#034
HomePageだけの特別編集版 谷村新司編
- 光一
- はい,今夜のゲストは谷村新司さんです.よろしくお願いします.
- 剛
- よろしくお願いします.
- 谷村
- こんばんは,よろしくお願いします.
- 光一
- 最近は谷村さんは,シンガーだけじゃなくバラエティ番組とかの司会とかもやってらっしゃるじゃないですか.
- 谷村
- はい.
- 光一
- たまにこういう人の番組に来るのは,どういう気分ですか?
- 谷村
- これ,楽ですよね.
- 光一
- 楽ですか?
- 谷村
- うん.聞かれたことに答えればいい.でも,聞くのってけっこう難しいでしょ.
- 剛
- 難しいですね.
- 光一
- そうですね.
- 谷村
- 「ああ,こういうこと聞いたら盛り上がらないかな?」とか,そういう気遣いがね……….
- 光一
- え? 今,なぜ拓郎さんを?
- 谷村
- いやいや,拓郎さん,僕,時々この番組見てて,拓郎さん,いつも向こう向いてるんですよ.
- 剛
- なるほどね.
拓郎 それがずっと気になってて.
- 光一
- あの,女性ゲストの場合は,けっこうこっち目になってますけどね.
- 谷村
- ああ,男が来るとあっち向いちゃうんだ.
- 光一
- ちょっとそういう傾向が見られますね.
- 谷村
- じゃあ,僕がそっち向けばいいんですね.
- 剛
- いや,そうでもないと思いますけど.
- 谷村
- あ,そういうもんでもない.
- 光一
- でも,僕は最近思ったのは,逆に人の番組に出ると,逆に喋りづらいなっていうのを感じたんですよね.
- 谷村
- あ,そう? それは,誰が司会してるかによるかもわかんないよね.
- 光一
- ああ,鋭いところを.いや,でもね,けっこう僕,引っ込みタイプなんですよ.あんまりガァーッ出るタイプじゃないんで,自分が進行するのであれば,喋るのはしゃーないじゃないですか.だから,ゲストで出ると,あんまり喋らずっていう.
- 谷村
- 僕もどっちかっていうとそうですからね.引っ込み思案なんですよ.わりと人見知りをするほうなんですよ.
- 光一
- あ,人見知りを.
- 谷村
- 拓郎さんも人見知りですけど.
- 光一
- ええ,そうですよね,拓郎さんも.
- 谷村
- 昔ね,僕がラジオやってた時に,拓郎さん来てくれたことがあるんですよ.
- 光一
- ラジオ番組に.
- 谷村
- 一回だけね.
- 吉田
- ない.
- 光一
- え?
- 谷村
- 忘れてるんですよ.
- 光一
- あ,そうなんですか? さっき拓郎さんに「谷村さんとは初めてですか?」って聞いたら,「初めてだ」って.
- 谷村
- それはだって,来たんですよ,ゲストに.
- 光一
- ラジオのゲストに?
- 吉田
- それでその時に,やっぱり無口な方だったから.それでね,感じたのは,「あ,照れ屋さんだな」って思ったんですよ.でもね,八重歯が可愛いなって思ったんですよ.
- 光一
- どうですか? 拓郎さん.谷村さんに「可愛いな」と.
- 吉田
- ま,今日という日が来るのがね,待ち遠しかったような嫌だったなような.
- 光一
- あ,そうですか?
- 吉田
- やっぱり一生に一度は会わなきゃいけない人っていうのが世の中にいるとしたら,最後のほうに.まあ,死ぬ間際あたりまでとっておきたいっていうのがあるんですよ.
- 剛
- あ,じゃあ,死ぬ間際で♪立ち上がれ〜っていう?
- 光一
- ほな,立ち上がらんとな.
- 剛
- ガァーッて立ち上がりますよね.
- 光一
- なるほどな.
- 剛
- ♪やがて,二人を〜.
- 吉田
- いや,今日ね,積もる話があるんだ,いっぱい.
- 剛
- 積もる話.
- 光一
- 積もる話が.
- 吉田
- 僕,そのラジオに出たことないから.
- 谷村
- だから,出たんだって.
- 吉田
- 出てない.
- 剛
- まだ引っ張ってる.
- 谷村
- 一回「セイヤング」に.
- 吉田
- 出てない.
- 谷村
- ゲストに出てくれたんですよ.
- 光一
- え? どっちなんですか?
- 吉田
- 出てないってば!!
- 谷村
- 出て来たじゃないですか,一回.
- 吉田
- 出てないって!! 俺は.
- 谷村
- もう! もう物忘れが.
- 吉田
- だから,出たかもしれないけど.
- 谷村
- ほらほら.
- 剛
- 結局そうなんや.
- 吉田
- 出なかったことにしたいの.
- 谷村
- そうですね.
- 光一
- え? なんでですの? それは.
- 谷村
- いや,よくわかりません.
- 吉田
- ほら,例えば,いちばん近い例で言うと,泉谷しげるとかっていうのは,もう街ですれ違うこともあるだろうっていう感じがあるんだけど,谷村新司っていう人には,相当いろんなセッティングをして,準備万端整えてじゃないと会わないほうがいいっていう感じがあるわけ.
- 光一
- それはなんで?
- 吉田
- いや,あるわけよ.長いよ,俺,今日は.
- 光一
- いいっスよ.
- 吉田
- 今日はね,吉田拓郎が喋る日.
- 光一
- おお!! いいっスねぇ.
- 剛
- いいですねぇ.
- 谷村
- いいね,いいね.
- 吉田
- あのね,今日はスポンサーの人も来てるからね.だから,一生懸命喋らないとね,代えられちゃう可能性あるからね.じつはね,拓郎新司の作る歌が嫌いなの.
- 光一
- あら!?
- 吉田
- それはなんでかって言うと,僕は例えば谷村君のラジオとか,昔からよく本当に関西だと「ヤン・タン」だっけ? やってたりして.
- 谷村
- ええ.
- 吉田
- よく聴いてたんですよ,内緒で.
- 剛
- 内緒で?
- 吉田
- 僕は,基本形が「アリスを嫌い」って言い放ってる人なんですよ.
- 谷村
- うん.
- 光一
- ああ,そうなんですか.
- 吉田
- そんな人が,「谷村よく聴いてるんだ」って言えないわけよ.ここは編集していいからさ.それで,面白い話なのよ.谷村新司の話は本当に面白いわけ.おそらく,俺,いろんなミュージシャン知ってるけど,谷村,さだ.これも嫌いなんだけどさ.だけど,面白いの.だから,谷村君のは,ジワーッていうすごい感じがあるわけ.
- 光一
- おっとりした.
- 吉田
- それね,たまんない.ま,ファンなんですよね.
- 剛
- ファンなんや.
- 光一
- 面白い人好きですからね,拓郎さんは.
