、こちら側から見て、そのアーティストの人が、そういうシーンとかと組み合わせたら、どういう面白さがあるかって考えるんだよね。で、まあ、このあいだのシングルとか、もちろんラジオとかでは聴かせてもらってて、ああいうサウンド、ニューヨークですよね? あそこらへんて、ミックスとかニューヨークじゃないんですか? 

槇原:
ええと、マスタリングだけです。

小室:
ああ、マスタリング。なんかすごくね、僕はそっちの音に聴こえてたのね。まあ、そういうの聴いてたからかもしんないんだけど。だからクラブサウンドみたいのも合うんじゃないかな? とかは、すごく思いましたよね。

槇原:
なまじあの、日本語で歌うとね、僕の声って、すごい行儀よくなっちゃうんですよ。

小室:
ああ、行儀いいっていう意味はわかるね。

槇原:
それで一回なんか、と、ある雑誌で、その年によく売れた日本のCDを、外人さんに聴いてもらって批評するっていうコーナーがあって、そん時にまあ、僕の歌聴いた人が「お母さんもこれだったら、安心するような感じね」って言われたのが、ものすごく傷ついて残ってるんですよ。なんかそういう音楽って、あんまり作りたくないと思ってたし、ただ、どちらかっつうとその、親に言えない気持ちを歌いたい方だったから、だけど、例えば、なにか、このあいだちょっとこう、英語で遊びでね、レコーディングやってみたんですけども、そうすると、まったく発音の仕方とか、発声の仕方、あと顔まで変わっちゃうんですよね。これだとね、ひょっとしたらその、お行儀よくなんないかもしれないと思って。だから、もし、そういうのやるんだったら、英語とかでやりたいなと思って。すごい楽しいし。で、やっぱり、踊ったり、雰囲気に身を投じる曲だから、こう、あんまりこう、うるさいその、意味はもういらないのかな? と思ったんですよ。なんかこう、キーワードがあれば。

小室:
そうですね、うん。それはあの、ダンスミュージックとかっていうのは、すごい大事で。一言の重みっていうのは大きいんだよね、その代わり、入ってくる一言っていうのはね。

槇原:
なんか、なんだっけ? リアル・マッコイかなんかで、♪Run away〜とかいって。

小室:
うんうん、ありますよね。

槇原:
「なんでこれで売れちゃうんだ?」っていってたんですけども。なんか、わかる気が。そう言われてみると、なんかすごく、いろんな要素がカチッて合って、その瞬間に出るパワーが、ダンスミュージックって独特なもんがあるんだなと思って、一重にダンスっていっても難しいもんだなと思って。

小室:
そうですね、ダンスミュージックの話でいったら、やっぱ深いね、それはね。

槇原:
深いですね。ただなんか、そういう楽器そろえて、こう、そういう雰囲気で作ればそうなるわけでもないんだっていう。

小室:
そうですよ。もうだから、そこらへんはね、まあ、この番組もけっこうマニアックといえばマニアックな方なんだけど、これよりも、さらに深いとこ入らないとね。

槇原:
そうですよね。

小室:
そのダンスミュージックの、なんで、どうしたら気持ちよくて、どうしたら気持ちよくないのか? っていう話とかっていうのはね、すごい細かいところでありますね。

槇原:
なんか、きっともう、そうなってくると、精神構造までいっちゃう話なのかもしれないな、と思ってるんですけどね。

小室:
それもあると思いますね。あと、すごいテクノロジーのすごい深いところもあるし、そこらへんは。

槇原:
もう、そうなってくるとやっぱり、ちょっと宗教めいてる感じありますね。

小室:
もう本当、一つの音の入り方でも、その、さっきのアドレナリンみたいなホルモンの分泌じゃないけど、出る、出ないに関わってくると思うからね。

槇原:
すごいですね。

小室:
うん。そこらへんはあると。まあ、でもきっと、そういうシングルをね、作る時に、槇原君で、ここにイントロにね、こういうフックなものを入れた方がまあ。

槇原:
「気持ちいいぞ」みたいな。

小室:
とか「キャッチーだな」とかっていうのに近いと思いますけど、それは。

槇原:
なるほど。

小室:
それをもうちょっと、もっとなんていうのかな? ただ寝てる人を起こして、立ち上がらせて、躍動させるまで持ってかなきゃいけないんでね。

槇原:
こう、やっぱりムズムズさせないとダメなのかな? 

