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- 中居:
- こんばんは、中居正広です。12月に入りまして、寒さもだんだん厳しくなってます。えぇ、今週のゲストなんですけども、どういうふうに紹介しようかちょっと迷うような感じがしますが、一番いいのは、歌手としてご紹介したいと思います。歌手。そうです。川本真琴さんです。どうもこんばんは。
- 川本:
- こんにちは。
- 中居:
- こんにちは。
- 川本:
- こんばんは。
- 中居:
- こんばんは。はじめまして。
- 川本:
- はじめまして。
- 中居:
- はじめてですね。
- 川本:
- はい。そうです。はじめてです。
- 中居:
- テレビではいつも見させて頂いてます。
- 川本:
- あ、そうですか。どうも。
- 中居:
- どうも。今、HEY! HEY! HEY! のエンディング・テーマを。
- 川本:
- はい、そうです。
- 中居:
- 「DNA」っていうんですよね?
- 川本:
- はい。
- 中居:
- あれ、自分でタイトル書いたんですか?
- 川本:
- はい。いちおうタイトルは一番最後にできたんですけど、歌詞書いて、そのあとにちょっと決めて。
- 中居:
- あ、じゃあ、自分で作詞と作曲は。
- 川本:
- たくさんあったんですけど、いろいろと提案は。いちおう「DNAにするか」って。
- 中居:
- なんで、「DNA」?
- 川本:
- えぇ、「目立つかなぁ?」と思いまして。っていうものあれなんですけど、たくさんあったんですよ、いろいろ。
- 中居:
- ちなみに候補はどんなのがあったんですか?
- 川本:
- えっと、何があったかな? あ、言うの嫌です。
- 中居:
- もう、言えないような?
- 川本:
- はい、そうでなんです。恥ずかしくて言えないような。
- 中居:
- 恥ずかしいようなタイトルだった?
- 川本:
- はい。そうなんです。その中でも目立ってたんで。
- 中居:
- インパクトで選んだんですか?
- 川本:
- そう。「どれにしようかな?」って。
- 中居:
- へー。でも、「DNA」って? 「DNA」って、どういう意味ですか?
- 川本:
- DNAは染色体。
- 中居:
- 細胞ですよね。
- 川本:
- はい。
- 中居:
- そのまんまですよね。ちょっと変わってますよね。
- 川本:
- 「DNA」が?
- 中居:
- ええ。
- 川本:
- 私?
- 中居:
- ええ。
- 川本:
- 「DNA」?
- 中居:
- 「DNA」。まず、「DNA」からちょっと掘っていこうと思ったんですけど。
- 川本:
- 「DNA」は、そうですね。
- 中居:
- なんで?
- 川本:
- タイトルは? はぁ。
- 中居:
- 「細胞」ですよ。
- 川本:
- はい。
- 中居:
- おかしくないですか?
- 川本:
- 細胞、嫌いですか?
- 中居:
- ………? いや、好き嫌い云々じゃなくてね。
- 川本:
- あの、細胞、私の中じゃ普通なんです。
- 中居:
- じゃあ、どういうふうにとらえているんですか? 細胞を。川本さんのなかでは。
- 川本:
- ここらへんにある自分の手の細胞。
- 中居:
- ありますねぇ。そこだけじゃないですねぇ。肘にもありますねえ。背中にもありますよ、細胞は。そんなのに細胞?
- 川本:
- 細胞なんです。みんな持ってるから細胞かなって。
- 中居:
- でも、詞の内容は細胞を解明するような詞でもじゃないじゃないですか。
- 川本:
- うん、あれですね。そうか。あの、みんな持ってるものって何かな? っていろいろ挙げてったんですね。その中で「あ、細胞っていうのはみんな一緒だ」って思って。人間だけじゃなくても細胞とかあって。でも染色体のことはあんまり知らないんですよ。そんなに勉強しなかったほうなんで知らないんですけど。ただ、細胞はたくさんあるし。
- 中居:
- 人間だけじゃなくて動物も。
- 川本:
- そう、きっと一緒。中居さんとあたしも一緒だなと思う部分。
- 中居:
- その一緒ってことは、なんか自分にとって気になることなんですか?
- 川本:
- うん。
- 中居:
- 共通点みたいなもんですか?
- 川本:
- そうですね。私よく、変わった人って言われるんです。
- 中居:
- うん、言われてますし。
- 川本:
- それで、変わった人って言われると、「どこが違うんだ?」って思うじゃないですか。中居さん、言われませんか?
- 中居:
- 僕? 僕、変わってないっスよ。だから、自分、変わってないと思いますよね。僕、変わってると思います?
