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- 小室:
- こんばんは、小室哲哉です。えぇとですね、レコーディングからまた帰ってきまして、今、ここ一週間ぐらいですかね、東京にいるんですけど。また、いってしまうという感じで、ちょっと、ここのとこ日本にいないことが多いんですが。その合間を縫ってですね、今日は…なんていったらいいんでしょうね? 吉本興業の方とお話しするのは僕ね、二組目なんですが。そういう方をお招きしています。今田耕司さんです。
- 今田:
- どーも! よろしくお願いします!!
- 小室:
- よろしくお願いします。
- 今田:
- こんにちは! とりあえず、アイスコーヒーのお替わりをお願いします!!
- 小室:
- やっぱ、声が通りますね、ずいぶんと。
- 今田:
- いやいや、まあ、そんなことないんですけど。
- 小室:
- あの、CDを聴かせていただいたんですけど。
- 今田:
- あ、ありがとうございます。
- 小室:
- あれは、敢えてちょっとね、低目の。
- 今田:
- そうですね。
- 小室:
- そういう張ってる感じじゃないですよね。
- 今田:
- もう、先に曲をいただいてたんで。
- 小室:
- 合わせて?
- 今田:
- はい。
- 小室:
- 「ちょっと低いんで」とかいう注文をしなかったんですか?
- 今田:
- いや、ぜんぜんもう。言われるがままに。
- 小室:
- なるほどね。そこらへんは、もう一年前になりますが、浜田さんとかはね、H Jungleの時は、去年のちょうどこの時期に歌入れを。「WOW WAR TONIGHT」。そうですよね? 一月の末ですから。その時は、オケね、3回ぐらい作り直したんですよ。キーが合わなくて。
- 今田:
- 「ごっつ」の楽屋でずっと聴いてはって、聴かしていただいたんですけど、音だけ。
- 小室:
- で、「どうしても低いから、もうちょっと高くしてくれないか?」っていう感じで。
- 今田:
- ああ、そうなんですか。
- 小室:
- ええ、やり直したんですよ。浜田さんの場合、キーが高かったんで。で、合ったんですけどね。今田さんの声もね、聞いてると高そうですけどね。
- 今田:
- 僕もそうですね。
- 小室:
- 張ると高そうな気もするんですけどね。
- 今田:
- そうですね。まあ。
- 小室:
- でもあの、アレはまあ、ニュー・ロマンティックの頃のイメージなんですかね。だから、ちょっと低いんですかね?
- 今田:
- そうですね、最初に「昔、どんなん聴いてました?」って聞かれて、まあ、あのヒューマン・リーグとかいう感じのイメージですかね、よく聴いてたんで。
- 小室:
- 見たんですけどね、失礼ですけど、意外っつったら意外なんですよ、どうしても。
- 今田:
- そうですかね?
- 小室:
- 今田さんてお幾つですか?
- 今田:
- 僕、29です。
- 小室:
- ですよね。そのぐらいだと、なんか、もうそろそろ日本のね、アーティストから入るような人が多かったんで。洋楽好きだったんですね。
- 今田:
- そうですね。けっこう、あの、MTVが始まって、一番盛り上がってた頃っていいますか。あの頃なんで。
- 小室:
- じゃあ、アレですか? デュラン・デュランだとか、カルチャークラブとか。
- 今田:
- はい。
- 小室:
- ああいうのですか?
- 今田:
- そうですね。
- 小室:
- なんだっけ? いつも忘れちゃうんですけど、カジャ・グー・グーしかもいましたでしょ。
- 今田:
- ちょっといいですか?
- 小室:
- はい?
- 今田:
- あの、缶コーヒーになってるんですけど…………。まあ、なければいいんですけども。
- 小室:
- あ、もうすぐ来ます。
- 今田:
- あ、大丈夫です、大丈夫です。もう、缶コーヒーで充分です。
- 小室:
- 大丈夫ですか?
- 今田:
- ええ。
- 小室:
- あの、よかったら。
- 今田:
- いや、本当にお構いなく。
- 小室:
- 煙草もどうぞ。
- 今田:
- ああ、ありがとうございます。優しい方ですよね、小室さんて。
- 小室:
- 優しいわけじゃないですけど。
- 今田:
- 弱輩者が言うのもなんですけど、本当、可愛らしい方ですよね。
- 小室:
- いや、そうですか? なんか、憎さ百倍みたいな人もいます。
- 今田:
- あ、そうですか。なんか、嫌な威圧感みたいのないですよね。
- 小室:
- ああ。
- 今田:
- なんか、売れてはる人がウワァーッと出す、なんか喋りにく〜い威圧感ていうのないですよね。僕も初めてお会いしますけど。
- 小室:
- そうですか? なんていったらいいかな? あの、柔らか系ですよね。
- 今田:
- ああ、柔らかいですよね。なんか、ホッとしますわ。
- 小室:
- よく「物腰が柔らかい人ですね」とか、あの…。
- 今田:
- ちょっとだけ近づいてもいいですか? (椅子ごと近くに移動する)あ、すんません。
- 小室:
- あのね、べつに男性好みじゃないですけど、案外こう、男の人と近づいたりっていうんですか? スキンシップ平気なんですよ。
- 今田:
- まあべつに、好き、とかそんなんじゃなくてって。
- 小室:
- そういうんじゃなんて、…そういう方ですか?
- 今田:
- 僕ですか? そうですね、僕もそういう人じゃないんですけど、仕掛けていくのは好きですね、仲間に。わざと手、さわってみたりとか。
- 小室:
- だから、なんか、嫌な人いません? なんかお酒飲んだりして抱き付いたり、手を持ってこう、なんかね、ノリノリでとか。
- 今田:
- そういうのはダメですね。
- 小室:
- そういうのはダメですか。
- 今田:
- 自分から攻める方が。
- 小室:
- は、平気って感じですか。
- 今田:
- 平気。そういう人じゃないんですけどね。
- 小室:
- 僕もね、あの、男の人とかでね、飲んでですよ、たまに飲んだりして寄っかかったりするの平気なんですよ。
- 今田:
- え? あ、ちょっとホロ酔いになって、男性に寄っかかるんですか?
- 小室:
- その相手もべつにそんなに思わないし。
- 今田:
- え? それがそういう人じゃないんですか?
- 小室:
- そうじゃないんですよ。
- 今田:
- じゃなくて?
- 小室:
- じゃなくて。
- 今田:
- 平気でできると。
- 小室:
- そんなに「気持ち悪いな」とかは思わないですね、あんまりね。
- 今田:
- ありがとうございます、本当に。
- 小室:
- っていうのもありますけどね。
- 今田:
- はい。…喫っていいですか?
