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NON-EDIT TALK : 久保田利伸*中居正広

中居:
こんばんは、中居正広です。11月に入りまして、そろそろ街の中もクリスマスの匂いが漂ってくるんじゃないかなという時期になって参りました。皆さんはどうお過ごしでしょうか? 僕のニット、似合わないという評判をよく聞きます……。心を入れ替えていきましょう。
さぁ、それではですね、今週のゲストを御紹介しましょう。日本にあまりいない方です。久保田利伸さんです。どうも。

久保田:
こんばんは。

中居:
こんばんは。

久保田:
ニット、似合いますよ。ムチャクチャカッコいいっスよ。

中居:
カッコいいですか? 

久保田:
今日、初めて会った時にそう思ったもん。

中居:
言って下さいよ! 世間の人に。

久保田:
なんか、そう言われて言うとね……。みんなアレだからね。

中居:
そうですね。どうも、はじめましてですね。

久保田:
そうですね。あの、僕は、ここ2〜3年はたまにしか日本にいないけども、まあでも、時々拝見しますよ。聞いたりとか拝見したりしますよ、中居さんのことは。

中居:
え!? そうですか? え? なんで? 

久保田:
いやいや、だっていろいろやってるじゃないですか、いろいろ。

中居:
いろいろやってますね。え? どんぐらいニューヨークはもう? 住み始めてからどんぐらいになるんですか? 

久保田:
住み始めて、あのね、行ったり来たりし出してからは、そういうのをさかのぼると6年くらい前。5〜6年前になるんだけど。でも、本当に、もうほとんどあっちが拠点ていう意味では、3年くらいかな? 

中居:
え? あっちにおうちがあるんですか? 

久保田:
ありますよ。

中居:
もうじゃあ、ほとんどあっちの人ですよね? 

久保田:
いちおう税金は向こうで払わされてます。なんか、向こうに住んでるのが1年のうちの大半だからとかっていう理由も大きく含めて。

中居:
へぇー。

久保田:
いや、でもそんなにいいもんじゃないっスよ。

中居:
いや、でも。だってじゃあ、日本に帰って来た時って、どこにいるんですか? 

久保田:
いや、日本も日本で自分の住む家があって。ただ、そこは俺がいない時は誰も住んでないから、まあ埃だらけの。

中居:
もったいないですねぇ。

久保田:
もったいないですよね。でもあの、そこをでも、もったいないから、2年前にそこを出ようとしたんですよ。日本のところ。そしたらあの、「出る」って大家さんていうか、その、借りてたからそう言ったらば、「いや、安くしますから」って。で、安くするっつったって、けっこう思い切って高めのとこ借りたんで、「でも、たかが知れてるよ」って思ってたら、「3分の1にしますから」って言ったから。

中居:
あ、それはいい。かなり安い。

久保田:
いいですよ。

中居:
ずっと空ですもんね。

久保田:
空だし。そこから出る代わりに、なんかあの、倉庫とかものを置ける部屋を探そうと思ったんで、それと値段が変わらないだろうから、そしたら楽ですよね。

中居:
じゃあ、そこ、倉庫代わりじゃないですけども。

久保田:
まあ、倉庫代わりにしちゃあ、わりと部屋は幾つかあるから贅沢だけど。まあ、でも、まあ、もったいないな、やっぱり。誰も住んでないから。

中居:
そうですよ。もったいないですよ。あ、そうですか。え? じゃあ1年のうち帰ってくるっていうのは、年に数えるぐらいですか? 

久保田:
えぇと、まあ、それでも今年は多いほうですからね。あの、でも、去年とかは帰ってくる回数が1年に3〜4回。

中居:
3〜4回ですか。

久保田:
うん。で、いても1週間ずつくらいで。でも今年はツアーをやったりとか。

中居:
え? 何年振りぐらいでしたっけ? ツアー。

久保田:
なんか、いろいろいいこと聞いてくれますよね、なんかね、いろいろね。

中居:
あのね、僕、思うんですけど、久保田さんのファンの子はもちろんね、日本の久保田ファンていると思うんですよ。

久保田:
ちょっと飲んでいい? 喋りながら。

中居:
あ、いいですよ。あの、ちょっと可哀想な気がするんですよ。ニューヨークまでやっぱりみんな行けないじゃないですか。もちろん皆さん日本での生活もちろんありますし、ファンの方はファンの方で。で、たまにしか帰ってこないですし、で、ツアーっていうのも2年3年振りだったりするじゃないですか。

久保田:
いやぁ、3年振りですね。本当に3年丸々開いてるから。だから本当に僕の音楽とか心底ファンで、コンサートがあったら全部行きたいと。で、コンサートのチケットをいい場所をとるためにファンクラブにまで入ったっていう人にとっては、だから、3年前にファンクラブ入った人には、本当にアコギな商売してますよね。ファンクラブの会費を払わなきゃいけないわけだから。

中居:
そうですよね。

久保田:
まあでも、とは言ってもやっぱり向こうにいる、例えば僕の場合ニューヨークですけど、ニューヨークにいるのは、アメリカでちょっと去年の終わりぐらい、去年の今くらいかな? から始めた、向こうでもレコード出してっていうのがあるんで、そっちも中途半端には出来ないですからね。

中居:
はいはい。

久保田:
でも、中にはね、これ、勝手な話だけど、あの、ニューヨークでもチョコチョコライヴやったりするんですよ。その時に、その情報を得てかどうか知らないけど、そのライヴハウスにいちはやく駆けつける日本人の人っていうのもいます。

中居:
えぇー!? 

久保田:
でね、あの、まあそれはでも、たまたま向こうに住んでた日本人の人だろうとずっと思ってたんだけど、時々、手紙とかポッとくれる人がいるじゃないですか。で、今やってる日本のスタイルと違ってライヴハウスだから、だから、わりとみんな話かけられ易い状態で、ポンて手紙とかくれると、「このために私は日本から来ました。この日を待ち遠しくしておりました」。で、そういうのがあったりすると。

中居:
え? それってどう思います? 

久保田:
いや、メチャクチャ嬉しいですよ。

中居:
メチャクチャ嬉しいですよね? 

