#006
HomePageだけの特別編集版 THE ALFEE編
- 光一
- はい,早速ですけども,今日はですね,あの,アルフィーの皆さんの秘話をいろいろ聞きたいんですけども.アルフィーの皆さんは結成されて,もうどれぐらい経つん ですか?
- 坂崎
- デビューして22年ちょいかな.
- 光一
- うそ? 生まれてへん.
- 坂崎
- うそ!?
- 剛
- 生まれてへん.
- 坂崎
- 何年生まれ?
- 光一
- '79年.
- 剛
- 昭和54年です.
- 光一
- その頃は何をしてました?
- 高見沢
- 何をしてたっけ? その時.
- 坂崎
- 僕らね,レコード会社移って,新たな出発をしたのが1979年なんですよ.
- 光一
- あ,じゃあ,僕が生まれた年?
- 坂崎
- その時だ.
- 光一
- あらー.
- 坂崎
- こういう感じですかね? ♪ディミニッシュコード弾く〜 嫌だなぁ.あ,そ
う .
- 光一
- その頃は拓郎さん何してました? 振りますよ.
- 坂崎
- 拓郎さんは何してました? 79年.
- 吉田
- 79年は生きてましたよ.
- 剛
- そらなぁ,死んでたら今いませんから.
- 坂崎
- ローリング30の頃ですかね?
- 吉田
- もう30だったの?
- 坂崎
- 拓郎さん?
- 吉田
- 俺.
- 坂崎
- そうですね,昭和21年ですからね.
- 吉田
- ……ま,ちょっと違う話しようか.
- 坂崎
- はい.
- 光一
- なんでですのん?
- 吉田
- いやぁ,もうその頃30だったの? 僕.
- 坂崎
- 30過ぎてましたよ,拓郎さん.
- 吉田
- あ,本当.
- 坂崎
- すっかり.
- 吉田
- それはもう本当に大変なことだよね.
- 光一
- なんかその,結成当時なにか?
- 坂崎
- 結成はね,それから遡って,えぇと,高見沢が入ったのはその2年ぐらい前か? デビューの2年ぐらい前だよな?
- 高見沢
- あ,そうだね.
- 坂崎
- で,その1年ぐらい前に俺が入って.桜井が原形なんですよ,この.
- 桜井
- 原形?
- 坂崎
- 原形なんです,アルフィーの.
- 光一
- あ,そうなんですか.
- 坂崎
- この人いちばん偉いんです.
- 高見沢
- 元々なのね.
- 光一
- 一人でアルフィーって?
- 剛
- ええ?
- 光一
- あ,そういうわけじゃないですね.
- 坂崎
- 同級生.クラスのクラスメイトと高1の時に.それでまあ,高校の時に結成したコンフィデンスっていうグループがあって,そこに俺が高3の時に桜井と知り合って.
- 光一
- コンフィデンス.
- 坂崎
- コンフィデンス.
- 剛
- コンフィデンス.日本語でいうと?
- 坂崎
- 「信頼」とかそういう意味ですね.
- 光一
- カッコいいですね.
- 坂崎
- カッコいいですよ.
- 剛
- うちらKinki Kidsですからね.
- 坂崎
- 日本語でいうと?
- 剛
- 「近畿の子供たち」.
- 坂崎
- なんや? それは.
- 光一
- まあ,そのまんまですけど.
- 桜井
- 嫌だなぁ,なんか.
- 光一
- なにがですか?
- 桜井
- こっち(高見沢と吉田)静かだしさ.
- 坂崎
- この並びはいかんね.
- 光一
- 並び良くなかったですかね?
- 桜井
- 拓郎さん,いつもの拓郎さんになってくださいよ.
- 吉田
- いや,俺はね,久し振りだよね.久し振りなんですよ,アルフィー.
- 光一
- あ,久し振りですか.
- 吉田
- あの,3人一緒によくラジオとかではね,御一緒させていただいたりして.
- 光一
- いつごろ知り合ったんですか? 拓郎さんとアルフィーの皆さんは.
- 吉田
- それ,覚えてない.
- 光一
- 覚えてないですか?
- 吉田
- 覚えてない.昔ね,覆面かぶってたの,3人で.
- 光一
- そうなんですか?
- 剛
- 覆面かぶってたですか?
- 吉田
- あの頃から較べると日本語ウマくなったよな,おまえら.
- 坂崎
- そうですね.
- 吉田
- あの頃,日本語も喋れなくてさ.
- 坂崎
- そうなんです.マネージャー通さないとダメだったんですよね.
- 吉田
- そう.英語もなんか片言だったけどね.そういう覆面歌手だったんです.
- 光一
- あ,そうなんですか?
- 坂崎
- あれは1980年ぐらい?
- 吉田
- あれからすると,ずいぶん変わったね.
- 坂崎
- そうですか? でも,拓郎さんはあの時,「絶対アルフィーは音楽じゃ売れな
い」って言ったんですよ.未だにテープが残ってます.「君たちは何かで売れるけど,音楽 では売れない」って.
- 光一
- あ,そんなことを?
- 剛
- (拓郎さんお茶飲む)お茶飲んでる,お茶飲んでる,お茶飲んでる.
- 吉田
- いやいや,そんなことは.
- 光一
- そんなことをおっしゃったわけですね.
- 吉田
- いやいや,そんなことない.
- 坂崎
- だから,拓郎さんていうと僕らからすっと,もう高校の頃からの.特に僕は青春 だったから.吉田拓郎が青春だったんですよ.
- 光一
- じゃあ,拓郎さんに出会った第一印象は?
- 坂崎
- いや,もう緊張しましたね,最初はね.でかいでしょ.
- 光一
- あ,拓郎さん.
- 坂崎
- でかいし,顔もでかいし.迫力があってね,やっぱり威圧感っていうか,そうい うのありましたけどもね.
- 光一
- 桜井さんなんかどうでした?
- 桜井
- もう,それは近づけませんでしたよ.
- 吉田
- 嘘つけ.
- 桜井
- 本当だよ.今でもそうですもん.もう本当に3歩下がって.
- 吉田
- よくね,家にも遊びに来てね,お酒飲んだりね.あの,わけのわかんない遊びし て.
