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- 小室:
- こんばんは、小室哲哉です。「TK MUSIC CLAMP」も4回目になりました。えぇとですね、ま、ずっと忙しいんですけれども、今週もしかしたらちょっとですね、あの外国に行ってですね、少しだけ休もうかなって思ってるんですが、どうでしょうか? えぇと、そういう訳で、もう、すぐゲストの方を呼んじゃいますが。
- 飛鳥:
- どうもどうも、お久し振りで。
- 小室:
- えぇ、飛鳥さんに来てもらいましたけども。どうも御無沙汰してます本当に。
- 飛鳥:
- 本当に久し振りだよね。スタジオで会ったのが、本当に最後だっけ?
- 小室:
- あれもねぇ、何年前かももうちょっと覚えてない。
- 飛鳥:
- あの、まわりがほら、友人関係がすごい似てるとこが集まってるんで、なんか情報はね、お互い取れてるからね。
- 小室:
- そうですね。あと、いちおう見ますから。本とかテレビ通して。
- 飛鳥:
- いや、俺も見てますよ。
- 小室:
- だから大体わかりますけどね。「あぁ、アジアのほうへ周ってんだなぁ」とかね。
- 飛鳥:
- そうね、今はね。アジアね。
- 小室:
- もう去年で終わったんですか?
- 飛鳥:
- うん。あのね、去年とりあえずまぁ、アジア、アジアって言われてもほら、あの、香港とシンガポールと台湾で、まぁどうしてもほら、背景っていうかね、いろんな人達が「アジアツアー」って言い方をするから、すごい周ったように見えるんだけど。でも、今年はね、やっとそういわれても、それなりのツアーになって来たかなぁっていうね、ぐらい増えてきたんで、今年はちょっと「アジアツアー」って呼ばしてもらおうかなと。
- 小室:
- あぁ、そうなんですか。あの、俺もやったことないから、わかんないけどね。「香港とかはいいなぁ」って思ってることは思ってるんですけどね。
- 飛鳥:
- あの、なんて言うんだろうね? 昔ほら、日本のいわゆる音楽というよりも、なんいうんだろうな? 言葉を間違えると怒られるんだけど、まぁいわゆる芸能界というところで発信したものが、アジアに行っちゃったり、まぁ香港なんか行っちゃうとウケちゃうという時代から、やっぱ向こうは向こうなりにほら、音楽の文化出来上がったでしょ。そうするとね、自分たちの国の音楽で、もう満足すんのね。香港は香港、シンガポールはシンガポール、台湾は台湾で。で、それですごい独立しちゃってるから「べつに日本の音楽聞かなくてもいいや」っていう空気がすごい長いあいだ流れてて、すごい行く前はね、難しい難しいっていわれながらのね、まぁコンサートだったんだけど。でも蓋を開けて見ると、わりとなんか今ちょっといろんな意味で好意的に感じてくれている人達が向こうにいるんで、ツアー面白かったなぁ。
- 小室:
- 面白かったですか。いや、面白いだろうな、とは思っているんだけどね。やっぱりねぇ、日本だったら大体反応も全部わかるじゃない。ほとんどね、まぁ違うとはいっても。僕は最近やってないからね、あんまりわかんないんですけど。でもやっぱり新鮮でしょうね、向こうは。
- 飛鳥:
- 日本の場合ほら、お客さんがね、なんかミュージシャンに気を使う状況でしょ。「とにかくこう盛り上げてやんなきゃ」とかね。で、そういうお客さんの気持ちもわかるから、それに答ちゃうみたいな。それに答えてる僕らがまた、お客さんにわかるから、お客さん、さらに盛り上がるみたいなね、相乗関係できてんだけど。やっぱり全く言葉の違う国でさ、あの、ほら、僕らにとって英語圏の人達って、言ってみればまぁ、言葉は違っても英語だったりするじゃない。英語はまぁそれなりにほら、親しんでるところがあるから。でも、向こうの人にとって、日本語なんてもう完璧わかんない訳なんで、そんだけでなんか最初オープニングの後、ちょっと一瞬たじろぐ瞬間あったんだけど、でもこれが少しずつこぅテンションがこぅ向こう変わってくるのがわかると、自分たちのペースになるっていうの?自分たちのペースにハマってきたなって思うと、あとはもうちょっと、好きなことやらしてもらったなっていうとこあるんでね。今年はほら、いろんな意味でわかってるでしょ。そのスタートラインが。
- 小室:
- リピーターっていうか、そういう人来るんですよね。この間行ったからまたってね。
- 飛鳥:
- うん。それもあるだろうし、やっぱり興味本意で、一回来てみようって思った人たちが、「あ、自分の求めてるものとは、違うぞこれは」って思った人たちは、もう来ないだろうしね。でもまた、そういうそれ以外の枠の人たちが、来るだろうから、それを残しつつもね。
- 小室:
- そうですか。今年もやるんですね。ツアーはね。
- 飛鳥:
- そうでしょうね、秋にやってみようかって思って。
- 小室:
- ロンドンは? 行ってます?