久保田:
メチャクチャ嬉しいけど、それ以上に「そこまでしなくたって……。もったいないだろう」っていうか。だって飛行機代だって往復最低あるし。

中居:
そうですよね。

久保田:
で、ストリートにいるわけにいかないし。もう、ありがたいより申し訳ないなっていう感じのが。だから、そんな気持ちも募ってきて、今回、まあ今年はライヴをたまにはやんなくっちゃあ、みたいな。

中居:
それはもう、ファンの方々は堪んない、まあ堪んないっちゃあおかしいですけども、僕はやっぱり1年に一ぺんでもやっぱり帰ってきて、チョコチョコっとでもやって欲しいっていうのが絶対あると思うんですよね。

久保田:
まあ、そうでしょうね。

中居:
でも、久保田さんは? 

久保田:
なんか、中居さん、ムチャクチャいい人じゃない? ムチャクチャ好青年ですね。

中居:
そうですか? 

久保田:
なんか、すごいなんか、人間と人間同士の話がムチャクチャ自然に出来ますね。

中居:
あ、そうですか? 

久保田:
うん。

中居:
僕、お話好きなんですよ。でも、興味があるっていうのももちろんありますし。

久保田:
へぇー。SMAPの人ってみんなそういう人? いろいろ違うでしょ? 

中居:
SMAPはですね、みんないい奴ですよ。僕は胸を張って言えますけど。

久保田:
ああ、そうですか。

中居:
性格はバラバラですけどもね。

久保田:
僕はあの、木村君としかチョロッと会ったことしか。

中居:
あ、お会いした? 

久保田:
チョロッと。

中居:
あ、そうですよね。あの、ドラマの主題歌。

久保田:
そう。その関係でね、ちょっと会ったくらいなんだけど。

中居:
どうでした? 木村君。

久保田:
いや、立派じゃないですか。立派っていう言い方も変だけど。なんかムチャクチャ男っぽいですよね。

中居:
硬派っていうか、男っぽいですよね。

久保田:
硬派ですよね。で、まあきっと、でも、それでもみんながみんなそうじゃないだろうと。いろんな奴がいるよなって思ってたら、中居さんもあれですね、ムチャクチャ人間臭い人ですね。

中居:
僕と木村君はちょっと逆ですね。

久保田:
あ、そうですか? 

中居:
どっちかっていうと。

久保田:
逆? でも、お互い人間臭いじゃないですか、そういった意味じゃあ。

中居:
あ、うん。情熱的ですしね、木村君も。

久保田:
情熱的。

中居:
うん。いま、いかにも日本語って感じですけど。

久保田:
いやいや、好きな言葉ですよ。

中居:
ええ、情熱的ですけど。え? じゃあ、もうアレですか? ライヴも3年振りとかいうじゃないですか。っていうことは、もう自分のお仕事するところ、自分がやりたいところっていうのは、もうニューヨークでの、アーティストとしての活動はニューヨークだけでやっぱり今後もやってきたいっていう気持ちがやっぱり強いんですか? 

久保田:
いや、そんなことは決してないですね。あの、多分、来年、あと1〜2年くらいはニューヨークを拠点に音も作って。それから向こうでやりかけてることも、もっともっと形にしていって、という意味においてニューヨークは必要になってくるんですよ。1年のうち、なるべくそっちにいたほうがいいっていうことになってくると思うんだけど、なるべく早くっていうか、もう早く日本に帰ってきてぇなっていう気がして。

中居:
え? なんでなんで? なんでですか? 

久保田:
やっぱりだって、あの、日本に生まれ育った普通の日本人ですから。顔はけっこう混ざってるように思われるけど。

中居:
僕、絶対混ざってると思うんですよ。

久保田:
みんな言うよ。みんな。でも、実際には俺ね、小学校の社会科研究の、夏休みの自由研究で自分の家を6代ぐらい遡ったことがあるんだけど、自分の家の研究。

中居:
はいはい、はいはい。

久保田:
でも、6代遡ってもずっと同じ場所に住んでたみたいだし。

中居:
静岡ですよね? 

久保田:
静岡ですよ、ええ。だから、顔とかね、見た目はそうなんだけど、いちおう身も心もわりと日本人魂だから、やっぱりニューヨークに長くいってても、たまに帰ってくると、まあ、成田に着いた瞬間でも、ムチャクチャ気持ちがいいですよ。あの、息が吸いやすい感じが。

中居:
へぇー。

久保田:
まあ、他の街、他の国に較べたら東京なんていうのは、やっぱり忙しい、せわしない街だろうけど、やっぱりニューヨークに較べたらまたちょっと違う。やっぱり俺にとってはすごく落ち着くところ。東京っていうか日本全部ですよね。だから、早く日本に帰ってきて、日本を発信地に世界的な活動が出来りゃあなぁ、なんていう。まあ、そんな楽なことじゃないんで。

中居:
そうですね。だから、日本で活躍されてるアーティストの方っていうのは、やっぱりみんなね、どっかに進出したかったりするんですよね。例えば、久保田さんのようにニューヨークを拠点にって思う方もいらっしゃいますし、どっかの国を拠点に、世界にでも通用する音楽をってみんな求めてたりするんですけども、結局みんなそういう思いがあっても、結局いけなかったりする人っていますし。

久保田:
あんまりね、だって、かなり俺の場合もそうだろうけど。

中居:
勇気って要りませんでした? 不安? なんでしょうかね? 絶対になんて言うか、不安ですかね? 「大丈夫かな?」っていう。

久保田:
あの、多分、こういうことに付きまとう不安ていうのは、果たして出ていって、例えばアメリカならアメリカで通用するかどうかっていう不安と同時に、それよりも日本でわりとなんかの形がすでに出来ている、で、それを日本を留守にすることによって、それが潰れてしまうとかね。そういう不安のほうが大きい人がいるかもしれないね、中には。リスクとか守りに入るとか、そういう悪い言葉もあるけど。でも、俺の場合は、まあ、けっこう何年も何年も前からそういうふうに「日本以外のとこで早くやりてぇな」と、ずっと前から思ってたんで。それをやらないことのほうが精神的にはリスクが大きいかなと、不安が。だから、もっと言っちゃえば、日本で少し足踏みするような年が何年か続くことがあっても「べつに大したことはねぇ」くらいの感じ。その覚悟で。でも、覚悟したっていうことは、ある程度迷ったことがあるんでしょうね、覚悟っていうことはね。

中居:
だって、もう日本での活動であの、久保田利伸っていう音楽が日本でもやっぱり認められてからですよね。

久保田:
そうだね、うん。

中居:
だから僕は、なんか、またなんでゼロからスタートしなきゃいけないの? っていうのがあるんですよ。

久保田:
でもあの、日本で自分のスタイルとか自分の音楽がウマく浸透するかしないか。だから、俺が日本でデビューして、1年とか2年後。だいたいウマく浸透するっていうのは3年とかそのくらいかかると思うんですが。でも、デビューしてから1年か2年後くらいの時には、すでにもう「早く日本以外のところでもやりたいな」と思ってたから。

中居:
あ、そういう気持ち、もうあった? 

