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- 小西
- お疲れ様でした.
- 全員
- どうも.
- 小西
- スゴイ格好良かった.
- 全員
- ありがとうございます.
- 小西
- レコードは聴いてたんですよ.なんか買ったり,貰ったり.
- 日暮
- あ,買っていただいたんですか.
- 小西
- 買ったこともあります.あの,レコードだとあの,こういう言い方だとあれだけど,声がくぐもってるっていうか,そういう録音じゃないですか.すごい格好いいじゃないですか.もう大好きで.
- 日暮
- あ,ありがとうございます.
- 小西
- で,今日はじめてライブ見て,ライブだとPAがちゃんとしているからまた違う印象を受けて.でもすごい格好良かった.特に一曲目なんてシビレタ.
- 日暮
- 「フォーティエイト」.あれ結構古い曲で.トラットリアのコンピに掛かった曲です.
- 小西
- 三人組みはこうだよなって曲.リフの塊みたいな.
- 日暮
- うーん,でもね.
- 小西
- 僕が初めてシーガルの,7インチかな,貰ったんですよ.小林くんって人に.
- タカハル
- あ,小林くん知ってるんだ.
- ナオ
- 7インチ,なんだろ.
- 日暮
- 犬のやつ?7インチって犬のやつしかないと.
- 小西
- たしかね,最初に彼に貰って,聴いて好きになったっていうことだったんだけど.それ何年前だったかな.何年ぐらいやってるんですか?
- 日暮
- このメンバになって4年ぐらいなんですけど.
- 小西
- あ,その前もあるんですか?
- 日暮
- ていうか,私一人で始めたんですよ.デモテープから.で,二人になって,で.また変えて三人になった.
- 小西
- うん.もうこの形が一番長いんでしょう?
- 日暮
- そうですね.この形になってからがいわゆるシーガル,と思ってます.
- 小西
- ライブとか多いんですか?
- 日暮
- 結構やってます.あとアメリカも回ってるんで,アメリカも結構多い.
- 小西
- すごい今日もカチっとしてて.
- 日暮
- いやいやいや.カチっとはしてないです.だいぶくだけてて.
- タカハル
- 誰も弾けないとかね.
- 日暮
- でも3曲ぐらいがやりやすいですね.
- 小西
- そうですか.
- 日暮
- むかし,3曲ライブとかばっかしやってたんですよ.
- タカハル
- 3曲っていいよね.
- 日暮
- 3曲ってテンションが引っ張りやすくて.長いライブって結構辛くて.体力ないんで.
- ナオ
- 疲れちゃうよね.
- 小西
- 唄い終わってギター持って,必ずベースの方に,ナオさんの方に歩いていく感じが,ズカズカって歩いていく感じが,どの曲もそうだったから.
- 日暮
- ああー,そうだったんだ.無意識だった.
- 小西
- それが格好いいなって.
- 日暮
- 無意識に変なことやってる.そんなの人に言われたりしないと.
- タカハル
- 突っ込まないと最後まで気が付かないですからね.
- 日暮
- でも,ニューヨークにいたことがあって,その時に,だいぶ前なんですけど,住んでて,あのピチカート・ファイブのレコード,アナログ盤がガーンと街のレコード屋にいっぱい並んでいて.それを見て,「ああ,うらやましい」って.そんな想い出があります.
- 小西
- でも,今は出てるんでしょ,向こうで.
- 日暮
- いや,自分のレーベルで出したやつは出てるんですけど,特別レーベルはまだ決まってなくて.
- タカハル
- 探し中でーす.
- 小西
- でも,なんかアメリカで,アメリカのオーディエンスに見せるのが当たり前の感じしますね.
- 日暮
- シーガルがですか?
- 小西
- うん.なんかピチカートもツアーに行くんだけど,わりとインディーロックのメニューとかね多くて.それなりに楽しんで貰えるんだけど,そういうのに行くリスナーの人たちって聴いているのはもっと違う音楽なんだろうなって,ずっと思ってて.