- 川本:
- うーん? そうだな。今会ったばかりなのでわかりません。
- 中居:
- わかんないよね。
- 川本:
- わかんないんですけど、とにかく私、変わった人って言われるんですよ。で、その時「一緒の部分?」って、考えちゃうんですよね。「共通点を見つけよう。趣味の一緒のところを見つけよう」って。そういうのよく考えたりして。だから、そういうのを今回は歌詞にしてみたかったっていうか。
- 中居:
- どんなに性格的にも人間的にも変わってて、みんな共通点がなくても細胞だけはみんな持ってるじゃないかと。
- 川本:
- 一緒だろ、と。
- 中居:
- 「一緒だろ」と。
- 川本:
- はい。
- 中居:
- へぇー。
- 川本:
- そっと思ってるんです。
- 中居:
- その細胞っていうのが、おかしいっちゃ何だけど変わってるんじゃないかなあって思って。
- 川本:
- 「DNA」が?
- 中居:
- なんで「DNA」? うん。最初インパクトありましたよ。このあいだ聴いてて。すごいエグい詩なのかなあって。だけどべつに「私の細胞が云々」って感じでもないし。詞からいえばそんなにインパクトがないいこともでもないし。あれ詞が先ですか? 曲が先ですか?
- 川本:
- 私は多分、詞が先なんですよ。詞が先って言うと詩が先に全部できるみたいですけど、どっちかっていうと私の中で詩っていうのはイメージで、「こういうのがいいな」ってイメージだけが詞になってて、そこからメロディーを「じゃ、こういうのにしよう。こういう感じのが歌いたいからこういう曲にしよう」って、書いていくんですけど。で、いつもデモ・テープを最初作るんですよね。その時に詞は考えないんですけど、そのイメージの詞があるんで、曲を作っていくときに適当に思いついたメロディーには、もう歌詞がついてるんですよ。イメージの詞が、何となく。でも、その詞は出来上がった時の詞とはちょっと違うんです。
- 中居:
- え? どういうことだろう? 自分がイメージしたものとできあがったものっていうのは違うってことですか?
- 川本:
- うん。それは最初の段階の詞なんです。イメージだけであって、もうメチャクチャな詞なんです。本当にメチャクチャで。
- 中居:
- ストーリーもなければ。
- 川本:
- うん。もう何にも。メッチャクチャなんです。
- 中居:
- ただ思いついたままの詞。
- 川本:
- そうなんです。だから変な言葉とかたくさん入ってて。最初、例えば「DNA」の歌だったら「オナカ」とか出てきちゃったりして。でも、結局出だしは「へそ」なんですけど。ちょっと残ってたりもするんですよ、いちばん最後にも。だからだんだん詞は、曲を作ってる時に変わってくるっていうんですか? だんだん変わってきちゃうんです。でも、いちばん最初のイメージは大切にしようと思ってるんで、なるべく早く曲を人に見せるっていう。早く曲を作って、早く人に見せて「こういうのをやりたいんだ」っていうふうにしてから、例えばラッパが入るとか、音が入ってくる時に詞もちょっとずつ変わっていくんですね。「あ、だったらこういう発音の方がカッコいいな」とか。そういうふうにだんだん変わってきたりして。そういうふうにやってますね。だから、詞が先かなあって。
- 中居:
- それは、詞が先なのか曲が先なのかっていうのはきわどいですね。
- 川本:
- そうですね。そうなんですよ。だから結局、詞は最後まで残っちゃうんですよ。締め切り日の前日とかね。歌入れの5分前ぐらいまで詞やってるんで、ずっと。「うーん? ここだここだぁ!」って、ずーっとやってるんで。
- 中居:
- 自分のその時の心境の変化とかで詞が変わったりするんですよね。
- 川本:
- うん。でも内容はそんなに変わらないんですけど。例えば、歌うと勝手に言葉が変わったりするんですよね、私。アドリブで間違ったりして。間違ったのがそのまま。レコーディングにしてもそのまま入っちゃったりとか。
- 中居:
- それ、間違ってるのかな?
- 川本:
- 間違ってるんです。私が完全に。言葉を間違ってるんです。心のイメージが一緒で言葉が多分違ってて。でも一緒なんで。で、それが例えば、聴いてる人が「今のよかった!」っていうふうに言った時に、「あ、こういうのが伝わる言葉なんだな」って。
- 中居:
- 評価されたりするんだなぁって。
- 川本:
- そう。「こういう言葉が良かった」「今の言葉、好きだよ」って言ってもらえれば「じゃあ、こっちにしよう」って選んでいったりして。
- 中居:
- それは、決して間違いではないでしょうね。
- 川本:
- そう、ですね。
- 中居:
- と思いますよ、僕。
- 川本:
- ちゃんと決め決めでやってないってうのも、最初から。「こういう詩で、曲もこうで」って。だんだんメチャクチャ変わっちゃうんですね、私。途中で。まだ2曲、2枚しか出してないですけど。
- 中居:
- へぇー、そうですか。じゃあ、どう転ぶかわからないんですね。
- 川本:
- そうそう、そう。そうですね。レコーディング面白いですもん。
- 中居:
- レコーディングの段階で作っていくってことですから。だから「詩ができた」「じゃ曲を作りましょう」「それにメロディーのせましょう」「テープができた」「録音しましょう」「音録りましょう」っていうんじゃないですよね。
- 川本:
- そう。もう、試行錯誤の連続で。
- 中居:
- じゃあ、逆に煮詰まったりしないんじゃないですか?
