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NON EDIT TALK : 小室哲哉★黒沢健一(L←→R)


小室:
こんばんは。小室哲哉です。えぇとですね、この番組がですね、あの、好感度ランキングの上位にですね、入ってるという噂を聞いてるんですが。僕も知り合いの人から「見てます」とかですね、よく聞いてるんですが、みなさん本当に面白いんでしょうか? 本当に見てる理由を教えてほしいと思いますが。えぇ、今日のゲストの方もですね、見てくれていると。

黒沢:
はい。

小室:
京都ですね。

黒沢:
見てます。

小室:
えぇと、L←→Rの黒沢君。

黒沢:
はい。

小室:
はじめましてです………、じゃないんですよね?

黒沢:
はい、じつは。

小室:
さっき違うんだよね。まあ、一応こうやって、ちゃんと話すのは初めてなのかな?

黒沢:
そうですね。

小室:
でも、じゃあもう、その話から聞いちゃおうかな? なんかこう、つっかえてるものがあるみたいですからね。

黒沢:
僕ね、あの、17ぐらいの時に。

小室:
ちなみに今いくつですか? 

黒沢:
今26なんですけど。 

小室:
9年前ですね?

黒沢:
ええ。とあるコンテストみたいの出たことあって。

小室:
それは何ですか? YAMAHAかなんかですか? 

黒沢:
YAMAHAのね、EAST WESTっていう。                

小室:
EAST WEST。

黒沢:
ええ。                                 

小室:
EAST WESTですね、はい。

黒沢:
その時に小室さんが審査員で来てらっしゃったんですよ。で、あの、まあそん時僕たち演奏して。

小室:
その時L←→Rっていうバンドではなくて?

黒沢:
いや、L←→Rってバンドじゃなくて、アマチュアの。そしたら、すごいあの本当はなんていうのかな? 賞とかがなかったっていうか、本当は僕たち別に落選のバンドだったんですけど、そん時小室さんが「この曲はいい」っていうんで。

小室:
ああ、あの、その、あれじゃないですね? じゃあ、獲った人達じゃなくて、特別審査員賞かなんか分かんないけど、みたいのかな? 敢えて作った時かな? 僕達演奏してました? その時。

黒沢:
いや、えぇと、審査員で小室さんだけ。

小室:
ただ、審査員で来ただけ? なんとなくその、うん、これが曲でなんかっていうの、なんとなく憶えてるかもしれない。そのね、あのだから、その優勝した人とかっていうのだと、憶えてないけどね。

黒沢:
なんか、最優秀作曲賞みたいなのを作ってくれて、それで僕にいただけたんですよ、それで楽屋まで挨拶しに行ったんですけど、その時もう、本当にまあ、高校生のガキで。そしたら小室さんが、すごい「本当にこの曲はいい」って、すごい褒めてくれて、すごい嬉しかったです。

小室:
あ、そうですか。そのシチュエーションは、ぜんぜんちょっと記憶ないんですけどね。

黒沢:
憶えてないでしょうね。

小室:
べつに夢見てたわけじゃないんで、多分ちゃんと聴いて、そういうふうに思ったんだと思うんですけど。多分その、特別になんか曲とかっていうのはね、何回か自分のね、シンセのあれもやってるじゃない? コンテストとかそういうのも。なんで、その時に曲だけのね、特別にこの曲はいいとかいうので、まあ、賞っていうんじゃないんだけどね、なんかそういうふうに話たりとかしたことはよくあるのね。なんで、多分それも絶対あったと思うんですけどね。やっぱり曲にいっちゃうのかな? 関心が、僕なんかは。多分そん時も、さっき聞いたんですけど、レコード、CDかなんかにレコーディングしたの? その曲は。そのまましたわけじゃないの?

黒沢:
ええ、そのまましたわけじゃないですけど。あの、デビューしてからL←→Rとして「Be with you」っていう曲になってですね、世に出ましたけど。世の中に出たんです、一応。

小室:
なるほどね、けっこう責任がありますね、そこでね、ちょっとね。

黒沢:
はい、ええ。

小室:
そうなんだよね、あの、年齢的にやっぱりそう、だから黒沢君たちぐらいとかともう、本当に僕たちデビューした時って、高校生? 中学生、高校生でしょ?

黒沢:
そうですね。高校生でした。

小室:
高校生だね。高1とか2だもんね。こわいね、じゃあ、あの、ビデオとか見てたわけ? プロモーションビデオとかさ、TMのとか。

黒沢:
  ええ、見てました。なんかけっこう、バンドやってる、その時アマチュアで、まあ自分たちの周りにいるバンドの目指すものって、やっぱりその、シンセサイザー系ってなんかTMネットワーク系とか、あとBOOWYとかね、あそこらへんの。

小室:
BOOWYとね、レベッカとか。

黒沢:
そうですね。だから周りでやってたバンドの連中は、みんなあそこらへんをコピーしてたというか。

小室:
俺の印象だと、TMとか少なかった印象があるんだけどね、やっぱシンセが。

黒沢:
やっぱね、高校生でシンセサイザーを買うってのはね、当時すごい大変だったから。

小室:
そう、まあ、まず「金がかかるよ、TMはよ」って言われちゃうんだよね、なんかね、バンド。リハーサルとか練習スタジオとかでもね、あんまりシンセとか置いてなかったでしょ? そんなにね。だからやっぱりコピーしにくいよね、すごくね。今はけっこう、今だったらシンセさか手軽に入るから、音もね、出せるしね、変わったかもしんないけどね。あの頃やっぱりね、圧倒的にやっぱりレベッカやBOOWYの方が多かったと思うね、そのコピーしてた人達とかはね。で、まあ、そういう日本のバンドをコピーする人達と、やっぱり洋楽やってた人もいるでしょ?

