剛 | さて,今日のゲストは米倉涼子さんに来ていただきました.以前ですね,本でご
一緒させていただきまして,私が米倉さんの写真を取らせていただくと.それで,「鼻
の穴に指を入れて下さい」という注文も普通にこなしていただき,あの時はお世話にな
りましたという感じなんですが.その時喋っていたのは光一くんのが喋っていた感じが
ありまして,僕はずっと写真を撮っていた印象があるんですけど,今日はその時に話せ
なかった部分を今日ここで話して埋めていきたいと思っています.
|
米倉 | 埋めるんだ?
|
剛 | そこだけポッカリ空いてるんでお願いします.
|
米倉 | お願いします.私,喋ってたつもりだったけど.
|
剛 | いや,僕ね,写真は撮ってたんですけど,普通にそのへんの人物とか風景とか犬
とか,そういうものばっかり撮ってたので,女の人を撮らせていただくというのは初め
てなことで,すごい迷ったんですよ.それでお話も,どういうふうにお話しようかなっ
ていろいろ考えてはいたんですけど.光一くんがなんかいい感じにトーキングし始めた
ので,じゃあ僕はその二人の風景というか,写真を撮ろうと思ってけっこう撮ってたん
ですよ.で,光一が「おまえも喋れよ」みたいなことを何回か振ってたんですけど,「
いや,僕は写真で」みたいなことで写真をずっと撮ってたんですよね.
|
米倉 | 私,気付かなかった.
|
剛 | 僕ね,このあいだ自分のレコード会社で止められたぐらいですからね.
|
米倉 | 誰?
|
剛 | 僕ですよ.
|
米倉 | なんで?
|
剛 | 僕だって,フジテレビでも6回止められてますからね.昨日もレコード会社に打
ち
合わせで行ってるのに,「どちらの堂本さんですか?」って言われて「ジャニーズ事務
所の堂本です」って言ったら「ああ,そうですか」って言われて.それでスタッフの方
の名前を出して,「この方と今日は打ち合わせするんですけど」って言ったら「ああ,
あの人は今ちょっと外出してまして」みたいな感じで,そっちの人のが有名な感じを.
|
米倉 | 本当?
|
剛 | この現場でもドラマの現場でもそうですけど,コンサート会場行っても,どこ行
っても「あれ?剛 は?」って目の前で言われますからね.光一もよく言うんですけど.
一回,名古屋ドームかなんかでコンサートやった時にガードマンの人に止められたんで
すよ.衣装着てたんですよ,僕.衣装着て「KinKiの楽屋ってこっちでしたっけ?」って
言ったら,「あ,すいません.どちら様ですか?」って言われて「KinKi Kidsですけど
」「あ,すいません」って.そんな感じなんですけどね.
|
米倉 | それは本番のために自分のパワーを抑えて入る.それが無意識的に出来てるから
. |
剛 | というか,普段がパワーない感じで生活してて,ステージ上がる時は必要以上
にパワーあげるっていう感覚なんですよ.なんで今のこのトーンが本来の自分で,VTR
が回ったりステージに立つと,一気に何倍もテンションあげて,コンサートやったら2
時間から3時間テンション上げっぱなしで終わる感じですね.そんな感じなんですよ.
だからたぶん,テレビ見てくれてはったり,ステージ見てくれてはったりする人が,急
にこんなテンションの低い人が来た時に「ほんまかい?」って思うんでしようね,たぶ
ん.
|
米倉 | そうかな?私あの時にお話をしてて,確かに途中まで喋ってなかったの.
|
剛 | たぶん僕,チキンをずっと食べて.
|
米倉 | 食べてた.
|
剛 | お腹が空いてて.
|
米倉 | 食べてた.
|
剛 | 「チキンや」と思って唐揚げいっぱい食べてたんですよ.
|
米倉 | チョコレートも食べてた.
|
剛 | よく見てますね.
|
米倉 | 見てた.でもオーラってすごい二人ともありましたよ.やっぱりさすがだなって
思った.
|
剛 | いや,ないですよ,僕.