久保田:
あったんですよ。だから、あんまりその、日本がどういうふうになってるっていうのも、あんまり関係なかったけど、タイミング的には。もっともっとその前にあった部分だから、そんなに関係なかったですけどね。

中居:
じゃあ、そのきっかけじゃないですけども、なんでニューヨーク? 

久保田:
なんでニューヨーク? 

中居:
なぜニューヨーク? いろいろあるじゃないですか。イギリスはロンドンがありますし。

久保田:
そうですよね。

中居:
いろんなとこ、なんでニューヨークを久保田さんが? 

久保田:
やっぱりね、二つくらい理由はあるんだけど、大きく言うと。まあ、ニューヨークが多分、うーん? なんかいろんな人種が、いろんな勝手な奴が、いろいろセンスの違う、で、偉ぇ奴も馬鹿な奴も含めてグシャグシャになって狭いとに住んでる街だから、そういうとこに行ったら、ちょっとぐらい強い人間になるかなっていうか。

中居:
それ、人間的にっていうことですか? 

久保田:
人間的にも。で、そういうところに行ったらば、自分にかなり責任持たないと多分、日本にずっといるよりは自分に責任をもっと強く持たないと潰されちゃうような。とりあえず、強烈に国、強烈な場所のような気がしたから、そこに行ってみたい、そこに長いこと、出来るだけ長い間、ちょっとそこに身を投げてみたいとか、そういうまあ、そういう想いと。あと、多分これは間違いないと思うんだけど、アメリカのなかでもニューヨークで何かとっかかりを掴むことが世界に一番近い近道。もっともっと、例えばロンドンでなんか始めたら、ロンドンで止まっちゃう可能性もあるんだけど、アメリカの中のニューヨークで始めたら、ニューヨークでウマくいったらアメリカ全土はいって。で、アメリカっていうのは世界中に広がる可能性を一番、まあ安易だけど、いちばん強く持ってるところだっていう。なんかいろいろカッコつけたりとか、偉そうなことは言っちゃあいるけど、基本的にはすごくなんか目立ちたがりのメジャー指向だから。ちっちゃいとこでウマくいけばいいやっていうよりも、なんかなるべくメジャー指向な奴だな。

中居:
いろんなに人に、いろんな国の人に自分のやってる音楽を認めて欲しいっていうことで? 

久保田:
その可能性が一番てっとり早くて速い。でも、その代わりいちばん難しいけどね。

中居:
うん、難しいですよね。

久保田:
いちばん難しいけどね。そう思ってる奴がウジャウジャいるわけだから、街に。すごいなんか、変な言葉で言えば競争の街っていう感じがするけど。

中居:
すごい争いじゃないですけども。だって、僕ね、あの、いいのかな? 

久保田:
ニューヨーク行ったことはあるんですか? 

中居:
ええ、あります。で、久保田さんも先ほどいいましたけど、純粋な日本人ですよね? 

久保田:
そうだよ。でもね、あのね、ニューヨークでも日本人にいっぱい会うじゃない、街歩いてる奴とか。で、特に今年みたいにシングルヒットがボンッと「LA・LA・LA LOVE SONG」とかあったりすると、みんな「久保田さん『LA・LA・LA LOVE SONG』聴きましたよ」とかいって。日本だったら会ってもあんまり話かけないんだけど、ニューヨークにいる仲間っていう感じがするらしくて。で、特に関西の奴とかは、なんか関西弁でクッと回り込んできて、「おぉ!? 久保田やんけ!」って入ってくんだけど。でも、なに言おうとしてたんだっけな? それで。

中居:
「純粋な日本人ですよね?」って。

久保田:
あ、そうそう、そうそう。で、そういう時に、ついでに聞く奴が。本当に俺に向かって。聞くんじゃなくって、「あの、お父さんでしたっけ? お母さんでしたっけ? フィリピンの人は」とか「お父さんでしたっけ? お母さんでしたっけ? 黒人の人は」みたいな。疑ってないのよ、みんな。それで、いちおう今ニューヨークに住んでいる日本人のコミュニティがあるとすれば、そのコミュニティでは、僕はハーフっていうことになってるみたいね。

中居:
あ、そうですか? 

久保田:
そういうふうに疑いのない事実として。

中居:
もう、そういうものだと思って接されるんだ? 

久保田:
そう信じられてるみたい。そういうふうにみんな思ってるみたいね、なんかね。でも、俺は自分でちゃんと調べたけど、社会科研究をね。自由研究をやったけど。

中居:
小学校の時ですよね? 

久保田:
うん。

中居:
まあ、別に日本人でもアメリカ人でもハーフでもなんでもいいんだけど、結果は。でも、いちおう俺の場合は日本人ですよね。

中居:
そうですよね。日本人ですよね。で、あっちの人、ニューヨークの人もそうですけども、あっちの血が流れてる人は、もうビートだったり、もう刻み込まれて染み込んでるわけじゃないですか、身体に。で、染み込んでそういう人たちと久保田さんが、いくら久保田さんが頑張っても外人にはなれない。ニューヨークの人には、あっちの人にはなれないわけですよね。そういう時、対等にスタートライン、あっちの人は生まれてからスタートしてって、久保田さんは5年6年前からスタートして。どう考えても、まあ、上下で比較してもアレですけど、やっぱり対抗しきれないんじゃないかなっていうの、僕なんかにもあるんですよね。いくら頑張ってもやっぱり日本人、いくら頑張っても。そういうのがあるんですよね。だから、それでもやっぱりその、争いじゃないですけども、ウジャウジャいるわけですよね。そういうふうに思って、そういう時に勝てるのかな? これで通用するのかな? っていう自分の中に自信みたいのはあったのかな? って思うんですよ。

