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- 中居:
- こんばんは、中居正広です。今日はですね、MUSIC CLAMP、なんと90回スペシャル ということでですね、暇なスケジュー……、いやいや、忙しいスケジュールの中をぬって来ていただきました。あらゆる人から注目を浴びていて、「この番組に来てくれるの かな?」って、すごく不安だったんですけど、よくぞ来てくれた! という感じでですね、もう今年はこの人の年じゃないかと思うわけですが。さて、90回スペシャル、記念すべき今回にふさわしいゲスト。もう、この人しかおりません。草なぎ剛さんです。
- 草なぎ:
- どうも。こんにちは、中居君。
- 中居:
- …………俺ね、初めてだよ。いろんなゲストの方を迎えて話をしたけどね。やっぱりスタジオに入る時っていうのは緊張するし、初対面の人もそうじゃない人も、とりあえずは普通に喋るでしょ。そういう番組なのよ。ね。君、もう笑ってるもん。
- 草なぎ:
- え? いえいえ、ちゃんと聞いてるよ。
- 中居:
- ね。そうするとやっぱり緊張するのよ。「どういうふうに出てくるのかな?」とか さ、なに言ったらいいのかなって。初めてだよ、こんなに緊張しなかったの。
- 草なぎ:
- それ、いいことなのかな? でも。
- 中居:
- それが剛君の味じゃないですか?
- 草なぎ:
- そうですか? だって、同じメンバーじゃん。
- 中居:
- だから、緊張はしないんだけど、なんか気持ち悪いんだよなぁ。
- 草なぎ:
- なんで?
- 中居:
- だってさ、ゲストの人がきたら、「どんな音楽聴くんですか?」とか「日頃は何を されてるんですか?」「今後の音楽は?」とか聞くじゃない。ね。俺は聞きたいし、視聴者の代表として聞いたりするんじゃない。でも変な話、俺、君のこと全部知ってるわけだよね。世間の人も知ってるわけよ。
- 草なぎ:
- 聞くことがない?
- 中居:
- ん。
- 草なぎ:
- そんなこと言わないでよー。何か聞いてよー。
- 中居:
- 髪、最近切られたんですね。
- 草なぎ:
- そうです。ドラマで。
- 中居:
- ドラマ。
- 草なぎ:
- もう終わったんですが、「沙粧」で、犯人役だったんで。今までどちらかというと、いい人みたいな役が多かったんで、同じイメージじゃつまんないと思って。
- 中居:
- 犯人役、なるほど。
- 草なぎ:
- そうなんですよ。
- 中居:
- はい。今週のゲストは………。
- 草なぎ:
- いや、もうちょっと…………。嘘でも何か聞いてよー。
- 中居:
- あ、そう。犯人役。で、もう終わったの? 収録は。
- 草なぎ:
- そうです。昨日、終わりました。
- 中居:
- 昨日終わったんだ。どうだった? 面白かった?
- 草なぎ:
- ええ。初めてだったから。
- 中居:
- いい人っていうか、いろんなさ、月9の番組とかさ、いっぱい出てるでしょ。
- 草なぎ:
- いっぱいは出てないよ。
- 中居:
- 大型番組に。
- 草なぎ:
- はい。
- 中居:
- ね。で、いい人ばっかりやってるよね。
- 草なぎ:
- うん。
- 中居:
- そのなかで自分に対してあったんだ。「なんか違うのやりたい」って。
- 草なぎ:
- いつも同じになっちゃうのって、嫌じゃない? だから、一回違うところを向い てまた。
- 中居:
- 悦ちゃんは良かったよ。
- 草なぎ:
- 「僕が僕であるために」?
- 中居:
- 悦ちゃん役、おいしいと思ったでしょ?
- 草なぎ:
- うん!
- 中居:
- おいしいよねえ。
- 草なぎ:
- 死ぬのはね、おいしいと思った。劇で。
- 中居:
- でもあれはね、反則だよ。
- 草なぎ:
- そう?
- 中居:
- きたないもん。死んじゃうんだよ。「悦ぅぅぅ!」って言うところ、あったじゃん 。
- 草なぎ:
- 中居君がね。
- 中居:
- そんでさ、リハーサルの時にさ、鼻の中にティッシュを詰めるか詰めないかでさ、監督と話してたじゃん。で、俺は外で話とかしてて。俺、絶対に詰めて欲しくなかったの。
- 草なぎ:
- なんで?
- 中居:
- だって、詰めたら絶対笑っちゃうに決まってるじゃん。お前、顔真っ白にして、鼻にティッシュ詰めてるんだぜ。「ヤベぇ。これ、絶対笑っちゃう。勘弁してくれないかなぁ」って思ったけど、「悦、ごめんね悦。本当に悪かったな」っていうところで、本当になんか悲しくなってきちゃってさ。悦じゃなくて剛が本当に死んだらどうしようかと思ってよ、本当に思っちゃったんだよ、俺。
- 草なぎ:
- いい人じゃん、それ。すごい、いい人じゃん。
- 中居:
- あ、いい人で思い出した。お前、なんかドラマやるって。
- 草なぎ:
- そうなんですよ。4月から。
- 中居:
- 何てタイトルなの?
- 草なぎ:
- 「いいひと」。
- 中居:
- いいひとっていうの演るんだ。
- 草なぎ:
- はい。
- 中居:
- いいねぇ。そのための散髪ですか?
- 草なぎ:
- いや、それは。
- 中居:
- 「沙粧」か。
- 草なぎ:
- はい。
- 中居:
- 「いいひと」は?
- 草なぎ:
- 漫画があるんですよ、「いいひと」っていう。
- 中居:
- また3番手ですか。
- 草なぎ:
- いやいや。「いいひと」の、もう、「いいひと」ですよ。
- 中居:
- なに、主演?
- 草なぎ:
- そうなんですよ。
- 中居:
- 剛の時代だよ。
- 草なぎ:
- いや、ありがとう。中居君がそう言ってくれるたびに、本当にみんなから言われる。
- 中居:
- 何て?
- 草なぎ:
- 「今年は草なぎ君の年だねぇ」って。「中居君が言ってたよ」って。だから本当にもう。
- 中居:
- 初めての主役?
- 草なぎ:
- そうだよ。
- 中居:
- 初めてを強調することもないんだけども、緊張するでしょ。
- 草なぎ:
- 緊張するよ。いつも、どちらかというとさあ、センターで行われているストーリーより少しはずれてるストーリーの中にいるでしょ。
- 中居:
- サブストーリーだったりするよね。
- 草なぎ:
- 今度、どセンターだからさあ。緊張するね。
- 中居:
- 例えば、僕が主役きっても「味いちもんめ」ぐらいでしょ。あとは「勝利の女神」ぐらいで。
- 草なぎ:
- 「なにわ金融道」は?
- 中居:
- あれは、俺の物語じゃないからね。まあ、単発ってのもそうだけど。あのね、最初の頃は数字なんか関係ないやって思うじゃん。サブストーリーでも数字的によかったらよかったで嬉しいけど、べつに、ぶっちゃけた話「僕だけのおかげじゃないや」って思っちゃうじゃん。悪かったら悪かったで「べつに僕のせいじゃないや」って思っちゃうじゃん。でもね、センターでやるとね、数字、気になるぜぇ。
- 草なぎ:
- やっぱ、そうですかね?
- 中居:
- オンエアした次の日、本当に緊張するぜ。
- 草なぎ:
- うん。
- 中居:
- 本当はね、俺、数字で判断するのは良くないと思うのよ。でも、数字って、それが評価だったり現実だったりするわけじゃん。そん時に数字が悪かったら「俺のせいでみんなが不愉快な気持ちになっちゃうんじゃないかな?」って思うと。
- 草なぎ:
- なんか、プレッシャーになること言わないでよ。すごく気になってきちゃうじゃない。
- 中居:
- だから、俺が言いたいのは、数字は。
- 草なぎ:
- 関係ない?
- 中居:
- 関係ないとは言わないけど、そんなに気にすることはないと思う。あくまで現場が楽しければそれでいいじゃん。それでいいと思う。
- 草なぎ:
- うん、そうだね。
- 中居:
- そうかぁ、主役かぁ。どうなの? もう台本はもらったの?
- 草なぎ:
- うん。1話目はもらって。
- 中居:
- 読んで、どう?
- 草なぎ:
- 面白い。面白いです。
- 中居:
- 面白いの?
- 草なぎ:
- うん。原作も読んでたんですけど、それがよくてちゃんとまとまってて、本当に。
- 中居:
- なんか、「いけるんじゃないか」って?
- 草なぎ:
- うーん? まあ、面白いことに越したことはないからね。読んでて「これは違う んじゃないか?」って思わなかったから良かった。
- 中居:
- 疑問には思わなかった?