- 吉田
- ところがね,この人の歌の中にね,「ダンディズム」っていう歌があるんだよ.このタイトルが,まず気に入らねぇんだけどさ.「ダンディズム」で♪妻を愛せよ〜って言うんだよ.酌にさわんない? 「妻を愛せよって人前で歌うなよ!!」っていうのがあるわけよ,すごく.
- 谷村
- 抜け抜けとね.
- 吉田
- 抜け抜けと.「どういう気分なんだ?」っていうのがあるんです.それから,アジアの人は誰でも知ってる「昂」.この,さっきも再び詞を読み返してみたんだけどさ,やっぱりさ,「さんざめく」から何から,ま,言葉が大きい,大きい.スケールが.で,俺は「こんなにスケールが大きい歌を歌うな!!」って言いたいわけ.その後,どうしていいかわからなくなるじゃないかと思って.だって,「雨が降った」とか「髪の毛が落ちてどうのこうの」とかちっちゃい歌をテーマにしてんのに,「我は行く」んだろ? 普通,男として言うと,「わしも行きたい」.ね,「我は行くって行きたいけど,行けないじゃない」っていうのがあって.また,堂々と歌うんだ,これが.アジアに向かって.だからね,酌にさわる.まあ,言ってみれば,オジさんの愚痴に近いものがあって.嫉妬してるね.
- 剛
- 嫉妬.
- 吉田
- うん.嫉妬してる.あと,さだまさしの高い声.バイオリンのようなキィーッっていう声が出た時に,俺は「やめろよ,高い声は」っていうふうな,まあ,嫉妬なんだよね.だから,今日は会えたから,ゆっくり話してみようと思って.「昂」を作った経緯とかさ,聞きたいじゃない.
- 光一
- なるほど,なるほど.じゃあ,それを聞きましょう.
- 吉田
- 今日は谷村を離さないということで.
- 光一
- そうですか.
- 吉田
- いっぱい喋ってすいませんでした.
- 剛
- いえいえ,そんな.
- 光一
- もっと喋って下さい.
- 剛
- 「すいませんでした」って謝る人じゃないですよ,拓郎さんが.
- 吉田
- いや,わかってないんですよ.
- 剛
- 拓郎さんは,これを僕らと一緒にやってますから.
- 吉田
- あ,そうですよ.
- 剛
- 拓郎さんは,そう言わなくてもいいんじゃないですか.
- 光一
- 司会ですから.
- 吉田
- そう改まって言わなくていいんですけど.
- 剛
- ガンガンいきましょうよ.
- 吉田
- はい.
- 光一
- まあ,今,出ましたけど,その「昂」.
- 吉田
- 「昂」.
- 光一
- その「昂」を作った経緯を.
- 谷村
- 多分ね,今,拓郎さんの指摘の,「現実には行かれへんやないか」と.
- 光一
- 現実には.
- 谷村
- で,それは,僕もそう思う部分が多いっていうか.「でも,行きたいやん」ていう.なんて言うのかな? 自分を駆り立てる,自分に励ましてる歌っていう.
- 吉田
- 俺ね,信用しない.
- 谷村
- なんで? なんとなく.
- 吉田
- なんか違うな.
- 谷村
- そうかな? でも,そういうふうに行けたらええと思うでしょ?
- 吉田
- もう,すごく憧れる.
- 谷村
- だから,僕はそうしたいなと思う.
- 吉田
- で,それを臆面もなく歌うのが辛いっていう?
- 谷村
- あ,僕はもうぜんぜん.自分が「こうしたい」と思ったら,そう歌いたい人ですから.
- 吉田
- いいねぇ.アリスに入るべきだったのかな? そこからまず鍛え直さなきゃいけないっていうのがあるじゃない.
- 光一
- でも,拓郎さんが♪立ち上がれ〜とか似合わへんやんな.
- 剛
- うん.
- 吉田
- ♪一緒に寝ようよ〜だもんね.
- 光一
- ♪一緒に寝ようよ〜っていう感じですよね.
- 吉田
- 一緒にゴロンゴロンしない? っていう感じで.
- 谷村
- いや,でも,僕らのほら,拓郎さんて先輩でしょ.で,拓郎さんがいろんな作品出してた頃って,みんなわりと拓郎化していってた.だから,拓郎になろうとしてた人たちが,すごくぎょうさんおったんですよ.で,みんなハーモニカでギターで拓郎みたいな雰囲気っていうのが一つの偶像やったから.で,その形で僕らも出ていったら,やっぱり拓郎は最初に出た人やから,僕らはやっぱり拓郎になれるわけはないし,拓郎をある意味で越えることも出来へん.だから,一つ自分たちが拓郎とまったく違う方向性とか価値観とか,なんかちょっとバラエティの匂いがあるとか.なんかそんな部分が自分たちの行く道っていうふうに僕は考えたけどね.
- 光一
- 甲斐さんもそんなことをおっしゃってましたよね.
- 谷村
- やっぱり,存在がすごい大きかったから.だから,あの頃は日本中,拓郎一色だった時期があった.僕らだから,すごい悔しかったですよ.
- 吉田
- まあまあ.
- 光一
- 今日はなんか,拓郎さんの雰囲気が違いますねぇ.
- 吉田
- やっぱり若い子いないからつまんないけど,今日,いいね.
- 谷村
- うん.
- 吉田
- 単純だよね.
- 谷村
- カッコ良かったんですよ.あのね,僕ね,拓郎のライヴのビデオかなんか見たのかな? それで,パイプ椅子に座って,拓郎さんは前に譜面おいて.それでね,バッて出て来ただけで,ワァーッてウケるんですよ.それで,「ああ,ええな」ってやっぱり思うやん,同じ音楽してたら.同じ雰囲気で俺らも出たいなぁ思って.それで,パッと椅子に座って,お客さんシーンとして.で,歌う前にね,拓郎本人は多分,忘れてると思うんですけど,運動靴をね,履いてたやつをポコッて.足の先でポンッて脱ぐんですよ.で,ボロッて落ちたら,「ウワァァーッ!!」ってウケるんですよ.
- 光一
- 靴が脱げただけで?
- 谷村
- 靴が脱げただけで.もう,すごいと思ったもん,その時.
- 剛
- すごいですね.
- 谷村
- 「あ,靴,一発で持っていったなぁ」って.だから,歌う前に運動靴ボンッと落ちただけで,もう熱狂してるんだもん,ウワァー!! って.
- 剛
- カッコええですね.
- 吉田
- カッコええっていうか,やっぱり男ってほら,けっこう嫉妬心あるよね.
- 吉田
- あるよね.だから,それを話してるんじゃん.
- 谷村
- そうそう.だから,俺もすごい「カッコええなぁ」と思う反面,「ああ,悔しいなぁ」っていうのがやっぱりあるっていうか.