小室:
そういうことだね。ムズムズだね、そうだね。

槇原:
ムズムズって、なかなかなりませんもんね。そうか、じゃあ、そう思うとすごいんだな。

小室:
まあでも、なんでもね、深いと思いますけどね、それは。でも、それはでも、行ってみて欲しいですね、そこらへんね。

槇原:
行ってみます。でも、なんか、ほら、呼び名がマッキーとか言われてるもんだから、それも込みでなんか恥ずかしくて、そういうクラブとか行くの。「あ、マッキーだ!」とかいわれて「マッキーかクラブに来てる」なんていわれちゃったりなんか。すっごい恥ずかしい、もう。

小室:
そういう、なんかほら、べつに一人で行かなくてもいいじゃない。

槇原:
でも、目立つんですよ、デカいから、僕。

小室:
ああ、そうか。じゃあちょっと、デカい面子をそろえて。でも、もっと目立つか? 

槇原:
でも、逆に言えば、もうそれぐらい、威圧観あるぐらいの人たちと一緒に、プロレスラーみたいなヤツらと一緒に行って、エンジョイするっつう手もありますよね。

小室:
それか、音だったらなにがいいですか? 聴きに行くとしたら。

槇原:
いや、けっこう僕はね、エレクトリック、エレクトリックしたのが好きなんで。   

小室:
ああ、今、少ないよね。

槇原:
少ないですよね。

小室:
すごくね。まあ、ヒップホップですよね。

槇原:
でも僕、ジャングルってすごい、初めて聴いた時、好きでしたけどね。

小室:
あ、本当に。

槇原:
なんか、ちょうどいいとこ行ってっかな? みたいな。一番、好きかな? みたいなところがあった。

小室:
アルバムがなんか、一曲やってみてくださいよ、ジャングル。

槇原:
やってみましょうかね。

小室:
あの、テンポは、B.P.Mはね、90とか80でいいんですよ。

槇原:
あ、けっこうゆっくりなんだ。

小室:
90でいいですよ。

槇原:
へぇー。

小室:
とか80ぐらいで。もう、バラードっていくつぐらいですか? そんなもんでやってます? 

槇原:
そうですね。まあ、大体80、70ぐらい? 

小室:
ぐらいですね。で、それを倍でとってるだけなんで。クリックは倍でとってるんで。

槇原:
なるほど、なるほど。あぁ、わかった! わかったぞ!! 

小室:
B.P.Mをだから、90のだったら、180で打ち込むんですよ。

槇原:
なるほど、なるほど。

小室:
で、だから、普通の半分にして。だから、90でこういうふうに、♪ドッ、ドッ、パーン、ツカ、ツカ〜とか打ち込むとするじゃないですか、それで再生でいくと、♪ドン、ツカ、ツカ、チャッ、カ〜ってなりますよね。

槇原:
なるなる、なるなる。

小室:
でも、歌は90でとるんですよ。

槇原:
ああ。

小室:
だから、あと、レゲエのこう♪ンッ、チャ〜とかありますよね、あれも全部90でとるんですよ。

槇原:
じゃあ、あれかな? ちょっとやっぱり、あの、なんつうか、ネイティブ系のリズムの感じですよね? あの、アフリカ、アフロだとか。

小室:
うん、そうです、そうです。そうですね。

槇原:
あっちの方ですよね。

小室:
もう、もちろんそうです、基本は。

槇原:
あれなんか、妙に気持ちいいんですよね、あの♪テケテケテケテケ〜きてる感じでね。

小室:
気持ちいいですよね。あれ、だから、半分にしてるんで、テクニック的にも、コンピューターの打ち込みのテクニック的にも、すごい、急に打った時との生まれ変わりが気持ちいいから。

槇原:
気持ちいいですよね。あ、へぇー。

小室:
で、あの、スネアとかも結局、ピッチ高いでしょ? あれ別に高くしてるわけじゃなくて、倍にしてるから。

槇原:
高くなっちゃう?