- 草なぎ:
- 思わなかった。
- 中居:
- 「こっちの方がいいんじゃないか?」とか、思わなかった?
- 草なぎ:
- 思わなかった。
- 中居:
- それ、最高じゃん。
- 草なぎ:
- そう。
- 中居:
- 最高の心構えができるじゃん。
- 草なぎ:
- そう。こんなに本がよくて、逆にヤバいんじゃないかって感じで、本当に。
- 中居:
- まあ、そんなに気にすることないよ、楽しくやれば。ところで君、芝居好き?
- 草なぎ:
- うん、好きだよ。何かになることとか好き。コントとかあるのも好き。何かキャラクターになるのとか好き。
- 中居:
- 素は嫌だ?
- 草なぎ:
- うん。こういうの、すごい嫌だ。
- 中居:
- 今とか嫌だ?
- 草なぎ:
- 嫌だ。
- 中居:
- 帰れ!!
- 草なぎ:
- えっ!? いやいやいや。なんか、どうしていいのかわかんないじゃないですか。
- 中居:
- それ、昔から? 剛。
- 草なぎ:
- 昔から。
- 中居:
- そうか? 昔はそうでもなかったよ。最近だよ。
- 草なぎ:
- いやいや、そんなことないって、僕は。どうしていいかわからなくなっちゃうもん。
- 中居:
- 普通でいればいいじゃん。
- 草なぎ:
- いや、普通なんだけど、キャラクターとか台詞とかあったら、とりあえず言うことあるじゃない。とりあえず「なに言っちゃいけない」とか、「なに言っていい」とか、そういうのないじゃない。だから、中居君がやってることが一番難しいと思う。
- 中居:
- だって俺、仕切るわけでしょ。俺は今みたいにコメントを求める立場だからさ。べつに聞くだけだもん。
- 草なぎ:
- いやいや、そんなことないですよ。
- 中居:
- 君、そういえば司会やってたよね、この間。
- 草なぎ:
- お正月に。俺、本当に中居君偉いと思ったもん。
- 中居:
- 初めて剛に偉いって言われたね。
- 草なぎ:
- 俺もちょっと思うの嫌だったんだけど、思わずにはいられなかった。
- 中居:
- 俺ね、あれは良かった。俺は真似しようとは思わないけど、あの空気はすごいいいと思ったよ。言ったじゃん、俺、見たって。ビデオまで録って見たんだもん。あれ、本当によかったよ。
- 草なぎ:
- ありがとう。
- 中居:
- あの空気は、俺なんかじゃ作れない空気だし、違和感がなかったから。すごい自然だったから。
- 草なぎ:
- ありがとう。
- 中居:
- 一言だけ、「ああしたほうがいいんじゃないか?」って。
- 草なぎ:
- なになに? どういうの? 「おまえがどうのこうの」とか?
- 中居:
- 違う。おまえがどうのとかじゃなくって、ちゃんと仕切る時はねって。
- 草なぎ:
- ああ、あれはね。
- 中居:
- それ以外はまったく問題ないと思ったよ。
- 草なぎ:
- いやぁ。
- 中居:
- 緊張するっしょ?
- 草なぎ:
- するねぇ、本当に。
- 中居:
- 嫌でしょ。
- 草なぎ:
- よく中居君なんか知らない人きて喋ってるなって思う。見てて本当に。だって初対面の人でしょう? まあそれが仕事なんだろうけどさ、すごいと思うよ本当に。
- 中居:
- いや、聞くだけだからね。
- 草なぎ:
- いやいや、それが難しいんだって。
- 中居:
- だから俺がほら、お前に「ああしたほうがいいよ」って。あれだけ心構えてれば、自分の中で俺に答えが返ってくればそれでいいの。と思うのね。
- 草なぎ:
- うん。
- 中居:
- それがまず第一じゃないかな。でもあれは、剛よかったと思うよ。
- 草なぎ:
- うん、ありがとう。
- 中居:
- まずドラマね。芝居ねぇ。剛が主役かぁ。ある意味でね、今までのドラマの歴史、違いみたいなのもあるだろうし、そういうのを覆してくれるんじゃないかって期待はあるよ。
- 草なぎ:
- そう?
- 中居:
- うん。いい意味よこれ、うん。
- 草なぎ:
- うーん? そうだよね。
- 中居:
- お芝居やってる時って剛どう思うの? 台本読んで。
- 草なぎ:
- 台本読んで? 役があって、一応ちゃんと全部よんで。「なぜこいつはこういう こと言うんだろう?」とか、そういうことは考える。
- 中居:
- ちゃんと疑問に思うんだ。
- 草なぎ:
- うん。「でもこれは違うんじゃないかな?」って思う科白もある。「こんなこと 言わないだろう」とか。
- 中居:
- そういう時どうするの? 「言わないだろう」と思ったら。
- 草なぎ:
- そのままやっちゃう。だからいけないんだよ、それは。
- 中居:
- 監督に言わないんだ?
- 草なぎ:
- 言えない、あまり。
- 中居:
- 「これは、こういうほうがいいんじゃないですか?」とか。
- 草なぎ:
- あまり言わないね。
- 中居:
- バラエティは?
- 草なぎ:
- バラエティは台本あってないものだから。
- 中居:
- あえて言わないけども、自分で変えたりする?
- 草なぎ:
- うん。変えちゃうこともできる、バラエティーのほうは。ドラマはなんか。
- 中居:
- うん、俺もそう。絶対できないね。
- 草なぎ:
- 木村君とか、だから凄いと思うね。
- 中居:
- うん。木村の芝居に対する姿勢っていうのは、ある意味で自信がないとできないよな。
- 草なぎ:
- うん、そう。見てるじゃん、みんな。芝居してる時もずっと。ああいうの気になっちゃうもん、俺なんか。音声さんとか。まずそういうの思わないでしょう、木村君とかって。
- 中居:
- 俺も本当思うもん。なんか「変な芝居してるな」とか思ってるんだろうな、って思っちゃったりしてね。あまり刺激的なこと言いたくないでしょう?
- 草なぎ:
- そうそう、恥ずかしかったり。
- 中居:
- 目立った行動とかしたくないでしょ?
- 草なぎ:
- うん、なんか。
- 中居:
- 俺もそうだよ。だから、本当に、例えば「この芝居はこうのほうがいいんじゃないですか」って、周り聞いてるじゃん、みんなが台本見ながら。そういうのはできないね、芝居に対しては。バラエティだったらできたりするから。やっぱり剛君もそう思うんですかね?
- 草なぎ:
- うん。
- 中居:
- でも主役とかになると、また違ってくると思うよ、勝手が。
- 草なぎ:
- そうですよね。
- 中居:
- 待遇も変わってくるしね。まあでも、のんびりやってほしいな、剛君には。本当のんびりに。だってほら、変な話、SMAPでいるときもさ、5人いるでしょ。俺がよく喋るでしょ、ほっときゃ慎吾しゃべるでしょ、で、木村が絶対入ってくるでしょ、で、吾郎ちゃんも何気なくポツンときたりするでしょ。剛の場合、振らなかったら喋らないでしょ。ね?
- 草なぎ:
- そうだね。あまり喋るのは……好きじゃなくはないんだけど、苦手だね、喋るのは。すごい苦手。
- 中居:
- っていうかね、苦手と思い込んじゃったんじゃないかと思うんだよね。
- 草なぎ:
- 喋ることが?
- 中居:
- というか、ポジションを周りからも決められ、俺なんかの中でも決められちゃったというね。別にそれが悪いポジションっていうんじゃなくて、俺、昔のビデオ見たのね、昔のMC。で、「がんばりましょう」ぐらいからそこらへんのポジションが出てきたの。今の剛の。前のコンサートの、ワンカメだけで撮ってるライブビデオのMCだけを見たわけよ。君はよく喋ってるよ。
- 草なぎ:
- 喋ってた?
- 中居:
- うん、俺にすごい突っ込んでたもん。「なに!?」っちゅうぐらい。
- 草なぎ:
- あ、そう。
- 中居:
- ていうか、そう、仲良かった時期?
- 草なぎ:
- じゃあなんか今、仲悪いみたいじゃん。
- 中居:
- 本当よく喋ってた。よく喋ってたというよりも、俺が喋ってると途中途中でどんどん喰ってくるんだよ、「このサルがねえ」とか「髪の毛こんなにおっ立てちゃってね」とか言うんだよ。
- 草なぎ:
- あ、そう?
