#050
HomePageだけの特別編集版 上岡龍太郎編
- 光一
- はい,今夜のゲストは上岡龍太郎さんです.よろしくお願いします.
- 剛
- よろしくお願いします.
- 上岡
- よろしくお願いします.
- 光一
- はじめまして,ですよね?
- 上岡
- そうです.
- 剛
- そうですよね.
- 光一
- なんか会ってるようなんですけども,しょっちゅうテレビで見てるから.
- 剛
- ええ,テレビでは見させていただいてるんですけどね.
- 上岡
- 僕もよく見てるから,初めてのような気はせぇへんですけども,初めてなんですよ.
- 光一
- そうですよね.
 - 上岡
- で,これだけのキャーキャーいう喬声の中で仕事をするのは,漫画トリオ以来なんですよ.
- 光一
- 拓郎さんとはお会いしたことは?
- 吉田
- はい,上岡さんとは二〜三度.
- 光一
- 二〜三度.
- 吉田
- はい.
- 上岡
- 僕が恨みに思ってる奴ですからね.
- 吉田
- え?
- 光一
- え?なんでですか?
- 上岡
- いろんな意味でね.
- 光一
- いろんな意味で?
- 上岡
- 一つは,僕は昭和43年に漫画トリオが解散した時に「作詞家で生きていこうかな」と思った時期がチラッとあったんですよ.
- 光一
- 上岡さんが作詞家で?
- 上岡
- ええ.その時,たまたま僕の出したレコードがちょっと売れてたこともあってね,ひょっとしたらその道にって思った時に彼等が跳梁跋扈してたんですよ.
- 吉田
- 跳梁跋扈わかんないですよ.
- 光一
- わかんない.
- 上岡
- つまり,ほうぼうからこの連中が現われてね.で,聴いたらすごい歌を歌うてるじゃないですか.つまりあの,♪僕の髪が肩まで伸びて君と同じになったら結婚しようよ〜.相手が伸ばし続けたらどうすんねん!?と.一生結婚できひんやないか!?と.
- 光一
- 同じにならへんやないかと.
- 上岡
- そういう現代風なの作るかと思うと,「我が良き友よ」とか「旅の宿」とか,古い言葉もちゃんと日本語解釈して作るから「あかん,こいつらとは勝負にならん」.つまり,僕の道を断念させた連中の旗頭がここなんですよ.
- 光一
- 作詞家の.
- 上岡
- でもまあ,そこで思い切らせてくれて良かったんですけどね.僕がそのへんにしがみついてたら,未だに売れない作詞家でいたと思うんでね.それはそれで良かったんですけど.そからもう一つ,浅田美代子,奪うたじゃないですか.我らが美代ちゃんをね.で,そのまま添い遂げてくれたらええよ,こっちも.それなら恨みにも思わへんけどね.
- 光一
- いろんな面で恨みを持ってらっしゃるわけですね.
- 上岡
- でも,その僕らが「ああ,若いすごいのが現われたな」と思った連中が,もうすでにこの番組ではオジさんでね.
- 吉田
- ええ,もうぜんぜんそうです,はい.
- 上岡
- で,このへんから見ると「ああ,すごい若いのが現われたな」と思うわけですよ.
- 吉田
- もうメチャクチャすごいですよ.ここいるの大変ですもん,ここの中にいるの.
- 上岡
- で,僕なんか18で漫才始めましたから,当時,楽屋で舞台に上がってるティーンエイジャーっていうのは,もう僕ぐらいしかいてなかったんですよ.ほとんどが25〜30歳ぐらいのね,オジさんに囲まれて.だから,僕らの頃から今テレビ見てると様変りで,アイドルが大阪弁を平気でしゃべってるじゃないですか.
- 光一
- 喋ってますよ.
- 剛
- バリバリ喋ってますよ.
- 光一
- KinKi Kidsですもん.ね?
- 上岡
- ね.だから,SMAPがお笑いやるやないですか.
- 剛
- やりますよね.