黒沢:
ええ。

小室:
黒沢君なんかは、どっちかっていうと洋楽なんじゃないの? 

黒沢:
僕はそうですね。最初からもう洋楽のカバーというか。

小室:
カバーとか。元からなんかみんな曲を作る人がゲストに来てくれるから、曲の話になっちゃうんだけど。あの、やっぱギターこう抱えて、歌を同時に歌う感じ? 作る時っていうのは。

黒沢:
そうですね。まあ、鼻唄から始まって、それをこうギターでコードに直してくみたいな。

小室:
コードに直してく感じなんだ。大体、俺は鍵盤じゃない? だから鍵盤から作る人っていうのはあの、鍵盤だけでも曲になっちゃうっていうとこあって。だからギターの人っていってもあの、よっぽどジャズギタリストとかじゃない限りは、やっぱギターだけだとさ、リフかコードだけになっちゃうでしょ。で、必ずやっぱり歌がないと、一つそこで完成っていうかなんか、とりあえず一つの一段階こないじゃない。歌わないとね。で、やっぱり必然的にギターで作る人っていうのは、俺なんかの考えだと、歌がこう、やっぱりウマくなるっていうか、しっかり歌うようなことになってくのかなと思ってて。まあ、ピアノだけでこう、コード弾く人とかも、自然とやっぱ歌わないと曲にならないからね。

黒沢:
ええ。小室さん作る時は、大体、鍵盤上でみんなメロディーを構築してくんですか? 

小室:
うーんとね、僕はそれこそ、黒沢君の歳ぐらいまではそうしてたんだけど、やっぱりだんだんあの、歌、歌う人のことを、やっぱり少しは気を使うようになってきて。それまではやっぱ、気を使わなかったから、それこそブレスとかそういうのも、ほとんど無視しちゃってて。鍵盤だともう、ずっとこうね、弾いちゃうから。あと高さとかも、うん「そんな鍵盤みたいにはいかないよ」みたいな感じでしょ?だからそういうのをだんだん気にしだしてたのが、そのぐらいからなのね。26〜7ぐらいから、あの、気を使いだして。それからは自分であの、歌うようにして作るようになって。で、オケを全部作るよね、それから自分で最後にあの、もう本当カラオケ状態。その頃は車の中で、カラオケをカセットにスタジオで落としてもらって、で、入れて、で、でっかい声で。

黒沢:
歌いながら?

小室:
歌いながら帰って。

黒沢:
で、メロディをこう書いてって? じゃあ、最初は鍵盤上のあれだったのが、だんだん声の?

小室:
声になって歌ってみないと分からないって感じになってきて、そういうふうにしてね、もう10年ぐらい。もうだから、いたるところのレコード会社のディレクターの人とかは、俺が歌ってるデモ・テープを、みんなまあ、捨てないでいてくれれば、もうすごいたくさんの人が持ってると思うね。うん、自分でだから、あの、ほとんどアイドルとか女の人が多かったでしょ? 作るとか、他の人に。そういうのも自分で歌って、で、いちいち自分のキーでまず作って、自分のキーで歌って渡してから、今度その女の人の、シンガーの人のキーにもう一回作り直して渡したりとかしてても、自分で歌ったりとかして。

黒沢:
大体やっぱり1オクターヴ半とかなんかあるでしょ? その声質の。

小室:
うん、あるね。

黒沢:
やっぱ、その中で作ってくわけですか? 最初。

小室:
そう、アイドルの人はね「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラまででお願いします」とかいう人もいたよな。「ドからラでまででお願いします」。

黒沢:
そういう場合どうするんですか? 

小室:
「カエルの歌」ぐらいですよね、そんなの、ほとんど。いや、やるよ。

黒沢:
え? ドからラまでの間で? 

小室:
うん。「シはちょっと無理です」って。だからもう、そういう時は例えば、♪ソ、ラ、ソ、ラ、ソ、ラ〜とかずっとあっても、下のコードがこう、どんどん変わってったり、サビで転調したりとか、そういうことをしたりしてやったりとかもするし。まあ、いろいろなことはやってきてるけどね、そこらへんはね。いや、でもあの、もうとにかくここ10年は、やっぱ歌の人、歌う人をメインに考えて、ずっと作ってはきてるんだけどね。詞は自分で?

黒沢:
ええ、詞はもう、ええ。まあ、バンドのメンバーも書くんですけど、まあ、自分でもかなり書いてますね。

小室:
そうか、じゃあ、詞もけっこう同時なのかな?

黒沢:
やっぱ20曲ぐらい作ってて、僕やっぱりあの、もともと音が洋楽入ってるから、英語なんですよ、リズムが。あの、まあその、英語を理解してるかどうかっていうのはまた別として、メロディのリズムが英語で出来てきちゃうんで。それを日本語に置き換えるのがすごい辛いというか。で、後で書いてて、ノリはいいんだけど意味が通じないことが多かったりとかして。20曲中1曲ぐらい、最初のアタマのメロディいから、もう歌詞も日本語でバッと出る時もあるんですよね。で、それがね、出来た時がすごい気持ちよくて。

小室:
そうだね、うん。あ、その気持ちは俺も、最近分かるようになったね。詞はもう本当、ここ2〜3年なんでね、メインで書きだしたのはね。やっぱり歌ってる曲がメロディかでる時から、なんとなく詞が出来る時はこう、もう浮かんでんじゃないの? 言葉がね、なんとなくね。

黒沢:
ええ。

小室:
そこらへんは、あんま変わらないと思うね、僕たちも。

黒沢:
詞っていうのは、どういうふうに捉えてます? 小室さんの場合。 

小室:
詞はね、詞はあの、一億総評論家ですからね、日本人だったらやっぱり。みんな一発で分かっちゃうから。なんかすごく難しいよね、そこらへんが。あの、もっとなんかまあ、気を使わないで自分の言いたいことだけ、書きたいことだけを書くっていうスタンスだったら、気は楽かもしれないんだけど。やっぱいろんな状況の人がいるから、立場だったり、もうそれこそ男の人女の人も含めてなんで。で、今きっとすごい、やっぱりヒットしてると思うんだけど、やっぱり自分が見たことない人数でしょ? 目の前で見れる人数じゃないじゃない? 