- ナオ
- でも,アメリカの有線ってどこの店でもピチカートってガンガンかかってますよ.
- 小西
- うれしいで〜す.(両手でVサイン)
- 日暮
- ええー,こういう人だったんだ!
- タカハル
- 小西さん,こういうキャラだったんだ.
- 日暮
- やっぱり「コニタン」だったんだ.
- 小西
- そうなんですよ.ケイちゃんファミリーじゃなくて申し訳なく思ってます.なんかアメリカのライブでおもろかったことありますか?
- 日暮
- あ,一番最初のライブで,サンフランシスコでネオナチの男の子に頭からお湯を掛けられた.
- 小西
- えっ,なになに.
- 日暮
- 笑うな!小山田!(注:小山田圭吾さんがセットのすぐ横で収録を見てました)
- ナオ
- ふざけてたんだよね,向こうにしてみたら.
- 日暮
- 何かね,私はすごい優しい人だから,隣に座ってきたネオナチの子らを「あ,こいつらスキンヘッズだ」って思ったんだけど.「タバコくれ」って言うから,アメリカだとか気軽にタバコのやり取りとか在るじゃないですか.だから,「うん,メンソールしかないけどいいよ」ってあげたら,なんか10秒後ぐらい頭からお湯が…….
- ナオ
- 1分ぐらい固まっちゃって.
- 日暮
- で,火が付いたように泣いて.それでめちゃめちゃいいライブが出来ました.おかげで.
あと,アンプが飛ぶとかそんなの当たり前で.
- ナオ
- 行ってみたら機材が無かったとか.
- 日暮
- ああ,それもある.
- タカハル
- まともなドラムセットで僕やったことが無いですからね.
- 日暮
- シンバルがないとかね.
- タカハル
- ツータムなんですけど,ワンタムは当たり前で,タムなくて,シンバル3枚なんですけど,シンバル1枚っていうことありましたね.行ったら.
- ナオ
- あ,あとアンプ借りる予定だったんですけど,私が借りるときになって急にコンセントもげちゃって.ラインでやったんですよ.
- タカハル
- なかなかおもしろいですよ.
- 小西
- それでもライブは続く.
- タカハル
- でも,そのほうが燃えるよね.
- 日暮
- ええっ,それは止めたいな.もう,そういうライブはもうあんまりしたくない.この間はさすがに4回目だったんで,大きなトラブルは無かったんですけど.ちょっとでも楽していきたいなって,これからは.
- 小西
- ファンっていうのは?アメリカの.
- 日暮
- まだ,全部は回ったことなくて,残念ながらまだ東は行ってないんですよ.あの,真ん中へんから西っていう感じで.あとミネアポリスとか,なんか余計なところ行ったりしているんですけど.余計なところじゃないね,素晴らしい雪国に行ったんですけど.あの,なんかファンは,4回目で初めてシーガルがメインていう形になって,企画だったので,どれぐらいお客さんとかいるのか測れて.それはすごい良かったです.
- 小西
- 向こうのファンって熱心な人になるとインターネットで「情報送れー」みたいに追っかけてくるでしょ.
- 日暮
- あっ,なんか知らないうちにいっぱいホームページが出来てたりとか.インターネットでアクセスしてくる人もいるし.Eメール送ってきたり.
一番うれしかったのはソニック・ユースのファンジンで「ソニック・デス」ってあるじゃないですか.あれにね評が載ったこと.
- 小西
- へぇー.
- 日暮
- 最近,ちょっとうれしかったこと.
- 小西
- 僕もね,一個だけそういうのがあって,なんかニューヨークに帰ってきたときに空港で呼び止められて「ピチカート・ファイブの人ですか」って.「オレはビー・フィフティーツーズ(B-52'S)のファンジンをやっている男なんだけど」って.
- 全員
- それはすごい.
- 小西
- それは一番うれしかった.