- 川本:
- そうです。全然ないですね。逆に煮詰まったりするのは普段の生活で。あの、私あんまり音楽知らないんです。この番組にきて、みんないつもすごい音楽のこと話してるから、どうしようかなって思ってたんですけど。私、あんまり知らないんですよね、あまり。昔からずっとロック聴いてたわけじゃなくて、誰かを崇拝してるわけでもないんで。だから、どうしようかなって思ってたんですけど。普段の生活の中でも、音楽ってただの楽しみなんですよ、私の。ちゃんと研究もしてないし、あの、なんですか? なんですか?
- 中居:
- 僕に突っ込まれても。
- 川本:
- ごめんなさい。なんていうか…。
- 中居:
- うん、わかりますよ。それは逆にいいと思いますよ。
- 川本:
- そのことにたまに悩んだりしますね。
- 中居:
- 悩みます?
- 川本:
- うん。「こんなんでいいんだろうか?」って。
- 中居:
- もしかして川本さんが音楽を勉強していくうえで、もっと発見があるかも知れないですよね、追求することによって。それが新しい発見なのか。例えば、誰かの音楽を聴いて影響されることもあるでしょうし、それがもしかしたら川本さんの音楽になっちゃうかも知れないですし。それこそ、そればっかりもどう転ぶかわからないですよね。それはそれで、誰の影響もなく自分の感性だけでやるっていうのも、決して悪いことではないなぁと僕は思いますけどね。
- 川本:
- うん。好きなアーティストの人じゃないや、音楽やってる人います?
- 中居:
- 僕? 僕あんまり音楽は得意じゃないんですよ、歌が……。好きなんですけどね、好きとウマいって違うんだよ。
- 川本:
- あ、好きとウマいは違うんですか? ウマいっていうのがよくわからないんですね。
- 中居:
- ウマいっていうのは、♪ドレミファソラシド〜ってちゃんと歌えることだよね。
- 川本:
- うーん? うんうん。
- 中居:
- 僕ね、要求された音が出ないんですよ。困っちゃうでしょ。
- 川本:
- ふーん。
- 中居:
- そりゃぁ、好きなアーティストいたりしますけどねぇ。そんな僕、曲作ったり詞作ったりっていうのは、ほとんど一回もやったことないし。だから、そんなに音楽に大して影響されるってことはないですけどね。例えば、芸人さんだったり、踊る人たちだったり、そういう人たちを見て影響されるってことは、なくはないですよ。
- 川本:
- あ、カッコいいですよ。テレビで歌ってるとこよく見ますが、カッコイイと思います。
- 中居:
- あ、そう? 僕が歌ってるの見て? 僕、あんまり歌は……。
- 川本:
- もう、もちろん見たことあります。
- 中居:
- 僕、歌あんまり得意じゃないんですよ。
- 川本:
- あ、そうなんですか? いや、多分、私が憧れる人っていうのはたくさんいるんですけど、歌のウマい人じゃないですね。
- 中居:
- (ガッツポーズ)!!
- 川本:
- カッコいい人。カッコよければもうなんでも。
- 中居:
- でも、カッコいいの基準も違うでしょ。
- 川本:
- そうですね。あたしの基準ですね、もう完全に。多分、私、普通の人なんで、この番組見てる人とかと同じ形で見てると思うんですよ。
- 中居:
- 普通の感覚でみてる? 俺らの事を?
- 川本:
- 「SMAPカッコいい!!」とか思って見てますよ。本当に普通の感覚で見てカッコいいって。
- 中居:
- あ、そう。それは、どういうふうにカッコいいんですか? それは。男性に対してでもそうですし。
- 川本:
- うんとね、目が真剣で、踊っててバシッ! と決まった時とかの顔がすごくカッコいい。
- 中居:
- そんな人っていうのは世の中、ゴマンといるよ。
- 川本:
- うん。だから、たくさん好きです。
- 中居:
- 好きな人がいっぱいいるでしょ。
- 川本:
- たくさん好きな人がいて。それで例えば、歌ってメチャクチャでもいいと思って、カッコ良ければ。
- 中居:
- メチャクチャって? 例えば音程とか?