黒沢:
そうですね。

小室:
東京ドームで5万人だからね。そうすっともう、分かんない人がたくさんいるわけだよね? その人達に向ける時に、どうしてもその人達の全ての共通項みたいなのを、どっかにこう、置いとかないと、やっぱり自分の中で「誰か傷つけちゃうんじゃないか?」とか「誰かなんか、すごい嫌な気分にさせちゃうんじゃないか?」とか思っちゃうんだよね。その自分のことだけで好きなこと書いちゃうと。

黒沢:
メロディよりダイレクトですからね。

小室:
そうなんだよね。だから、まあ、こんなに気、使わなくていいのかな? とも思うんだけど、やっぱすごい使っちゃうから、どうしてもみんなが思えるようなことに、こうなんていうかな? 広い意味みたいになってきちゃうんだよね。と言ってもだから、いつもラブソングばっか書いてるわけにもいかないし、でもいろんなところから、ま、素材は捜しちゃあくるけどね。ま、幸い僕は、まだそんなにたくさん詞、書いてないから、まだちょっと、そういえば高校の時のこととか、そういうのまあ思い出しつつ書けたりも出来るからね、まだ大丈夫だけど。やっぱ一番怖いのは、そこだね。あの、なんか「こういう言葉を発しちゃったために、なんか、スゲェ気分悪い奴いるんじゃないか?」とか思っちゃったらもう書けなくなっちゃうね。

黒沢:
僕は大衆ってまだね、そういうふうなのがないんですよ。あの、まず実感として、そんなに多くの人に聴いてもらってるって実感も、まだ自分にないから。あの、まず、出す前にもう小室さんとかの場合は、その人数が大体仮定できるじゃないですか。まあ、仮定できるっていうか。

小室:
そうだね、あの、もう、課せられちゃうからね。仕事としたらなんか、この、大体こなに感じでっていうのがね、あるから。考えなきゃいけない時もあるよね。でも、一番いいんじゃないの? あの、そのね、黒沢君とかL←→Rとして、自然に思ったものなのに、それだけある程度大きな数の人がいいと思ってくれたら、もうそれ、ある種どっかで公認になるわけだから。「L←→Rの言ってることは、こういうことだ。こういうこと話してんだよ」ってことで、ある種、認めちゃってるとこあると思うからね。道筋としてはすごく、今後はけっこう楽なとこあるんじゃないのかな? そのへんは。

黒沢:
そうだといいんですけどね。

小室:
いきなり全く違うお話とかになってきちゃうと分かんないけど、その詞の内容とかもね。シングルとかとアルバムとかと、ぜんぜん違うとかいうとことはないんでしょ? その、なんかこうテーマ的に。

黒沢:
そうですね。でもシングルの場合は、その曲の中で例えばなんか、なんていうのかな? ダイレクトに伝われるような言葉を、わざと選んで入れてったりとかするんですけど。アルバムの場合はA面の一曲目からずっと聴いてって、全部トータルで見える世界、それは漠然としててもいいんだけれども。結局このアルバムで何がいいたいのか? みたいなとこにこう、焦点を当てて詞を書いちゃったりする時がありますけどね。

小室:
ああ、じゃあシングルは、やっぱりそう伝わることは、けっこうちゃんと伝えようっていう感じの言葉を、敢えて使うんですか?

黒沢:
そうですね。

小室:
そうか。あれなんですかね? やっぱラブソングなんですかね? L←→Rの場合は。

黒沢:
どうなんでしょうね?

小室:
難しいよね。そのなんか、敢えてヒットさせようとおもって作ってる、っていう感じでもないでしょ? 自然に「いい曲だな」と思って出てくるものでしょ? 

黒沢:
そうですね。だからよく歌詞が分かりにくいっていうね、あの、すごい多いんですけど。やっぱそれ、自分のその、どうしてもメロディに僕、行っちゃう方なんで、あの、一時期やっぱりその「歌詞なんてどうでもいいんじゃないか?」とか思った時期ってすごいあって、メロディさえよければ。

小室:
メロディよくってこう、気持ちよくいけば。

黒沢:
そう。で、あとやっぱ洋楽が自分もその、子供の頃とか、まあ、ここ最近でもそうなんだけど、英語がダイレクトに分かるわけじゃないのに、これだけ音楽が好きで洋楽が好きで。だから、きっと僕と同じようなサウンド派っていうか、そういう音で気持ちよくて入ってくる人も、たくさんいるだろうなと思ってたから。

小室:
そうだよね。僕もそうだね。

黒沢:
あまりその、歌詞の内容とかよりまあ、サウンドのノリで決めてくワーディングなんかの方が、ぜんぜん自分には合ってた気はしたんですけどね。

小室:
そうだよね。今のそのぐらいの世代の人でも、やっぱり英語いくらなんでもダイレクトに入ってこないよね、それは。あの、例えば「JUMP」とかさ、あれぐらいだったらジャンプってとこ分かるけど、とか。それこそ、あの、ね、今の「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」とか、っていうのも分かるじゃない? ああいうのダイレクトっていうんだと思うけどね、英語でも。その意味がシンプルに伝わってくるけどね。でも中身までは分かんないよね、やっぱりね。

黒沢:
ただ「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」もね、アタマが♪I'm knocking on your door〜っていうので始まるんですけど、なんか「ニョキニョキドア」って聞こえるとかですね、なんかみんな無理やり日本語風に解釈しようとする。

小室:
日本語ね。

黒沢:
「姉貴の女房」って聞こえるとか、いろいろね。

小室:
ちょっと無理がありますけどね、それはね。

黒沢:
なんかそういう葉書が多くて。

小室:
ああ、ありますよ、でもそれは。あの、「Boy meets girl」、trfのも。あれも「森光子」に聞こえるっていうね、よく言われましたしね。

黒沢:
森……? 森光子? 