久保田:
あのね、べつに生まれた時からリズムに興味があったり、リズム感がちょいといいとかっていうわけじゃないと思うんだけど、俺の場合だって。でもなんか、いろんなものを聴いたりとかしてるうちに、リズム感とか、リズムへの身体の反応の仕方とか、それ置いたら向こうでネイティブに育ってそのまま来ている人とあまり変わらないような気がするんですね。だけど、やっぱりもっと何世代も前から培った何かもっともっと深めのフィーリングっていうのは違うから、やっぱり出てくる濃さ。あの、ファンキーな濃さ。リズムの濃さ。粘り強さ。独特のものっていうのは多分、そこまで突き詰めたら日本人である俺には絶対ありっこないんだけど。でもね、これも何年も前から思い始めたことなんだけど、そうしむゃないことによって、もしかしたらそれが俺の売り、売りじゃない、向こうに行ったらば、それが俺の売りじゃん。もしかしたら日本だったらば、リズム感とかは俺の売りかもしんないけど、向こうに行っちゃったらばリズムは俺の売りじゃないと。平均レベル程度だと。したらば、そうじゃないところに俺のなんか個性っていののがあるっていうふうに、俺がべつに無理して見つけてるんじゃないけども、向こうの人たちが面白がってくれる。例えばあの、本当に向こうの人とまったく同じリズム感を持って、肌の色も同じで、歌声のトーンもまったくだいたい同じで、で、あと似たような曲をやってたらば、ぜんぜん面白くないし何てことはない。だけど、あの、特にまあファンキー系の人たちの中に混ざってやる場合でも、その中で例えばあの、「トシ久保田っていう奴はなんか、ファンキーな曲を歌うようだけど、なんか声のトーンが俺たちの人種とは違うな」とか、「リズムもなんかそういうの好きらしいけども、なんか聴いたことのない個性を持ってるな」とか、そういうことで彼らの中でも、彼らの真似をしてるってよりも、彼らに面白がられる可能性を逆に持ってるような気がして。だから、もしこれがスポーツも勝つか負けるかとか、点を争うものとか、そういうんだったらば技術的なものとかで勝負になるんだろうけども、もっともっと人間一人一人の個性で勝負するような感じじゃない。だからね、なんかぜんぜんいけるんじゃないかっていう。

中居:
ああ、じゃあ、まずあっちの人と土俵が違うんでしょうね。あの、勝負のしどころじゃないですけども。わかるような気がします、それは。

久保田:
そう、だから、それでもうアメリカで作られてアメリカから発信されて世界中に影響を与える音楽ってやっぱり主流じゃない。けっこうたくさんあるじゃない、ロンドンものもあるけど。だから、そういった意味ではあの、まあ、それと較べて日本ていうのは、ちょっといろいろ参考にさせてもらったり真似したりとかっていうことは、まあしょうがない、多いけどね。多いとは思いますけども。

中居:
それは僕なんかSMAPもだから、その傾向はあると思いますし。でも、僕なんかはまあ、真似するっていったらおかしいですけども、やっぱりそれを耳にして「ああ、こんな感じのいいなぁ」。ライヴなんかでも「じゃあ、こんな感じでやりましょうね」。

久保田:
ぜんぜんいいと思いますよ。

中居:
ニューヨーク、僕らいかないですからね。

久保田:
まあでもね、今の話だけどね、でもアメリカの中でも、誰か流行ってる人がいたら、それをみんなして真似するわけで。誰かカッコいい人がいたら真似したりとか。日本なんかよりもっともっと流行りものとかに対する触角はすごい敏感でやってるから。だから、なんかすごいカッコいい例えばそうだなぁ、誰にもわかりやすいところで言うとマイケル・ジャクソンみたいなのがいて、あれがカッコいいからあの踊りのセンスを真似しようっていう人はアメリカ人にもたくさんいて、日本人にもたくさんいるから、それはべつにぜんぜんいいことだと思うな。

中居:
僕なんかもぜんぜん。

久保田:
日本人アメリカ人ていうのはぜんぜん抜きにして。でも、時々アメリカで言うと「俺たちのスタイルを真似しやがって」とかっていう奴、ちっちぇえよな、人間が。ちっちぇえなぁっていう感じしますけどね。多分、マイケル・ジャクソンも誰かの真似してるんだろうし、もとは。

中居:
誰かの、まあ誰かはわかんないですけどね。

久保田:
なんか、昔読んだのではあの、もっともっと上の世代のジェームス・ブラウンとかそういうのをよく真似してるとかってあるだろうし。多分、そのジェームス・ブラウンも誰かの真似してたんだろうし。

中居:
でも久保田さんて日本で僕なんか最初だから、ちょうどもう10年ぐらい前ですかね? 10年ぐらい前。

久保田:
うん、日本でデビューして10年ぐらい経つ。

中居:
それで僕は久保田さんが出てきて、けっこう好きだったんですよ。

久保田:
ありがとうございます。

中居:
マジで好きだったんですよ。それでやっぱりずっとシングルなりアルバムなり聴いてたうえで、「あ、なんだこの人は?」。初めてだったんですよね、そういう久保田さんみたいな音楽を耳にすんのが。

久保田:
へぇー。

中居:
今まで洋楽っていうのも、そんなに小学校、中学校の時って、洋楽っていうのはそんなに聴かなかったりすんですよね。ダンスが好きでも、やっぱりその知識もないですし。久保田さんが音楽界入ってきて、で、出した時に「なんだ? この人」。最初やっぱり外人、「なんだ? この人」っていうね。「なんでこんな歌うたうんだろう?」なんか思ってたんですよ。それからですね、僕なんかが変な話あの、そういうヒップホップ系じゃないですけど、ファンキーな音に敏感になり始めたのは。

久保田:
へぇー。でも、俺がレコード出そうとか出た頃っていうのは、本当に誰かと仕事の話しても、誰かとインタビューしても、なんかの番組に出てもあんまりよくわかってもらえない、正しくはわかってもらえないっていうのはあったよね。だから、あんまり今まではそんなになかったタイプのスタイルの音楽らしかったみたいで、そういのは感じたけど。でも、それは楽しかったけど。なんか「自分はちょっと人とは違うかもしんないぞ」みたいな。

中居:
でも、それを認めてもわえた時っていうのはやっぱり嬉しいですよね?

