モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―
江田 愛梨役 桜井ユキさん
『モンテ・クリスト伯−華麗なる復讐−』への出演を知られた時の感想はいかがでしたか?
「本当に光栄という一言に尽きます。原作と台本を読んだ時に、愛梨はいわゆる表面的な2面性だけの人物ではないので、どこまでその幅を私が出せるのだろうか?と、思いました」
原作から感じられた印象は?
「復讐する1人の男を中心に進んで行く物語ではありますが、そこに絡んでくる人物たちそれぞれにストーリーがあります。復讐だけをかいつまんで見てしまうと、人間の闇の部分だけに目が行ってしまいますが、真海(ディーン・フジオカ)たちのちょっとした心の動きがそれを中和してくれて、それぞれに人間性を感じられました。原作も台本も、気づいたら引き込まれていく面白さがあります」
江田 愛梨役 桜井ユキさん
愛梨が登場する3話は、1〜2話と雰囲気がガラッと変わりましたね。
「15年前の過去パートと、私たちが登場する2018年現在のイメージは、色で言うと真逆に近いぐらいで、柴門暖の人生が真海となってガラッと変わる様子が台本から如実に出ていました
演じられる愛梨はどのような人物なのでしょう?
「愛梨は憎しみと怒り、そして真海への愛で行動している女性だと思います。でも、真海への愛は、愛梨自身は理解出来ていないかもしれません。愛梨は酷い仕打ちを受けていた過去に、真海に助けられています。何でもいいからすがりつきたいところに差し伸べられた真海の手に頼らざるを得なかった愛梨には、恋というより忠実な愛になっていると思います。この気持ちが今後どうなるか?愛梨自身は真海だけでなく、怒りや恨みを抱く対象への思いも整理がついていないかもしれません。愛梨の心の中に出口の見えない感情の渦がずっと蠢いていて…。期待も含めて、その出口を見つけてくれるのが真海だったら良いと思います。そうじゃないと、あまりにも愛梨は不憫ですよ」
真海が復讐のために利用している愛梨たちへの本心も今はまだわかりませんよね?
「そうなんですよ。真海は自分のことを何とも思っていないんじゃないか?と、愛梨は考えているかもしれません。復讐に利用されていることはわかっていますが、垣間見る真海からの愛情もフェイクなのでは?と、思っているし…。真海の“忠犬ハチ公”的な存在で、自分の感情はどうでも良いと。でも、すみれ(山本美月)と真海の関係が解ってくることで、自分の嫉妬心に気づいて変化していくと思います」
江田 愛梨役 桜井ユキさん
愛梨は幸男(大倉忠義)のマネージャーとして潜り込むスパイですよね?
「最初に監督から、スパイのような行動は全て真海に叩き込まれていると言われました」
桜井さんご自身、バイクには?
「車の免許は持っていますけど、バイクは持ってないです。ドライブが大好きなので、これを機にバイクの免許をとりたいな、と思いました」
桜井さんは愛梨と似ている面はありますか?
「似ているとこ…具体的には言えないんですけど、誰にも見せてない、自分でも見るのが怖いような暗いものがお腹の中にポンっとあるような感じが自分にもあって、だから愛梨のことは理解出来ます」
ディーンさんとお芝居されて、いかがですか?
「ディーンさんは、柔らかい雰囲気で人との間に壁を感じさせない方なので、最初から“まだ数回しかお会いしていない”という感覚がなかったです。ディーンさんがいる場所に私が入っていっても、すっと迎え入れてくださる感じでした
温かい方なんですね?
「そうですね。でも、温かすぎるわけではなくて、適度な温度感、常に自然体でいらっしゃって、そこが不思議なんですよね」
作品では復讐がひとつのテーマになっていますが…。
「復讐は生産性のないものですよね。復讐する方もされる方も破滅に向かうしかないじゃないですか。復讐が果たせたとしても、その後の虚無感は計り知れないはず。だったら、考えない、そんな思い捨ててしまえって思います」
江田 愛梨役 桜井ユキさん
では、もし桜井さんが人生を奪われたら、真海のような復讐は?
「します(笑)。先ほどの見解は客観的なもので。自分が真海の立場だったら?と、聞かれたら…しますよ。でも、私だったら真海のように回りくどいことをしないで、お金はたくさんあるんですから、誰かに依頼して虫を潰すように、プチっプチっと…(笑)」
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。
「みんなそうなのか?と思うぐらい、人間の汚さや愚かさが露見している作品で、そこから目を背けないで観ていただきたいです。例えば、誰かと会って楽しく話して別れた後、その人が自分のことをどう思っていて、第三者にどう話しているかなんてわからないじゃないですか。ドラマはそこを客観的に見せてくれています。もしかしたらこれがリアルなのかも?と。その上でいかに復讐が虚しいものかを感じていただけたらと思います。ぜひ最後まで見届けてください」

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