- 光一
- 俺もコンサートで,チャックが開いてたらウケましたけどね.
- 剛
- それは,べつのウケやね.
- 吉田
- それ,抜け系のウケやと思うけどね.
- 剛
- それも,その一日で2回開けてましたからね.
- 光一
- うるさい,うるさい.
- 谷村
- それはサービスの一環でね.
- 光一
- そうそう.
- 剛
- もうね,最初のMCで喋ってたんですよ.それで普通にいつも通りにバーッて喋ってたら,前のお客さんが,お母さんとお子さん連れで来てたんですけども,お母さんが「光一君,光一君」て言うてるんですよ.それで光一もそれに気付いて「ん?」「チャック開いてるよ!」.したらワァッ!! ドカン!!
- 谷村
- ま,つかみとしては鋭いね.
- 吉田
- すごいですね.
- 剛
- お客さんがチェックしてましたからね.
- 光一
- 地元大阪やしね.サービスやね,これもね.
- 谷村
- 大阪ってやっぱり楽よね.
- 剛
- 盛り上がりますね.
- 谷村
- なんか,素のまんまでおってええっていう感じするからね.
- 光一
- そうですね.谷村さんも関西ですよね.
- 谷村
- 僕はもう,コテコテの大阪ですからね.だから,大阪へ帰ると.で,東京で暮らしてる時って,東京弁もどきになってるやないですか.
- 光一
- はいはい.
- 剛
- もどきにせんと,なんかキツいんですよね.
- 谷村
- 東京弁喋ってるつもりでも,「ナントカしちゃったりしてもうて」とか.
- 光一
- 何か変なんですよね.
- 吉田
- で,本人は東京弁を喋ってるつもりなんだけど,東京の人にすると「ん?」っていうのがあって.
- 剛
- ありますよね.
- 谷村
- それが新幹線でずーっと,名古屋あたり過ぎると,だんだん関西弁のパーセンテージが増えてきて.もう大阪駅降りた瞬間に「帰ってきたでぇ」みたいな,もうコテコテのノリになってる.
- 光一
- 司会やると,あれですよね.ほんま混ざりますよね.
- 谷村
- 混ざるね.だから,関西の人が,その混ざってるのを見ると,ものすご腹立つんやと思うんや.
- 光一
- そう,腹立つんですよ.すいませんね,本当.
- 谷村
- 「おまえら,東京なってしもうて」って.
- 剛
- 僕も今,友達と喋ったらね,「東京染まってんちゃう?」言われますよ.
- 谷村
- うん,言うよね.
- 剛
- 「染まってんちゃう?」.
- 光一
- ここ3人関西人やから,関西弁が飛び交ってますねん.
- 谷村
- 楽やね,喋っててすごい.
- 剛
- 楽ですね.
- 谷村
- 拓郎さんは広島ですよね.
- 吉田
- 広島です.
- 谷村
- 広島弁は?
- 吉田
- ダメです.
- 谷村
- ダメなんです?
- 吉田
- 広島に戻るとね,「なにしょるんじゃ!? おんどりゃあ」とか言う時は.
- 剛
- そうですよね.「なにしょるんじゃ!?」になりますよね.
- 吉田
- ヤクザみたいな.
- 谷村
- 新幹線でいくと,どのへんから広島弁に?
- 吉田
- 岡山.
- 谷村
- だいたい一駅前ぐらいからくるんですよ,ジワジワっとね.血が騒いでくるっていうかね.
- 光一
- まあでも,本当,谷村さんは,ほんまね,さっき拓郎さんも言ってましたけど,喋りが面白いじゃないですか.まあ,ラジオを昔からずっと.
- 谷村
- 僕,ラジオのが先やったんですよ.
- 光一
- あ,テレビよりもラジオが.
- 谷村
- うん.拓郎さんも面白いんですよ,ラジオで喋ってるの.
- 光一
- いや,拓郎さんほんまね,この場やと喋らへんけど,他だとメチャクチャ喋るんですよ.
- 谷村
- 人,おれへんところで喋るでしょ.あの,ラジオとか,ちっちゃいブースのところで歌うと.おかしいんですよ.
- 剛
- 照れ屋さん.
- 谷村
- だからね,丸顔に悪い人はいないですよ.僕も丸顔ですけど.
- 剛
- 丸顔に悪い人はいない?
- 谷村
- いないって.
- 吉田
- それ,初めて聞いたけどね.
- 谷村
- いや,今,思いついたんですけど.
- 吉田
- そうだろ?
- 剛
- 今,思いついたことをテレビで言うたらあきませんよ.
- 光一
- 今,信用しましたからね.
- 谷村
- いや,丸顔はでもほら,なんか微笑ましいじゃないですか.
- 剛
- そうですね.
- 吉田
- 確かに.
- 谷村
- あんまりシリアスにいっても,説得力あんまりないし.だから,Kinki二人だとほら,剛君のほうが丸顔でしょ.
- 剛
- 僕あんまりね,セクシーにしてると説得力ないんですよ.
- 谷村
- ないんですよ.
- 剛
- アー!! やってるほうが,なんぼか説得力あるんですよ.
- 谷村
- それで,光一君のほうは,わりと.
- 剛
- シャッ! となっますからね.
- 谷村
- この形は,決まる形ですよね.
- 剛
- これは説得力あるんですよ.もうね,彼がボタン一つ二つ外しただけでね,もう嫌ですね.
- 光一
- おまえ,最近そのネタ多いな.
- 剛
- でもね,なんでしょうね? コンサートでボタン一つ二つ僕が外すのよりも,やっぱり光一が一つ二つ外したほうが,みんな見ますね.
- 谷村
- やっぱり瓜系やもん.
- 光一
- 瓜系?
- 谷村
- あの,瓜系.僕らはほら,スイカ系じゃないですか.
- 剛
- スイカ系ですよね.
- 谷村
- だから,スイカ系のうえに,僕なんかわりと離れ目属ですから.だから,どうしても地球儀方向へ入ってしまうんですよ.ね? 拓郎さん.
- 吉田
- いや,俺ね,長い間生きてるけど,スイカって言われたの初めてだぞ.カボチャとかはあるじゃない.スイカっていうのはでかいなぁと思ってね.
- 谷村
- あの,照りが入ってきたスイカ系.僕らの世代になると,やっぱり照りが入ってくるんですよね.だから,そのへんがどうしてもファンキーにならざるを得ない.それで,目が外に離れてくると,真剣な話をだんだんしづらくなってくるんですよね.真面目な話をしてるんやけど,「おまえ,笑うてるやろ!!」みたいなさ.だから,瓜系の人は.
- 吉田
- そうか,瓜なんだ.
- 谷村
- だから,面長な人に,僕すごい憧れて.
- 剛
- 僕も憧れるんですよ.
- 光一
- 面長って?