小室:
高くなってるだけなんだけど。だから、そういうことですよね。

槇原:
一回、なんかやってみます。

小室:
それは、やってみたりしてくれるとね。

槇原:
なんか、このあいだ浜ちゃんのヤツで、僕、じつはあの歌を、ウチ、お風呂場にラジオ置いてるんですよ。で、頭かなんか洗いながら、たまたま流れて。僕、最初浜田さんてわかんなくて、で「すごい、いいなこの歌」って。あの、怒っちゃったらすいません、でも、すごい昔のフォークソングのなんか、熱い感じも込みで、カッコいいオケだなと思って。しかもあの、歌がウマ………、なんつうの? こう、技巧的じゃないから余計にグッときちゃって、思わずお風呂場で、頭、洗いながらこう、ちょっとしんみりしちゃって、僕。

小室:
ああ、本当に。それはうれしいですね。

槇原:
なんかキュッときて、で、みんなに「あの歌いいよ、あの歌いいよ、誰が歌ってんの?」っつったら、「なんとか〜なんとか〜って歌だよ」っつったら、「あ、それがあの、いってたジャングルだよ」とか「H Jungleってヤツだよ」って。もう、なんかすごいなぁと思って。で、あれ聴いた時に「ひょっとしたらなんか、自分もできるかもしれない」ってなんか、今までダンス物いろいろ聴いた中で、自分に一番近い感じがした。

小室:
ああ、そういうね。僕も、さっきそこで聴いてたんですけどね、日本語とのその、槇原君との。

槇原:
マッチングみたいなね。

小室:
マッチングの相性っていう意味は、もう、ぜんぜん気になんないと思いますよ。   

槇原:
そうかな? 

小室:
やってみて欲しいですね、そういうのは。

槇原:
ドーンと、若い人のハートつかまないとね。本当ね、ダメなの、最近、僕。もう若い人の気持ちわかんなくて。今日もこんな、こんな光ってるヤツはいてんですけどね、これもあの、若い人の気持ちを、あ、ちょっと靴下がダサい。あの、つかもうと思ってんですけどね、ダメ。

小室:
そんなことないでしょ。

槇原:
そうですかね? わかんなくて。みんな小っちゃい服着てるから、最近の子。

小室:
やたら小っちゃいか、やたらデカいかですね。

槇原:
そうなんですよ。ものすごいの、もう。

小室:
デカい人はデカいですよ、すごい。

槇原:
デカい人はデカいの着てるんですか? 

小室:
脱げちゃいそうな、パンツはいてるじゃないですか。

槇原:
あ、そうそうそう。こんな、パンツ見せてますもんね。あれは可愛いと思うんですけどね。なんか小っちゃいの着てるとなんかね、もう、こっちまでなんか、泣けてくるぐらい心細くなってきちゃって。昨日でも、そういう服着てたんですよ、僕、じつは。けっこう波紋呼びましたけどね。どうですか? そういうの。けっこう今日は小っちゃ目ですね? 

小室:
うーん、そうですね。まあ、僕がまあ、普段はもうダブダブの着てますけどね。   

槇原:
あ、そうなんですか? 

