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アルバム『ACME』でやった音をライブで再現するのは大変な作業じゃない?
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JON ステージでは全く違ったものになると思うよ。アルバム作りってのはさ、バックシンガーとかシンセサイザーとかベースギターとか他にもいろんなクレイジーな楽器やアイディアを盛り込むことができるんだ。スタジオワークはスタジオワーク、ステージはステージ、同じである必要はない。レコード作りとライブってのは全くスタンスが違うんだよ。レコードのサウンドに縛られることなく、2本のギターとドラムがあっておれたち3人でガツンとやるだけさ。
実際、おれたちは”無”から作りだしているようなものなんだ。次のツアーの時には石と棒切れで現れるかもしれない。もっと原始的になっていくと思う。レコードの音なんて関係無いんだよ。別に誰かのヘルプなんていらないし。それだけブルース・エクスプロージョンってのはパワフルなバンドなんだ。てめえがごちゃごちゃ気にすることは無いんだ。要はロックンロールのパワーなんだ。凄く強いものなんだ。分かるか?スタジオの音がどうしたとか、別に誰かのヘルプなんていらない。誰かを介入させたらよけいにやっかいになって、調子が悪くなるぜ。3人の間でコミュニケーションができているんだ。その場のひらめきを音楽という共通の言葉で分かち合ってるんだ。いったんステージに立ったらやるだけさ。おれたちが感じてることをオーディエンスの前でやって感じてもらうだけさ。テープだしもいらねえし、セットリストもねえし、後はその場のひらめきだな。ラッセル、ジュダ、そしておれの3人がこの拳と魂でやるだけなのさ。テクノロジーの力はいっさい必要無い。ステージに出て3人でガンガンやればいいんだ、拳を振り上げて。関係ねぇよ、全く問題なし。
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それだけ自信満々に言うってことは精神的な調子はかなりいいんだね?
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JON 何言ってんだよ、当たり前じゃねぇか。だっておれたちはブルース・エクスプロージョンなんだぜ?グレイトなロックンロールバンドなんだよ。1999年のことや2000年のことを喋って、お前がブルース・エクスプロージョンのことを聞きてぇっていうから話してんじゃねぇか、コノヤロー。
アルバムの音のことなんて関係ねぇし、おれはステージで立って再考の気分なんだ。「気分いいですか?」だと、バカヤロー。当たり前だっつーんだよ。ステージが近くなればなるほど盛り上がるんだよ。今、おれは最高の気分でステージが待ち遠しくてたまんねぇんだよ。ステージ以外の時間なんて関係無いんだ。ステージで燃え尽きることができればそれでOK!
「自信があるか?」だと。当たり前だろ。ブルース・エクスプロージョンはグレイトなロックンロールバンドなんだよ。おれは信じてる。おまえもそうだろう?そうじゃなきゃここにいねぇだろう?このテレビ番組だってそうだろ。おまえもロックンロール信じてるんだろう?ブルース・エクスプロージョン信じてるんだろ?
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本当に調子よさそうね。
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JON そうさ。おれは興奮してんだ。興奮してるんだよ。見てみろよ、あいつ。来いよ、来いよ。(ディレクターのYOU-DIE!!を引っ張りだす)
見てみろよ、この靴。脱げ脱げ。(YOU-DIE!!!の足を持ち上げて白いエナメル靴を脱がせる)
ロックンロールのことを語りたいなら、このクレイジーな靴を見てみろよ。この靴がブルース・エクスプロージョンがどういうものか総て物語っているんだ。
”BLUES is NO.1”って言ってみろよ。
YOU-DIE!!! BLUES is NO.1
JON そうだ!その通りだ!
おれはそれを言っているんだよ。ブルース・エクスプロージョンがこの東京のステージに立ってぶっ飛ばすぜ。
サンプラーもストリング・セクションもおれのギターさえも要らねえんだよ。おれが必要なものはこいつが履いているホワイトシューズ!
”BLUES is NO.1”って言ってみろよ。
YOU-DIE!!! BLUES is NO.1!
もう一度!
YOU-DIE!!! BLUES is NO.1!
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『ACME』という革新的なアルバムを作って精神性やマインドは変わった?
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JUDAH いつも変わっている。難しいな。自分がいるポジションは常にアルバムに反映されている。その曲を書いている時は違う時空にいるんだ。変わったとかそういうことじゃなくて、そこがまさに自分達がいる場所なんだ。
JON あんたはこのアルバムを作った感想をきいているんだろう?
最高の気分さ。『ACME』はグレイトなアルバムで、ファンタスティックなアルバムなんだ。
『ACME』のサンプル、『ACME』のサンプルをくれよ。みんなに見せたいんだ。こっちに持ってきてくれよ。こいつさえあれば何でも可能で自分達の音楽を持ってどこへでも行ける。
これこれ。まあ、これがエクストラ『ACME』のサンプルだ。『ACME』はこんな形なんだけど、とにかく凄いんだ。気持ちいいし、なんでも可能にしてしまうバンドなんだよ。ブルース・エクスプロージョンにとって不可能なことは何もない。
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それは世界を回っても確信できることですか?