- 剛
- 自分の骨格,大っ嫌いなんですよ.骨格とか.僕ね,横向くと,顎の骨格ないんですよ.おまえあるやろ?
- 光一
- そう?
- 谷村
- あるある,ある.
- 剛
- ごっつあるやろ.
- 光一
- ある?
- 谷村
- あのね,今の顎のラインですね.ここなんですよ.首に影が出るんですよ.
- 剛
- 僕,影ぜんぜん出ませんもん.可愛いですもん.
- 光一
- 自分で言いなよ.
- 谷村
- 若いうちはね,まだそれで可愛いけどね.これでだんだんと僕らぐらいの世代になってくると,顔と肩がつながってくるんですね.ね? 拓郎さん.
- 谷村
- もう顎と首の区別がなくなって,もう顎から肩みたいな.
- 剛
- 谷村さん面白いっスねぇ.
- 谷村
- いやいや.
- 吉田
- 顎から肩.
- 谷村
- 顎から肩なるんですよ.だからあの,ハイネック.僕ね,ハイネックものすごい嫌いやったんですよ.
- 光一
- そうですか?
- 谷村
- もうね,ハイネック着てる奴見たら「殴ったろか!!」って思うぐらい.
- 光一
- 俺,ハイネック似合う言われますよ.
- 谷村
- わかる,わかる,わかる.
- 剛
- 僕も,やっぱりなんて言うんですかね? ハイネック着ちゃうと,なんかもう置き物なんですよ.
- 谷村
- でも,光一君はハイネック着ても,ハイネックの上から首があるんですよ.
- 光一
- 首長いですよね.
- 谷村
- だから,僕らはハイネック着ると.
- 剛
- ちょっと怪しくなりますね.
- 谷村
- だから,これをちゃんと見せようとすると,ハイネックの前を下げるんですよ.そうすると,横から見るとハイネックが下に向かって下がるんですよ.なんかね,ハイネックがね,横一でパァーッと見える人って,ものすご腹立つのよね.
- 光一
- どっからこの話出てきたんでしょうね?
- 谷村
- やっぱり丸顔からでしょ.僕ね,ちっちゃい頃ね,ウンコタレやったんですよ.
- 光一
- 急に何を言い出すんですか!?
- 谷村
- いや,僕はね,今日は言うとかなあかんと思って.拓郎さんも言うたし.それで,僕も拓郎さんも同じような経験持ってるような気はすごいするの.あの,屈折の仕方が,拓郎さんは四畳半のほうに屈折していったでしょ.それで僕は空のほうへ屈折していったタイプなんだけど.あの,腸が弱かったんですよ.
- 剛
- 僕も腸弱いですよ.
- 谷村
- 弱いでしょ.
- 吉田
- 弱いけど,その話,面白いね.こんなとこで「俺,腸が弱かった」って.いいなぁ.
- 光一
- まだ面白いとこじゃないですもんね.
- 吉田
- もうメチャクチャ面白い,今のが.
- 谷村
- 本当? 腸が弱かったっいうだけで.
- 吉田
- あの,小学校の頃って,大便のおトイレって,今みたいに洋式やなかったから,オシッコするほあと大きいほうするほうって別れてたんですよ.それで,だいたい大便のほうは扉ついてて.それで,みんな男の子はそっちでせぇへんのよね,カッコ悪いから.
- 光一
- そうですね.俺も小学校の時そうでした.
- 谷村
- それで僕らも見栄があって,しやんと頑張ってるんだけど,腸が弱いから.で,グルグルグルグルってくるんですよ.それで,学校がだから午前中の時に,必死で我慢して,家に帰るまで絶対に出来へんのですよ.
- 光一
- そう,僕も小学校の時そうでした.男の生き方としては.ね? 拓郎さん.そうですよね.
- 吉田
- もちろんです.
- 剛
- すごいわかりますわ.
- 谷村
- だからね,大便したとこから出てきたとこ見られたら,もう学校行かれへん.
- 光一
- それはわかります.
- 剛
- すごいわかりますわ.次の日からあだ名ウンコとかになってますよね.
- 谷村
- そうそう.大阪はすぐウンコタレとか言われるんですよ.
- 光一
- 絶対そうです.関西人はストレートなね.
- 谷村
- それであの,うちの学校から家まで,歩いて10分ぐらいの距離なんですよ.で,そこに公園があるんですよ.そこを学校から帰ってくる時に,斜めに横切るとちょっとは距離がかせげるんですよ.それで,学校出て,ずっと公園きた時に,もう.
- 剛
- もう,ヤバい.
- 谷村
- もうギリギリやったんですよ.それで,咳とかすると絶対に危ないんで.
- 光一
- ちょっと力いれるとね.
- 谷村
- だから,なんかきっかけで,ポンッと肩を叩かれたら,もうフッといってしまう.
- 剛
- 「あらぁ!?」みたいな.
- 谷村
- だから,グーッと必死で締めて.
- 剛
- 集中して.
- 谷村
- だから,当然,外股になるんですよ.外股になって,必死で小股になって歩いて,それで公園に柵があるんですよ.
- 剛
- 柵がある.
- 谷村
- で,そこを遠回りしていくと入り口から入れるんですけど,とりあえずちょっとでも距離を稼ぎたいからっていうんで,その柵をまたごうとした瞬間にイッたんですよ.それで,でも,イッた瞬間ていうのは,動けないんですよ.
- 剛
- それは動けないですよね.
- 光一
- 「あっ!? あっ!!」っていう感じでしょうね.
- 谷村
- 「あっ!!」っていってひとしきりね,もう全部出尽くすまで,その柵をまたいだまんまジーッと止まってるんですよ.
- 光一
- え? 出尽くすまでですか?
- 谷村
- そうなんですよ.だから,なんで動かれへんのかようわからへんのですけど.
- 剛
- いや,ちょっとでもなんかやっぱり動かすと,どうなるかわからないじゃないですか.
- 谷村
- それで,とりあえず出すだけ出さんと,今度はアクションに移れないんで.それで,歩き始めたんですよ.それで,その時,小学生ですから,半ズボンなんですよ.
- 剛
- もうそれは半ズボンですよ.
- 谷村
- それで,僕は当時,けっこうモダンやったんで,ブリーフでしたよね.
- 吉田
- ブリーフね.
- 谷村
- で,ブリーフはいてたんですよね.そしたら,ブリーフの下に半ズボンが5cmぐらいあるんですけど,足細いから,けっこうすき間があるんですよ.それで,必死で小股になって.だから,なんとなくさわると,タホタホっていう.
- 剛
- タホタホ.
- 光一
- タホタホですね.
- 谷村
- それで,そのまんま横からもらしたらあかんし.その時に,要するに,ブリーフのお腹のゴムが,だんだん緩なってくるんですよ,重さで.
- 剛
- 弱ってきてる.