|
米倉 | 自分がそう思ってるだけだよ.
|
剛 | だって僕,普通にこのまま街とか歩いてても,ほとんど気付かれないんですよ.
|
米倉 | それは自分がそう思ってるだけだよ.
|
剛 | いや,ほんまに誰一人.今,となりのスタジオにココリコの田中くんがいるじゃ
ないですか.田中くんとすごい仲良いんですよ.田中くんと代官山に買い物行った時も
,田中くんだけ「田中さん,田中さん」って言われてて,「あ,ああ」って後で気が付
かれるっていうか,「あ,剛くんもいたんですか」みたいな感じで.「ついでにサイン
下さい」って言われましたもん.そんな感じですよ.米倉さんはでも気付かれるってい
うか,絶対に男の人が普通に道歩いてて振り向きますよね.
|
米倉 | 身体大きいからね.
|
剛 | いや,なんかオーラとか.
|
米倉 | それはそんなにないと思う.
|
剛 | でも普通の女の人って言うか,やっぱりスタイルとか見てもパッと男の人はたぶ
ん見ますよ.
|
米倉 | 私ね,身ぶり手ぶりがムチャクチャ大きいんですよ.だからなのかもしれない.
|
剛 | 僕は男の子のほうが気付きますけどね.女の子は本当に気付か
ないですけどね.
|
米倉 | 地味でいたいんだ?
|
剛 | っていうか,こういう人間なんですよね.それがなぜかジャニーズ事務所という
ところに入って派手なことを仕事に持ったので.なんか変な感じなんですけどね.
|
米倉 | さっきも光一くんに聞いたんだけど,なんでこういう世界に入ろうと思ったんで
すか?
|
剛 | お姉ちゃんが履歴書を勝手に.
|
米倉 | 二人とも同じなの?
|
剛 | そうですよ.
|
米倉 | 二人とも同じだから堂本っていう名字になったの?そうじゃないか.
|
剛 | いや,履歴書の中にたまたま堂本っていうのが二つあって,関西なんやってこと
でくっ付けようって考えて,呼んでくれはったと思うんですけど.とりあえず最初は光
GENJIのコンサート見に来なさいって言われて,行って.その時は僕もバスケットが大
好きだったんで「アイドルが何じゃ」みたいな感じだったんですよ.でも光GENJIは小
学校の時のすごい憧れのヒーローだったんですけど,もう小学校後半のほうで.光GENJIのおかげでローラースケートもインラインスケ
ー
トもステージで今はいてやったりする時もあるんですけどね.
|
米倉 | 踊りとか好きです?
|
剛 | 踊りは嫌いですね.
|
米倉 | 芝居もあんまり好きじゃないってなかったっけ?
|
剛 | 芝居も嫌いでもないけど好きでもないんですね.音楽が一番好きですね.それも
歌よりは弾くほうが好きですね.
|
米倉 | そうなんだ.おうちの中では一人で歌ったりしてるの?
|
剛 | してますよ.大熱唱ですよ.僕,リビングがあるんですけど,リビングにだいた
い機材とかギターとか置いてて,第一ステージ第二ステージってあるんですけど.
|
米倉 | 家の中に?
|
剛 | ええ.ステージっていってもテレビの前かテーブルの横かみたいな.だいたいど
っちかなんですよ,ポジションが.で,客は犬だけですよ.犬一匹が客としていて.彼
は僕がミスチルとか大熱唱してる時に寝てますよね.あぐらかいてる足の真上で寝てる
んですよ.
|
米倉 | ギターどこで?
|
剛 | ちょっと前目にギター持って弾いてるんてけど.それがだいたい僕のライヴツア
ーですよね.
|
米倉 | じゃあ,外に出た時よりも家の中にいるほうがアクティヴ少年なんだ?
|
剛 | ぜんぜん動きますよ.だって外に行く理由がまず僕にはまずないんですよ.まあ
,飯食うか服買うかみたいな.でも飯食うんやったら家でええやんって思うんですよね
.
|
米倉 | あ,そうだ.御飯作るの好きって言ったもんね.