- 川本:
- うん。音程とか歌詞とか間違っても見てる人が、私が見てる人だったら。で、「カッコいいじゃん!」って思ったら、きっとその人の勝ちかなって思って。
- 中居:
- うーん? でも、カッコいいってわかんないもんね。川本さんのカッコいいって、どれを基準にカッコいいっって。
- 川本:
- そうですねぇ。どうなんだろう?
- 中居:
- 川本さんにとってカッコいいってどういう事だろう? 容姿だったり、例えば顔とかヘアスタイルがカッコいいとか?
- 川本:
- うーん? 多分、カッコいいは、思うことなんで。例えば、劇とか歌でもいいんですけど、それを見た後にその人が、「あぁ、今日はこれ見てよかったな」って幸せな気分にさせてくれた人がカッコいい人なんですよ、私の中で。だから中居さんはカッコいいと思います。
- 中居:
- 俺、カッコいい?
- 川本:
- はい。
- 中居:
- 今度、僕一人で歌ってるの聴かせてあげようか?
- 川本:
- はい。
- 中居:
- 昔、4年ぐらい前に一人で歌ってるの出したことがあったんだけども。
- 川本:
- あ、そうなんですか?
- 中居:
- うん。一人っていうか、LPの中にね。びっくりするよ。
- 川本:
- えっ!? そうなんですか?
- 中居:
- うん。
- 川本:
- へぇー。見たいなぁ。
- 中居:
- 一人の声ってのは、多分あんまり知らないんじゃないかな。うん。
- 川本:
- 私も今はソロなんですけど、昔はバンドだったんですよ。
- 中居:
- あ、バンドの一員だったんですか?
- 川本:
- バンドってプロじゃなくて、アマチュアのバンドだったんですけど。その頃カッコいいですよ、私。もう、かぶりものとかしちゃって。でも、その時は「自分、カッコいい」と思ってたんです。
- 中居:
- いいんじゃないの? 自分がカッコいいと思ってることをやるのはいいことだと思いますよ。
- 川本:
- カッコいい人は、自分でもカッコいいと思ってるんじゃないかと思って。
- 中居:
- カッコいい人は、自分でも? あ、周りから「カッコいい、カッコいい」って言われてる人ってことですか?
- 川本:
- うん。みんながカッコいいと思う人は、自分でもカッコいいことをしてるんだと思うんです。
- 中居:
- どうだろうなぁ? けっこう自信なかったりしますよ。
- 川本:
- うん、私も、します。
- 中居:
- なんか、自分でカッコいいと思うことって、あんまりないんですよ。そりゃぁ、僕もだし、他のメンバーもそうかも知れないけど。よっぽど自分に自信がないとカッコいいなんて言えないし、思えなかったりしますね。すごく自分のこと、好きでしょ?
- 川本:
- あたしですか? うん。4分の3好きです。
- 中居:
- 4分の3? 75%ですね。
- 川本:
- 75……、78ぐらい。
- 中居:
- 78ですか? その75から78までの3%は何でしょうかね?
- 川本:
- なんか、75って少ない感じがして。
- 中居:
- 少ないか。じゃあ、残り22%は、何が自分を嫌いにさせる?
- 川本:
- まだ、たくさんできる部分があるのに出来てないからです。
- 中居:
- まだその、今、22歳でしたっけ? 22年間、まだ自分の素質とか能力を出し切ってないってところ?
- 川本:
- うん、まだ。もっといろんなことしたいし、もっと出来ると思うんで。
- 中居:
- 今、楽器もギターとピアノもやってらっしゃいますよね。どっちが好きなんですか?
- 川本:
- ピアノとギターですか? うーん?
- 中居:
- どっち好き?
- 川本:
- どっちも好きです。
- 中居:
- どっちも好き。
- 川本:
- ちっちゃい頃からずっとピアノを習ってて、ソロになってからはギターなんです。
- 中居:
- なんでピアノからギターに?
- 川本:
- ピアノも弾いてますよ。ただ、今は本物のピアノがなくてキーボードしかないんで、ちょっと「ピアノじゃないな」って気がするんですけど。ギターしかないんです、家に。
- 中居:
- おうちに?
- 川本:
- はい。
- 中居:
- じゃあ、ギターを始めたきっかけじゃないですけども、やっぱりなんかを見たり聴いたりで「あ、いいな」って興味本位でギターを握ったんだと思うんですけども。
- 川本:
- うん、ギターは高校の時にすごくバンドをやりたくて。友達との間でバンドをやろうってなった時に、みんなヴォーカルはできるんで「やりたい!」ってことになりますね。あと、叩きものっていう意味でドラムも「やりたい!」って、すぐできる。でも、ベースとギターは難しい。特別な楽器なんで、弦楽器だから。だからなかなかやる人がいなかったんですよね。だったら私がするしかないなって、それでギターをやろうって思ってYAMAHAのギター教室に通ったという。
- 中居:
- ギター教室に通ったの?
