トーク
「DOMOTO BROS. BAND&ゲストのトーク」
この HomePage だけのスペシャル編集版!


ゲスト:長渕剛

歩  :はい,本日のゲストは,伝説の兄貴,長渕剛さんです.
    よろしくお願いします.
長渕 :ども.

(客席から熱烈な剛コール)

歩  :すごいすごい.おまえじゃないぞ.
吉村 :そうだぞ.
歩  :剛違い.
吉村 :間違えないでね.
長渕 :あ,剛だよね.
進  :はい,そうです.
長渕 :俺も剛なんだよ.
進  :違ったのか.
歩  :今気付いたか?
長渕 :だから何かの拍子に「剛さーん」って呼ばれると二人で
    「なーに?」って.
歩  :同じ名前なんだよね.
進  :リハーサルであったじゃないですか.
長渕 :あったな.
進  :「剛さん」「はい」って.
長渕 :二人ね.漢字も一緒だよね.
進  :一緒です.
長渕 :だけど伝説の兄貴ってやめてくんない?
歩  :なんでですか?
長渕 :死んだ人間みたいじゃん.まだ生きてんだから.
歩  :もちろんです.皆さんご面識は?
長渕 :ありますけども.もう古い仲です.
TOM  :長いですから,我々.
吉村 :はじめまして.
金城 :はじめまして.
歩  :そちらの二人は.
吉村 :初めてです.
歩  :僕らもはじめましてですよね.
長渕 :はじめまして.
歩  :よろしくお願いします.先ほど音楽のリハーサルしてる時
    に「光一くん,剛くん」って名前をね,おっしゃってくれ
    て.ちゃんと僕らの名前を.よく勘違いされるのにしっか
    り知ってらっしゃったというのが,すごい僕は感動だった
    んです.
進  :メチャクチャうれしかったです.
長渕 :そう?だって俺,この番組ね,見てるのよ.
進  :ありがとうございます.
歩  :本当ですか?
長渕 :いつも見てるの.本当よ.面白いなと思って.で,「今度
    出たいな」って言ったら夢実現かなってさ.で,昨日から
    今日リハーサルで,またリハーサル楽しいじゃない.
進  :楽しかったです.
長渕 :みんなとセッションするみたいなさ.なんかさ,どうでも
    いい歌い方するやつと,ガッといくやつと.
歩  :申し訳なさそうなのと.
長渕 :バラバラのが本当にすごくよくて.で,リードは
    高見沢選手がカーッと泣いてくれるしね.久々に楽しい
    感じで.
歩  :ありがとうございます.そう言っていただけると,この上
    なくうれしゅうございます.
進  :だって昨日リハーサルやらさせていただいたじゃないです
    か.あの高見沢さんが汗をかきましたからね.
高見沢:かいた.
金城 :あ,かいてた.
吉村 :かいてましたよ.
高見沢:当たり前だよ.
進  :普段から汗をかかれないんですよ.
高見沢:いや,そんなことないよ.
進  :僕もすごいビチョビチョに.
長渕 :いや,剛くんが汗かかないんじゃない.
進  :いや,僕すごいかきましたよ.
長渕 :ほとんどかいてなかった.俺,言ったもん,向こうで
    「あいつちょっと手ぇ抜いてんじゃないの?」って.
進  :ガンガンかいてますよ.
長渕 :俺が一生懸命汗かいてんのに.そしたら言ってた「あの人
    はかかないタイプ」って.
進  :もうメチャクチャにかいて.
TOM  :わかったよ,もう.
長渕 :頑固だよね,けっこう.
進  :プロデューサーさんに「僕,メチャ汗かいたんですよ.
    どうですか?この汗」「いや,僕もかきましたよ」,
    動いてへんやないか!と思って.
歩  :でもみんなね,緊張もしますし.こういう番組にあまり出
    られないじゃないですか.
長渕 :そうね.
歩  :それを出ていただいたということで.
進  :本当にうれしいことですよ.
歩  :本当もう,うれしい限りです.
進  :僕,先ほども言いましたけど,リハーサルの後ラジオ
    だったんですよ.で,ラジオで「今週のお相手は堂本剛で
    した.また皆さん来週お会いしましょう.さよならバイバ
    イ♪泣いて〜泣いて〜チンピラになりてぇ〜」「剛さん,
    もう何回も歌うのやめてもらっていいですかね?」「すい
    ません,すいません」.
歩  :ラジオ中でも歌ってしまった.
進  :ずっとですよ.ラジオの本番中も歌ってしまいましたから.
長渕 :リハーサルは稽古だから,とにかく本番よりも全力を尽く
    してガーンとやんなきゃダメよ.みんなリハーサルって
    全力でやらないでしょ.リハーサルって普通ほら,軽くや
    るじゃない.
歩  :はい.
長渕 :僕の場合,リハーサルはね,本当に全身全霊で打ち込むわ
    け.そうすると本番が楽.
歩  :なるほど.
長渕 :汗をかかないリハーサルって,僕はいちばん嫌なのね.
歩  :何度も言うようですけど,先ほども音合わせやってる時,
    今までにない雰囲気でしたからね.なんか一体となる感じ
    が.
TOM  :背中見てて気持ちいい人っていいね.
高見沢:そうだよね.
TOM  :後ろ回った時に背中見て「この背中には力貸そうや」って
    いうのあるよね.なんか一緒にやりたいっていう背中を.
歩  :TOMさん,なんか今日まともなこと言っちゃって.
TOM  :今のカットしといて.ちゃんとしちゃった,ごめん.
進  :いい話じゃないですか.
TOM  :ガチョ〜ン.ここ使っといて.
長渕 :いや,でも男は背中だよ.
TOM  :名前は田中ですよね.
長渕 :うまい.
TOM  :もういいよ.
