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- 中居:
- どうも、こんばんは。中居正広です。間もなくバレンタイン・デーが近付いてきます。これを見ている人のなかでもね、男性も女性も多分、ワクワクしながら「あの人にもらえるのかな?」「あの人はもらってくれるのかな?」。今日のゲストの方々も多分、今、ワクワクしてると思います。もうワクワク………どうなんでしょうかね? そのへんの話もじくり聞きたいと思います。御紹介しましょう。今週のゲストはどういうふうに紹介すればいいんでしょうかね? 御紹介しましょう。de-ga-showのお二人と忌野清志郎さんです。どうも。
- 片山:
- どうも、こんばんは。
- 中居:
- de-ga-showの片山さんと古澤さんですね。よろしくお願いします。はじめましてですね。
- 古澤:
- 俺は知ってる。
- 中居:
- 知ってます?
- 古澤:
- うん。あんまりわかんなかったんだけど、最近わかった。
- 中居:
- え? 何を知ってます? 僕の。
- 古澤:
- あの、ナントカっつうグループで歌ってんだろ?
- 中居:
- 何でしたっけ? グループ。
- 古澤:
- 俺、あれ、よく覚えらんないんだよ。
- 中居:
- 覚えらんないですよね。
- 忌野:
- なんでしたっけ?
- 中居:
- すごい長い名前なんで。何でしたっけね? 僕なんかのグループ。
- 古澤:
- でも、今、あんまり歌ってないよね?
- 中居:
- …………。
- 古澤:
- テレビではよく見るけどさ。
- 中居:
- 歌ですか?
- 古澤:
- うん。歌ってないじゃん。
- 忌野:
- 歌ってるよね。
- 中居:
- 歌ってますよ。
- 古澤:
- あ、そうか。失礼しました。
- 忌野:
- 司会も多いんだけどね。
- 古澤:
- 「味いちもんめ」とか。
- 片山:
- 知ってるねぇ。
- 忌野:
- 知ってるねぇ。
- 中居:
- 「味いちもんめ」御存じですか。御覧になったことあるんですか?
- 古澤:
- うん。何回か。再放送を何回か見て。あの漫画大好きでさ。
- 中居:
- あれを読んでドラマを見てみようと。
- 古澤:
- 俺、あれに出てたんでさ、ちょっといいなって思った。
- 中居:
- あ、そうですか。珍しいですね。「味いちもんめ」を見ていいなって思う方って、けっこう少ないんですけども。
- 忌野:
- あ、そう?
- 中居:
- ええ。嬉しいですね。
- 古澤:
- いいじゃない、あれ。
- 中居:
- いいですか。僕も役者としてもやっぱりじゃあ、大丈夫ですかね?
- 古澤:
- え?
- 中居:
- 役者として頑張っても。
- 古澤:
- あ、いいんじゃん。すごく合ってると思うよ、俺。
- 中居:
- 合ってますかね。
- 古澤:
- 歌はもういいんじゃない?
- 中居:
- 歌はいいですか? もう。
- 古澤:
- そんなことないか。
- 中居:
- 無責任なことは言わないで下さい。
- 古澤:
- そうだね。まあ、一生やれるからね。
- 中居:
- そうですね。好きなんで、歌が。好きなように歌います。片山さんはもちろん初めてですよね。
- 片山:
- はい、はじめまして。
- 中居:
- はじめまして。よろしくお願いします。
- 片山:
- どうもテレビではよく見てますけど。
- 中居:
- どうもありがとうございます。なんかニュースとかも。
- 片山:
- ええ、某テレビ局の。
- 中居:
- あ、いいですよ。僕、注ぎます。
- 忌野:
- マメだなぁ。
- 中居:
- ビールでよろしいですか?
- 古澤:
- うん。悪ぃ。すいません。
- 中居:
- いえ、とんでもないです。飲んべえですか?
- 古澤:
- いや、それほどでもない。
- 中居:
- 片山さんも?
- 片山:
- はい、飲みます。
- 中居:
- 古澤さんは乾杯とかなくて飲んじゃうんですかね?
- 古澤:
- あ、すいません。失礼しました。
- 中居:
- いえ、とんでもない。清志郎さんは?
- 忌野:
- あ、いただきます。すごいことだよ、中居君に注いでもらうなんて。
- 古澤:
- そうか。悪いよな。
- 中居:
- あ、僕もいきますか?
- 古澤:
- これでいい?
- 中居:
- いいです。すいませんね。うちの父ちゃんに似てますね。
- 古澤:
- そう? だって、そのぐらいだよ、俺。もう爺ぃだ。ZZ TOP………あ、いいか。はい。
- 中居:
- じゃあ、古澤さんに何を記念して。やっぱり記念して乾杯したいですから。
- 忌野:
- そうしましょう。
- 中居:
- 何を記念して乾杯しましょうか?
- 古澤:
- じゃあ、そうだね。中居君に会えたし。
- 片山:
- 今度、清志郎とのアルバム「ホスピタル」も3月発売ですから。
- 古澤:
- そうそう。買って。
- 中居:
- 買いましょう。自腹で買います。
- 忌野:
- お願いします。
- 中居:
- じゃあ、乾杯。
- 片山:
- 何ちゅう展開なんだろうね。
- 古澤:
- 大丈夫なのかね?
- 中居:
- あのですね、僕、すごくお酒が弱いんですよ。
- 古澤:
- 飲まないほうがいいよ。
- 中居:
- すごい好きなんですけど、弱いんですよ。多分、すぐ気持ちよくなっちゃって、ポワーンとしちゃうんですよね。
- 忌野:
- ビールなんかお酒じゃないよね。
- 中居:
- え? お酒ですよ。あ、この番組で僕、お酒飲んだの初めてですね。
- 古澤:
- あ、本当。
- 中居:
- いつもアイスコーヒー飲んでるんですけど。清志郎さんはね、このあいだ来てくださいまして。
- 忌野:
- ええ。
- 中居:
- このあいだとちょっと待遇が違いますが。
- 忌野:
- そうですね。
- 中居:
- 清志郎さん、このあいだ出た時と、今日出る時の心構えも、多分、違うと思うんですが。
- 忌野:
- いやぁ。
- 中居:
- このあいだ、御覧になったことは?
- 片山:
- 僕、見ました。
- 中居:
- 御覧になりました? 篠原涼子さんと。
- 片山:
- はい。
- 中居:
- 古澤さんはもちろん。
- 古澤:
- 見てない。
- 中居:
- ね。見てない。普通は見ないですもんね。
- 古澤:
- 違う。テレビあまり見ないのよ。
- 中居:
- テレビ御覧にならないんですか? あんまり興味がないと?
- 古澤:
- いや、興味なくはないけど、ほとんどいないから、家に。だから、夜帰ったらそのまま寝てるから。
- 中居:
- 外では何をやってらっしゃるんですか?
- 古澤:
- 外で? 仕事。
- 忌野:
- 嘘つけ。
- 古澤:
- なんで嘘つけって。
- 中居:
- 「嘘つけ」っていうコメントありましたけども、もちろんお仕事もそうでしょうけども。
- 古澤:
- 酒飲んだりさ。
- 中居:
- 酒飲むのもやっぱり仕事の一つですか?
- 古澤:
- いやいや。
- 中居:
- 朝早くからお酒飲みに行くわけじゃないですしね。
- 古澤:
- 朝は起きたらすぐ仕事。
- 中居:
- すぐ出かけるわけですか?
- 古澤:
- そうそう。
- 中居:
- それはスタジオに?
- 古澤:
- 風呂入って。
- 中居:
- 風呂入りますね。
- 古澤:
- だから、あれなんだな。だから、朝酒はやらない。
- 片山:
- 偉い。
- 中居:
- 偉いですね。
- 古澤:
- あとはぜんぶね、朝寝、朝風呂ね。ばっちりだよ。だから、テレビ見る暇がないんだよ。でも、見てるよ、たまに。
- 中居:
- それは、どういう状況で見られるんですか?
- 古澤:
- だから、午後、たまに空いてる。で、つけたら君がいた。
- 中居:
- あ、じゃあ、見ようとして見てるんじゃなくて、つけたらたまたま僕が。
- 古澤:
- そうそう。
- 中居:
- っていうことは、僕に興味があって見たわけじゃないですよね。
- 古澤:
- まあ、そうだね。ごめん。
- 中居:
- いやいやいや。
- 忌野:
- 素晴しい。
- 中居:
- 篠原涼子さんと出た時ね、片山さんは御覧になって。
- 片山:
- はい、見てました。
- 中居:
- あれ、でも、ああいう篠原さんといる時の清志郎さんと、de-ga-showの皆さんと一緒にいる時の清志郎と、ちょっと違うんじゃないですか?
- 片山:
- そうですね。どうなってんですか?
