AFTER RECORDING!
チーフADのPOCCAが[HEY!HEY!HEY!]収録で印象深かったゲストについて赤裸々に語る?! 撮影裏話も大開放!

HEY!HEY!HEY!
AFTER RECORDING (DIRECTED by OSABE)
from POCCA
8/4 VTR 8/26 OA

[CHAMP] 甲斐バンド
「安奈」
「漂流者(アウトロー)」
「ティーンエイジ・ラスト」
「ポップコーンをほうばって」
「Lady」
(アンコール曲につき,今回はオンエアしません)
「裏切りの街角」
(アンコール曲につき,今回はオンエアしません)
[GUEST] 安室奈美恵
「SWEET 19 BLUES」
[誰やねん!?FOREVER] 篠原ともえ
「クルクルミラクル」
[GUEST] LINDBERG
「Green eyed Monster」

甲斐バンド,

僕の中で,その名前は,そんな親しみのある名前じゃなく,それこそ「ザ・ベストテン」などの唄番組で,たまに見かけるバンド,その程度の認識だった.その後,改めて聴きかえすこともなく,僕はこの仕事に就いた.正直な話,聴きかえす暇などありはしなかった.僕にはそれこそ聴くべき音が死ぬ程たまっていたから・・・.中学生の頃はロカビリーとパンクとめんたいロック,それからブリティッシュ・ビート,高校生の頃はローリング・ストーンズ,それから彼らのルーツであるところの膨大な量のグッド・オールド・ブラック・ミュージック,大学生の頃は,既に聴く音楽がなく,また,今頃,ソウルがどうの,ファンクがどうの,と,権威主義的に音を聴く同級生共に嫌気がさし,わけのわからない音楽ばっかり聴いていた.それこそ,誰も耳を貸さない類の音楽を・・・,それらの音は最近になって,やっと評価され,新しい音として,認知され初めている・・・.

そんな訳で,良質な邦楽を聴くのはいつも後回しになっていた.(ブリッジ)

この仕事に就いて,気付いたんだけど,今の日本の音楽シーンはきれいに2分割されている.一言で言うと,「売れる音楽」と「いい音楽」,もっと言うならば,「かっこ悪い音楽」と「かっこいい音楽」.マーケットが小さい故,この国では「かっこ良さ」を保ちながら「売れる」ことは非常に困難だ.例えば,それがアメリカならば,ついこの間まで,カレッジ・チャートを賑わす程度だったオルタナ系のバンドが一発のブレイクで1000万枚のセールスを成し遂げることも可能だ.この国では飯を食らうためには音楽性さえも変えなければならない.逆に言えば,やりたい音を鳴らすだけで,飯を食らうことはこの国のアーティストには許されていない.最近,自分を変えたくない奴らはこぞって海の外に出初めた.一昔前の口先ばかりの海外進出とは違う形で・・・,それが健康的なことだとは思わないけれど,そうするより他仕方ないのだろう.音楽的偏差値の低いこの国では・・・.アメリカにおいても,売れる音楽は実に商業的な音が多い.だけど,それ以外の音を認めてくれる大多数の声がある.この国はこと音楽においても全体主義的だ.カラオケに行けば,みんなが同じ歌を歌っている.オカシイ!絶対に・・・.いい音を聴くときでも「いいから聴かなくちゃいけない」だとか「こういう音楽を知ってなくちゃいけない」だとか,聴き方が実に権威主義的だ.