- 中居:
- うん。「中居君はねぇ、髪の毛おっ立ててるんですよ。身長ごまかしてますねぇ」とか。
- 草なぎ:
- ああ、覚えてる、覚えてる。
- 中居:
- そんなこと言ってたでしょう? あれは俺、べつに振ったわけでもないし、振らな くてもなんか喰ってくんだもん、喰いかかってくんの、突っ込んでくんの。今じゃ考えられないよ。昔のビデオ見たら、俺の誕生日のやつがあったわけよ。そしたら「大将おめでとう、大将おめでとう、大将おめでとう」って言ってんの。テレビカメラ向かって「大将おめでとう、大将おめでとう」って言ってんだよ。
- 草なぎ:
- 目立ちたがり屋だったのかな?
- 中居:
- だから、何かがどっかで変わったんだと思うよ。それが、周りが決めたことなのか、剛自身が自分で「こうなのかな?」と思ったことなのかわかんないけれど。「あっ、違うな」って思った時期ってある? 「このほうがいいんじゃないかな?」って。
- 草なぎ:
- あのね、慎吾と似ちゃうのがすごい恐かった。恐いっていうか、二人がいちばん年下で、いつも一緒に二人いて出ていくっていうか、何て言うのかなあ? 「慎吾と一緒じゃつまんないな」って思った時期はあった。
- 中居:
- そうだよな。だって昔、一緒にずっと朝まで踊ってたりしてたわけでしょう。音楽聴くのも一緒だし、ファミコンも好きだし、テレビゲームも好きでさ、漫画も全部慎吾と一緒だったじゃない。常に慎吾と一緒だったりしたじゃない。その時に?
- 草なぎ:
- そう、そんでね、彼のほうが「うまいな」と思った。やることがすごく。
- 中居:
- 例えば何?
- 草なぎ:
- 慎吾といつも同じことやるんだけど、慎吾のほうが目立っちゃうの、すごく。うまく出来ちゃうの、何でも。
- 中居:
- 笑いってことで?
- 草なぎ:
- うん。例えば何か中居君にチョコっと言うことにしても、「あっ、すごくなんか慎吾うまいな」って慎吾のこと認めちゃう時期があった。だから慎吾と一緒のことしてたらダメなんだなと思った時があった。
- 中居:
- いつも、慎吾と違う自分を出そうと。
- 草なぎ:
- うん、「この子のほうがうまいわ」と思った、なにか言うにしろ。
- 中居:
- それ、いつ頃そういうふうに思ったの?
- 草なぎ:
- うん。だから、何かあったらステージ上で中居君に二人でちょっかいかけたりとかしてた時期が、その「大将、大将、大将」と言ってる時だと思うんだよね。だから、それ過ぎたあたりだから。
- 中居:
- そう、二人できてたってのは憶えてる。まだ剛が高校入ったとか、入んねえとかの時期じゃない。
- 草なぎ:
- そうだね。
- 中居:
- そんぐらいの時期だと思う。慎吾が中学の一年とか二年とか三年とか、その時ぐらいじゃないかな。
- 草なぎ:
- うん。
- 中居:
- じゃあ慎吾の存在って、剛にとってすごい大きかったし。大きいでしょ?
- 草なぎ:
- うん、大きい。本当、小さい時から一緒だから、本当大きいね、慎吾は。本当、感謝してます、はい。
- 中居:
- 影響されちゃうんじゃないかって不安もあったでしょ。
- 草なぎ:
- 僕、すぐ感化されちゃうのよ。
- 中居:
- 自分がいいと思ったものに対して? カッコいいものだったり、例えばそれも面白 いものだったり。
- 草なぎ:
- うん。真似しちゃったりする。
- 中居:
- でも、それを意識的に自分でしないようにしたんだ?
- 草なぎ:
- うん、なんとなく。あとやっぱり、SMAP、今は五人だけど、みんなバラバラのほうが面白いし。
- 中居:
- バラバラが面白いっていうと?
- 草なぎ:
- キャラクターっていうか。本当、最近なんかね、居心地がいい感じ。
- 中居:
- やっと芸能界が面白くなってきた?
- 草なぎ:
- なんか毎日、面白い。
- 中居:
- ああっ、そう!? いいなぁ。何やってても面白い? お仕事やってても?
- 草なぎ:
- うん、面白い。
- 中居:
- ここ最近? そういうふうに「楽しいな」って思ってきたの。
- 草なぎ:
- うん、そう。
- 中居:
- 今までは? 何かいろいろやっぱ葛藤があったの? 考えたり、悩んだり。悩んだりってのは大袈裟だけど。
- 草なぎ:
- すぐね、はたがよく見えちゃったりね。「いいなぁ」と思ったり。そういうこと思わなくなってきた。「いいじゃんこれで」って。
- 中居:
- メンバーがドラマやってるなり、バラエティーやってるなり、個々の活動をテレビで目の前にしたりすると「ああ、ヤバいなあ」とか不安に感じちゃったり、「いいなあ」って羨ましく感じちゃったり?
- 草なぎ:
- うん。「僕もそういうことやりたいな」と思ったり。でも、ぜんぜん違うじゃんやっぱり。吾郎ちゃんとか木村君にしても、僕がそれやってもぜんぜん違うし。でも前は、それが「ああ、いいなぁ。やりたいなぁ」とか思ったり。それを今は思わなくなってきた。
- 中居:
- ある意味で自信ついたんじゃないかな? 剛に。
- 草なぎ:
- うん、そうかもしれない。
- 中居:
- だから、俺も思ったのはね、剛に教えられたことってのが一つあったのね。それはね、俺も変な話、剛のポジション、ポジション云々じゃないけども、剛のいたSMAPでの位置っていうのは今、確立されてるじゃない?
- 草なぎ:
- はい。
- 中居:
- いわゆるいろんなキャラクターが、木村がやってるような、慎吾がやってるような、吾郎がやってるような。で、俺の位置ってのがあってさ。前、特に十代の時なんてのいうは、剛もそうだったと思うけど喋って目立つことだけが一番だと思ってたのね。多分、剛も「大将」とか言ってた時期ってそういうふうに思ってたと思う。
- 草なぎ:
- うんうん、目立ちたかった。
- 中居:
- テレビに多く映れば勝ち、笑いも取れば勝ち。メンバーがいい仲間であるんだけれども、ある意味でライバルだったりしたからさ。そんで俺もずーっと喋ってて。まあ、俺は二十歳ぐらいかな? 4、5年ぐらい前に自分を確立して、仕切るなら仕切る、ボケるんじゃなくて、やっぱり仕切るほう。まあ、どっちかっていうと突っ込むほうなんだなって思ってね。で、剛がやっぱり、おとなしい控え目のタイプとしているわけじゃない。バアーって喋って、ワアーっとやってることだけが、目立つ目立たないで判断するとアレなんだけれども、それだけが目立つ存在ではないんだなってのがわかったの。控え目でいる無口な、消極的な剛もちゃんといるんだなっていう存在感ってのかな? うん、そういうのを教えてもらった。喋るだけのが存在感のアピールじゃないなっていうのをね。そういうことを、剛とやってきて知ったというか、教えられたことの一つじゃないかなって思う。
- 草なぎ:
- うん。
- 中居:
- でも、自分でもさ、例えば五人で喋ってる時があるじゃん。いきたい時とかないの?
- 草なぎ:
- 喋りたくなっちゃう時?
- 中居:
- うん。
- 草なぎ:
- ある。「喋りたいなぁ」って。
- 中居:
- 「ああ! ここできたいなぁ」って。
- 草なぎ:
- うん、ある。
- 中居:
- そういう時どうしてんの?
- 草なぎ:
- そういう時は喋るよ。うん、喋る。
- 中居:
- でも、俺なんかガーンとすごいスピード速く「でもこれが、あれがごちゃごちゃ、なんだかんだ」ってやってて、剛が「俺も」って思った時に入れなかったりする時があるじゃない。そういう時どうしてる?
- 草なぎ:
- 背中見てる。
- 中居:
- …………?
- 草なぎ:
- だって、なんか前に行っちゃうんだもん。みんなすぐ走って。本当、本当。すごい勢いでさ、バーって。
- 中居:
- ついて来いよ! ガーって。
- 草なぎ:
- いやいや、ちゃんとついていってるよ。すごいもん
- 中居:
- 本当、一言いうと昔のように。
- 草なぎ:
- いやいやいや、なんか。
- 中居:
- 剛は、あの時は面白かったけどね。面白いこといっぱい言ってたけども。あん時はあん時で俺、剛、好きだったけどね。昔は仲良かったの。
- 草なぎ:
- だから、それ言うと、今、仲悪いみたいじゃん。
- 中居:
- いや、今、仲悪いとかじゃないんだけれど、うん、昔は仲良かった。年相応になってきたのかなぁ?
- 草なぎ:
- そうでしょう、やっぱり。
- 中居:
- 剛も、いや、誰に対してもそうなだけど、あんまりふざけなくなったな。剛と。
- 草なぎ:
- そうだよね。
- 中居:
- 昔よく、すごいふざけてたの憶えてる?