- 川本:
- すぐ辞めちゃったんですけど。ギター教室に通ったのがきっかけっていう。
- 中居:
- で、学校みたいなのを辞めて、すぐ自分で、おうちで練習したんですか?
- 川本:
- そう。でも、そのバンドは1回も何もせず終わっちゃったんです。私がギターを習っただけで終わっちゃって。で、そのあと大学いってバンドやって、その時にギターをちょっとやって。で、このデビューをきっかけに、岡村靖幸さんに「愛の才能」っていうデビュー曲を書いてもらったんですが、その時にすごくカッコいいギターを弾いていただいたんで「これはちょっと真似してやらなきゃこの曲はかっこよくないぞ」と思って必死で練習したっていう。そんな感じです。
- 中居:
- やっぱ、カッコいいの好き?
- 川本:
- うん。岡村さんカッコ良かったです、スタジオの中で。もうアドリブなんです、全部。最初に決まってるものとか全然ない感じで、ガチッって録音ボタン押して、♪ジャカジャカジャカ〜って歌ってて、「カッコいいなあ。この曲はこういう曲だなあ」と思って。
- 中居:
- そう。だから、そういうところで影響じゃないですけども、川本さんの自由な感じじゃないですけども。だって、ぜんぜんフリーでその時演奏されてたんでしょ?
- 川本:
- フリー?
- 中居:
- 自由に、というか。それがカッコよく見えたってことは、今そうして曲を作る段階でも詞を作る段階でも自由な感じがやっぱり?
- 川本:
- そうですね。トィヤァーッ!! って感じでしたよ。もうすごい勢いで、作ってる時が。もう部屋に入れないぐらい。
- 中居:
- あ、そう。じゃあ、今後はやっぱりギターですか? まぁ、ギターだけってわけじゃないでしょうけど。
- 川本:
- うーん? ピアノもギターもすごく好きなんで、ピアノとかでもできたらいいなって思ってるんですけど。今ないんですよ、うちにピアノが。
- 中居:
- そんなのだって言えば? 好きだったら。
- 川本:
- 買ってくれないですよ。
- 中居:
- 自分で買った方がいいんじゃないの?
- 川本:
- そうなんですよ。なんとかしようと思って。だから来年は絶対ピアノを買うって。
- 中居:
- でもピアノを買うっていったら、それなりのスペースも必要だもんね。
- 川本:
- あたし貧乏なんで、バイトしなきゃいけないかなって思って。
- 中居:
- バイト? ん? バイトって言ったって今は…。もう音楽活動がけっこうだからねぇ。
- 川本:
- いや、すごい普通です。
- 中居:
- 普通っていいますと? だって、すごく忙しくなってきたでしょう?
- 川本:
- いや、私もイメージとして、こうやってテレビとか出るようになったら「ちょっと芸能人だし、家のお風呂にはライオンがいて、口からお湯が出てる」みたいな、そういう生活だと思ったんですけど、ぜんぜん普通のユニットバスなんですよ。ピアノ買えないですよ。
- 中居:
- まだこれからですよ。
- 川本:
- だから、どうにか買ったら出します。ピアノの曲を。
- 中居:
- じゃあ、買うまではピアノの曲出せないかも知れないですね。
- 川本:
- 買うんです、来年。
- 中居:
- じゃあ、来年まではピアノの曲は出ないんですね?
- 川本:
- そうなんです。来年はちょっと出ないかも知れないです。
- 中居:
- ぜんぜん普通なんだ、生活とか。
- 川本:
- はい。
- 中居:
- でも生活変わったでしょう? シングル2枚出して。
- 川本:
- うーん? 変わってないですねぇ。あ、ただ最近、街中で声をかけられるんですよ、「こんにちは」って。すごい嬉しいです。
- 中居:
- 嬉しい?
- 川本:
- うん。
- 中居:
- そりゃあ、みんな声かけるよ。これだけテレビに出てるんだもん。
- 川本:
- ん? ちょっと前まではなかったんですよ。で、たまに「1曲目、好きです!」って言ってくれたりする人がいて。で、ギターをね、私のを見て「買ったんですよ」とか、「習い始めました」とか言う方がいて、「うわぁ、申し訳ないなぁ」って思って。
- 中居:
- そういう人たちは、川本さん見てカッコいいって思ったんだよ。カッコいいって思って「自分もギターやろう」って。それだけ魅力的だったって思ったんじゃないですかね。
- 川本:
- そういうふうにいってくれる人がいるから、最近ちょっと調子に乗ってますね。
- 中居:
- 調子に乗ってる。調子に乗らないとダメだよ。
- 川本:
- そうですか?