久保田:
そう。だから、そういうちょっと過去のは、前にはあんまりないタイプの音楽を出す時っていうのは、例えば事務所もレコード会社の人も不安じゃないですか。まあ、今までこのスタイルの音楽はあったかもしれないけど、ウマくはいってないと。だから、みんなが不安になってるところに、まあ、俺はやるしかなからやって。で、ウマくいき出す時っていうのは、なんかみんなも安心するし、俺も気持ちはいいし。でもね、この俺のこれをあの、このスタイルっていうのを一部の人はデビュー前から、わりとチョンチョンと信じてくれてて。それなんかの一番の代表例が皆さんの先輩のトシちゃんチームとかね。俺がデビューする1年前とか、よく曲を書いて。

中居:
そうですよね。そうです、そうです。

久保田:
基本的にあの、えぇと、あの、ジャニーさんメリーさん率いるところの、そちらの何とお呼びしていいか、チームというかですね、だいたいファンキーもんが昔から好きだから。もう作るのにしても、だいたいダンスというものがあるからそれに行くんだろうけど。だから、そのへんは俺だけがどうこうっていうよりも、いろんなところで盛り上がっていった部分だと思うけど。 だから、そのへんで曲を作らせてもらったりとか、あとねスタジオにちょっと行ってバックヴォーカルをちょっと やらせてもらったりっていうので。

中居:
え? バックヴォーカルですか? 

久保田:
うん。デビュー前だけどね。デビューする半年ぐらい前だけどね。そういうのちょっとやったりしてるうちに、なんか「ああ、こういうのっていうのが、けっこう日本の中でもウマくいきそうじゃん」っていう感じは自分でも感じられたけどね。おかげさまで。

中居:
それから自分で? 

久保田:
うん。

中居:
じゃあ、やってみようじゃないかと。

久保田:
うん。っていうか、デビューすることはもう決まってたんだけど、そのデビューまでの準備期間、待ち時間も含めて。で、どうせ待つんだったらボーッとして待つんじゃなくて、例えば踊とかもちょっと習いながら。待つだけじゃなくて、もう少し自分で音も作れるような。っていう中で察挙くをしたりとか、まあレコーディングスタジオっていうものに慣れたりとかっていう作業はまあ、あのへんの皆さん方の感じと一緒にやりましたね。

中居:
僕だって、昔のそのトシちゃんさんとかの曲を見るじゃないですか。「作曲:久保田利伸」「ええ!? あれ久保田利伸作ってんの!?」。

久保田:
作ってるですよ。いっぱい作ってんですよ。

中居:
けっこうありますよね。

久保田:
へっこうある。シングルも1〜2枚あるけど。

中居:
ありますね。

久保田:
アルバムなんかでは、もうね、ちょうど今、自分の作ってるアルバムに入ってもおかしくないようなタイプの、そういう音楽がけっこう。その種の音楽が。ファンキーでちょいとポップみたいな、そういうのを。もしかしたら、あのへんで自分のスタイルを確認したのかもしんない。ちょっと出来たのかもしんない。その前だと、もうちょっとただの向こうもんのコピーで、ダンスパーティーバンドがやりそうな、そのくらいかもしんないけど。あのへんでいろいろなんか、作り方とか楽しみ方勉強したのかもしんない。

中居:
でもやっぱりね、そういう音楽って僕なんかやっぱりハシリだったんでね。

久保田:
そのへんの? 

中居:
「カッコいいなぁ、おい。日本でもこんな音楽は初めてだな」っていう。それが逆にだから、すごい白黒はっきりしたと思うんですよね。「私にはわからない」っていう人もいるでしょうし、「ああ、僕にはこれは理解できる」っていう人もいれば。だから、あの、否定する人も中にはいたと思うんですよね。

久保田:
もちろん、もちろん。

中居:
やっぱいたんですか? 

久保田:
もう、否定するっていうか、否定するまでもなく、ただ「わかんない」とか「興味がない」とか。あと、本当にね、否定っていう言葉で言っちゃえば、「こういうスタイルだったら、例えば同時期に外国で出るその人と較べて、じゃあそっちのほうがいいんじゃない?」っていう、そういう考え方もあるみたいだったし。だけど、俺にしてみれば、「そいつらには俺のスタイルはないじゃん」みたいな。まあ、そう否定する奴とね、喧嘩するのはもともと意味ないことだけど。

中居:
強制的に「俺の音楽を認めろ」っていうのは多分なかったと思うんですよね。

久保田:
ないない。

中居:
もう自分の好きな音楽やって、もう「俺の音楽好きな奴だけ聴いてくれりゃあいいんじゃないか」っていう、そういう気持ちで多分やってたんじゃないかなってのもあるんですよ。

久保田:
うん、そう。で、そのわりには、けっこうみんなよく聴いてくれて。

中居:
そうですよね。

久保田:
まあ、だから、かなり運はいいですよ。けっこうツイてますよ。

中居:
運ですかね? 

久保田:
もちろんラッキーだっていうことがないとウマくいかないと思うけど。まあ、ウマくいってきたわけだから、そういった意味では。いや、運もあるんじゃないですか。

中居:
運ですかね? 

久保田:
だって、俺がアマチュアで日本のライヴハウスでファンキーバンドのリードヴォーカリストとして歌ってる頃っていうのは、ライブハウスの対バンでいっぱいいたもん、俺みたいな感じの奴が。

中居:
え? いつ? 何年ぐらい前ですか? それ。

久保田:
ったってデビューする前だから10年、11年、12年、13年ぐらい前。

中居:
ライヴハウスみたいなところでやってたんですか? 

久保田:
うん。だいたい渋谷とか新宿とか。で、ちょうどその頃の対バンは、えぇと、爆風スランプ。対バンとか、明日は爆風スランプとか。その前の日はBOWYとか。

中居:
へぇー。

久保田:
なんかそういう、みんな同じ時代にアマチュアだったような、そんな時代だけど。でも、そういう時にもでも、同じような。まあ、爆風スランプと一緒にやったことはないけど、なんとなくファンキーなんだけど音楽のちょっとテイストが違うとか。BOWYとはなんか、音楽的にビートが反らないとか、なんかあるかもしんないけど。でも、中にはすごく似たようなスタイルで。

中居:
やっぱりいました? 

久保田:
いくつかいて。「あ、こいつ、才能あるなぁ」とか俺とか、「こいつ歌うめぇなぁ」とか、そういうふうに思ってた奴もたくさんいるから。だから、そういう中でウマくいくってのは、ちょっとぐらいラッキーじゃないと。

中居:
え? 変な話、その時からもうニューヨークを目指すじゃないですけど、拠点にやってみたいなっていう夢みたいのはあったんですか?

