モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―
守尾信一朗役 高杉真宙さん
『モンテ・クリスト伯−華麗なる復讐−』への出演が決まった時は、いかがでしたか?
「日本では『岩窟王』として知られている歴史的な文学作品です。僕自身は原作を読んだことはなかったのですが、それでも作品名を知っているほど有名な作品に出演させていただけるのは嬉しかったです」
作品については何か勉強なさいましたか?
「収録が始まる前にマンガ作品を読みました。ドラマの台本とはちょっと違うけど、マンガもハードな内容でした(笑)。マンガで信一朗にあたる役は、絵もあるんですけど僕が思う雰囲気とは似ていませんでした。そこで、ドラマの信一朗はどうしていこうかな?と、考えて…。衣装合わせの時に西谷弘監督が“肌を黒くしたいな”とおっしゃって、僕もそうしたいと思っていたので嬉しかったです」
では、台本を最初に読まれた時の感想は?
映画みたいだな?と思うシーンが特に1話では多かったです。読みながら、ドラマではどうするんだろう?と。それだけ激しいシーンが多いと思ったんです。でも、出来上がった映像を見たら、すごく良く出来た尖ったシーンになっていました。やはり、なかなか日本のドラマにはない映像ですよね。そして、1話のディーン(・フジオカ)さんは、演じるのが大変だったろうなと思いました」
ディーンさんは蓬髪、汚れた服で拷問されていましたから…。
「本当ですよ。撮影したのはまだ少し肌寒い時期だったのに、水をかけられたりしていましたからね。でも、演じ手としては大変だけど演じがいはあるんじゃないかな?と見ていました。その中に、僕が入った時にどんな感じになるんだろう?と、特に思っていました」
守尾信一朗役 高杉真宙さん
信一朗はどんなキャラクターにしたいと思われましたか?
「いわゆる好青年で、自分の気持ちを真っ直ぐに人に伝えられる人物にしていこうと思いました。信一朗が登場する2話では、父の英一朗(木下ほうか)や『守尾漁業』で働く人たちをとても大事にしていることも伝わると良いなと演じました。そこが伝われば、信一朗の好青年のイメージが出来ます。自分を犠牲にしても、家族のように思っている従業員たちを守ろうとしていますし。信一朗には母がいないことが大きいと思うんです。母親は信一朗が幼い頃に亡くなっているので、きっと従業員のみんなが時には母親代わりに見守ってくれていたんじゃないか?って。だから、今度は自分が守らなきゃ、しっかりしなくちゃいけないと考えていたと思うんです」
信一朗とモンテ・クリスト・真海=暖は大事なものを奪われたという感情は共通しています。
「そうですね。感じる部分は一緒だと思います。暖がやられたことは信一朗より過酷なので、その差はありますけど…。違いは、信一朗は許すことにしたのですが、暖は断じて許さないことを選択したことです
対極にありますね。
「はい。ですので、真海と会うシーンでは、その差を感じていただけたら良いなと思っています。でも、話が進むんで来ると2話に比べて、しっかりしなきゃという気負いは、だいぶ溶けて来ているんじゃないかと思います。それはやはり、未蘭(岸井ゆきの)との出会いが大きいですね」
未蘭の入間家は酷いことになっています。
「岸井さんが演じていることで、未蘭は守ってあげなきゃいけないという気持ちになるんです。出会いのシーンでは、信一朗は好きになっていく思いと、結婚が決まっている女性と知った、やはり他人だという気持ちの揺れが難しいと思っていたのですが、そこは入念なリハーサルを用意してくださっていて。リハーサルがあったのは本当に良かったです。僕が勝手に感じていることですが、岸井さんの未蘭が泣いている芝居が本当に綺麗だと思うんです。そんな岸井さんの芝居が、信一朗を演じる僕の芝居にもリンクしていくんだろうな…と思っています」
守尾信一朗役 高杉真宙さん
岸井さんとはお話しはなさいますか?
「何ぶん僕は人見知りなので…。最初はなかなかお話出来なかったんですけど、岸井さんが社交的な方なので救われています(笑)」
ディーンさんの印象は?
「後半に入って入間家のみなさんとも会いますが、最初はほぼディーンさんか岸井さんだけでした(笑)。ディーンさんとお芝居が出来るのは本当に嬉しかったです。僕の周囲からはディーンさんの素敵なエピソードしか聞いたことがなかったのですが、実際にお会いしても紳士な方でした。僕は特にディーンさんの声が好きなんです。優しい雰囲気の暖さんと真海との違いがすごいです」
収録現場の雰囲気はいかがですか?
「ストーリーは殺伐としていますけど、現場は殺伐とはしていません(笑)。逆にこういった作品を作っているからかもしれませんが、明るい雰囲気です。入間家のシーンでは、(高橋)克典さん、山口(紗弥加)さん、瑛人を演じる宇都宮(太良)くん、もちろん岸井さんもいますので楽しいです。あんなにドロドロとした入間家ですけど(笑)、収録の合間のみなさんは和気藹々とした感じでした。それまでの僕は、未蘭や真海とは会うんですけどロケばっかりだったので…。それも、1人でダボハゼ釣っているシーンとかですから(笑)。その前に、みなさんとは英一朗のお葬式で一度だけ会っています。あの時より僕の肌も黒くなっているので、覚えてくれているかな?とも思いました。克典さんはとてもフレンドリーな方で、一緒に写真を撮ってくださったりしています」
ドラマのテーマは復讐ですが…。
「どうでしょう?信一朗みたいに全てを許して、忘れようと生きていくのも辛いですよね。むしろ、そう出来る信一朗には何かが欠落しているのではないか?とさえ思えます。誰かを憎む…憎んだり復讐を考えるまではいかないけど、怒りを感じるのが普通ですよね。信一朗も2話で借金が出来なくて、くそっ!と、言うんですけど。あれは監督が信一朗に人間らしさを加えて下さったんです。僕も復讐までは考えない方が良いですが、良い人すぎるのも人としての魅力がなくなるかな?と、思います。でも、暖に関しては…僕もあそこまでされたら復讐を考えてしまうかもしれません」
守尾信一朗役 高杉真宙さん
いよいよドラマは佳境を迎えます。真海にはどのような結末を迎えて欲しいですか?
「僕は真海の復讐劇を一視聴者として楽しませてもらっています。ですので、復讐は完遂して欲しいです。もっとやれ!みたいな感じで(笑)。ただ、真海には幸せにもなって欲しいですよね。復讐は幸せにつながるのかなぁ?だって幸男(大倉忠義)は暖の親友でしたからね。復讐が終わった時に、後悔してしまうのも…悩みますね
信一朗はどうでしょう?視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。
「ひたすら幸せになって欲しいです(笑)。信一朗は希望でもあると思うんですよ。あの小さかった男の子が、波乱の人生を乗り越えたという救いです。ただ、僕自身もまだ信一朗の結末は想像しがたいです。でも、どこかに救いが欲しいドラマだと思います。8話も衝撃的な展開が待っていますよ。果たして、救いはあるのでしょうか?最終回までお楽しみください」

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