- 飛鳥:
- ロンドンはね、そう地下鉄があってね。えっ? どの辺に住んでたんだっけ?
- 小室:
- 僕はね、上の方ですね。上の方っていうかあの、スイスコティッジ。駅でいったらね。
- 飛鳥:
- 僕はね、あの、ちょうどここから行くノーザンラインっていうのがあるんだけど、そこのあの、フィンチェリーっていうね。
- 小室:
- わかりますわかります。
- 飛鳥:
- わりとほら、昔、日本人学校があって、日本人が多くいて。
- 小室:
- フィンチェリーロードっていう道?あの、レンタルビデオ屋さんとかあって。行きましたよ僕。ジャパンマーケットじゃないけど、そういうのあるでしょ。
- 飛鳥:
- そうそう。あのジャックね。もう不当な商売って言われてるね。
- 小室:
- そうですよね。普通のテレビのドラマを、お金出して貸してんだもんね。
- 飛鳥:
- あれはでも、文句いえないでしょ。もう普通の、日本から送られてきたね、ただダビングしただけのものを貸してて。でもそれでもね、向こうにいる人にとっては有り難いんだよね、それが。だから誰も文句いわない。ま、面白い商売だなと。
- 小室:
- あぁ、あっちの方なんですか。お家もあるんですか?
- 飛鳥:
- いやね、だから2回行って、2回とも借りたんだよね。やたら行くとほら、向こうに家持ってるとかすぐ言われちゃうんだけど、そんなことなくて。家持ってんの? むこうには。
- 小室:
- 持ってないです。
- 飛鳥:
- そんな人めずらしいんだけどね。
- 小室:
- でも、永住とかいわれてたしね。一時期ね。スタジオは?
- 飛鳥:
- スタジオはね、いろんなスタジオをちょくちょく替わったりしてたんだけど。まあでも、スタジオの機材なんてのはもう、変わんないしね。
- 小室:
- で、結局あれだよね、やっぱりレコーディングとか、ちゃんと目的があって行ったりしてるよね。
- 飛鳥:
- そうそう。だから向こうに行ってもほら、半年間なにやってるかっていうと、日本で、こんだけ押されながら仕事してる状況とまた違って、自分の仕事だけできるでしょ。そうするとね、あの、時間という決定を出してくれるものがないから、いつまでもやっちゃうことがね、結局忙しくなっちゃってて。だから「アルバム一枚作るのに、本当にこんな時間かけて作っていいのかな?」って気持ちが向こうでした。でもそれが結果として僕には良かったなっていう。僕はほら、行く前にねぇ、小室にいきなり電話してさ、「ちょっと教えてくんないか? ロンドンの状況を」っていうのがあって、ずいぶんね、聞かさしてもらったんだけど。
- 小室:
- 懐かしいですねぇ。
- 飛鳥:
- いや、あれはでも本当に有り難かったですよ。あれ、勇気になったしね、向こうに行ってやれるっていうね。
- 小室:
- でも、あの飛鳥さんの、あれぐらいの時期から変わりましたよね。いろんななんか。いろいろ音楽も変わったしね、すごく。
- 飛鳥:
- って言われんだけどね。なんだろうって思って。向こうに行って、だから向こうに影響されるようなことってなんにもなくて、ひたすら家に入り込んで作ってたでしょ。で、向こうのミュージシャン達と、そんなワイワイやってる覚えもないしね。ただ、向こうに行くとほら、自分が日本で音楽をやってるものなんだっていう、なんていうんだろうね? 向こうに行っての疎外感を味わう? すごい孤独感味わったりするでしょ。
- 小室:
- そうだね、それはね。
- 飛鳥:
- だから、そういうとこからね、かえって日本人だという意識は芽生えるから、そん中でなんかうーん? なんか確立するものがあったんだろうね、言えば。
- 小室:
- ですかね。やっぱりね、聞き方が違うじゃない、曲の。普通に新曲ですっていわれても、あの、音楽的な流れから聞くからさ。あぁ、変わったなって思いましたよ、すごく。変わったなって思ったし、「あ、こういうところからこういうもん引っ張ってきて、あの、いわゆるそういうヒットチャートっていうとこにね、持ってきたのかな」とかね。そういうのも考えましたよ。あの、べつに今まで一回もなかったものじゃないとは思うんだけども、どっかにあったものだと思うんだけど、これをそういうたとえばシングルとかにね、持ってきちゃえっていうようなね。そういう発想が変わったのかなとか思ってて。アルバムの中のね、もしかしたら、いつもは一曲にしてたのかも知んないんだけど、これを思いきってこぅ、世の中にボーンと出しちゃえっていうような、そういう感じはしたんだけどね。
- 飛鳥:
- あの、それはある時期から感じてるでしょ? 自分でも。
- 小室:
- まぁ、僕もそうですけどね。
- 飛鳥:
- 昔ほら、僕ら79年のデビューなんだけどさ、当時はあのシングルヒットこそ全ての時代であって。やっぱりほら、チャートつける番組もすごい多かったりした中で、あの、なにがシングルかって言われた時に、自分がノるよりも、まずヒットすることが大切だっていうことでね、ずいぶん動かされちゃったんで。いつの間にか自分の中で、ヒット曲こういうもんだっていう、なんか、そういうものが出来ちゃってて。でも、ある時期ほら、音楽長くやっていくと、ライブ楽しさであったり、自分たちが何やんなきゃいけなかったりっていうことが、だんだんはっきりしてくるでしょ。そうするとね、ヒット曲って関係無くなっちゃうのね。今自分たちがやりたい物を、紹介したいんだよって気持ちになった時に、そういう姿勢が現れるよね。なんか気持ちがあったよね。
- 小室:
- そうかも知れないですね。ま、でも一番理想ですよね、それはね。
- 飛鳥:
- それをやらしてくれた、っていうスタッフにもまあね、感謝しなきゃいけないんだけど。ま、同じように、自分たちの意識と同じように変化してくれからね。
- 小室:
- で、テレビもそうなんですか? 最近はほとんど出ないですよね。
- 飛鳥:
- そう、あのね、テレビってね、そんなに出てるつもりないんだけど、出るとすごく出たっていうふうに言われちゃうんで。
- 小室:
- 俺なんかも、すげー言われちゃうんですけどね、今ね。そんなに出てる意識は無いんですけどね。
- 飛鳥:
- いや出てるぞ。
- 小室:
- 出てますか?