長渕 :芝居なんかやる場合でもさ,みんなアップで欲しがるけど
    も,アップで演技して泣くのも簡単だし,笑うのも簡単だ
    けど,やっぱり背中で芝居してね,夕暮れ見ながらポツン
    と後ろ姿でさ,黙ってるだけで.
歩  :背中で語る感じ.
長渕 :あるじゃない,そういう世界って.
TOM  :でも本当にそう思ったでしょ?
高見沢:思った.リハーサルだけど,ほとんど本番以上のテンショ
    ンにもってけるっていうのはやっぱりすごいなって.
歩  :すごいですよね.
TOM  :後ろにいてたくさんの人のバックをやればやるほど.
長渕 :でもうれしいですね.
歩  :さあ,それではこのコーナーに参りましょう.
進  :大丈夫ですか?行っちゃって.失礼な質問とか.
歩  :粗相のないようにね.では参りましょう.堂本一問一答!
    さあ,こちらにお座り下さい.いろんな質問がどんどん飛
    んで来ますので,思い付いたことを答えていただければ.
長渕 :思い付いたこと?
進  :思い付きで大丈夫です.
歩  :ポンッと頭に浮かんだことを言っていただければ.
長渕 :なんかクイズ番組みたいで緊張するね.
歩  :その中の長渕さんの本音などが見え隠れするという.
TOM  :本当かよ?
歩  :それでは参りましょう.堂本一問一答!

Q  :それでは長渕剛さんに質問です.子供の頃のあだ名は何で
    すか?
長渕 :ない.なかったなぁ.
Q  :通信簿によく書かれたことは何ですか?
長渕 :「落ち着きがない」.
Q  :子供の頃やっていた習い事は何ですか?
長渕 :落ち着きがなかったんでね,習字とね,絵をやらされまし
    たね.そろばんも習ったけど,まったく全部ダメ.途中で
    終わりました.
Q  :小さい頃になりたかった職業は何ですか?
長渕 :小さい頃はね,お医者さんになりたかったな.あと親父が
    警察官だったからね,さっきの背中の話じゃないけども,
    親父はマルボウ関係やってたから背中はカッコよかったよ,
    大きくて.柔道五段だったし.だから警察官にもあこがれ
    たな.
Q  :子供の頃の自分を一言で言うと何ですか?
長渕 :やんちゃ坊主だったね.
Q  :初恋はいつですか?またそのお相手はどんな女の子でした
    か?
長渕 :初恋はね,僕は鮮明に覚えてる.三つ.名前がね,あ,
    ちょっと待って.
TOM  :ぜんぜん鮮明じゃないんだな.
長渕 :鮮明じゃない.名前は忘れちゃったけど,雑貨屋の女の子
    でね.可愛い子だったな.生まれ故郷が僕は鹿児島なんで
    す.鹿児島の伊集院ってとこで生まれたんだけど,そこに
    3歳の時までいてね.当時テレビなかったの.で,みんな
    そこにテレビ見に近所の子供たちがこぞって集まるんだな.
    そこのテレビ一台持ってるところの女の子好きだったよ.
    「僕のこと好き?」って聞いたの覚えてる.返事なかった.
歩  :そうですか.
Q  :女性を見る時に最初に目が行くところはどこですか?
長渕 :鎖骨かね?このへん.
TOM  :出しとけ出しとけ.
吉村 :今日もしまったままだった.
Q  :どんな女性に惹かれますか?
長渕 :すべてが似合ってればそれでいいや.なんかトータルで似
    合ってれば.
Q  :今までの人生で最もモテたのはいつですか?
長渕 :どうだろう?高校時代はやっぱり,ギター持てばみんな
    スーパースターの時代だったから,僕らの時代は.
Q  :では,人生最大の失恋はいつですか?また,それはどんな
    失恋でしたか?
長渕 :辛いこと聞くなぁ.思い出したくないんだけど.人生最大
    の失恋はね,たくさんあるんですけどね.やっぱり淡き思
    い出だから,小学校の4年生ぐらいの時かな,失恋しまし
    たね.僕,身体がどちらかっていうと今よりもすごく細く
    てね.それで陸上部やってるミゾグチ君っていうのは,非
    常に大腿四頭筋が大きかったんですね.それで僕は半ズボ
    ンから非常に細い足を投げ出してたもんだから,「なに?
    剛の足細いじゃん.ミゾグチ君のが好き」ってのは,とっ
    ても傷ついた覚えがある.そういうところで非常に傷つく,
    少年って.
歩  :そうですよね.わかります,わかります.
Q  :座右の銘は何ですか?
長渕 :座右の銘はね,「剛毅木訥仁に近し」.
Q  :今いちばん興味があることは何ですか?
長渕 :ハーレー.バイク.
Q  :好きなアニメは何ですか?
長渕 :「鉄人28号」.知らないよね?
高見沢:いいね.知ってる知ってる.
長渕 :♪弾よりも速く〜.ピストルの弾よりも速いんだよ.
TOM  :すいません,それは鉄人じゃなくて「エイトマン」です.
長渕 :あ,「エイトマン」だ.
高見沢:鉄人は♪ビルの街にガオーッ〜だ.
長渕 :似てるよね.
高見沢:似てる似てる.
Q  :宝物は何ですか?
長渕 :宝物は,僕,今本当にバイクに凝っててね,もうすぐマイ
    ハーレーが来るんですけど,たぶんそれがいちばん宝物に
    なるかな.
Q  :口癖はなんですか?
長渕 :「今に見てろよ,てめえら」.これが好きですね.
Q  :もっとも影響を受けたアーティストは誰ですか?
長渕 :まずそうですね,やっぱり僕らのオピニオンリーダーであ
    ります,大先輩の吉田拓郎先輩には,非常に大きな影響を
    受けましたね.それと,外国ではニール・ヤングだとか
    ボブ・ディランだとかジャクソン・ブラウンだとか.