|
剛 | なんで,それやったら家で食って,服買う時だけ出ようかなみたいな.そんな感
じですね.
|
米倉 | じゃあ,みんなで遊んだりすることは,そんなに?
|
剛 | 遊びメインというよりは,本当、友達って悩んでるじゃないですか.それの電話とか.
|
米倉 | 話好き?
|
剛 | 「話を聞いて欲しい」とか言われて,僕も嫌いじゃないんで「あ,いいよ」って
話したりとかしてることのが多いんてすよ.
|
米倉 | じゃあ,聞くパターンが多いんだ.
|
剛 | 聞くパターン多いですよ.もう聞き上手ですよ.
|
米倉 | 人に相談事をする時は?
|
剛 | ほぼ,ないですね.
|
米倉 | 自分の中で噛んで解決するの?
|
剛 | 相談しても意味がないことって多いじゃないですか.
|
米倉 | 結局は自分で決めるんだからってことか.
|
剛 | 結局は自分なんで,まあええかなと.それよりは人のためにっていうか,友達の
ために役立ってるほうが楽かなっていうのが.
|
米倉 | そっちのほうが楽なんだ.
|
剛 | 楽ですね.甘え出すとどんどん甘え出す感じが.
|
米倉 | いいじゃない.
|
剛 | いや,それはちょっとダメなんですよ,僕の中で.
|
米倉 | なんで?なんで?なんで?なんで?
|
剛 | なんかヘタレになりそうで.もともとヘタレなんで.ココリコの田中くんもヘタ
レなんですげど.二人でヘタレなんで,あんまり人にすがるというか,甘えたりすると
,どんどんどんどん仁王立ちになれないというか,もうあそこに戻れない感じがするん
でしないんですけど.
|
米倉 | あ,なんかそれはわかる気がするな.
|
剛 | 米倉さんとかも相談に乗られるようなタイプじゃないですか?
|
米倉 | うーーーん?
|
剛 | 長いな.
|
米倉 | 何に相談に乗られてるのか,結局わかんなくなっちゃったりとかする時があるの
ね.だから自然といなくなるかも,そういう相談に乗ってきてくれる人が.
|
剛 | でもなんか僕のイメージでいくと,例えば「こうこう,こうで」って相談に乗っ
た時に,かなりポジティヴにっていうか,軽い感じで答えが返ってくる感じがしますけ
どね.
|
米倉 | でも,それはそうかも.
|
剛 | 僕,お爺ちゃんみたいってよ言われますよ.
|
米倉 | お爺ちゃんか.
|
剛 | 必要以上に力を入れるのが苦手なんですよ.今日もここ入ってメイクして,髪の
毛何もしてないんですよ.そのぐらいの感じで仕事をしていけたら,すごい僕の中では
理想的なんですよね.だからライヴとかも曲の進行状況とか決めずに,客からリクエス
トを聞いてそのままやるぐらいの感じのほうが面白いなぁというか,楽やなあと.
|
米倉 | それは見てるほうからしても,一緒にやる人からしても,嬉しいことかもしれな
い.
|
剛 | それをね,一回やりたいんですよね.
|
米倉 | やってないの?
|
剛 | やってないんですよ.コンサートは自分たち二人で構成考えて,振りも考えて,
ここで出て,ここで消えて,飛んでとかいろいろあるじゃないですか.そういうのをや
って作り込んだもの見せるじゃないですか.作り込んでないものを,その場でみんなで
作って行くみたいな空間のライヴも,死ぬまでに一回はやりたいなと思ってるんですけ
ど.
|
米倉 | あのね,写真を撮ってもらったでしょ.その時に剛くんが,私,「剛くん」って
言ってるけど,「剛くん」でいいのかな?
|
剛 | いいですよ.僕22ですもん.
|
米倉 | じゃあ,剛くんが「何々して」「こうして」とかっていうことって,光一くんと
較べると逆に多かったの.
|
剛 | 多かったんですか?
|
米倉 | うん.
|
剛 | なんでやろ?
