#191
HomePageだけの特別編集版 かぐや姫編
- 光一
- はい,今夜のゲストは初登場,かぐや姫の皆さんです.よろしくお願いします.
- 一同
- よろしくお願いします.
- 光一
- かぐや姫の皆さんは,1978年以来の22年振りの再結成ということでございますが.
- 南
- そうですね.
- 光一
- 私たちが生まれる前に解散されて.
- 剛
- 前ですよ.
- 南
- あ,解散したのが生まれる前.
- 光一
- はい.
- 剛
- まだ21ですから.
- 南
- それはそうとう前ですよね.
- 光一
- 再結成される経緯は?
- 南
- あのね,これは去年ね,僕はサマーピクニックっていう野外コンサートやってるんですよ.
- 伊勢
- ソロのね.
- 南
- ソロの.その野外コンサートも久々に復活して,そのコンサートの復活したっていうので,拓郎さんと陽水さんが飛び入りのゲストで来たの.もともとメインのゲストに松山千春さんがいたんですよ.それに飛び入りで来ていただいて.その前の日に飲んでて,僕はそこにいなかったんだけど.ここからはややこしいよ.ショーヤンもゲストに入ってたの.山本順子さんとのユニットで.その前の晩にみんなリハも終わって飲んでる時に,拓郎さんが酔っ払ってたかどうかは定かじゃないけども.それでショーヤンに「おいおい,陽水も俺もいる.なんでかぐや姫がいないんだ?」と.あと,こちらにいる山田パンダさんっていうんですけども,この方が野外コンサートの場所に来れば揃うじゃないかと.「なんでここにいないんだ?」ということになったわけです.それでショーヤンが飲んでました.そこで「おまえ,パンダに電話しろ」ということで,その夜に九州から東京に電話したら,パンダさんが出て,来いと.
- 山田
- 最初,ショーヤンと世間話してたのよ.そしたら後ろでえらい酔っ払いみたいな人が「おら,早くせんか!」ってショーヤンあおってて.誰が酔っ払って後ろで騒いでるかと思ったら,拓ちゃん.で,「代われ」って代わったの.そしたらいきなり「おまえ,なんでここに来ないんだ」って怒るわけ.まあ,いちおう「すいません」って謝って.でも,呼ばれてないしなと.でも「来りゃいいんだよ,ここに」って.それで今度は陽水に代わってね,「パンちゃん,東京にいるの?明日来れば?」「帰省ラッシュで飛行機は大変やろうけど,新幹線だったら何とかなるからも,新幹線でおいでよ」って言うんで「あ,行くわ」って.
- 南
- 野外コンサートの場所は九州ですから.
- 光一
- じゃあ,「来いよ」「よし,行くよ」ってそういうノリで皆さんが集まったと.拓郎さんの一言からですよね?
- 南
- そうですね.ちょっと脅迫にも似たような.
- 光一
- 「来なさい」と.
- 南
- 「来なさい」ってそんな親切じゃない.どうでした?
- 山田
- いやいや,脅迫ですよ.「おまえなんでいないんだ?来いよ」って.
- 光一
- どうですか?拓郎さん.覚えてますか?
- 吉田
- はい.まあさ,場所が九州なんですよ.そこに集まってる人は九州の人ばっかりなわけ.九州のそれも大分だっけ,ショーヤンとこうせつは.それで博多,福岡県.山田パンダさんは福岡でもすげえ山の中の人が知らないようなとこ.
- 山田
- そんなことない.筑豊だよ.
- 吉田
- 陽水さんと田舎を競い合ってるような人だから.そういう人が集まってて,そこに北海道から松山千春っていうものすごい田舎者が来てるんだよ.
- 光一
- 要するにみんな田舎もんや言いたいんですね?
- 吉田
- そこにこんだけ田舎もんが集まってるんだから,山田パンダがいたほうがいいんじゃないっていう.
- 光一
- その時は「再結成させるぞ!」みたいな?
- 吉田
- いや,僕は山田パンダっていう人とよくお酒飲んだことがあったから,お酒飲んでてつまんないてから,ショーヤンじゃ.