久保田:
あったあった。その時は俺以外でも対バン、一緒にやるようなバンドの中にもそういうふうに思ってた奴がいたし、すごくあった。だけど、いざ日本でデビューがポンッと決まって忙しくなって、で、ウマくいきだして、その1〜2年間ていうのはちょっとかなり忘れてたかな。もともと持っていた、どうせだったら日本以外のところでっていう、そういう夢的なものはしばらく忘れてましたけどね。でも、その後、「待てよ? これだけじゃねぇだろう。これじゃあ、昔思ってたことと違うだろう」っていうんで、それでチョコチョコL.Aとかニューヨークとか行きだして、手応えをちょっと自分なりに感じてみると、「やっぱりいけそうだ」っていうきがしてきて。で、なんだかんだで今に至っているわけですね。

中居:
でも、あっちの人って僕ね、聴くお客さんですか、まあ、ライヴなりそうですし、レコード、CDを買ってくれる人っていうのは、久保田さんの曲を聴いて我々が聴いて飲み込むものと、あっちの人と飲み込み方が違うと思うんですよね。捉え方が。僕が日本の音楽をやっぱりずっと聴いてて、まあ、街の洋楽のヒップホップ系の聴いてても、「ああ、久保田さんのアルバムだ」って手にすることもありますし。街の人がだから「あ、久保田」ってとるのと、また意味合いがちょっと違うんですけど、あっちの人はどういうふうに久保田さんの音を捉えているのかなと。

久保田:
なんか、ムチャクチャいい質問じゃない? それ。そういうのって。

中居:
そうですか? 

久保田:
うん。なんか、よーくこの音楽業界を何十年もくぐってきた、スゴ腕の評論家と話してるみたいな感じがするけど。メチャクチャ深い質問だよな。

中居:
でも、素朴な質問ですよ。だって日本人とアメリカ人違いますからね。

久保田:
そうそう。で、多分あの、俺の以前の予想だと、まあ、「トシ久保田」って書いてある。で、見た目の感じで判断するとすれば、「なんか俺たちとちょっと違う顔してるな」っていうふうな。で、あと、音楽をその前にラジオかなんかで、向こうのね、聴いて、それでそこに辿り着いた場合は、まあなんか「英語にしたって俺たちとちょっと違う訛を持ってるようだな」って。「でも、スタイルは俺たちのに似たファンキー系のR&B系のスタイルだな」っていうんで、ちょっと珍しいところで聴かれちゃうのかなと。もの珍しさで聴かれちゃうのかなと思ってたんだけど、まあ、それはいい意味でもあるかもしれないけど。でもね、実際はね、レコードジャケット見ちゃえば、ちょっと「あれ? 何人だろう?」って思うかもしれないけど、先に音だけでいく場合は、なんかぜんぜんみんなアメリカ人だと思ってるみたい。アメリカで音楽のスタイルから見れば黒人ぽいから、なんか黒人が歌っているまあ、新しいやつ。黒人ノリのっていうか、彼らの一部みたいな、そういうふうには捉えられてる。その反応がすごく多い。

中居:
へぇー。それっていうのは久保田さんにとって、マルですよね? 

久保田:
マルだよ。

中居:
メチャクチャマルですよね。

久保田:
マルだよ、今のところね。今のところそれはマルだけど。

中居:
「日本人がこっちに来て。こっち系のなんか歌ってる」っていうんじゃなくて、もう、あっちの人って、人間が、音がもう認められてる。まずそれからですもんね。

久保田:
そう。あの、売り方の一つとしてはさ、東洋人の個性を強く出していこうって、それもあるじゃん。

中居:
ありますよね。

久保田:
あるよね。だけど、その手は嫌いだなって思ってたから。だから、そういうの出そうと思えばいくらでも方法あるわけで。だから、そういうんじゃなくって、あの、日本に生まれてもアメリカに生まれても関係なくって、地球上に住んでる46億人住んでるうちの46億分の1だっていう考え方でやりたいなって思ってたから。何人でも関係ないし、聴いてくれるほうも、なんかぜんぜんそういう偏見とか先入観とかも持たないで、何人とかっていう。音楽を純粋に聴いてくれればいいって思ってたから。そういった意味じゃあ、今のとこマル。

中居:
マルですね。

久保田:
ただ、個性は欲しいよね、そっから後にくっついてくるね。

中居:
そうですよね。それはもうこれからですよね。

久保田:
そうそう、そう。そこのでも、とっかかりっていう意味じゃあ、なんかうん、まず自分のいかなきゃいけないとこには立ってる気はしますけどね。

中居:
へぇー。やっぱ違いますね、もう。我々が思っている「久保田さんの音楽は」って思うのとあっちの人が思うのと。あ、そうですか。

久保田:
はい。

中居:
あっちの人がね、あの、「こっちの人だ」って思うのって嬉しいですね。単純かもしれませんけど。

久保田:
うん。なんか、俺としてはけっこう嬉しいですね。

中居:
そうですよね。

久保田:
何かやれてるなっていう感じは。

中居:
あの、ライヴの反応ってどうなんですか? いちおう日本での、今ツアー中じゃないですか。お客さんていうのは、昔からのお客さんなのか、それとも最近? 最近だって、活動してませんもんね、ここ2〜3年ていうのは、この日本で。

久保田:
ちゃんとやってないもんね。で、ちゃんとやってないんだけど、今年とかあの、シングルがウマく売れたりとかね、あるけど。でもだから、そういった意味で、そんなにちゃんとアルバム出して、ちゃんと定期的にシングル出してっていうんじゃない中で「LA・LA・LA LOVE SONG」とかそんな曲があるから、それだけを知ってる、それだけを目当てにコンサートに来る人ばかりなんじゃないかな? って今回予想してたんだけど。でも、確かにそういう人は多分。

中居:
いなくはなかった? 

久保田:
30%ぐらいいるんじゃないかな? だけど、もうちょっと過半数以上は何年も前からコンサートに来続けてる人が主流っていう感じのお客さんだね。でもまあ、ちゃんと聞いてないからわかんないけど。「あんた、なんで来たの?」っていちいち聞いてないからわかんないけど、会場のノリの感じでいくと、そういう感じがするけど。

中居:
どうなんですかね? 久保田さんの曲、だから、お客さんは踊りに来るのか、観に来るのか、どういう目的で。だから、僕なんかのコンサートですと、例えば楽しくはしゃぎに来るとか、見方多分、アーティストアーティストで違うと思うんですよね。もしかして僕なんか黄色い声援だけの時もね、この前みたいにありましたけど。久保田さんのライヴっていうのは、まあ今言った日本でのツアーでの、ライヴのお客さんていうのはどういう形でライヴに来られるのかな? って。

久保田:
いい質問するなぁ、うん。

中居:
それとも久保田さんでもわかんないですかね? 