|
米倉 | わかんないけど,でもそれが,例えばそれこそ「鼻に指入れて」とか不思議なこ
とで,でもそれが媒体になったりするとしたら,すごく面白い方向に行くん女子高生か
なっていう何かがあって,不思議な空間だった.
|
剛 | なんかプロデュースっていうとこまではいかないですけど,その人の印象ってあ
る女子高生ですか.その印象を崩したがりなんですよ.今も事務所内で作詞作曲して曲
を提供してコンサートで歌ってもらってて.べつにそれは作品になるわけじゃなくて,
自分がただやりたいとか,歌ってくれる人が歌いたいって言ってくれたから作ったりと
かするんですけど,その人のイメージにない言葉とか音とかを渡すのがすごい好きなん
ですよ.だから,ファンの人もまだ見たことないようなその人の一面を,「こいつには
こういうカッコええとこもあんねんで」とか「こういうちょっと頼りない部分もあるで
」っていうようなものを感じ取ってもらって,よりその人のことを好きになってもらい
たいっていうか.そういう変なパワーが出るんですよ.写真撮る時も,カッコ良かった
りキレてたりっていうカットよりは,すごいヌケてるような女性を演じてもらいたいと
思って,それでいろいろご注文したんですけど.
|
米倉 | あれだよ,人のことすごくよく見てるんだ.
|
剛 | 見てるんですかね?
|
米倉 | うん.だからそういう質問とか,お願い事が出来たりとかできるんでしょ.私そ
ういうの苦手だわ.
|
剛 | いや,わかんないですけどね.
|
米倉 | 瞬間的にできるのかな.
|
剛 | どうなんでしょうね.「多分この人こういう人かな」っていうのは,何となくす
ぐわかるというか.本当,大まかなことですけどね.でもそんなぐらいですよ.
|
米倉 | 不思議なんだもん,空間が.
|
剛 | 不思議ですかね?
|
米倉 | 不思議不思議.不思議くん.
|
剛 | 僕の周り,こんなんばっかりですよ.
|
米倉 | 確かに田中さんも,私そんなに深くお話したことないですけど,こんなんだわ.
|
剛 | こんなんですよ.だって男二人で買い物行って.「買い物行きたい」って田中く
んが言って「剛さんはいつもどこで服買ってんねん?」っていう話になって.
|
米倉 | 「剛さん」とか?
|
剛 | 「剛さん」って言うんですよ.で「代官山で買うてますよ」「ええなあ.代官山
オシャレやな.ええな.行こうや」って行って,田中さんに「これ似合いますよ.これ
買ったらいいですよ」「似合うかな?」っていっぱい買うたんですよ.いっぱい買うて
,その後に「ちょっとオープンカフェに行こうや」「行きましょう」って二人でオープ
ンカフェに行って.「剛さんはいつもここでティーを飲んでんのか」「飲んでますよ」
「すげえなあ,すげえなあ」って.口グセが「すげえなあ」なんですよ.ずっと「すげ
えなあ,すげえなあ」って言って.で,カフェで買うたやつを開けて,帽子かぶって「
似合う?剛さん,似合う?」「似合いますよ」って.
|
米倉 | 話のペースはそういう状態なんだ.
|
剛 | そうなんですよ.「買い物楽しいなあ.楽しいなあ」って.
|
米倉 | 本当に楽しいの?
|
剛 | っていうかね,「幾つなんですか?」って聞きたくなるぐらい無邪気でしたよ,
買
い物してる時の田中さんは.「こんなに喜んでもろうたらまた行きましょうよ」って,
今度また6月7月くらいには行こうかって約束してきたんです.
|
米倉 | ずいぶん遠いお話ですね.
|
剛 | ええ,ずいぶん遠い話なんですけど.休みの日とかは,何しはるんですか?
|
米倉 | 私はね,マッサージ行ったりとか,さっきも言ったけど,ゴルフをなるべくやる
ようにしたりとか.あとはまあ,みんなで御飯食べに行ったりとか,ネイルサロン行っ
たりとかかな.
|
剛 | ゴルフ.
|
米倉 | やらない?