小室:
♪もりみつこ〜って聞こえると。まあ、あり得ないじゃない、そんなの。

黒沢:
ええ。そんなの歌詞作んない。 

小室:
誰が、なんで女優さんの名前を、そこで言わなきゃいけないの? とかあるんで、そんなことはないんですけどね。「Boy meets girl」だよ。

黒沢:
それが森………?

小室:
もう、どう考えたって、英語っつったってさ、日本語じゃない? もうほとんどね。だからそういうことはあるからね、日本は。それぐらいだったらまだいいかもしんないけどね。僕なんかよりは、やっぱりそのぐらいの英語だったら、意味はなんか分かるけどね。まあ、ちょっと全体の詞は分かんないだけど、要するにyourっていうのは君の、彼女の女の子のことを言ってるんでしょ? それは。

黒沢:
あ、I'm knocking on your doorの?

小室:
のyourの方の、そうだよね? ま、doorっつっても、本当のドアじゃないよね。

黒沢:
ええ、そうですね。

小室:
だからやっぱりその、心の扉みたいなニュアンスでとれるじゃない。なんとなくだけどね。そのぐらいは、今の日本人の若い子の語学力だったらね、絶対シンプルに、ストレートに入ってくると思うから、そういうのとかは僕たちの世代ぐらいからもう、なんとなくだけどね。もう、当たり前に行われてることだし、いいと思うのね。で、あのね、一回僕なんかも、まあ、このあいだ出てくれたんだけど、B'zの稲葉がいて、彼の詞がね、四字熟語とかが多かったわけ、最初の頃。なんか四字熟語っていうのかな? こう、漢字の訓読みじゃない漢字。音読みでドカッとはいってきちゃうような言葉がけっこうあって、で、けっこう自分とか聴いてて、「おお、すげぇな、こいつ」とか思って。

黒沢:
それはメロディにもすごいハマって? 

小室:
メロディにもハマってたんだよね。そう、で、あ、例えばだから「太陽の小町エンジェル」とか知らない? 

黒沢:
ええ、ええ、はい。知ってますす。

小室:
だから小町とかさ、普通それまではね、ないなと思って。これなんか、コマーシャルでね、これを言わなきゃいけないのかなとか思ってたんだけど、ぜんぜん関係なかったのね。

黒沢:
あ、関係ない形でそれが。

小室:
もう、彼がその、使いたかったから使ってたとかなんだけど。で、そういうんである種、言葉、日本語のそういう遊びとかっていうのも、だんだん彼ぐらいのから、まあラップで今はもう、ラップとかもあるわけだから。うん、そういうので、日本語の遊び方も、みんなウマくなってきてると思うけどね。だからその、英語のなんとなく自然に入るのと、日本語のその、遊び心で作れるのっていうのは、まあ僕なんかもこの二つは、けっこう大事な要素ですね、詞の部分ではね。まあ、悩みますけどね。大変ですよ。一週間ぐらいかかるのもあるかな?  僕なんかも。

黒沢:
最初メロディが出来てから一週間?

小室:
メロディ出来て、もうオケも完パケで、そんでもう、全部あとはもう詞だけって感じで。

黒沢:
僕、前の曲の「Hellow It's me」っていうの、20日ぐらいかかって。その間もうずっと。

小室:
「Hellow It's me」って言葉が出るのが20日ぐらいかかった?

黒沢:
いや、それは最初に出てたんですけど。もう、その後の言葉のノリが気にいらないとかなんか、それで。

小室:
あの、あの曲はなに? なんか映画の曲だっけ? 

黒沢:
ええ、映画の。

小室:
よくけっこう耳にしましたよ。「ああ、またこういう人達が」って。で、僕、ちょっとぜんぜん流れが知らないんで、分かんないんですけど、やっぱり去年なんかやっぱりMr.Childrenっていうのがゴーッときて、で、なにげなく単純に「ああ、そういう人達がまだくるな」って感じで、きっとみんなもそういうふうなね、僕なんかね、知らない人達はね、思ったりすんのかもしんないんだけど。「ああ、ギターサウンドで、ちゃんと曲が、メロディがね、しっかりしてる人が出てきたんだな」っていう感じでは思ってたのね。じつは長いんですね、そんなポッと出じゃないんですね、そんなにね。

黒沢:
そうですね。4年目ぐらい、ええ。

小室:
4年はもうしっかり、かなりやってるよね。

黒沢:
そうですね、なんか知らないうちになんか、デビューして4年ぐらい経っちゃって。

小室:
そうか。TMで考えても4年経ってたらもう、ずいぶんだもんな。もう「Get Wild」とかは知ってます?

黒沢:
ええ、ええ。

小室:
とか、そんなのはもう、3年かそんなもんだからね。ぜんぜんポッと出じゃないですね。もう、今年5年目ですか? もう。

黒沢:
いや、今年が4年目ですね、ええ。

小室:
3年経ったって感じですね。

黒沢:
そうですね、ええ。

小室:
じゃあ、ちょうどいい時ですね、なかなか。

黒沢:
そうなんですかね? 