- 小室:
- どうぞ。
- 今田:
- ああ、ありがとうございます。
- 小室:
- ぜんぜん脈絡のない話しでしたが。
- 今田:
- ええ。ぜんぜんいいと思います。
- 小室:
- じゃあ、あの、洋楽は聴いてたんですね、それはね。
- 今田:
- そうですね。あの、デュラン・デュランのステージ、小室さん出はりましたよね?
- 小室:
- 知ってるんですか?
- 今田:
- はい。
- 小室:
- あれはね、お客さんが入んなかったんですよ。
- 今田:
- あ、そうですね。
- 小室:
- もう、世界的には人気あったんだけど、デュラン・デュランお化粧も落としちゃって、みんな。
- 今田:
- ちょっとブレイクして、終わってからですよね、来たん。
- 小室:
- 安心しちやった感じの時があったんですよ、デュラン・デュラン。で、ちょっと汚くなっちゃつたんですね。
- 今田:
- 汚くなったんですか?
- 小室:
- 汚らしくても売れてるから、平気な時期で。日本のあの頃のファンの人って、それこそね、ジャケットのみたいに美形じゃないと。
- 今田:
- そうですね。一風堂さんとかそうだったじゃないですか。
- 小室:
- もう、メイクばっちりしてるのが好きだったファンが多かったから。ちょっとね、東京ドーム、埋まらなかったんですよ。で、僕、お助けでいったりして。
- 今田:
- あ、それでですか。
- 小室:
- うん。それもあったの。
- 今田:
- そうだったんですか。なるほどね。
- 小室:
- 僕も好きでしたよ。よく、服もああいう格好してましたしね。
- 今田:
- はいはい、はい。
- 小室:
- TMネットワーク知ってますか?
- 今田:
- 知ってますよ。「Night Rain」でしょ?
- 小室:
- 「Night Rain」?
- 今田:
- ♪戻れない、このまま君を〜。
- 小室:
- あ、「Love Rain」ですね。
- 今田:
- ………まあ、そういう言い方もありますけど。「Love Rain」。
- 小室:
- これ今、下に字を出したいですね、今のね。
- 今田:
- 「Teenage war」もありましたじゃないですか。
- 小室:
- 「Teenage war」?
- 今田:
- あの、「七日間戦争」。
- 小室:
- 「7 days war」ですね。
- 今田:
- ………「7 days war」ですよ。
- 小室:
- ありましたね。
- 今田:
- っていうか、小室さんの作る、この音が好きなんですよ。
- 小室:
- なかなかいいとこ突きますね。「Teenage war」。もらっときましょうかね。
- 今田:
- いや、とんでもないです、もう。
- 小室:
- あの、昔のね。じゃあ、シンセが好きなんじゃないですか? 少し。ああいう音は。
- 今田:
- なんでしょうね? またロックっていうんじゃない、ノリがずっとある、ノリのええ歌というか。ああいうのが好きでしたね。
- 小室:
- なるほど。アレなんですか、じゃあ、「デッセジェニー」とか行ってるんですか?
- 今田:
- あ、できた当時はいきましたけどね。あんまりだんだん、行き過ぎて歓迎されへんようになったんで、行かなくなりましたけど。吉本のディスコなんですけどね。
- 小室:
- ですよね。ああいう、ディスコ乗りが好きな人で、ああいう音が好きに入った人もいるし、ああいう格好とか、ああいうのから入った人もいるんですけどね。それはべつにダンスミュージックが好きっていうことも?
- 今田:
- そうですね、ちょうどやっぱり、MTVで音と絵が同時で。
- 小室:
- そうですね。
- 今田:
- 新鮮やったっていうのもありますけどね。あの、綺麗な女性が出てくるじゃないですか、デュラン・デュランのプロモーションビデオにしても。
- 小室:
- ああ、出てますね。羨ましい。特にアメリカのハードロックバンドは、いい女が出てきますよね。
- 今田:
- ああ、いいの出てきますよ。ZZ Topとかも、べつに音楽聴かないですけど、プロモーションビデオだけ見てましたからね。ああいうの好きですね。
- 小室:
- エアロスミスとか知ってますか?
- 今田:
- ああ、知ってます。
- 小室:
- アレもいい女の人出てきますね。
- 今田:
- きますね。
- 小室:
- もう、可愛いですよね。
- 今田:
- 可愛いですよ。
- 小室:
- ああいうのは、アメリカンドリームって感じすんですけどね。
- 今田:
- いや、小室さんもドリームいう感じですよ。
- 小室:
- ドリームっていう感じですか?
- 今田:
- はい。SPいるじゃないですか、スタジオ入る時も。アレ、いいっスよね。憧れの人ですよね。
- 小室:
- 東京パトロールの方なんですけどね。
- 今田:
- 東京パトロールの方ですか。リムジン、SP、っていうたらやっぱり、男の憧れ3大要素のウチの二つですもんね。
- 小室:
- 僕、リムジンじゃないですよ。ワンボックスカーですよ。
- 今田:
- あ、そうなんですか。
- 小室:
- ええ。カーナビ付きワンボックスカーですけどね。
- 今田:
- そうなんだ。
- 小室:
- まあ、いいんですけどね。今、聞こうと思ったことがあったんだ。ああ、そうそう。えぇと、本職というか、やっぱりお笑いのプロの仕事があって、で、音楽もやれる、どっちかっていうと幸せな今、状況じゃないですか。
- 今田:
- そうですね。好きなこと、かなり。
- 小室:
- 最初の選択でですね、やっぱ音楽は採らなかったですか?
- 今田:
- 一番最初に?
- 小室:
- バンドにいく人っていうのも。
- 今田:
- なかったですね。
- 小室:
- なかったですか。
- 今田:
- 楽器はまず、何一つやらなかったですしね。で、なんでしょう? 創作意欲っていうんですかね? なんか「歌を作りたい」とか「曲を作りたい」とかいう意欲が、ぜんぜんなかったですね。
- 小室:
- でも、アレでしょ? 喋るのも。あ、そうか。今田さんていうのは、バンドみたいのはやってないですね、お笑いでいうコンビというか、トリオとか、まあそういうの。
- 今田:
- まあ、そうですね。
- 小室:
- ずっとソロアーティストですか?
- 今田:
- 基本的には一人ですね。
- 小室:
- そうか、そうか。
- 今田:
- ええ。
- 小室:
- じゃあ、アレなんですか? こっちでいうショウとかコンサートっていうのはないんですか?
- 今田:
- コンサートですか?
- 小室:
- あの、お笑いの人でいうと…。
- 今田:
- ライヴですか?