- 忌野:
- いやぁ。
- 中居:
- あんなね。腕組んじゃったりするんですよ、テレビで。
- 古澤:
- らしいね。
- 片山:
- 腕だけじゃないしね。
- 中居:
- 寄り添っちゃったりもするんですよ。
- 古澤:
- でもなんか、スタジオでもなんかやってたよ。
- 忌野:
- やってないよ。やってないよ。
- 中居:
- 清志郎さん、ちょっと待ってくださいよ。スタジオとかでやってたんですか?
- 忌野:
- やってない、やってない。
- 古澤:
- 卓球、一緒にやってた。
- 忌野:
- あ、卓球やってたな。
- 中居:
- 仕事じゃないんですか? スタジオで仕事ね。曲を作るなり、歌を歌うなり。
- 片山:
- いや、このあいだ、今回のアルバムの時に、篠原さんもちょっと入ってるんですよ。
- 忌野:
- そうそう。遊びに来たので、やってもらったの。
- 片山:
- で、それのいろいろ、最初は録音がありますよね。トラックダウンとか、みんな少しずつ暇になるじゃないですか。その時にスタジオに卓球台があったんで、卓球をやってたっていう話です。
- 忌野:
- そうそう。
- 中居:
- けっこう呑気ですね。前もチラッと言いましたけども。
- 忌野:
- ああ、そうですかね。
- 中居:
- 今日も絶対に心構えが違うと思いますが、変わらないですか?
- 忌野:
- 心構えがあんまりないんですね。どうしてやろう、とか、そういうの。
- 中居:
- でも、ぜんぜん篠原さんとやるのと、皆さんとやるのとぜんぜん違うんじゃないかと。
- 忌野:
- そりゃそうでしょ。
- 古澤:
- だっておまえ、俺達いちおう男だよ。
- 中居:
- そうですよね。
- 古澤:
- 彼女は女の人だもん。
- 中居:
- 女性ですもんね。
- 古澤:
- そりゃ違うじゃない、やり方は。
- 中居:
- どう変ります?
- 忌野:
- いや、だって、テレビ局ぐらいしかイチャイチャできる場所なかったからさ、あの頃は。
- 古澤:
- いいよな。
- 中居:
- いいですよね。ああやって女性とね。de-ga-showの皆さんは女性の人とは?
- 古澤:
- 出かけないね。まったく。
- 中居:
- 興味ないんですか? そういうのに。
- 古澤:
- もう無いね。
- 片山:
- まあ、人によるんじゃないの?
- 中居:
- そういえば皆さん野球がお好きなんですよね?
- 片山:
- うん、まあ、そうですね。
- 中居:
- 古澤さんはどちらのファンなんですか?
- 古澤:
- いや、俺、ファンてないんだけど。
- 中居:
- ちなみにじゃあ、嫌いなチームは?
- 古澤:
- おまえが好きなチームが嫌いなだけだ。嫌なんだよな。
- 忌野:
- 嫌なんだよな。
- 中居:
- え? 皆さん? 片山さんも?
- 片山:
- あ、僕もアンチ巨人………あ、いけねぇ、言っちゃった。
- 中居:
- 清志郎さんは?
- 忌野:
- 僕は中日ファンです。ゴリゴリの。巨人、たまたまほら、去年さ、八百長で優勝したじゃん。
- 中居:
- そんなこと言っちゃダメですよ!!
- 忌野:
- その時なんか、嬉しくて訛ってたよ、君。テレビで。
- 中居:
- 訛ってました?
- 忌野:
- 訛ってたよ、あれ。
- 中居:
- 浮かれてたんですかね?
- 忌野:
- 浮かれてた、うん。「この野郎!」と思って。あの時、大っ嫌いだったよ。
- 中居:
- いや、僕はジャイアンツっていうか、野球が好きなんですよ、すごく。
- 片山:
- ウマいよね。
- 古澤:
- あ、やるんだ?
- 片山:
- 始球式とかで見たことあるけど、ちゃんとした球投げるんだよ。
- 古澤:
- なに? やってたの? 前。
- 中居:
- 小学校の時ですけどね。
- 古澤:
- 俺、中学校の時、野球部。
- 中居:
- やりましょうか? 今度。
- 古澤:
- でも、もうちょっと出来ないな。朝早く起きたりするの、もう出来ない。
- 中居:
- じゃあ、早朝6時、7時ぐらいからプレイボールですけども。
- 古澤:
- いや、その頃ちょうど本気で寝てる頃だからな。
- 中居:
- 本気と嘘気があるんですか? 睡眠には。
- 古澤:
- だから、夢見たりする時と、本気の時は違うの。脳の状態が。Oh! No!
- 中居:
- ……………。
- 片山:
- なんか、変なリアクションがあるなぁ。
- 古澤:
- でも、なんで好きなの?
- 中居:
- ジャイアンツですか?
- 古澤:
- うん。
- 中居:
- 僕なんかっていうのは、僕らが小さい頃、小学校の時っていうのが、テレビで放送してるものがジャイアンツ戦しかない。これは今でもそうですけど。
- 忌野:
- そういえばそうだな。
- 中居:
- 僕らっていうのは、深夜放送、例えばプロ野球ニュースだったり、朝のプロ野球ニュースっていうのは、やっぱり小さい頃は早く寝ますし、見る機会がないんですよ。
- 忌野:
- ああ、なるほどね。
- 中居:
- 他球団のプレイというものを。ですからやっぱりジャイアンツの選手がやってないっていうことは、ジャイアンツの知識しかないんですよ。これはしょうがないと思うんですけどね。
- 片山:
- そこで大きくなった時に変るのが人間じゃない?
- 古澤:
- 人間までいっちゃう? ひどいよ、おまえ。それはひどいと思うな、俺。野球でさ、人間とか、そんなべつにいいじゃない。
- 片山:
- いや、されど野球。
- 古澤:
- いや、いいと思うな、俺は。
- 片山:
- そうか。
- 中居:
- 片山さんは好きな球団とかないんですか?
- 片山:
- 前はね、西武ライオンズけっこうマジになってね。家が近いもんですから球場行ってたんです。
- 忌野:
- サックスとか持ってさ。
- 片山:
- いや、嘘、嘘。それで、よく行ってて、ジャイアンツとの日本シリーズありましたね。
- 中居:
- ありましたね。
- 片山:
- 秋山がホームラン打ってバック転した時。
- 中居:
- 勝ちましたね。
- 片山:
- あれなんて、今だにビデオ持ってますよ。
- 中居:
- あれはテリーとかまだいる時ですよね?
- 片山:
- いや、それよれもちょっと後なんですけど。
- 中居:
- その後っていうと?
- 片山:
- あの、えぇとね、あの時は4勝0敗の時ですね。
- 忌野:
- 巨人が?
- 片山:
- いえいえ、巨人が0勝のほうですね。あのシリーズのちょうど3戦目、チケットが手に入ったんですよ。で、家にビデオをセットして、それで観に行って。そしたらものすごいもの見ちゃって。もう感激しました。ああいうのは記憶ないでしょ?
- 中居:
- あれっていつでしたっけ?
- 古澤:
- おまえ、もう飲まないほうがいい。
- 中居:
- じゃあ、皆さんは飲んで下さい。あの時はいつでしたっけね?
- 片山:
- 90年かな? 1990年。
- 中居:
- 6年前ですよね。
- 片山:
- そうですね。その時に4勝0敗。まさかの。
- 中居:
- ありました。森監督の時ですよね?
- 片山:
- そうです、そうです。
- 中居:
- あの時、藤田監督ですよね?
- 片山:
- そうです。
- 中居:
- 原がまだ4番打ってましたからね。ありましたね。やっぱり嬉しいもんですか?
- 片山:
- ええ、もう。楽しくて、楽しくて。原君落球事件とかね、いろいろあったんですよ。
- 中居:
- ありましたね。あれ、僕、覚えてますもん。
- 片山:
- あと、上田っていう人でしたっけ? 2塁にいて牽制球に刺されて、ベシャってカエル状態になった人。
- 中居:
- あれ、刺されなかったらわかんなかったですよ。
- 古澤:
- なんでさ、野球選手になんなかったの? 好きだったんでしょ?