小室:
うん。バンドとしてはいい時期じゃないかな? と思うけど。

黒沢:
でもTMネットワークって10年間続いて、その間のターニング・ポイントってまあ、あの、違う編成かもしれないけど3人組の、僕たちも3人組なんですけど。

小室:
あ、そうだね、3人組だね。ああ、3人組じゃないですか。

黒沢:
そういうバランス・コントロールとかっていうのは、どうだったんですか? バンド内で。

小室:
もう、案外もう、その場その場で。世間の雰囲気とか、世の中の動きとかで「なんか、もしかしたら俺たちって、もう飽きられてるんじゃないの?」とかね、そういうの思ったりしたことあるけど。よく「TMはなんか10年間で、キッチリいつは休んでとか、全部計画的に出来てる」とかっていう話もあるんだけど、そんなことはなくて、まあ、けっこう行きあたりばったりのとこもあるし。まあ、少なくてもでも、3年とか4年ていう時はまだ、ぜんぜんこう、まだまだイケイケの感じじゃないかな? と思うんだけどね。あの、なんていうのかな? 3人組っていう自体が、やっぱ男の3人組っていることはいるけど、その時代その時代でその、そこのポジション、ポストがあるような、ずっとそういう話をね、TMネットワークを作る時にしてたのね。あの、僕たちデビューする時ってYMOが解散したまあ、次の年で。YMO3人組だったじゃない。で、ちょうどアルフィーがもう、アルフィーの先輩の方達がですね、こうバアーッと出てきた時だったのね。で「ああ、きっとYMOの後の3人組はアルフィーなんだな」とか思ってて「じゃあアルフィーの後はウチになりたいね」なんて話はしてたの。だからこの3人組、なんていうの? 3人組、なんていったらいいんでしょうね? 

黒沢:
3人組なになに説みたいな。

小室:
そう。そうなんだよね。3人組ポストっていうのが必ずあって、どの時代にも絶対、男の3人組は、ある種存在するみたいなね。そういう気がしてたの。もう古いのは知らないと思いますけど、その、アリスとかは知ってるよね?

黒沢:
はいはい、知ってます。

小室:
かぐや姫とか。

黒沢:
ええ。

小室:
あの、ガロとかですね。

黒沢:
ええ、ええ。

小室:
どんどん古くなるんですけど。もっといろんなフォーク・クルセイダースとかね、なんか更に古くなっちゃいますけど、まあ、あるいろんな時期でやっぱいたと思うからね。今とりあえず、3人組で一番頑張ってんじゃないですか? 

黒沢:
ちょっとこれ、その座を狙おうかな? と。今、話、聞いて。それは確かにでも3人組っていうのは。

小室:
あるよね、うん。女の子の3人組っていうのもあるし。二人組み、デュエットとかもあるし、デュオもあるし、とかって。なんか不思議なんだけど、音楽のそういう組み合わせのなんか、なんか揃ってないと変って感じするんだよね。

黒沢:
もともとっていうのは、やっぱTMネットワークって友達同士みたいな感じだったの? 

小室:
もう、友達だね。

黒沢:
それで音楽を始めて?

小室:
僕以外の二人は、まあ、黒沢君なんかは兄弟だから、付き合いっていったら何年になる? 

黒沢:
そうですね、ずっと付き合ってるから。

小室:
生きてれば20何年間付き合いがあるでしょ?

黒沢:
ええ。

小室:
あの、木根と宇都っていうのは小学校から一緒だったから、やっぱもう、今で30年間ぐらい一緒だし、僕なんかでさえ、二人ともう18年とか20年近く友達だから。まあ、そういう感じから始まってるんだけどね。

黒沢:
バンドやり始めてから関係性が変わってったとか、そういうのとかは?

小室:
うーん、あんまり僕たちの場合はないかな? 

黒沢:
L←→Rもあんまないんですよ。もともと友達の関係なんで。

小室:
その、素朴に、この兄弟二人と一人っていうのは、どういう感じだろうね? ラップの誰かいたよね? 

黒沢:
あ、スチャダラ・パー。

小室:
スチャダラさんもそう、兄弟か。

黒沢:
ええ。

小室:
ま、一人どうなんでしょうね? 

黒沢:
あ、反対にずっと長くいると、兄弟っぽくなくなるんですよね。

小室:
あ、兄弟っぽくなくなるんだ。

黒沢:
他人みたいな感じになってきちゃって。だからまあ、ベースの一人兄弟以外の、木下君っていうのがいるんだけど、彼なんかは、すごいやりやすいとは言ってくれてるんですけどね。

小室:
やりやすいかもしれない。あの、もっとただ単に、ウチみたいな3人だけより、もっとやりやすいかもしんないね、それはね。、まあ、あの、そういう意味ではそうだね、いや今思ったけど、3人組っていうは、けっこうこだわってた、僕は。いろんな意味では。3人だと音楽的にも「こういうことがいいんだ」とか「ああいうことが出来るよ」とかね、やたら3人組優位説みたいな。

黒沢:
3人組優位説。

小室:
話してたかもしんないね。

黒沢:
なんかね、僕も前からすごい好きなのが、3ピースのバンド。まあ、バンドもんだったら3ピースだったり。なんかそういうのに憧れてる部分てすごいあって。やっぱりまあ「TMネットワークにドラムを入れよう」とか、そういうことっていうのは、ぜんぜん考えなかったですか? 

小室:
考えなかったね。

黒沢:
最初っからシンセサイザーのああいう? まあ、初期の頃は。

小室:
ツアーやれば、その時はサポートでいてもらえばいいな、っていう感じだったしね、ギターも。もうだから、バンド3人っつっても、ツアー中はほとんどね、5人組だったり、6人組だったりしてたようなもんだから。あんまり気にしなかったけど。ああ、そう。3人でなんとか音は作れちゃうようになってんの? 一応3人で。ギター、ベース、ドラム?