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さっきも言ったけど、他の時間はいっさい関係ない。おれにとって最も大切な時間はステージにいる時なんだ。今、まさに音楽を作りだしているんだって肌で感じることができるし、オーディエンスもそれを感じることができる。とにかくすごいんだよ。
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オレはロックンロールを愛してる.ジュダとラッセルそしてブルース・エクスプロージョンを愛してる.愛についてはよくわからないし,ロックンロールについてはもっと分からない.頭の中で理解して,それで分かったつもりになっていたんだ.
しかし,レディース&ジェントルマン!,オレは間違っていた.オレは嘘をついていた!ジュダに会って,ラッセルに会って,ブルース・エクスプロージョンを演り始めたまさにその時にロックンロールってやつがどういうものなのか分かったのさ.
そのロックンロールってやつを今日このステージに持ってきてんだよ!ここ,BLITZで!東京のBLITZで!三日間演るんだ,このBLITZで!ロックンロールってもんが何か知りてぇんだったらBLITZに来いよ!オレたちが教えてやるぜ!
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『ACME』というアルバムを通じてオーディエンスに何を恩返ししたと思う?
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JON オーディエンスのためにアルバムを作ってるわけじゃねえんだよ.オレたちが聴きたい音を作ってんだ.もちろんオレらがやってることをみんなが好きになってくれることはすごく嬉しいもんだよ.でも,オレたちは自分たちが聴きたい音楽を作ってるだけなんだ.
『ACME』で何を返したかって?今回は特に今までやったことの無いことに挑戦してみたんだ.曲作りにしてもエモーショナルな感情を前面に出すようにした.それはブルースエクスプロージョンにとってすごく新しいことなんだ.音作りのチャンスもたくさんあったし,いろんなことに挑戦したよ.とにかくいろんなチャレンジをした.オレたちは未だかってない新境地に漕ぎ着けようと思ったんだ.
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ジュダとラッセルとの出会いそのものがロックンロールだったの?
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JON 会ってからってよりは演り始めてからだね.プレイした途端...ピカッて光ったんだ!ピカッてなった!
こんな感じだ(部屋のライトのスイッチを切って点ける).
パンって閃いたんだ.会ってプレイしてパンって閃いたんだ.第六感っていうの?ひらめきだよ.
オレたちは悩んだりしないんだ.ただ演るだけさ!コンセプトがどうだとかそんなことじゃなくて,ただやるだけなんだ!
ちょっと立ってみてくれ(インタビューアを立たせる)
ここじゃなくて腰で感じるものなんだ,ロックンロールっつーのはよ.
インタビューワ バイブ?
JON バイブル(聖書)じゃなくて,そんなとこなわけねえだろう.もっと下衆なとこだよ.ロックンロールってのはここ(腰を示す)で感じるんだよ.ここを揺さぶって感じるんだ.ケツでよ.
もうちょっと下だ,(ピー)のあたりだ.ロックンロールってのはセクシーなものなんだ.ロックンロールっつーのはファックなんだよ!
このカメラマン笑ってっけど,マジなんだぜ!それがロックンロールなんだ!ファックなんだ!
インタビューワ やってるのと同じ感じを受けることがある?
JON なんだって?ママ??
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ブルース・エクスプロージョンとは?
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JON ブルース・エクスプロージョンはバンドの中のバンドなんだ.ポーズだけのくそバンドとは違うんだよ!グーグー・ドールズだとか,バック・ストリート・ボーイズみたいなよ.ブルース・エクスプロージョンはリアル・ロックンロールなんだ!オレたちは正しいロックンロールの宣教師なんだ.ここでロックンロールの布教活動をやってんだよ.ブルース・エクスプロージョンは本物のロックンロールバンドなんだ.
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世界で最高の3ピースバンドになりたい?
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JON 関係ねぇよ.もちろん最高のバンドになりたいと思ってやってるわけだけど,要するにオレたちは最高にピュアで理想的なロックンロールのスタイルってやつを見せたいんだよ.んーっと,一番ピュアな形の.
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オープニングアクトはジョンが選んでいるの?
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JON オレはオープニングアクトについてなんか話したくねえんだよ.そんなことよりも今はオレたちの話をしてんじゃねえか?
ちょっと,いいかい?(インタビューアを引っ張り出す)
気分良いんだよ,今,オレは最高なんだよ!見ろよ,オレ,こんなに汗かいてんだぜ!興奮してんだよ.(カメラに胸を押し付ける)
いいかい,レディース&ジェントルマン,興奮して濡れてるんだ.だって,また日本に戻ってきて三日間プレイできるんだぜ!今日は何曜日だ?火曜日?水曜日? もっとだよ!もっと!木曜日?超最高だぜ.あったりめえじゃん!どーしてつーとなあ,ブルース・エクスプロージョンはやりゃやるほどすげえんだよ.