- 中居:
- ええ、僕、正直いうとプロ野球選手になるつもりだったんですよ。で、神奈川のほうなんで、僕は絶対に高校は、小学校の時から絶対にY高に行くつもりでしたし。で、小学校3年生の時に、「オヤジ、プロ野球選手に何が何でも」って。だから、朝起きてマラソンして、壁で一人でバーン、バーンて。で、素振りして。で、学校に走って行くんですよ。で、放課後も野球ですよ。
- 片山:
- イチローみたいじゃん。
- 中居:
- いや、もう本当、野球しかなかったですね、僕は。だから、見るのも7時からオンエアされるじゃないですか、放送が。で、6時から家に帰ってラジオ聴いてるんですよ、イヤホンで。
- 片山:
- わかるわかる、その気持ち。で、腹立つのがね、放送が9時半まで延長はできても、それ以降は放送ないじゃないですか。またラジオでしょ。
- 中居:
- ラジオで聴いてね。「今日の結果はどうなるんだ?」って。そんな毎日でしたね。ちっちゃい頃は。
- 古澤:
- なんでそれがこんなとこにいるの? そんな好きだったら。
- 中居:
- それでですね、あの、ぶっちゃけた話ですね、ある怪我をしまして。小学校6年生の時にですね、野球ヒジっていう。ここなんですけど、ヒジの骨が出っぱっちゃってるんですよ。野球のやり過ぎですね。で、小学校3年生の時には、僕はレギュラーをもらいまして、サードを守らせてもらいまして。だから、小学校の小さい頃から、小学校3年生でサードからファーストが遠かったんでしょうね。それを4年、5年と続けてると、やっぱり「ヒジが痛い」っていって病院に行ったら「野球ヒジです。見てごらんない、あんた、骨が出っぱっちゃってるでしょ」って。これがもう、ひっこまないんですよね。で、やっぱりちょっと水が溜まっちゃって。で、その時に「手術をしますか?」って言われたんですけども、僕んち貧乏だったんで、手術するお金が無かったんですよ。それでも野球をやりたくて。だから、サードは守れないけどもファーストだったらって、ファーストをずっとやってたんですよ。で、中学の時やって、中学に入るとレベルも高くなりますし。で、キャッチボールをやるじゃないですか。で、もう届かないんですよね、中学の距離になりますと。それで断念しましたね。
- 忌野:
- 野球の選手ってじゃあ、みんな野球ヒジなんかなってるのかね?
- 中居:
- どうなんでしょうかね? 僕なんか小さい頃は変化球も投げたくなりましたり。変にいろいろな投げ方してたんで。
- 古澤:
- 技術的だからダメなんだな。直観的にやんないとさ。だから、音楽もそうだよ。
- 中居:
- 音楽もそうですかね?
- 片山:
- ウマいなぁ、展開が。
- 忌野:
- ウマいなぁ。
- 中居:
- 今、僕も「来た!」と思いましたけどね。
- 古澤:
- やっぱり直感ていうのがさ。普通はさ、貧乏だったら病気しないんだよ。な? だから、あなたの場合は、まあまあの貧乏だったんだな。
- 中居:
- まあまあの貧乏っていうとどうなんですかね?
- 古澤:
- だから本当の貧乏だと、病気しない。
- 中居:
- 怪我もないと。
- 古澤:
- 風邪はひかない。
- 中居:
- 僕も風邪はひきませんでしたけどね。
- 古澤:
- ぜんぜん病気なんかしない。
- 片山:
- なんだか。
- 中居:
- ちなみに古澤さんは今お幾つですか?
- 古澤:
- ……え? 2。
- 中居:
- 2ですか。若いですね。62には見えないですけど。
- 片山:
- ウマい。ウマいなぁ。
- 古澤:
- やっぱ合ってるね、こういう世界ね。いいよ。で、思ったよりさ、今日、会ったらさ、可愛いよな。
- 忌野:
- 思ったより?
- 古澤:
- 俺なんか、思ったより可愛いよ。
- 中居:
- 可愛いですか? あんまり言われたことないですね。
- 古澤:
- いや、可愛い、可愛い。
- 中居:
- 思ったよりって、思ったのはどんな?
- 古澤:
- いや、だから、テレビとかで見てるとさ、なんかちょっと「クソ生意気な奴だな」と思ってたわけ。でも、今日、会ったらぜんぜん違う。
- 中居:
- そうですか。
- 古澤:
- いいよ。
- 中居:
- 好印象ですね。
- 古澤:
- え?
- 片山:
- 好印象。いい印象だなって。
- 古澤:
- あ、好印象。難しい漢字知ってるなぁ。
- 片山:
- 漢字?
- 古澤:
- 感じいいって言ってるのになぁ。あ、だからだよ。感じいいって言ったから漢字で返してきたんだよ。
- 片山:
- ああ、なるほどね。
- 中居:
- いや、とくに引っ掛けたつもりはないんですけど………。音楽もやっぱり直感ですか?
- 古澤:
- と、思うね、俺は。
- 中居:
- 古澤さんはでも、昔は小さいライヴハウスとかで。
- 古澤:
- いや、今だってそうだよ。なに言ってんた、バカ野郎。ずっとそうだよ。こんなんでも生きてこれるんだよ。62じゃないけどな。
- 中居:
- 今、52ですよね? 1945年生まれっておっしゃってましたから。でも、あの、メジャーになりたいっていう気持ちっていうのは?
- 古澤:
- 俺たちはさ、メジャーとかマイナーって俺、知らなかった。本当。最近になって少しわかったよ。自分じゃあさ、一番カッコいいのがジャズだって思ってたから。で、その当時、考えてみれば一番カッコいいのはやっぱりジャズだった。だから、何の疑いもなく「これはカッコいい」って思っちゃったから。その頃、メジャーデビューとか、そんなの言わないよな?
- 片山:
- なかったよね。
- 中居:
- 当時で言うと誰ですかね? いろんな人に、たくさんの人に注目されてるアーティストっていうと。
- 片山:
- そういうジャズとかで言うと、日野皓正、渡辺貞夫。そういう人がいましたよね。知らないですか?
- 忌野:
- MJQとかね。
- 片山:
- 向こうだったらね。
- 中居:
- わかんないですね。
- 片山:
- そうですか。
- 中居:
- でも、変な話、こう言っては本当、失礼ですけども、ジャズの魅力は僕、わからないんですよ。これ、本当、申し訳ないんですけど、ジャズのカッコよさ、ジャズの面白さっていうものが正直わかんなかったりするんですよね。
- 古澤:
- わかるとかじゃなくてさ、カッコよかったんだよ。わかる?
- 中居:
- 理屈抜きにカッコいいってことですか?
- 古澤:
- そう。もう、何にも考えないでカッコよかったんだ。
- 中居:
- でも、古澤さんがジャズをお好きなように、周りにはいろんなジャンルあるわけじゃないですか。ロックあったりポップスがあったり歌謡曲。まあ、いろんなジャンルがあって。他のジャンルには興味がなかったんですか?
- 古澤:
- その、始めた頃っていうのは、やっぱりジャズが一番いいと思って。今は例えばカッコいいのは、いっぱいあるよ。今だったらジャズよりカッコいいのがあるんだよ、俺には。
- 中居:
- 例えば何ですかね?
- 古澤:
- だから清志郎とかさ、カッコいいと思うよ。俺、あんまり知らなかったんだけどさ、この人。やってみたら、じつにプロだと思った。すごいよ、やっぱり。
- 中居:
- 清志郎さんのどこに魅力を感じます?
- 古澤:
- うーん?
- 中居:
- これも理屈なしですかね?
- 古澤:
- あのね、要するに普通の状態で、こういうふうにいるとしてヴォーカルを、歌をやるとするじゃない。そのテンションがさ、パッと歌やった瞬間にさ、落っこちないんだよ。歌のテンションが。もうそれ、すごいびっくりした。
- 中居:
- 歌のテンションが落っこちない?
- 片山:
- だから、いろいろなパワーとか発想とか、いろんなことが歌の世界ってあるでしょ。
- 古澤:
- 普通にこうしてて、パッと歌いに行くじゃない。で、バッと歌うわけ。
- 片山:
- それがますます上がってくるわけ、ライヴやってると。
- 古澤:
- それはね、すごいと思った。
- 片山:
- そんな褒めてどうすんだろ?
- 中居:
- 古澤さんと片山さんのお二人には、そういうパワーっていうのは?
- 古澤:
- いやいや、そうじゃなくって。会ってないじゃない。あなたが言ったように、他の世界ってあんまり知らなかったから。
- 中居:
- パッと出て、「さぁ! 歌おう!!」っていう時に。
- 古澤:
- それはすごいよ。それはやっぱり精神力みたいのは。
- 中居:
- それは、音楽に対する熱いものだったりするんでしょうね。
- 片山:
- そうだね。
- 中居:
- そういうとこでピンと来るものがあったんでしょうね。清志郎さんにとってde-ga-showのグループっていうのはどういうふうに?
- 忌野:
- いやぁ。
- 古澤:
- 答えづらいんじゃない?
- 忌野:
- いや、光栄です、僕は。古澤さんにそんなこと言われて。
- 中居:
- 昔から御存じで?