- 高見沢
- すいませんでした,どーも.
- 吉田
- いやいや.
- 剛
- 謝ってますねぇ.
- 高見沢
- からんだことあるんですよ.
- 吉田
- いやいや.
- 高見沢
- すいませんでした,本当に.
- 剛
- え? それは?
- 光一
- ちょっと詳しく聞きたいですね.
- 高見沢
- よくは覚えてないんですけどね,僕も.
- 剛
- いえいえ,それを聞きたい.
- 吉田
- いいよ.要するにね,酔っ払いなんだよ.
- 高見沢
- すいませんでした.
- 剛
- 酔っ払い対酔っ払い?
- 吉田
- ここね,坂崎以外は,この3人メチャクチャ酔っ払いだね.そうじゃない?
- 桜井
- いえ,否定はしません.
- 吉田
- すげぇ酔っ払いなの.それでね,けっこうかなりグシャグシャなんだ.
- 坂崎
- 飲み方がね.
- 吉田
- 昔,ディスコ行ってさ.
- 坂崎
- 六本木ですよね.
- 光一
- ディスコや.
- 高見沢
- 行きましたね.
- 吉田
- なんかさ,あの,六本木のディスコがあって,そこで「ちょっと行こうよ」とか言って,飲んでるうちに,そこのディスコの前にある若い女の子たちがいっぱい集まるさ,ちょっとあったわけ,お店が.そこへ入ろうとか言って.で,若い子いっぱいいるんだけど,なんかみんなこっち振り向いてくんないわけ,誰も.それだから,「ちょっとお互いに名前を呼び合おう」と.「そこにいるのはアルフィーのナントカさんじゃあ りませんか」とか.
- 光一
- ああ,なるほど.
- 高見沢
- やりましたね.
- 坂崎
- 「そこにいるのは吉田拓郎さーん」とか.
- 吉田
- そういう馬鹿なことをしてね.
- 坂崎
- 明け方ですよね?
- 吉田
- 明け方.それでね,カボチャのアイスクリーム食って,下痢しちゃったんだ,俺.
- 剛
- けっこう情けないですね.
- 高見沢
- イタリアントマトで.
- 吉田
- うん.
- 桜井
- 朝の5時にアイスクリーム食べて,で,最後に僕ら荷物いっぱい持ってたでしょ ,あの時.
- 坂崎
- 旅帰り.
- 桜井
- 旅帰りで.
- 坂崎
- 旅帰りで「おまえら来い」って言ったんですよ.
- 桜井
- 「来い」って連れてかれて六本木で.
- 高見沢
- あれ違う時ですよ.別の日ですよ.
- 桜井
- それで,アイスクリーム食べた後に一言「僕ちゃんお腹が痛いから帰る」.可愛 いんですよ.
- 光一
- 可愛いですね.
- 剛
- 「僕ちゃん」ときたか.
- 坂崎
- あとね,命の恩人なんです,僕らは.
- 吉田
- いいよ.
- 光一
- そうなんですか?
- 坂崎
- これはまた別の日に拓郎さんの家にね.
- 高見沢
- そうですね.
- 光一
- 拓郎さんの家に遊びに?
- 坂崎
- オールナイトニッポンていう番組を拓郎さんがやってて,それ終わってからですよ.「おまえら来い」っつうんで,3人で行って.それで拓郎さんの前妻がですね.
- 吉田
- 先週からそんな話ばっかなんだよね.
- 坂崎
- 元の奥様が料理作ってくれて.
桜井 「やったぁ! 浅田美代子の手料理だ」とか言ってな,ワクワクしてんの.
- 坂崎
- ワクワクしちゃって.それ食いながらもうベロベロになってきて.
- 桜井
- で,朝になったら,「何か録音しよう」っていうことになって.
- 坂崎
- スタジオがあったんですよ.
- 桜井
- スタジオ持ってたんです.
- 光一
- あ,家にスタジオですか?
- 桜井
- もうすごい器材が入ってて.で,そこで録音しようと.
- 坂崎
- 「その前にちょっと,西条秀樹に書いた曲があるんだけどよ,デモテープ聴いてみるか? おまえら」とか言ってな.「あ,聴かせて下さい」って言ったら,10分ぐらいいじってんだけど,音出ないんだよ.「ダメだ.音出ないから人呼ぶ」とか
言って.
- 高見沢
- 朝5時ぐらい?
- 桜井
- そう,6時ぐらい.
- 坂崎
- ユイ音楽工房のミキサーのチーフの方を朝6時に呼び出して.
- 光一
- 呼び出したんですか? そこでもうお酒は入ってたわけですね?
- 坂崎
- 入ってたですよ,ベロンベロン.
- 桜井
- で,迷惑そうな顔して来たんだよね,その人ね.
- 坂崎
- そう.
- 桜井
- で,いちおう音出すようにして,で,「おまえ,いいからそこでミキシングしてろ.これから曲入れるから」っつって.
- 坂崎
- で,曲入れて.
- 桜井
- そうそう.で,その後に,すごく天気良かったのね.で,庭に水撒いてたの.
- 坂崎
- 芝生がね,すごい綺麗なの.
- 桜井
- すごい広い庭でね,綺麗にお花が咲いて.
- 坂崎
- 「僕ちゃん水撒く」っつってね.
- 光一
- 本当,可愛いですね.
- 桜井
- 可愛いでしょ.で,そのうちにね,「ちょっと疲れたな」っていって,外で長椅 子みたいので寝ちゃったの.熟睡.
- 坂崎
- 僕らその頃まだスタジオでね,いろいろ片付けとかな,やってて.「あれ?拓 郎さんどうしたかな?」って.
- 桜井
- 「いないなぁ」って庭見たら,泡吹いてんの.
- 坂崎
- 熱射病になっちゃったの.
- 光一
- 泡吹いて?
- 桜井
- そう,泡吹いてたの.
- 坂崎
- フーフー言ってな.
- 桜井
- それで急いで「ヤバい」って言って担ぎ込んで,2階に上がったっきりですよ. あれから何年も会ってないもんね.
- 坂崎
- そうそう.