- 上岡
- あれは卑怯やと.
- 剛
- あれは卑怯なんですか?
- 上岡
- 君らも大阪弁でやるのは,それはちょっとね,反則.
- 剛
- 卑怯ですか?
- 光一
- 反則ですか?
- 剛
- 僕,昔,お笑いに行きたかったんですよ.
- 上岡
- うん,君はどっちかいうとそっちのほうやね.
- 光一
- 言われてる,言われてる.
- 剛
- ムチャクチャいきたかったんです.お笑いに行きたかったんですけど,うちの姉が履歴書みたいの出しまして.
- 光一
- 事務所に出してね.
- 剛
- で,お母さんも「行け行け,行け行け」って言うから.で,ちょっと行って.
- 光一
- そしたらここまできた.
- 上岡
- だからジャニーズ事務所でお笑いやってると,すごくステータスが高いでしょ.それに,我々に残された道を全部奪ってしまうんですよ,アイドルがお笑いやってしまうとね.
- 光一
- あ,そうなんですかね?
- 上岡
- だから今まで,例えば歌手でも,さだまさしのコンサートに行くと笑わしましたですよね.
- 吉田
- ああ,面白いですよね.
- 上岡
- でも,さだまさしやから許されるやないですか.ま,見た目が.歌はカッコええけどもね.ところが君たちは,歌もカッコええし,見た目もカッコええのにお笑いやると,「我々は何をやればいいんだ?」と.つまり,「貧乏人の手段を奪うな」と.
 - 光一
- いや,そうなんですかね?
- 上岡
- うん,そうですよ,絶対に.で,お互いがクロスオーバーすればええやないかって言うけど,こっちは乗り越えられる塀がないですからね.そっちは簡単にお笑いのほうに乗り越えられるけど.でね,一つにはね,こんだけお笑いがね,ステータス持ってくると心配は心配なんですよ,本当は.
- 光一
- あ,そうなんですか?
- 上岡
- このごろの女の子って,相手の男の子に,もちろんカッコよさとか優しさを求めますが,もう一つの大きな条件として,「面白いこと」.
- 光一
- ああ,「面白い」ありますね.
- 上岡
- 面白い男の子がモテるっていうのが一般に浸透してるでしょ.
- 光一
- ええ,ええ.そうですかね?上岡さんは18の時は?
- 上岡
- 18の時は,つまりその,ロカビリーの夢破れて漫才やりだした頃ですからね.
- 剛
- やりだした頃.
- 光一
- 漫才を.
- 上岡
- ノックさんと組んで漫画トリオでデビューしてました.
- 光一
- その,「僕はもう歌はダメだ.お笑いにいこう」っていう,その時の決心って,やっぱりすごいものがあるんですか?
- 上岡
- あ,それはね,軽いものでした.
- 光一
- 軽いんですか?
- 上岡
- 歌はもともとダメなんはね,わかってるからね.渡りに船というかね.
- 光一
- 「まぁ,いいや.お笑いやろう」みたいな?
- 上岡
- そうそう,そうそう.気楽にね.ただあの,それまでにあったお笑いとは,違うのをやろうかなというね.それまでの漫才っていうのはね,どっちかっていうと演歌のリズムの漫才が多かったんですよ.「君,聞くとこによると,アホやてなぁ」「んな,アホな」っちゅうようなね.演歌の♪チャンチャ,チャンチャン〜っていうようなリズムよりも,それこそ当時のロカビリーのリズムに変えようっちゅうんで,喋りはできるだけロックのリズムでっていう.今,聞いてみると遅いもんですけどね.当時はそれでも「速すぎて何いうてるかわからん」と,こう言われたもんですよ.
- 光一
- ああ,そうですか.じゃあ,いろいろ作り上げてきた方なんですね,上岡さんは.
- 剛
- そうでしょうね.
- 上岡
- いやぁ,でも考えてみると18の頃っちゅうのは,戻りたくないでしょ?もう.