- 忌野:
- 良治郎? 古澤良治郎? 知らないとモグリだよ。古澤さん知らない奴はね。
- 古澤:
- あなたもべつに、だってあなたも知らないでしょ? 俺は知ってっけど。
- 中居:
- 僕は古澤さんですか? それはもう、ぜんぜん知らないですよ。
- 古澤:
- いいじゃん。ぜんぜん知らない人で、あなたをいっぱい知ってる人がいて、でも、こうやって一緒にいるわけだよ。いいじゃん。ナイス。
- 中居:
- ナイスですよね。ナイスということで注がせていただきます。
- 古澤:
- 悪いな、立たせちゃって。
- 中居:
- いえ、とんでもないです。片山さんも。
- 片山:
- ああ、どうもありがとうございます。
- 古澤:
- いいの? そんなに飲んで。
- 片山:
- はい。
- 中居:
- 片山さん飲まれないんですか? 日頃。
- 古澤:
- 飲んじゃいけないの。
- 片山:
- ちょっと飲み過ぎでね、入院したんです。
- 古澤:
- だから、あのCDってだから作ったんだ。
- 忌野:
- そうそう。入院費払うため。違うか。
- 古澤:
- 片山が死ぬとマズいから、死ぬ前にいっぱいCD作っとこうと思って。
- 中居:
- そんな飲まれてたんですか? 身体壊すぐらい。
- 片山:
- ええ。ちょっとね、依存症ですね。そういう時期がありまして。去年10月に血を吐きまして入院しました。
- 中居:
- 肝臓ですか?
- 片山:
- まあ、肝臓も悪いんですけど、直接は胃とかそのへんから出た血なんですけど。
- 中居:
- 肝臓悪いとよくないですよ。直らないですからね、肝臓は。
- 片山:
- でもね、ある程度までいかなきゃ直るんですよ。
- 中居:
- そうですか。ある程度まで。
- 忌野:
- それでも酒を飲む。
- 中居:
- まあでも、清志郎さんにとっては、古澤さんも片山さんも、やれるだけで嬉しい気持ちになります?
- 忌野:
- 片山さんは、あの、近所のアパート、近くに昔住んでて。だから、サックスがうるさいなと思って。俺、怒鳴りに行ったんですよ、「うるせぇよ!!」なんつって。ね。
- 中居:
- あ、そうなんですか。
- 片山:
- 国立のね。もうぜんぜん昔の話なんですけど。
- 中居:
- 何年前ですか?
- 片山:
- 20年以上前ですけどね。
- 忌野:
- 2、30年前だな。
- 片山:
- 30年はいかないだろう。
- 忌野:
- いかないか。
- 片山:
- それから今度、RCサクセションが売れはじめた頃に一緒に合流しまして。
- 忌野:
- そうそう。
- 片山:
- で、サポートっていうか、ずっとRCサクセションでやってたんです。
- 中居:
- へぇー。
- 片山:
- そういう感じで。
- 中居:
- それで古澤さんと。
- 片山:
- それで、今度は古澤さんていう人と僕がグループをやって、清志郎が一緒にやって。
- 中居:
- 清志郎さんて、いろんなセッションをしますよね。RCもそうですし、このあいだの篠原涼子さんともそうですし。ソロとしても活動しますし。
- 忌野:
- そういえば篠原さんがね。
- 中居:
- 何か言ってました?
- 忌野:
- あのね、「バカ、ウンコ、って言っといてくれ」って言ってましたよ。このあいだ電話で話したんですけど。
- 中居:
- バカ?
- 忌野:
- 「バカ、ウンコ」。「そう言えばわかるから」って言ってたよ。
- 中居:
- え? バカの次、何て言ってました?
- 忌野:
- 「ウンコ」です。「そう言えばわかる」って。
- 中居:
- 僕、バカはいいですけど、ウンコのほうは許せないですね。ウンコは臭いんですよ。
- 忌野:
- でも、言ってたよ、そういうふうに。
- 中居:
- 「バカ、ウンコ」ですか。
- 古澤:
- どういう意味なんだろうね。
- 中居:
- バカで臭いっていうことですかね? バカって馬に鹿ですよ。
- 古澤:
- 漢字強いなぁ。
- 中居:
- いや、それは誰でもわかると思いますけど。
- 古澤:
- なんで? けっこう中国に憧れてるの?
- 中居:
- 中国ですか? だって、中国に憧れなくても。
- 古澤:
- だって中国は書の国なんだよ。
- 中居:
- 漢字はね、全部、漢字ですけども。
- 古澤:
- だから、どこのうちにいっても、筆があんだよ。
- 中居:
- え? いや、そ、そうですけども。
- 古澤:
- で、ね。沖縄っていうのは、どこに行っても三味線がある。で、日本てのは、昔はどこ行っても刀があった。だから、中国は書の国で、日本は武の国で、沖縄は音楽の国だと。そういうふうに言ってたよ、リンケンが。リンケンが書いてた、何かに。
- 忌野:
- リンケン知らない?
- 古澤:
- 知ってるよな?
- 中居:
- いやぁ、それはもうね。
- 古澤:
- おまえ、東京の隣県出身だろ?
- 片山:
- すごいなぁ。
- 古澤:
- 面白くない?
- 片山:
- 面白い、面白い。
- 中居:
- あの、話がわからないんですけど。
- 忌野:
- そうでしょ。古澤さんわかんない。
- 古澤:
- 今の面白いと思わない?
- 中居:
- 今の面白いとこですよね? じゃあ、笑う部分だけ撮りましょうか?
- 古澤:
- いやいやいや。
- 片山:
- いや、普通に見てる人もわかんないと思う。
- 中居:
- おかしいですね。のんびりしてますね。
- 古澤:
- あ、そう? 俺、忙しい、すごい。俺だから、東京、平気だもん。
- 中居:
- え? 東京、平気? お生まれはどちらですか?
- 古澤:
- 仙台。東北の。
- 片山:
- ちょっとじゃあ、その話をしてやって。
- 中居:
- 仙台?
- 忌野:
- あの、仙台から古澤さんが初めて出て来たのは、18ぐらいだっけ?
- 古澤:
- 19。音大に入ったんだ。どうやったらミュージシャンになれるかと思って。だって、ずっと音楽なんてやったことないんだから。
- 忌野:
- もうさ、それで、出て来たら、夏場になったらさ、みんなTシャツじゃないですか。女とかもTシャツで。
- 中居:
- 暑いですもんね。
- 忌野:
- なんかブラジャーの線が見えるじゃないですか。
- 中居:
- ああ、透けますね。
- 忌野:
- で、古澤さん、ブラジャーっていうものの存在を知らなくて。「東京の女は、どうしてみんな骨折してギブスしてんだろう?」と思ったって。
- 古澤:
- いや、違う。「おはよう」って背中叩いたんだ。そしたら硬かったんだ
- 中居:
- ホックがありますね。
- 古澤:
- で、悪ぃと思って、先輩に「あの人、背骨かなんか悪ぃのか?」って聞いたんだ。ね。
- 中居:
- 何か硬いから?
- 古澤:
- そしたら「おまえ、マジか?」って言われたのね。マジも何もわからないから、「なんでマジって聞くんだろうな?」と思ったら、みんな言うんだよ。「おい、ちょっと来い」ってみんな集めて「こいつ、ブラジャー知らないみたいだ」って。それで、初めてわかった。
- 中居:
- みんなに馬鹿にされました?
- 古澤:
- 自分は知らないから、ぜんぜん馬鹿にされたと思わなかった。
- 中居:
- ブラジャーを知らなかったんですね?
- 古澤:
- まったく知らない。
- 中居:
- 仙台にはブラジャーはないんですか?
- 片山:
- そんなこたぁないでしょ。
- 古澤:
- 違う、違う、だからさ、いや、そういう暇なかったんだよ。
- 中居:
- いや、時間があれば覚えるとかじゃなくてですね。
- 古澤:
- 違う、違う。だから、俺がいた頃の仙台って、男の高校生は男だけ。女は女。それしかないんだ。
- 忌野:
- まだほら、戦後、間もない頃だからさ。その頃は。
- 中居:
- でも、母ちゃんがいたり、親戚の叔母ちゃんがいたり。
- 古澤:
- 母ちゃんがブラジャーするわけないじゃないか。小学校だって出てないんだよ。もう死んじゃったけど。で、何してたのって言ったら子守女だよ。
- 中居:
- でもブラジャーは……。
- 古澤:
- しない、しない。和服着てたんだもん。腰巻きだもん。
- 中居:
- ということは、ノーブラですね。
- 古澤:
- そうだよ、絶対。今、思えばね。
- 片山:
- すごいとこに話が行ってるね。
- 中居:
- 何人もいるじゃないですか。いくら男子高だっていったって、女子高だって。通学の最中に女子高の子をね、女学生を見たり。
- 古澤:
- それは見たよ。
- 忌野:
- 当時、無かったんじゃないの?