- 小室:
- ライヴですかね?
- 今田:
- 昔はでもね、一人でコントをずっとしてたんですよ。そういうライヴはやってましたけど。
- 小室:
- ぜんぜん、どういうコントかわかんないですけどね。
- 今田:
- いやもう、なんか、14歳の少女がグレ始めるコントとかね。
- 小室:
- あの、一人芝居みたいな?
- 今田:
- そうですね。あの、レゲエのオジさんの一人コントとかなんか、そういうのをずっとやってきてて。
- 小室:
- じゃあ、短い感じのですね。
- 今田:
- そうですね。だいたい一個、3分半ぐらいの。
- 小室:
- シングルぐらいのね。
- 今田:
- シングルくらいのヤツを、ずっとやってましたよね。
- 小室:
- ああ、わかりやすいですね、そういうと。じゃあ、アルバムみたいのはやってなかったんですね。
- 今田:
- アルバムみたいのはやってないですね。ですから、2丁目劇場っていう、ダウンタウンさんのおられた劇場があって、そこに出番がみんなあったんですよね。それが言うたらまあ、アルバムじゃないですけど、みたいなもんで。その中の一発目の曲じゃないですけど。
- 小室:
- あ、コンピレーションアルバムみたいな、ベストアルバムね。
- 今田:
- そうですね。
- 小室:
- ライヴ盤みたいの。
- 今田:
- ライヴ盤みたいなんですよ。
- 小室:
- ライヴ盤の一曲目みたいな感じですか?
- 今田:
- そう、ライヴ盤の一曲目みたいなね、ええ。
- 小室:
- 元気のいいとこですよね。
- 今田:
- 元気のええとこですよ。
- 小室:
- それをやってたんですね。
- 今田:
- はい。
- 小室:
- そういうとわかりやすいですね、すごくね。
- 今田:
- で、まあ、一番最後にメインの曲のまあ、ダウンタウンさんがおって、その間にいろんな人たちが出てたと。
- 小室:
- そのままソロでいっちゃったって感じですね。
- 今田:
- そうですね。なんか、きっかけなしに。オーディションで、たまたま。そういうイベントがやってて「出てみるか」って言われたのがきっかけですわ。そのままズブズブと。
- 小室:
- でも、それはアレでしょ? また、ちょっとしつこいですけど、音楽でいうと作詞作曲、自分でしてたみたいな。
- 今田:
- まあ、そうですね。
- 小室:
- コント作ってたんだもんね。
- 今田:
- それはそれぞれに。
- 小室:
- それはもう、創作ですよね。
- 今田:
- はい。だから、そっちの方はなんか、漠然とですけど作れるんじゃないかな?と。自分でできるんじゃないかな? っていう。音楽は、自分でそんなん作れるとかいうのは、一切なかったですね。
- 小室:
- まあでも、「機会があればできるかな?」みたいな感じですか?
- 今田:
- そうですね、今でも、曲はでもね、やっぱりわからないといいますか。で、詞もいわばそういう一人コントとか、そういう、ちょっとお笑いの延長線上でないと、やっぱりできないですかね。「ちゃんとしたラブソングをやってください」と言われても、僕はとうていできない。
- 小室:
- そうですね。なかなか難しいでしょうね、それはね。
- 今田:
- 難しいと思いますよ。
- 小室:
- 特に、ギャップを出そうと思って、ラブソングでやたら真面目なのやっても、やっぱりコントの中にも、わざと真面目にやって笑わせるコントもあるでしょ。
- 今田:
- ああ、ありますね、はい。
- 小室:
- そういうのもあるから、なかなか割り切れないね。
- 今田:
- だから、一つの中に、その真面目な部分を入れたら、やっぱりどっか崩す部分ていうか。一つ丸々ちゃんとしたラブソングっていうのは、だから絶対にできないですね。
- 小室:
- そうだね。それはわかりますね。そうですか。でも、俺なんかわかんないけどね。その、ちゃんとバァーッて一本あって、で、こっちでもやるっていうのがね。それがまあ、音楽に関係することだけしかやってないからね、それはね。
- 今田:
- だから、なんていうんですか? そういうのを、仮に書いても、素の自分が絶対チラチラ出てきてしまうから、集中できないんですよ。ちゃんとしたラブソングを想像して、なりきって書いたりとか、そんなんできないですね、やっぱり。
- 小室:
- まあでも、やっぱりたまに書いたりするんですか? そういうの。
- 今田:
- あ、書かないです普段は一切、はい。仕事をもらって、「書いてみ」って。
- 小室:
- アルバムは出るんですか? 今度のそれは。
- 今田:
- あ、そうなんです。1月のね、19日に。
- 小室:
- もう本当、すぐですね。
- 今田:
- もう、すぐ。
- 小室:
- それには書いてないですか?
- 今田:
- それは書いてます。
- 小室:
- あ、書いてんですか。
- 今田:
- ええ。
- 小室:
- へぇー。
- 今田:
- あの、一応シングルが12月に出たんですけど、そちらの方の詞と。
- 小室:
- あ、本当に? へぇー。
- 今田:
- それとあと、アルバムは4つか5つぐらい。
- 小室:
- あ、本当に。
- 今田:
- はい。
- 小室:
- それ、りっぱな創作じゃないですか。
- 今田:
- そうですかね? 自分では「ええんかな?」と思いながらも、ある程度開き直って。
- 小室:
- なるほどね。それはでも、吉本のそういう人で、本職こっちやってて、作詞までやってる人はいないですね、多分ね。
- 今田:
- そうですね。
- 小室:
- けっこうちゃんとやってるんですね、それはね。
- 今田:
- そうですね。ただ、ちょっとやっぱり、素がチラホラ出るといいますか。
- 小室:
- でも、出ていいんじゃないですかね?
- 今田:
- ええ、そうですね。まあ、真面目なのは書けないですし、書く気もないという感じなんでね。
- 小室:
- ふーん、そうなんですか。あの、なんだっけ? ウェストエンドでしたっけ?
- 今田:
- はいはい。
- 小室:
- アレもだからまあ、元々、プロダクション的にも「今田は音楽が好きだから」みたいな感じでですか?