- 飛鳥:
- だって、雑誌見るとだっておまえ、顔出て来るもん。小室の顔。
- 小室:
- 今はね。今までで一番多いかも知れないね。
- 飛鳥:
- そうか。そうだよね。
- 小室:
- だから「あぁ、最近ワザと出なくしてんのかな?」とかね。チャゲ・アスとしてっていうかわかんないけどね。
- 飛鳥:
- うん、そう、ね。あの表向いていろんなこと言うと、また誤解されちゃうんだけど。やっぱりほら、出ちゃいけない時期とか、自分達の中で感覚であるでしょ?
- 小室:
- ありますね。わかりますね、それ。
- 飛鳥:
- 感覚なんだよね。なんかその、出ちゃいけない匂い? そこに敏感になりたいなって思ってさ。ま、ソロの時はソロで出ましょうと。だからチャゲもそうだろうね。もうソロはソロだ。チャゲアスと関係無いんだ。好きなことやっちゃおう。でもチャゲ&飛鳥で出る時には、やっぱりしっかり守って、いろんなことを匂い嗅ぎ分けていこうかな、みたいのあってね。それはやってますよね。
- 小室:
- うん、それはわかりますね。隣に一人の人、仲間の人いるいないでも、ずいぶん違うんですよね、きっとね。
- 飛鳥:
- TMはでも、出なかったよね?
- 小室:
- TM出なかったですね。
- 飛鳥:
- TM一緒に出たのだって、ヒットスタジオで1〜2回一緒になったぐらいかな。
- 小室:
- うん、かも知れませんね。
- 飛鳥:
- 「ああ、こういうグループなんだ」っていうね、うん。ぜんぜんほら、周りが見えなくなって。周りのことって見えてる? 音楽やってて。日本の音楽状況って。
- 小室:
- うん、やっぱこのところはね、見ないとしょうがないんで、すごく見てますけどね。TMやってた頃のがわかんなかったね。自分達すごく孤立してたイメージあったかなぁ?
- 飛鳥:
- あぁ、孤立してたよ。
- 小室:
- あ、してました?
- 飛鳥:
- いやだから、その孤立はねぇ、すごくイメージよかったんだよね。なんかあの、なにをやってるか得体の知れないっていうさ。しかしお客さんはしっかりつかんでるっていうね。なんかまあ、孤立というとあれなんだけど、なんか特異なとこにいたような気がすごいしてたなぁ。
- 小室:
- 昨日もでもね、そういう話ちょっとしてたんですけどね。貸しレコード屋さんやってた人がいて、で、やっぱTMがなんで売れるのか、ずーっとわかんなかったって。でも確実に借りる人がいたっていうね。
- 飛鳥:
- でも、ちゃんと曲聞くとわかるんだよ。
- 小室:
- うーん? そうですかね? あの、真面目なファンの人がついてくれてたんで、すごく真剣にちゃんとね、聞いてくれる人が多かったとは思いますけどね。えぇ、でも「孤立してて、すごい寂しいね、僕たち」とかって3人でいつも言ってましたよ。
- 飛鳥:
- その孤立っていう言葉がまたあれなんだけど。
- 小室:
- 違いますか?
- 飛鳥:
- うん。あの、独特なものをなんか感じたもんね。で、ほらあの小室メロディーって言われててさ。ね、言われてるよね。あの辺の感覚っていうのは、少なからずみんな感じてたから。「あ、なんか今の流れの中で、違うことを持ち寄ったバンド、持ってきた人達だな」っていうのはすごい気はしてたからね。またそれは、世代の近い人達だった思わなかったから。俺たち学生デビューだったからね。
- 小室:
- 俺たちもね、ぜんぜん上だと思ってたんですよ。
- 飛鳥:
- でしょ?