|
剛 | やらないですね.まず外にはるゴルフ,スノボ,いろいろなものがありますけど
,まず集めないといけないじゃないですか.あの作業がなんか腹立つんですよ.
|
米倉 | でも音楽やるっつったって,ギターもってきて,なんかつないだりとかしないと
. |
剛 | 確かにいろいろあるんですけど.
|
米倉 | 私にはそっちのが面倒臭い.
|
剛 | 確かにね,配線とかいろいろ線あるじゃないですか.
|
米倉 | 嫌だよね,あれ.
|
剛 | 「一個の音を録音するのに,なんでこんな線がいるねん?」ぐらいいって.あと
,
このあいだ俺が遭遇したのがMIDI端子ってやつね.
|
米倉 | ミディたんし?
|
剛 | それをつなぐとステレオのスピーカーから録音してる時の音が出るとかいろいろ
あるんですよ.それがもうやっかいで.
|
米倉 | じゃあ何でやるの?
|
剛 | でもそのやっかいさは好きなんですよね.
|
米倉 | 難しいね.家の中で配線で焦げたりしない?
|
剛 | いや,それは大丈夫ですよ.かなり綺麗に配線をもとに戻しますからね.
|
米倉 | あ,そうだ.綺麗好きなんだ.そうだ,おうちの中すごい綺麗なんだよね.
|
剛 | 綺麗ですよ.今はかなり綺麗です.
|
米倉 | ね.いいでしょ.私,こういうこと知ってるの.
|
剛 | 今日も洗濯して来ましたからね.
|
米倉 | お疲れ様です.いえ,とんでもないですけど.
|
剛 | 今,いちばんしたいことはなんですか?
|
米倉 | ええとね,これ難しいんだけど,いちばんっていうか,やってみたいなと思うの
は,大型免許とること.
|
剛 | どっちのですか?二輪?車?
|
米倉 | 車,車.トラックとか運転したいなとか.
|
剛 | トラックとか似合いそうですよね.
|
米倉 | でしょ.なんかいいんだよね.
|
剛 | 本当ね,たまに高速とかさ,走ってたりすると大型トラックにすごい綺麗な女性
とかが乗ってる時があるんですよ.惚れますよ.あれはね,男は惚れますよ.メチャで
かいハンドルを,ちょっと髪の長くて細めの女性が乗ってて,煙草とか喫っててフーッ
って.この「フーッ」の瞬間が僕は好きなんですけど.
|
米倉 | 細かい.
|
剛 | ああいうのってなんか.ギャップ好きなんですよ,僕.「この人がこんなんなん
や」っていうのが大好きなんで.そういうなんか「女性」っていうような女性がトラッ
クに乗ってる姿っていうのは,「ああ,この人に一生ついていきたい」って思う瞬間で
すね.
|
米倉 | なるほどね.なんか取ってみたいんだよね.
|
剛 | でも,トラックでTMC入られても困りますけどね.「おはようございます」って
入
られても.でもなんでトラックなんですか?
|
米倉 | わかんないんだけど,なんかどっかですごい可愛いトラックを見たの.それがど
うしても運転したくて.私,運転することは好きなのね.いつか私はスポーツカーでビ
ューッと飛ばして走ってやるんだってマニュアル取って,で,そのままいて.だったら
もっと存在感あるんだったらトラックだなと思って.なんか潔くていいじゃないですか
.
|
剛 | リンカーンとかどうですか?
|
米倉 | リンカーンね.あれ大型?
|
剛 | いや,大型とかじゃなて,でかいんですよ,とにかく.でも似合うよね.めちゃ
くちゃカッコいいと思いますけどね.
|
米倉 | 車すき?
|
剛 | 好きですよ.好きっていうか.
|
米倉 | メカニズムのほうが好きなの?
|
剛 | いや,僕はくわしくないんですけど,車は運転も好きで.あとはドイツ車とか好
きですね.
|
米倉 | ドイツ車?アウディとか?
|
剛 | ビートルとか.ビートルもいろいろ種類あるんですよ.ビートルのバスとかワゴ
ンとか.