- 谷村
- それで,自分で手でブリーフを内側に寄せて.それで要するにあの,リンゴ汁しぼるみたいな感じ.
- 剛
- まあ,寄せて.
- 谷村
- ガーゼでほら,風邪ひいた時にリンゴ汁しぼるあの感じを,おしりでやってそのままずっと家に帰った時に,僕ね,自分で,「このまま,まともには生きていけない」って,もう子供心に.すごいそれがずーっと引きずってるんですよ.
- 剛
- 傷がついてしまいましたからね.
- 谷村
- いつかこれは,僕は言わんといかんと思ってたんですけども.
- 光一
- 今日,この場を借りて.
- 谷村
- ええ,この場を借りて.
- 剛
- これだけみんなに言ったら,もうね,明日から気にしないで.
- 谷村
- ええ.ちょっと気分が楽になりました.
- 光一
- ほんまですか?
- 谷村
- 拓郎さん,そんな経験ないですか?
- 吉田
- ウンコ? いや,みんなあるんじゃないですかね.学校,本当に焦って貧血おこすっていう感じ.でも,しちゃうよね,だいたいやっぱり.僕はでも,コンサートツアー始まってからもしちゃったことあるけどね.
- 光一
- 本当ですか?
- 谷村
- それ,大人になって?
- 吉田
- 大人になってから.沖縄のね,沖縄の街を歩いててね,もう我慢出来なくなってね.もうなんでもいいと思って喫茶店に飛び込んで.そしたら,そこ,男性用の立ってするオシッコのとこに,立ってしちゃったよ.後ろ向いて.
- 剛
- 絶対に自分もそうなったらそうしますよね.
- 谷村
- そうするよね.
- 吉田
- だって場所がね,もうないとしたら,もうそこしかないんだから.
- 剛
- とりあえずなんか,とりあえず流さなって思いますもんね.
- 谷村
- でも,おトイレ,バァーンと慌てて飛び込んだ時に,紙の確認とかしてないでしょ.
- 吉田
- ぜんぜん余裕ない.
- 剛
- しないですね.
- 谷村
- そういうのはもう,そこの危機を脱した次のレベルなんです.だから,ドーンていって,ハッと落ち着いた瞬間に「あっ!! 紙がない」っていうのが,僕も一回あったんですよ.
- 剛
- その時どうしました?
- 谷村
- その時はね,京都の大学の受験しに行く時に,淀屋橋から乗って,京都の七条かあのへんまで止まらへんのですわ.途中でお腹痛なって.それでもう,京都まで行かなあかんけど,もう試験とかそういう問題より,この満員電車の中でドーンとイッてしもうたら,もう試験もクソもない.
- 剛
- もう生きていけませんよ.
- 谷村
- もうそれで,不吉なことばっかり考えるでしょ.それで,その七条かなんかの駅に付いた時にね,とりあえずやっと駅に止まってバァーッと走ってって.それで,おトイレに入ってドーッとやって,フッと気が付いたら,もう紙なんてぜんぜんないんですよ.それで,必死でティッシュとか探したら,持ってないんですよ.で,その時に紙系のものを何かないかなと思って探して.………お金ですよね.
- 光一
- え?
- 谷村
- お札.
- 吉田
- でも,紙だもんね.
- 谷村
- 紙だから.
- 吉田
- 紙が欲しい時はもう.
- 光一
- お札…….
- 谷村
- だから,その時,千円札と五百円札と持ってたんですよ.それで,千円札はやっぱり使えないんで,五百円札をもんで.
- 光一
- 柔らかくして.
- 谷村
- 柔らかくして.それで,全部柔らかくしとかんと,どこがあたるかわかれへんやないですか.
- 剛
- それはそうですよね.
- 谷村
- それでもう,五百円札のはじから全部ほぐしてって.で,あれ,ずっとやってると,ものすご柔らかくなるんですよ.で,五百円札ってね,大きさが一回りぐらい大きくなるんですよ,ほぐしてると.それで,五百円札で処理したっていう記憶ありますけど.
- 光一
- 腸が弱いと大変ですね.
- 吉田
- 「腸が弱いと大変」て.
- 谷村
- だからあの,オナラとかする時って,やっぱり一瞬ドキッとする時ありますよ.
- 光一
- あ,一瞬出ちゃうんじゃないかと.
- 谷村
- ゆるい時に,意識の中では「オナラかな?」とかってあるでしょ?
- 吉田
- あるけど,君,本当に「昂」作った人なの?
- 谷村
- 一回あるんですよ.ゆるかったんですけど,ホテルのロビーで,周りに誰もおれへんなんで,ちょっとオナラ出そうな雰囲気になってきて.それで普通,調子いい時は,プスッとかっていう感じで,「よっしゃ!!」みたいな感じってあるじゃないですか.
- 剛
- ありますよね.
- 谷村
- 自分ではスッといったと思ったんですよ,感触なかったんで.そしたら,なんか「あれ?」って,なんか湿ってる.
- 光一
- それは何歳ぐらいですか?
- 谷村
- いや,4年ぐらい前です.
- 光一
- マジですか?
- 剛
- いや,腸が弱いと本当,苦労するんですよ.僕も腸弱いですけど.
- 谷村
- 弱い? 僕ね,腸弱い人好きなんですよ.
- 光一
- 共感を?
- 谷村
- なんかそういうすごい暗い過去を.
- 剛
- だからあの,丸顔の人は腸が弱いんですよね.
- 谷村
- 弱いんですよ.
- 剛
- 風邪ひくと,絶対ダメですもん.
- 光一
- まあね,誰しもすることですからね,トイレはね.
- 篠原
- はーい!! そうですよ.こんにちは.指輪なさって下さってるんですよ.
- 谷村
- さっき交換したんですよ.
- 篠原
- そうなんですよ.
- 光一
- 交換?
- 篠原
- 交換指輪です.いい関係になって.
- 吉田
- シノラー,ウンコするのかな?
- 剛
- それはそうですよ.
- 谷村
- あのね,太いと思う.
- 篠原
- なに言ってるんですか!? 何がですか?
- 吉田
- ウンコ.
- 篠原
- いやー!! もう,知らないですよ!! そんなウンコの話なんて.
- 吉田
- しないの?
- 篠原
- え? ウンコ好きですよ.いやぁー!! なに言ってるんですか!!
- 吉田
- ウンコ好きなんだ? 初めて聞いたなぁ.
- 谷村
- 下ネタ弱いけど,ウンコは好きなんだ.
- 剛
- ウンコは好きなんですね.
- 光一
- そういうマニアなんですかね?
- 谷村
- マニアっていう言葉に,やっぱりすごく反応してしまいますね,僕ら.多分ね,こっち二人とそっち二人で,今ぜんぜん浮かんでる映像違うと思う.
- 光一
- 谷村さん.どういったマニアですか?
