光一 |
さて,本日のゲストは持田香織さんでございます.持田さんの印象はですね,「 LOVE LOVE」では宇宙人みたいな人というふうに言ってしまったことがありますが.ま
ああの,自分的なイメージとしては,静かなイメージがあるんですけど,じつは女性と 話してる時は,男性と話してる時とちょっと違う表情をなさってるなと思いましたんで
,そのところをちょっと突っ込んでいこうと思いますし,アーティストの面,そして女 性としての面,両方に今日は突っ込んでみたいと思います.よろしくお願いいたします
. |
持田 |
よろしくお願いします. |
光一 |
何か質問あります?いやもうね,逆にとっちゃおうと思って. |
持田 |
違います?私. |
光一 |
違いますよ.男の人と喋ってる時と違くないですか? |
持田 |
すごい嫌なやつみたい. |
光一 |
いやいや,そういうふうに色気を出してやろうとかね,そういうことじゃないで す.自分では意識はまったくないんですね. |
持田 |
ぜんぜんないです.ただ,すごい人見知りするから. |
光一 |
すごいしますよ,僕も. |
持田 |
だから,それは男の人でも女の人でも. |
光一 |
それは一緒ですか? |
持田 |
一緒だと思う.親しい人と初めて会った人とじゃあ対応は違うって言われるのは ,すごいわかるんですけど. |
光一 |
だからね,親しくなったらどういう人なのかなっていうのが想像がつかないんで すよ.どういう人ですか?率直に聞きますけど. |
持田 |
喋ります,もうちょっと.基本的に多分,うちの実家が下町なんで,どっちかっ ていうといつでも興奮してるような. |
光一 |
いつでもエキサイティングで.そう? |
持田 |
でもやっぱり,それを出すまでにっていうか,どっちが本当っていうんでもない んですけどね.これをべつに演じているわけでもないし.
|
光一 |
もちろんそうでしょうね.それはわかりますよ.でも,自分自身も,剛が変なこ と言ってたかもしれないですけど,僕,本当に喋る人間じゃないんですよ.どういうイ
メージ持ってます? |
持田 |
ぜんぜんもう誰とでも.誰とでもっていうわけじゃないけど,親しく.ぜんぜん 人見知りするようには見えないですよ. |
光一 |
そうですか.それが,ところがどっこいなんですね. |
持田 |
人見知りするんですか? |
光一 |
もう誰よりも激しいと思いますよ,人見知りは. |
持田 |
なんか,何を話していいんだろうと思いませんか? |
光一 |
それはありますね.歌番組とかでね,ご一緒になったとしても,それぞれバンド だったらそのバンドの人たち,グループだったらグループで,すごいその中で世界があ
るんですよね,それぞれに.だからぜんぜん話さないですからね.メンバー内ではどう ですか? |
持田 |
メンバー内では喋ります. |
光一 |
ぜんぜん普通に? |
持田 |
うん.でもね,なんかテレビ番組とかになるとけっこう. |
光一 |
テレビ番組になると,Every Little Thingの皆さんはみんな無口ですよね. |
持田 |
うん,喋らなくなる. |
光一 |
あれは何ででしょうね? |
持田 |
喋れないんですよ. |
光一 |
なんでですか? |
持田 |
なんでだろう?でね,例えばイッくんとも喋らなくなっちゃう.待ち時間ってい う か,例えば歌番組とかで後ろに座ってなきゃいけない時とか,そこでもう喋らなくなる
,ずっと. |
光一 |
それは昔からですか? |
持田 |
昔から. |
光一 |
学生時代の時から? |
持田 |
そうですね. |
光一 |
なかなかじゃあ友達は出来ないタイプ? |
持田 |
出来ないですよ. |
光一 |
そうですか. |
持田 |
来てもらえれば,すごく喋りやすいんだけども,自分からなかなか行けないです ね. |
光一 |
話はちょっと変わりますけど,好きな人に対してどういう人になるんだろうなっ て思ったんですけど.まず男の人のどこを見ます?部分じゃなくてもいいですよ.部品
じゃなくてもいいんですけど. |
持田 |
どこだろう? |
光一 |
男の人でいちばん惹かれるのは? |
持田 |
自分があんまり喋れないんで,たぶん初めて会った時とかだったら,すごく話の 上手なっていうか,面白い人っていうか. |
光一 |
そうですか.話のけっこう.じゃあ,リードしてくれる人のほうが. |
持田 |
のほうがいいのかな. |
光一 |