- 光一
- つまんないんですか?
- 吉田
- ショーヤンっていう人は,昔からこだわりの人で,お酒飲むとこだわりだけなんだよ.ワインがどうとかうるさいわけ.
- 南
- うるさいよ,今でも.
- 吉田
- ワイン一杯飲むのに1時間ぐらい講釈があるんだよ.
- 南
- よくつかんでるわ.
- 吉田
- すごい辛いわけ,一緒にいて.ギターの鳥山もそうなの.ワイン一杯飲むのにね,「これはまだ目が覚めてないから寝かせとこう」とか.「飲みたいって言ってんだ,俺は!」って.
- 南
- ボルドーがどうした,斜面がどうして雨の質がこうだからとうるさいのよ.
- 吉田
- そういうのない人だから,山田パンダという人は.だから,そういうわかりやすい人がそばにいて欲しいなと思って,「パンダ呼んでくれよ」っていう感じでしたね.
- 光一
- じゃあ,ぜんぜん再結成とかそういうことはまったく.
- 吉田
- するとは思いませんでしたね.
- 光一
- 皆さんはどうなんですか?集まった時.
- 南
- それで来ました,当日.それで僕は,知らないから,来てるの.それで歌っててさ,松山千春が歌ってて,僕は最後のステージで.その直前にショーヤンからパンダさん今来てるって.「ええ?3人揃ったじゃん.じゃあアンコールは3人で出よう.22年間練習してなかったけど,アンコール僕の曲準備してたけど,それは全部カットして3人でやろうよ」って「神田川」と「僕の胸でおやすみ」って歌ったんですよ.それで僕はもううこれでいい.再結成したって思ってたんですね.ところがそこからいろいろ物語が始まって.「紅白に出てくれ」っていうことで,記念に紅白まで行こうと思ったら,またインターネットのなんとかだって署名がきて,ツアーにまで至るんですよ.
- 剛
- すごいな.
- 光一
- 本当に自然体で再結成したっていう.
- 南
- そうですね.だからこれはずっと続くわけじゃなくて,まあ2000年だから.でもいつか一回はやろうと思ってたんだけど,そのきっかけがつかめなかったとこに,拓ちゃんが酔っ払って「おら!」って言う感じがきっかけで.
- 光一
- なるほど.
- 南
- でも組んだっていうのは自分たちの意思だよ.拓郎に言われたから組んだわけじゃないんだよ.
- 光一
- 拓郎さんどうですか?責任重大ですよ.
- 吉田
- なんで?
- 光一
- 目が点になってますよ.だいたい皆さん同時期ぐらいにご活躍なさってて,それでどうなんですか?かぐや姫,拓郎さん,これはライバル視とかあったんですか?
- 山田
- 俺たちがね,高円寺に風呂のない部屋に3人別々に住んでた時に,拓ちゃんは,もはや豪華マンションで.この人はスターだったのよ.拓ちゃんのマンションの前を通って風呂屋に本当に行ってたの,「神田川」みたいに.石鹸カタカタ.それで拓ちゃんも俺も髪が長いころさ,今は同じようなもんですけど,あのころ拓郎は髪すごくて,ベランダで拓ちゃん髪なびかせてて.3階に住んでたでしょ?
- 吉田
- 3階でも2階でもいいんだよ.
- 山田
- 見えたんだよ,それが.それで,こうせつに僕らデビューしたてだったから,「あんなマンションに住んで,朝ブローして.あれが夢だ,こうせつ」って僕はずいぶんあおってたの.ショーヤンが22,僕は25でスタートしてるから,人生かかってるわけ.だから拓ちゃんみたいに,ああいうマンションに住みたいっていうのがこうせつにプレッシャーになって,「何とかします」っていうの,この人は.2年かかったけどね.
- 南
- でもね,最初のアルバムのころに拓郎さんにずいぶんね.ライバルっていう話なんだけど,最初に3人で作ったアルバムにね,曲を作ってもらって,アレンジも何曲かやってもらって,参加してもらって,それでジャケットもでき上がって.あのころはLPだから,見開きで開いてかぐや姫の僕ら初めてのアルバムなのに,拓郎の写真がいちばんでかく出てんの.「これ僕らのアルバムじゃないの?」って.