- 草なぎ:
- うん。なんでだろうね?
- 中居:
- やっぱ年相応なのかな? すぐちょっかい出してたし、ちょっかい仕返してたし、もうどんどんどんどんちょっかい。ほとんど子供のじゃれ合いじゃないけどさ、そういうことあったの憶えてるな。どっかからはわかんないけどね。剛も大人? 大人って言ったらおかしいけども。憶えてるかもしれないけど何だっけな? 剛がね、学校に行くのが朝早いんだよね。5時か5時半とかに家を出んのよ。何か知んないけど4時半頃に電話して剛を起こしてさ、俺はそれから寝るんだよ。「剛、もしもし? 剛。俺、俺、俺、これから起きんの? 辛いでしょう」「寒くて辛いよぉ」「俺、これから寝るんだ。ざまあみろ、じゃあね」。あんなのが楽しかったりしたのかね? 今じゃ考えられないね。まあ考えられないっていったらおかしいけど。でも、慎吾とは今でも面白い関係でしょ? いいでしょう、慎吾といてすごく心地良いでしょ?
- 草なぎ:
- うん。何でだろうね? やっぱり本当に、だって、お兄ちゃんだったからさ、中居君とか木村君とかってのが。もう何ていうのかな? すごい大人に見えんのね。今ちょっと縮まって生きてるような感じがするんだけど。昔なんかはもうなんていうのかな? 中学生と高校生っていったら、ぜんぜん違うみたいじゃない。だから本当にその、お兄ちゃんたちがいて、俺たちは弟だよって感じだから。そこらへんの和みが今でも残ってるのかな。
- 中居:
- 今の慎吾と剛を見てると、俺や木村なんかと喋ってる剛と、慎吾と喋ってる剛と違ったりするのね。それは、いい意味とか悪い意味とかじゃなくてさ。慎吾と剛がいるのを見ると、やっぱり昔の剛を思い出したりするよね。「ああ、昔こんな絵を何か見たことあるなぁ」なんて思いながら。「大人のようで子供で、子供のようで大人。だからある意味では、子供の童心の気持ちってのを忘れてないのかな」なんて思ったりしてるんだけど。
- 草なぎ:
- うーん?
- 中居:
- じゃあ、剛に聞きましょうかね。
- 草なぎ:
- はい。
- 中居:
- じゃあ、一番面白いこと。
- 草なぎ:
- 面白いこと?
- 中居:
- うん。「これは絶対おもしろいよなぁ、僕は」っていうの。
- 草なぎ:
- 「スマ×スマ」収録。面白いっす。すごい面白い。なんか面白い。
- 中居:
- 面白い? 何やってる時が面白い? 君はSMAPといる時が面白いんでしょう?
- 草なぎ:
- うん。なんか面白い。すごく。
- 中居:
- あの雰囲気が?
- 草なぎ:
- うん、料理作ったり。あと、なにかかぶったりとか、すごい面白い。
- 中居:
- お前、楽しいだろ? 今、じゃあ、すごく。
- 草なぎ:
- うん。だって、料理作る時なんかないじゃない。
- 中居:
- 日頃ないよね。家帰って材料買うとかないよな。
- 草なぎ:
- 「ビストロ」の日なんか、すごい楽しくてしょうがないもん、朝から。
- 中居:
- ええ!? あ、そう?
- 草なぎ:
- 前の日から「明日、料理作るんだなぁ」と思って。料理、面白いなぁ、なんか。料理してる時、いちばん面白いかもしんない、今。
- 中居:
- 「ビストロ」?
- 草なぎ:
- うん。真剣だから、はたから見たらそう面白いようには見えてないかもしれないけど、面白い、料理作るの。
- 中居:
- あ、そう。「ビストロ」が一番ねぇ。
- 草なぎ:
- 中居君、だって喋ってるもんね。大変だ、やっぱり君は。
- 中居:
- いや、それはべつにいいんだけれども。なんかさぁ……。
- 草なぎ:
- でも、あれは確かに短いよね、オンエアがね。
- 中居:
- うん、短すぎるよね。俺が喋ってるのも、もちろんそうなんだけれども、もうちょっと。料理なんて2時間撮ってるんだからさ、もっとなんか、あるんじゃないかと思うんだけど。まあ、これはしょうがないんだよね。しょうがないんだけどさ。「ビストロ」が面白いんだ?
- 草なぎ:
- 面白い。
- 中居:
- 面白いかなぁ?
- 草なぎ:
- 面白いよ。だから僕だけが面白いの! 僕が! ただ、見てる人が面白いかどうかはわかんないけど、自分はすごい面白いの。
- 中居:
- あれ、嫌なんだよ、上。あのね、ゲストによって弾まない時と弾む時とあるしさ。それで合わない人って言ったら失礼だけど、自分のテンションもあるし自分のコンディションもあるからさ、「どうもおかしいなぁ?」って思う時があるわけよ。その時に、下がすっごい羨ましい時がある。
- 草なぎ:
- でしょう。そうだよだって、うん。
- 中居:
- いわゆる喋ってるったって、座ってるだけだから楽は楽なんだけどもさ。「ウィ、ムッシュ!」とか言ってるじゃん。俺も「ウィ、ムッシュ!」って言ってみてぇなあ、とかね。「出来たぁ!!」とか言ってみたい。「せーの、出来たぁ!」って。カメラでこうやって。
- 草なぎ:
- あれ、面白いね。
- 中居:
- 「ビストロ」面白いんだ。
- 草なぎ:
- 面白い。
- 中居:
- あと、面白いのない?
- 草なぎ:
- あと面白いことねぇ。そうだなぁ。
- 中居:
- なに面白い?
- 草なぎ:
- 面白いことねぇ?
- 中居:
- プライベートは?
- 草なぎ:
- プライベートねぇ。買い物行ったりね、友達と焼き肉食べたりね、も面白いし。今はね、面白いんだよ。面白すぎて怖い、なんか。何か起きるんじゃないかって。
- 中居:
- すごいなぁ、おまえ。
- 草なぎ:
- なんかそういう時ってない? 「こんなにうまくいっちゃっていいのかな?」って。
- 中居:
- 俺は今まで一回もないね。
- 草なぎ:
- あっ、そう?
- 中居:
- 全てが楽しいなんて思ったこと。こう言っちゃアレなんだけども、崩れる時ってダダダダダって崩れるぜ。
- 草なぎ:
- だからね、いつもね、覚悟してる。「もう十分楽しんだから何か起きてもいいや」って。
- 中居:
- 例えば、ほんの些細な悩みが出てくるとするじゃん。些細な悩みか大きい悩みかわかんないけども。その些細な傷口が、他でもどんどんどんどん傷口を作っちゃったりするんだよ。で、ちょっと崩れたことによって、ダダダダダーってね、崩れちゃう時ってあると思う。その時ってもうね、多分、剛にとって今なにか軸があるとすると、例えば仕事なら仕事、プライベート、友達なら友達、恋愛なら恋愛って、ある軸があって、その軸がしっかりしていれば、いわゆる周りの苦も楽に感じたり、楽しく感じることができると思うんだよね。今、剛が言ったように「最近仕事が楽しい」とかって、そのしっかりした軸が多分仕事だったら、この軸がしっかりしていることによって、あらゆるものがうまく進んでるかもしれない。で、この仕事で何かちょっと崩れるようなことがあったら、ダダダダダダーって。そん時に自分がどんだけ頑張れるとかさ、どんだけそん時に周りの人が剛のことを「剛、剛」と思ってくれるかってさ。
- 草なぎ:
- うん、そうだね。
- 中居:
- 楽しいんだ? じゃあ辛いこととかないでしょ。
- 草なぎ:
- うん、今はない。とりあえず。
- 中居:
- 例えば、朝早くて「辛いなぁ」と思うことも?
- 草なぎ:
- そんなことは辛くはない。もともと。
- 中居:
- ………?
- 草なぎ:
- そんなの、だって辛くないじゃん。いいじゃん、だってお仕事あるから。
- 中居:
- いや、おまえそれはちょっといい子ぶり過ぎだよー。
- 草なぎ:
- いや、マジでマジで……マジでマジで………いやいや。
- 中居:
- おまえ、いくら「いいひと」演るからって、そりゃあね、おまえ、眠いものは眠いだろう? おまえ汚いよー!!
- 草なぎ:
- いや、だって眠いぐらいのほうが幸せじゃん! だってそれ、いや本当に、ずっ と延々寝てられるほうが悲しいよ、絶対に。
- 中居:
- いや、そうだけども。
- 草なぎ:
- ぜんぜん思わない。「朝辛い」とか、そんなのぜんぜん。
- 中居:
- 朝眠いだろう、でも?
- 草なぎ:
- 眠いよ。
- 中居:
- 眠いだろう?