- 中居:
- 俺、メチャクチャ調子に乗ってるぜ、うん。今もうガンガンだよ。もう、ガンガンにいかないと。
- 川本:
- そうかぁー。
- 中居:
- だって、みんなに注目されてるんだよ、いろんな人に。そういう実感ってないでしょ?
- 川本:
- ないです。ただ、「ギター練習しよう」と思って。でもなかなかうまくできないんです。
- 中居:
- 難しいですか?
- 川本:
- 難しいです。
- 中居:
- ピアノとギターってどっちが難しいですか?
- 川本:
- ピアノは昔からやってたんで、難しいっていう考え方がなかったんですけど。ギターって、難しいっていうか、♪ジャン〜ってやって、綺麗に音が出てくれないんですよ、ギターが。ゴン、とかいって。ゴボゴボとか。チャラーンとか鳴らないんですね、まだ。
- 中居:
- それは誰のせい?
- 川本:
- それは私のせいなんですけど。
- 中居:
- ね。ギターのせいじゃないよねぇ。
- 川本:
- だから、すごい綺麗な音で鳴ったら本当にカッコいいのに。
- 中居:
- もっともっと練習を積まなきゃならないでしょうし。なんだろう? ギターの魅力っていうのは。
- 川本:
- うーん? ギターの魅力? わかんないなぁ。
- 中居:
- やっぱカッコいいのかなぁ?
- 川本:
- ギター、ピアノとの違いはそうだなぁ、他の楽器と一緒ですね、カッコいい部分っていうのはやっぱり。
- 中居:
- なんで他の楽器にとらわれずに、ベースとか、ドラムとかとらわれずにギターを持ったのかなぁ? って。
- 川本:
- うーん? あ、わかった。きっと楽器があると私が歌が歌いやすくなるからだ。一人で「今歌って下さい」っていわれたら私、歌えないんです。
- 中居:
- ギターがないと歌えないんだ?
- 川本:
- 例えば、ギターじゃなくても後ろのセットみたいなのがあるだけで歌いたくなりません? そういうふうな一個かなぁって。
- 中居:
- 音楽を歌ううえでの道具っていうか、一部分っていうわけですね?
- 川本:
- そう。私に歌を歌わせたくなる一つのものなんです。
- 中居:
- へぇー。じゃあ、ア・カペラなんかで歌を歌おうっていう気はさらさらないんじゃないですか?
- 川本:
- はい?
- 中居:
- ア・カペラで。
- 川本:
- ア・カペラで? 例えば友達と話してて「歌って」って言われたら恥ずかしくて歌えないですね。
- 中居:
- やっぱそんなもんなんだ。ギター持ってないと落ちつかないっていうか。
- 川本:
- うぅっ! とか思って。ギターじゃなくてもいいんですけど。そこにキーボードが置いてあると歌いたくなる。ギターがあると「よっこらしょ」って。後から光がパアーッとかなってたりしたら、「ちょっとポーズとってみようかなぁ?」とかね。だから、ギターもピアノもテレビとかも、みんな私が歌を歌いたくなるものたちなんです。
- 中居:
- へぇー。すごい必要な物なんですね。
- 川本:
- そうそう。
- 中居:
- それがないと、気持的にもやっぱり。
- 川本:
- 悲しいです。
- 中居:
- やろうっていう気持が。
- 川本:
- うーん? そうだなあ。あ、でもそれは、その人が「どうしても歌って。歌ってほしい」とかって、寝床で死にそうになってたら「あ、歌いたい」って思うんですけど。そういう時はべつに楽器なくてもいいんですけど…。なんか、わけわかんないこと言ってます?
- 中居:
- ううん。面白いよねぇ。面白いよ、すごく。話が面白い。でも、なに聞いてくるかわかんないですよね。で、自分では変わってるっていう意識ないんですよね?
- 川本:
- ないです。
- 中居:
- いいと思いますよ、僕。
- 川本:
- ありがとうございます。
- 中居:
- 多分、今後もシングル出して、そういう時期に評価されたりすると周りの人も「今度はなんだ?」って期待もするし、要求もしてくると思うんですよ。そうするとやっぱり、いろんなものに追われたりするんですよね。そうすると、その自由に作っていくっていう川本さんの感覚を失っちゃうんじゃないかなっていうのが。
- 川本:
- もう、だいぶ慣れました。
- 中居:
- 今までもやっぱり追われたりじゃないですけども。
- 川本:
- 「ダメダメッ!」って言うのでしょ? うん、言われるけど。どうします? そういう時。中居さんは。
- 中居:
- 僕? 僕らは別に追われる事っていうのは。まぁ、なくはないですけども、べつに苦じゃないです。うーん? お仕事として考えて……、うーん? 難しいね。僕ら曲作らないから。締め切りとかないですから。
- 川本:
- 多分、私の中では、それは対決なんです。
- 中居:
- 対決? どういうことだろう?