小室:
普段とぜんぜん違います。

槇原:
知ってみたいですよね。小室哲哉さんの普段着。 個々  普段着………、まあ、そんな変わんないですよ、そんな。

槇原:
あ、そうなんですか。まあ、ちょっとこう、美しい感じの人なんで、あの、なに着ても似合いますよね、きっとね。僕、柔道着が一番似合うって言われてんですよ。

小室:
でも、僕は柔道着似合わないですから。

槇原:
それはそれでラッキーなの。でもね、そう、あの、ぜんぜん音楽の話と異なりますけど、けっこうコンプレックスのかたまりなんですよね、僕。

小室:
え? そういうファッションとか? 

槇原:
ファッションとか、その、ルックスとか全部に関して。で、けっこう誰とも違うな。で、しかも、あんなピチピチの服着てる若い子なんか横にいた日にゃあ、もう、ぜんぜん違う!! みたいな気持ちだったんですよ。だけど、最近ね、ウマい方法見つけて、「あの子たちに、僕のこの感じが出せないだろう」って思うように。逃げ場でしょうかね? これ。

小室:
いや、すごい、みんな、でも、もちろん出せないでしょ。だって、音楽まず一つ技が持ってて、それはもちろんこっちにあるわけだから。

槇原:
ですよね。

小室:
それだけで、今の若い子は、そういう部分はしっかり見てると思いますよ。

槇原:
見てますかね? 

小室:
だから、この感じだけじゃ、絶対無理ですから、そこの裏なり、後ろなり、あるものがないとダメだと思いますよ。

槇原:
ああ、じゃあ、けっこうみんなしっかりしてるんだ。

小室:
それはしっかりしてると思いますよ。

槇原:
ああ。

小室:
これは僕はすごく感じますけど。

槇原:
でも、確かに例えば、こう、勉強ばっかりしてヘタにこう、知力ばっかりが上がってる、別に馬鹿じゃないですけどもね、そういう人よりはなんか、いろんなことを知ってて、いろんな人の面を見ようとする力はあるかもしれませんね、そういう若い子の方が。

小室:
僕なんかだから、男の子とか若い子で、なんか話したりする時で、やっぱり音楽のその、なんか、能力のことを羨ましがられるっていうか、一番そこを言ってもらうんで。

槇原:
それはでも、なんかうれしいですよね。

小室:
なんか、その、ほとんど格好のこととか、ここ4〜5年、言われたことないですよ。

槇原:
ああ、それだよ、男は。みんな聞いとけ!!

小室:
なんか「その服がいいですよね」とかね、「その髪型が好きなんですよ」とかっていうのは、一切。前はね、あった。TMの頃は、もうちょっとあったかもしれないですけど。

槇原:
あの頃はね。あの頃はねっていうのもなんかね、言うなよ。

小室:
あの頃はっていうのは、三つ編みしてた頃ですかね? 

槇原:
いや、でも、あん時もカッコよかったですけどね。

小室:
まあ、あれはね、あれしかなかったんだね、やるしかなかったんですよ。

槇原:
けっこうファンだったんですよ。

小室:
あれはあれで。

槇原:
やっぱあの、気持ちいいな、あのシンセのサウンドが。僕になかったですもん。   

小室:
でも、とにかくウチらはね、その、まあ、ここでべつにダンスを奨めるわけじゃないですけどね。ダンスミュージックのトライっていうのもね、ジャングルを含めてね、いろいろあると思うんでね。

槇原:
そうですね。ちょっとなんかやってみたい。

小室:
決してハウスどうのこうのとかね、じゃないですから。今後あれですか? アルバムの予定とかは? 

槇原:
ない。

小室:
ないんですか?

槇原:
うん。

小室:
困っちゃったね。え? シングルも? ツアーとか。

槇原:
ない。

小室:
今は何? 充電期間? 

槇原:
充電もしてない。

小室:
充電もしてない?