久保田:
わかんないけど、多分、今自分がちょっと思ってみると、あの、身体を動かしたいとか、踊りたいとかっていうのも、多分あると思います。でも、それはあくまでも意識をして、例えば「コンサートのどっかに楽しく踊らせてくれるところがあるだろうな」とか、そういう感じで。もう身体の 中から「もう、着いたらすぐ踊ろう」とか「もうなんか、音楽聴いたら、すぐそのまま動いちゃおう」っていうんじゃなくって、多分なんか踊りっていうか、踊れる場もあるかもしれないっていう期待があるとは思うけど、それ以上に音楽を聴くのが好きな人、それがメインだっていう。だから、みんなこうやってお上品にかしこまってるわけでは決してないんだけども、なんかよーく聴いてる感じは。まあ、かと言って黙ってるわけではないんだけど。

中居:
みんなバラバラだったりするんですね、じゃあ。

久保田:
その通り。俺のね、お客さんでいちばん好きなのはそれなの。すっごい音楽の楽しみ方を個人的にやってんの。それが好き。

中居:
へぇー。どんな感じだろう? 

久保田:
で、ちょっとみんなで一緒に、でもステージの最後のほうでは、ちょっとみんなと一緒に、ちょっとフザけながらのダンスパーティーみたいな形でやる時は、見事にみんな一緒に踊るけど。そういう指示を具体的に出さない限りは、わりとすごく自由に楽しんでるね。だからね、俺が誰かを観に行く時の気持ちと、わりと似てる。なんかあの、例えばアメリカから来日してるアーティストとか観に行く時に、わりとみんな勝手に。

中居:
バラバラだったりしますよね。

久保田:
勝手に。あれにすごく近いような気がして。だから、俺のお客さんは自慢だなって感じですね。いいお客さんだな。

中居:
へぇー。なるほどね。バラバラなんだ。久保田さんの例えば、顔を見にくる人もいますよね? 

久保田:
まあ、そういう奴も中にはいるでしょうね。

中居:
いるでしょうね、絶対。音楽を聴きに来る人、歌を聴きに来る人、踊りに来る人。多分カップルとかもいると思うんですよ。

久保田:
うん。カップルもすごく多い。

中居:
いますよね。だから、男性女性も多分、問わずに来てるんでしょうね。

久保田:
うん。だいたいまあ、特に今年っていうか、いつもだいたいバァーッてたくさん会場押さえて、それで来たい人は全員来れるみたいな、そういうふうにはあまりならなくて。あの、速い者勝ちみたいなチケットにはなるから、そうするとだいたい女の子のが強いじゃない。速い者勝ち系は。

中居:
そうですね。

久保田:
だから、60%くらいは女性になるけども、でも40%くらいは男がいて。男のほうが多い人もいたりも、アーティストによってはいるけども。俺は男だから、女の子が半分以上いないと嫌だなって気もしますけどね。

中居:
個人的にね。

久保田:
個人的には。まあだから、そういった意味でも、まあちょうどいい具合で。でね、年齢層がすごいんだ、また。すごい広いんだな。ムチャ広いの。

中居:
年齢層っていうと、でもその、世間で例えば久保田利伸のライヴに行かない人が思う年齢層って、やっぱり中・高・OLの女性が多いんじゃないかっていうふうに捉えると思うんですよ。実際は? 

久保田:
中・高・OL。で、女はたくさんいるけども。

中居:
もっと上の人とか? 

久保田:
でもね、いや、だって、このあいだムチャクチャ驚いたのは、どっか東京じゃなかったな。東京じゃなかったけど、北海道、札幌かどっかで、もう多分年齢でいうと、これは年齢的に細かいことはうちのスタッフから聞いた話だけども、60歳ぐらいの老夫婦の。老夫婦ってまあ、年けっこういってる60歳ぐらいのカップルが、「ちょっと会場間違えたんじゃないですか?」って聞こうとするくらいの雰囲気の人たちが、立って一生懸命踊ってるらしいから。

中居:
マジですか!? 

久保田:
ステージの最初から最後まで老夫婦が。それで、俺はその人たちファンキーだなって思ったけども、まあ、そこまでいくのは珍しいけどね。それはね、つい最近の話だけど。あと、いちばん前の席になんか、40歳くらいのオバさんがじーっと見てるっていうのもあったけどね。

中居:
そういう人たちは何でしょうかね? 

久保田:
何でしょうかね? 

中居:
何を目的なんでしょうかね? 

久保田:
あの、時々さ、俺の曲とかはあの、ノリもんとかもいっぱいあるけど、シンプルにバラード一本で歌い切るっていうのもあるじゃない。もしかしたらそういうのっていうのは、年齢とか性別とかも関係なく、彼らの好きな音楽ジャンルも関係なく、演歌を大好きな人でも聴けるものがあるかもしれないし。もっとぜんぜん無頓着な人でも聴けるものがあるのかもしんないね。でも、そうだとすると、べつにあのお父さんとお母さん、踊らなくてもいいよね、無理して。座ってりゃあいいのに。

中居:
踊ってました? それは面白いですね。老夫婦っていうのは。

久保田:
これはもうありがたいですよ。そこまでいっちゃうとありがたいっスよ。

中居:
幅広いっスね、かなりね。それでは最後にあれなんですけども、今後の活動じゃないですけども、ツアーが終わったら、またあっち行っちゃうっていうか、帰るっていう形になるんですかね? 