- 光一
- それはでも髪がでかかったからじゃないですか?
- 剛
- しゃーないですよね.サイズ的に.
- 南
- それで僕は高円寺のレコード屋に行ったら「吉田拓郎プロデュース」って字がこんなでかくで.そういったことがあったから,同じ事務所だったから,ライバルというより拓郎に作ってもらったとこが,これはもう拭い切れない事実であるんですね.
- 山田
- 拓郎とかぐや姫がいちばん初めにライヴやったの駿府会館で,静岡の.僕ら3曲ぐらいしかレパートリーなくて,3曲で40分やったんだよね.僕たち,しゃべってしゃべってね.
- 光一
- 3曲で40分?
- 南
- しゃべりでつないで.
- 剛
- 俺らみたいなもんやな.
- 南
- KinKi Kidsもそうなの?
- 剛
- 最高,今,50分です,MC.
- 南
- 50分しゃべり続けたの?
- 光一
- ありますよ.ダラダラと.
- 剛
- 言うたらお客さん無視で自分らがね,楽しんでるみたいな.
- 南
- われわれもそう.
- 光一
- 伊勢さんは,あんまりおしゃべりにならないですけど.
- 伊勢
- 黙ってるのが辛いんだよ,その時間.
- 剛
- 逆にね.
- 伊勢
- しゃべるなって言われてるから.
- 吉田
- そうだよね,二人でペラペラね.ショーヤン大変だよね,じっと待ってるの.
- 南
- 性格もあるんだけど,グループに一人ぐらいもの静かな奴がいて,「なんかあいつ何考えてるかわからない.ちょっと怒ると怖いかもしれない」ってやつ一人は必要だよね.
- 光一
- そうですね.
- 南
- だから今日出る時も,「ショーヤン笑うなよ,笑うなよ」って.
- 光一
- 少年隊でいうと東山さん.
- 南
- そうそう.なんか一人いたほうが深みは出るよね.
- 光一
- アルフィーでいう高見沢さん.
- 南
- そうそう.二人の場合は?
- 光一
- 僕は適当です.
- 剛
- 気分で.
- 光一
- まあ,今だから言えるお互いの秘話みたいのありますか?
- 山田
- 吉田さんはね,このあいだ週刊誌に書いてあったけど,「絶倫男」って.
- 吉田
- 君は何の話をしてんの?今聞いてるのは,かぐや姫の中での秘話を聞いてるの.
- 山田
- そうか.
- 光一
- いやいや,拓郎さんとかぐや姫さんの.
- 吉田
- 俺はいつも二人に秘話を話してるよ.
- 山田
- 俺,けっこうこの番組見てるけど,拓郎あんまり暴露されてないよね.だからけっこう楽しみにして来たんだけど.
- 光一
- 暴露しちゃって下さいよ.
- 吉田
- すいません,暴露って,お父さんじゃないんだから.
- 山田
- とにかくね,グループ交際が好きな人で,一人ではあんまり行動しないのよ.
- 吉田
- それでさ,かぐや姫の話しよう.
- 光一
- 拓郎さん,何かないですか?かぐや姫の.
- 吉田
- 3人は楽屋が楽しい.ステージも楽しいんですけど,楽屋がとにかくものすごいんですよ.異常な盛り上がりしてる.「疲れるだろ,そんなに楽屋で盛り上がったら」って.
- 光一
- 3人で盛り上がってるんですか?
- 吉田
- 盛り上がってるね.なんかわけわかんない日常会話がね.面白いこと言ってるんですよ,3人で.それは井上陽水さんも僕も大好きで,楽屋のかぐや姫が大好きなんですよ.