黒沢:
ええ、いや、ドラムじゃなくてギター、まあ僕もギターやるんで、一応ヴォーカリスト、ギター、ベース。

小室:
そうかそうか。じゃあ、やっぱりドラムの人とかは入れるんだね? 

黒沢:
そうですね、ライヴをやる時は入れますけど。ただやっぱ、なんかその、音楽的な可能性、ま、ドラム打ち込みになるかもしれないし、なんかそういうので縛られたくないなっていう気持ちが。例えば使ってる楽器がその、シンセサイザーとかじゃなくて、あ、まあ、アコースティックなものであったとしても、なにかその、音楽形態? どうにでも変われるみたいな、そういうのちょっと残したいなっていうのがすごいあったんで、敢えてドラムレスの形でやっているんですけど。

小室:
うん、それは全く一緒ですね。うん、僕も本当に、特にまあ、自分がキーボードっていうのもあるけどね。可能性が縛られちゃうっていうのはあるから、それは今は多いんじゃない? だからユニットとかっていうのも多いしね、そのへんはね。なんかでも、ぜんぜん関係ないけど、リッケンバッカーかなんか持ってたっけ?

黒沢:
ええ、リッケンバッカー。

小室:
似合うよね。

黒沢:
そうですか? ありがとうございます。

小室:
ああいう感じが好きなんだ? 

黒沢:
そうですね。高校の。

小室:
どうしてもやっぱり、リバプールサウンドとかね、そういう感じのモッズとかそういう感じの、イギリスのそういうのは思っちゃうんだけどね。

黒沢:
だから自分でやっぱ最初THE JAMっていうグループがイギリスにあって。

小室:
はいはい、ありますね。

黒沢:
それを見た時「これはパクろう」みたいな、10代後半ぐらいの時思って。いまだにだから、ああいうスタイルが好きですね。なんか格好はキチンとしてるんだけど、なんかどっか暴力的な感じがすごいするっていうか、ああいうところが。なんかJAMとかカッコいいなとか思ってて。

小室:
ポリスとかはどうなんですか? 

黒沢:
あ、ポリスも大好きでした。ただ、なんていうのかな? JAMよりなんかその、インテリな感じが。

小室:
ああ、そのまあ、暴力的なとこあっても、なんか考えた暴力的だったよね。

黒沢:
そうですね。あのギターの人なんかも、キャリア、ポリス組むまで。

小室:
アンディ・サマーズ。

黒沢:
アンディ・サマーズ。すごい好きなギタリストなんですけど、もうじつは15年ぐらいやってたとか。なんかそういうね、ポリスも大好きだったけども、まあ、その若い時の、高校生ぐらいの時の熱き血を系にいったのは「やっぱJAMのがカッコいい」みたいな。

小室:
JAMのがね、へぇー、そうか。やっぱり、あ、でもまだ10歳ぐらい違うのかな? 僕と。多分10違うと思うんですけど、まだでも一応、話がこう、共通項がまだあるね。それはね、洋楽っていうのがあるから助かるかもしれないけど、これ、日本だけの聞いてる人だと、なんか自分の結局、昔話してるような感じ、自分の活動のね、になっちゃうからね、話が止まっちゃうんだけど。その洋楽の話ができると、一応、共通項っていうのは、なんか出てくるね、少しはね。

黒沢:
小室さんはどちらかっていうと、やっぱ最初に聴いてたのはもう、完全にまあ、エレクトリック・フォークっていうか。

小室:
うーん、まあ、僕は雑食だから、もう。

黒沢:
何でも? 

小室:
何でも聴いてたし、何でもとりあえずハマっちゃってたから。そういうのも、その頃までまあ、一応音楽ファンとしても聴いてたしね、すごく。

黒沢:
TMが出てきた時って、あの「オーケストラ・イン・ザ・ダーク」とか、あとシンセサイザーユニットで、だからすごい昔、やっぱシンセサイザーが出始めの頃、テクノだったじゃないですか? それがエレクトリック・フォーク・ミュージックに変わってって、イギリスにもすごい、たくさんそういうバンドが出てきて、それで日本でもTMネットワークっていうグループが出てきてっていうのは、すごいあの。

小室:
そうだね。まあ、今から考えると恥ずかしいんだけど、あの頃はやっぱりデュラン・デュランとかねカルチャークラブとかカジャ・グー・グーとかですね、なんかそういうスパンダー・バレエとか、あの、ああいうニュー・ロマンティックと呼ばれるようなジャンルみたいなのね、あったから。格好はモロ真似してたね、僕たちは。

黒沢:
僕も、あの頃のシングル盤これぐらい。中学・高校時代。

小室:
「デュラン・デュランがKANSAI、着てるよ」とかいうと、KANSAI。もう、とにかく高いんだけど買って。髪の毛も僕なんか三つ編みしてたんだけど、最初の頃。あの、ドレッドじゃなくてね。それももう、カルチャークラブとかカジャ・グー・グーとかの真似してたりね。いや、あの頃のあのファッショナブルな感じがなかったらやっぱり、TMとかも最初の頃しなかったと思うし。うん、やっぱイギリスのものは、少なくとも格好とかはやっぱり圧倒的にイギリス側、影響受けてるのはね。

黒沢:
それまでね、なんかけっこうアメリカン。僕もどっちかっていうと、けっこう形から入る方なんで、イギリスのグループとかもね。

小室:
そうですよ。バンドはね、でもやっぱ、まず形からですよ。

黒沢:
アメリカのバンドの、Gパン、長髪みたいなとこって、なんかあの。

小室:
そうだよね、難しいよね。もうなんか、体力でもう、その時点で負けって感じだもんね。かなわないって感じだから、やっぱり正解なんじゃないのかな? と思うよ、その、ブリティッシュ系をコピーするっていうのはね。それは思うね。俺なんかも、アメリカの方は好きでも、やっぱ真似できなかったもんね。なんか体格からなにから。もうこんな華奢な方だからさ、どっちかっていうと。もう、そういうのしかできなかったと思うね。

黒沢:
アメリカのバンドで、スネア、バァーンっつった時のパワーってもう、これPAなくても後ろまで聞こえるんじゃないか? っていうぐらい音でかい人とかいますもんね。

小室:
そうだね。いや、あの、僕もいくつかその近くで見てたりはするけど、あの飯の食い方とかとっても。あの、僕もハンバーガーとか好きですけど、ハンパじゃないですよ、数が、食べるね。

黒沢:
例えばどのミュージシャンがどれぐらい食ってたとか? 