- 川本:
- 私に「これはこうだ」とか「こういうふうにしろ」とか、「提案」とか「ダメダメ」とか言ってきたりする人は、私に対決を申し込んできてるんで、私もちゃんと受けて立つようにやります。
- 中居:
- ああ。ガーッと例えば、「この日までになんとか曲をあげてほしいんですよ」とか。
- 川本:
- そうしたら、もう前3日ぐらいには………、やれないんですけど。
- 中居:
- やらなきゃいけない状況に追い込まれることってあると思いますよ。
- 川本:
- でも、そういうときって私、反対にパワー出ちゃうタイプなんです。
- 中居:
- あ、切羽詰まった方が、もしかして?
- 川本:
- ちょっと下痢気味だったりするほうが力出るんです。
- 中居:
- いや、下痢気味にはなんないと思うけどね。追い詰められたほうが、そのプレッシャーを原動に?
- 川本:
- 追い詰められるっていうか、対決モードっていうんですか? 音楽とはちょっと関係ないかもしれないんですけどね、じつは。私の作るイメージとか出てくるメロディーとかと、その対決とはぜんぜん関係なくて。それは私の気質として、言われたらそれ以上のことやらないと勝てないとか思って。
- 中居:
- 要求された以上のものを応えるってことかなぁ?
- 川本:
- うん、そう。それは多分、曲とかを作ってる時は完全に忘れちゃってるんですね。そういうのは違うことのほうが多いですね。
- 中居:
- え? 違うこと? 例えば?
- 川本:
- 締め切りと、メロディ作るっていうのは、ぜんぜん違うんですよ。だから、締め切りの話をしてるときは完全にその対決モードなんですけど、いったん曲を作り出すとまったく私、周りの人のこととか見えなくなっちゃうタイプで。もう、どうにか今思ってることがその曲にならないと気が済まないって、自分の中の対決になってるんで。けっこういつの間にか入れ替わっちゃってるんですよね。で、それが、いつなのかわからないんです。そんなに、まだ4年ぐらいしかやってないんで、作曲も作詞も。
- 中居:
- へぇー、そう。面白いですよねぇ、でも。いいですよ。
- 川本:
- ありがとうございます。
- 中居:
- 自分のペースで、多分、音楽が好きで、歌が好きで、好きっていう気持ちだけかもしれないですね。
- 川本:
- うん。あ、そうだ。でも、歌詞とか間違ったらどうしようとか、そういうプレッシャーはあるんですよ。それとか、今も何を喋ろうとかって思ったりとか。
- 中居:
- いや、けっこう喋ってるよ。
- 川本:
- 喋ってますよね。勝手に喋っちゃうんですよ。でも、間違ったらどうしようとかね。
- 中居:
- でも喋ることなんてね、特に間違いもなにもね。「これを喋りなさい」っていう台本があるわけじゃないですから。
- 川本:
- 多分ね、歌も一緒で、喋ってるのと一緒なんじゃないかな。一緒なのが私、好きなんですね。歌詞とかも、あまり作り込まないでいつも友達と喋ってるような言葉がメロディーに入っていけばいいなと思ってて。そのほうが自分も泣いちゃったり出来るんで、そういうもののほうが聴きたいっていうか、自分でも聴きたいと思ってるし、歌いたいんで。で、やってると「間違ったらダメだ」とか「こういう決まりがあるんだから」とか、そういうプレッシャーがあるんですよ。「誰かにこう言われてるから」とか。でもそういうことは、なるべく忘れる。やっぱり。
- 中居:
- 忘れようとしてる?
- 川本:
- なんか、間違ったりしてたほうが、後で聴いて面白いんですよね。
- 中居:
- それに自分が納得したうえで満足したものをやらないと後悔したりしますしね。
- 川本:
- そうですね。それは私まだ。
- 中居:
- 自分の好きなものやった方がいいと思いますよ。
- 川本:
- 後悔とかって、まだ私、完璧なものっていうのがぜんぜんわからないんで、後悔もわからないんです。多分、後悔っていうのは、完璧にやった人が次にやった時に「完璧にできなかった」って後悔するんだろうと思うんですけど、私いつも間違ってるんで。歌詞とかでもなんでも。
- 中居:
- でも完璧っていうのは、周りの判断する完璧じゃなくて、自分が完璧じゃなくても納得できるものだったらね、それが世に出た時にみんなに評価されなくても「でも、これは私が作ったものです。評価されなくてもこれが私です」って自信を持って満足したものを出すんだったら、周りに評価されなくても後悔はしないんじゃないかなって。
- 川本:
- 「あれやっとけばよかったな」っていうのはありますけどね。
- 中居:
- やっぱり、あります? 作ってて。
- 川本:
- あるある、あります。「あぁ、もう、あれ入れとけばよかった」って思うんですけど、たくさんもっと作れるんで。
- 中居:
- そうだよね。
- 川本:
- うん。
- 中居:
- まだまだこれからもどんどん先は長いですしね。
- 川本:
- 次の時にやればいいかなって。
- 中居:
- いいですねえ。じゃあ、あんまり悩まないですね?