- 草なぎ:
- 眠いさ。
- 中居:
- もうちょっと眠れればいいなと思うだろう?
- 草なぎ:
- それも思うよ。
- 中居:
- 辛いだろう?
- 草なぎ:
- 辛いよ。
- 中居:
- 辛いんじゃないかっ!! 辛いんだろ? じゃあ。
- 草なぎ:
- 違う違う。いや、そうじゃないって。いや、辛いんだけどべつにそんな、辛いってのは、肉体的に辛い。
- 中居:
- 体力的にね、うん。精神的なダメージは?
- 草なぎ:
- ぜんぜん。なんだ、朝辛いと思うの?
- 中居:
- 朝辛いじゃん。でも、朝辛いとさ、朝辛いってことは睡眠時間ないってことはさ、前の日やっぱり遅かったり、まあ仕事なら俺はしょうがないと思うんだけど、プライベートで例えば友達に会ってさ、どうするそういう時? 明日早くて、でも友達と遊びたい時、もっとなんか話をしたいとかさ、もっとコイツと一緒に居たいとかさ、もっとコイツとちょっとお酒飲みたい、もっとお食事したい、もっと喋りたいって、欲出てくるじゃん。ちょっとプライベートなことだけどさ。でも、例えば次の日は朝8時から。どうする? 剛。
- 草なぎ:
- そういう時はね、ちゃんと大丈夫な日に一緒にいたりする。ちゃんと。中居君みたくしないもん、僕。次の日のこと少し考えるもん。
- 中居:
- お前、朝までワイン飲んでて遅刻しただろう!! つい先週じゃないかよ! お前!!
- 草なぎ:
- 「自覚がない」?
- 中居:
- 「自覚がないわ!」って怒られてんの、つい先週じゃねぇか、おまえ。
- 草なぎ:
- ちょっ……、ちょっとね。
- 中居:
- ちょっとじゃねぇよ、おまえ、1時間半ぐらい遅れてたぞ、おい。
- 草なぎ:
- いやいや。
- 中居:
- 「何やってんだ? 剛」って聞いたら「赤ワインを朝まで飲んでてねぇ」って言っ てたじゃねぇか。まあ、そういうのはちゃんと計算すると。
- 草なぎ:
- そう。ちょっとね。たまにちょっとずれちゃう時があるけど。
- 中居:
- そう。いいなあ、楽しいの。今度、俺と遊ぶ?
- 草なぎ:
- いやいやいやぁ。
- 中居:
- なんだよ、いやいやいやって。
- 草なぎ:
- だってさぁ。
- 中居:
- なんで? 二人で遊んでみない?
- 草なぎ:
- なんか………。
- 中居:
- 二人で。二人じゃ遊べないなぁ。
- 草なぎ:
- このあいだ、留守番電話に中居君が電話してきたんですよ。
- 中居:
- すっげえ緊張したよ、俺。次の日怒られるんじゃないかと思って。おまえに。
- 草なぎ:
- いやいやいや。
- 中居:
- ね。俺、電話番号わかんないでしょ。久本さんと柴田さんと俺と、三人で酒飲もうってことで飲んでたら「剛のところに電話しよう」って言うわけよ。で、「中居、おまえ掛けて」って言うからさ、「えっ? 掛けてって言われても………」って思ったの。「いや、久本さん掛けて下さいよ」って俺言ったら「掛けてよ」って。俺、電話番号わかんないじゃん。「携帯の番号知らないですよ」って言ったら、「じゃ、自宅に電話してみぃ」って言うから、「自宅………? もっとわかんねぇよ」って思って、「自宅わかんないですよ」って。そしたら、「お前、わかんねえの!?」とか言われて。「知らないですよ。じゃ、久本さん掛けて下さいよ」って言ったら、家に電話番号があるからって。「あんた、なんで私が知っててあんたが知らないのよ!?」って言われて、「いや……そう考えてみると……」って思って、マネージャーさんへ電話して、剛の携帯の番号教えてもらって。緊張したよお。酔っぱらってたんだけど、おまえんちに電話するってなったら酔いがもう醒めちゃって。でも、留守電入れる時は酔っぱらったふりしようって思ったもん。「ぅあぁぁ、オレオレ」って。
- 草なぎ:
- おっかしかった。すごく。
- 中居:
- え? 嫌だったよぉ。おまえ出なくてよかった。出たらなに喋るかわかんねぇもん 、俺。わかんねえべぇ? 俺と電話でなに喋ればいいか。
- 草なぎ:
- うんうん、そうだねえ。
- 中居:
- なんも喋れないもん。
- 草なぎ:
- でも、そんなイメージないんじゃない? 世の中の人。
- 中居:
- 今ちょっとこれ、頑張ってるから。
- 草なぎ:
- 気まずいっていう。
- 中居:
- 気まずい。トイレでも気まずかったなあ。
- 草なぎ:
- 二人になると?
- 中居:
- 「気まずいね」って言うんだよな。本当に思ったんだろうな、あの時。俺がトイレでこうやってさ、あ、俺が入って来たのか。二人で並んでさ。ああいう時ってさ、今度、そういうとき何するか決めとこう。
- 草なぎ:
- いいね、それ。決めとこう。
- 中居:
- ああいう時、おまえも気まずいべ?
- 草なぎ:
- うん。
- 中居:
- 喋ればいいって言っても、なに喋っていいかわかんない。
- 草なぎ:
- あの場合、急に喋り出したらどう考えても不自然でしょ。「なんか今日、天気いいね」とかさ。嫌だよね、そんなの。だからいつも喋らないじゃん。喋らないのよ、僕は。
- 中居:
- 喋らないのもおかしいべ?
- 草なぎ:
- 喋らないのもおかしいんだけど。
- 中居:
- 同じSMAPの仲間としてさ、隣同士にいるのにさ、すごい不自然な空気じゃん。あの空気、俺すごく嫌いなの。
- 草なぎ:
- なんか変だよね。急に喋るのも変だし、喋らないのも変だし。
- 中居:
- こうやって今みたいに喋ってるのはいいんだよ。トイレの時の剛、あれ、違う剛だもん。
- 草なぎ:
- なんで!? そんなことないよ。
- 中居:
- あのへんの角度? お前がいて俺が入ってきた時、頭のへんの角度。あれがなんか 。どうする? おまえ。約束したらそれ、やってくれる? ちゃんと。
- 草なぎ:
- そりゃ、もちろん。
- 中居:
- 嫌だよなあ、それでやってくれなかったら。俺、もっと恥ずかしいじゃんか。
- 草なぎ:
- いやいやいや。やるよ。
- 中居:
- 何やろうか?
- 草なぎ:
- トイレ。
- 中居:
- うん。何の話をするか決めよう。
- 草なぎ:
- 決めとこうか。何しようかな?
- 中居:
- じゃあ、昨日あったこと話そう。
- 草なぎ:
- 昨日あったこと? じゃ、トイレで延々と話すの?
- 中居:
- いや、きりのいいところで。始まって、バイバイするまで。
- 草なぎ:
- なるほど。間だけつなげばいいんだもんね。
- 中居:
- そうそう。
- 草なぎ:
- 珍しい? 決めとくよ。
- 中居:
- お前がふる? 俺がふる? 言葉のきっかけもあるんだよね。
- 草なぎ:
- 入ってきた人が話し始めよう。わかんないじゃん、用足してるから。後ろからくるケースがだいたい多いから。
- 中居:
- 例えば、おまえが大きいほうで、俺がおしっこしてて、おまえが大きいほうから出てきた場合はどうする?
- 草なぎ:
- だから、見つけたほう。
- 中居:
- おまえ、見つけても、見つけないふりするもん。気付かないふりするもん。
- 草なぎ:
- いやいやいや。ちゃんと見つける。先に気付いたほうから喋る。
- 中居:
- え? 「昨日、何してたの?」って?
- 草なぎ:
- それもねぇ、なんかねぇ。。
- 中居:
- 恥ずかしいなぁ。
- 草なぎ:
- 「ちゃんと手、洗いなよ」って、よくない?
- 中居:
- あぁ、いいね。
- 草なぎ:
- いいでしょ。
- 中居:
- ちゃんと話、沿ってるもんね。そうしようか。
- 草なぎ:
- そうしよう。出ていく時だけでいいよ。先に出ていくほうが「ちゃんと手、洗いなよ」って言ってあげる。
- 中居:
- もう、想像するだけでもぞっとするよ、俺。
- 草なぎ:
- なんで? ナチュラルでいいじゃん。
- 中居:
- 本当、気まずいんだぜ!
- 草なぎ:
- いいじゃん。「手、洗いなよ」って。
- 中居:
- え?
