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 - 小西:
 - どうもお疲れ様でした.
  - 野宮:
 - どうもお疲れ様でした.
  - 小西:
 - じゃ,乾杯.
  - 野宮:
 - 乾杯.
 
(二人でビールボトルで乾杯)
  - 小西:
 - イエイ!
  - 野宮:
 - イエイ!
 
(ごくりと一口飲んで)
  - 小西:
 - ああー,やっぱりライブの後のビールはうまいなと.
  - 野宮:
 - あははは.そのためにやっているっていうね.
  - 小西:
 - そうですよぉ.(もう一口飲んで)ああ.こんなにうまそうに飲む人ほかにいないと思うんですけどね.ま,そんなことないか.
 
どうでした?今日は.
  - 野宮:
 - 久しぶりにね,生のバンドで「ライブ」っていう.テレビだったから緊張しました.
  - 小西:
 - そうですね.いやー,緊張しました,僕も.ほとんどやることないんですけどね,僕は.でも忘れたりして.
  - 野宮:
 - でも,ダンスがねぇ.
  - 小西:
 - ダンス緊張しましたね.
  - 野宮:
 - ダンスはね.なんとか出来た?ちゃんと.
  - 小西:
 - …だいたいできた.
  - 野宮:
 - あ,だいたいできた!
  - 小西:
 - 9割って感じ?完ぺきではなかった.出来た?完ぺきに.
  - 野宮:
 - 9割?わたしもちょっと.なんか帽子が,ウィッグ付けてるから帽子の感覚がないのね.載ってるか載ってないか感覚がなくて,「あれ,とれちゃったかなぁ」って一瞬思ったり,そういうことを考えてしまって.9割……うん.
  - 小西:
 - ま,終わったことは反省しないって事で.それがピチカート・ファイブのポリシーですから.
  - 野宮:
 - ね!
  - 小西:
 - いや,しかし,お互いに.
  - 野宮:
 - なあに?
  - 小西:
 - 長くやってますねぇ.
  - 野宮:
 - 本当に.
  - 小西:
 - 今日はだって,質問してるんですから.野宮さんに.
  - 野宮:
 - あそっか.長くやってますよね.
  - 小西:
 - ほとんどなんかこう……,むかしは真貴ちゃんのこと,ステキな女性だなぁって.
  - 野宮:
 - 今は..
  - 小西:
 - いや,今もそう思っているんですけど.今,もうそういうことよりも,なんか会社の同僚っていうかさ.戦友っていうか.
  - 野宮:
 - なんかさ,不思議な関係だよね.ふたりっきりだし,グループは.でも別に奥さんでも,恋人でもないし.
  - 小西:
 - そうですよね.
  - 野宮:
 - でも,普段は全然逢わないんだけど.でもね.
  - 小西:
 - なんかツアーとかあるときだけ空港とかで落ち合って,でずっと行動を供にするわけで,外人部隊みたいな感じですよね.ほとんど“さいとうたかお”の世界ですけども.よく分かんないこと言ってますけれど.ま,テンションが上がっているということで.
 
どうですか,ピチカート・ファイブやってて,一番,想い出に残っていることってありますか?
  - 野宮:
 - う〜〜ん.まあ,海外でねやることになったっていうこと?想像もしていなかったから.ピチカートに入ったころは.なんかどんどん話が展開して行くって言うか,想像していないほうにどんどん展開して行くって言うか.それはそれでおもしろいんですけどね.
  - 小西:
 - うーん.
  - 野宮:
 - まさか世界中でね,ピチカートが聴かれているとは.こういうふうになるとは.
  - 小西:
 - 僕も自分の人生で「ワールドツアー」っていうものが待っているとは思いませんでしたね.…アンド,テレビの司会.
  - 野宮:
 - そうだね.(笑)
  - 小西:
 - テレビで司会するって自分の人生の予想のなかに無かったんで.
  - 野宮:
 - どうなんですか.やってもうだいぶ経つけど.
  - 小西:
 - ワールドツアーと似てますよ.
  - 野宮:
 - ふーん.
  - 小西:
 - 苦労が多い.しかし,やってみて良かったなと思うこともあると.
 
僕も真貴ちゃんも,ファンの人はとっても若いのに,僕たちはもうけして若いバンドじゃないと思うんですよ.いろんな意味で音楽的にも,ある意味で成熟しているじゃないですか.そのへんどうなんでしょうね.すごい考えちゃうんだ,最近.始めたばっかりの頃ってさ,あるいは真貴ちゃんと組んで始めたころかな,そんなこと何にも考えてなかたんだけど.最近そんなことばかり考えるようになっちゃって.
こういうこと言うと格好いいけど,バンドってなんかさ,人の人生にさ,シミュレーションできるって言うかさ,なんかそんな気がするんだよね.人生はその後も続くんだけど,バンドって何か箱庭的なスケールの小さい人生みたいなもんでさ.
  - 野宮:
 - じゃあ,夫婦って事ですか?
  - 小西:
 - いやいや.
  - 野宮:
 - そういうことじゃなくて?
  - 小西:
 - 僕たちの人生のほかに,PIZZICATO FIVE っていうバンドの人生みたいのが在って.
  - 野宮:
 - 今,どのへんなんだろうね?
  - 小西:
 - 犬で言うと12歳ぐらいかな.そんな感じじゃないのかな.
  - 野宮:
 - 犬で言うと12歳じゃ,もう結構,もうあと1,2年ですよ.
  - 小西:
 - そうでしょう.「バンドの人生=犬」説.それ今日,野宮さんから引き出したことかなと.
今日,FACTORY どうでした.
  - 野宮:
 - あ,なんかいい感じでしたよ.こういうねぇ.
  - 小西:
 - テレビとは思えない.
  - 野宮:
 - そう.だからそう,私,お客さんがいると割りと大丈夫なのね,ライブの感覚だから.カメラしかないと緊張しちゃうんだけど.今日も緊張しましたけれど.でも,やっぱりお客さんがいて,楽しんでくれているのを見てると,なんか普通のライブの感じが戻ってきて.
  - 小西:
 - 今日はでも,お客さんも比較的おとなしかったですね.彼らもテレビを意識して上がってたんですかね.なんかそんな感じで,楽しかったですけど.
今日はどうもありがとうございました.
  - 野宮:
 - こちらこそ,ありがとうございました.
  
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