    1960年代の音楽をやってた人たちにかなり影響受けました
    ね.
Q  :曲作りでもっとも大切なことは何ですか?
長渕 :やっぱり愛情があるっていうことかな.いわゆる他者に
    対して愛情を持って何かを作るということが大事だと
    思うな.
Q  :ライヴの前に必ずすることは何ですか?
長渕 :まず一汗かきますね.トレーニングとか縄跳びだとかやり
    ますね,ライヴの前に.あとはお祈りします.
Q  :今年の夏に桜島でオールナイトの野外ライヴを行う
    長渕さんですが,野外ライヴの魅力を一言で言うとどんな
    ところですか?
長渕 :開放感かな.それと何が起きるかわからないっていう事件
    性みたいなものかもしれない.
Q  :では,そんな長渕さんの野外ライヴの思い出を一つ教えて
    ください.
長渕 :去年の夏,野外4本やったんですけどね.その中で台風で
    ですね,横浜の赤レンガパークで2万人ぐらい集まったん
    ですけど,順延せざるを得なかったっていうことですかね.
    次の日は台風一過で非常に青空の下でみんな来ていただい
    て素晴らしいコンサートが出来ましたけどね.当日来て下
    さったみんなには非常に申し訳なかったと思いますね,
    はい.
Q  :最近泣いたのはいつですか?また,その涙のわけは?
長渕 :泣かないよ.
Q  :人にこれをされるのはどうしても我慢できないということ
    は何ですか?
長渕 :理不尽に殴られるのは嫌だね.
TOM  :それは嫌だ.
長渕 :僕ね,高校時代ね,何でか知らないけど「顔が気に入らな
    い」って向こうから歩いてくる二人組の学生に蹴られたこ
    とあんのね.理由が「顔が気に入らない」.理不尽でしょ.
    「世の中って理不尽だな」と思ってね,そこから強くなっ
    たなぁ.いろんな方法考えた.
Q  :他人に指摘されて初めて気付いた自分の変なところはどこ
    ですか?
長渕 :よくね,緊張するって言われるんですよ.それは何でだろ
    うと思うんだけど.僕も緊張してんだよね.だから変なん
    だろうな,きっと.緊張されるっていうのは,あまり.
    嫌だね,この質問ね.困っちゃうね.
歩  :すいません,こういうコーナーなんです.
Q  :もし生まれ変わるなら何になりたいですか?
長渕 :いや,生まれ変わるなら生きてるうちにだ.
Q  :「最近,歳取ったなぁ」と思うのはどんな時ですか?
長渕 :ない.どんどん進化し続けなきゃ.ロックは自分の人生を
    切り開くものだから.とにかく年を取るごとに一つずつ
    若返ってゆく.肉体ありきっていう感じですね.
高見沢:鍛えようかなぁ.
Q  :「俺ってカッコいいなぁ」と思う瞬間はいつですか?
長渕 :今,今.
Q  :では逆に「俺ってカッコ悪いなぁ」と思う瞬間ってどんな
    時ですか?
長渕 :媚びる時かな.媚びるって「笑わせなきゃいけないのか
    な?」とか気ぃ遣っちゃう自分がいるんだよね,どっかに.
歩  :そうですか?
長渕 :わがままに見えるんだけど,けっこうね,そうじゃないと
    こもあったりして.もっとわがままに我が道まっしぐらに
    行きたいなと思うけど.なんかね,カッコ悪いとこあるな.
Q  :ムカつくことがあった時どのように発散しますか?
長渕 :「ちょっと」.(←睨みつける)
TOM  :その発散,嫌だね.
高見沢:すごい怖い.
Q  :よく家に来る有名人は誰ですか?
長渕 :有名人っていう言葉は嫌いなんだけど,本当に腹を割って
    付き合ってる友達っていったら,巨人の和博って僕が呼ば
    せてもらってるんだけど,清原選手だとか.あとはね,
    ミュージシャン少ないですよ,寂しいことにね.格闘家の
    連中ばっかしでね.空手家だとかね.有名なとこだと
    新極真会の塚本前チャンピオンであるとか,現チャンピオ
    ンの国博選手であるとかね,強者たちがよく遊びに来ます
    ね.
Q  :デビュー当時「芸能界ってすごいなぁ」と思ったことは
    何ですか?
長渕 :すごいなぁと思ったことは,裏表が激しいっていうこと
    かな.
Q  :長渕さんの番組にKinKi Kidsがゲストで来たとしたら,
    一緒に何をしますか?
長渕 :話.
Q  :今年最初のテレビ出演だとお聞きしましたが,テレビを
    見ている方に一言メッセージをお願いします.
長渕 :まあ,今年も精力的に頑張りますんでね,皆さんも若い人
    たちばっかりだから,まあ,老若男女問わず,生涯青春,
    生涯情熱でですね,身体をとにかく元気で鍛えて前へ前へ.
    本当に汗をかいてね,一緒にどんどんどんどん一歩でも前
    へ進めるような,そういうポジティヴな生き方をしていき
    たいなと.みんなでね.そうい思いますね.
Q  :長渕剛さん,ありがとうございました.
長渕 :はい.

歩  :お戻り下さい.やっぱりちょっと長渕さんでも緊張します
    か.
長渕 :なんか妙なカチカチカチカチッて効果音のさ,昔あったよ
    ね,そういうクイズ番組.そういう感じですね.急かされ
    る感じ.
歩  :全体的に聞いてると.
長渕 :つまんなかったよね,答えが.
歩  :とんでもございません.じつはそうやって番組とか周りに
    気を遣ってる方なんだなっていうのが見えましたね.