- 小室:
- だからあの、井上陽水さんとか、あそこまではいかないけど。
- 飛鳥:
- 陽水さんはだって、僕はまだ陽水さんは会っていまだに緊張するもん。拓郎さんなんか話できないもん。
- 小室:
- あぁ、じゃまだ俺の方が普通に話せるかも知んない。
- 飛鳥:
- あ、そう?
- 小室:
- 陽水さんしか。僕けっこう今、普通に話せるようになりましたよ。
- 飛鳥:
- やっぱりそうなんだろうね。ま、あんまり機会ないから、まだやっぱ緊張するしね。ま、僕らはまあ世代としては、あの、妙な世代なんだよね。
- 小室:
- 僕は、本当アマチュアとかで、高校とかで聞いてた人達の方に、チャゲアスって入ってたから。
- 飛鳥:
- え? いや、だってそんなこと。
- 小室:
- いや、木根とか宇都は絶対に。
- 飛鳥:
- 木根、宇都は同い年だもんね。
- 小室:
- 同じ年でしょ? そうなんですけど、あの人達もそういう意識はなかっと思うね。やっぱり。
- 飛鳥:
- あの時、学生デビューがね、なんかバタバタってきて。
- 小室:
- 要は、早かったですね、要は。
- 飛鳥:
- 早かった。21の時のデビューだから。ほら、コンテスト番組がね、いたるところでやってたでしょ。コンテスト、出たでしょ?
- 小室:
- 出ましたよ、僕達も。
- 飛鳥:
- POPCONは?
- 小室:
- POPCONは出なかった僕は。
- 飛鳥:
- そっか。え、どの辺だっけ?
- 小室:
- 僕は、フレッシュサウンズコンテストってやつだったから。
- 飛鳥:
- フレッシュサウンズコンテストって?
- 小室:
- フレコンっていうのあったんですよ。そういう。
- 飛鳥:
- ソニー系列?
- 小室:
- いや、そういうんじゃないですね。あの、地味なコンテストですね。
- 飛鳥:
- 地味な。
- 小室:
- EAST WESTとかあったでしょ?ああいうのは出ましたけどね。POPCONはね、歌う人がやっぱりメインでやってるバンドじゃないと、出る気にならなかったコンテストだったから。やっぱり歌の楽曲がしっかりしてないと。で、俺みたいにこう、弾いて楽器をアピールするようなのって、ちょっと違ったんだよね。だからあんまり出るのなかったんですね、僕たち。
- 飛鳥:
- そっか。俺たちの時ね、周りはとりあえず福岡にいて、コンテストっていうのが、やっぱり一番メジャーだったのがPOPCONたったからね、そこに出ることが、ちゃんと音楽をやること、みたいな意識にされてたから。ある種YAMAHAに洗脳されてたかも知んないんだけど。そこでうまい具合にあの、間、なんていうの? タイミングよくね、ラッキーなことに、ポンポンっていっちゃったからデビューできたんだけど。
- 小室:
- もう一発目は大作ですよね。あの曲はね。
- 飛鳥:
- え、「ひとり咲き」でしょ。あれからやっぱね、「ひとり咲き」から2曲目「流恋情歌」の時にはもうヒットスタジオ開けられてたんだけど、3曲目の「万里の河」ってあの辺の3曲って続いた時に、このイメージっていうのは怖いもんでね。で、自分達もほら、本来ポップなものを聞いてきたはずだったんだけど、売れるために何をしようかって考えちゃったから、こういうとこの音楽の、ここに飛び込めば売れるんじゃないかっていうんで書いちゃったからね、本来それをこうやっていくバンドじゃなかったはずなのに、あれで売れちゃったもんだから、あとからこのイメージっていうのはなかなか、取りづらかったよね。で、みんな言うことなんだけど、ヒット曲がでると、次が辛いっていうのは。ま、それをまざまざ僕らも体験しちゃったから。だから今の方が自然にやってるかなぁ。
- 小室:
- でも、ブランドは、名前は一応ね、変わってないわけじゃない、最初から。で、まあこういう言い方も変だけど、よくこの荒波を乗り越えてきてますよね。本当にね。
- 飛鳥:
- それってほら、あの、そうなのよ。もう今年の8月で16年なんだけど、音楽変わったもんね。アナロクからデジタルへ。
- 小室:
- そう、だって無い楽器で作ってんだもん、なんか、その時に。一切ないよね。
- 飛鳥:
- 僕あの、いわゆる打ち込み物がね、主流になる時に、新し物好きだったから、知り合いがあの、まあ、たまたまそれに飛びついた人達がいて、そこに足繁く通っててね、興味湧いちゃったのよ。
- 小室:
- そこで興味湧いたのが良かったよね。
- 飛鳥:
- それでね、ギターで作ってたものがね、ギターで実際曲作ることにちょっとね、あの、なんていうの、自分ではこう、もうギター合わないんじゃないかな、と思ってる時にね、じゃあ何を?でもピアノ弾けないしな、と思いながら。でもそん時にキーボードの面白さを知って、キーボードで作ってみようって気になって。で、実際作りだして、こんどそれで、打ち込みを自分で始めちゃったでしょ。それからね、曲作るのがね一時期面白くなって、それからは曲、いわゆる量産体制っていうのかな?まあ、いい物も悪い物も含めて味わったかな。
- 小室:
- そうですね、そこは大事だと思いますね。やっぱり興味持てないとね、可哀想なぐらいやっぱり置いてけぼりになっちゃう、今は。音じゃない、どうしてもね。吉田拓郎さんとね、やっぱりTMの時にコンサート見に行ったことあるんですよ、3人で。たまたま近くでやってたんで。その時楽屋に呼ばれて話した時に、多分、宇都と木根ほらフォークだから、話がその方が合うだろうって思ってたら、拓郎さんの目が俺にバッなってて「小室君て、何使ってんの? ソフトは何?」とかいう話に急になっちゃって。すごい前ですよもう。
- 飛鳥:
- 拓郎さん、だってねぇ当時AKAIのね、あの12chの1212って言われるモニター卓があったんだけど、僕はそん時早かったんだ、買ったの。そん時にね、拓郎さんがこれでアルバム作ってるって聞いた時に、びっくりしたよねぇ。ほとんど自分でなんだかんだやってるって聞いて、僕らはもうやっぱアコースティックでこうやって、ハーモニカ吹いてるっていうイメージしかなかったから。あの時に、ああすごい、音楽ってちゃんと自分のラインて沿ってるなあ、みたいなねぇ。作り上げてるなって気がしたね。
- 小室:
- あん時はねぇ、びっくりしましたね。新譜ジャーナルって昔あって。
- 飛鳥:
- 今、無いんだっけ?
- 小室:
- 無くなっちゃったんですけど、僕キーボード講座かなんか書いてて、拓郎さん毎月読んでるっていってて、その時ね。まあそれでやっぱ、ああいうふうに興味持って、やると新しい物作ってたし、でももうそれが、興味どうのこうのじゃ無いじゃない、今って。完璧にやんなきゃいけない。知ってなきゃ無理っていうね。
- 飛鳥:
- もうスタジオなんかでも話し通んないしね。
- 小室:
- 話通んないでしょ。
- 飛鳥:
- 昔あの、僕はほら、楽曲を作る人であって、音を作る人っていうとこには、すごい自分の中で、なんかミゾを持ってたのかな。そこにタッチしちゃうと、あの、いいものができなくなっちゃうみたいな、妙な自分の中でのね、誤解があったんだけど、自分自身のね。それで結局、物を伝える時に、口で伝えてもしょうがないのね。アレンジャーと話す時に。で、その後どうすればいいかっていうと、かなり誤解がでてくるんで、だったらもう自分で音作って、テープしっかり渡さなきゃダメだっていうので、それからすごい、いろんな物に興味でたからね、今の形になったんだけど。だから小室がどんなふうにスタジオやってんのかってのも、一時期ね、5年前だっけ? いきなり喫茶店に呼び出して話した時に、あの、なんか、いろいろな物がね。
- 小室:
- 多分、今はもうなにも変わってませんよね。まったく一緒か。
- 飛鳥:
- 機材が変わるだけでね。機材がどんどん安くなるだけで。いろんな物を搭載した機材が。シンクラヴィア使ってるんだよね?
- 小室:
- もう今ほとんどライブラリーでしか使ってないですね。やっぱりみんなが使ってるぐらいのでやってますよ。多分でも、僕がちょっと違うとしたら、サンプリングがね、多いと思うんですよ。生の音もすごい好きなんですけど。やっぱいろんなとこから引っ張ってきてね。特にリズムとかはね、ジャングルとかやってるでしょ。ああいうのも全部ループを引っ張ってきてる音楽だから。
- 飛鳥:
- ループってなくなんないね。一時期みんなループもんになったからね。とりあえず流行りの物として。
- 小室:
- チャゲアスってところでループ入ってます?
- 飛鳥:
- うん。やってる。で、絶対なくなりそうになった時期があって、そん時にもうなくなるからね、これ今やってもちょっと遅いだろうって、でも興味あるか 一応やっておこうかなって思ったんだけど、なくなんないね。
- 小室:
- 僕はなくなっちゃうと困るぐらいでもう。
- 飛鳥:
- いやでも、気持ちいいんだよ結局。独特のグルーヴはいってるしね。いいたいね。
- 小室:
- もうあれから曲作ってますからね。ほとんど。
- 飛鳥:
- あの、曲もそうだけど、詞も変わったよね。
- 小室:
- 詞はねぇ、ちょっと恥ずかしいです。僕はあんまり。
- 飛鳥:
- いやいやいやいや、とんでもない。詞、変わったよね。
- 小室:
- 詞はわかんないんですけど、でも楽しいですね今。
- 飛鳥:
- 詞書いてて?