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ロックンロールにやられちゃってる?中毒?
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JON そうだな,中毒かな?たまにそう感じるよ.それしかやりたくないもん.いつでもブルース・エクスプロージョンのことを考えている.皿を洗っていても,ジュダとラッセルと演ることを考えてる.子供のおむつを替えていてもジュダとラッセルと演ることを考えてる.郵便局に行ってもブルース・エクスプロージョンのことを考えてる.いつどこにいてもブルース・エクスプロージョンのことを,ロックンロールのことを考えてる.どうやってみんなにロックンロールを分かってもらうか,ブルース・エクスプロージョンを理解してもらうか,オレたちのメッセージや感情を分かってもらおうか考えてる.
ロックンロールは気持ち良くしてくれるじゃん.ロックンロールはオレの人生を救ってくれる.ロックンロールはオレに目標を教えてくれるし,自分が何を信じればいいか教えてくれるんだ.オレだってロックンロールで何かやれんじゃん?あんたにだって,あいつにだってよ.
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もし,ブルース・エクスプロージョンというバンドをやっていなかったら今頃何をしていたと思う?
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JON .........
途方に暮れてるね.まじで死んでると思う.荒野で彷徨ってるようなもんだよ.揺れてるね,荒波に揉まれる船のように.
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最後に気合いの一言をください
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JON 一言?二言でいうぜ.”ブルース・エクスプロージョン”
(YOU-DIE!!!に向かって)こんなもんで大丈夫かい?こっち来て座れよ.こいつのこと言ってんだよ,こいつイカしてんだよ!(YOU-DIE!!!を引っ張り出す)
まあ,座れよ.
一言じゃなく,二言で言うぜ.
“ブルース・エクスプロージョン”
お前も言ってみろよ.
YOU-DIE!!! “ブルース・エクスプロージョン”
JUDAH いかしたフェンダーテレキャスターとアンプがあればロックの用意は万全だ.
RUSSEL ニコ! ディック!
インタビューワ 他には?
JON こいつらがいればオッケー!
それからヤツ(YOU-DIE!!!を指す)もね.
インタビューワ 彼は?新しいメンバーなの?
JON こいつはいつもいるんだよ.こいつがいなきゃ出来ねぇけどな.
インタビューワ こんなに疲れててステージは大丈夫?
JON 冗談じゃねぇよ,この野郎!(机をひっくり返して一徹暴れをする)
ちょっと待て,オレのどこが疲れてるんだよ,オレが何のために来たか分かってんのかよ!何が悪いっつうんだよ!オレが今どんだけ気持ち良いのか言ってんじゃねえか.オレが今どんだけハッピーなのか言ってんじゃねえか.だろ?だろ?違うか?ブルース・エクスプロージョンに乗るのか乗らねぇのか,はっきりしろよ.ロックンロールに乗るか乗らねぇのか,それが問題なんだよ.
インタビューワ 君は本当にロックンロールなヤツだ!
JON その通りだ.テレビに向かって言ってみろよ.
インタビューワ 君は本当にロックンロールなヤツだ.
JON それだよ.
“ブルース・イズ・ナンバーワン”って言ってみろよ.
インタビューワ “ブルース・イズ・ナンバーワン”
JON “ブルース・エクスプロージョン”
インタビューワ “ブルース・エクスプロージョン”
JON それが言いてぇことなんだよ.ブルース・イズ・ナンバーワン,ギターがどうだとか病気だとか,腹が減ってるとか関係ねぇよ.ロックンロールに誓うんだよな.ラッセル・シミンズ,ジュダ・バウアー,そして白い靴のやつ,これがブルース・エクスプロージョンなんだ.分かるよな!
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ライブ終了後の楽屋で...
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YOU-DIE!!! 日本のオーディエンスはどうだい?
JON アメリカでは”Let me hear you say yeah!”とか決まりごとに反応するんだけど,日本はそれとは違うことに反応するね.”A・C・M・E”とか,何を言っているのか分かっていないと思うんだけど,即座に反応するんだ.
インタビューワ セットリストもないのに一発でバシッと決まるのは長年の経験によるところが大きい?
JON だと思うけど...
JUDHA 第六感ってやつだよ.
インタビューワ MCとかもなくて,なんかMEGA MIXのDJのつなぎを聴いているみたいだったわ.
JON 三人ともDJだから.でもいいね,それ,MEGA MIX.
RUSSEL (見ろよ,たんこぶできちまったよ.強く打ち過ぎてぶっ倒れるかと思ったよ.マジで.
JON ズームで移せよ.(カメラを指す)
RUSSEL (カメラに近付いて)ウィーーン.3Dだ!
まったく,あのくそマイクが!
YOU-DIE!!! 僕は聴いててDJの件もそうなんですけど,ロックンロールとして考えたらショーのスタイルとして始めての経験ですごいエキサイティングだった.
JON ありがとう.
YOU-DIE!!! ありがとう,マイ・フレンズ.
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