進  :本当に昨日のリハーサルとかでもそうなんですけど,
    「長渕さん入られます」って入ってこられて,まず最初に
    「堂本剛です,よろしくお願いします」っていったら握手
    して下さいまして.そこからリハーサル始まったんですけ
    ど,一体になれるような空気作りみたいなものとか.
歩  :大切にしてらっしゃるんですよね.
進  :そこにどんどん引き込まれていって,一体化できるってい
    うか.そこがすごく.
歩  :子供の頃はあだ名はなかったんですか.
長渕 :なかったな.ちょっと寂しいね.
歩  :ツヨポンとか.
長渕 :なかったな.
歩  :剛はなんだっけ?上の名前か.
進  :僕,ドウモリンとか.
長渕 :ドウモリン?
進  :そうなんですよ.「ドウモ」まで言ったら「堂本」でいい
    じゃないですか.それが「ドウモリン」になってますから.
    最近はツヨポンが多いですね,なんでか知りませんけど.
長渕 :え?ジャニーズだよね?
進  :はい.
長渕 :こっちはわかる.
歩  :ありがとうございます.
長渕 :なんかすごくね,最近ちょっと路線がほれ,ワイルドな
    路線に.
進  :なんか自分というものをどんどん追求して行き,嘘つかず
    な自分を探していったら,とりあえずここにきてしまっ
    ちゃったんです.
長渕 :そうか.それはいいことだと思うよ.
歩  :いいことですか.
進  :僕,日々家に帰るたびに悩んで,「今の俺はこれでいいの
    か?」って考えつつ,「やっぱり嘘はついてちゃいけない」
    みたいなところで,どんどん自分探しを毎日のようにやっ
    てしまうんですよね.
長渕 :真面目だな.
進  :なんか髪の毛もいろいろやってみたりしたんですけど,
    「いや,そんなことじゃない」って黒髪に戻し,「ヒゲ剃
    らない」みたいな.
長渕 :いいね,意志があって.
進  :いろいろ考えてると今日はこんな感じなんですよ.
長渕 :この無精ヒゲがなんともいいよね.僕も30ぐらいの時に
    無精ヒゲ生やしてて.僕は非常に病的な顔してたけどね,
    その頃は.なんかでもそういう無精ヒゲ,起きた時に何と
    なく疲れたような,そういう自分が好き,みたいな時って
    あるんだよね.
進  :ありますね.風呂上がりの疲れてる顔が好きです.そこ
    ちょっと酔いしれたり.
TOM  :このごろ剛,わかりやすくなってきたもんね.
長渕 :いいと思うよ.カッコいいよ,無精ヒゲ.
進  :わかりやすくなりました?
TOM  :一時期,周りでも「剛はどこ行っちゃうんだろう?」と思っ
    てたけど,戻って来た気するもん.
長渕 :やっぱりジャニーズで非常に突出してるよね.
進  :よく言われますね.
長渕 :異端児みたいな.
進  :よくジャニーズっぽくないって言われます.
長渕 :それがまたいいんだな.
歩  :そして小さい頃はですね,あだ名はなかったんですが,
    落ち着きがなく,夢はお医者さんとか警察官.
長渕 :だいたいね,警察官とかね,弁護士,医者.これの息子は
    だいたいロクなもんにならないね.
高見沢:そうだね.
長渕 :そうだね.
高見沢:俺もそうだから.先生だから.
長渕 :教師ね.なんでだろう?親がそういうのだとロクなもんに
    なんない.
進  :そういうのやっぱりあるんですか?
長渕 :だいたいそうだね.
歩  :親のレールを外れようみたいな.
高見沢:いや,乗ろうとしたんだけどね,俺は.でもギター弾い
    ちゃったら,こうなっちゃった.
長渕 :今はみんなギターとか持っても何も言われないけど,僕ら
    の時代はね,アコースティックギター持っても不良.
歩  :ギター持つだけで不良?
高見沢:ギターは凶器のように見られたね.
長渕 :そう.
進  :音楽やってる人が持つものなんですけど,不良が.
長渕 :今で言うナイフとか木刀とかさ,そういうイメージなのよ.
    そういう時代だったからね.
高見沢:暗黒の時代だね.
歩  :そして,人生最大の失恋がですね,小学校四年生の時.
    足が太い方が好き.
長渕 :そうそう.小学校の頃ってさ,頭がよくて,足の速いやつっ
    てモテてたね.
歩  :足の速いやつってなんでモテるんでしょうね.
進  :小学校はそうかもしれないですね.
長渕 :それでうちの死んだ母親がね,運動会の前になったらね,
    ウマの糞を踏めって言うわけよ.
歩  :足が速くなるんですか?
長渕 :よく考えたら「そうかな?」と思った.で,まだうちの前
    をウマとかウシが.本当ですよ,僕の小学校時代は.本当
    にど田舎だから.で,ウマの糞があるよね.で,朝起きて
    「今日は一等賞だな.えいっ」って踏むわけ.「ついたぞ.
    もう一番だ!」と思ってね.ダメよ.なんないなんない.
    そりゃ陸上部のやつには勝てないよ.
歩  :小さい頃って何気なく言われたことにショック受けたりし
    ますからね.僕も小学性の頃に,まだ髪の毛とかまったく
    気にしてない時に女の子に「パイナップルみたい」って笑
    われたんですよ.寝グセついてて.それ以来気にするよう
    になっちゃったみたいな.
進  :ちょっとおませさんに.
長渕 :だけどパイナップルカットって昔はカッコよかったんだぜ.
    上がパーッと立って,ロッド・スチュワートとかさ.俺な
    んかキクラゲって言われたから.
進  :キクラゲですか?
歩  :キクラゲってどういうことですかね?
長渕 :なんか納得してたな.
歩  :納得してたんですか.
長渕 :反論しなかった.
TOM  :それでよかったんじゃん?
長渕 :よかったのかな.