- 南
- ジョイントとかするとね,ソデで見てくれてるんですよね.客よりでかい声で笑ってるのがソデから聞こえるんですね.嬬恋のコンサートっていう大きなコンサートがあってね.今は何十万人っているけど,野外にオールナイトでその頃やっぱり5〜6万人集めるって大変なことだったのね.で,拓郎とかぐや姫で集めて,いよいよ明日っていう時,やっぱり早く寝たいじゃないですか.で,今考えると,なんで僕と拓郎が同じ部屋だったかわからないですよ.
- 光一
- 一緒だったんですか.
- 南
- 僕が寝ようと思って1時2時になって寝ると,拓郎さんが生ギターを持って耳元でボブ・ディランの「風に吹かれて」を歌うんですよ.それはキツかったですね.
- 光一
- ファンにとってはたまらないですけどね.
- 南
- それは僕だって嬉しいですよ,生の拓郎がここで.そしたらもうちょっと眠りにつけるような曲だったらいいですけどる覚えてますか?
- 吉田
- 覚えてません.
- 光一
- 伊勢さんから見た拓郎さんはどうですか?
- 伊勢
- なんかね,ある種のすごいバランス感覚を持ってる人だと思うのね.だから,今回もかぐや姫がその場にいないっていうことがすごい不自然だったわけ.僕が拓郎さんから言われて,「なんでパンダがいないんだ?」って言われて「あ,そうだ」って本当に思ったんですよ.3人としていないことがね.それは独特の拓郎さんのバランス感覚だと思うし.
- 光一
- 気付かないとこに気付く.
- 伊勢
- 振り子がこっちに振れると,絶対に反対側の振り子を欲しがる人なんじゃない.カリスマって作られるもんじゃないですか.本人も迷惑なんですよ.かぐや姫もそういうとこあったし.だから,うまく中庸のバランスをとるためのことを本能的に知ってる人なんじゃないかと.
- 光一
- どうですか?拓郎さん.
- 吉田
- 俺,体操部にいたことあったっけ?それでけっこう平均台とか好きだったからって訳わかんないこと言ってるけど.
- 光一
- 適当っスね.
- 吉田
- 体操部嫌い?君,学生時代何部にいたの?
- 南
- 僕は音楽だけだね.
- 吉田
- なにやってたの?
- 山田
- 俺,卓球部.
- 吉田
- ショーヤンは?
- 伊勢
- 剣道.
- 南
- 僕は水泳もやってたよ.空手も少し.
- 山田
- 拓ちゃん,応援部じゃなかった?
- 吉田
- 大学の時.水泳部か.なんか落研とかにいた感じがしない.
- 南
- それはさだまさしだよ.
- 光一
- そろそろなんでかぐや姫なんですか?
- 吉田
- だよね.
- 光一
- どう考えても姫じゃないですよね.
- 南
- そこなんだよね.田舎から出てきて,歌が好きで,いかにお客さんに覚えられるか,印象付けられるか.で,かぐや姫っていう名前がついた男3人出てきてフォークソング歌った時に,「かぐや姫ってなんだか男3人でブサイクで汚いのが歌ってる」って印象が付けられるかなって.で,かぐや姫っていうストーリーそのものがわりあいロマンティックなんですよね.それもすごくいいかなと思って.それで3人の音楽がメロディアスが好きな3人なんですよ.ハーモニーとか好きで.そういう意味でかぐや姫ってハマッったかなって感んするんですよね.
- 光一
- そういうとこから来てるんですね.それではLOVE LOVEなものいきましょう.これは?
- 南
- このあいだラオスに行った時に知り合った人です.
- 吉田
- 現地の人か.
- 伊勢
- 違う違う.
- 南
- いやいや,石川鷹彦さんといいまして,日本のフォークには欠かせない人なんですね.僕らのアレンジもずいぶんいろいろやっていただいて.例えば吉田拓郎さんの「旅の宿」のアレンジも.あるいは「風」っていう曲とかも知らないかな.
- 吉田
- 石川さんはラオス生まれの83歳.
- 剛
- 違う言うてます.
- 吉田
- ラオスを愛し.でも,この人ラオス出身って言ったら知らない人は信じるよ.
- 南
- 中央線の荻窪出身なんですけど.
- 吉田
- どこを見てるの?