- 桜井
- それでその後,「どうやって帰ろうか? タクシーも呼んでもらえないし」って ,駅まで歩いたんですよ,僕ら3人で.だから,あのままにしといたら今日はない.
- 坂崎
- 「吉田拓郎 庭で変死」ですよね.
- 光一
- 変死?
- 吉田
- 俺でもあれだよ,たぬきうどんとってやったよ.
- 坂崎
- あ,ありがとうございます.
- 高見沢
- そうだよ,ごちそうさまでした.
- 剛
- そういう細かいこと覚えてるんですね.
- 吉田
- いや,冷やしたぬきかな?
- 高見沢
- 冷やしたぬきです.
- 吉田
- どうでもいいか.
- 坂崎
- けっこうね,細かいのよ,拓郎さんて.
- 光一
- そうなんんですか?
- 坂崎
- けっこう覚えてるんですよ.
- 吉田
- 珍しいよね,今ごろ「たぬきうどん食わせてやってじゃねぇか」って.すげぇセコい.
- 坂崎
- いやいや,でも,その前の日に御馳走になってるから.蟹の甲羅揚げとなんだっけ?
- 高見沢
- 蟹爪でしょ.
- 坂崎
- 蟹爪あるでしょ.あれとじゃんけんするんですから,
高見沢「勝てない,勝てない」とか言って.グー出せば勝てるんですけどね,なかなか勝てないんですよ.
- 光一
- なんで勝てないんですか?
- 桜井
- こいつ,だいたいじゃんけんするとパー.最初は.
- 光一
- じゃんけんほい.あ,チョキ出したじゃないですか.
- 桜井
- 意識した,意識した.すごい意識しただろ,今.でもね,意識し過ぎてわけわか んないの出す.
- 光一
- じゃあ,もうその頃から拓郎さんとアルフィーの皆さん昔から.
- 坂崎
- そう.でもね,しょっちゅう会ってるっていうわけじゃないんですよね.
- 吉田
- 会ってないですよ.
- 坂崎
- けっこう3年しか5年しかブランクがあったりすることもあるし.
- 高見沢
- 僕,髪の長い拓郎さんにお会いするの,今日が初めてです.
- 光一
- え?
- 吉田
- 髪の短いだろ? おまえ,かなり現実がわかってないね.何にも変わってないね .
- 高見沢
- すいません.
- 吉田
- おまえ,覆面かぶってる頃と同じだよ.
- 坂崎
- 輪郭で.
- 桜井
- 輪郭で.
- 光一
- 昔ですね,うちの母親が,あの.
- 剛
- キヨコがね.
- 光一
- キヨコが,アルフィーの皆さんハモりとかすごいじゃないですか.それですごい高い声とか出してらっしゃいますよね.だから「この人たち,なんで高い声が出るんやろ?」って言った覚えがあるんですよ.
- 桜井
- キヨコが?
- 光一
- いや,僕が言ったんです.そしたらキヨコが「いや,女の人いるでしょ」って言ってたんですよ.
- 高見沢
- え? 私?
- 光一
- それで俺,本当に高見沢さん女の人と信じ込んでたんですよ.
- 剛
- それは何? サンタさんを夢見てるのと一緒?
- 光一
- そうそう,それと一緒,それと一緒.
- 剛
- ずっと信じてたわけね.
- 光一
- ずっと信じてたんですよ.
- 坂崎
- 高見沢俊子ですね,じゃあ.
- 高見沢
- そうだね.大丈夫,男だから大丈夫.
- 光一
- ええ,もうそれは.
- 坂崎
- 一番男っぽいんですよ,でも.性格的には.
- 光一
- あ,そうですか.
- 坂崎
- いちばん体育会系なの,高見沢.
- 剛
- あ,そうなんですか.
- 高見沢
- バスケット部だったの.
- 坂崎
- バスケットのキャプテンです.
- 光一
- あ,バスケットやってたんですか?
- 高見沢
- このあいだ観たよ,僕.マジックジョンソンのやってるやつ.
- 剛
- あ,ありがとうございます.
- 光一
- ああ,やりました,やりました.
- 高見沢
- よかったね.
- 剛
- でかかったですよ.
- 光一
- なんかもう,とっ散らかっちゃいましたけどね.生放送で.
- 高見沢
- 二人ともウマいの.
- 坂崎
- あ,そう.バスケ?
- 桜井
- じゃあ,入んない?
- 光一
- え? バスケットチームあるんですか?
- 高見沢
- 今誰もいないんだ.
- 桜井
- ABCっていうんだ.
- 光一
- ABC?
- 坂崎
- アルフィーバスケットクラブ.
- 光一
- なるほど.
- 剛
- 誰もいないんですか?
- 桜井
- 今はね,みんな辞めてね,ABCの野球チーム入っちゃって.
- 坂崎
- アルフィーベースボールクラブ.
- 剛
- でも,時間あったら僕行きますよ.大好きなんですよ.バスケット.
- 桜井
- じゃあ,3人でやればいいじゃん?
- 剛
- 3人だったら1 on 2ですよ.
- 光一
- 過去になんか試合とかは?
- 高見沢
- ああ,もう.あの,そうだなぁ……,やったことある.最近ないけどね.
- 光一
- 今メンバーは?
- 高見沢
- 僕だけ.
- 光一
- あ,そうなんですか? 本当にもう一人だけになったんですか?
- 高見沢
- だから,一人でシュート練習.悲しい.
- 坂崎
- でもね,コンサート会場にね,ゴールもってくのよ.
- 高見沢
- あ,コンサートツアーの時にゴールもってってんの.
- 光一
- ああ,ゴールを.
- 坂崎
- で,舞台のそでにいつもセットしといて,リハーサルの後とか本番前とかに音してんのよ,ドコドコドゴトコ.自分でシュートの練習してんの.
- 光一
- あ,それほど好きだと.
- 高見沢
- でも,一人でやっててもつまんないね,やっぱりね.
- 剛
- 僕も一人だやってたほうなんですよ.
- 光一
- 剛の地元の家にバスケットのゴールがあるんですよ.
- 剛
- 親父に無理言うて.
- 高見沢
- 買ってもらって?
- 剛
- 誕生日にゴール埋めてもらってんですよ,庭に.