小室:
あの例えばだって、あの、デュラン・デュランとか、もうイギリスのなんかこう、スリムな感じの、お洒落な感じじゃない? で、ニック・ローズとかもこう、ピシッとしてても。僕ちょっと何回か一緒にやったことあるんだけど、あの、みんなとかもこう、すごいよねやっぱ、食い方が。ステーキとかもやっぱハンパじゃないし、イギリスの人でこうなるんだとか思ったしね。あと、ブラッド・ギルスっていうギタリスト、アメリカのギタリストを呼んだ時とかも、まあ、ハード・ロックの人なんだけど、やっぱりハンバーガーとか昼飯で四つ五つ食べちゃうんだよね。

黒沢:
昼飯で? 

小室:
昼、昼っていうか、そのスタジオにこう、買ってきたものとかね。

黒沢:
ええ、ええ。

小室:
まあ、僕なんか本っ当食わないから、もうマックの一番安い130円の、あれ一個でおなか一杯になっちゃうようなヤツで。で、あの、その時やっぱその、信じられなかったね。やっぱそういう部分でもう、まあ、出来ないものは出来ないと。真似できるものは本当、ちょっとしか出来ないなとか思ったし。

黒沢:
ハンバーガー五つ食えたから同じ音が出せるかどうかっていうのもまたね、違いますからね。

小室:
多分、病気になるだけだね。

黒沢:
胃、壊すとか。

小室:
そうですね。やっぱりその、合ったもの、合った環境でやらないと無理だと思うし。だからあんまり無理はしないという感じで。ツアーなんかも僕なんかは、あんまり合わなかったから。

黒沢:
ツアーが合わなかったっていうと? 

小室:
うん、TMとかでも、最高70本ぐらいやりましたけどね。

黒沢:
ええ。

小室:
70本中、3回ぐらい入院してますね、倒れて、過労で。

黒沢:
俺もその手、いいかもしんないな。

小室:
いや、歌は迷惑するよ、スタッフがね。

黒沢:
ああ。

小室:
歌の人はやっぱりほら、僕なんかはキーボードだからね。40度あっても、やらされたりするけど。やらされたりしたけど。あの「もう、立ってるだけでいいです」とか言われて。中止になっちゃうと大変だからって。で、もう、救急車が楽屋に待ってて、それでもう、終わったとたん病院いったりしたこともあったけど。歌の人は大変だよね、声出なくなっちゃうもんね、やっぱりね。

黒沢:
そうですね。

小室:
ツアーとかはやるんですか? やってるんだよね? もちろん。3年4年だったら。

黒沢:
ええ、それはやってますけど、まだそんなね、大きい本数のは。今までで最高、学園祭とかも入れて15〜6本とかなんかそんな感じなんで、まだ70本とかね、100本とかはちょっと。

小室:
100本はハウンドドッグぐらいだと思う。

黒沢:
ちょっと自信ないなって感じありますよね。

小室:
まあ、とりあえずは20本弱ぐらいからですかね? ま、でも、まだまだやれることたくさんありますね、4年目だったらね。いや、あの、なんとなく自分の経験で話せることもけっこうある、まだタイミングだから、その、4年ぐらいだと。だからその、なんとなく自分でも話してても、思い出しつつ話せるようなこともたくさんありますけどね。うん、あ、わかりました、一応じゃあ、なんかそうだな? まとめなきゃいけないんですけどね、一応。

黒沢:
はい。

小室:
もう、ひたすらこうやって、淡々と進んでく番組ですからね。

黒沢:
いいんですか? 僕あんまり喋りが。トーク番組ってね、あまりやったことないんです。

小室:
「HEY! HEY! HEY! 」出たよね?

黒沢:
ええ、「HEY! HEY! HEY! 」でたんです。

小室:
どうですか? 

黒沢:
あ、面白い。あのね、ダウン・タウンとかもう、大ファンなんですよ。

小室:
うんうん、みんな大ファンですよね。

黒沢:
ミュージシャンの人とかすごいファンが多いみたいですよね、なんか。とりあえず最初に出る時、会えるっていうのが嬉しくて、なにを喋ろうかと思って。

小室:
あ、そうかそうか。4歳5歳下だもんね、歳も下だしね。でも僕たちとやっぱり違うんだろうな? 彼らに対してもね。

黒沢:
いまだにでもまだ、こうやって小室さんと話してても、こうやってトーク番組、だからいつも小室さんとか、テレビとかで見るじゃないですか? だからこう、顔の脇に画面が見えるんですよ。

小室:
あ、見えるんですか? 