|
米倉 | バス?いいじゃーん,そういうの.運転してよ.
|
剛 | いや,ビートルのバスはアクセルとかクラッチのあるとこが錆びて.ポコンと落
ちやすいって聞いたんですよ.実際に落ちてるのに乗ってる人とかもいて,夏場は涼し
いんですって.
|
米倉 | 落ちてる車はどうやって?
|
剛 | 板の部分は落ちちゃって,あとのブレーキとかは全部ついてるんですけど,底は
抜けちゃうんですって,錆びてきて.それで程度も良くないじゃないですか,昔のやつ
やったら.で,夏場は涼しいけど,冬はアホみたいに寒いんですって,足が.なんでダ
ンボールとか毛布とかいっぱいそこに乗っけて運転するらしいんですけど.
|
米倉 | そういうのをやりたいの?
|
剛 | やりたいですね.ただ女性を乗せる車ではないということはありますよね.僕が
今乗ってる車も,冬は絶対コート着なアホみたいに寒いですしね.夏はTシャツ5〜6枚
積んでないと.
|
米倉 | ダメなんだ.
|
剛 | ダメなんですね.
|
米倉 | エアコンなんかぜんぜん効かない?
|
剛 | エアコンはダメですよ.エアコン付けたんですよ,止むを得ず.お母んとかも乗
っけるしなと思って.で,付けたんですよ.それをつける勇気がないというか,つけた
ら停まってしまいそうで怖いんですよ.
|
米倉 | ヒューズが上がってってこと?
|
剛 | ええ,いちおうバッテリー強化はしたんですけど.ちょっとね,強化したものの
つけれないんですよね.
|
米倉 | 私の車もダメなのね,そういう電気機器が.だから例えば窓を両側一緒にビーッ
て押しちゃったりとかしたらヒューズ飛んじゃうの.
|
剛 | 大変だ.
|
米倉 | だから,まずゆっくり一個ずつ開けなきゃいけないし.一回,夏暑かったから窓
開けて.私も冷房つけないの.開けて,開けたと思ったら大雨降ってきちゃって,その
ままどうしていいかわからないで遠くまで行っちゃったの.それでどうしたのかな?帰
ってきたのかな,ビニールかなんかして.そういう車.
|
剛 | 僕のはパワーウィンドウじゃないんで.
|
米倉 | そっか.いいな,でも.
|
剛 | それで左ハンドルなんですよ.なんで,高速の料金所も,ニュートラル→サイド
ブレーキ→開けて→「すいません」って.
|
米倉 | すごい時間かかるね.
|
剛 | そういう状況で.あとはね,普通の窓の前に三角窓みたいのがついてるんですよ
.それが斜めにポコッと開くんですけど.
|
米倉 | 私もそうよ.
|
剛 | それがこのあいだの修理出すちょっと手前に.
|
米倉 | 割れた?
|
剛 | 「これ,このまま走ってたらドアごと落ちますよ」って言われて.普通に走って
てドア,ガーン落ちたらね,ちょっとびっくりするからね.「ドアはいい感じにしてく
ださい」って言っていい感じにしてもらって大丈夫なんですけど.やっぱり風が強いと
ヒューヒュー言うし,すぐ風にあおられるし,重ステですしね.パワステじゃないんで
.
|
米倉 | そうなんだ.でもそれが楽しいんでしょ?
|
剛 | 楽しいですよ.
|
米倉 | でもなんか「この人がこんなふうになったら面白いな」っていうのが好きだった
ら,ぜひドアを落っことして欲しい.
|
剛 | いや,ネタとしては非常に面白いですよ.
|
米倉 | 面白いよ.
|
剛 | 本当にね.いや,でもなあ,落としたくないですよね.大切な可愛い車のドアを
. |
米倉 | そうだよね.
|
剛 | 落とすと傷だらけになるわけですよね.
|
米倉 | そうそう.すぐに代えられるようなものではないんだ.
|
剛 | えらい時間かかりますよね.
|
米倉 | 古いもの好き?けっこう.