- 高見沢
- カッコいいじゃん.
- 剛
- それで一日8時間ぐらいやってました,ずっと.
- 高見沢
- やり過ぎだよ,それ.
- 剛
- いや,それほど好きなんですよ.
- 高見沢
- あ,そう.
- 坂崎
- じゃあ,一緒にやったほうがいいよ.
- 剛
- 拓郎さん黙っちゃった,もう.
- 高見沢
- 拓郎さん入りません? バスケット部.
- 吉田
- いや,俺はいい.
- 光一
- 拓郎さんスポーツはやんないんですか?
- 吉田
- 僕,ぜんぜんダメです.
- 光一
- ダメですか? すぐ貧血で?
- 吉田
- ええ.どっちかっていうと倒れちゃうんです.僕はほら,表に出るの嫌いじゃない.
- 光一
- ああ,そうですね.言ってましたね.
- 吉田
- アウトドアダメだから.
- 高見沢
- 卓球なんかいいんじゃないですか?
- 剛
- 卓球は面白いっス.
- 吉田
- あんまり運動したくないね.まあ,俺はいいから.
- 剛
- このアルフィーの方たちは喧嘩とかあるんですか?
- 坂崎
- 喧嘩?
- 剛
- 今までなんか.
- 坂崎
- 殴り合いとかはないけど.
- 剛
- 口喧嘩?
- 坂崎
- 口喧嘩って,そんなないなぁ.
- 光一
- とりあえずあの,リーダー誰ですかね?
- 坂崎
- リーダーは現在,高見沢.
- 光一
- あ,高見沢さん.
- 吉田
- なにそれは? 現在っていうのがあるの?
- 坂崎
- 82年までは僕だったんです.
- 吉田
- あ,変わったの.
- 剛
- それは何なんです? 「リーダー変えよう」っていう話をするんですか?
- 高見沢
- あまりリーダーになったからってね.
- 吉田
- どうってことないよね.
- 剛
- どうってことないんですか?
- 高見沢
- ただ雑用が増えるだけでね.まあ,3代目はここにいますから.
- 坂崎
- 元祖で3代目ですから.
- 光一
- 心待ちということで.
- 坂崎
- リーダーないのよ,だから.
- 高見沢
- 特にそういうものは.
- 坂崎
- 誰かが引っ張ってきたグループっていう感じじゃないからね,アルフィーはね.だいたいバンドってほら,一人天才がいたり,一人メインの誰かがいて,そのバックバンドみたいな感じだけど,アルフィーはそういうグループじゃなかったからね.
- 光一
- ああ,そうですね.
- 剛
- みなさんほんま声高いですよね.
- 坂崎
- そんなことないですよ.
- 光一
- あの上のパートを歌ってらっしゃるのは?
- 坂崎
- 一番高いのは高見沢ですけど,あいつの上いかなきゃいけない時は僕が裏声で.
- 高見沢
- 裏声は坂崎だね.
- 坂崎
- キーンて声を出さなきゃいけない時は.
- 光一
- 裏声で.それはやっぱり練習やろな.
- 剛
- 桜井さんも高いですよね.
- 坂崎
- 高いですよね.
- 桜井
- そうですね.
- 剛
- なんか,外見だと低いほう歌いそうじゃないですか.
- 桜井
- 見た目で人を判断しちゃいけません.
- 剛
- いや,でも,見てると高い声出さはるのや思うて.(拓郎さん見て)拓郎さん,爪の掃除しないように.トークしましょう.
- 桜井
- でもね,アルフィーを始めて最初の頃そんなに出なかった.まあなんて言うの? 音楽的に言うとGとか.最近はBまで出ます.
- 坂崎
- 前はGだったんですね.
- 桜井
- Gぐらいだったんですけど.こうやって何十年もやってるうちにキーが多少上がってきましたよね.
- 剛
- 歌ってくとやっぱり上がってきます?
- 桜井
- 上がるし,低いほうも出るから.
- 吉田
- ねぇ,久し振りでさ,中島みゆきのさ,真理子の部屋で(「悪女」)歌ってくんない?
- 光一
- お願いしますよ.
- 桜井
- 拓郎さん,ラジオはなんとかなりますけど,テレビでやると.
- 吉田
- 大丈夫だよ.
- 桜井
- もう忘れちゃいましたもん.
- 坂崎
- あれ,ベースの弾き語りだったんだよね?
- 吉田
- そうなんだよ.ベースの弾き語りなんだよ.すごい.
- 剛
- ベースの弾き語りなんですか?
- 桜井
- つまんないよ,ベースの弾き語り.♪ドーン,ド,ドーン〜真理子の部屋で〜って歌ってるんだから.
- 坂崎
- それが拓郎さんがハマっちゃったんだよな.
- 吉田
- いやぁ,いい歌だった.あれ,すごい感動的な.
- 桜井
- 僕が作ったんじゃないですよ.
- 吉田
- 中島みゆきっていう人の名曲なんだけどね,アルフィーが歌うとすごくいいわけ.
- 光一
- 聴きたいですね.
- 桜井
- いやいや,いいですいいです.
- 剛
- すいません,拓郎さん一気に飲みました.
- 光一
- お茶お願いします.
- 剛
- メチャクチャ早かったです.
- 光一
- 高見沢さんもけっこう早いほうですけど.
- 坂崎
- お酒も一緒だよ.二人ともそうなの.
- 光一
- あ,似てらっしゃるんですね.
- 坂崎
- 似てる似てる.お酒の飲み方もね,こうなんですよ.
- 高見沢
- いや,拓郎さんのほうが早いですよ.
- 吉田
- いや,いいよ,どうでも.真理子の部屋で.
- 高見沢
- もうやめましょうよ,それ.歌詞忘れちゃったよね.
- 吉田
- 真理子と交尾するんだろ?
- 光一
- あ,そういう.
- 吉田
- すごい歌なんだよ.
- 桜井
- あれ,作詞は高見沢でしたっけ?
- 吉田
- 高見沢なんだよ.
- 桜井
- 僕はだから,演じてただけですからね.
- 吉田
- 高見沢が作る詞とは思えないんだけど.
- 高見沢
- 替え歌ですよね.