槇原:
あのね、何してるんだろう? 僕、最近。

小室:
何してるんでしょうね。

槇原:
いや、けっこうね、マルショーとかに買い物いったりとかして。あのね、なんか。

小室:
ここね、ゲストの人すごくね、もう大物の方がたくさん来てくれるんですけど、けっこう大物の人なりにね、ちゃんと持ってくるんですよ、その時期にこう、シングルとか。

槇原:
あ、「これなんですよ」って?

小室:
ちゃんといい時期に来るんですよ。

槇原:
ない。もったいない。また呼んでくださいよ、なんて。

小室:
本当にそういうね、ことじゃなくて。もう勝手に遊びに、べつに暇な時に来てもらうとかいう発想だったんですけど。

槇原:
僕、まさにそういうふうに聞いてたんで。

小室:
そうですよね? 

槇原:
そういうふうに来ちゃいました。

小室:
そういう感じで来てくれる第一号だと思うんですよ。

槇原:
ああ、やったー!! これですもん、だって。

小室:
だから、きっとこう、普通はね、プロモーションビデオが、最新のが流れたりするんですけど、きっと古いでしょうね。

槇原:
昔のですよっていうのなんですけど。

小室:
ああ、じゃあまだ当分? 

槇原:
あ、そうですね。今いろいろでも、考えてまして。

小室:
考え中なんですね。

槇原:
あの、なんか、次はなんかあの、ちょっと今までとは違う感じにはしたい。あの、割とお母様方が嫌いな感じにはいきたいなと思うし、逆にお母様方には、そうなって欲しい。すごいあの、やっぱ、そう、お母さんぐらいの世代の人に、すごく受けがいいんですよ。でも、なんか、それが嫌なわけじゃなくて、プラスなんか、お母さんが若かった頃の気持ちの世代の人たちにもっていうか、お母様方にあまりすかれても、なんか歌う婦人会みたいになっちゃうんで。

小室:
「主婦と生活」とか取材に来ちゃったり。

槇原:
そうなんですよ。僕だって、育児雑誌に載っちゃったんだもん、育児雑誌。「ウチの嫁が」とかっつって「槇原君ばっかり聞いて、こんな男のCD、どこがいいんだ?」とかって漫画に書かれて。で、これはいかんということで、なんかあの、もうちょっと僕自身はフレキシブルな人間で、いい加減なんで、そのへんの面白さを。もっと音楽ってほら、楽しめるじゃないですか? で、〇×がない世界だから、〇×なしで、あんまり考えないでやりたいなと。

小室:
そう、やっぱりなんか、破るとしたらね、メチャクチャ、ロックのなんかすごいのいっちゃうとかね。とかまあだから、それの中の一つダンスがあると思いますからね。

槇原:
そうですね。

小室:
やっぱりどうしても奨めちゃいますね、僕ね。

槇原:
奨めてますね。でも僕、基本的にはすごい好きなんで、一回ちょっとチャレンジしてみたいです。

小室:
うん。トライしてみてください、それ。

槇原:
はい。

小室:
まあね、これ長い話になってしまってですね、なかなか詰まっちゃうんで。

槇原:
あ、そうなんですか。

小室:
残念なんですけど。

槇原:
残念ですね。

小室:
またゆっくり。

槇原:
ええ。もう、ぜひぜひあの、お願いします。

小室:
けっこうまだ聞きたい話、僕もたくさんあるんですけども。というわけでね、〆ましょうか? じゃあ。プッツリ引き締まりますけど、あの、今後の予定もないんで。

槇原:
そうですね。街で見掛けたら、声かけてください。

小室:
じゃあ、クラブで見掛けたら。

槇原:
ああ、そうですね。「イジめないでね」って言っといてください。

小室:
そう、触れないでくださいってですね。

槇原:
それか思いっきり触れるか、どっちかにしてください。

小室:
バァーンて「マッキー!!」って感じですね。

槇原:
「よぉー!!」みたいにね。お願いしまーす。

小室:
というわけで、槇原君でした。

槇原:
どーも。

小室:
ありがとう。

槇原:
ありがとうございました。


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