- 中居:
- 無かったんですかね?
- 古澤:
- ないない。だって、喫茶店だって行ったことないよ。
- 中居:
- 喫茶店なかったんですか? 仙台には。
- 古澤:
- あった、あった。
- 中居:
- あっても行ったことなかったんですか?
- 古澤:
- うん。
- 片山:
- けっこう真面目だった?
- 古澤:
- 真面目っていうかさ、急に音楽好きになっちゃったから、それしかないんだよ。
- 中居:
- 音楽に目覚めちゃって、音楽、音楽になっちゃって? 18、19ですか。
- 古澤:
- 19。
- 中居:
- 音大入って。それからもう、ずっとライヴハウスで。
- 古澤:
- この言い方。いいんだよ。ちっちゃいライヴハウスだっていいんだよ。そこに音楽があればいいじゃん。
- 中居:
- いいですけども、お客さん、もちろんいますよね。
- 古澤:
- 少しはね。3人とか5人とか。
- 忌野:
- そんな少ないの?
- 中居:
- 3人、5人ですか?
- 片山:
- いや、そういう時もありますよ。
- 古澤:
- だから、子供に「どこ行くの?」って言われた時に、「遊びに行く」って言って来てる。ちょっと失敗したんだけど。
- 中居:
- 何を失敗したんですか?
- 古澤:
- いや、いいんだけど。
- 中居:
- まあ、いいですね。
- 古澤:
- だっておまえ、いい歳の大人がさ、仕事行って、500円じゃ仕事じゃないだろ?
- 中居:
- ギャラがですか?
- 古澤:
- 例えばな。それじゃ遊びっていうしかないじゃない。
- 中居:
- そうですね。収入が無いに等しいですからね。
- 古澤:
- そうそう。
- 中居:
- 生活費にもならなかったりしますし。
- 古澤:
- 大変だよ、おまえ。女房の手を握っても、家賃は払えない、と。どうだ!! 大したことねぇか。
- 中居:
- ごめんなさい。
- 古澤:
- なんで謝んの?
- 中居:
- でも、さっきメジャーっていう言葉が出ましたけど、3人4人のお客さんだと。もっとたくさんのお客さんの前で自分の音楽を聴いてほしいなっていう気持ちってありませんでした?
- 古澤:
- いや、あるよな、それは。
- 片山:
- いや、いつもありますよ。
- 中居:
- それは今でもやっぱりもちろん?
- 片山:
- ただ、そのお客さんに合わせて音楽変えるのはちょっと嫌だなっていうとこはありますけど。まあ、そこがせめぎ合いですね。
- 中居:
- それはでもね、ずっとライヴハウスでやってて。
- 古澤:
- ライヴハウスなんて言わなかったよ、昔は。
- 中居:
- 何ておっしゃってました?
- 片山:
- まあ、ジャズのお店。まあ、ジャズ喫茶っていうと、昔のロカビリーとか、そういう感じになりますけど。まあ、なんて言ったかね? ジャズのお店ですね。
- 古澤:
- ライヴハウスなんて最近だよ。
- 中居:
- 昔はそういうふうに言いませんでした?
- 古澤:
- 昔なんてな、メジャーって言ったらさ、何で計るのかな? と思っちゃったりしてね。
- 片山:
- でも、清志郎も昔、そういうとこで演ってたんでしょ?
- 中居:
- 清志郎さんでもそういう経験、昔ありました?
- 忌野:
- ええ。
- 片山:
- もう、いっぱいありますよ。
- 中居:
- ずっと小さいライヴハウスで?
- 忌野:
- うん。
- 中居:
- お客さんいなかった経験とかもあります?
- 忌野:
- あります、あります。
- 中居:
- そういう時、どういう気分ですか?
- 忌野:
- いやぁ、でも、あんまり関係ないよな。
- 片山:
- うん。
- 中居:
- もう、自分たちの世界だけで音楽を?
- 忌野:
- そうそう。自分がカーッといってれば。
- 古澤:
- でも、哀しくないっていうことではないよ、やっぱり。それはさ、わかるでしょ?
- 中居:
- 何人ぐらいでやられるんですか? 音楽は。
- 古澤:
- だから、お客さんより多いんだよ、こっちが。
- 片山:
- あるある。
- 中居:
- それはマズいですねぇ。
- 片山:
- だから、勝った、負けたっていうのがあって。お客さんの人数よりも、少ないっていうか。お客さんのほうが演るほうよりも少ない。「うーん、今日は勝っちゃったな」。
- 中居:
- 勝っちゃマズいっスね。
- 片山:
- 勝っちゃマズいんですよ。
- 中居:
- 僕もありましたよ、そういう経験。そういう経験ていうかですね、移動するじゃないですか。で、追っかけのファンの子っているじゃないですか。で、そのために毎週ね、警備の人がくるんですよ、スタジオから。スタジオの警備の人が。で、警備が10人ぐらいいるんですけど、追っかけが4人ぐらいしかいないんですよ。警備のほうが多い時は寂しいですね。
- 古澤:
- あ、そう?
- 中居:
- 追っかけの子、1人につき2人ついてるんですよ。そんなにつかなくてもいいでしょ、みたいに。
- 古澤:
- そうか。じゃあ、あなたもけっこう寂しい思いをしてるね。大して変わんないじゃん。歳が違うだけだよ。
- 中居:
- そう、年代が違うだけだったりしますからね。へぇー。清志郎さんもそういう経験てあるんですね。
- 忌野:
- ありますよ。
- 中居:
- でも、やっぱりいつかたくさんのお客さんに聴いてもらいたい、たくさんのお客さんの前で歌いたい。そういう気持ちはもちろん強かったわけですよね?
- 忌野:
- どうなんでしょうね?
- 中居:
- でも、清志郎さんあれですよね、先ほどもいいましたけど、篠原涼子さん、坂本龍一さん、細野晴臣さんとか、いろんな人とセッション組んだりしてるじゃないですか。またね、今回みなさんとやるのとは、ぜんぜん違うんじゃないかなと思うんですよ。
- 忌野:
- まあでも、あれだよね。ジャンルとか、もう関係ないよね。
- 片山:
- そうね。けっこういろいろ聴いてたりとかして、幅が広いもの持ってるから。けっこう我々と一緒にやる時も、それなりにね、ちゃんと潜り込んできちゃうんですよ。怖いもんでね。
- 中居:
- でも、ジャズの経験ていうのはありました? 今まで。
- 片山:
- でも、我々、ジャズじゃないですから。そんな。
- 古澤:
- だから、あなたが知らないぐらいだから、ジャズっていうのは日本じゃさ、マイナーなんだよ。
- 中居:
- マイナーですか。
- 古澤:
- まあ、俺が言っちゃあおかしいけど。いいの、またそれが。気持ちいいの、ひたると。
- 中居:
- もっとメジャーになりたくないですか?
- 古澤:
- マイナーもいいんだよ。心地いいんだよ。だって、あなた例えば、どっか行きたいとこ行ったり出来ないだろ?
- 中居:
- どういうことですか?
- 古澤:
- だから、どっか行くと「あっ!」とか言われるだろ?
- 中居:
- まあ。
- 古澤:
- 俺、どこ行ったって何にも大丈夫だもん。ばっちりだよ。な。すると、いろんなものは見れるわさ、楽勝だよ。で、変なところに行けないだろ? 好きな女連れて。
- 忌野:
- 古澤さんなんか、未だにね、クラブ行ってね、ナンパしてんだよ。
- 中居:
- え!?
- 古澤:
- 計画ね、計画。
- 中居:
- え!?
- 古澤:
- いや、だから、計画はあるっていうだけで、まだちょっと実行する勇気がないね。
- 忌野:
- 計画なんだ? あれ。
- 中居:
- でも、僕は女の子好きですよ。女の子好きな子がいたら連れてきますよ。
- 古澤:
- 知ってるよ。
- 中居:
- 知ってます?
- 古澤:
- だって、絶対あれだろ? あなたぐらいだったら、どっかでなんかやってるでしょ?
- 中居:
- 例えば何ですかね?
- 古澤:
- どっちかっていったらさ、そういうタイプだろ?
- 中居:
- え? どういうことですか?
- 古澤:
- いや、影でさ、けっこうちゃんと男っぽいことやってんだろ?
- 中居:
- 男っぽいこと? 古澤さんにとって男っぽいってどういうことですか?
- 古澤:
- まあ、いろいろあめけどさ。まあ、野球好きだしさ。な? そしたらその、いつも誰かに管理されたりするの嫌でしょ?