- 坂崎
- あの時酔っ払ってたんだろ?
- 高見沢
- 酔っ払ってたのかな? また.
- 吉田
- お正月だよ,あれ.
- 坂崎
- 忘年会か新年会かなんかでさ.
- 高見沢
- 新年ゴウでしたね.
- 坂崎
- 新年ゴウって?
- 吉田
- まあ,だいたい君は取り止めもないよね.
- 高見沢
- すいません.
- 坂崎
- KinKi Kidsってリーダーいるの?
- 剛
- リーダーいないですね.
- 光一
- 年的には俺が上になるんですけども.
- 剛
- あんまりお互い意識しない.
- 光一
- しないですね.僕なんかもだから,一緒のようなもんですね.でも,喧嘩はぜんぜんしないですね.
- 剛
- 一回もしたことないですよ.
- 坂崎
- 女の獲り合いとかないの?
- 剛
- ないですないです.
- 光一
- ないですね.タイプもけっこう違う.
- 吉田
- え? アルフィーって女の獲り合いってすんの?
- 坂崎
- ないですね.
- 光一
- みなさんタイプはぜんぜん?
- 高見沢
- バラバラだな.
- 桜井
- 手とったり足とったりとか.
- 光一
- 桜井さん.
- 桜井
- すいませんでした.すいません!
- 坂崎
- 何言ってんの? おまえ.
- 篠原
- (篠原入ってくる)ジュース!!
- 剛
- ああいう女の子どうですかね?
- 光一
- こういう女はどうです?
- 篠原
- どうです?
- 坂崎
- 高見沢は苦手だと思いますけど.どうですか?
- 光一
- 高見沢さん逃げてますけど.
- 篠原
- ジュースどうぞ!! はい,あら,美味しそう.
- 高見沢
- 誰?
- 坂崎
- こいつ面白いんだよ.
- 篠原
- あらー.
- 坂崎
- 「あら」じゃないんだよ.
- 篠原
- 飲んで下さいね,キャー!! ドキドキしますわ.
- 光一
- こう見えても男性アレルギーらしいですよ.
- 篠原
- そんなことないんですよ.
- 剛
- だから,ワーッてやるだけでアアーッてなるんです.
- 篠原
- 違う違う,だからドキドキするじゃん.もーね,拓郎さーん!
- 桜井
- ねぇ,お腹に虫いるの?
- 篠原
- いませんよー.いませんよ,健康ですから.美味しく飲んで下さいねー.
- 桜井
- なんかでも,虫がいそうだよね.
- 吉田
- で,こういう体型なんだよね.
- 坂崎
- まっすぐになんない? まっすぐに.
- 篠原
- (篠原まっすぐにしようとする)はい.ウフー!
- 坂崎
- 違うなぁ,まっすぐじゃないなぁ.まっすぐなの? それで.
- 篠原
- あら,高見沢さんと見つめ合っちゃいました,私ったら.恥ずかしいわー.それではまた飲んだら呼んで下さいね.キャー!!
- 吉田
- あれ,女子大生なんだよ.
- 高見沢
- 幾つなんです?
- 吉田
- 大学こんど試験受かったんだって.
- 坂崎
- やっぱり初めて見る人はインパクトあるんでしょうね.
- 吉田
- あれ,女子大生に見える? まあ,いいや,そんなことはどうでもね.
- 坂崎
- 大学受かったんでしょ?
- 剛
- そうですよ.
- 桜井
- へぇー.
- 坂崎
- すごいねぇ.
- 高見沢
- 黙っちゃった.
- 吉田
- みんな唖然.
- 桜井
- だって反則だもん.
- 坂崎
- 技としては?
- 桜井
- なんか,人生のうちで,そう滅多に会う人じゃないよね.
- 光一
- いませんよ.
- 剛
- 会わないっスよ.
- 坂崎
- さっきもその話してたんですよ.拓郎さんも50年生きてきて.
- 吉田
- 初めて会ったタイプだね.
- 桜井
- でも,みんなが可愛いって言ってくれるのいいよね.
- 吉田
- いいよね,ああいうのね.
- 桜井
- あれ,俺がやったら変な人ってなる.
- 吉田
- あれで俺たち身体クネクネしてたら気持ち悪いよね.
- 光一
- 高見沢さん,ああいう女の人は苦手ですか? タイプはどんな?
- 高見沢
- いやいや.そうですね,まあ,髪の長い.
- 光一
- 髪の長い.
- 高見沢
- 普通の感じがいいですね.
- 光一
- 普通の感じ.あれはやっぱり普通じゃないですけどね.
- 高見沢
- ちょっとね.でも,可愛いと思いますよ,すごく.笑顔なんかね,キュートな感じがけっこう.
- 桜井
- 憎めないよね.
- 剛
- 憎めないですね.
- 桜井
- 時々叩きたくなるけど.
- 光一
- 多分,叩いてもいいんじゃないですか.
- 桜井
- そう?
- 光一
- 桜井さんは?
- 桜井
- 僕,タイプですか? 昔はね,オリビア・ハッセーさんが好きでしてね.知らないでしょ?
- 剛
- わかんないですよ.
- 坂崎
- あの,「ロミオとジュリエット」のジュリエット役をやってた人でね.
- 高見沢
- けっこうね,ナルシストなの.
- 坂崎
- 映画の世界に入っちゃうの.
- 高見沢
- 純愛が大好きなんですよ,こう見えても.
- 桜井
- で,その後,布施明さんと結婚したんですよ.知ってます? それ.
- 光一
- 知らないです.
- 桜井
- で,その頃に「もうやめようかな?」と.
- 坂崎
- 人のものになって?
- 剛
- 桜井さんはすごいピュアなんですか?
- 高見沢
- ピュアですよ.
- 桜井
- ピュア?
- 剛
- 純粋なんですか?
- 高見沢
- 頭の中も天然ですからね.
- 光一
- いや,高見沢さんもかなり天然ですよ.
- 剛
- いい味を醸し出してますね.
- 光一
- もう.
- 桜井
- あのね,君たちは人の見方がわかってる.
- 吉田
- 大人だね.
- 坂崎
- 大人だね.
- 高見沢
- そうかな?