- 吉田
- あ,自分の18ですか?僕,二十歳代だったら戻りたいけど,18はちょっといらないですね.
- 上岡
- 二十歳代っていうのは?
- 吉田
- 22〜3っていうのは,もう絶頂でしたから.
- 光一
- 絶頂だったんですか?
- 上岡
- じゃあ,戻ってもう一度味わいたいわけね.
- 吉田
- そうそう.
- 上岡
- じゃあ,違う人生を22からやるんじゃなくて.
- 吉田
- 同じことを.
- 上岡
- もう一回ね.よっぽどあったみたいね.これだけ思い出し笑いすんのやから.
- 光一
- 何があったんでしょうね?
- 剛
- なんかあったんでしょうね.
- 上岡
- いや,それはもう絶頂期です.
- 剛
- 大丈夫ですよ.後で電話で聞き出しときますから.
- 光一
- 電話で聞き出そうな.
- 上岡
- もう当たるを幸い?
- 吉田
- いやぁ,そうですね.
- 剛
- すごい思い出し笑いしてるなぁ.
- 光一
- もう何でもいいやっていう.
- 吉田
- いや,本当に楽しかったな,毎日.
- 剛
- あ,そうですか.
- 吉田
- 「こんな幸せでいいのかな?」と思うぐらい幸せだった.すっごい自信あったしね.
- 光一
- 自信はありました?
- 吉田
- いろいろあったなぁ,自信が.
- 光一
- 今はどうなんですか?
- 吉田
- もう,からっきしダメだね.
- 光一
- そうですか.じゃあ,このへんでLOVELOVEなものいきましょうか.
- 剛
- はい,上岡さんのLOVELOVEなものを.
- 光一
- デジタルスチルカメラで撮ってきていただいて.
- 剛
- これは?
- 光一
- 何ですか?これ.
- 上岡
- これは,僕が部屋でね,トレーニングしてるね,腹筋とヘヴィーハンズとゴルフ用の重たいクラブ.
- 光一
- あれで振ったら,ゴルフの重いわけですね.
- 上岡
- ええ,あれ,かなり重たいクラブの短いやつなんですね.高千穂先生いう歯医者さんにもらったんです.
- 剛
- 高千穂先生.
- 上岡
- 「これ,振っとけ」言われて.
 - 光一
- ゴルフやらはるんですか.
- 上岡
- ええ,あと3年で僕は芸能界やめて,プロゴルファーになるんです.
- 光一
- え?ほんまですか?本気ですか?
- 上岡
- 本気に.
- 剛
- カッコいい.
- 上岡
- ちょうどあと3年っていうことは2000年でしょ.20世紀の最終の年にこの世界から退いて,アメリカへ1年間ゴルフの修行に行って.で,21世紀はプロゴルファーとして.
- 剛
- カッコいいなぁ.
- 上岡
- 今までプロスポーツ選手崩れっていうのは多いでしょ.ボクサー崩れとか,野球崩れとか,オリンピック崩れとか.コメディアンよくいるじゃないですか.でも,芸能界崩れのプロスポーツマンていてないでしょ.
- 剛
- そうですよね.
- 上岡
- 「もとは漫才やってましたが,今は大関です」っていうのはおらへん.
- 光一
- いないですね.
- 剛
- 上岡さん,じゃあドスコイのほうに行きましょうか.すごい話題ですよ.
- 上岡
- いや,ドスコイは無理やから.出来るのはやっぱりゴルフぐらいでしょ,年齢的に.
- 剛
- 「あの上岡龍太郎がごっつぁんです」って新聞にね.
- 上岡
- まあ,それは無理やから.で,これで今は鍛えてるんで.これが僕のLOVELOVEなもの.
- 光一
- 日本人ですね.
- 上岡
- これはね,僕のLOVELOVEなうちの嫁なんですがね.
- 光一
- わからないじゃないですか.
- 剛
- なんであんなに中途半端に映ってるんですか?
- 上岡
- 映そうと思うたら,嫌やいうて逃げてね.最初,これぐらい.