- 谷村
- いや,僕は口では言えないような映像が,一瞬フワッと浮かびましたけどね.拓郎さんも同じ系の映像だと思いますけど.だいたい屈折してるタイプって,マニア系ですよね.
- 吉田
- ああ,そうでしょうね.
- 谷村
- どのマニアにいくかってだけで.
- 吉田
- いっぱい秘密があるよね.
- 光一
- でも,ミュージシャンの方って,そういう自分の世界ですから,マニアックなものって持ってるんですかね? 自分の中で.
- 谷村
- 変なものにこだわってるから,わりと頑なですよね.
- 吉田
- 頑固.
- 谷村
- 頑固.だから,「これ!」って決めたら「これ」なんですよ.だから,理由がないというか.
- 吉田
- そうそう.
- 谷村
- だかせら,好き嫌いっていうのもそうなんですよ.「なんか好きじゃない」とか「なんか嫌い」っていうのは,「なんで?」って言われても.
- 光一
- もう,嫌いは嫌い.
- 谷村
- 嫌いは嫌いなんですよ.良い悪いじゃなくて,好き嫌いっていうのはそういうふうにはっきりしてる.でも,嫌いなものにもそれなりに合わせられるっていうのは,やっぱりある程度の年齢がたってくると,合わせられるようにはなってくる.好きなものには,そのまんまのっていけばいい.
- 光一
- やっぱりミュージシャンの人ってみんなそうなんですね.
- 谷村
- いろんなもの買ってる人が多いですよね.なんか熱帯魚とかメダカとか.そういう方向に走ってる人,けっこういめんじゃないですかね?
- 光一
- すごいビニ本を…….
- 谷村
- ええ.僕はかつて.まあ,今はやってないんですけどね,ちょっと廃れてしまいましたから.もう僕,出る度にこの話,いろんなところでしてるんですけど.
- 吉田
- 出る度に.
- 谷村
- ええ,燃えた時期がありましたね.
- 光一
- それはなんでまた? きっかけは?
- 谷村
- きっかけはね,話し始めるとこれも長いんですけど,僕はお客さん側じゃなくて,ショップ側に入ってしまったんですよ.
- 光一
- ショップ側?
- 谷村
- お店側に.だから,仕入れとか,そういう相談まで受けるような.だから,「これ入れたほうが絶対に売れると思うよ」とかっていう方向へ.
- 光一
- すごいですね.
- 谷村
- あの頃,すごくエネルギーがありましたよね,ビニ本ね.
- 吉田
- ビニ本,素晴しかった.
- 谷村
- ね.
- 吉田
- あれ,なくなっちゃったんでしょ?
- 谷村
- 消えつつありますね.
- 吉田
- あれは文化だったね.
- 谷村
- 持ってました?
- 吉田
- ええ,もちろん.まあ,大きい声では.
- 光一
- なんでそんなにちっちゃい声なんですか?
- 剛
- すごいな.テレビやのにコソコソ.
- 谷村
- 大事に持ってるやつあります?
- 吉田
- 今でもね.自分の引き出しっていうのがあってさ.けっこう家族も見れないような引き出しって.だいたいガキの頃からあったんだけど,お袋に見せたくないっていうのは.ずっとあるね,なんか.そこはもう,本当に時々開ける時,フニャフニャするもんね,気分が.なんか,すっげぇ不愉快なことあったりしたら,開けるとウフフって.
- 光一
- それ,何なんか知りたいですね.
- 谷村
- いや,あるよね.男ってなんかそういう.
- 吉田
- オモチャ好きだから.
- 光一
- そうですね.
- 谷村
- いろんなオモチャ.
- 光一
- さぁ,それではですね,このへんで,LOVELOVEなものについてお聞きしたいんです
- 谷村
- 僕ね,撮って来たんですよ.
- 光一
- このデジタルスチールカメラで.
- 谷村
- 今,飼ってるやつがいるんですけど,これ,ウサギなんですよ.
- 剛
- ウサちゃん.
- 吉田
- え? 猫じゃないの?
- 谷村
- これね,写真で撮ると,何かわからない物体になるんですよ.
- 光一
- わかんないですね.
- 谷村
- それで,いろんなポーズを.これでちょっとウサギってぽいですね.
- 吉田
- わかんないよ.耳ないの? ウサギの耳.
- 谷村
- これ,垂れ耳ウサギっていうやつで,ドロップイヤーっていって,ダラーンと垂れてるんですよ.これ,正面図ですね.
- 光一
- なんでウサギが?
- 谷村
- いや,これね,娘がすごくウサギが好きで.誕生日のプレゼントでどうしても欲しいっていんで.
- 光一
- で.
- 谷村
- それで,見つけてもらって,手にいれたウサギなんですよ.それで,最初ね,
あんまり大きくならないと思ってたんですよ.
- 光一
- ウサギは.
- 谷村
- これ,けっこう大きいんですよ.
- 剛
- でかいですよね.
- 谷村
- でかいんですよ.昔あの,武田鉄矢の家に遊びに行った時に,テーブルウサギっていうのを飼ってるって言うてたんですよ.テーブルウサギだから,手のひらに乗るぐらいのね.それがもう,50cmぐらいですよ.なんか豚みたいなウサギ.それで,ウサギが跳んできたら,ドスドスドスドスっていう.だから,あんまり大きくならないっていうのは嘘だって.
- 吉田
- これ,散歩とか連れてくわけ?
- 谷村
- いや,ウサギはあんまり散歩には連れていかないですね.
- 吉田
- ああ,そうか.
- 谷村
- ウサギって,それで鳴かないんですよ.
- 光一
- 鳴きませんね.
- 吉田
- あ,鳴かないか,ウサギ.
- 谷村
- それで,家の中で放しとくと,綺麗好きなんでオシッコとかはちゃんと自分の部屋に戻ってやるんですよ.それで,目と目の間あめでしょ.そこを指とかでなでると,突然目をつぶって,もう「気持ちいい」っていう顔するんですよ.だから,それはもう手でやってもいいし,邪魔くさい時は足の親指で.
- 光一
- 常に鼻動かし手ますよね.
- 谷村
- そう.ずっとそうしてるね.
- 剛
- あれは何をやってるのかっていうぐらい.
- 谷村
- 何をしてるのかな?
- 剛
- ヒクヒクしてますよね.
- 谷村
- ちょっと休めって言いたくなるよね.
- 光一
- ほんまそう思いますよ.ずっと動かしてますからね.
- 谷村
- でも,休まれてもちょっと怖い.
- 光一
- おまえ,なんで動かへんねんって.
- 谷村
- わりと冷静にじーっとされてると.いつも寝てますね,最近.もうドーッと横一で.手を上に上げて.
- 光一
- それ,もうヤバいんちゃいます?