- 剛
- なんか,桜井さんは頭の中をフル回転さしてボケようっていう.
- 桜井
- よく言われるの.
- 剛
- でも,高見沢さんは無意識のうちにポロポロって言ったのがすごくヒットしてしまったり.
- 桜井
- だから,二人で,ギャグ高見沢が考えるんですけどね,昔.二人でそれを演じるわけですよ.
- 坂崎
- コント作るんですよ.
- 桜井
- まあ,ボケと突っ込みでやったりするわけですよ.で,まあ,多少ウケるわけですよ.そうすると天然ボケで一発でもってきますからね.
- 剛
- 本当ね,天然ボケには勝てないんですよ.
- 坂崎
- 勝てない.
- 高見沢
- そうかなぁ? けっこう計算してるよ,俺.
- 桜井
- 計算してる? 本人はわかんないもんなんだ.
- 剛
- 天然ボケの人は,本当,わからないみたいですね.自分がいかに面白いかっていうこと.
- 光一
- いかに面白いか.
- 剛
- 本当にね,天然ボケっていうのは全部もってかれるね.
- 吉田
- いや,本当そうだよ.
- 剛
- 拓郎さん,今,聞いてました?
- 吉田
- いや,聞いてた.いや,もう,本当にそうですね.高見沢さんてそういう人です.
- 桜井
- あとさ,いわゆるこういう美系がちょっと顔崩すとすごいおかしいじゃん.田村正和さんなんかが,例えば寄り目したりなんかしたらきっと面白いと思うんだ.
- 高見沢
- しないと思うな,俺.
- 桜井
- いや,しないと思うけど.俺が寄り目したってそんなに面白くないでしょ.
- 坂崎
- 普通だもんね.まず見えないもん,だって.
- 光一
- 見えないです.高見沢さ寄り目なんかは?
- 高見沢
- 出来ますよ.(高見沢さん寄り目する)
- 剛
- やった!
- 坂崎
- これはね,見せたことない,今まで.これだけはやめてくれって言ってた.
- 高見沢
- あ,今のカットな!
- 桜井
- 初めて今,気を許したもん.
- 坂崎
- 今許したなぁ.
- 桜井
- 俺,絶対やんないと思ってたもん.
- 坂崎
- 俺もやんないと思ってたもん.
- 光一
- 嬉しいっスね.なんか.
- 高見沢
- じつは,先輩がいると思うとどうもね.
- 吉田
- 僕,見てない.もう一回見せて.
- 高見沢
- いや,いいっスよ.先輩,そんな.
- 坂崎
- あるの,写真,うちに.高見沢の寄り目の写真が.
- 高見沢
- やめろよ,あれだけは.
- 坂崎
- でも,これはもうね,絶対世の中に出しちゃいけない.解散した時に暴露本かなんかで.
- 高見沢
- アップにするな! こら! 怒るぞ!
- 光一
- これだけでもなんか面白いですね.
- 剛
- 面白いですね.
- 高見沢
- そうですか? 面白くないよ,なんか.
- 吉田
- もう髪の毛が長いだけでおかしいでしょ.
- 坂崎
- 未だにお母さんに怒られるんですから.
- 光一
- あ,そうなんですか.でも,短いとこって見たことないですよ.
- 高見沢
- いや,昔はね,短かったよ.
- 光一
- あ,そうなんですか.
- 高見沢
- 小さい時は.
- 剛
- そりゃ小学校3年ぐらいでこんなロン毛は,ちょっと困りますよ.
- 高見沢
- バスケットの時もね,やっぱり角刈りでしたしね.
- 吉田
- 角刈り?
- 高見沢
- スポーツ刈りでした,すいません.
- 光一
- 角刈り.
- 吉田
- 想像つかないね.
- 高見沢
- そうですか?
- 吉田
- うん,つかない.おまえぜんぜん.
- 高見沢
- そうですか? 短かったですよ,僕.拓郎さんに会った時.
- 吉田
- いや,そんなことないよ.
- 高見沢
- いや,短かったですよ.
- 光一
- 拓郎さんが長かったからじゃないですか?
- 高見沢
- ああ,そうか.
- 剛
- そんならまあ,チェンジしたってことですね.
- 吉田
- まあ,いいやね.
- 坂崎
- じゃあ,桜井あの時角刈りでした?
- 吉田
- ううん.俺ね,3人の写真でいちばん覚えてるのは,サイパン旅行かなんかの写真.
- 坂崎
- グァムですよ.
- 吉田
- グァムだっけ.すごいミーハーなね.
- 高見沢
- ああ,やめよう! それだけは.
- 吉田
- それがね,すっげぇ似合わないね,アロハシャツみたいの着て.すっごいんだよ.
- 光一
- その写真てあるんですか?
- 坂崎
- ないない!
- 高見沢
- ないない!!
- 光一
- 今,出てると思いますけど.
- 吉田
- あ,出そうだね,この写真.
- 剛
- 出るんじゃないですか?
- 光一
- いや,今日は秘話を探るっていうことなんでね.
- 吉田
- すごい写真だよ,本当に.
- 坂崎
- けっこう拓郎さんが悲しい時に見ると元気がつくらしいですよ.
- 高見沢
- そんなに変でした?
- 吉田
- いや,変! ぜんぜ変だよ.
- 坂崎
- 似合ってるでしょ? でも.
- 吉田
- いや,変だよ.桜井とか変だよ.
- 桜井
- 拓郎さん,僕らのイメージって?
- 吉田
- 僕,君すごい紳士だと思ってるよ.
- 桜井
- そうですか?
- 高見沢
- 紳士だと俺も思うよ.
- 吉田
- でも,あれは変だよ.
- 桜井
- なんか背景の海とマッチしてなかったからでしょ?
- 吉田
- そうそう.だから,国内のどっかの温泉だったらすごい納得するんだけど,グァムって聞いた瞬間にさ,もう「こんなグァムあんのかな?」っていう.
- 坂崎
- なに? それ.
- 高見沢
- どんなグァムですか?
- 吉田
- いや,なんか変な.
- 坂崎
- あと,ミュージシャンじゃない格好っていってましたね.まず音楽やってる奴はいないっていってましたね.