- 今田:
- そうですかね? イメージですかね? 急に「今度、大阪版を出すから、やるか?」って言われて。最初「あ、いいです」って言うたんですよ。あの東野幸治という仕事仲間と。それで「いいです」って言うたんですけども、なんか「レコーディングの日が決まってるから。もう詞もあるから、行って吹き込むだけやから」って言われたんで、まあ、いって。で、まあ、詞、見たら、まあ、ちょっとイメージというか、「ちゃうなぁ」と思うたんで、東野と二人で勝手に「書き直していいですか?」って言うて、ある程度書き直して。
- 小室:
- そうか、そうか。じゃあ、けっこうなんか、そんなに無理ないですね、そういう作業はね。
- 今田:
- そうですね。だから、出す時はちょっと意識して、一応基本はお笑いやってるっていうのを、絶対入れたいなっていうのはありますよね。
- 小室:
- でも、ずいぶん変わりましたね。いや、今田さんだけ変わったということではなくて、もちろんまあ、浜ちゃんを僕がやったのもそうですけど。
- 今田:
- そうですね。200万枚ですか?
- 小室:
- 今日の時点はね、あの、リミックスも出してるんですよ。「WOW WAR TONIGHT REMIX」っていう、いろんなバージョンの。それも足したら、多分、300万枚近くいってると思いますね、「WOW WAR TONIGHT」。
- 今田:
- はぁーっ、すごいですね。ええ。
- 小室:
- あと、二枚目「GOING GOING HOME」。
- 今田:
- ああ、ああ、アレもあるんですやん。
- 小室:
- 今日の時点では150ぐらい、いってるんじゃないですかね?
- 今田:
- 150万枚ですか?
- 小室:
- ええ。シングル二枚で500ぐらいいってるんじゃないですかね? きっと。
- 今田:
- すごいですね。浜田さんでいうのは、歌唱印税っていうのは、またドーンと入ってくるんですか?
- 小室:
- ドーンと入りますね、当然。
- 今田:
- 150万枚と300万枚。
- 小室:
- なんかあの、浜田さんの場合は、歌唱印税じゃないかもしれないですけどね。
- 今田:
- あ、違うんですか?
- 小室:
- それはプロダクションの方とまあ、ウマくやってください。
- 今田:
- あ、ちょっと?
- 小室:
- わかんないですけど、よく。
- 今田:
- 浜田さん言いますからね、でも。そこにまたなんかね、お金好きな人が割り込んできたりしますからね。特に原っていう名字のヤツには気を付けないとダメですからね。グッズを売ったりとかね。
- 小室:
- あの、そうですね。音楽ビジネスって、ここの人とここの人で、お金がAさんからBさんにいく間に、何人入るかで。
- 今田:
- そうですよね。ここに入ってたらいいんですけど、関係ないくせに、グッズに割り込むヤツもいますからね。
- 小室:
- そうですね。
- 今田:
- ええ。
- 小室:
- でも、みんなそうなんですよ。最初から入る人はせいぜい一人か二人なんですよ。
- 今田:
- そこに「あ、いける」思うたら、入ってくるんですか。
- 小室:
- そうそう。たまに渋滞してますからね、もう。ここに入るために。
- 今田:
- あ、聞きたいんですけどね、歌詞の印税ってあるじゃないですか。
- 小室:
- はい。作詞印税ですね。
- 今田:
- あの、「SO・YA・NA」っていうのは、「DA・YO・NE」っていうのありましたよね、原形。あれはあの、シャ乱Qのつんくさんに言われたんですけど、そういう編詞っていう、詞を変えたっていう、また作詞とは別になるんですか?
- 小室:
- 別になりますね。
- 今田:
- その場合、作詞印税って、発生しないんですか?
- 小室:
- 僕が聞いてる限りですけど、あの、英語の曲を日本語にしたりするじゃないですか。アレは元の人に入りますね。
- 今田:
- アレは元の人で、変えてる人には入らないんですか?
- 小室:
- その直した人ですよね?
- 今田:
- 訳をした人には?
- 小室:
- 直した人には入んないですね。
- 今田:
- 入らない。その「SO・YA・NA」の場合は、どうなんですかね?
- 小室:
- 「SO・YA・NA」の場合は、なにせ元々は「DA・YO・NE」でしょ?
- 今田:
- 「DA・YO・NE」っていう東京の歌詞があって。
- 小室:
- ぜんぜん違うから、もしかしたらそれは入るかもしれないですね。
- 今田:
- やったー。
- 小室:
- でも、わかんないですよ、それは。
- 今田:
- ほんまですか?
- 小室:
- いつですか? リリースしたのは。
- 今田:
- えぇとね、去年のいつごろでしたかね?
- 小室:
- 3月ぐらいですか?
- 今田:
- いや、2月ですわ。
- 小室:
- 2月?
- 今田:
- 2月。
- 小室:
- で、まだ入ってないですか?
- 今田:
- 現時点では、ビタ一文入ってないです。
- 小室:
- あ、じゃあ、もう入ってないですね。
- 今田:
- ええーっ!?
- 小室:
- ああいうのは、アレは半年ですから。
- 今田:
- ええーっ!? あんまりだぁ!!
- 小室:
- 著作権はね。
- 今田:
- ああーっ!! 騙された…………、吉本に。
- 小室:
- 買い取りじゃないですか?
- 今田:
- ああーっ!!
- 小室:
- 15万円ぐらいの。
- 今田:
- ああーっ!!
- 小室:
- わかんないですけどね。
- 今田:
- ほんまですかー?
- 小室:
- わかんないです、わかんないです。2月に入るかもしれないです。
- 今田:
- はっ。あと、半月ぐらいでハッキリするんですか。
- 小室:
- もしかしたら、ハッキリするかもしれないです。
- 今田:
- いや、吉本には入るって言われてるんですよ。
- 小室:
- ああ、そうですか。じゃあ2月には入るかもしれないですね。
- 今田:
- あの、岡本マネージャー、ダウンタウンさんのマネージャーが、「ドえらい数字が入りますよ。今田さん、よかったですね。おめでとうございます」って言われたんですよ。このあいだつんくさんに会おたら、「そんなん、発生しませんよ。1円も入りませんよ」って。東野と二人でヤケ酒ですわ。
- 小室:
- 基本は入らないですよ。
- 今田:
- 基本は?
- 小室:
- ええ。でも、「DA・YO・NE」と「SO・YA・NA」は、相当違うから、もしかしたら入るかもしれないですけど。その、「ナウ・ロマンティック」は間違いなく入りますよ。オリジナルですから。
- 今田:
- そうですよね。
- 小室:
- それは間違いないですね。
- 今田:
- 「ナウ・ロマンティック」はね。よかったです。
- 小室:
- 12月ですから、5月ぐらいに。
- 今田:
- 5月ぐらいですか。
- 小室:
- 5月ぐらいに「いくら入るで」って言われますよ。で、8月ぐらいにもらえるはずですね、多分。
- 今田:
- 5月ぐらいに聞いて、8月。そうか。「SO・YA・NA」は2月に吹き込んで、4月にはその情報入ってましたからね。…………嘘やったんか。
- 小室:
- でも、詞もね、やっぱり印税生活の一つですからね。
- 今田:
- そうですよね。
- 小室:
- うん。大事ですよ、それは。だんだん頭よくなるんですよ。やってるウチに。いろんなパーセンテージありますから。
- 今田:
- でもなんかね、そんなんてすごいですよね。
- 小室:
- そういうの、わかってないと苦労した甲斐がないですから。
- 今田:
- はい。その前に一回ね、あの、「親父の唄」っていうの出してるんですよ。
- 小室:
- 「親父の唄」?