- 光一
- 目線来てないですよね.
- 南
- まあ,日本のフォーク界でこの人の貢献度というのは.ほとんどのヒット曲は弾かれてますね,印象的なフレーズは彼が.アリスの「チャンピオン」もそうだし.
- 光一
- そうなんですか.続いてこれは?フライフィッシング?
- 伊勢
- はい.これはニュージーランドのカレンダーなんですけど.僕の巻いた毛針が載ってて.
- 南
- 難しいんですよね.
- 伊勢
- 僕が巻いたパターンがニュージーランドで認められて,ニュージーランドのカレンダーに3月のパターンとして取り入れられたんですよ,イセズスペシャルっていう.
- 光一
- そうですか.じゃあ,けっこう釣りなさるんですか?
- 伊勢
- ルアーはぜんぜん興味ないんだけど,フライフィッシングは.
- 光一
- 2時10時2時10時.
- 伊勢
- そうそう.
- 剛
- 根津甚八さんもすごい好きで,達人ですよ.
- 光一
- どのぐらいの釣れるんですか?
- 伊勢
- この前,山梨のほうで59センチの虹鱒を.
- 剛
- でか.
- 伊勢
- あんまり大きいのは好きじゃないですね.
- 光一
- そうなんですか?
- 伊勢
- わりと24センチぐらいのヤマメとか.
- 光一
- でも,釣りする人にとってはでかいの狙うのがあれと違いますか?
- 伊勢
- フライフィッシングっていうのは,とにかく釣るまでの.釣れるとそれで気が済む.あんまりサイズじゃなくて.
- 剛
- 釣ったぞと.
- 光一
- 拓郎さんは?
- 吉田
- 釣り好きだよ.広島だから,けっこう海釣りかな,俺は.船借りて.
- 剛
- 松方弘樹さんみたいな感じですか?釣りはでもいいですね.
- 光一
- やり始めたら楽しいらしいですね.続いてこれは?ペコちゃん.
- 山田
- 山田ペコちゃんといいます.これはうちに20年ぐらいいるのかな.
- 光一
- 家にいるんですか?
- 剛
- 20年間ずっとあのポケット手を突っ込んで.
- 光一
- ずっと舌出してるんですか?
- 山田
- そうそう.深夜放送やってる時にね,「ペコちゃん欲しいな」って言ったら不二家さんから送ってくれたの,これ.
- 剛
- そうなんですか.
- 山田
- 135センチです.
- 剛
- でかいですね.
- 山田
- 僕は自分の身長をこれと見比べながら生きてきたから.
- 南
- 可愛いね.
- 山田
- 可愛いな.
- 光一
- ペコちゃんが好きなんですか?
- 山田
- 好きです.
- 光一
- タイプですか?
- 山田
- タイプです.ちょっと横にふっくらしたとこが.
- 光一
- 舌がやらしいもんね.
- 吉田
- おまえ.
- 山田
- ちゃんと足のとこに「ペコちゃん」って書いてあるのがいいね.よく写ってるな.
- 光一
- よく見ると真ん中分けなんですね,ペコちゃんって.これは?
- 南
- 私ですね.
- 剛
- 梅干し.
- 南
- 梅を自分で漬けたもんですから.
- 剛
- 自分で漬けるんですか?
- 南
- 梅の木を何本か植えて苗から育ててるんですね.今年出来た梅をとって,厳選された塩で.それからシソの葉っぱも無農薬ので漬けて干して作った梅干しなんです.これは美味しいですよ.
- 光一
- おまえよう食うてるな.
- 剛
- 大好きですね.さっきも食いました.
- 南
- 梅干し好き?
- 剛
- 好きです.
- 南
- これは自信作です.あ,梅干し持ってきたよ.
- 光一
- 酸っぱそう.
- 南
- 剛さん,ちょっとフリークだから.
- 剛
- いただきます.
- 吉田
- 酸っぱそう.
- 剛
- いや,うまい.これはご飯と食べるもよし.
- 光一
- すげえ唾出てくる.
- 篠原
- 食べてみれば?