- 吉田
- あ,いないね,ああいうタイプの人たちって.だから,その頃はあれだったんでしょ? 暗中模索だったんでしょ? 「覆面かぶろうかな? どうしようかな?」とかいろいろ考えてた頃じゃない.
- 高見沢
- いや,けっこう立派にやりかけてた頃ですよ.
- 吉田
- 本当に? でも,その立派にやりかけてる頃って,よくわかんないのよ.
- 高見沢
- そうですね.
- 吉田
- 皮ジャン着るのその後?
- 高見沢
- その後です.
- 吉田
- パンク系にいくやつは.
- 高見沢
- そうです.
- 吉田
- あのへんからなんか.
- 桜井
- 湘南で撮影会があって.海だから僕ら夏っぽくいったんだけど,こいつヘビメタの格好で来たの.
- 光一
- 一人?
- 桜井
- 一人.
- 坂崎
- そういうとこは頑固なんですよ.
- 光一
- まあ,ギターもなんかすごいギターがあったり.
- 桜井
- あ,それはすごいね.変形ギター.
- 吉田
- 先々週,楽器買いにいったじゃない.
- 剛
- ええ,ええ.
- 吉田
- あそこにもう高見沢モデルとかいろいろ置いてあるじゃない.
- 剛
- ありましたね.
- 高見沢
- ああ,ESP?
- 吉田
- ギター買いにいったんだよ.そしたらそのアルフィーコーナーっていうところに圧倒されてさ.あそこでギター作ってたよ,なんか.
- 光一
- 坂崎さんが.
- 坂崎
- 僕がギター磨いてたの.そこに入ってきたの二人で.そこの隅にね,高見沢のコーナーがあって.いろんなギターあったよな.
- 剛
- すごいありました.
- 光一
- すごいですね.エンジェルとか.
- 高見沢
- あ,エンジェルギターとかね.
- 桜井
- 200本もってる.
- 光一
- ギターを?
- 高見沢
- 君だってもってるじゃん.
- 桜井
- いや,僕は.
- 光一
- え? それはどこに置いてるんですか?
- 高見沢
- 倉庫に.みんな3人分倉庫に.
- 桜井
- もう,そのへんの楽器屋さんよりもよっぽどあるよ,一流のものが.
- 光一
- そうですよね.
- 桜井
- なんか,自慢してるみたいで嫌だね.
- 光一
- いやいや,それはそうでしょう.
- 桜井
- それで,コンサートでも高見沢はだいたい20本ぐらい使ってるでしょ?
- 高見沢
- そう,20本.
- 光一
- 1回のコンサートでですか?
- 高見沢
- 1回のステージでね.
- 桜井
- だから,ボウヤが弦を張り替えて,チューニングをして,全部終わって最後の20本目をチューニング終わった頃に,また1本目はチューニング狂ってる.
- 光一
- 時間が経ちすぎて.
- 高見沢
- 皿回しじゃないんだから.
- 桜井
- いや,でも,本当そうだって.
- 剛
- 大変ですね.
- 桜井
- 坂崎だって80本ぐらい?
- 坂崎
- うん,そのぐらいあるだろうね.7〜80本ぐらい.
- 剛
- すごいね.
- 桜井
- ベースはね,そんなにいっぱいもっててもしょうがないだろ.
- 剛
- そうですか?
- 光一
- 桜井さんは何本ぐらいベースを?
- 桜井
- 一時は40本ぐらいあったけど,もう処分しました.
- 光一
- 捨てちゃったんですか!?
- 桜井
- 燃えないゴミの日に?
- 坂崎
- あれってどっちなんですかね?
- 桜井
- 木は燃える.
- 坂崎
- 分解しなきゃいけないんですね.
- 桜井
- パーツは燃えないゴミの日.
- 剛
- ああ,なるほど.
- 光一
- え? 本当にそういう?
- 桜井
- いえ,嘘ですよ.ちゃんとそれはESPに戻したりとか,いろいろします.
- 剛
- 今日は拓郎さんが喋っていただく日ですから.
- 吉田
- どうしたらいいかわかんないんじゃないかね.本当に久し振りだったね.
- 坂崎
- なんですか?
- 吉田
- 坂崎,今日飲みに行こう.おまえ,ずいぶん飲んでねぇよな.
- 坂崎
- そうですね.
- 吉田
- 俺,坂崎とはけっこう会ってるんだけど.桜井ともこのあいだ会ったんだけど.いこいこ.
- 高見沢
- もう先輩に会うとね,すごく緊張しますよね,僕らね.
- 桜井
- もちろんですよ.
- 高見沢
- さっき,拓郎さんと知らないで,拓郎さんが「おお」っていうから,俺も思わず「おお」って言っちゃった.
- 桜井
- 楽屋で.
- 高見沢
- すいませんでした.
- 光一
- そういうのが天然ボケなんですよ.
- 坂崎
- そしたら拓郎さんも,「高見沢なんか悩み事でもあんのか?」って.
- 高見沢
- ちょっと一瞬真っ暗になっちゃって.いきなり「おお」っていうから,俺も思わず「おお」って.止まるよね,「お,拓郎さんだ」って思って「すいませんでした」みたいな.申し訳ないです.
- 坂崎
- いいよね,コンビが.
- 光一
- まあね,あの,前回ですね,さんまさんが来た時に,さんまさんが「こんな番組に拓郎さんが出てはいけない」と言ってたんですよ.アルフィーの皆さんにとってはどう思います? 拓郎さんがテレビに出てるっていうのは.
- 桜井
- それは拓郎さんにも事情があるでしょ.
- 光一
- 事情が.
- 坂崎
- 出たかったんですか?
- 吉田
- あ,僕,すごい出たかった.
- 坂崎
- うそ?
- 高見沢
- 本当ですか?
- 坂崎
- でも,あんまり喋んないですね.
- 吉田
- ただ,こういう感じになるっていの計算してなかったんだよ.
- 坂崎
- テレビさんの場合,金輪際っていうのが多いからね.
- 光一
- ここでですね,THE ALFEEの皆さんがLOVE LOVEな歌.
- 坂崎
- 歌やる?
- 光一
- ええ,LOVE LOVEな歌をちょっと聞きたいんですけども.今現在.