- 草なぎ:
- だから、トイレするわけでしょ。
- 中居:
- 出るほうが先にね。
- 草なぎ:
- 出るほうが先に。
- 中居:
- じゃ、それは用を足してる最中はなしでいいんだ?
- 草なぎ:
- でも、最後に言うわけじゃん。
- 中居:
- これ、こういう会話しちゃったことによってまた気まずくなるんだよ、その間が。
- 草なぎ:
- 大丈夫。
- 中居:
- あの時のおまえ、違う奴だもんなあ。
- 草なぎ:
- 違わないって。
- 中居:
- 控え室はまだいいんだよ。広くてさ。
- 草なぎ:
- いや、トイレって誰だってそうだと思うよ。そういう空間っぽいもん、トイレって。
- 中居:
- 他のメンバーはそんなことないべ?
- 草なぎ:
- いやいや、やっぱりそう思うよ。「な、なんか喋んなきゃいけないかな?」とか さ。思うよ、思う。思うでしょ? ちょっと。
- 中居:
- 俺?
- 草なぎ:
- 僕と中居君がそれがすごく多くて。
- 中居:
- 他のメンバーと一緒になることないもんね。
- 草なぎ:
- じゃう、会うタイミングがすごい悪いんだよ。二人ともちょうど気が抜けてる時に来てるからさ。「はぁ〜ぁ。あ、いるよ。なんか喋んないといけないかな?」ちょうど気が抜けてる時だからさ。うん。
- 中居:
- じゃあ、「手、洗いなよ」な。俺、ほっとしたよ。ところで、歌、やっぱりヴォーカル取りたい?
- 草なぎ:
- えっ? 強引な質問だね。
- 中居:
- うん。生演奏。今日はもう、いいから。
- 草なぎ:
- 歌、とりたいよ。とりたいけど、やはり、僕、中居君が歌うより、木村君とかが歌ったほうが。
- 中居:
- なんだよ、俺が歌うのって。
- 草なぎ:
- だって、歌は同じだもん。同じさ!
- 中居:
- あ、でも「ダイナマイト」あるじゃん。レコーディングする前におまえの歌聴いたのね。いや、おまえウマくなったよ、マジで。
- 草なぎ:
- うそ! またなんか。
- 中居:
- うそ、うそ。
- 草なぎ:
- え!?
- 中居:
- いやいや、マジで。本当、ウマくなったって。
- 草なぎ:
- いやいやいや。あ、そう?
- 中居:
- うん。ウマくなってる。
- 草なぎ:
- だって、聴いたの?
- 中居:
- 聴いたよ。それで、最初スタッフの人に、「慎吾ソロ。絶対、慎吾のソロ。約束してよ」って。で、慎吾がソロだったの。で、木村は毎回やってるし、吾郎ちゃんもやったからって、「剛は?」って。「剛、もうちょっとだな」って。「じゃ、慎吾」ってなって「剛はなんで?」ってことになって、「剛の聴かせてよ」ってことになって「あれ? 剛、おかしくないよね」っていう話はしてたの。「剛、ウマくなってるよね」って。でも、今度のね、「ダイナマイト」の次の曲ってね。
- 草なぎ:
- なんかいいことあったらいいなぁ。
- 中居:
- 「いいひと」だもん。
- 草なぎ:
- いやいやいや。
- 中居:
- いいことあったらいいね。
- 草なぎ:
- でも照れない? 急にソロとかになったら嫌じゃない? 少し。自分がさ、長いとこ自分一人で歌わなきゃいけないって、超嬉しいんだけど、その反面すごい照れる。
- 中居:
- 絵がもたないんだよな。一人だとな。
- 草なぎ:
- そう。それだよ。
- 中居:
- アップでパッパッと来るならいいんだけどさ、木村なんかすごいもん。「おぉ〜っ。渋滞のタクシーもおぉぉっ。アッ! アッ! アッ! アッ!」ってやってるじゃん。俺、ああいうの絶対出来ないもん。CDだと♪ィエ〜エ〜ィエ〜エエ〜ィ〜ってやってるじゃん。たまにさ、やってみると「アッ! アッ! アッ! アッ!」ってやるわけじゃん。俺、あんなの。おまえとかやったらコントになっちゃう。おまえとか俺とかやったら絶対なっちゃうと思わない? 思うもん、木村がやってることを置きかえたら。木村がやってるから「アッ! アッ!」とかもいいんだろうなぁって思うんでしょ。剛がやったらおかしいんだろうね。
- 草なぎ:
- そうだよね。本当、本当。それ、かなり悩みだね。うん。悩みだ。それ、すげえ。それ、辛いよ。辛いことだ。
- 中居:
- 本当に辛いか?
- 草なぎ:
- うん、それ辛い。本当、そう思うよ。どうしようとか思っちゃうもん、俺。
- 中居:
- なにが?
- 草なぎ:
- だってさ、他の人はどう歌おうかとか気にしないでしょ。もう、歌のままにさ、体も動くじゃない。本当に練習しないとだめだね、自分のところは。本当に。
- 中居:
- なんでだろうな?
- 草なぎ:
- 嫌んなるよねえ。
- 中居:
- うん。でも、いずれはソロが来ると思うよ、俺は。今年は本当、剛の年だから。俺は今年は剛の年だって大予言してる。去年の夏ぐらいから。俺の予言はあてにならないよ。本当、あてにならないんだけど、今年、ソロ来ると思うよ、俺は。
- 草なぎ:
- 歌? 困るなぁ。
- 中居:
- 来たらでも、来たら俺、ショックだろうなぁ。
- 草なぎ:
- なんで? じゃあ一緒にやろうよ。それのほうがいい。心強い、僕は。
- 中居:
- 俺、おまえと歌ったことないの。知ってる? パート。
- 草なぎ:
- 一緒に? そんなことないでしょ。
- 中居:
- 森がいたときは森が一緒だったけど。
- 草なぎ:
- マズいんだ。二人一緒にしたら。
- 中居:
- そう。だから、そう言われたもん。俺とやるんなら、木村と剛で。「ダイナマイト」がそうじゃん。そうなのよ。で、俺と吾郎なのね。「また、木村と剛だったら、それ、おかしいよ。「Shake」でも一緒だったから、だったらバラバラにしたほうがいいよ」って言ってたんだけども、「吾郎は木村のところ歌ってないから。Bメロ歌ってないから」って言うから、「じゃ、俺と剛」って言ったら、「あ、それはダメだ。それは、俺の最低限のプライドとしてな」って。真剣な顔で、「いや、剛と中居、本当にダメだから。本当、勘弁してくれ」って。
- 草なぎ:
- そう。けっこう傷つくね。わかる、すごく。言われてるのが目に浮かぶ。
- 中居:
- 「いや、これはダメだ」「あ、そう。いいよ。わかった。じゃ、いいや」って。ソロ、来るぞ、ソロ。俺は来ると思うな、そろそろ。
- 草なぎ:
- ん?
- 中居:
- 来たら面白いだろうね。
- 草なぎ:
- だからさ、二人でやればいいじゃん。嫌だよ、俺一人じゃ心細いもん。あのさ、一人でやるんだけど、頭は中居君がやって、僕がやってとか。中居君もどっかでソロ。
- 中居:
- 嫌だよ、絶対に嫌だよ俺。
- 草なぎ:
- じゃないと俺、嫌だよ。木村君が歌って俺が歌うとか嫌だよ。すごい木村君、絵になるじゃん。
- 中居:
- いいじゃん、天国から地獄だよ。
- 草なぎ:
- すげえ悩みになってきた、本当に。
- 中居:
- いいんだよ、いいんだよ。いいの。だってほら、いいんだって。俺、楽しみだけどね。絶対なんか、おまえ逃げると思うよ、何かに。
- 草なぎ:
- 逃げるよぉ。
- 中居:
- あの、ちょっとバラエティっぽくするとかね。
- 草なぎ:
- 絶対まともに歌えない、そんなの。
- 中居:
- な。考えられないもんなぁ、一人ってのは。
- 草なぎ:
- 慎吾なんか、やっぱすごいよ、キチンと。
- 中居:
- 慎吾は「多分オーライ」で歌ったでしょ。
- 草なぎ:
- うん、そうか。
- 中居:
- 剛は来ると思うよ、今年は本当に。俺、ソロは………。俺も一応、頑張ってみるよ。
- 草なぎ:
- いや、言わないでよ、あんまり。
- 中居:
- なんで?
- 草なぎ:
- いやいやいや、ダメ。
- 中居:
- 違うんだよ。俺、いちおうSMAPの視聴者の一人として、シングルのなかの剛のソロっていうのを見てみたい。君の歌う声を聴いてみたいの、CDで。シングルのなかにさ、君の歌声が入ってるのをね。五人の歌だって聞こえないでしょ。二人でも聞こえないんだから。
- 草なぎ:
- そうだね。
- 中居:
- ね。そういう世界なんだよ。それが現実。だからこそ、ソロを聴いてみたいっていうのがあるのよ。どんな顔して歌うのか、どういう雰囲気で。歌なんて下手、上手いはしょうがないじゃん、個人差あるしさ。それはしょうがないと思うよ。
- 草なぎ:
- じゃあ自分もソロ、歌ってよ。
- 中居:
- なにが?