- 今田:
- ええ。ウェストエンドの前なんですけどね。一回、東野幸治って奴と二人で出して、それは印税入ってきましたね。
- 小室:
- あ、本当に。オリジナルで作って?
- 今田:
- そうです、そうです。20万円。
- 小室:
- 20万円。
- 今田:
- 20万円。
- 小室:
- 作詞で?
- 今田:
- 作詞で。
- 小室:
- っていうことは、どれぐらいですかね? 1万枚?
- 今田:
- 1万枚ぐらいですかね。
- 小室:
- 1万枚か2万枚ぐらいですね、きっとね。
- 今田:
- はい。でも、大喜びしましたけどね。
- 小室:
- だからアレ、売れなかったら何千円にもならないですからね。
- 今田:
- 小室さんて、お金なんに使うんですか?
- 小室:
- なんに使うか?
- 今田:
- 億万長者でしょ? ね? あ、見ましたよ、ドキュメンタリー。なんか、質素な煮物食べてたじゃないですか。そんなわけあらへんがな思うて、テレビ見て。
- 小室:
- あれドキュメントですよ。
- 今田:
- ドキュメントですか? おかしいなぁ? どこに金使うてんのや? 思うて、一生懸命見てたんですよ。
- 小室:
- あの、飯代はかかんないですよ、確かに。
- 今田:
- ああ、御飯代は。それはなんか、わかる気がしますね。なんか、手近やっぱ御弁当とかだったら、食べてしまいますもんね。
- 小室:
- そうですよ。だいたい、時間がないから食べれないよね、そんなね。
- 今田:
- そうですよね。で、これといってべつに遊ば…。
- 小室:
- ないですね。べつに、そんな遊ばないですね。
- 今田:
- そうですよね。なにしてるんですか? なんか買うてくださいよ。
- 小室:
- いや、半年ぐらい一緒にいたら、きっと買ってあげてると思いますよ。
- 今田:
- ほんまですか?
- 小室:
- やっぱ、近くにいる人はね、すごい買ってもらったりしてますね。
- 今田:
- ああ、そうですか。
- 小室:
- やっぱり。
- 今田:
- globeの人とか、買うてもろたんとちゃいますか? マーク・パンサーとか。
- 小室:
- マークは、どれだけおごってもらってるか、わかんないんじゃないですかね。
- 今田:
- ほんまですか? カーッ!!
- 小室:
- あの、スタッフで、ある曲が1位になったら「車、買ってくれ」って、約束しちゃったことがあるんですよ。
- 今田:
- ええ。
- 小室:
- 買いましたよ。
- 今田:
- ええ!?
- 小室:
- 本当に。
- 今田:
- 約束しましょうや、なんか。
- 小室:
- それは、ベタで付いてないと、僕に。
- 今田:
- 付いてなダメなんですな。
- 小室:
- 付いてな。…あ、ちょっと発音が移ってきちゃった。すぐ俺、関西弁の発音移っちゃうんですよ。
- 今田:
- やっぱり音が?
- 小室:
- 耳で。最初コピーで始まったんで、僕。
- 今田:
- 自分で作る時?
- 小室:
- あの、ピアノとか習ってないんですよ、僕。
- 今田:
- そうなんですか?
- 小室:
- 独学なんですよ。
- 今田:
- え? でも、なんかアレで作ってたじゃないですか。
- 小室:
- シンセでしょ?
- 今田:
- はい。
- 小室:
- だから、独学なんですよ。自分で耳で聴いて覚えてやってたんですよ。
- 今田:
- 譜面とかは?
- 小室:
- 譜面は読めないです、ほとんど。
- 今田:
- ああ、そうなんですか。
- 小室:
- だから、「はい、これね」って渡されても、読めないんですよ。
- 今田:
- あ、もう、音、作ってカセットテープに入れるんですか。
- 小室:
- デモテープっていうことですか?
- 今田:
- あ、デモテープ、デモテープ。
- 小室:
- まあ、今はそんなことしないですけどね。今はもう、コンピューターに全部入れますけど。
- 今田:
- へぇー。すごいですね。
- 小室:
- この番組すごいんですね、もう。コンピューターのすごい最先端の話しから、今みたいな話しまでしてるんですよ。
- 今田:
- 広いですよね。
- 小室:
- 広いですよ。…カセットテープ。
- 今田:
- カセットテープ。カセットテープじゃないですか。え? おかしいですか?
- 小室:
- おかしくないですね。
- 今田:
- カセットテープでっせ。ダビングとかでしょ?
- 小室:
- そうです、そうですね。僕、自分でもCMやってますから。
- 今田:
- やってはりますよね。アレはアレでまた、ドーッとね。でも、小室さんてやっぱり、アレですよ。すごいっスわ。
- 小室:
- そうですか?
- 今田:
- あの、あの…、いいですかね? べつに。なんでもええですか?
- 小室:
- はいはい、なんでも。なんでもいいですよ。
- 今田:
- あ、そうですか。あの華原朋美とかね。アノ番組やってたじゃないですか。
- 小室:
- そうですよね。ありがとうございます。
- 今田:
- 今の芸能界にね、夢、与えましたわ。
- 小室:
- そうですか?
- 今田:
- ええ。サクセス!! 半年後っていうたらもう、どうなるかわからないじゃないですか。本当、この世界。で、アメリカみたいに、いっぺんにボーンていうのないじゃないですか。で、まあ、一緒に番組もやってて、水中潜ってカルタとか一生懸命やってくれてたじゃないですか。それがですよ、もう、半年したらトップテン歌手じゃないですか。やっぱりそれ見てて、「あ、コイツ、歌える」と思うてやっぱり?
- 小室:
- そうですね。見てたんじゃないんですよ、僕はね、アレ。何でしたっけ「ウブゲ」でしたっけ? 一回も見たことなかったんですよ。
- 今田:
- 一回も見てないんですか? え? スタッフが「小室さんも見てます」言うてたんも、アレも嘘やったんですね!!