- 坂崎
- 今現在LOVE LOVEな歌?
- 光一
- ないんですか?
- 桜井
- 音楽? 音楽聴かないからなぁ.俺,アルフィーの歌で手一杯なんだよ.毎日メニューが変わるから.まあ,長年ていったらやっぱりサイモン&ガーファンクルだね.
- 坂崎
- ああ,サイモン.
- 桜井
- ずっとね.
- 光一
- サイモン&ガーファンクル.
- 坂崎
- それ,桜井が高校の時の,そのコンフィデンスのね,グループが優勝した曲がサイモン&ガーファンクルの曲で.それでプロになるきっかけになったんですよ.
- 光一
- その曲で?
- 坂崎
- サイモン&ガーファンクルをコピーしてて.
- 高見沢
- そうだね.
- 坂崎
- ウマかったんですよ.
- 高見沢
- ウマいよ.
- 坂崎
- それで,僕はそのコンテストで知り合って.
- 光一
- それを見てたわけですか?
- 坂崎
- 僕は他の,一人でエントリーしてたんですけど.桜井はクライメイトとやってて.
- 光一
- あ,じゃあ,ライバル?
- 坂崎
- ライバルだったんです.で,こいつら3人組みで,僕は一人で出てて,他に2人組みがいたんですよ,早実の.それで,こいつらが優勝したんですよ,コンフィデンスの.それで悔しいっていうんで3人でグループ組んだの,最初.
- 光一
- 悔しいっつうんで組んだんですか?
- 坂崎
- そう,「あいつらに負けないように組もう」っていってヘソ下3寸ていう.
- 剛
- ヘソ下3寸?
- 光一
- どう考えてもコンフィデンスのがカッコいいと思います.それはなんでそんな?
- 坂崎
- やっぱりコミック系の歌を歌ったりとか.
- 光一
- え? どんな歌ですか?
- 坂崎
- 「幼夫」とかね.
- 光一
- おさなおっと?
- 坂崎
- 幼妻が流行ってたからね,あの頃.
- 光一
- 「幼夫」どんな曲なんですか?
- 坂崎
- どういう歌だったか忘れちゃったな♪小学校の片隅で涙ぐんでた先生を〜とかいう.
- 桜井
- よく覚えてるねぇ.
- 高見沢
- 本当,よく覚えてるなぁ.
- 剛
- すごいですね.
- 坂崎
- 小学生がだから,先生に恋しちゃってね,結婚しちゃうんですよ.そういう歌だったんだけど.
- 光一
- 小学生が結婚ですか? それは確かに幼夫ですわ.
- 坂崎
- それで,ヘソ下3寸はすぐ解散したんですよ.
- 光一
- あ,ダメだったんですか?
- 坂崎
- そう.それでコンフィデンスに僕が入って.
- 光一
- それはどういった?
- 坂崎
- それもだから,縁ですよね.べつに入れとか言ったんじゃなくてな.
- 桜井
- あの,もうひとつのコンテストがあって,僕らあんまり練習しなくて,コンテストの前の晩に一夜漬けなんですよ,練習が.で,例によってそれが集まって,新宿の厚生年金かなんかであったコンテストにでるために練習してるところへ坂崎が来て.うちのメンバーの一人が呼んだんでしょ.
- 坂崎
- そうそう.
- 桜井
- だから,俺の知らないうちにきてて,で,ずっと夜通し練習してもずっといるの.「こいつ,なんで帰んないんだろうな?」と思って.そしたら次の日までいて,気が付いたら一緒に演奏してたの.それで,そのまんまずっといるの.俺は一度も「入れたよ」って言ってないのに.
- 光一
- あ,もう居座ってたと.
- 桜井
- そうそう.
- 坂崎
- 高見沢もそうだよ.
- 桜井
- その後大学行ってから,高見沢と坂崎がバッタリ会って「遊びにこないか?」って言ってるうちに,知らないうちにライヴハウスに僕らが出る時に連れてきたの.同級生で同じ学校だったから,「なんでおまえ来たの? 今日」っていったら,「なんか,ギター弾いてくれっていうから来たよ」とかいって,そのまんまずっと今も.
- 高見沢
- 「入っていいよ」って言った覚えない?
- 桜井
- ない.でも,二人が入ったおかげでよかった.
- 光一
- 素晴しいじゃないですか.
- 坂崎
- いちばん最初ね,高3の時に優勝した時に,レコード会社のディレクターの人が「君の声はいいね,桜井君」てすごい褒めたんですよ.「君の声で絶対にプロになって,大学入ったらでいいからやろう」.
- 桜井
- 「デビューしよう」って.
- 坂崎
- で,それから高校3年だったから,1年間ブランクがあって,大学入った時にもう高見沢がこのグループに入ってたから,久し振りにそのディレクターに会ったら,「いいねぇ,君.ルックスが.君をリードヴォーカルにしよう」.
- 光一
- あ,それで高見沢さんがリードヴォーカルに?
- 高見沢
- いや,歌ったことないの,その時まだ僕は.ちゃんとね,歌ったことない.
- 桜井
- いや,俺が入れてA面になるはずだった曲があったのに,「高見沢がいい」っていって,もう一曲作ってA面にして,俺,B面になっちゃった.
- 坂崎
- B面歌手.
- 光一
- カップリングになっちゃったんですか.
- 高見沢
- ちょっとね,あれだったね.
- 光一
- そういう時って,どういう心境なんですか? 自分は.
- 桜井
- こういう世界なのよ,芸能界って.
- 坂崎
- そう思ったの? そりの時.
- 桜井
- 思った.「なんだよ!? この世界」って.
- 坂崎
- 「こんなもんか」って.
- 光一
- それで.
- 坂崎
- じゃあ,その時のS&Gですか.
- 高見沢
- S&Gをじゃあ.
- 光一
- S&Gの何を?
- 坂崎
- その時に桜井が優勝した.
- 光一
- 優勝した曲を歌っていただけると.わかりました.
- 坂崎
- 「ボクサー」.
- 光一
- はい.じゃあ,スタンバイのほうよろしくお願いします.
(C) FujiTelevision Network,Inc. All rights reserved.
|