- 中居:
- そうですね。やっぱり日頃は、普段はやっぱり。
- 古澤:
- そういう時はどこ行ってやるの? 言わないからさ。
- 中居:
- 言わないからって、ここで言ったらテレビ流れちゃうんですよ。でも、ごく普通ですよ。好きな女の子いればおうちに遊び来てもらいますし、自分が行きたい時は。
- 古澤:
- なるべく家で遊ぶようにしてんだ?
- 中居:
- いえ、デートもしますよ。
- 古澤:
- どこ行くの?
- 中居:
- いや、「渋谷で買い物しようか」って言えば渋谷行きますし。原宿も行きますし、新宿も行きますし。
- 忌野:
- なるほどね。
- 中居:
- なんの雲隠れもしませんよ。けっこうわかんないですよ、歩いてても。
- 忌野:
- あ、そう?
- 中居:
- まだまだなんですよ、だから。
- 古澤:
- そうだな。それじゃちょっとダメだよ、そこで満足してちゃ。もっとちゃんとビッグになんなきゃダメだよ。
- 中居:
- すいません。反省します。
- 忌野:
- ビッグになんなきゃ。そうだよね。
- 片山:
- メジャーどこじゃなくてビッグ。
- 古澤:
- そうそう。まだ可能性はあるよ、若いんだし。
- 中居:
- 頑張ります、僕。勇気付けられました。自信付きました、僕。
- 古澤:
- そう?
- 中居:
- やっぱり僕、この世界で頑張っていきます。
- 古澤:
- そうだね。合ってると思うわ、本当。
- 中居:
- 合ってますかね?
- 古澤:
- 役者やったほうがいいよな。
- 中居:
- 歌、ダメですか?
- 古澤:
- 俺、歌、聴いたことねぇんだよ。だって俺、わかんなかった、本当。だってさ、向こうのミュージシャンとやったレコードってあるじゃん。
- 中居:
- ええ、ええ。マイケル・ブレッカーとか。
- 古澤:
- 俺、あれ雑誌だけで見てさ。
- 中居:
- そう。今、言おうと思ったんですけど、ジャズアルバムっていうのがあるんですよ、SMAPの。
- 忌野:
- あ、そうなの?
- 中居:
- ええ、ジャズだけなんですよ。
- 古澤:
- それ、なんでさ、向こうの人とやろうと思ったの?
- 忌野:
- スタッフが思ったんだろ。
- 中居:
- スタッフの。僕なんかの音楽スタッフの気持ちが強かったんでしょうね。だから、新しい形態でやりたいっていうことがあったんでしょうし。
- 古澤:
- そういう時、なんで?
- 片山:
- そういう時は我々に、ほら。
- 古澤:
- 何か面白いことあるかもしれないじゃん。無かったらやめりゃあいいんだから。そうでしょ?
- 中居:
- そうですね。
- 古澤:
- そうだよ。これを機会にさ、「味いちもんめ」もいいけど、ジャズもちょっと聴いてみたほうがいいんじゃない?
- 忌野:
- ああ、それはいいかもしれない。
- 古澤:
- だから、まず、de-ga-showのCDを聴いてみて。
- 中居:
- アルバムいつでしたっけ? 発売されるの。
- 片山:
- 3月3日です。
- 中居:
- 3月3日。3、3。いいですね。
- 片山:
- 雛祭りです。
- 中居:
- いいですね。
- 忌野:
- でも、de-ga-showでさ、SMAP歌ったらいいかもね。
- 片山:
- ああ、そうとう面白いと思うよ。
- 忌野:
- な。
- 中居:
- そうですかね? 今度やりますか? 僕らと。でも、知らないんですよね、僕らのこと。
- 古澤:
- 知ってるよ、俺。
- 中居:
- なんていうグループ?
- 古澤:
- なんだっけ? スマ……。
- 片山:
- スマスマ。
- 古澤:
- SMAP。
- 中居:
- ええ、そんなような感じです。ちょっと長いから覚えにくいんですよ。
- 古澤:
- でも、俺、中居はもうわかったから。
- 中居:
- わかりました?
- 古澤:
- 俺、キムタク知ってる。
- 中居:
- あ、キムタク知ってます?
- 古澤:
- いちおう名前は。
- 中居:
- 顔は?
- 古澤:
- けっこういいと思う。好き。
- 中居:
- 好き? 見てるじゃないですか。
- 片山:
- けっこう知ってんのね。
- 古澤:
- なんか、あれが良かったんだよな。去年か一昨年の暮れにさ、なんか時代劇やったんだよ。
- 中居:
- 誰がですか?
- 古澤:
- キムタク。
- 中居:
- ああ、やりました、やりました。
- 古澤:
- あれ見てね、いいと思ったの。
- 中居:
- 何だっけな? あれ。10チャンなんですよ。
- 古澤:
- あれ見てね、いいと思ったの。
- 中居:
- そうですか。木村君いいですよ。
- 古澤:
- それ以降はね、けっこう好きなの。だから、あなたもその「味いちもんめ」なんだよ。
- 中居:
- けっこう10チャンよく見ますねぇ。
- 古澤:
- そう?
- 中居:
- どっちも10チャンですよ。
- 古澤:
- 俺、あんまり意識してないよ。10チャンていうのはなに?
- 中居:
- チャンネルが10。
- 古澤:
- ああ、そうか、そうか。十チャンだな。
- 中居:
- はい?
- 古澤:
- トーチャン。
- 中居:
- え?
- 古澤:
- 違う、違う。たまたまそうなんだよ。
- 中居:
- たまたま、ひねったところが10なんだ。
- 古澤:
- そうなんだな。そんなの俺、わかんないもん。
- 中居:
- そんなのわかんないですよね。
- 忌野:
- チャンネル変えてないんじゃないの?
- 片山:
- 変え方わかんないんじゃ?
- 中居:
- 10しか映らないとかないですよね?
- 古澤:
- そんなことない。
- 忌野:
- 最近、チャンネル付いてないもんね、テレビね。
- 中居:
- もうリモコンでパチッ、パチッ、パチッですね。
- 古澤:
- リモコンだろ? 知ってるよ。電源て書いてあるとこ押すとつくんだよ。知ってる、知ってる。
- 中居:
- けっこう知ってるじゃないですか。
- 古澤:
- あと何だ? なんか聞いてごらん。いっぱい知ってるよ、俺は。
- 中居:
- 僕はね、ちょっと清志郎さんに聞きたいことがあるんですけども。
- 古澤:
- 俺じゃなくてこっち。
- 中居:
- その古澤さんの魅力を僕は聞きたいんですよ。どこに魅力を感じて。
- 古澤:
- 違う。片山と清志郎は友達で、しょうがなくてやったんだよ。
- 忌野:
- 違う、違う、違う、違う。
- 中居:
- ちょっと待って、ちょっと待って。
- 忌野:
- まったくもう。
- 古澤:
- なになに?
- 中居:
- 古澤さんはそういう気持ちかもしれないですけども、清志郎さんはそういう気持ちじゃないと思いますよ。
- 古澤:
- でも、初めて会った時ね、言われたもん。
- 中居:
- なんて?
- 古澤:
- 「ただの飲んべぇだな」って。
- 中居:
- そんなことおっしゃったんですか? 清志郎さん。
- 忌野:
- いやぁ、そうだったかな?
- 古澤:
- いや、俺、上等だなと思ってさ。
- 中居:
- ちょっと腹立ちながらも?
- 古澤:
- だから、「なんだ、清志郎」。知ってるけど。
- 忌野:
- いや、初めて会った時ね、あの、ライヴに飛び入りしたんですよ、僕が。
- 中居:
- え? de-ga-showのライヴにですか?
- 古澤:
- うん。
- 中居:
- 清志郎さんが?
- 忌野:
- 札幌かなんかで。
- 中居:
- その前はde-ga-showの知識みたいのは?
- 忌野:
- それはもうCDとか聴いて知ってたんですけど。それで、飛び入りして、ライヴ終わって、その店で打ち上げみたいになるんですけど、古澤さん遥か彼方にいてね、こっち来ないのよ。
- 中居:
- なんで来ないんですかね? 何やってたんですか?