- 小室:
- うん。作業で何が楽しいって、ワクワクするのもう、一生懸命重ねてくでょ。音できて仮歌歌って、そっからが嬉しいんですよ。そっから詞をはめるのが一番。
- 飛鳥:
- はぁ、羨ましいな。俺はね、曲作るのは楽しいの。で、曲ってほら、結局アドリブの羅列で、そのアドリブの中でも、「お、これはイカすぞ」って思ったものを、いかに完成形でもって繋いでいくかが曲でしょ? で、そういうだから楽なのね、僕にとっては。曲はすごい作ってて楽しいのよ。でも作ってしまったあとに、曲だけが何曲も、果てには10曲10何曲ならぶでしょ。何を悩むかって、これに詞を書かなきゃいけないって思った時にはね。やっぱ毎回冷や汗もんだもんね。
- 小室:
- やっぱり、多分、飛鳥の詞っていうので、評価があるからだと思うのね。で、それでやっぱ、自分の中でもその線を持っているでしょ?絶対。納得しないよね、自分がやっぱ多分、一番厳しいよね。
- 飛鳥:
- 納得しないよね。それでもう最近本当にスタジオの中でもう、一番トラブルは、あの、妙な細やかなトラブルじゃなくて、一度やったものをやり直したいというね。それをね、説得するトラブルのが多いかな。だからそういう、ある意味ではね、あの、よくいうシンガーの我がまま、ミュージシャンの我がままだと片付けられる部分と。
- 小室:
- ゼロからですか? 詞とか?
- 飛鳥:
- うん。だからそういうのを、我がままで済ませない部分てあるでしょ、自分で。これで結局、結果出されちゃうからね。だからそれでもう、最後には意地になってね、絶対やり直したいってね、やったりするんだけど。
- 小室:
- そうかぁ。曲は僕はもうちょっと辛いですね、今。
- 飛鳥:
- いやね、そんなことはないと思うけど。
- 小室:
- どれやっても一緒に聞こえますから、自分で。
- 飛鳥:
- それはだってあの、あれよ。自分のこの、なんていうの? 今やってることが、すごいはっきりしてるから、どこいっても自分がほら、やったものが出て来るでしょ。それは僕らもそうだもん。俺どこやってもね、一回自分で通ったんじゃないかなって疑いがあって、でもその疑いがすごい大事なんだけども、まあでも小室サウンドでいいんじゃないかなぁ?
- 小室:
- そう、だから救いは詞なんですよ今。だから自分で詞を書くんで、自分の中では色分けが自分ではできてて。
- 飛鳥:
- これはちょっと面白いなぁ。この番組の中では語れないとこが、お互いあるかもしれないなぁ。
- 小室:
- 本当にね、不思議なんですけどね。だから、さっきの飛鳥さんじゃないけど曲はたまんないんですけど、詞のフレーズはね、今、結構たまってたりするんですよ。今度これ使おうとかね。
- 飛鳥:
- それ大切だよね。僕もね、詞は何冊かノートがあって、やっぱりこれを使いたいっていうのを、常にどんどん言葉が並んでいくんだけど、その目の前の今の情況と、そん時の気持ちでもって言葉書いてるから、サッて入り込んだ時やっぱり、使えない言葉多かったのりするのね。で、結果的に新しい物を組んでくしかないんだけど。
- 小室:
- なるほどね。今はだから、それで当分はやってけるかなって思ってて。あと、仮歌とかでね、歌ってる間になんか口からヒョロヒョロっと出てくる言葉あるじゃないですか。
- 飛鳥:
- あれ大切ですね。
- 小室:
- 大切です。
- 飛鳥:
- あれはでも、一番口の動きの気持ちのいいとこにきてるから、一番ハマるんだよね。だからそれをテーマにしちゃったりとか、このフレーズだけは、逃すわけにいかん、ここにいきたいがために前後、詞書いちゃえとかね。それはもう、みなさんそうみたいで。
- 小室:
- やっとその気持ちがわかりますね、僕は。もうすごくわかります。
- 飛鳥:
- ほら、今までって、ここ5〜6年か。音楽が結局、新旧織り混ぜて、なんでもありの時代に入っちゃったでしょ。で、そのなんでもありの時代から、それにちょっと飽きた世の中が、やっぱり音楽とはなにかっていうところをほら、ミュージシャンもそうだし、聞いてる人もね、なんでもありからやっぱり方向性が、ちょっと前の音楽に戻ってきてるようなね。なんでもありの時代の前に。だから、作り手もね、すごく世の中のになんかあの、世の中に浅いとこ見られちゃいけない、みたいなね、そういう気持ちで作っちゃうから、どんどんストイックになるよね。だから詞でもその、ある程度の水準があって、ストイックになっていくっていうのは、すごいよくわかるしね。嫌な世の中になってきたよね。
- 小室:
- そうですね。前よりは作るの大変だなっていうのは間違いないんだけどね。その時期その時期で悩みはありますけどね。それなりには。もうちょっと売れねえかなとかいって作ったときもあるし。
- 飛鳥:
- もう出来ないんじゃないかとかね。これ不思議とね、ものすごい強気になる時と、あ、やっぱもう尽きたかもしんないとかね。で、そうすると、尽きてしまうと、音楽って面白くないかもしれない、とか思ったりするんだけど。また、時間が開くと、まぁ欲求なんだろうね。俺たちにとって、第一次的欲求みたいなね、音楽を作ることって。そういう気持ちになってるかな。
- 小室:
- そうですね、わかりますね、もうすごく。あ、ちょっと一つ聞かなきゃいけないんだっけ?
