AFTER RECORDING!
チーフADのPOCCAが[HEY!HEY!HEY!]収録で印象深かったゲストについて赤裸々に語る?! 撮影裏話も大開放!

HEY!HEY!HEY!
AFTER RECORDING (DIRECTED by KIKCHY)
from POCCA
8/4 VTR → 8/12 OA

[CHAMP] 佐野元春 「約束の橋」
         「ポップ・チルドレン」
         「コリーナ・コリーナ」
         「君を連れて行く」
         (アンコール曲につき,今回はオンエアしません)
[GUEST] SPEED「BODY & SOUL」
[何しとんねん!?] THE FLYING OYSTERS「振り向け」
[GUEST] dos「more kiss」

来た!来た!ついに来ました,佐野元春!

1月にセット・デザインでポシャって,7月に「けいつい捻挫」でポシャって,「一生,仕事で御一緒することはないんだろうなぁ」と思っていたところに今回のブッキング!プロデューサーKの仏のような心と,佐野さんを愛する熱意は,僕ら一介の人間たちの水準を遥に越えていました.
当日の当日まで入念な打ち合わせをし,従来のテレビの常識をはるかに越えた条件を僕らはのみました.まるで身体を許した女の子のように・・・佐野元春とダウンタウンのトークを実現させたい!もうとにかく無我夢中でした.まるで,ヤリタイ盛りの男の子のように・・・
まず,調整室を完備しているスタジオ収録では考えられない音中車入り.さらに音中車で録音したマルチ・テープのアーティスト・サイドによるオペレーション・・・・・これがどのくらい大事な最後の一線かは,おそらくこのページを読んでくれている方々にはわからないだろうし,説明してもピンとこないだろうと思います.だけど,それは僕らにとって「操(みさお)」なのです.今回はヤラレテ,ヤラレテ,ヤリマクラレテ,「もういいやっ・・・」って感じで,クラスの男の子みんなにヤラセちゃったぁ!そんな感じです.正直!

本当にいろいろありました・・・

だけど・・・・・
本当にやって良かった!!!!!
オンエアを後にして,心底そう思います.
当日,「本当に来るのかなぁ・・・」という僕らの不安をよそに佐野さんは呆気無いくらい呆気無くやって来ました.
「佐野さん来ましたー!!!」

というBAKUの叫び声と共に・・・

「おー来たかー!今,行くー!」(by POCCA)
「いやー,佐野さん,こちらに来てまーす!」(by BAKU)
という支離滅裂なコミュニケーションの元,佐野さんはBAKUの直後に赤いシャツにキャッツ・アイのグラサンという出で立ちでフレーム・インして来ました.控室に入るより前にスタジオに来たアーティストは初めてだ.スタジオに入った佐野さんはまず,ステージを眺め,その後,いろんな角度から「ステージがどう見えるか」チェックしているようでした.そしてステージにあがり,ステージじゅうを隈無く歩きまわり,全てに関して「チェックを入れられてる」ような,もうそれこそ僕らは気が気じゃない緊張感に包まれていました.
ひとしきりのチェックを済ませた後,佐野さんは,僕らの前でこう宣言しました.
「まず,ポップ・チルドレンやって,お客さんも僕らも温まる.その後,アメリカの古い民謡で,コリーナ・コリーナという曲があるんだけど,その曲をやる.これに関してはオンエア用ではなく,あくまでお客さんのためだけにやる.それから君を連れて行くも.そして,最後に約束の橋をやる.これが今日のライブの全てだ.」その時まで,実のところ,僕らは本番で何をやるのか?どの曲を演奏するのか?について,全く知らされてませんでした.これは,僕にとっては,というより,プロデューサーKにとっても,もっと言えば,テレビにとって,初体験でした.
佐野さんは,ギターの佐橋さんがアメリカにいて,リハーサルができないという状況に立たされたとき,「佐橋さん抜きでもリハーサルは絶対にやって欲しい.」という僕らの要望をいとも簡単に退けました.その理由は「佐橋くんがいなきゃだめだ.佐橋くん抜きでリハーサルをやることは考えられない.リハーサル抜きでブッツケ本番で当日は望む! だって,その方がスリリングだろ!?そうは思わないかい?」普通の神経では考えられない.結局,リハーサルなしのまま当日を迎え,佐野さんが確認できる時間は,当日リハのみでした・・・
客入れを終え,前室に佐野さんが入った時,僕はこれからが本番だというのに,なぜか,言い様のないくらい心地いい安堵感に包まれていました.

「あ〜,長かった,ここまで・・・」

佐野元春が好きなだけに,今回の一連の流れの中で,気持ちが真反対になったときもありました.だけど,ここまでやって「これからが本番」というまさにその瞬間,僕は本当に本当に,満足の塊でした.その時,少しだけ,プロデューサーKの気持ちがわかったような気がします.プロデューサーKは仏でもなんでもない.その至福の瞬間,つまり,ひとつのプロジェクトを実現させたその瞬間の満足感を知ってるんだ.それがどれだけ,最高のドラッグかを知ってるんだ.満足ジャンキーなんだ!
その瞬間に仕事で触れることができたのはラッキーだったな,今回.

PS:今回の出演においての,ダウンタウンと佐野元春のトークは,おそらく「佐野元春史」に残るだろう.あの佐野元春をあんな風に扱った番組は「HEY!HEY!HEY!」が初めてだ.(全然,悪い意味じゃなく・・・)まさに佐野元春の裏ブレイクというか・・・とにかく,あのスタイリッシュな佐野元春の裏をかえしたおかしみをえぐったのはおそらくダウンタウンが初めてだ!

[1996/8/22 from POCCA


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