- 日暮
- ファンジンてなんかうれしいですよね.特にビー・フィフティーツーズなんてうれしいよね.ビー・フィフティーツーズ
- タカハル
- 好きですよね,ビー・フィフティーツーズ.
- 小西
- 大好き.
- 日暮
- うーん,好きそう.
- 小西
- ビー・フィフティーツーズのファンジンやっているやつに「ピチカート先週見た」とか言われて,すごくうれしかったんだけども.客が同じだといいなとか思って.僕,ビー・フィフティーツーズのフレッド・シュナイダー,隣で見たことありますよ.レコード屋でね..
- 日暮
- 自慢だ.
- 小西
- (笑)そう,自慢してるの.レコード屋でねレコード探してるときに隣で探してるやつが..うん.
- 日暮
- あ,私もニューヨークで,自慢!
- 全員
- (笑)
- 小西
- 自慢大会.
- 日暮
- 今はもう知りあいになっちゃったから何なんだけど,前にファンだった,今もファンなんだけど,ニューヨークに行き付けの古本屋があって,多分ご存知だと思うんですけども,ブロードウェイから一本入ったところにすごいちっちゃい,汚い古本屋があって,古本と古レコードと古CDとかカセットとか,そういうのいろいろあるところで,行ったらすごい身長の高い人がいて,「なんだこの壁みたいな人」と思ってふっと見たらサーストン・ムーア(注:ソニック・ユースのギタリスト).で,わたしがすごいおどおどして「えっえっえ」っていう状態だったら待っててくれて.サーストンですって言う感じでずっと待っててくれて.サインしてくれて.たまたま私がソニック・ユースの「コンフュージョン・イズ・ネクスト」っていう本を買ったばかりで,それにサインしてくれて.ラッキー.
- 小西
- ラッキーですね.
- 日暮
- でも,普通に有名人に会いません?アメリカって.私ジム・ジャームッシュにも逢ったことが.逢ったって言ってもすれ違っただけなんですけど.全然,目線の高さが違うから見ては貰えなかったけれど.
- 小西
- 僕,あまりないかもしれない.
- 日暮
- なんか意外に有名人いて,普通の扱いされてるなぁって.あんまり有名人だから「キャー」っていうのがなくて,住みやすそう.
- 小西
- 1回,ピチカート・ファイブでねアルバム発売記念でなんかタワーレコードとか行ってサイン会とかやったときに,「さっきまでラモーンズ(Ramones)がサイン会してた」なんて言われて,「エエッー」ってなって.
- タカハル
- それは貰いたかった,サインを.
- 小西
- そう思った.
- 日暮
- タッチの差だった.
- 小西
- タッチの差だった.話が取り留めもなくなっちゃって.自慢大会になっちゃって.
- タカハル
- 僕ら,アピールしなくちゃいけないのに,もうファンになっちゃってて.
- 日暮
- でもピチカート・ファイブとか大変にならないですか,そこら歩いてて.
- 小西
- いや,僕はあまりないです.
- ナオ
- ピチカートで二番目に人気があると言われてますよね.
- 小西
- 二人しかいないから,(笑)二人なのに三番目だったら辛いですよね.
- 日暮
- 誰が二番目になるんだろう.
- 小西
- あの,もうすぐニューアルバム.
- 日暮
- はい,『セブンティーン』が,二日(1998.09.02)に.
- 小西
- それはどんな感じに.
- 日暮
- うーんと,今日もやったんですが「ダウン・ツゥー・メキシコ」とか.ま,なんだろう,シーガルってわりとスリーピースなんだけど,ただのギター,ベース,ドラムだけじゃなくて,本当にドラムとピアノしか使っていない曲とか,いろんなバラエティに富んだ曲が入ってますんで.前回の『イッツ・ブランニュー』ってアルバムよりも,もっとなんか,活気のある感じがするアルバムに仕上がってます.聴いて下さい.
- 小西
- どうもありがとうございました.
- ナオ
- ありがとうございました.
- タカハル
- ありがとうございました.
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