- 小室:
- 嘘ですね。
- 今田:
- 汚いなぁ、芸能界。ほな「ウラリンゴ」やってる時なんか、いつもウラリンギャルっておったんですよ。で、「小室さん見てるかもわからんから、頑張れ」っていったんですよ。本番中も。見たことないでしょ?
- 小室:
- いや、「ウラリン」はだから、彼女出てたじゃないですか。
- 今田:
- そうです、そうです。
- 小室:
- だから、それは見てましたよ。あの、もう知ってからですから。
- 今田:
- あ、はいはい、はい。
- 小室:
- 「ウブゲ」とかはだから、知らなかったです。「ウブゲ」の終わってから、僕、知りあったんです。
- 今田:
- あ、そうなんですか? ああ、で、事務所にどうこうっていうのはあつたんですよね? だからあの、彼女ね。
- 小室:
- でも、それは「ウブゲ」が3月に終わってからですよ。
- 今田:
- あ、それは終わってからですよね。
- 小室:
- そうなんですよ。それは、「見てます」っていったのはアレですよね? サクマですね、きっとね。
- 今田:
- 出ましたか、その名前がこの番組で。
- 小室:
- いや、初めてです。
- 今田:
- あ、初めてですか。もう、あの人も、ええ胡散臭さですよね。
- 小室:
- ええ胡散臭さですよね。そうそう、だから、僕は知らなかったんでよかったと思いますよ、それは。もう、すごい単純に、カラオケとかの声で聴いて、それでですから。
- 今田:
- はあ、なるほど。だから、言うたらね、やっぱり40人ぐらい同じような女の子たち出てたんですよ。だから、そういう子らも、「もしかしたら次は」っていう。
- 小室:
- あ、でも、それはもう本当そうですよ。
- 今田:
- ね。
- 小室:
- 間違いないですよ。みんな、今の人は特に、本当カラオケとか進歩してるし、あと、情報がたくさんあるから、そんなとんでもなくどうしようもない人っていないんですよ。
- 今田:
- ああ、メチャクチャ音痴とか?
- 小室:
- メチャクチャ音痴とか。
- 今田:
- それは東野幸治を知らなさ過ぎますよ。
- 小室:
- ああ、そうですか。
- 今田:
- ヒドいですよ、ヒドいヤツは。でも、女の子はそんなに「ヘタや」っていうのは、そういえば聞いたことないですよね。ある程度は。
- 小室:
- あと、だから、身なりも髪の毛も、とんでもなくセンスが悪いとか、そんなにいないでしょ。
- 今田:
- いないですね。
- 小室:
- だから、みんなレベルがそこそこ一緒だから、だから本当、きっかけだと思いますよね。
- 今田:
- でもやっぱり、小室さんのとこいったら変わりますよね。見た感じもなんか。
- 小室:
- もう本当だから、甲子園でいったらシードみたいな感じのところはありますよね。ある程度のところまで、僕が引っ張ってあげられるから。そこからスタートできますからね。
- 今田:
- それ、いいですよ。夢がありますわ。
- 小室:
- そうですかね?
- 今田:
- ええ。大変でしょうね、でもね。
- 小室:
- やっぱり、一番多いですね、今、僕に依頼がくるのでは、やっぱり全部サクセスストーリーですね、やっぱり。さっきおっしゃいましたけど、ドリームとか、そういうのを「一緒に作りたいんです」っていう、企業の方にしろレコード会社の人にしろ、プロダクションの人にしろ。一緒にもってこうという感じで。
- 今田:
- 一応やっぱり、いろんな方プロデュースされてるじゃないですか。なんか共通点とかあるんですか?
- 小室:
- 女の人はあるかもしれませんね、ある程度。声とか似てるって言われますね。僕のね、好きな声ってね、なかなかテレビでは言えないんですけど、そんなには。企業秘密なんですけど、ある程度は。やっぱりすごく高いんですよ。スコーンと抜ける感じの声なんですよ。
- 今田:
- 高い人やったから、今度はぜんぜんちゃう人っていうのとは、また違うんですね。
- 小室:
- うん。違うんですよね。さっきも最初に話したけど、オケもシンセだったりして、シンセって耳にピーンとくるでしょ。だから、それに負けない声じゃないとダメなんですよ。平仮名の「も」っていう字あるじゃないですか。アレみたいな声の人ダメなんですよ。
- 今田:
- なんとなくイメージで、なんとなくわかりますけどね。
- 小室:
- 「も」にちっちゃい「っ」みたいな感じですね。「もっ」て。
- 今田:
- 声質が。
- 小室:
- ちょっとダメなんですよ。あと、「ぼ」みたいな感じもダメなんですよ。
- 今田:
- 「ぼ」の声ですか。
- 小室:
- みたいな感じの声もダメなんですよ。
- 今田:
- イメージ的に。男声はべつにいいんですか?
- 小室:
- いや、男声もそうですね。
- 今田:
- 浜田さんはでも、はっきりいって、高いですよね。
- 小室:
- 浜田さんはキンキンした声じゃないですか。ちょっとなんか、口癖の声とかなんかあるでしょ。
- 今田:
- あの、つっこむ時に抜けるとこありますよね。
- 小室:
- 「ナントカー!!」って、上がるじゃないですか。アレですね。
- 今田:
- 男声も女声も抜けると。
- 小室:
- 抜けるような声が好きですね。まあ、あとはだから、ハスキーヴォイスっていうんですか? ちょっと枯れた感じの。やっぱ、あまりジメッとした声はダメですね。
- 今田:
- まあね。そうですね。
- 小室:
- まあ、でも、それはまあ、企画次第ですね。だから、今田さんの今回のこれも聴いて、やっぱり浜田さんと僕でやったから、じゃあ、Tei Towaさんで今田耕司っていうんで、吉本第二弾の攻撃なのかな? と思ってたんですよ。
- 今田:
- いやいや、そういうわけでもないと思うんですけど。
- 小室:
- いや、そういう戦略なのかな? と思ったんですよ。
- 今田:
- 戦略はどうなんでしょうね?
- 小室:
- きっとね、こんなこと言ったらおこがましいですけど、吉本興業の方も、音楽ビジネスがいかに美味しいかっていうのを、よーくわかったと思いますよ。浜田さんで。
- 今田:
- いや、でも、昔っからやろうとはしてるんですよ。あの、ポピンズとかいたんですよ、吉本にも。妖精って言われてね、当時「芸人は近付くな」って言われてたんですけど。十年以上前ですけどね。なんかやろうとして、でもやっぱり浜田さんでそれがね。
- 小室:
- それが、しっかりとプロセスをずっと見ていただいたんですよ。プロデューサーっていうのがいて、企画を立てて、曲を書いて、プロモーションをこうやって、それでどう売れていきます、っていうのをずーっと見てもらったんですよ。なんで、ちょっとすごくわかったと思うんですよね、仕組みがね。
- 今田:
- だからね、レコードはいっぱい出してますけど、今までとぜんぜんちゃいますからね。三枝さんとかね、「三枝のムラムラ日記」とかいうレコードあったの知ってますか?