- 飛鳥:
- え、なんだっけ?
- 小室:
- 今度あの、女の人のあの。ユキさん?
- 飛鳥:
- ああ、あぁ。黒田ユキね。まあ、ひょんなことで、ま、僕が見つけたわけじゃないんだけど、ウチのスタッフが、どうしても会わせたい人がいるっていうからね、で、まあ、策略にハマって会わせられたんだけど。でも歌聞いた時にね、あ、なんて刺激する声なんだろうって。
- 小室:
- 僕、曲聞きましたよ。
- 飛鳥:
- ありがとうございます。
- 小室:
- サビきてフワァーッてこう、広がりますよね。あそこまで、どこにいくのかなぁっていう展開じゃない。
- 飛鳥:
- いわゆるあのサブ・ドミとかね、ドミナント系から入ってくから、曲つかめなかったでしょ一瞬ね。
- 小室:
- で、とくにほら、主題歌で短いじゃない。その制限されているとこで。で、これでこまま終っちゃうのかなとかって思ってたら、よかったです、あそこがきてくれて。
- 飛鳥:
- いやね、小室がね、これもうストリート・ファイターがね、最初、小室がやってるから、やっぱ世の中は小室がやった初期物って知ってるからね。そのあと僕がやることになったんだけど、まあテレビのほうはね。どこをどう拭って、あいつと違い出そうかな、みたいなね。嫌なもんですよ。ま、でも本当に歌のウマい子で、すごい可愛いからね、とっても可愛いのよ、ルックス生は。だからなるべくテレビ出したくないみたいなね。いや、可愛いんですよ。まあ歌ね、もっとたくさん聞いてもらえればいいんだけど。自分の中ではまあ、いわゆる昔の言い方すると、A面がね、主題歌なってるんだけど、自分の中ではカップリングサイドのほうがすごい好きでね。「これがA面になんないかな」って、ずっと思ってたんだけど、ダメだったから。カップリングサイドの方聞いてもらいたいかな。
- 小室:
- じゃあ2曲? もっと作ってるんだ。
- 飛鳥:
- 僕はもう2曲しか作ってないから、今もうアルバムに入ってるみたいだけど、もう人のこと構っちゃおれない情況が自分達の中にあるんでね。アルバムがもう遅れまくったんで、さっきいったやり直しの作業に入ってんの、今。だから、きっと雑誌とかラジオとかで約束した期日には、ちょっと間に合いそうにないかな。
- 小室:
- 出してないですよね。オリジナルは、ずいぶん。
- 飛鳥:
- そう、1年8ヶ月ぶりかな? すごい出してるように見られるんだけど、そんなでもないんだよね。
- 小室:
- 出してないですよね。
- 飛鳥:
- 1年8ヶ月ぶりというね。そのイヤなもんで、その1年8ヶ月ぶりという中で、シングルがたまってくるのね。
- 小室:
- シングルはそうか。
- 飛鳥:
- まあ、「ハート」っていう、あれは3曲全部シングルみたいなもんだったから、それと「めぐり逢い」っていうのと、今回のストリート・ファイターのテーマの曲とか、どんどんシングルでたまってくるとね、アルバムの中にね、旧曲が多過ぎて、今度、新曲の割合をどうしようっていうので、これがまたねトラブルなんですよ。自分の中では、新しい物を出したいっていう気持ちと、でもやっぱりアルバムを外から見てるコアじゃない人達にとっては、あの、ちゃんとシングル曲っていうのは入ってなきゃダメなんだっていうね、スタッフ側の意見とこう。これあれだよね。物作る側に立つか、ビジネス側に立つかで、僕らはある程度やっぱビジネス、関係ないから、物作る側でいたいじゃん。そうするとなかなかこう話し合いね、つかないみたいな。こんなこと話していいのかな?