高見沢:俺,すだれって言われたな.
長渕 :すだれ?なんですだれになるの?
高見沢:ペチャンコで髪が細かったから.
長渕 :ウェーブはかかってなかったの?
高見沢:かかってなかった.
長渕 :それ,カーラー巻くんだよね?
高見沢:やってもらったんだよ,これ.
長渕 :自分でやってるのかと思った.
高見沢:やんないよ.
長渕 :この被写体だけ見れば「イカしてんじゃん」と思うけど,
    朝起きてシャンプーして巻いてるかと思うとちょっとね.
高見沢:それはしないですよ.
進  :今度,巻きながらリハ来て下さいよ.
歩  :ちょっと女優みたいですね.
進  :お母んみたいに.女優さんとかって巻くから,巻いた状態
    でドライとかやるんですよ.
歩  :リハとかね.
高見沢:あ,そうなんだ.
歩  :あります,あります.
進  :「私,何々なの」いや,巻いてるやん,みたいな.
歩  :あるよね,そういうの.
長渕 :俺,髪もっともっと長い頃はね,朝起きてシャンプーと
    リンス必ずやって,ドライヤーで髪の毛立たせるために
    下向いて思い切りガーッてやるの.そしたら歌舞伎のあれ
    みたいに髪立つのよ.
高見沢:やってたんだ.
歩  :座右の銘なんですけど,ゴウキボクトツジンニチカシ?
長渕 :剛毅木訥仁に近し.
歩  :スタッフも漢字書けてないんですけど.
長渕 :いいじゃない,漢字のことはどうでも.難しいよ.俺もわ
    かんねえから.要するに粗野に見えて,乱暴者に見えるけ
    れども,そういう人間こそ非常に人間らしいよっていうよ
    うな内容ですわ.
歩  :なるほど.まさに長渕さんじゃないですか.
長渕 :そういうの好きだからさ,「これって俺かな?」って一瞬
    思うんだけど.
歩  :そんな感じですよね.
長渕 :もっと深い意味がきっとあると思うよ,本来は.
歩  :高見沢さん.座右の銘は何でしたっけ?
長渕 :カール?
高見沢:カールは座右の銘じゃないじゃん.俺はね,お袋によく
    言われてたんだけど.
TOM  :「帰ってこいよ」.
高見沢:それは「髪切れ」だよ,親父の.あのね,自分に甘く人に
    厳しく.逆だ.
歩  :それダメじゃん.
進  :ダメじゃないですか.
高見沢:自分に厳しく人に優しく.
歩  :そして,話はちょっと戻るようですが,子供の頃やってい
    た習い事が,習字,絵,そろばんということんですね.
    けっこうこれ,意外なんですけど
進  :ですね.
長渕 :強制的に習わされたわけだね.
歩  :「やりなさい」と親に.
長渕 :そうそう,親にも先生にも.「この子は本当に授業中もあ
    ちこち席立つし,いたずらばっかりして落ち着きないから
    ちょっとやんなさい」と.
歩  :あ,写真出てきましたね.
TOM  :カッコいいじゃん.
歩  :これは?
長渕 :今,僕は肉体書道って自分で呼んでるんだけど,これはね,
    50キロぐらいの筆で書くんですよ.縦が4メートル,
    横が6メートルぐらいの大きな布に書くんですけど,この
    筆で書くんです.
金城 :すごい.特注ですか?
長渕 :特注です.
TOM  :あれぐらいの大きさなんだ.
歩  :でかい.
金城 :大きい.面白そう.
TOM  :体育館?これ.
長渕 :これ,近くの小学校の体育館をお借りしてね.今度個展を
    やるんですよ.もう個展は3回ぐらいやらせてもらってる
    んですけどね.
TOM  :どこでやるんだ?って話しだよね.
歩  :このでかさだとね.
長渕 :今度美術館でやらせてもらって.
歩  :またこれは.
進  :すごい.
TOM  :これはでかくないですよね?
長渕 :こっちは畳二畳分ぐらい.
TOM  :これもですか?
歩  :そんな大きいんだ.
長渕 :詩画といって.詩と絵が一体になってて.
進  :詩画か.
歩  :これ,剛は食い付くよな.
進  :かなり.
高見沢:すごいね.
歩  :これは最近ですか?
長渕 :そうだね,これは最近だね.
金城 :どうして50キロなんですか?
長渕 :墨つけると50キロぐらいになる.だいたい大筆といわれて
    るものは,いろんな筆のパターンがあるんだけど,だいた
    い40キロくらいが大筆なのね,こういうバーンとか書くの.
    よくいるでしょ,書家の方々の大先生が.それにポリバケ
    ツに入れた墨を付けると一発で50キロに.
金城 :すごい.
長渕 :そうとう力要りますね.
TOM  :これもその描き方のもの?
長渕 :これは違います.これは入念に,どちらかというと緻密に
    描いた.
TOM  :これも大きいものではないんですか?
長渕 :これも畳一畳分ぐらいあります.
歩  :それでもでかいですよね.これはどれぐらいかかるんです
    か?1枚描くのに.
長渕 :これでね,僕は早いんです.三日ぐらいで仕上げる.
歩  :畳一枚,そんな絵描いたことないよな.
TOM  :イメージがあってから描くんですか?それとも描き出すん
    ですか?
長渕 :描き出すんですね.いろんな描き方があるんだけど,僕の
    場合は描き出すんですね.面白いよ.
進  :でかいの描いてみたですね.
歩  :これは子供の頃に習字とか絵とかやってたのが名残でって
    ことですかね?
長渕 :まったくそれは関係ないと思う.
歩  :関係ない?
長渕 :この3〜4年ぐらい,いきなり描きたくなってね.その衝動っ
    ていうのは,やっぱり音楽と同じようなことで.メラメラ
    と内面に沸々と湧き出る煮えたぎった喜怒哀楽みたいなも
    のあるじゃない.それを歌だけじゃ物足りないわけさ.