- 小室:
- それは知らないですね。
- 今田:
- そうですか。キヨシさんの「子供が3人いてますねん」とか、そういうレコードはね、山ほどあったんですよ。
- 小室:
- ああ、そうですか。
- 今田:
- 仁鶴さんの「どんなんかなマーチ」とか。
- 小室:
- 「恋のボンチシート」は知ってますよ。
- 今田:
- あ、「恋のボンチシート」。
- 小室:
- アレがなんか、一番売れたっていってましたね。
- 今田:
- そうですね。武道館もやりはれましたからね。
- 小室:
- それ以来らしいですからね。
- 今田:
- そうねアレからでも、もう十年以上…十五年ぐらいですか。
- 小室:
- 経ってますよね。変わったっちゅうことですよね。
- 今田:
- これからそういう人、多なるんじゃないですか。芸人さんで。
- 小室:
- そうかもしれないですね。みんな音楽好きですよね。
- 今田:
- 基本的には、やっぱりずっと誰でも聴いてますからね。「やってみぃへんか?」って言われたらまあ、やってみたいですからね。
- 小室:
- ちゃんと去年の夏ね、浜ちゃんで野外で6万人の前で歌ってもらったんですよ。あの時の気分ていうのは、いまだにちゃんと聞いてないですけどね、僕はね。要は「気持ちよかったか?」って。
- 今田:
- 浜田さんですか。
- 小室:
- どうかな? とは思うんですけどね。
- 今田:
- どうなんでしょうね?
- 小室:
- どうだったんですかね?
- 今田:
- 昔、ダウンタウンさんが、初めて、まだ大阪でアイドルみたいな存在だった時にコンサートしはって、僕らも見にいってたんですけど、舞台で泣いてはりましたけどね。
- 小室:
- ああ、そうですか。
- 今田:
- 感動して。
- 小室:
- へぇー。
- 今田:
- で、そのまんま二人で一緒に、御客さんがたくさんいたんで、幕が閉まってすぐに二人で事務所に帰って、すぐウンコしはったみたいですけどね。松本さんが、えらいボヤいてはったんを覚えてますけどね。
- 小室:
- なるほど。まあでも、感動はしたんでしょ。
- 今田:
- そうですね。でも、6万人、気持ち悪いヤツいないでしょ。
- 小室:
- そうですよね。きっと、気持ちよかったと思いますけどね。それはだから、答は「小室さん、またやりましょうか?」って、今年に御話しがくるかどうかですね。
- 今田:
- 浜田さんからですか?
- 小室:
- 浜田さんからね。そこらへんが鍵だと思うんですけどね。どうなんですかね?
- 今田:
- どうなんですかね?
- 小室:
- ちょっと、わかりませんけども。まあ、でも、よかったですよ。浜田さんとできて、去年は。
- 今田:
- ああ、そうですか。
- 小室:
- 変わりましたよ、いろいろ、本当に。
- 今田:
- 刺激になりましたか?
- 小室:
- うん。僕としたらやっぱり、僕のことを知らない人がダウンタウンを通して知った人たちも多いと思いますからね。わかりやすかったから、それに。ああいう人とやってるんだつて。プロデューサーっていう仕事が、よくわかったと思うんですよ。どういうことかっていうのがね。
- 今田:
- 今回は、僕の場合はTeiさんに全部それを。
- 小室:
- もうだから、図式ができるから、今田さんとTeiさんっていうのが組んでも、「なんで?」っていうのはないと思いますよ。
- 今田:
- そうでしょうね。
- 小室:
- すごくわかりやすいと思いますよ。
- 今田:
- Teiさんも、ちょっと変わった方ですからね。
- 小室:
- そうかもしれないですね、それはね。
- 今田:
- 「プロデュースしますけど、今回、僕はロボットということで」かなんか。最初「なに言うてはるんや?」思うて。これ(ロボットのオブジェ)見てやっと答がわかったんですよね。なかなか立たないんですけどね、このロボット。
- 小室:
- 今日はちゃんと、ずっと元気で。
- 今田:
- 元気です。
- 小室:
- ああ、やっぱ、そういうところがあるんですね。
- 今田:
- 面白い人ですけどね。
- 小室:
- ライヴとかやるんですか?
- 今田:
- ええーっ!!
- 小室:
- やります?
- 今田:
- いえーっ。浜田さんはどうでした? やっぱり人前で歌うっていう時は、かなり?
- 小室:
- うーん? 紅白、出ましたからね。
- 今田:
- …………出ましたね、紅白。松本さん出てましたっけ?
- 小室:
- ……………。
- 今田:
- もう、ステージに集中してはったんでね。
- 小室:
- いたような気もしますね。
- 今田:
- ね。
- 小室:
- いなかったかな?
- 今田:
- 僕も、ちょうど見た時、映ってた気もするんですけどね。
- 小室:
- いたんですか?
- 今田:
- いや………、いなかったんじゃないですかね?
- 小室:
- そんな話しは聞かないですか? 「ごっつ」とかで。
- 今田:
- あの、聞きますよ、やっぱり。でも、それに関してはね、新聞が出た時に、なんか読もうとしてたら、やけに一人で隠れるように見てましたけどね。
- 小室:
- 本当に?
- 今田:
- なんか、人から聞いて「こういう話しなんだけど、どうなん?」ていうて「え?」って、その載ってたスポーツ新聞、買いにいってもらって一人で読んでて。僕らが読もうとすると、「もう、ええやないか」って言うて、止められましたけどね。
- 小室:
- そういうことありますよね。新聞見て、「どうしようかな?」みたいなのありますよ。
- 今田:
- 新聞で情報を知るって、吉本は多いですもん。
- 小室:
- ああ、そうですか。
- 今田:
- マネージャーがなんも教えてくれんかったり。
- 小室:
- 「え? こんなことやるんか?」みたいな?
- 今田:
- はい。多いですよ。「なんや? この仕事」とか。「正月に北海道で営業?」とかね。たまに、びっくりするようなことありますから。
- 小室:
- もう書いてあるんですよね?
- 今田:
- ええ。元旦に北海道で営業の時は、びっくりしましたけどね。
- 小室:
- どうなんですかね? それは。だから、ダンスキャンプっていう、その夏の時も、「出てください」っていってたんですけど、一応。その時はやっぱりちょっとね、そういうふうにされなかったんで。紅白も、どうなるのかな? と思ったんですよ。わかんなかったですね、本当。
- 今田:
- いや、僕も本当にそのへんはね。まさか、ああいうことになってるとはね。これ、どっちでもいけるんとちゃいます?