黒沢:
だから他の、その、方とかだったらトーク番組みたいだけども、いつもテレビで見てる人が目の前にいるから、テレビの枠の中でこう喋ってるみたいで。

小室:
テレビの人なんだね。

黒沢:
だから、つい聞いちゃうんですよね、自分に質問されてるんだけど。「ああ、そうか。これって俺に対する質問?」みたいな感じで、まだぼーっとしてて。

小室:
そうか、あの、僕たちはそういうのはね、あんまないんですけど、もうだから、僕たちが見てた頃の人達っていうのは、もう、そういう活動、同じところで活動してないからね。もしかしたらホテルとかの、ディナーショウとかやっちゃってる人とかになっちゃっうからね。

黒沢:
ああ、なるほどね。

小室:
ちょっと違うかもしんないね。まあ、なんせですね、あの、そう、黒沢君とかいろいろ実感がないとは思いますけどね、あのH・Jungleをですね、8週連続一位を止めたのがL←→Rというんでね、ここらへんスタッフみんな、それが一応みんな引っ掛かってるんですよ、どっかに。

黒沢:
あ、そうですか。

小室:
まあ、7週、おかげ様で一位だったんですよね。で、来週8週連続一位になるかな? っていうとこだったんだよね。「誰だよ?」みたいな。

黒沢:
すいません。

小室:
まあ確かに「L←→R?」ってこう、ちょっと声が高いとこでね、言ったかもしれないね、俺ね。

黒沢:
「L←→R?」みたいな、「なんだそりゃ?」みたいな。

小室:
ちょっとキーは高かったかもしれないね。「ああ、L←→Rね」っていう、低いんじゃなく。と、いう気もしたけど、あ、でも、そういうもんですねって感じね。

黒沢:
いや、でもね、ぜんぜんね、予想だにしてなくて。一位なんて、とてもじゃないけど。

小室:
初登場? それ。初登場で一位だよね。

黒沢:
もう、一位獲る人ってのはその、自分達の中では、テレビの人とかなんか、そういうなんかくだらない。

小室:
額縁がある人ね。

黒沢:
そう、額縁がある人達っていうのは、だから、一位から五位までの間っていうのは、独占してるもんで、まあ、自分達はもともと友達で始めたバンドだから、まあ、僕らみたいなね、バンドはまあ、せいぜいトップ10の中で「Helloew it's me」よりは、ちょっと上いけばいいかな、みたいな。で、誰もチャートのことなんか言ってなかったし、発売日あとでも「何位ぐらいなるかねぇ?」なんて話もぜんぜんしなかったんですよ。そしたら一位だっていうから驚いちゃって。

小室:
驚くよね。その驚く感じはね、分かるんですよ。まあ、あの、あんまり言ってないんですけど、僕ね、TM中にソロをやっててね、で、シングル出して、えぇとね、一位になったんですよ、それが。で、その時、松田聖子さんがですね、やっぱり発売日一緒で、20曲ぐらいかな? 連続一位を獲ってたというのが、一つの松田聖子さんの、そこまでの記録だったんだよね。で、止めちゃったのよ、俺。それもソロで、そのTMじゃなくて、まあ、ちょっと出したって感じの曲だったんだけども。それで、タイアップもなくて、その時とかまだね。で、それが一位だったんだけど。ああ、こう、なんとも言えない、それもやっぱりぜんぜん予想してなかったからね。で、スタッフの人もね、あんまり喜んで嬉しそうに言わなかったのね、そん時なんか。

黒沢:
ああ、ウチらもそうでした。

小室:
そうか。

黒沢:
「ええ、どうしよう?」みたいな。

小室:
あの、こう、困った顔で言ったんだよね。

黒沢:
そう。

小室:
それですごい印象残ってて。「小室さん一位なんですよ」っていう感じだったのね。そんな感じだったんですか? 

黒沢:
そう、だから、予想だに。多分ね。

小室:
「黒沢君一位だよ」って感じじゃなくて? 

黒沢:
「やった一位だ」とかじゃなくて「どうしようか? 一位だな」みたいな。

小室:
「言い訳どうしょう?」みたいな?

黒沢:
そうなんですよね。

小室:
やっぱ一位ってことは一番ですからね、日本中で、その週。やっぱ大事ですよ、それは。

黒沢:
で、また、一位の週にね、日本にいなかったんですよね。

小室:
あ、そうなの? 

黒沢:
だから、すぐアメリカにいっちゃってて。そのアメリカにいってる週に一位だって言ってたから。

小室:
アメリカのビルボードとかね、ベスト10はでるからね。そこらへんで見たりするとよかったですね。

黒沢:
あ、ビルボードにジャパニーズ・チャートって?

小室:
ジャパン・チャートって出るんじゃないかな?

黒沢:
あ、そうか。あったな。

小室:
一週遅れなのかな? 分かんないけどね。まあ、すごいですよ、それはそれで。本当に、うん。またこれから、きっと出し続けなきゃいけないと思いますけどね。    黒沢 いや、どうですかね? 

小室:
あの、ちなみに、他の方にも曲を書いてるみたいだし、さっき見せてもらったしね。そういうのも、あの、なんとなくストレス解消になると思いますからね。他の人にこう、パッとやったりすると。

黒沢:
だから、自分がヴォーカリストだから、あの、自分で大体予想がつくじゃないですか? 曲を作ってる時「多分、こう歌うだろう」って。で、もともともう、自分の声しか持ってないから、それにしかならないんだけども、人に歌ってもらうと、「ああ、こういう曲の解釈もあるのかな」みたいな。

小室:
あると思うよね、それはね。

黒沢:
すごいなんか。

小室:
だからきっと、たまにはいいと思いますよ、それはね。

黒沢:
是非、やっていきたいと思ってるんですけどもね。

小室:
是非やってください。たまにはアイドルとかも。あ、アイドルの人にも書いてるんだよね? 

黒沢:
そうですね。

小室:
やってください。僕ちょっと回しますから。

黒沢:
少しおこぼれをもらって。

小室:
じゃあ、ありがとうございました。

黒沢:
ありがとうございました。

小室:
いいですか?


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