- 古澤:
- いや、だからほら、なんかさ、すぐさ、有名な奴きたからってさ、そばへ寄っていくとカッコ悪いじゃん。わかる? それ。
- 中居:
- 忌野清志郎がきたと。
- 古澤:
- そうそう。
- 中居:
- みんなワーッと「おい、清志郎だよ」と。
- 忌野:
- だって、一緒に演奏してんだよ、その前。
- 古澤:
- な、俺は俺でしょぼいけど生きて行けるわけだから、べつに清志郎きたからさ、「あ、はじめまして、古澤です」なんてカッコ悪いじゃん。と、思わない? おまえ、思うはずだよ。
- 中居:
- ………カッコ悪いですよ。
- 忌野:
- でも、演奏してんだよ、その前に。
- 片山:
- そうだよな。
- 古澤:
- でも、おまえはどっちかっていうとそういうタイプだろ? 本当は。この際、ちゃんと言ったほうがいいから、テレビで。おまえ、人気が出るよ。変わるよ。
- 中居:
- 僕はですね、今ちょうど一回りしたんですよ。僕はちょうど今から5年か6年ぐらい前かな? 僕、自分よりメジャーな人とお会いる機会があっても、「なーに? べつにオドオドすることないんじゃない? 挨拶? べつに、しなくったってさぁ」。
- 古澤:
- 挨拶はしたほうがいいよ。
- 中居:
- 挨拶はしたほうがいいですね。で、今時期になって、べつに、そんなに距離置かなくても、べつに人間同士ですから。例えば、清志郎さんとか。そりゃメジャーですけども、いろんなところで活躍されて、注目されてますけども、それは関係なく僕は行くと思いますね。
- 古澤:
- 裸でね。
- 中居:
- ええ。
- 古澤:
- 人生はね、シークレット&ライド。っていう映画、今やってんだよ。榎本さんに会ってさ。
- 中居:
- 榎本さんといいますと?
- 古澤:
- 役者の。
- 中居:
- 榎本明さん?
- 古澤:
- そうそう、そうそう。昔、あの人のレコードやったことがあってさ。
- 片山:
- またすごい話になってきた。
- 古澤:
- いやいや、いいんだけど。ちゃんとでも、会ったらさ、わかってるかどうか知らないけど、ふたりでちゃんと。だから、挨拶したほうがいいよ。
- 忌野:
- まだその話なんだ。
- 中居:
- ずいぶん遠回りしましたね。まだ飲み足りないですかね。
- 片山:
- そうですね。なんか古澤さんの毒気に当てられちゃってさ。
- 中居:
- どこ使うかわかんないですよ、僕。
- 忌野:
- でも、いいですよ、de-ga-show。
- 中居:
- 飛び入りで入って、ちょっと歌ったんですか?
- 忌野:
- うん、サックス吹いたりな。
- 片山:
- うん。
- 古澤:
- ばっちりだよ。
- 忌野:
- 歌ったりして。
- 中居:
- その時に、やっぱりde-ga-showの魅力みたいな。
- 忌野:
- うん。
- 中居:
- どこに惹かれました? 一番。ピンときたところはどこですかね?
- 忌野:
- あのね、カチッとしてないとこ。
- 中居:
- 決まり事がない?
- 忌野:
- リズムがブワーッと広い。大きい感じですかね。
- 古澤:
- だから、俺たちがダメだって言ってんだよ。
- 忌野:
- 違う、違う。
- 中居:
- でも、大もとのラインはちゃんとしっかりした上でのあれじゃないですか?
- 古澤:
- いや、まあ、良く言えばね。
- 片山:
- そうそう、そうそう。
- 古澤:
- 悪く言えばどうでもいいんだから。
- 中居:
- え? どういうことですか? どうでもいいって。
- 古澤:
- だって、だから、その、俺たちそういうふうにやってきちゃったんだよ。だから、今度さ、なんか楽器できないの?
- 中居:
- 楽器は例えば何でもいいんですか?
- 古澤:
- 何でもいいよ。
- 中居:
- 僕はあんまり楽器は。
- 古澤:
- あ、やんないほうなんだ。
- 中居:
- ええ。笛とか出来ますよ。
- 片山:
- いいじゃん。
- 中居:
- 縦笛。あとオカリナとか。
- 古澤:
- ああ、いいね。
- 忌野:
- 本当?
- 片山:
- 本当?
- 中居:
- ええ。
- 古澤:
- 来ればいいじゃん。突然。たまに暇な日あるでしょ?
- 中居:
- いや、もう暇ですよ。
- 古澤:
- じゃあ、いいじゃん。
- 中居:
- 出してくれます? 僕。
- 古澤:
- 出してくれるとか、そういうのないんだって。
- 片山:
- だから、客が3人かもしれないんだから。
- 古澤:
- だからいいじゃない。
- 中居:
- いいんですか?
- 古澤:
- 面白いよ。でも、あんま深入りするとよくないな。そういう世界になっちゃうから。やっぱり君もほら、御両親もいることだし。ちゃんと生活しなきゃいけないしな。
- 片山:
- どうもすいませんね。
- 古澤:
- だから、あ、俺はいいや。ウイスキー、ダメだから。
- 片山:
- なんか、ぜんぜんまとまんないじゃないか。
- 中居:
- 何の話しましょうか?
- 古澤:
- いいよ、べつに。ちょっとさ、トイレ行こうかな。
- 中居:
- どうぞ、どうぞ。ちょうどいいですね。
- 古澤:
- そしたら3人でビシッて。
- 中居:
- ありがとうございます。
- 古澤:
- ヌイグルミかなんか置いといて。
(古澤さんはトイレへ)
- 忌野:
- いやぁ、もう止まんないですからね。
- 中居:
- じゃあ、ここから本番ということで。
- 忌野:
- 本当、この二人(忌野と片山)が作ったの。プロデューサーでな。
- 中居:
- じゃあ古澤のお父さんは?
- 忌野:
- お父さんドラム叩いて、一曲作っただけだもん。
- 片山:
- でも、あの人はね、なかなかいいとこ突くんですよ。
- 中居:
- いいとこ突くって言いますと?
- 片山:
- あの、いろいろ変なことばっかり言ってるようでも、音楽で何かやったりする時に、ボソッ、ボソッとね、いいポイント、ポイントを押さえるわけです。それでやっぱりいないとね、困っちゃう人なんですけど。
- 中居:
- やっぱりいなくちゃいけない存在だったりするんでしょうかね、de-ga-showにしろ。
- 片山:
- そうなんですよ。
- 中居:
- さっき清志郎さんがおっしゃってましたけど、なんか決まり事のない、そういうとこに魅力を感じたっておっしゃってましたが。どういうことですか? 決まり事がないって。音楽を通じて思ったことですか?
- 片山:
- まあ、だいたいの線はあるんですけども、そこがどういうふうに発展してってもいいみたいな。そういうのは自由なんです。
- 忌野:
- そうなんですよ。
- 片山:
- だから、清志郎が歌ってて、急にやり始めのサックスを吹き始める。もちろんOK。それでそのまま曲が進行しちゃうと。そういう意味のいい加減さっていうか。
- 忌野:
- そうそう。だから、そこで中居君が入ってきてオカリナ吹いてもOK。
- 中居:
- おかしくない?
- 片山:
- ぜんぜんもうバッチシ。
(古澤さん戻る)
- 中居:
- 早かったですね。
- 忌野:
- 早かったね。
- 古澤:
- 早いんだよ。俺、早メシ、早グソ芸のうちって教わったからさ、早いんだ。何でも早いよ。
- 中居:
- 手も早い?
- 古澤:
- うん。喧嘩はけっこう早い。
- 中居:
- すぐ手が出ちゃうタイプですね。
- 古澤:
- そう。弱いんだけどさ。
- 中居:
- これは皆さん一人ずつに聞きたいんですが、聴いてる音楽もバラバラだと思うんですよ。で、今、ジャズをやってる。で、清志郎さんはロックも好きだったりするわけじゃないですか。音楽、その括りのなかで、何がいちばん大切だと思います? 音楽をやってくうえで。
- 片山:
- 何かな? まともだけど、気持ちかな?
- 中居:
- 技術的なことよりも?
- 片山:
- うん。テクニックはいらないって教わったから。
- 忌野:
- 教えてないよ、そんなの。
- 古澤:
- もう一回、俺に聞いてくれる?
- 中居:
- 古澤さんはちゃんと3番目に聞きますんで。今聞いたほうがいいですか?
- 古澤:
- いや、いい、じゃあ。
- 中居:
- やっぱり気持ちですかね?
- 片山:
- 僕はだから、やっぱり聴くほうも気持ちだと思うんですよね。音楽って何が面白いかっていったら、その時の気持ち気持ちで、好きな音楽も変わってくるし。そういうのもありますけど、その気持ちが少しでも共通できるものがある時、面白いと思うんだと思うんです。
- 中居:
- 清志郎さんは? いちばん大切なことって何だと思います?
- 忌野:
- なんですかね? 気持ですかね。
- 中居:
- グループの時とセッションしてる時と一人の時って、本当、違うと思うんですよね。
- 忌野:
- うーん? でもなんかね、だいたい衝動っていうんでしょうかね? そういうのが大事だと思うんかだけどね。「やりたい」っていう。
- 中居:
- 衝動。歌いたいっていう欲みたいなもんですかね?
