モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―
神楽 留美役 稲森いずみさん
『モンテ・クリスト伯—華麗なる復讐—』への出演が決まった時の感想はいかがでしたか?
「子供の頃から何作品か観ている記憶のある大作です。舞台もスケールが壮大なので、これを日本のテレビドラマで制作すると知った時は、大いなる挑戦だ、と思いました。」
では、日本では『岩窟王』としても知られる、同作品へのイメージは?
「すごく酷い目にあった男の復讐譚ですが…。リメークされた作品によっては、復讐の後どうなるかというラストシーンで受ける印象が、それぞれ微妙に違ったりして、爽快な復讐劇ですが、いろいろと考えさせられる物語ですね。とにかく面白くて、どの作品も見入ってしまいました。」
神楽 留美役 稲森いずみさん
今回の脚本を読まれた時の感想は?
「まず、どんな風に歴史も文化も違う現代の日本として描くんだろうと思っていました。そうしたら導入部の漁港から、地下牢のシーン、そして3話からガラッと違う現在の日本までの流れがスムーズで感心しました。個人的には牢獄でファリア真海に暖が教育を受けるシーンが原作でも好きなので、暖が知識や教養、マナー、強靭な身体を得て真の紳士に生まれ変わってゆく過程をもっと見ていたかったです。」
演じられている留美は、どのように演じようと思いましたか?
「留美は表向きは明るいのですが、実は過去にあった暗く、辛い出来事を抱え込んで心が病みかかっている女性です。人に言えない過去を持ち、夫からも存在を無視され、それを紛らわすために現実逃避を繰り返す、日々の人生をギリギリでがんばっている女性を演じようと思いました。」
留美の夫、神楽清(新井浩文)については?
「冷たい人ですよね!(笑)でも、神楽を通して留美を見ると、なおさら愛に縁がない女性に見えて…演じている私でさえも可哀想になります」
留美ぐらい可哀想な女性を演じたことは?
「どうでしょう。私のイメージが強い女性なのか、出来る役の方が多いかもしれません。留美ぐらい可哀想に感じる役は、演じたことがあったとしても多分、久し振りになると思います。」
収録現場の雰囲気はいかがですか?
「大人な雰囲気の現場です。スタッフが、ほぼ『刑事ゆがみ』の時と一緒なので、安心感もあります」
ディーン・フジオカさんの印象は?
「ディーンさんは、上品な方です。今回、私が共演するのは真海になってからなので、そのイメージが役を通して伝わってくるものなのか、ご本人がお持ちのものなのか…その違いがわからないぐらいです。1話の放送で見た暖のイメージとは…あっ、でも時々、晴れやかに笑われる時は、暖の雰囲気もあります。
神楽 留美役 稲森いずみさん
新井さん、高橋克典さんはいかがでしょう?
「新井さんは、肌が綺麗(笑)。最初に劇の中で飾ってある神楽夫婦の結婚式の写真を撮影したんですけど、その時にふと肌を見るとツルツルで白くてビックリしました。思わず“お肌綺麗ですね”と言ったら“はい!”と、おっしゃって、おちゃめな方だなぁと思いました(笑)。克典さんはデビュー当時から何度も共演させていただいているので、お兄ちゃんみたいな感じです。2人で回想シーンを撮影している時に“昔の恋人に会ったみたいだな”と、おっしゃってくれました。恋人役もやったことがあるので。そんな感じで、すんなりとお芝居に入れました。」
ドラマは復讐が大きなテーマになりますが…。
「個人的にはしない方が良いと思います。誰も幸せになれない気がして。復讐ってものすごいエネルギーが必要ですよね。その負のエネルギーを抱えて生きていくなんて辛すぎます。でも、そこを描くことで、人間の業や欲が負の連鎖も招き、より興味深く展開していきます。真海が華麗に復讐を成し遂げていく様を観るのは痛快でもありますし、そしてまた最後に真海が何を思うのかが最大の見所なんだと思います。」
真海の復讐心はすごいですよね?
「裏切られ、身に覚えのない汚名を着せられ、大切な人を失って13年間という人生を牢獄生活で奪われていますから…。でも、復讐という行為が出来るかどうかです。あきらめの方が、先にたって普通なら牢獄で生涯が終わってしまうでしょう。真海は、牢獄でファリア(田中泯)と会ったことが、あきらめを復讐という希望に変えることが出来たのですよね。」
演じている留美は、その復讐に巻き込まれています。彼女自身は真海に直接、悪いことはしていないのに…。
「そうなんですよ。それだけ、真海の復讐心が強く深いということです。その真海の復讐なしでは起こりえなかった愛する息子との奇跡の再会が、何度も壊れかけた留美の人生や生き方にどんな影響を与えるのか、想像もできないような展開が待っています。本当に人の恨みは怖い(笑)」
神楽 留美役 稲森いずみさん
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。
「生きる目的がわからなくなりかけていた留美は、安堂(葉山奨之)に会うことで再び希望を取り戻しました。それが、自分の息子とわかった時、留美はどう思うのか? 体の関係まで持ってしまいましたが、それ以上に亡くなったと思っていた息子に対してどのような思いを抱くのか? 安堂も愛を知らずに育っているので…。そして、やはり真海の復讐の結末ですよね。最後まで、ぜひお楽しみください」

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