- 川本:
- そうですね。
- 中居:
- 本当、煮詰まったりしないっていうのは、いいことですよ。
- 川本:
- もうメチャクチャでも間違ってても、後で思い出して楽しめればというか、笑えればというか、胸が熱くなれば、いいかな。OK!! って。
- 中居:
- へぇー、いいねえ。いいと思いますよ。
- 川本:
- まだ多分、プロじゃないのかもしれませんね。
- 中居:
- そんなことないですよ。プロとアマチュアの境っていうのもわからない音楽界だったりしますからね。えぇ、今後の活動ですけども、「今後はこういうものをやりたい」「こういう音楽をやりたい」例えば音楽だけじゃなくて、バラエティに出たいとか。音楽的にはどうしたいっていうのはありますか? ライヴやりたいとか。
- 川本:
- うん、ライヴやりたいです。
- 中居:
- 一人でのライヴは?
- 川本:
- まだぜんぜん。
- 中居:
- 一人でライヴやりたい? どんなお客さんがくるんでしょうね? わからないですよね? ノリノリの人がくるかもしれないし。
- 川本:
- でも、みんな踊ってる方が楽しいですね。
- 中居:
- うん。そうだね。
- 川本:
- SMAPのライヴとか楽しいんじゃないですか?
- 中居:
- 楽しいですよ。
- 川本:
- ね。みんな踊ってて。
- 中居:
- うん、SMAPのライヴはホント楽しいですよ。
- 川本:
- みんなピョンピョン跳ねてて。ああいうのいいですね。
- 中居:
- そうだねぇ、面白いですよ。
- 川本:
- とりあえずみんな跳ねてないと。
- 中居:
- でも静かなのはねぇ。
- 川本:
- 静かなライヴ? ダメだ! 私、緊張しちゃう。
- 中居:
- 静かなってほら、バラードじゃないけども、弾き語りで静かな曲歌ってる時に跳ねられちゃうと困るんじゃないですか?
- 川本:
- そりゃそうですよね。
- 中居:
- でもトータル的に元気な感じ?
- 川本:
- うん、そう。1枚目のアルバムを来年の春ぐらいには出したいと思ってるんですけど。それができたらライヴもやろうと思ってて、そしたら元気なライヴにしたいです。
- 中居:
- 聴いてる人が、見てる人が元気になるようなのっていいですよね。
- 川本:
- うん、私が元気になれるやつがいいです。
- 中居:
- 私? 私だけ元気でいいの?
- 川本:
- い、いやぁ、みなさんも。
- 中居:
- みんな元気にならないと。それを見て多分、元気になるでしょうし。でも、まず本人が元気になることが。
- 川本:
- そうです。面白いのがいいな。
- 中居:
- 来年の春ですか? それも自分で手懸けるんですか?
- 川本:
- そうですね、うん。春まで……、出来るかなぁ? 全部自分でやろうと思ってるんです。曲と詞と。頑張ります。
- 中居:
- 自由な感じで作るんでしょうね。
- 川本:
- なかなか今、いい感じになってきたんで。
- 中居:
- いい感じですか?
- 川本:
- そうですね。いろいろやりたいことがあるんで、もうゴチャゴチャになってるんですけど。でも、その中の少しでも多く出せたらいいなって思って。
- 中居:
- でも、そのマイペースじゃないですけども、その自由な感じっていうのは忘れないで欲しいなぁ。ずっと持ってて欲しいなぁって思いますよ。今後も自由な感じで元気が出るやつをね。自分が元気にならなきゃダメですよ。でないと周りの人が元気になれませんよ。
- 川本:
- はい。そうですよね。
- 中居:
- カッコいいやつね。そういう活動を楽しみにしてますので。ライヴのほうも呼んでいただければ、もしかして行くかもしれないですし。
- 川本:
- あ、ぜひきて下さい。あ、でも、目立っちゃいますね。
- 中居:
- 大丈夫ですよ。
- 川本:
- 私が歌ってても「中居くん!!」って。「おいおい、こっちだよーっ」って。誰もあたしのほう向いてなかったりして。
- 中居:
- そんなことないですよ。みんな川本さんを見にくるんですからね。今後も頑張っていただきたいと思います。
- 川本:
- じゃあ、ぜひ。
- 中居:
- ね。頑張って。
- 川本:
- 見にきて下さい。
- 中居:
- はい。今週のゲストは川本真琴さんでした。どうもありがとうございました。
- 川本:
- ありがとうございました。