「いいのかな」って自分のことですよ.じゃあ,自分からアプローチすることあ ります? |
持田 |
それはね,出来るんですよ. |
光一 |
出来ます? |
持田 |
告白とかですよね. |
光一 |
ええ. |
持田 |
中学校の時とかはしてましたよ,自分から. |
光一 |
そうですか.何て言うんですか?すいませんね,こんなこと聞いちゃってね. |
持田 |
「好きなんで付き合って下さい」とかって言ったありますよ. |
光一 |
俺,中学になってないんですよ.中学から今まで. |
持田 |
告白したこととか? |
光一 |
されたことも. |
持田 |
そうなんですか? |
光一 |
小学校の頃っていうのは,自分で言うのもなんですけど,モテてたんですよ. |
持田 |
自分で言うのもね. |
光一 |
だけど中学になってサッパリ駄目ですね. |
持田 |
なんでだろう? |
光一 |
何でと思います? |
持田 |
なんかやっぱりちょっと女の子のことを意識しちゃうと喋れなくなっちゃう人? |
光一 |
そうですね.基本的に誰に対してもそうなんですけど.まあ女性と話すのは苦手 ですね. |
持田 |
男の人だったら大丈夫? |
光一 |
でも好き嫌いははっきりしてますよ. |
持田 |
じゃあ嫌いな人とは喋らない? |
光一 |
「こいつ嫌いだな」って思ったら,すごいあしらっちゃいますね. |
持田 |
それはどこで判断するんですか?「こいつ嫌いだ」って. |
光一 |
あのね,初対面で会ってちょっと話すとわかるんですよ,「あ,この人は俺と合 わないな」って.べつにその人を否定するわけじゃないんですよ.その人はそういう人
なんだけど,俺とは合わないなっていうは自分の中であるんですよ. |
持田 |
それが具体的にどうっていうことじゃなくて? |
光一 |
具体的に言うと,自分をガンガン押し付けてくる人っていうのは苦手ですね. |
持田 |
ガンガン押し付けてくる人. |
光一 |
それは女性でもそうですよ. |
持田 |
「私はこうでこうで」って. |
光一 |
そう. |
持田 |
それはわかる気がする. |
光一 |
こういう人は苦手ってあります? |
持田 |
調子いいなぁとか. |
光一 |
わかりますよ.俺もそれダメですもん.「調子いいな」って. |
持田 |
「調子いいな,こいつ」って.なんかそれがね,すごいなって思っちゃうのね. よくそういうことが出来るなって. |
光一 |
自分をガンガン押し付けてくるイコール調子いいってのもあるかもしれないです ね.じゃあ,「男はここを磨いたほうがいいぞ」って持田さん自身が思うことあります
? |
持田 |
何ですかね? |
光一 |
難しい質問かもしれないけど.例えばそうだなぁ,単純なことで言うと,仕事を 本当に一生懸命頑張ってる人とか,おおらかな人がいいとか.
|
持田 |
うーん? |
光一 |
あんま考えてないんですかね.けっこうフィーリングで動いてますか? |
持田 |
でもやっぱり支えてもらった時とか,心強いなっていうか,そういうのは思い ますけどね. |
光一 |
やっぱり引っ張ってくれる人がいいんですね. |
持田 |
やっばり優しさとか思いやりとかは. |
光一 |
俺でもね,優しさっていうのもすごい難しいと思うんですよ.「何々をしてあげ ました.俺って優しいでしょ,私って優しいでしょ」って,すごい嫌いなんですよ.何
か見返りを求めてるっていうか,そういうのすごいダメなんで.それでそういう人って すぐわかるんですよ.そういうのないですか? |
持田 |
でもね,なんか気付かない優しさとかあるでしょ. |
光一 |
ありますよね. |
持田 |
本当に気付かないから. |
光一 |
本当にね. |
持田 |
後から「ああ,こんなに気を使ってくれてたんだ」とか,後から気付くことがけ っこう多いんですよね.だからちゃんとその時に考えて,「この人はここまで考えてく
れて,こうしてくれてるんだな」とかが,どうしても「自分はこうなのに」ってすぐ思 っちゃうところが嫌なところっていうか,自分の. |
光一 |
じゃあ,けっこう普段もボーッとしてるんだ.そういうわけじゃないか. |
持田 |
でも,あんまり考えないですよね.自分がどういう人とか,そういうのって考え ないですよね. |
光一 |
逆に今までで「これはヘコんだな」ってあります? |
持田 |
恋愛でですか? |
光一 |
恋愛でも何でもいいですよ.例えば仕事でもいいですし「人からこんなこと言わ れちまった」とか. |
持田 |