- 剛
- ちょっと出ました.ちょっと出ましたね.
- 上岡
- これしかキャッチできなかったんです.
- 光一
- これは上岡さんの家?
- 上岡
- ええ,僕の家の.
- 剛
- 綺麗な家ですね.
- 光一
- 博物館のように.
- 上岡
- で,うちの嫁も綺麗なんですけどね.
- 光一
- 残念ですね,見れなくて.
- 上岡
- 残念ですね.見せたかったのに,本人が見せたら嫌って.
- 剛
- あ,これはランニングシューズですか?
- 上岡
- 僕のジョギングシューズですね.
- 剛
- これは歴史がある靴ですね.
- 上岡
- 種類は変えて走ったほうが足にも膝にもいいんで,レース用のとか,あるいは普段の練習用とかに分けてるんですね.
- 光一
- 上岡さんといえば,もう走る.
- 剛
- ホノルルマラソンとか.
- 光一
- なんで走るんですか?
- 剛
- だいたいイメージって,走りっていうのは学校でもよく走ったりするじゃないですか.でも,苦しいとか,しんどいとか,面倒臭いとかあるじゃないですか.
- 上岡
- 僕はね,しんどいこと,苦しいこと,我慢すること,辛抱すること大っ嫌いなんです.
- 光一
- じゃあ,なんで走るんですか?
- 上岡
- 走るのは,何にも苦しくないし,何にも辛抱してないんですよ.
- 光一
- え?そうですか?
- 上岡
- 日本の人たちいかんことは,走ることを罰に使ってるのがいかんですね.「負けたチームはグラウンド3周!」とかね.
- 光一
- はいはい.
- 上岡
- つまり,走ることは罰じゃないですか.
- 剛
- もうイメージ的にそういうのがありますからね.
- 上岡
- ね,苦しいとか,しんどいとか.でもね,本当に走ってるとね,こんな楽なことはないと.で,世間というのは,あんまり楽なことを言うとみんなが楽に流れてしまって国民が怠惰になるから,「これは苦しいぞ,これはしんどいぞ」って止めてるんですよ.で,本当にしんどいことは,「楽しいぞ,楽だぞ」.「芸能界って楽だぞ」と思って入ったら楽でしょ.しんどい?
- 光一
- いや,でも,好きでやってることなんで.
- 上岡
- 好きな人はいいけども,好きでない人が入ってきたらすごくしんどい世界なんです,楽そうに見えても.だからね,世間が楽そうに見えてるということは,じつはしんどいこと.しんどいと思うてることのほうが,じつは楽なことなんです.これ,間違わんようにね.
- 剛
- 逆だと.
- 上岡
- うん.これ,うちの息子なんです.左は小学校時代で,右は高校時代で,今もう26ですからね.
- 剛
- 26歳.
- 上岡
- で,どこに行ったかわからんのです,今.
- 光一
- え?
- 剛
- そうなんですか?
- 光一
- それ,マズくないですか?捜索願い出しますか?
- 上岡
- いや,失踪してるわけやないねんけど.
 - 剛
- まあね,自分でなんかやってはるんでしょうね,一生懸命.
- 上岡
- なんかやってるんでしょうね.2年ぐらい会うてないですよ.
- 光一
- 連絡もないんですか?
- 上岡
- 東京にいてるみたいなんです.
- 剛
- 「いてるみたい」?
- 上岡
- 見かけたら家に連絡せぇと言うといてくれます.で,結局ですね,僕が愛してるLOVELOVEなもんというとですね,つまり自分自身なんですよ.
- 光一
- これ,さっき楽屋で撮ったんちゃいますか?これ,ここの楽屋ですよね?
- 上岡
- そう.僕はね,結局なにが好きや?言うたら,自分が大好きなんですね.だから,自分を快適にしてくれるものが好きなんですよ.だから,胡麻塩やとか,ゴルフやとか,ランニングやとか,妻とか,息子とか.考えてみるとね,自分が好きなんですね.