- 小室:
- そうですね。僕もびっくりしました。
- 今田:
- びっくりしましたね。「あ、そっちか!!」と思いましたもん。
- 小室:
- まあだから、そうですね。
- 今田:
- なんていうかね。浜田さんはでもやっぱり、紅白よろこんだんじゃないんですか?
- 小室:
- いや、メチャクチャよろこんでるっていうか、やっぱり、すごい爽々しい感じですね。
- 今田:
- 素直に?
- 小室:
- 「やってよかったな」っていう感じだと思いますよ。あと、カウントダウンもね、ベルファーレで。
- 今田:
- あ、えぇ? やったんですか?
- 小室:
- H Jungle with tでカウントダウンをですね。
- 今田:
- ベルファーレで?
- 小室:
- ええ。今田さんもいたじゃないですか。
- 今田:
- あ、僕? いましたっけ? 僕、だから、そうです。会えなかったんですよ。
- 小室:
- いや、いたみたいですよ。
- 今田:
- あ、そうですか? 僕?
- 小室:
- けっこういろんな人、来てくれたんですよ。
- 今田:
- あ、そうなんですか。そういえば、チョクチョクいったかな?
- 小室:
- チョクチョク? もう大変ですよ、吉本。大晦日は来てくれたんで。ありがとうございました、その節は。
- 今田:
- いえいえ、ええ。
- 小室:
- まあ、そんな感じなんですが。
- 今田:
- そんな感じですね。
- 小室:
- 面白い話しで。
- 今田:
- いえいえ。今日は本当に。
- 小室:
- でも、こんな話しは、テレビ、もうたくさん出てると思いますけど、あんまないんじゃないですか?
- 今田:
- あんまり喋らないです。音楽の話しは本当しないですね。みんな聴かないですもん。
- 小室:
- 聴かないですよね。
- 今田:
- ほんまに。デュラン・デュランて言うたら、「は?」って言うてますからね。「おもろいんか?」って言われますからね。
- 小室:
- あ、ちょっとデュラン・デュランてお笑いの名前みたいですね。
- 今田:
- そうですね、今、考えてみたら。
- 小室:
- あ、ちょっとタウンタウンも似てますよね、デュラン・デュランて。
- 今田:
- ああ、似てますね。浜田さんもだいぶ変わりましたよ。H Jungle with tなんて、そんなとんでもない男ですよ、言うたら。昔、車乗せてもろたらね、石原裕次郎さんと、坂本九さんのベスト聴いてましたもん。
- 小室:
- 浜田さんて、けっこう親父っぽいですよね。
- 今田:
- そうですよ。
- 小室:
- ほとんどお酒飲まなかったですけど、プロモーションビデオ撮りにいった時に、まあ、ちょっと一緒にいたりした時も、すごい親父さんぽかったですよね。ノリ的にね。
- 今田:
- あの、親父っぽいノリっていうたらまあ、アレなんですけどね。極道のノリといいますか。なんか、極道ノリのとこありますよね。一時期あの、いかついセンチュリー乗ってましたしね。
- 小室:
- センチュリー?
- 今田:
- その中で石原裕次郎聴いて、ウナってはりましたからね。
- 小室:
- 変わったんですね。
- 今田:
- 変わりましたよ。
- 小室:
- 今、お洒落ですよ、メチャクチャ。
- 今田:
- ね。お洒落芸能人の上位でしょ。
- 小室:
- いやもう、トップでしょ。
- 今田:
- ロングヘアーにしてたことあるんですよ、大阪にいてはる時。タンクトップにジャケットはおってた時あったんですよ。東京の人、知らんと思いますけど。今でこそ「人生は上々だ」言うてますけど。僕はもう、十年ぐらい可愛がってもらってるんで。
- 小室:
- まあ、なかなかウマいですね。前半は小室哲哉で、後半は木村拓哉ですから。もう、素晴らしくいいコンビを組みますよね。音楽といい、ドラマといいね。
- 今田:
- そうですね。
- 小室:
- まあ、いいんですけど、まあ、そういうわけで。
- 今田:
- どうもありがとうございました。
- 小室:
- どうもありがとうございました。また、じゃあですね、なんかあったらですね、吉本のなんて言うんですか? 音楽チームっちゅうことで。
- 今田:
- そうですね。なんとか、音楽の話しができる人を拡げときますわ。
- 小室:
- もうちょっといるといいですよね。その、東野さんていうのは、メチャクチャ音痴だから、やらないですね。
- 今田:
- あ、でも、アメリカンロックは好きなん。ローリングストーンズとか。
- 小室:
- あ、僕ね、あの人の顔を見て、ロックは好きそうな顔だな、と思いましたよ。
- 今田:
- そうです、そうです。洋楽の話しは、ほとんど東野君と二人でやってますね。クイーンとかね。
- 小室:
- 今のアレ、聴いてくださいよ。あの、今のアメリカンロックの曲も。
- 今田:
- 最近のはぜんぜん知らないですね。ほとんど80年代。車の中でもあの、昔のを今、集めたヤツあるじゃないですか。ヒット曲、ビルボードの80年代の10曲とか。アレの十年分をずっと聴いてますよ。
- 小室:
- 東野さんも29なんですか?
- 今田:
- 東野は28ですね。
- 小室:
- そのぐらいの歳だと、そのぐらいの感じなんですかね?
- 今田:
- けっこう流行りましたよ、洋楽。なんか、邦楽聴いてたら、ちょっとダサいっていうノリが、ちょっとだけありましたんでね。
- 小室:
- まあ、アメリカ村とかあるからね、大阪の。アメリカンロック一辺倒だったでしょ? 多分。
- 今田:
- アメリカ村ですか? アメリカ村とアメリカンロックは、あんまり関係ないですよね。あんまり大阪に来はったことないでしょ?
- 小室:
- そうですね。
- 今田:
- あんまり関係ないですよ。
- 小室:
- あ、関係ないんですか。
- 今田:
- アメリカ村、服とか、そういう雑貨扱ってますからね。べつにアメリカンロックっていう意味じゃないですよ。
- 小室:
- アメリカにかぶれた街じゃないんですね、そういう。
- 今田:
- まあ、MA-1とかそういうのとか、レゲエとかありますけども。あんまりロックは関係ないですね。
- 小室:
- 勉強しときます。
- 今田:
- いえいえ、どうもありがとうございました、本当に。
- 小室:
- ありがとうございました。