    ネガティヴなものってなかなか出せないじゃない.いろん
    な方法で汗を出したり走ったり歌を歌ったりすることで
    浄化されていくんだけど,それだけじゃ飽き足りなくて,
    それでガーッと描き始めたの.それがきっかけかな.だか
    ら僕は家の壁に書いたのよ,まず.落書きバーッと.そう
    すると,家の壁の端っこに描いたら落書きになっちゃうで
    しょ.そしたら描いた以上は全部書こうと思って,天井か
    ら全部リビング3〜40畳ぐらいのとこ全部字だらけにした
    んですよ.で,来る友達連中に「おい,おまえも書け」
    って.「え?いいんですか?」「絶対いいから」「本当です
    か?」.そうするとみんな子供みたいな顔になるわけ.
    「じゃあ書きます」.その時本当に童心に戻った様な顔で
    書くわけ,壁にね.そういうの面白いね.これ,我流,
    ぜんぶ.
歩  :習ったわけじゃないんですか.
長渕 :習っちゃダメ.
TOM  :全部はみ出てるもんね.字も絵も枠から全部はみ出てるも
    んね.枠の外に何か見えるみたいな字や絵だもんね.
歩  :面白いですよね.素晴らしい.そして好きなアニメ.
    「鉄人28号」「エイトマン」.さっきごっちゃになってま
    したけど.
高見沢:いいね,「鉄人28号」.
歩  :高見沢さんがものすごい.
高見沢:「鉄人28号」.ここでね,この話が出ると思わなかった.
    いつもわかんないのよ,アニメの話.
進  :すいませんね.
歩  :「ドラゴンボール」とかね.
高見沢:「ドラゴンボール」はわかるんだけど.
長渕 :やっぱり時代を越えて共通してるのは,強い正義感がある,
    弱きを助け強きを挫くみたいな.
歩  :先ほども警察官とおっしゃってましたからね.
長渕 :そういうところは一貫してるよね.それが極端でしょ.
    あと星飛雄馬なんかも好きだったし.ちゃぶ台ガーッて
    ひっくり返したり.
進  :過去にガチコーンってやったことあります?
長渕 :最初は一人で飲んでても,何やかや言ってくるのが.
進  :はいはい.
長渕 :最初は我慢してんだけど,もう我慢がきかない時は
    「ちょっと」ってなるじゃない.
進  :「ちょっと君こっち来なさい」と.昨日リハをご一緒させ
    ていただいて,先ほどのお背中の話もありましたけど,
    腕がすごいじゃないですか.ファンの人は知ってると思い
    ますけど,腕とかガチコンガチコンなっててガチコンガチ
    コンしてると.
長渕 :よくナメられたんだよ,僕.そういうふうに見えない
    でしょ?内在してるものはものすごくイラチンだからさ.
    苛々するほうで気が短いから.だけど我慢するもんだから
    よくナメられるんですよ.だからね,あんまり理不尽に
    ナメられたもんだから,そうなっちゃったんでしょうね.
進  :理不尽な言い方されるとちょっとね.
長渕 :でも暴力はダメよ.
歩  :経験してる人だからこそわかると.
長渕 :そうでしょうね.
歩  :そして今いちばん趣味なのはバイク.もうすぐハーレーが
    届くということですが.
進  :例えばハーレーが届いた際にはですね,例えば仕事場に
    来られたりとかするんですか?
長渕 :当たり前だよ.ブルン,ブルンブルンバーン,
    「あ,来た」って感じで.
歩  :「長渕さん来たよ」.
長渕 :「長渕来たぜ」って.
進  :じゃあ,世田谷通りぐらいから.
長渕 :そうそう,環八ブルルルッて.もうスタジオに行くまで
    聞こえるぐらいでさ.
進  :グラサンもかけて,胸元開けてガチコンガチコンで.
歩  :また似合うからいいですよね,ハーレーが.
進  :僕らなんか乗ったら多分ね.
歩  :完全に負けてるよね.
進  :見えへんと思う.ハーレーが走ってるみたいな.
    「おぅ,乗ってたんかいな?」って.
長渕 :後ろに乗るってどう?
進  :長渕さんのですか?
長渕 :それでさ,六本木とかちょっと走ってみない?どういう
    反応が返ってくるか.
歩  :それすごいな.
進  :ダブル剛ですね.
長渕 :それで左後方部から原チャリで彼が.
歩  :ウィーン.それかサイドカー付けてもらって.
長渕 :サイドカーだったらどっか切り離しスイッチで.
進  :いいですね.飯倉の交差点あたりでバーンと.
歩  :鑓ヶ崎のY字のとことかボエーッと.
進  :オンエア出来る出来ない関係なしにですね,スピード狂
    だったりします?
長渕 :どっちかっていうとそうだね.でも僕あれだよ,ゴールド
    免許よ.違反なしよ.
TOM  :乗ってないんじゃないの?
長渕 :乗ってて.
TOM  :本当?
長渕 :見つかってないだけなのかもしれないけどさ.
歩  :でもハーレーとかだと,逆に飛ばすバイクじゃないですか
    らね.
長渕 :そうね.それに都内はそんなに飛ばせないしね.せいぜい
    飛ばしても80キロぐらい.でも風圧感じるからね,かなり
    のスピードよ.車で80キロって普通だけど.
歩  :そうですよね.
長渕 :本当に風を感じるってすごいよ.
歩  :体感速度ちょっと上がりますもんね.そして音楽なんです
    けど,曲作りでもっとも大切なことは,愛情.