- 光一
- 自分が好きって言えるのいいですね.
- 剛
- カッコいいですね.
- 上岡
- あの,自分しか僕みたいなもん好きにならないへんやないですか.僕が僕以外の人間やったら,僕みたいの大嫌いですからね.
- 剛
- そうですか?
- 上岡
- こんな口先だけで理屈ばっかり言うて.
- 光一
- いや,納得させられますよ.
- 上岡
- 僕はあんまり.僕がもし他人やったらこういうタイプ嫌いなんです.だから,せめて僕ぐらいは愛してやらんとね,可哀想じゃないですか,こいつ.
- 光一
- 自分ですからね.拓郎さんは自分は?
- 吉田
- 僕もまったく同感です.自分は自分で好きになれないタイプだけど,でもやっぱり自分を愛してやんなきゃいけないなと思うんで,こんな変な奴なんだけど,僕は自分が好きですね.
- 剛
- 自分,大っ嫌いですもん.
- 上岡
- そうそう,若い頃って自分のこと嫌いですよね.
- 剛
- 嫌いですよね.友達に電話して「いや,俺,そういう自分が嫌いなんよな」って言ったら,「なんで言う?自分が好きになってあげへんかったらどうすんの?自分,可哀想やんか」って言われて,「ああ,君,頭いいねぇ.すごいね」っていう話をしたりするんですけどね.やっぱり自分は自分自身で好きになってあげなきゃいけないんですかね?
- 上岡
- 若い時はね,理想も高いですしね.
- 光一
- さぁ,続いてガチャガチャマシーン・アルファですよ.なんかもう,これをやる必要もないような気もするんです.そうしたら上岡さんに対するいろんな質問が入ってるんで.
- 剛
- 回していただくと出てきます.
- 光一
- 「芸能界愛妻家ベストテン,今週の第1位の上岡さんに質問です」.
- 剛
- なんや?それ.ここでランキングしても.
- 上岡
- 今週の1位かい?
- 光一
- 「いつまでも一人の女性を好きでいられるのはどうしてですか?拓郎さんにそのことを教えてあげて下さい」.すんません拓郎さん.僕が書いたわけじゃないんですから.
- 剛
- 僕らぜんぜん関わってないですから,これ.
- 光一
- 関わってないです.
- 剛
- この中身は.
- 吉田
- じゃあ,ご意見を.
- 光一
- コツを.
- 吉田
- いや,だから,きっとすごい素敵な女性に巡り逢われたんですよ,上岡さんは.僕はなかなか巡り逢えなかったんですよ.
- 光一
- そうなんですか?
- 吉田
- 今は大丈夫ですよ.
- 光一
- カヨちゃんが.
- 剛
- またこいつですよ.僕,言ってないですよ,今.
- 吉田
- いやだから,人間と人間が巡り逢うっていうのは大事なんだよ.
- 剛
- 大事ですよね.
- 吉田
- 若い時は時々やっぱり勘違いして,勘違いの巡り逢いも信じたりして失敗してるわけ,僕は.今日すごいなぁ,話が.まるで焼肉屋にいるみたいだね.
- 光一
- 語りトークですよ.どうなんですか?
- 上岡
- 僕の場合は,うちのやつが13歳の時に「僕はこの子と結婚する」と,ピッと青い光りが走って.
- 光一
- そんな若い頃から?
- 上岡
- 僕が21で,向こうは中学2年生ですよ.
- 剛
- ええ!?
- 光一
- ええ!?
- 上岡
- 「僕はこの子と結婚するな」って思って.それから「君は僕と結婚する」「君は僕の奥さんになる」「君は僕の女房になる」ってずっと.
- 光一
- それ,脳に植え付けてるんちゃいます?
- 剛
- 洗脳してません?
- 光一
- 洗脳してますよ.
- 上岡
- 催眠術かけてね.で,19の春に結婚して,催眠術はそこで解けましたけど.
- 光一
- そうですか.じゃあ,コツといえば,洗脳する.