- 光一
- 酸っぱそう.
- 篠原
- 拓郎さんは?
- 吉田
- 君が作ったっていうこと?
- 南
- 苗から育てて.
- 吉田
- それ,黙ってていいよ.
- 南
- どう?
- 篠原
- どう?拓郎さん.
- 吉田
- ああ.ちょっとこれ,早くもう一杯.お水下さい.
- 南
- 果実だからさ,果実の良さを残して塩を入れてシソを入れるってこれは.
- 吉田
- こうせつはおうちで何と何を作ってるの?
- 南
- お野菜ですか?
- 吉田
- いろいろなもの.
- 南
- いろいろ作ってますけど.カボチャとかピーマンとか茄子とかキョウリとかトマトとか.
- 吉田
- 自給自足じゃない.お米も?
- 南
- 米やっちゃうともうミュージシャンじゃなくなっちゃいますよ.ただの農家の人.
- 光一
- 米はね.
- 吉田
- いや,もう米作ってなくても相当ミュージシャンじゃないよ.
- 南
- そう?
- 吉田
- トマトとかキュウリとか,そういう野菜買ったことない?
- 南
- それは時々買いますけどね.
- 吉田
- ほとんど自給自足?
- 南
- 全部やりたいんだけど,なかなかほら,ミュージシャンを半分やってるから行き着かないね.
- 光一
- すごいですね.
- 剛
- いいですよ.
- 南
- ぜひ耕して下さいよ,土を.踊るのもいいけど,土も.
- 光一
- 母なる大地ですからね.
- 南
- それを言いたいのよ,それを.
- 剛
- どうしたんですか?拓郎さん.
- 吉田
- 飲み物欲しいんだけど,ないって言うんだよ.
- 光一
- ええ,もうないです.耐えて下さい.
- 篠原
- 大丈夫ですか?
- 剛
- 来た.
- 篠原
- 飲みますか?
- 吉田
- 下さい.
- 剛
- 暑いからさ,喉が.うまい.
- 光一
- 氷もうまい.
- 篠原
- なんで飲んじゃうんですか.
- 剛
- さあ,それでは次の.
- 篠原
- じゃあね.
- 吉田
- 剛,おまえ.
- 光一
- LOVE LOVEな歌に.
- 剛
- こちらね.じゃん.
- 南
- これ,フォーククルセダースと言いまして,日本のフォークソングオリジナルで作っていこうっていうムーヴメントのいちばん最初にポピュラーになったグループかな.その人たちの歌ってた歌で,「悲しくてやりきれない」.かぐや姫よりちょっと前になるんですけど,これを今日は歌ってみようかなと.
- 光一
- なんでこれをお選びになったんですか?
- 南
- なんかね,もううちら3人足すと150歳なんですよ.越えたらしいのよ.♪悲しくて悲しくてとてもやりきれない〜ってこういう歌詞を今こそ歌えそうな気がして.
- 吉田
- すいません,それは立ってるのも辛いっていう歌なの?
- 南
- いや,何かやっぱりここまで来ると,人を好きになった時の無常感とか,あるいは季節が変わった時の無常感とか,ここに出てきて脚光を浴びるのも素晴しいし,梅干しを食べるのも素晴しいしっていう無常感.こういったものが何かわかってくるんですよね.
- 吉田
- 僕は今,悲しくてやりきれないよ.
- 山田
- うまい.
- 南
- そういう気持ちを歌ってみたかった.
- 光一
- 悲しくてやりきれないぞと.
- 南
- なんかいいよね.前へ前へ,明日へ向かって行くぞ,行くぞ,みんなで頑張れ!!っていうのもいいけど,それも好きだけど,♪悲しくて悲しくて〜っていうのもいいよね.
- 光一
- じゃあ,歌っていただきましょう.
- 剛
- 拓郎さんはまず何も飲まないで,そのままの気持ちで.
- 吉田
- みんなで梅干し食べながらやろうか.
- 光一
- 絶対出来ないですよ.じゃあスタンバイよろしくお願いします.
- 吉田
- 水くれ,水.
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