長渕 :そうですね.やっぱり歌とか音楽っていうのは本当に力を
    持ってるから,いかような方向にでも行くからね.そう
    容易に歌を書けないなって最近は思うんだけど.やっぱり
    根底に作り手が他者を,人を愛する,人間を本当に愛して
    あげよう,愛そうっていう気持ちが流れてないと,いたず
    らにトントン拍子で歌っていうのはリリース出来ないなっ
    て僕は思うね.
歩  :ひとつひとつ,今おっしゃったように愛を込めて大切に曲
    を作ると.それでですね,シングルの総売上が1000万枚を
    突破という.これは素晴らしい.
進  :すごいですよね.
長渕 :あれですよ,デビューしてこの27年と4ヶ月のシングルに
    関しての総売上でしょ.
歩  :そうですね.
長渕 :まあ,1000万人の人間がこの何年かで僕の歌を聴いてくれ
    ていたんだと思うと本当にうれしいしね.「よし,もっと
    もっといい歌を書こう」ってやっぱり思うよね.
進  :実際僕らの周りいますからね,「今度,長渕行くんだよ」
    って.
歩  :いますね.
進  :みんななんであれ呼び捨てなんですかね?
歩  :そうですよね.
TOM  :ああいうのってうれしいの?
長渕 :うれしくないって言えないもんな.でも彼らも同胞意識み
    たいので楽しいな,コンサートやってる時は.本当に一緒
    に拳上げてね,大声で歌うからね.
歩  :一体となれる瞬間ですしね.そしてライヴの前に必ずする
    ことは,汗をかく.トレーニング.
長渕 :そうね,一回ちょっとバーッと出してね.
歩  :そのトレーニングでへばっちゃうことはないですか?
長渕 :それはない.つる時はあるよ.
歩  :つるんですか?
長渕 :ウェイトやり過ぎて.パンパンになるじゃない.で,
    この前の第一回目の夏の野外イベントで,大阪の
    WTCオープンエアスタジアムってとこで一発目やったんだ
    けど,かなりやり込んでバッと登場してね,ステージにばっ
    と立って右手上げたら右半身ガーッとつったの.バレちゃ
    マズいよ.それでまたサッと左手上げたらまたこっちもさ.
    左右つったんだぜ.それでステップ踏んでストレッチし
    ちゃったよ.もうね,冷や汗だよ.やり過ぎ注意.これで
    わかったよ,だいたいステージ前はこれくらいかなと.
進  :これぐらいで大丈夫だと.
長渕 :マックス一回やっとかないとね.
進  :そうですね.
歩  :それは客も誰も気付いてなかったんだろうな.
TOM  :やけに伸びてると思ってるんじゃない?
進  :「今日の剛は前半からステップしてるなぁ」と.
歩  :「今日はノリノリだぜ」.つってる.そしてその野外
    ライヴは開放感と事件性.その事件性は今のとちょっと
    違うと思うんですけど.やはり開放感が.
長渕 :そうだね .あと既成の会場でやりたくないね.やっぱり
    「こんなとこでやるの?」っていうさ.みんながその
    コンサートやるために総動員して一生懸命整地したりとか
    ね.そういうコンサートをやりたくてね.それでの夏は
    桜島で7万人結集してね.
歩  :すごいですね.オールナイトで?
長渕 :オールナイト.8時間から10時間ですからね.
進  :すごいなぁ.
歩  :すごいなぁ.歌いっぱなし?
長渕 :歌いっぱなしだね.
TOM  :つりっぱなし?
進  :だいたい何時間後ぐらいからつるんです?
長渕 :いや,それはつらないようにしないと.
進  :そうですよね.
歩  :アルフィーは最長で何時間?
高見沢:一回だけオールナイトやったことある.やっぱり10時間
    ぐらい.
進  :どうでした?桜井さんのヒゲは.
高見沢:大丈夫だったよ.3人いるからね,それぞれ歌えるから.
    一人じゃないから.やっぱり野外はね,開放感あるし.
進  :野外は気持ちいいですよね.俺も野外大好きですけど.
長渕 :まあでも,8時間10時間歌ったらもう喉は壊れるね,
    たぶんね.
歩  :ですよね.
長渕 :やったことないから怖さもあるんだけども,やっぱりそこ
    は一回壊してどうなるかっていうのが楽しみだね.だから
    お客さんも大変よね.7万人の大移動が行われるわけだか
    ら.そこに結集して朝までガンガンやるって,お客さんも
    体力必要だしね.
TOM  :声が出なくなった後の2時間,何が見えるのか見てみたい
    ですね.
長渕 :そこは見たい.
TOM  :声が出なくなって,でも「2時間やるぞ」ってその2時間見
    てみたいな.
長渕 :限界を越えた後自分がどうなるかっていうね.
歩  :楽しみですよね.
長渕 :あのね,今日せっかく会うんでね,僕ね,何も差し上げる
    ものなくてね.でもプレゼント持ってきたのよ.
進  :マジですか?
長渕 :ハーモニカ.
進  :すげえ.
長渕 :これね,僕がいつもツアーで使ってるハーモニカなんです
    よ.でも綺麗に洗ってきましたから.
歩  :ありがとうございます.
長渕 :せっかくだからハーモニカの吹き方っていうのを教えてあ
    げようかなと思って.
進  :あ,教えてください.
長渕 :あのね,ハーモニカはね.♪普通の電車に乗って〜♪
    今夜は何処へ行く〜♪ガタゴトチューチュー〜♪
    電車に乗って〜♪何処まで行くの〜.
高見沢:素晴らしい.
長渕 :本当にハーモニカってね,10個しか鳴らないんだけどさ,
    こういう感じでさ.
歩  :即興みたいな感じで.
長渕 :夕焼けに沈む多摩川沿い行ってさ,こういうことやってる
    と.
進  :いいですね.
長渕 :ちょっとやってみようよ.いちばん簡単なのはね,スーハー
    スーハー.♪プレイ〜.こういうの.