 - 上岡
- そうですよ.自分も含めて洗脳することでしょ.
- 光一
- そうですか.
- 上岡
- 自己催眠も含めてね.
- 光一
- 上岡さん,神ですね.ほんまね.
- 上岡
- もう一つは美学でしょ.美意識ね.添い遂げる美意識っていうのもあるし,別れる美学っていうのもあるやないですか.
- 吉田
- あります.
- 光一
- そうですか.
- 上岡
- だから,どっちに美意識を感じるかっていうね.これはね,どっちがいい悪いやなく,どっちが好きか嫌いかっていうような問題ですから.「いや,ジャズだ」「いや,演歌だ」って言われてもね,どっちが上等でも下等でもないわけですから,どこに美意識を持つかで.確かに添い遂げるというのも一つの美学ではあるけれども,次から次に変えるのもね,一つの生き方でもありますから,どっちがどっちでもないと思いますけどね.
- 吉田
- 添い遂げるのも疲れるし,取り替えるのも疲れるね.
- 上岡
- 疲れると思うね.
- 光一
- ほんま今日は勉強になる日やね.じゃあ,ガチャガチャマシーンはこのへんにしときましょう.さぁ,それでは上岡さんのLOVELOVEな歌を.
- 上岡
- もう,あの,こんだけ喋ったら歌わんでもええかなと思って.それで喋ってたんですよ.
- 剛
- せっかくいろいろ練習しましたから.
- 光一
- せっかくですから.
- 上岡
- いやいや,なんとか歌うのやめようと思うてね.
- 光一
- なにがLOVELOVEなんでしょう?
- 上岡
- 僕はね,LOVELOVEな歌っていうても,聴くぶんにはいっぱいありますよ,それはね,好きな歌はね.
- 光一
- 自分が歌って好きな歌は.
- 上岡
- 歌ってはね,僕がこの世界っていうか,芸能界に興味を持ったんは,やっぱりカントリー&ウェスタン.
- 剛
- カントリー&ウェスタン.
- 上岡
- C&Wなんて,昔はそんな綺麗なことは言わなかったですね.単純にウェスタンと言うてたんです.ウェスタンミュージックというやつで,僕にとっては小坂一也さんは神さんでしたから.当時,小坂一也さんのレコードを.昔はね,1番は英語〜間奏〜2番日本語っていうのが,必ずパターンとしてあったんですね.だから,両方で入り口で,小坂さんのレコードっていうのは,それこそ当時,擦り切れるほど聴きましたしね.
- 光一
- そうですか.
- 上岡
- だから小坂一也さんの歌のなかで,そのなかでもいろいろあるんですけどね.
- 光一
- そのなかでも.
- 上岡
- 歌える歌っていうと,「ブルースを歌おう」という曲をね.
- 光一
- 「ブルースを歌おう」.
- 剛
- 「ブルースを歌おう」.
- 上岡
- はい.「SINGIN' THE BLUES」というて,これはカントリーでもポップスでも発売
されたんですけどね.これしか歌えないんで.
- 光一
- そうですか.歌うってていうのは久々ですか?もしかして.
- 上岡
- 久々っていうか,もうほとんど初めてに等しいですよ.
- 光一
- あ,そうなんですか.じゃあ,貴重になりますね.そして,今日はギターに井上尭之さんが.
- 剛
- 来ていただいてますんで.
- 上岡
- いや,ただでさえすごいバンドですよ.
- 剛
- そうですよ.
- 上岡
- そこにまた尭之ちゃんが来てくれるっていうのは.いや,僕はね,井上尭之と友達っていうのが自慢なんです.なんかほら,まったく別世界のようにみんな思うてますからね.「なんで知ってるんですか?」って言われるんです.「あの井上尭之と友達」って.
- 剛
- 「友達やねん」と,それが自慢で.
- 上岡
- ええ,自慢ですよ.
- 光一
- じゃあ,スタンバイのほう,よろしくお願いします.
- 剛
- よろしくお願いします.
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