- 谷村
- 大丈夫.ドンッ!! とか音すると,ビクッって起きてくるっていう.スラッシュっていう名前なの.
- 剛
- スラッシュ君.
- 光一
- スラッシュ.そうですか.他にありますか?
- 谷村
- 僕,これだけなんですけど.
- 剛
- ウサギちゃんだけ?
- 光一
- ウサギちゃんだけですね.あ,全部ウサギですね.
- 谷村
- これ,いろんなものを,ウサギのバリエーションをいっぱい撮ってきたんですけど.最初は鑑の中に入ってるのを撮ったんですけど,鑑のほうがはっきり写ってしまって.なんか不気味でしょ.怪獣かなんかわけわからん雰囲気だったんで.
- 光一
- まあ,とにかくウサギが今LOVELOVEだと.
- 谷村
- はい,ウサギが.
- 光一
- ウサギ以外にあります?
- 谷村
- そうですね,金魚ですかね.
- 剛
- 渋いですね.
- 谷村
- 金魚なんですよ.それも種類があって,コメットっていうやつ.
- 光一
- あ,なんか聞いたことがあります.
- 谷村
- 和金て尻尾が二つとか三つとかにわかれてて,意外と短いんですけど,コメットっていうのは,縦に二つ分かれてて,身体が半分の尻尾が半分ぐらいのヒラヒラヒラッて長いやつ.それが好きなんですよ.で,もともとは子供たちがお祭で,縁日で掬ってくるじゃないですか,金魚を.それで,4匹ぐらもらってきて,普通の缶の中に入れといたら,すぐ死ぬんですよ.2,3匹死んでしまって,それで最後の一匹を死なさないためにはどうしたらいいだろうって考えて,金魚の本とか買ってきて.そしたら,空気を必ず送り込んで,水槽がこの広さが要るとかっていうので,そっから金魚にのめり込んだんですよ.
- 光一
- 熱帯魚とかじゃなくて,金魚がいいんですか?
- 谷村
- うん.熱帯魚はね,綺麗すぎるね.熱帯魚って,人格があまりないですよね.人格言うんですか? 魚格? だから,わりと群れてるやないですか.群れてるのがあんまり好きやないんですよ.風通しのいいほうが.
- 光一
- なんか,ようわからんようでわかるような.
- 谷村
- だから,大きくなり過ぎると,井の頭公園の池に放し飼い.
- 光一
- なるほどね.今,とにかく動物が好きなんですね.
- 谷村
- そうですね.
- 光一
- はい,じゃあ,それはこのへんにしましょう.続いてはですね,ガチャガチャマシーン・アルファにいきたいと思います.これを回して下さい.質問が出てきます.
- 谷村
- はい.
- 光一
- 「スケールのでかさでは日本一のシンガー,谷村さんに質問です.そんな谷村さんでも,僕ってセコいなぁって思ったことありますか?」.
- 谷村
- あの,御飯食べに行ったりすると,人が頼んだんがすごい美味しそうに見える.
- 光一
- ああ,それはでもありますよね.
- 谷村
- それであの,ちっちゃい頃から自分のは確保できてるやないですか.そうすると,例えばお母さんのやつとかお父さんの海老フライをどうしても食べたいって思って.で,「ちょっとだけちょうだい」っていうのが,ずっと高じて,肥満児になったんですよ.
- 光一
- 俺もね,人からもらう柿ピーが美味しくてしょうがないんですよ.
- 谷村
- ああ,自分で買うたやつやのうて.
- 光一
- ええ.次々食いたくなるんですよね.
- 谷村
- なんか,あるよね,そういうの.
- 剛
- ありますね.僕もそういうタイプでしたからね.友達のをちょっともらって,自分は自分で食べたいと.
- 吉田
- 人にはあげたくないの?
- 剛
- なんか悔しいですよね,自分の海老フライもってかれると.
- 吉田
- すごい嫌でしょ.弁当箱とか,卵焼きもってかれると.
- 剛
- 悔しいですね.
- 谷村
- なんか「交換しよう」とかって言われる時あるやない.
- 吉田
- 交換するものがない時辛いね.それに匹敵する.
- 剛
- 交換は難しいですね.
- 谷村
- すごい些細なことで悩んだりしません? 例えば向こうがハンバーグで,こっちが卵焼きで,「ちょっと交換せぇへん?」って言った時に,どれぐらいの大きさに切るか.
- 吉田
- よく本当に「昂」作ったね.
- 谷村
- いやぁ.で,向こうがハンバーグどれぐらいの大きさに切るかによって,こっちの卵の大きさも決めようとか.
- 剛
- それはありますね.
- 光一
- でも,あれですよね,トイレで五百円札もんでたぐらいですから.
- 谷村
- ええ.僕ね,二重人格なんですよ.あの,AB型なもんですからね.だから,ずっと一つの方向に行ってると「あかん」って自分ですごく思うんですよ.だから,固いほうへばっかり行ってると,自分でその固さに飽きるんですよね.で,すごい柔らかいほうに.柔らかいのと行ったり来たりしてるっていうのが,いちばん気持ちええんですよ.だから,時々,すごい冷たい表情になる時があると思うんですよ.
- 光一
- そうですか.
- 谷村
- だから,それを好意的に見ていただければ,クール.
- 光一
- あ,でも,クールに丸顔は決めれるんですかね?
- 谷村
- そう.それが決めれないんですよ.で,クールにバッと決めてるんだけど,顎は二重になってたりすると,「はいはい,はいはい,はいはい」とかって言われたりする.
- 光一
- そうですか.じゃあ,続いていきましょう.
- 谷村
- はい.
- 光一
- 「谷村さんに質問です.トレードマークとも言える,その口髭.普段,気を遣ってることとかありますか?」.
- 谷村
- あ,これはですね.
- 光一
- 昔からですよね?
- 谷村
- ええ,小学校の頃から.
- 光一
- え?
- 谷村
- いえ,嘘です.25歳ぐらいの頃から,上が薄くなってきたんですよ,髪の毛が.それで,そのぶん下でカバーしようと思って髭を生やし始めてたんです.そしたら,真ん中が生えないんですよ.わざとじゃなくて.
- 剛
- なるほど.
- 光一
- 自然体なんですね.
- 谷村
- それで,これを必ずキレイに左右に.あと,髭の生やし方って二通りって,髭が唇にかかってるタイプの人と,それから揃えてるタイプの人といめんですけど,僕,かかってるのって,すごいイライラするんですよ,自分で.
- 剛
- なんか,刺身とか食べたら,醤油が髭で固まって.
- 谷村
- そうそう.クリームとかそういうのが付きそうで,そういうのがすごい嫌で.だから,唇にかからないようにカットして.なんかアップで写ると,けっこういやらしいな.
- 吉田
- すごいいやらしい.
- 光一
- じゃあ,続いていきましょう.