- 忌野:
- ああ、そうですね。それを歌わないで黙ってると、ちょっとよくないんじゃないかなと思うんだよね、身体にも。
- 中居:
- 清志郎さんは、自分が歌ってることに対して気持ち良さを感じるのか、それともみんなで一緒にやってる時、その空気に気持ち良さを感じるのか。清志郎さんにとってはどうなんですか?
- 片山:
- まあ、両方なんでしょうね。自分の場合に当てはめて考えるとね。
- 忌野:
- 両方なんでしょうね。
- 中居:
- でも、ソロの時と、また勝手が違いますよね。
- 忌野:
- うーん? そんなに違わないよ。
- 中居:
- そうですかね?
- 片山:
- そんなに違わないと思いますよ。
- 中居:
- 他の人とやってる時と、あまり変わらないもんなんですかね?
- 忌野:
- うん。
- 中居:
- やっぱりその衝動ですか。なんか「やろう!!」っていう、やっぱり気持ちなんでしょうかね?
- 忌野:
- うん。
- 中居:
- ちょっと待って下さい。いきますからね。
- 古澤:
- 待ってる。
- 中居:
- 音楽をやってて、何に魅力を感じますか?
- 忌野:
- 自分に魅力を感じるな。
- 片山:
- ああ、出たね。「自分に魅力を感じる」。
- 古澤:
- 素晴しい。
- 中居:
- 音楽をやってる時の自分が、やっぱりいちばん魅力的に。
- 忌野:
- そうだね。やっぱりいちばん興味あるのって自分じゃない、やっぱり。
- 中居:
- ええ。
- 忌野:
- だから。
- 中居:
- でも、それ、わかるような気がするな、僕。僕が他にもやっぱり私生活ももちろんあるでしょうし、普段の自分ていうのも清志郎さんにあると思いますし。音楽をやっている時の自分がやっぱり魅力的に感じるんでしょうね。
- 忌野:
- そうですね。
- 中居:
- 清志郎さんから音楽をとったら大変なことになります?
- 忌野:
- うん。
- 中居:
- 「音楽をやるな!」と例えば。
- 片山:
- まあ、普通のなんか、閉じこもった男でしょうね。
- 忌野:
- ああ、そうですよ。
- 中居:
- っていうことは、もうずっと切っても切れないような関係なんでしょうね、清志郎さんと音楽っていうのは。
- 忌野:
- そうでしょうね。
- 片山:
- でも、だいたいこのぐらいの歳まで音楽ひきずってる奴って、みんなそういうとこありますよね。
- 中居:
- ずっとやっぱり、多分、今後もそうでしょうね。
- 片山:
- ええ。
- 中居:
- 片山さんは気持ち。
- 片山:
- ええ、まあ、そうですね。
- 中居:
- 清志郎さんは「やりたい!」っていう気持ちですよね。
- 忌野:
- うん。
- 中居:
- はい、そういったわけで………。あ、いやいや。
- 忌野:
- いいね。
- 中居:
- 最後ですね、古澤の音楽。いちばん何が大切だと思います?
- 古澤:
- やめないことです。終わり。
- 中居:
- やめないこと?
- 古澤:
- だから、音楽を始めたら、音楽をずっとやめないでやればいい。
- 中居:
- 死ぬまで?
- 古澤:
- まあ、そうだろうね。本当は死んでもさ、続いてんだよ。
- 中居:
- 死んでも続くと言いますと?
- 古澤:
- 俺も死んだことないからさ、死んでも終わらないんだよ、あれは。だから、死ぬまでとかっていうんじゃなくて、多分ずっとやってんだよ。生まれるまでずっと。だから、たまたまそこにいるからずっとやればいい。
- 中居:
- ずっと。
- 古澤:
- そう。だって、音楽がさ、なんであるのかわかる? わからないでしょ?
- 中居:
- わからないですね。
- 古澤:
- 誰も頼んだわけじゃないじゃん。そしたらやるしかないじゃん。誰に頼まれたわけじゃないんだ、俺。音楽やってくれなんて。だから、俺はやる。
- 中居:
- 例えば周りで「やめてくれ」って言われてもやっていくでしょうね。
- 古澤:
- 「やめてくれ」って言われたら、べつにやめてもいい。
- 中居:
- なんですか? それ。大切なことって言ったじゃないですか。
- 古澤:
- 中居、違う。だけどさ、その「やめてくれ」って誰か言うの?
- 中居:
- 誰も言わないですけどね。例えばね。頼まれたわけじゃないですから。やめないこと。じゃあ、やめようと思えばやめれちゃうんですよね、いつでも。
- 忌野:
- そうだね、きっとね。
- 古澤:
- そうだね。だから、やめてもいいからやめないんだよ。だから、やってもいいんだけど、やめたい人はやめればいいから。
- 中居:
- やっぱり好きだからでしょうね、音楽が。
- 古澤:
- いや、いっぱい好きなことあるよ。
- 中居:
- 何が好きですか? 古澤さん。
- 古澤:
- いろいろ好きだよ。
- 中居:
- 音楽とお酒、どっちかやめろっていったらどっちやめます?
- 古澤:
- どっちもやめない。
- 中居:
- 聞かなきゃよかっですね。
- 古澤:
- だって、べつに死んでもいいんだもん。死んでも終わらないんだもん。やるしかないんだ。
- 中居:
- 死んでもやるしかない。
- 古澤:
- 死んでもっていうのは、まあ、「でも」だから、死なないんだって。
- 中居:
- 古澤さんの音楽が死なないわけですよね?
- 古澤:
- いやいや、そうじゃない。死なないんだよ。だから、そういう話はまた別な機会に。
- 中居:
- でも僕、わかりますよ。音楽は死なないっていうの。
- 忌野:
- 古澤さんが死なないんだよね。
- 古澤:
- そうそう。
- 中居:
- 古澤さんは死なないですよね。
- 古澤:
- いや、もうすぐ死ぬけど。
- 忌野:
- どっちなんだよ?
- 古澤:
- だから、もうちょっとだよ。もうちょっと。
- 中居:
- 古澤さんという、その存在がなくなっても音楽は死なないっていうことですか?
- 古澤:
- まあ、キレイに言えば。真実はそうじゃなくて、死んだと思っても死んでない。だから、俺たちは死んだ人は死んだと思うけど、死んだ人たちは死んでないの。
- 片山:
- だから、死とは何かっていう世界だね。
- 中居:
- 丹波さんの世界ですね。
- 古澤:
- いや、ちょっと違う。丹波さん、近所だよ。
- 中居:
- すいません、また余計なことを。だから僕、言わんとすることわかるんですよ。でも、本当、言葉で説明するのはね。
- 古澤:
- 難しいよね。この指輪いいじゃん。
- 中居:
- いいですか?
- 古澤:
- なかなか。どうして気にしてるの? 喋りながら触ってたじゃん。
- 中居:
- 触ってました?
- 古澤:
- 好きなの?
- 中居:
- ええ、好きですね。
- 古澤:
- 本当。いいよ。そういうの。こだわるっていうのがいいよ。
- 中居:
- 古澤さん、酔っ払ってます?
- 古澤:
- ぜんぜん。
- 片山:
- 普段からこんな感じ。
- 中居:
- 普段からこんな感じなんですか。
- 古澤:
- だって、ビールだけだよ。
- 中居:
- そうですね。お酒じゃないですもんね、ビールは。
- 古澤:
- だってさ、本当はさ、ラムとかさ、焼酎とかいいんだけどさ。
- 中居:
- すいません、気が利かなくて。
- 古澤:
- おまえさ、ビールの後にアイスコーヒ飲んでウマい?
- 中居:
- いや、ちょっと喉が乾いて、ビールがなくなっちゃったんでね。じゃあ、今度、本当ライヴがあったら飛び込みでね。
- 古澤:
- おお、いいよ。
- 片山:
- ぜひ。
- 中居:
- 行ってもおかしくないグループっていことですか。
- 片山:
- はい。
- 中居:
- 我々のライヴに来るっていうことはいかがですか?
- 古澤:
- あ、俺、行くよ、今度。まだ一回も行ったことないから、ぜひ。
- 中居:
- じゃあ、ぜひともペンライトとハチマキと。
- 古澤:
- なんて書いてあるの? それは。
- 中居:
- 「中居正広」って僕の名前が書いてあるんです、うちわと。「L・O・V・E I love 中居」っていうの。
- 古澤:
- わかった、やるよ。
- 中居:
- やってもおかしくないんだと思うんですよね。
- 古澤:
- うん、ぜんぜん平気だよ。
- 中居:
- ぜひともなんか、機会があったら、音楽を通じて一緒になることがあるといいなと思います。その時はまた一つよろしくお願いします。
- 片山:
- お願いします。
- 中居:
- はい、今週のゲストは古澤さん、片山さん、そして忌野清志郎さんでした。どうも、ありがとうございました。