- 草なぎ:
- 中居君。
- 中居:
- 俺は喋るからさ。
- 草なぎ:
- いや、そういう時だけ喋るとか言わないでよ。ちゃんと歌ってよ。
- 中居:
- その前に俺は剛だと思うの。俺、頑張ってみるから。出来る限りのことは。
- 草なぎ:
- なんで?
- 中居:
- 「ダイナマイト」で言ったんだけどね、「勘弁」って言われたから。
- 草なぎ:
- なんかおかしいよね。歌いたいんだけど、歌いたくないってさ。
- 中居:
- まあ、複雑は複雑。複雑だったりしますよね。さぁ、剛君、今後の夢ってある?
- 草なぎ:
- 夢? 夢ねぇ。
- 中居:
- あんまりこういうインタビュー聞かれないでしょ、最近。「夢はなんですか?」っ て。
- 草なぎ:
- 聞かれない。夢ねぇ。
- 中居:
- 昔よく雑誌とかでさ、よく聞かれてよく見てたから。「ダンサーになる」とかさ、よく書いてあったけど。多分、年を重ねていくにつれて、だんだん見えてくるものと自分で捨てなきゃならないもの、捨てちゃうものも出てくるじゃない。「あ、これは違うな」「この夢も違うんだな」って、たくさんあった夢もどんどん捨ててきて。だんだん明確になったり、方向性が自分のやりたいことだったりってのは、二十歳を過ぎるとわかってきたりするじゃない。だから、だいぶ変わってきたんじゃないかなと思うんだけど。
- 草なぎ:
- 夢ねぇ。今すごくさあ、みんな順調じゃない。SMAPっていうか、メンバーとか。だから、そんな先の夢とか特に大きなことはないんだけど、今のままが続けばいいなぁとは思う。本当にそれは思う。でも、それが一番難しいことじゃない?
- 中居:
- 辞めることは、バラバラになることは簡単だったりするよね。
- 草なぎ:
- うん。だから、今、こういう楽しいのがずっと続けばいいなぁとは思う。なかなかねぇ、それが。
- 中居:
- よく言ってるでしょ。50になっても60になってもSMAPだったらいいなって。
- 草なぎ:
- うん。難しいね。
- 中居:
- 面白いぜ。5、60でもSMAPあったら。
- 草なぎ:
- ね。
- 中居:
- ああ、面白いよ。なんかよくわからないけどさ。どうなるかわからないよ。でも、そうだったらいいよなあ。思うもん。他のグループとかさ、後輩達も。後輩達っていうか、自分達の事務所の後輩達も。事務所に限らず他のアーティストにしても何にしても。グループを見ると「俺、やっぱりSMAPで良かったな」って思うんだよね。だからって、どっかのグループが悪いって訳じゃないんだけどさ。思わない? そういうふうに。
- 草なぎ:
- うん、思う。
- 中居:
- 思うよな。
- 草なぎ:
- 楽しいじゃん。
- 中居:
- 他のグループは他のグループで楽しいんだろうけど、「ああ、SMAPでよかったなぁ」ってつくづく思うことがね、たまにあるんだよね。こういう雰囲気っていうのは、本当、いいなあって思うね、このままこの状況がずっと続けば。プライベートも、個人の仕事としても、SMAPとしても。こう仕事が続けばいいなあって。
- 草なぎ:
- ね。でも、またそういう困難が出てきて、乗り越えていくっていうのも楽しいっていうか。だって、僕達もほら、お客さん入らなかったりして。それがあって、だから今が楽しかったりするんだから、ある程度のそういう大変なことは、あったほうがいいのかなとは思うけど。あんまりずっと楽しかったら、馴れちゃって楽しいことわからなくなっちゃうし。
- 中居:
- 慢性化しちゃうとね。みんな誰でも楽しいの好きだしさ、わりと笑うこと好きじゃん。気持ちいいのはみんな気持ちいいじゃん。でも楽しむためにはさ、例えば、サラリーマンの人は1ヶ月に1度の給料日が楽しみじゃん。だから、給料日を楽しむためには1ヶ月働かなきゃいけないわけだから、その分辛い苦労っていうのが絶対あるわけじゃん。楽しむためには、やっぱりそれだけ苦労しなきゃいけない、頑張らなきゃいけないと思う。大変なことがあって当たり前だと思うわけね。で、楽しいことばっかりだと苦労して楽しめた分っていうのは、やっぱり倍増して楽しくなるだろうし。苦労しなかったら、その喜びとか楽しさだとか幸せっていうのがさ、慢性化しちゃったりしてさ、そういう意味で程度の低いものだったりしちゃうじゃん。だから、ある意味で仕事に対する姿勢とかさ、何に対してもそうなんだけど、良い意味で気持ちをキュッと引き締めなきゃいけないところってあると思うんだよね。で、自分をちょっと追い込まなきゃいけないし。だって万歳すればみんな、なんとかなっちゃうんだもん。なんとかなっちゃったりする。でも、どっかで自分のもう一歩っていう気持ちで頑張らないとさ、その喜びだったりさ、何か自分がつかんだものに対して喜びとか楽しさっていうのが、心から思えなかったりするんじゃないかと思うんだよね。このままの状態が続けばいいな。
- 草なぎ:
- うん。
- 中居:
- いろいろあるんだろうな、これからもな。
- 草なぎ:
- うん。誰か、泣いたりとかさ。
- 中居:
- なにそれ? 誰か泣いたりって。
- 草なぎ:
- いやいや、そうじゃない、「なぁんでそんなこと言うのぉ?」とかさ。「おまえ 、なんでそんなこと言うんだよおっ!」とか誰か怒鳴る奴も出てきたりさ。
- 中居:
- え? メンバー内で?
- 草なぎ:
- いやいや、なんかさ、大変な事件って感じでさ。そういうのがいつ起きるか、もう、ひやひやしてるよ。本当に。
- 中居:
- 意味がわかんないよ。誰かが泣くってなに?
- 草なぎ:
- だから、何かあって泣く奴が出てくるし、「おまえ、そうじゃねえだろうっ!」 って怒鳴る奴出てくるし、なにか蹴っ飛ばす奴も出てくるし、そういうことがね。
- 中居:
- それは絶対、まき起こるんだって。
- 草なぎ:
- ね。
- 中居:
- まき起こるから回復するし、回復するからまき起こるし、うん。
- 草なぎ:
- そうそうそう。だから、そういうことがあるとなんか。
- 中居:
- 嫌だなあ。もう嫌だよ。俺。揉め事とかさ、闘うの嫌だもん。
- 草なぎ:
- いつそういうのが起きちゃうかな? 怖い。
- 中居:
- 絶対あるぜ。
- 草なぎ:
- ね。
- 中居:
- わかんないよ、お前だって。「いいひと」終わったら「俺、辞めようかなぁ」って言うかもしれないし。「俺、独立するわ」って。そりゃ、わかんないよ。
- 草なぎ:
- いやいやいや。それはないよ。
- 中居:
- このままずっと続きゃいいのになあ。
- 草なぎ:
- ね。でも、いつかそういうのはあるんだろうね。しょうがないよね、生きてるんだから。
- 中居:
- いつかは来るんだろうな。10年後か20年後かわかんないけど。
- 草なぎ:
- 絶対とは、ないとは絶対に言えないもん。
- 中居:
- 考えられなくない? これから解散するとかって。
- 草なぎ:
- ね。
- 中居:
- やっぱいつか、解散するのかな?
- 草なぎ:
- あるんじゃない? やっぱいつか。ないことはないと思うよ。誰か。
- 中居:
- 誰か?
- 草なぎ:
- 誰か叫んだりとか泣いたりってのは絶対だって。
- 中居:
- 俺とか今の段階だったら解散とかって考えられないけどな。どういう感じかわかんないもん。
- 草なぎ:
- だからもう、スゴいことになっちゃうんじゃない? なんか。何が起きるかわか んないからね。
- 中居:
- でもね、なんか起きると思うよ、俺は。
- 草なぎ:
- それね。でも、本当に、うん、そう思う。
- 中居:
- 平和がいいね。
- 草なぎ:
- 平和がいいよ。
- 中居:
- な。楽しいほうがいいよな。
- 草なぎ:
- うん、平和がいい。怖いもん、だって。怒鳴ってたりすると。うるさいしさ。
- 中居:
- うるさいとかじゃないよ。最近、怒鳴られた?