久保田:
いや、行っちゃうって感じ。行く。行かなきゃなぁって感じなんだけど。まあ、ツアーが終わったらあの、まあまた拠点をニューヨークに戻して、ニューヨークを拠点にやり始めてることをちょっとどんどん進めないといけないですね。特に来年とかは、そういうことをまたして。ただ、同時に日本でもシングルが出たりとか、日本用のアルバムの準備をまた進めたりとかもするだろうけども。まあ、シングルは少なくても1〜2枚は出ると思うけど、来年。ま、でも、基本的には来年なんかは、まだニューヨークが拠点なんじゃないかなと。あんまりこういうこと言っちゃいけないって言われるんだけどね、事務所の人には。「あんまりニューヨークニューヨークっていうと、日本のファンは離れるよ」って言われちゃうんだけど、しょうがないっスよね、やんなきゃいけないんだから、自分の中で。

中居:
それはもう、やりたいことでもあるし、やらなければならないことなんでしょうね、久保田さんのとってね。

久保田:
やらなきゃいけないっスよ。そのへんを中途半端にするような男だったら嫌だっていうふうには思って欲しいですね、逆にみんなにはね。

中居:
なるほどね。

久保田:
まあ、そこまで俺が決めつけることはないけども。

中居:
またじゃあ、ライヴも多分ずっとやらないんでしょうね。

久保田:
いやいや。いやいや。計画、日程は出てないけど、いや、またやるんじゃないですか? 

中居:
やります? やります? 

久保田:
日程出てないけどね。

中居:
あ、そうですか。

久保田:
でも、そう言い続けてこのあいだは3年経ったんだな。

中居:
ね。ファンの方々って、本当にそれはあると思いますよね。その老夫婦ももちろんそうかもしれませんけども。まあ、日本での活動っていうのも、まあある意味では忘れて欲しくないじゃないですけど。

久保田:
もちろん、もちろん。さっきも言ったように、早く帰ったきたいよ、こっちに。本当に早く帰ってこれる状況を作らないと。

中居:
あっちでもこっでもっていうことですよね。

久保田:
うん。

中居:
あの、ぜんぜん関係ないんですけど、あのビールのCM、超カッコいいっスよ。

久保田:
マジ? 

中居:
唐突ですいませんけど。

久保田:
いやいや、そう言ってくれて嬉しいんだけど。まあ、でもあれってね、もう1バージョンあってね。音の問題でね、あのね♪オゥ、オゥ〜ってやってる裏にDJが♪キュキュキュン、キュン、キュン、キュン、キュ、キュンキュン〜てずっとDJだけで。

中居:
あ、それ知らないっスよ。

久保田:
知らないで当然で、あの、それは作ったまでで、そっから先はオンエアされてなくて。ただやっぱりあの、まずはシンプルてインパクトを持って、まあ強いものって言うんで、声だけっていうふうにはなってるけど。でも、俺としてはね、DJがちょっと混ざってるやつのが。

中居:
あ、そっちのが好きなんですか? 

久保田:
俺としてはなんかね、好きっていうか、それにこだわってて。もしかして、それ聴いたらそれも好きっていうかもしれない。

中居:
ああ、そっち見たいなぁ、それ。

久保田:
それもいいかもしんない。

中居:
それ、見たいですね。

久保田:
だからね、あの、代理店の人にね、「そういうのを今度、次あるとしたらやらせて下さい」とか。

中居:
あ、ビール屋さん、一つちょっとお願いします。

久保田:
ええ、サントリーさんなんですけどね。

中居:
ちょっと、もう1バージョンのほうを、ぜひともかけて見せて欲しいですね。

久保田:
すいませんね、そこまで言っていただいて。

中居:
あ、そうですか。二つバージョン撮ったんですか。でも、あれもいいですけどもね。

久保田:
すごく評判いいね。なんか、いろんな奴から。

中居:
あれだから、新しいんですよ、僕なんかから見て。新しいしCMなんですよ。それが、久保田さんにとっては、もう自分のやりたいスタイルだったり、自分のやってたスタイルをそのままポンとCMなり、まあ、歌もそうですけど出してるつもりですけども、我々周りでいろんな音楽を聴いてても久保田さんのは新しく感じちゃったりするんですよね。

久保田:
あ、そうなんだ。

中居:
耳に入らないんですもん、そういう音楽は。

久保田:
あ、そうなんだ。

中居:
でも、そのかたくななって言っちゃあおかしいですけどもね、その自分のスタイルっていうのはでも、今後ともやっぱり変えて欲しくないなっていうのは。

久保田:
多分そんな変えられないと思うけど。デビューした頃は変わるんじゃないかなって思ったんだけど、ここまで変わらないから変わらないと思うな。

中居:
売れるための曲と、自分の好きな曲をね、出して。音楽をやって売れるとまた違うと思いますしね。

久保田:
まあ、いろいろそのへんはあるけどね。でもね、俺、今のところ俺は自分の好きな曲しか作ってない感じがして。これが「ちょっと嫌だな、この曲」っていう曲を作るようになると寂しいけどね。

中居:
寂しいですよね。

久保田:
今のとこそうなってないからいいけど。

中居:
それはやっぱりちょっと一貫して欲しいなっていうのはありますね。

久保田:
それはそうします。

中居:
まあ、ぜひともSMAP、今度なんかあったら聴いて下さいよ。

久保田:
あ、知ってるよ。だってあの、うちのマネージャーはカラオケ行くと必ずSMAPだもん。それしか歌えないの、いつも。

中居:
あ、そうなんですか。

久保田:
ぜんぜん歌えないけどね。だってさ、あの、俺がトシちゃんとかに書いてた頃っていうのは、本当にリズムは簡単に♪タ、タ、タ、タ、タタ、タ、タ、タ〜って書いて下さいって言われてたのに、ぜんぜん難しいじゃん。

中居:
難しいんですかね? 

久保田:
いや、1、2、3、♪ン、HEY HEY HEY 〜でしょ。

中居:
裏でとってたりしますけどね。

久保田:
そう。だから、そういうのはうちのマネージャーみたいな奴だと歌えなくなっちゃうんだけど。全部、♪ン、HEY HEY HEY 〜っていうのが、♪HEY HEY HEY 〜ってなっちゃうんだけど。しゅうがないんだけど。で、俺の曲なんか絶対歌えないから。まあ、出す例が悪かったんだけどね、今は。だけど、僕はよく知ってますよ。

中居:
何らかの形でそうですね、見て欲しいですし、聴いて欲しいなぁと思うんですけどね。また日本に帰ってきたら、この番組に遊びに来て下さい。

久保田:
呼んで下さい。

中居:
けっこう面白い話だったんで。

久保田:
いやぁ、僕も面白かったです。

中居:
どうもありがとうございました。

久保田:
ありがとうございました。

中居:
はい、今週のゲストは久保田利伸さんでした。どうもありがとうございました。

久保田:
ありがとうございました。

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