もっと,感じろよ!!!身体で!!!!!(ブリッジ)

とまあ,ここまでの話は,甲斐バンドとは何の関係もないんだけれど・・・(甲斐バンドとどうつながるのか探りながら読んでいた方,申し訳ない),そうそう後回しになっていた甲斐バンドをちゃんと聴いたのは彼らが小室哲哉が司会を務める「TK MUSIC CLAMP」に出演したときだった.MA作業でBGM入れをしている際に「そういうことか〜!」とえらく納得してしまった.僕にとって得体の知れなかったこの国のメガ・ヒット・アーティスト,いわゆるルーツが読めないアーティストたちのルーツが見えたような気がした.ミスチルやシャ乱Qのルーツがそこにはあった.日本語を節にのせてまわすとき,甲斐よしひろ的節回しは実によくはまる.洋楽から影響を受けていないアーティストのルーツほど僕らにとって読みづらいものはない.それが邦楽なんだな,という気がした.それからというもの,注意深く日本の音楽を聴いてみると,甲斐よしひろの得意としたメロディー展開,コード進行はいたるところで使われていた.帝王,小室哲哉にしてもそれはあてはまる.それは,洋楽ベースで育った耳にはすごくダサく聞こえる代物だ.だけど,一般の日本人にはすごくよく響く.僕みたいな音楽的かたわも,ついうっかりすると,トイレやフロや車の中で口ずさんでいたりする.

う〜ん,これって,土着!(ブリッジ)

その後,僕らがいつも「TK MUSIC CLAMP」のOAを見るために通っている(というよりは,会社でOAチェックをするのが嫌なので,無理矢理お願いして,普段はライブ・ビデオが流れているモニタに家庭用アンテナをつないで水曜日だけテレビを8チャンネルに合わせて,見せてもらっている)下北沢にあるFuckin’Great SOUL BAR“BEPPERS”(マスターはPOCCAの高校時代の遊び友達,兼,バンド仲間)に行ったとき,珍しく,いかしたロックがかかっていた.その曲はめんたいの旗手,ルースターズの“FOOL FOR YOU”という曲によく似ていて,というよりは「ルースターズ,もろパクリじゃん!?」という感じなんだけど・・・.たまらず,僕が「これ誰の曲!??」と叫んだら,その声は誰かの声と見事にユニゾンして,店内に響いた.その声が聞こえた方向に目をやると,そこには,甲斐よしひろがいた.そのときは軽く会釈をしただけで終わったのだけど,それ以来,甲斐よしひろに対して,今までにない親近感を感じるようになった.

その曲は,J.ガイルズ・バンドの「ホーム・ワーク」という曲だった.

[1996/8/30 from POCCA

HEY!HEY!HEY!
AFTER RECORDING (DIRECTED by OSABE)
from POCCA
8/18 VTR 9/2 OA

[CHAMP] 中村雅俊
「心の色」(エクストラ曲につき,今回はオンエアしません)
「俺たちの旅」
「恋人も濡れる街角」
「過ぎた日にそっと花を」
[GUEST] 辛島美登里
「あなたの愛になりたい」
[GUEST] YEN TOWN BAND
「Swallowtail Butterfly」
[GUEST] 玉置浩二
「田園」

珍しく,連休をもらえた先週末,僕は映画でも観にいこうと,急に思い立ち,「映画を観るなら銀座だな!」と,電車に乗ろうとしたのだが,夏休み最後の週末という状況にくじけ,車という手もあるにはあるが,僕の車は,夏に非常に弱い,という理由から,結局,歩いて渋谷まで行った.
大学時代は,カルト映画やB級映画にはまってみたり,おフランス映画でしゃれてみたりした僕も,ここんとこ,全く映画を観る機会,正確に言うと,映画館で映画を観る機会がめっきり減ってしまった.この仕事について気付いた事だが,僕には映画においても,音楽においても,いわゆるトップ40的なものが全く抜けてる.これはテレビをやる上で,致命的だった.まさに苦手ジャンル!「雄大,音楽詳しいよなぁ?」といわれて,言うところのトップ40的な質問をされても,僕は「そんなつもりじゃ・・・」みたいな感じ.
でっ,今ここに来て,僕は弱点補強しようとしてる.と言うより,「結構,いいもんなんじゃない?」という見方に傾いています.そんな訳で,渋谷をブラブラしながら,「超スペクタクルな映画を観るぞ!」と意気込んだ.


BACK
Copyright (c) 1997 Fuji Television Network Inc. All Rights Reserved.