- 草なぎ:
- ううん。だから、最近そういうことない。もう平和。
- 中居:
- あの、最近の遅刻したときのは?
- 草なぎ:
- 「自覚がない」?
- 中居:
- 「自覚がない」。
- 草なぎ:
- それぐらい。
- 中居:
- おまえ、「自覚がない」って、次の日も遅刻したよな。
- 草なぎ:
- してないよ。
- 中居:
- え? 「ビストロ」遅れたじゃねえかよ。
- 草なぎ:
- え、そうだ! あ、あれはちょっと違う。あれはちゃんと時間には入ってた。
- 中居:
- そうか、なるほどな。これ、どこ使われるかわかんないけどもな、うん。まあ見てよ、オンエア。だけどおまえ、今日、告知に来たんじゃないの? なんかあるんだろ?
- 草なぎ:
- あ、そうです。シングルが。新しいシングル。「ダイナマイト」。
- 中居:
- どんな歌だっけ?
- 草なぎ:
- ♪ダイナマイトなハニーでもいいんじゃない〜ってこういう。はい。今、スゴく軽く言ったけど。
- 中居:
- これはでも貴重だね。
- 草なぎ:
- そうだね、アカペラだからね。
- 中居:
- アカペラ。剛のソロだからね。
- 草なぎ:
- うん、そうだね。
- 中居:
- これ皆さん、ちゃんととったかな?
- 草なぎ:
- これ2月26日に。
- 中居:
- 出たんだよね。
- 草なぎ:
- アルバムが。
- 中居:
- 『WOOL』。
- 草なぎ:
- 『WOOL』。326。3月26日。でですね、僕、本出すんですよ、中居君。
- 中居:
- 何の本?
- 草なぎ:
- エッセイを今ちょっと書いてるところがありましてね。
- 中居:
- 剛のエッセイは有名ですからね。
- 草なぎ:
- いやいやいや。
- 中居:
- え、出るの? あれ。
- 草なぎ:
- 3月20日。
- 中居:
- 3月20日。あ、トントン拍子だね。アルバムの前に出るんだ。
- 草なぎ:
- 中居君、書いてよ、帯のやつ。本の、帯あるじゃん。本があって、帯がついてるじゃない。そこに「なんとかで、どうのこうの」ってさ、褒め称えるような文章あるでしょ。
- 中居:
- え? 俺は関係ないんじゃないの? だって、おまえのエッセイだろ?
- 草なぎ:
- いやいや、俺のエッセイだけど。ほら、よくあるじゃん、「この本を読んですごく私は共感できました」ってさ。僕を褒め称える。で、「By 中居正広」ってあるじゃん。その帯。それ、やってよ。
- 中居:
- え!?
- 草なぎ:
- やってよ。リーダーなんだから。
- 中居:
- なに言ってんのおまえ?
- 草なぎ:
- いやいやいや。
- 中居:
- 違う。なに?
- 草なぎ:
- 帯、あるでしょ。本に。
- 中居:
- メンバーみんな書くの?
- 草なぎ:
- ううん。一人だよ。中居君だよ。
- 中居:
- なにそれ? 意味がわかんないよ。
- 草なぎ:
- だから、今、交渉してるんだよ、ここで。
- 中居:
- 違う。だっておまえ、それおまえのだろう? おまえが書いたんだろう?
- 草なぎ:
- でもそれを。
- 中居:
- 俺、読んだことないもん、そのエッセイ。
- 草なぎ:
- いや、読まなくてもいいんだよ。僕がこの本を出すことにあたって、なんか。
- 中居:
- 新聞に載ってたじゃん。日刊かなんかで。今年の剛の、なんか本出すって。でっかーくおまえが載ってて。
- 草なぎ:
- そう。だから中居君、頼むよ、帯。マジで。やってよ。
- 中居:
- いや、俺とかじゃないほうがいい。
- 草なぎ:
- いいって!
- 中居:
- いや、絶対違うと思うよ。俺じゃないよ。
- 草なぎ:
- いいよべつに。え? なにが?
- 中居:
- 俺じゃないと思う、そういうのは。
- 草なぎ:
- いやいや、だからやってよ。だって。
- 中居:
- 俺は、おまえのために言うけど、嫌だ。
- 草なぎ:
- いやいや、やって。
- 中居:
- 違う。俺じゃないと思うよ。おまえ、その本の質とか本のことを考えたら。
- 草なぎ:
- そんなの関係ないよ。
- 中居:
- 違う。俺が書いたら、いわゆるSMAPの本になっちゃうぞ。俺はSMAP色がすごく濃いのよ。
- 草なぎ:
- あ、そうなのかな?
- 中居:
- ね。べしゃりのほうだから。ね。仕切るほうだから濃いのよ。例えば、木村とか慎吾とか吾郎だったら、一、香取慎吾、一、稲垣吾郎、一、木村拓哉が書いてくれたってなるわけ。俺が書くと、なんかSMAP色にしちゃうから、俺は良くないと思う。
- 草なぎ:
- あ、本当に?
- 中居:
- うん。俺なんかは、他のメンバーのほうがいいと思うよ。マジで。
- 草なぎ:
- それ、自分が書くのが嫌だから言ってるんじゃないの?
- 中居:
- 違う、違う。マジ、マジ。本当そう思うんだよ。本の質が落っこっちゃうと思うよ。
- 草なぎ:
- いや、そんなことはないって。
- 中居:
- いや、本当に。俺は違う。それ、飯島さんに言ったほうがいいと思うよ。
- 草なぎ:
- あ、そう?
- 中居:
- うん。俺は違うと思うけどな。俺っていうと「SMAPのリーダーが代表して」みたいになるだろ? 結局SMAPのリーダーなわけだからさ。中居正広じゃないからさ。これは違うと思うけどなあ。いや、書くのはぜんぜんいいんだけど、俺は剛の本のためにも剛のためにもちょっと違うような気がするんだけど。
- 草なぎ:
- じゃ、交渉失敗だね。
- 中居:
- いや、いいんだよ、それでもいいんならいいけど。
- 草なぎ:
- うん。じゃあ、またちょっと考えてみます。
- 中居:
- うん。そのほうがいいと思うけどな。で、本が出て、アルバムとシングルが出て?
- 草なぎ:
- あ、そうです、そうです。あと、4月から。
- 中居:
- ドラマ。
- 草なぎ:
- はい。
- 中居:
- 「いいひと」。「いいひと」が始まって、「OH! エルくらぶ」が打ち切り。
- 草なぎ:
- そうです。
- 中居:
- でも、いい時期だね。体、ほらもう。
- 草なぎ:
- なにそれ?
- 中居:
- ね。これで「OH! エル」やって。今だって「いいとも」やって、ドラマやって「 スマ×スマ」やってね。で、「テンベスト」? しゃかりき。
- 草なぎ:
- いや、でもね、中居君にそういうことは。だって、君が一番大変だよ。
- 中居:
- 大変に思うでしょ? でもぜんぜん大変じゃないんだよ。いや、マジで本当、そう なの。休みとかあるんだよ、俺。今。
- 草なぎ:
- 本当に?
- 中居:
- だって、今年入って、みんな3日4日休みもらったじゃん。あれから2日3日ぐらい あったもん。バラバラだけどもね。
- 草なぎ:
- うーん?
- 中居:
- いいよ、なんか。これはこれで。
- 草なぎ:
- そう?
- 中居:
- うん。
- 草なぎ:
- 中居君に「忙しい」とは言われたくないよ。
- 中居:
- いや、本当、忙しくないって。
- 草なぎ:
- いやいやいや。
- 中居:
- ドラマ入ったらしんどいぜ。今のレギュラーの3つ4つの中にドラマが入ったら本当、しんどいと思う。うん。体には本当、気をつけて。
- 草なぎ:
- はい。
- 中居:
- 「いいひと」、俺、見るからな。
- 草なぎ:
- うん。見てね。
- 中居:
- あれ、4月から7月までだろ? で、夏に多分、ライヴ始まるじゃん。俺はそれを全 部ネタにするからね。
- 草なぎ:
- そうなれば、それはもう、ありがたき幸せです。
- 中居:
- もう面白いぐらいに練るからね。「いいひと」見よう。楽しみだなぁ。
- 草なぎ:
- 見て下さい。
- 中居:
- 剛君、とりあえず、ありがちなコメントですが、体には十分気をつけて。もう、体壊しちゃったら、やりたいこともなくなっちゃうしね。楽しいこともやっぱり、できなくなっちゃうから。今の楽しい空間、SMAPがずっといられるように頑張っていただきたいと思います。
- 草なぎ:
- はい。
- 中居:
- はい。今週のゲスト、草なぎ剛君でした。どうもありがとうございました。
- 草なぎ:
- どうも。