インタビュー

山上航平役・金子ノブアキさん
このチームの印象からお願いします。
楽しいです。和気あいあいとしていて、テンポも良くて、とても良い現場だと思います。
女性が多い現場ですね。
華やかですよね。スタッフさんも含めて、女性が多いんですよ。演出チームも…チーフは澤田鎌作さんですけど、あとのおふたりは女性(並木道子、高野舞)ですし。並木監督は、『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』のときは助監督さんでしたからね。今日、前のスタジオでは『コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―』の撮影をしていて、そこには山下智久くんがいて、『ブザー・ビート』の中野利幸プロデューサーや西浦正記監督もいて。だから、今日はちょっとエモーショナルな気分です(笑)。時間が経っても、こうして再会できるのは嬉しいですね。『ブザー・ビート』は、僕自身、ターニングポイントになった大事な作品でもあるので…。
今回はカメラマンという役柄ですけど、演じるにあたって考えたことは?
普段は被写体でもあるんですけど、とはいえ仲間内にもカメラマンが多いんです。ライブを撮ってもらったりしていますし。男性と女性で大分違うんですけど、例えば撮っているときのフォームとか、参考にさせていただいている方が何人かいます。
カッコいい方、いますよね。
『いいな、この形』と思う方、入り方がキレイな方がいるんですよね。だから、インする前に、「ちょっと参考にさせてもらうわ」って話しました。
そういうリアルさは大切ですよね。
そうなんですよね。撮影中のちょっとしたひと言とか、目線とか、アシスタントさんとのやり取りとか参考にできるものがたくさんあったので。良い資料が身の回りにたくさんあって良かったです。
制作サイドから何かリクエストはありましたか?
山上航平というキャラクターは凄く良い人で…。好青年というか、まあ人たらしなんでしょうね。人当たりも良くて、フリーランスの仕事もキチっと出来る人、ということなので。決して八方美人ではなくて、自分でしっかりペースを持っていて、周りともうまく付き合っている人、という職人気質のキャラクターなんでしょうね。だから、徳井義実さん演じる安原トモさんとはお互いにシンパシーを感じながらやっているし、ライターの江里(伊藤歩)ちゃんとも一緒にチームを組んでやっていくわけですけど、そういう意味でも凄くフラットな人物なんだろうな、と思っています。ニコニコしていて、でもスムーズで…カメラマンさんってそういう方が多いと思うんです。僕の周りで「ああ、カッコいいな」と思う人は、そういうタイプが多いですね。ニコニコ明るくやっているんですけど、自分自身がやりたいことはちゃんとやる、みたいな。お話の中では、ロマンスリリーフみたいなところもあるんですよね、山上と江里ちゃんの。この物語の中ではそこだけかな、ロマンスみたいなものって。奈央(真木よう子)ちゃんも含めた三角関係にはならないんだけど、でも気にされちゃう、みたいな(笑)。モデルとカメラマンは、はたから見るとそういう風に見えがちなこともありますから、今後はそういう部分も利用して演じていきたいです。普通にプロフェッショナルとして仕事をしているだけなんだけど、そう見えちゃうような面白さも絶対あるとから。それに江里ちゃんが翻弄されているようになるらしいですし(笑)。狙ってないんだけどそう見えちゃう、みたいな部分も出せるといいなと思っています。
人気読者モデルを目指す奈央を支えていく“チーム・ミヤジ”の関係性も素敵だと思いました。
僕も凄く好きなんです。良い感じですよね。なので、奈央、江里、トモさん、そして山上という4人のバランスは、最初からずっと考えていました。どういう感じでそれぞれがいればいいのか。女性上位の世界観の中で、山上の存在は大事なのかな、と思っているんです。強いキャラクターでも破壊的なキャラクターでもないので、新鮮ですね。みんな、普段から気も合うんです。よう子ちゃんは面白いし、徳井さんは素晴らしい方だし、歩ちゃんは付き合い長いのでとても安心感があるし。僕も、心を預けてしまっても大丈夫だと思っています。
では、かなりリアルな空気感が…。
作りたいですね。この先、いろいろ絡んでいくときも、そこはちゃんと育てておいて…。そういのって魔法みたいだけど、ちゃんと絵とかお芝居になっていく部分もあるので、そこは蓋をしないでやってもいいのかな、と思っているところです。
真木さんと実際にお芝居されてみての印象は?
以前、『モテキ』という映画で、よう子ちゃんとかリリー・フランキーさんと一緒だったんですけど、よう子ちゃんとは初めてちゃんとお芝居するんです。ホントに色々な表情を持っている方なので、今回、このドラマを見た人はビックリするんじゃないですか?あそこまで振り幅が広い…少年のような瞬間もあれば、一瞬「わっ!」と思うくらい色っぽい瞬間もあるし。あんなチャーミングな姿は、そんなにオンにしていなかったんじゃないかな?今回、よう子ちゃんがやろうとしていることを見て、僕のキャラクターもスッと着地できた気がしました。僕は本読みに行けなかったので、現場にくるまでみなさんがどういう打ち出し方でくるのか把握し切れていなかったんですけど、よう子ちゃんのお芝居を見て凄く新鮮だったんです。それはきっと、視聴者の方が感じるリアクションでもあると思うんです。とてもチャーミングで…。女性ファッション誌のお話ですけど、『少年ジャンプ』を地で行っているような感じもします。ルフィとか悟空とか桜木花道とか(笑)。きっと、男性が見ても、どこかで共通項を見いだせるんじゃないかな、と思います。違った顔をいつも見ることができて、毎日「素晴らしいな」と思っています。「次、何するんだろう?」って、つい見ちゃうんですよ(笑)。
ドラマの中も、女性たちのパワーが満ち溢れていますね。
男は尻に敷かれた方が幸せなんじゃないですか?(笑)。この現場にいると、その気持ちよさが良くわかるんです。躊躇のなさ、突き抜け方は、男にはない部分ですよね。子どもを産むこともできるんですから、生物として強いんでしょうね、女性の方が。そこに、トモさんのようなジェンダーレスなキャラクターが気高く存在していて。だからこそ、僕やリリーさん、奈央ちゃんの家族とかの振る舞いがとてもリアルだと思うんです。そこが面白いですよね。今回、スタジオのセットとか、ロケセットもめちゃくちゃリアルなんですよ。カメラ指導で入ってくれているチームも、「ここ、欲しい!」って言ってましたから。パーティーのシーンも、本当にああいうのがあるんですよ。セレブリティを呼んでの記念パーティーとか、凄くリアルでした。ちょっと浮世離れしているんですけど、本当にある世界なんですよ。今回は、写真やスタイリングもそうですけど、そういう裏方さんの職人技にもフォーカスがいって欲しいと思っています。
雑誌『ヴァニティ』もリアルに作られていますよね。
めちゃめちゃリアルですよね。物撮りとかも全部ちゃんとやっていて。普通に雑誌を作っているんですよ。そのこだわりぶりに、僕は感服いたしました。
最後に、視聴者のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。
女性誌の世界で繰り広げられている…かもしれない、遠いようでとても近いところにある世界のお話です。非常にリアルに世界観が作られている中で、キャラクターが躍動する、独特な物語だと思います。よう子ちゃんはじめ、みなさん素晴らしいパフォーマンスを披露してくれていると思いますし、僕も1枚でもそこに噛めたら最高だと思って一生懸命頑張っていますので、毎週楽しんでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

BACK NUMBER