- 谷村
- けっこう長い間しゃべる番組なんですね,これ.
- 吉田
- でも,番組だとね,10分もない?
- 剛
- ないんじゃないですか.
- 光一
- トークは10分ないんじゃないですか.
- 谷村
- 僕,テレビでしか見てないから.
- 吉田
- そうそう.
- 谷村
- もう,5分ぐらい喋ったら終る番組だと思ったんですけど.
- 光一
- これはいい質問ですね.「一見すると温厚そうに見える谷村さんでも,やっぱりキレてしまったことはあるんですか?」.喋り方もゆったりとした感じで.
- 谷村
- ありましたね.
- 光一
- ありますか.
- 谷村
- あの,もう過去の話ですけど,あの,タクシーとか乗って,よく喧嘩してた時期とかあったんですよ.それであの,地方行くと,距離感がわからへんでしょ.
- 光一
- ええ,わかんないですね.
- 谷村
- それで,「どこどこ行って下さい」って言うた場所が,どれだけ近いのか僕らわからないからタクシーに乗る.それで昔,寒いとこでね,雪降ってたんですよ.それでずっと10人ぐらい待ってたの,雪の中で.それで,傘持ってる人はいいんですけど,僕ら傘持ってなかったから,コート頭からかぶって,ずっと40分ぐらい待ってたのかな? それで,自分の番がきて,それで乗って,一安心で「何々ホテルまでお願いします」って言ったら,「近いんだから歩けばいいじゃん」って言われたんですよ.そんなこと言われると思ってないから.それで,最初は東京弁で「でも,僕たち東京から来てるから,道がよくわかんないんですよ」って言うてたんですよ.そしたら「そこやがな.見えてるよ,そこに.3ブロックぐらい歩いたらええねん」って言われて.そのうちだんだんキレ始めると,大阪弁なってくるんですよ.
- 光一
- どんどん出てきますよね.
- 谷村
- 「も一回言ってみぃや」みたいになって.
- 剛
- おお,怖いなぁ.
- 谷村
- それで,その時に,まあね,昔の話だからいいですけど,足が出たんですけど.
- 光一
- 足が出た!!
- 剛
- 足が出た!!
- 谷村
- ええ.それで運転席の後ろの透明の.
- 光一
- ありますね.
- 剛
- ありますね.
- 谷村
- はい.あれ,蹴りごろなんですよね.それで,あれ,後ろから蹴り抜いたことあるんですよ.
- 剛
- スポーンと.
- 谷村
- ボーンと.蹴って,それで,そんまんま「とりあえずホテルまで連れてけ!!」みたいな話で.
- 光一
- へぇー.
- 谷村
- 若い頃ですよ.
- 光一
- 僕らも東京に来て,ぜんぜん道わかんなくて,タクシーに乗ったら,「おまえ,それ逆方向だよ.向こうから乗れ!」とか言われて.「ああ,なんて人だ」って思いましたね.
- 谷村
- だから,すごい親切な運転手さんがほとんどじゃないですか.それで,やっぱり本当にそういう時あって.こっちもほら,我慢できる時は,下手に「すいませんね,近くて」っていろいろ言うてるんですけど,あんまり理不尽な時ってあるでしょ?
- 光一
- ありますね.
- 剛
- ありますね.一回,俺,そんな近くないんですよ.でも,やっぱりタクシーの人にしてみれば,何台も何台も待ってるから,やっぱり遠い距離のほうが自分は得するじゃないですか.それで「どこどこまで」って言ったら「チッ」って舌打ちされて,俺も若かったですから,「ムカつくなぁ」とか思ってたんですよ.それでブーンて走り出して,メチャ飛ばすんですよ.曲がりなんかすごいんですよ.「ほんまムカつくな,こいつな,こいつ」思ってて.そんで,ブーンて走ってたら,歩道あるじゃないですか.歩道にわざと乗り上げやがって.ガコン!! とかなって.それでね,ほんまキレるか思いましたけどね.
- 谷村
- それ,キレんといかんよね,そういう時は.
- 吉田
- いや,お金で処理したほうがいいな.
- 谷村
- 多分,いちばん暴れてた人ですよ.
- 吉田
- いや,僕,ぜんぜんそういう.タクシーの運転手が行きたくないっていう雰囲気わかったら,すぐお金をつかませて.「すいません,これで行って下さい.僕がいけませんでした」っていう姿勢で,必ず.だから,だいたい金で解決する.
- 剛
- 暴力じゃなくて金で.
- 吉田
- もう子供の頃から.
- 谷村
- 子供の頃から? すごい裕福だったの?
- 吉田
- ええ,もう,すごい家だったもんですからね.だから,親たちが,そういう目にあわないように,常に懐に100万200万持たせるような.
- 光一
- 嫌ですねぇ,それ.
- 吉田
- ずっと金で解決してきましたから.すべて解決できました.はい,ありがとうございました.
- 谷村
- やっぱりね,丸顔は裕福な家に多いんですよ.
- 光一
- なるほど.今日は丸顔ですね.
- 谷村
- 丸顔ですね.
- 光一
- じゃあ,これはこのへんにしましょう.それでは最後にですね,谷村さんのLOVE LOVEな歌,曲について.
- 谷村
- これはですね,この曲を僕は,出していいのかどうかよくわかりませんが,とりあえずこの番組の雰囲気にかつてなかった楽曲なんですが.僕が中学校ぐらいの時かな? 日曜日になると必ず歌番組がお昼にあったんですよ.その時に必ず流れて歌で,船木一夫さんの「高校3年生」という名曲があるんですよ.それでね,その,何が僕はこれが好きかというと,イントロ.もう,あの♪タン,タン,タターン,タ.タンタン,タンタン,タータン〜.もう,これ.これをぜひ僕は歌いたいなと.
- 光一
- どうですかね? 拓郎さん.
- 吉田
- これはやっぱり,バンドではかなり問題になりました.これまでいろんなゲストがあったけども,藤あや子の「紅」,これも参ったけど「これはどうすりゃいいんだ?」っていうので,悩みましたね.2,3日,みんな本当に眠れないような夜を過ごして.みんな本当にそれなりに悩んで.
- 谷村
- でも,やりたい.
- 吉田
- これは歴史に残る.今日でこの番組おしまい?
- 光一
- いやいやいや,とんでもございませんよ.
- 吉田
- 最後を飾るにふさわしい.
- 谷村
- 新しい世界が僕は開けると思うな.
- 吉田
- うん.これでこの番組も変わっていくだろうね.
- 光一
- あ,そうですか.
- 谷村
- よりバラエティ色が強くなって.
- 光一
- そうですか.わかりました.それでは「高校3年生」,スタンバイよろしくお願いします.
- 谷村
- はい.
- 剛
- よろしくお願いします.
(C) FujiTelevision Network,Inc. All rights reserved.
|