歩  :貧血おきちゃう.
長渕 :♪おまえのことを思ったら〜はい,スーハースーハースー
    ハーハー.♪とってもよく知ってるぜ〜♪電車に乗って〜,
    スーハースーハースー♪今夜もずっと〜♪君といたいね〜
    スーハースーハー.♪君と居たいね〜.
歩  :ちょっと無理あったな.
長渕 :いいよ,そういう感じ.
進  :唇とれるかと思った.
TOM  :目が真っ赤になってるよ.
進  :普段こんなスーハースーハーしないですからね.
長渕 :でもいいよ.
高見沢:やる?
長渕 :ちょっとやってみようか.
高見沢:ギター持ってきて.
長渕 :スーハースーハーね.あとタンギングって覚えてるでしょ.
    それをハーモニカではね,吸う時にやるの.スーハースー
    ハー,トゥ,トゥ,トゥ,トゥ.

♪プレイ〜

高見沢:素晴らしい.
歩  :カッコいい.
進  :カッコいい.
長渕 :スーハースーハースーハースーハー,トゥ,トゥ,トゥ,
    トゥ.
歩  :これで音楽が出来ちゃうんですね.
長渕 :難しいことじゃないのよ.楽しむ.
歩  :音を楽しむと.
進  :すげえ.
歩  :今のカッコいい.
長渕 :ステージでやってよ.
進  :やりますよ.
歩  :これ,大切にします.ありがとうございます.
進  :本当にありがとうございます.
歩  :絶対誰にもやらん.
進  :これでな,ちょっと気ぃ抜いた時にな,お母んとか吹いて
    たら「何してんねん!」.
歩  :「何しとんじゃ!」って.
進  :「懐かしいわぁ」とか言って.
歩  :ほんま最悪やで.
進  :ちゃんと保管しとかな.
歩  :いや,いいなぁ.やっぱりミュージシャンの中にいるって
    いうのはいいね.
進  :すごい楽しい.
歩  :すごい得した気分になる.ラッキーや,今日来たファンの
    皆さんも.
進  :だって今のライヴは今しかなかったからね.
歩  :今しかないで,ほんとに.
進  :ライヴ来ても見れない今の空気感とかテンションとか
    グルーヴがね.
長渕 :スーハーズって作ろうか?
歩  :スーハーズ?
進  :スーハーズ?スーハーズの僕,名前どうしましょうか.
TOM  :スーだよ.
長渕 :スー.で,ハー.で,ズー.これじゃコミックバンドじゃ
    ん.でもいいかもしんないよ.とにかく延々スーハー
    スーハー.
歩  :それをやればる
進  :倒れるまで.
歩  :でも今までで俺もう倒れそうになったで.
進  :スーハースーハー,スッスッスッスやからけっこう大変な
    んですよ.
歩  :「これ,いつまで吸わなあかんのやろ?」って.
長渕 :だからその前にハーを吐ききっとけばいいわけだ.
進  :そこはまだ出来てないですよね.
歩  :そういう練習せなな.はい,というわけでいろいろお話
    聞きましたけども,今日は皆さんで歌をセッションしたい
    と思います.
長渕 :そうか,これから歌うんだな.
進  :そうです.
歩  :長渕さんご自身,長渕さんのバンド以外で音楽をやるって,
    あんまりないことじゃないですか?
長渕 :そうだね.レコーディングの時は,たまにいろんな人たち
    と集まってる時あるけれども,だいたいバンドのメンバー
    決まってるしね.本当に珍しいね.
歩  :そうですよね.
長渕 :僕も楽しみに今日は来てて.
歩  :ありがとうございます.恐縮ながら僕らも歌わせていただ
    きますが.
進  :いや,ちょっと本当に先ほど吉田健さんとも話してたんで
    すけれども,ガンガン背中どつかれる感じなんですよね.
    昨日もラジオの後にずっと♪泣いて泣いて〜ってずっと歌っ
    てましたから.ガンガン押される感じがあって.あれ?
    僕だけテンション高いですか?
長渕 :いいよ.大丈夫だよ.
進  :みんなシラーッとしてますけど.
歩  :本当に素晴らしいセッションをね,しましょう.
進  :本当にね,ファンの人に羨ましがられるような,いろんな
    エピソードがリハーサルの時にもいろいろいっぱいあった
    んですよ.
歩  :おまえ,それ自慢してるだけやないかい.
進  :だから,長渕さん入ってきて,その場でセッションどうい
    う感じにするか決めましょうってリハーサルでやってたわ
    けですよ.で,イントロ例えば♪チャラスチャ〜って
    長渕さんのギターで入っていくであろうと僕は思ってたん
    ですよ.で,最初リハーサル何回かやって
    「一緒に弾こうよ」.
歩  :そんなこと普通言われないもんね.
進  :「僕,弾いていいんですか?」「一緒に弾こうよ.1,2,
    123」.なんかその一瞬セッションした感じとか.
歩  :なんか恐縮ですけど.
進  :とりあえずね,誰かに言いたい.
歩  :今言うとるがな.言うとるわ.
進  :いや,ちょっと何て言うかね,とりあえずね,町中の人に
    言いたいわ.
TOM  :やめようや,本番やるの.俺たちも楽しかったからいいん
    じゃない?もうこれで.
歩  :本番やんないほうがいいかな?
吉村 :やんないほうがいいんじゃない?
進  :幻のセッションみたいにしたかったりとかね.
歩  :まあでも,皆さんにも聞いていただきましょう.というわ
    けで一緒に「泣いてチンピラ」をセッションさせていただ
    きたいと思います.よろしくお願いします.

♪泣いてチンピラへ〜

歩  :はい,本日のゲストは長渕剛さんでした.どうもありがと
    うございました.
長渕 :サンキュー.どうもありがとう.



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