なんか,こういう仕事をするようになってから,なんかいろいろ見えたものがあ るっていうか. |
光一 |
それは,人からというより自分から見えたものが? |
持田 |
なんかいろいろな周り,今まで見えなかったものとかも見えるようになったって いうか. |
光一 |
それは人間関係? |
持田 |
それでヘコむ時もあったし. |
光一 |
それは自分のことをどうこう思ってるっていうことじゃなくて,もっと大きな広 い範囲のことで? |
持田 |
そうですね.でもなんかそれですごい悩んじゃって,御飯も食べれなくなっちゃ ってとかじゃないんですよ.それはそれ. |
光一 |
けっこうサバサバしてますね. |
持田 |
そうそう.だからすごいずっともう寝込んじゃってとか,悩み過ぎちゃってとか ,そういうのは体験したことないですね. |
光一 |
俺もでも,もともとすごい考え込む人間だったんですけど,仕事始めてだんだん 強くなってったのかな.気の持ちようですからね. |
持田 |
そうですね. |
光一 |
考えたって仕方ないですし.人に質問するほうですか?質問と言うか,人に相談 し たりします? |
持田 |
けっこう話します. |
光一 |
話します? |
持田 |
話します,すごい.自分で考えちゃうと,ずっとね,いろんなことまで考えちゃ うっていうか.だからけっこうその日のうちに「聞いてくれる?」って言って電話して
聞いてもらって,ある程度すっきりして.それで「お腹空いたな」とか思って. |
光一 |
じゃあ,そのへんは意外に喋り好きだったりするんですかね.喋り好きっていう わけじゃないけど,喋ってストレス発散っていうか. |
持田 |
それはあると思う. |
光一 |
ちょっと音楽的な話になりますけど,詞を書いてらっしゃるじゃないですか.俺 ね,Every Little Thingの歌ってすげえ入ってくるんですよ,自分の中に.どう説明し
ていいかわかんないですけど.けっこう歌って聞いてても詞とか何となく聞いてるだけ だったら情景って浮かばないじゃないですか,曲は聞こえてるけど.だけど持田さんの
歌って,一生懸命詞を聞こうとしなくても,すごい情景が浮かぶんですよ.ああいうの はどういう時にって言ったらおかしいけど,どういう思い付きで書いてるのかなって.
|
持田 |
詞ですか? |
光一 |
けっこう考え込むほうですか? |
持田 |
考えますね.で,いついつまでって言われて,時間がいっぱいあるとダラダラダ ラダラしちゃうんですよ. |
光一 |
あ,すごく一緒です. |
持田 |
なんか迫ってくるとすごい書きやすいっていうか.そのぶん「どうしよう,どう しよう」とも思うんだけど,追い詰められてじゃないけど.
|
光一 |
追い詰められるとダァーッと. |
持田 |
そのパターンが多いですね. |
光一 |
でも俺もそうなんですよね,なんか時間があると.今,ライヴとかやる時は毎回 そのツアーの時は,新しいツアーが始まるじゃないですか,その時には必ずCDには入っ
てないような自分で作詞作曲した曲やってるんですけど,そういうの本当にギリギリに なるまでやらないんですよ.オケが本当にライヴの三日前にやっと出来てきたことがあ
ったりとかしたんですけど. |
持田 |
でも,いちおう試みるんですか? |
光一 |
試みるんですけど. |
持田 |
例えばすごい時間があって「今からやってみよう」って,やってみたりするんだ けど,なかなか浮かんでこないとか. |
光一 |
浮かばないですね.試みます? |
持田 |
一緒.なんかね,ぜんぜん漫画とか読んじゃったりするんですよ.なんか「ダメ だ」って.違うことをすごい無性にやりたくなっちゃって.
|
光一 |
詞を書くんじゃなくて,違うことを. |
持田 |
中学校の時の試験勉強の時とかも,なんか部屋を片付けだしちゃったり. |
光一 |
でも,表現的に難しいけど,試験勉強ってやらされてる感じあるじゃないですか .「せなあかんわ.やらされてるわ.こんなんしたないわ」って.でも,詞はそうじゃ
ないですよね. |
持田 |
う,うん. |
光一 |
あやしーな.怪しいうなずきでしたよ.出来ることならやりたくない? |
持田 |
いやいや,ぜんぜん楽しいし.やっぱり出来上がった時って. |
光一 |
出来上がった時は気持ちいいですよね. |
持田 |
すごい嬉しいし,「なんて言ったらいいんだろう?この達成感」っていうぐらい , すごい可愛いし.なんか「出来た!」っていう喜びってすごいですよね.
