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FACTORYの奇跡 save!
『FACTORY』プロジェクト


完全生演奏ライブ番組『FACTORY』は 1998/04 3年間続いた『TK MUSIC CLAMP』の後継番組として番組内コーナー「FACTORY」を拡大 独立するかたちでスタート,「生演奏であること」「フジテレビのスタジオで収録すること」以外 全く縛りのない通常のライブと同条件でパフォーマンスできる番組としてアーティストや音楽関係者からは高い評価を得ました.
ステージに登場したらば あとはやりたい放題
ブレイク以降の Dragon Ashがただひとつ テレビ局のスタジオで演奏する番組でもあり,今期も 彼らの「TOTAL MUSIC COMMUNICATION 02」からスタートしました.

最初の6か月は週1回のレギュラーで,そのあとは1998/09 開局した CS放送「フジテレビ721」と全面的に提携して,地上波で月1本 CSで月2本ペースで 合計170本近くを制作してきました.

そして この4月 3年半ぶりに毎週30分のレギュラー番組として復活,何の作為も政略もないピュアな音楽番組がフジテレビのタイムテーブルに成立し たことはとても志のあることだと考えます.


昨年末から年頭にかけて
「フジテレビが26時以降の深夜番組を全面的に整理する」
という情報が流れたとき,制作チームを中心に『FACTORY』を地上波でも存続させるための話合いをはじめました.
名付けて「save!『FACTORY』プロジェクト」
  1. ユーザーのなかですでに確立している『FACTORY』というブランドネームを失うことのフジテレビとしてのマイナス
  2. Dragon Ashなど テレビを回避しているアーティストたちや音楽関係者からも高い評価を得ている番組であるということ
  3. 全曲生演奏での完全ライブ番組で「業界」も「政治」もまったく介在しないスタッフと出演者が気持ちを持ち寄って ある意味手弁当で制作している志の高い音楽番組であること
  4. 次代のディレクター カメラマン ミキシングエンジニア ライティングデザイナーなど次々と育成している,若い世代の制作意欲と向上心で成り立っている番組で あること
  5. そして メインの音楽番組『HEY!HEY!HEY!』へつながるラインが存在しないフジテレビと音楽番組を数段積みにして系統立てているフジテレビ以外の全民放キー局の現状

理想論/正論をふりかざして各方面に話している途中でM部長から
「タイアップ解禁 あるいはスポンサーを見つけてくるという方法論もある」
というアイデアをいただきました.

ちょうど そのちょっと前に『TK MUSIC CLAMP』の提供スポンサーであった「TOWER RECORDS」がまた音楽番組をスポンサードしたがっていると伝え聞いていたので,年明けに「TOWER RECORDS」との接触を開始しました.

並行して CS運営部の K藤部長(旧・第2制作部)とは地上波終了の場合のフジテレビ721 独自の番組としての生き残りを模索,YOU-DIE!!(旧・第2制作部)とは CSと事業部が連動した音楽イヴェントを積極的に応援しているスポンサーなどからの番組提供社も模索しはじめました.

さらに 営業企画部の K城(旧・第2制作部)とは番組企画に賛同して提供する可能性のあるスポンサーも検討,実際に数社の名前があがりました.

そして 本線である「TOWER RECORDS」との交渉が具体化する過程からローカル営業部のN野(旧・第2制作部)と連携,前段階として仲介してくださったS谷氏との数回 交渉,条件の提示 内容のプレゼン など積み,営業推進部,編成部との社内の打合せを何度も重ねました.

1月末日「TOWER RECORDS」と直接交渉のテーブルにつくところまで進展,S谷氏のセッティングで,ローカル営業部の担当と部長を同行して渋谷まで出かけました.
2月中旬 最終的には『FACTORY』というブランドネームと,音楽に対する共通の愛情 制作にかける熱意,そして きくち個人 及び きくち組の作品を全面的に信用買いして,という注釈付きで1年間の提供予算を社長に計上していただけることになりました.
そして社長の決裁で『TK MUSIC CLAMP』以来のコラボレートが完成したわけです.

時節柄 1社提供としては 営業枠として成立させるための予算がいまひとつというN野の意見で,レコードメーカーである「Toy's Factory」に 第2提供社として話を持ちかけることになりました.N野が営業的な根回しを終えたあと,2002/02/22 やはりわたしとN野とで「Toy's Factory」にでかけ社長に直接プレゼン,「TOWER RECORDS」とまったくおなじく『FACTORY』という音楽番組にかける熱意,音楽的な情熱,番組のクオリティなど全面的に評価していただき,ほぼ即日に近いかたちで交渉が成立しました.

そして これもレコードメーカー「Victor Music Entertainment」がこの一連の動きを耳にして,N野のもとに『FACTORY』を提供したいとコンタクトしてくださって「音楽と音楽番組に対する愛情と情熱」だけで集ったスポンサー3社が成立,営業推進部/編成部との調整も無事終わり,N野の著しい努力のかいもあって火曜日の25時台の番組として3年半ぶりに 毎週のレギュラー番組として返り咲い たわけです.


音楽に愛のあるみなさんの圧倒的な応援を受けながら わたしも社会と会社の仕組みを学びました.
若手ディレクターが アーティストを持ち寄って(笑)
音楽に対する愛情をだけで制作しているような そんな番組がフジテレビに成立していることは,ある意味 フジテレビの誇りと思いますし,『HEY!HEY!HEY!』『堂本兄弟』など制作しているプロデューサーとしてはテレビマンとしてのわたしの音楽に対する最後の良心である,とそんなふうにも考えています.

同時並行で 毎週の金曜日「save!『FACTORY』プロジェクト」の会議を持っていました.
技術さんも美術さん CS運営部もみんなで真剣に考え意見して語り合いました.
FACTORY HomePageで 視聴者のみなさんにも呼びかけました.
あなたの大好きな こんなにもイカした音楽番組を リストラさせてもいいのか?
フジテレビのHomePageに届いた 多数の愛情あふれるメール,
読むたびにわたしたちのパワーにもなりました.

もうここまで来たら 中途半端なことはできません.
みんなが 気持ちで 支えてくれた『FACTORY』.
音楽に対する愛情と 音楽番組に対する熱意に,
『FACTORY』は妥協はしません.


フジテレビ『FACTORY』プロデューサー
きくち 伸

その他のFACTORY Report

★[TV LIFE 誌連載中!;KIKCHY FACTORY]

★ライナーノーツ関係

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