- 小室:
- 大丈夫です。
- 飛鳥:
- みたいなね、そこ行っちゃうから。
- 小室:
- でもそのギリギリのね、バランスはいいんじゃないですか。
- 飛鳥:
- 持ってないとダメだからね。
- 小室:
- もうこれはビジネスになっちゃったらね、多分だからチャゲアスって形では、ずっと10何年あると思いますよ、それは。僕みたいに、ちょっとビジネスっぽく見えてるとね。
- 飛鳥:
- でもいいよね、ビジネスをビジネスって言い切れるのって。
- 小室:
- うーん。
- 飛鳥:
- あの、向こうの人達って、はっきり言い抜けるじゃん。もうビジネスなんだと。すぐなんかもう、いろんな音楽の話しし終わったたあとに、取り合えずテーブルでいろんなこと片づけたあとで、さぁニッティグリッティの話しようかと。そのニッティグリッティの中にはいろんな条件があって、すぐそのビジネスの話になって。だから、やっぱミュージックビジネスっていうのは、はっきりしてるから、著作権でもロイヤリティとか、守んなきゃいけないとかね。そういう意味ですごい厳しいじゃない、向こうは。日本人がいってる、このフレーズができあがった時に、アイデアを分け合って持ち寄った時に、向こうは自分のアイデアだっていう気持ちが、すごい強かったりするから、そのトラブルを避けるために、著作権みたいのはっきりしてるんだろうけどね。日本場合は、ちょっといい加減な、曖昧なとこすごいあるからね。
- 小室:
- ま、そうですね。僕なりの役割りでね、やってますけどね。
- 飛鳥:
- でも、カッコいいよ。すごいカッコいいと思うな俺は。
- 小室:
- ありがとうございます。
- 飛鳥:
- カッコいいことやりたいよね。
- 小室:
- そうですね。
- 飛鳥:
- 音楽ってやっぱカッコいいじゃん。カッコよくなきゃダメだと思うのね。世の中に、こんなこと芸術だって思ってないのよ。だからミュージシャンがアーティストって呼ばれるのイヤでね。もう、そこ自体がすごくカッコ悪くてね。芸術なんてやってるつもりないから。でもこれはカッコいいものをやっていきたい人達が、この世界に集まってると思ってるから、そのカッコいいことで、世の中がどれだけ刺激されるかっていうか、騙されればいいかな、付いて来てくれればいいかなってことしか、考えてないんでね。
- 小室:
- そうですね。それはもう、僕も思います。今日でも、話ししてもらって、多分、飛鳥さんの、初めてこういう話聞く人もいるんじゃないかな? ね。やっぱりよくも悪くもあるもんね、イメージ。絶対はね。
- 飛鳥:
- あの、雑誌なんかならいいんだけど、テレビの2分とか3分の間のコメントってね、自分を出せないっていうの? こういう性格だから、この時間内に自分を出しちゃうと誤解されるんじゃないかって。じゃあ、黙ってようっていうのあってね。それはでもね、一緒だよね。
- 小室:
- 一緒ですね。
- 飛鳥:
- 「笑っていいとも」なんかであの、小室が「植物っぽい」っていわれた時にはもう、大笑いしたもんだって。だって「植物っぽい」って根張ってるし、なにか考えてるしね。勘で動かないっていうか、本能で動かない分なんか考えてかりするよね。
- 小室:
- そうですかね。そこまであの言葉を深く取る人はいないと思いますね。
- 飛鳥:
- 俺、なんてぴったりの言葉だと。
- 小室:
- まあ、僕たちはそんな話を1〜2分ではできないですね。
- 飛鳥:
- 嫌だよね。1〜2分で解決されちゃうのが。
- 小室:
- いや、これすごい短い番組なんでね、こんなに話してもらっちゃうと、もったいないですよ。
- 飛鳥:
- カットされちゃうの?
- 小室:
- 全部はちょっと無理ですね。極力使いますよね、もちろん。でも、ゆっくり話をちゃんと流しますから。
- 飛鳥:
- 番組の中で喋れないことも、今度ゆっくりね、また喋りたい出すよね。
- 小室:
- もともと会いましょうって言ってたんですもんね。
- 飛鳥:
- そうそうそう。電話番号を交換しながらね「こいつ、忙しいな」って「こんな用で、電話しちゃいけない」とかね。
- 小室:
- 一回電話しましたけどね。ずいぶん前にね。
- 飛鳥:
- あん時なんだったっけ?
- 小室:
- チケットを取ってもらうために電話したんですよ。
- 飛鳥:
- そうだっけ? あれ? そうだっけ?
- 小室:
- チャゲアスの代々木のチケットが取れなくてね。
- 飛鳥:
- あれ? そうだっけ?
- 小室:
- で、「いいや、直接電話しよう」と思って。
- 飛鳥:
- あぁ、そうかそうか。僕はTMの時に、ドームかな? 見せてもらって。
- 小室:
- 東京ドームいい、いいっていってくれてたんだよね。俺あんまりよくいなから。
- 飛鳥:
- いや俺ね、ショウとかいうかね、僕は作り手側を見てたから、僕はねTMがね、今ここに来て変わろうとしていることをね、すごい感じたのよ。その時期って、誰だって必要じゃん。俺ね、きっとね、賛否両論だったと思うの。で、本来のスタイルを守んなきゃダメだっていうのと、でも、そんなことはわかってんだと。今これをやんないと、先に進めないんだっていう人達がここにいて、ステージをやってるんだろうっていうのがわかったから、あ、これはこいつら、これからどこに行くんだろうなっていう僕は、面白さで見てたから。あれ僕はある意味ですごく面白かった、見てて。でしょ? あん時すごい、いろんなこと考えてたでしょ?
- 小室:
- そうですね。いや、いろいろな深い見方をしていただいて。
- 飛鳥:
- いや、ちゃんと見てる人は、見てると思いますよ。本当に。
- 小室:
- ありがとうございます。ええ、というわけでですね、じゃあシメましょうか。
- 飛鳥:
- 取りとめもない話に、なってしまいましたが。
- 小室:
- じゃあ、あとで電話番号教えてください。
- 飛鳥:
- あぁ、もうとりあえず、また会いましょう。
- 小室:
- ありがとうございました。
- 飛鳥:
- ありがとうございました。