|
剛 | 好きですね.古着も,骨董品とかも,車もそうですけど.とにかく昔の未完成な
ものとか,あとは本当にシンプルなもの.それは女性もそうなんですよ.なんかちょっ
と抜けてる部分がある人.あとはすごいシンプルな人とかのほうが,なんか扱いやすい
っていう言葉はあれですけど,普通に一緒に時間をともにするのに楽しいんですよね.
|
米倉 | 剛くんが好きになるきっかけとかって決まってるの?
|
剛 | 決まってるというか,とにかく話を大切にしたいんですよ.いっぱい会話して,
愚痴も聞くし,愚痴も吐くし.とにかくいろいろ言葉を交わすことによって,交流を深
めていきたい感じなんですよ.なんで,たくさん本当に喋れる人.それで笑う回数が多
い人っていうか,自分も笑えるし,相手のことも笑かしてあげられるような人が理想で
すよね.だからヘコんだ時でも笑いにもってけば,ちょっと楽になったりとか.すごい
大事な事件が起きた時でも,笑いにもってけばゲラゲラ笑ってくれたりとかして.それ
でその人が多少救われるというか.全ては救われないですけど,でも笑いにつなげた時
にちょっと自分も楽になれるし,あんまりガーッていかれてるのに「大丈夫?大丈夫?」
ってやつてるのって疲れるじゃないですか.だから「大丈夫?大丈夫?」って言ってる間
に鼻の穴に指ガッて入れた時に「ギャハッハッハ」みたいな.そこで場が和んで「to b
e continue」みたいな感じですよ.
|
米倉 | なるほど.今すごい話に感動してたの.ムチャクチャ感動しちゃった,私.なる
ほど.そういう人いいなぁって.
|
剛 | とにかくお金とか関係ないですけど,金かけんでも,どっか行かんでも,何かが
ないと喋られへん相手とは一緒にいたくないんですよ.
|
米倉 | それはそうだ.
|
剛 | だから,何もなくても,とりあえず部屋が一個あれば延々と喋ってられるってい
う人と一緒になりたいですね.
|
米倉 | ありがとう.
|
剛 | 僕はそんな感じですよ.
|
米倉 | 感動した.ありがとうございました.
|
剛 | いやいや,感動していただくもんでもないですけど.まあ,そんな感じですよね
. |
米倉 | 素直に話してくれる人がいいな,私は.
|
剛 | 素直に.そっちのが男も楽ですよね.素直すぎても寂しいとは思うんですけど,
でも強がったり隠されたりするほうが彼氏彼女の意味がないような気がするんですよね
.そこでは僕は,そういうものは一切いらんっていう感じで付き合いたいんで.まあ,
素直が一番ですよね.だって,社会っていうか,現場に行って強がるわけじゃないです
か,多少.で,いろんな傷を負って彼氏彼女のところに戻ってくるわけじゃないですか
.その時まで強がる必要はないかなと思うんですけどね.
|
米倉 | なんか私が剛くんに相談しに来たみたい.みんな「相談ちょっと乗ってくんない
?
」って行くじゃない.そしたら「いいよ,今日どこどこで飲もうか」ってなって,「じ
ゃあ,ありがとう」って帰る時に,本当に幸せになって帰ってかない?みんな.
|
剛 | わかんないですね.その間に「お爺ちゃんみたい」って何回も言われて.「それ
は自分にとっていいお爺ちゃんなのか,疲れるお爺ちゃんなのか,どっち?」って.で
,「すごい落ち着く」って言われるんで,「それやったらいいよ,お爺ちゃんで」って
言っていろいろ話をするんですけどね.
|
米倉 | じゃあ,いいお爺ちゃんでずっていて下さい.
|
剛 | はい,これからもお爺ちゃんで頑張りたいと思うんで.もし何かあったら,僕で
よかったらいつでも.
|
米倉 | よろしくお願いします.
|
剛 | すごいまったりした空間をお届けしたいと思います.
|
米倉 | ありがとうございます.その時はよろしくお願いします.
|
剛 | はい,今日はたくさん話しました.ありがとうございました.
|
米倉 | ありがとうございました.
|