|
光一 |
そういうのって,みんな作ってる人間あるでしょうね. |
持田 |
やっぱり難しいじゃないですか,何作るにしろ.自分から発信するのって.だか らやっぱり「さあ!詞を書こう!楽しいな!」っていう感じからは入れないんですけど,
なかなか.「ああ,やんなきゃな」っていう気持ちも正直なところある. |
光一 |
けっこう構えるほうですか? |
持田 |
うん,すごい構える. |
光一 |
でも,たまにポーンと出てくる時あります?普段生活してて「おっと,このフレ ー ズ」とか. |
持田 |
ないです. |
光一 |
ないですか.俺もないですけどね. |
持田 |
考えないでしょ,だって. |
光一 |
考えないです.そういうこと考えてないですよ,普段. |
持田 |
ね.普通に生活してるぶんにはね. |
光一 |
逆にね,剛はあるんじゃないかな,そういうの.わかんないですけどね.じゃあ ねそのへんはすごい似てますね. |
持田 |
だから書こうと思って書く. |
光一 |
けっこう想像の世界が多いですか? |
持田 |
想像もなんか,想像だとかけないっていう人もいるみたいじゃないですか. |
光一 |
いますね. |
持田 |
でも,意外と書けるっていうか.でも想像なんだけど,自分の言葉っていうか, きっと自分の感情とかって絶対に入っちゃうじゃないですか,詞を書く時って.入りま
せんか? |
光一 |
もちろんそうですよね. |
持田 |
私,割り切れないんで,自分の感情って. |
光一 |
そうですか.自分にないことは書けない? |
持田 |
なんかね,その時の例えばすごい暗い時は,なんか暗い詞になるし.でもそのス トーリーが想像でも,やっぱり気持ち的な部分ではね,すごい割り切れないですね.
|
光一 |
じゃあやっぱり想像は想像の世界でも,きっとそれは自分を映し出してるんだろ うなっていうものが出来上がってると. |
持田 |
そうなんでしょうね. |
光一 |
そうでしょうね.俺もそうかな. |
持田 |
入りますよね. |
光一 |
実体験が入る時あります? |
持田 |
実体験が入る時もあるし. |
光一 |
そのへんはゴチャゴチャと. |
持田 |
ゴチャゴチャと. |
光一 |
必ず聞かれません?こういう話. |
持田 |
聞かれる. |
光一 |
ね.嫌ですよね.俺もわかってて聞いてるんですよ. |
持田 |
でも嫌じゃないですよ,べつに. |
光一 |
必ず聞かれるじゃないですか,「これは実体験ですか?」.どうだっていいじゃ ん . |
持田 |
そう,だからね,聞いてもらう人の取り方でぜんぜんいいとと思うし,そういう のって. |
光一 |
まあ,人それぞれね,伝わり方も違うし.いや,なんかそのへんは非常に考え方 が似てると. |
持田 |
似てるのかな. |
光一 |
意外な. |
持田 |
意外ですか? |
光一 |
意外ですよ.っていうか,とりあえずぜんぜん持田さんのこと. |
持田 |
宇宙人っぽいから? |
光一 |
宇宙人っぽくて,ぜんぜんわかってなかったんで. |
持田 |
なんで宇宙人っぽいって,どういうことですか? |
光一 |
目がでかいじゃないですか.だからってわけじゃないですけど.目がでかくて, 悪い意味じゃなくてポーッとしてる雰囲気なんで,何を考えているのかわからなくて無
機質な感じだったんで.でも,今回ちょっとわかった気がしますんでね.たぶん,俺の ことはわかってないでしょ. |
持田 |
なんかでも,話しやすくなった. |
光一 |
あ,ドキッ!マジですか?それは非常に嬉しいです. |
持田 |
前よりぜんぜん. |
光一 |
もう,僕的にすごい収穫です.ありがとうございます. |
持田 |
ありがとうございます. (はい,OKです) |
光一 |
ありがとうございました. |
持田 |
ありがとうございました. |
光一 |
また後ほど. |