INTERVIEW INTERVIEW
インタビュー

本郷亨役沢村一樹さん

『ナイト・ドクター』の台本を読まれていかがでしたか?
「大北はるかさん脚本のドラマは、別の作品で出演させていただいたことがあります。じっくり読みたい台本もあるし、テンポよくどんどん読む作品もあるんですが、『ナイト・ドクター』はテンポよく読めて、次のページをめくるのが楽しみになる本でした。そういう作品ってなかなか出会わないんです。多分、視聴者の方には、共感していただく部分や、考えさせられる部分が良いバランスで散りばめられていると思います。」
『ナイト・ドクター』では医師の葛藤が描かれます。
「医師という仕事に就くためには、すごく時間がかかるし、お金もかかると思うんです。そこには、遊ぶ時間を削ってまで勉強しているでしょうし、親からのプレッシャーがある方もいるのではないでしょうか。その分、医師になった時の夢や希望、社会の役に立ちたいという気持ちも強いと思います。ところが、実際に医療現場に入った時に現実を叩きつけられる。医師間の派閥もあるし、患者さんも想像以上にわがままな方もいる。必要ではありますが、今はインフォームドコンセントの拡充などもあって、昔の医師のように情熱だけで突き進むことが出来なくなっている部分もあると思うんです。ですから、現実にも葛藤を抱えている医師は多いのではないかと思い、作品に挑んでいます。」
今回演じられる本郷亨はどのようなキャラクターですか?
「本郷先生かっこいいんですよ(笑)。若い医師に比べて何十倍という“人の生き死に”を見てきているので、それが体にも心にも染みついている男です。撮影現場に“救命救急医の心得”という本が置いてあるんです。そこには“どんな状況であっても患者の前では絶対に笑うな”と書いてありました。仲良くなった患者さんと笑顔で話していたとして、その横には重体の患者さんがいるかもしれない。救急は360度全て見えていないといけない現場なんだと思います。まだ分からないことも多い若い医師たちとの違いを、そういったところで出せればと思っています」
「ナイト・ドクター」チーム5人の印象は?
「ナイト・ドクターのみんなはいろいろな事情を抱えながら医師になっていて、作品自体が少し重く感じられるのかな?と思ったんですが、5人みんな若いので、“目の前にどんな悩みがあっても、どうにかしてやろう”というエネルギーを感じますね。若いエネルギーというのは、そういう悩みも重々しくなりすぎないのかなと思います」
本郷は救命医として何を本分としているのでしょうか?
「一番は“患者さんにどれだけ寄り添えるか?”ということで、これはどんな医療ドラマでも同じなんですけど、今回の夜間救急の医師たちにも通じることだと思います。でも、一分一秒を争う救命医には、どこかで“人はパーツで出来ている”という意識もなければいけません。だからこそ、余計に患者さんにどう寄り添うか?を意識しなくてはいけないとも思うんです。」
視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。
「とても深いテーマの作品なので一言では難しいのですが、月曜9時からのドラマなので、1週間が始まって、次の日から頑張るぞと思える作品にしたいです。自分がいつ患者になるか分からない世の中です。当たり前だと思っている普段の生活や、周りにいる人たちの大切さだったり、今までとちがう目線で日常のさまざまなことを改めて見ることができる。この作品がそのきっかけになれば良いなと思います」

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