絶対零度 未然犯罪潜入捜査 7月9日スタート 毎週月曜よる9時
2018.8.7 tue. Update

インタビュー #5 東堂 定春役 伊藤 淳史さん

今回の企画を聞いた時に最初に考えたことは?
今まで作られてきた刑事ドラマの中でも、今回の『絶対零度』はなかなかない、未来の事件を予測するというテーマで、今の世の中には合っているような気がしました。僕は知らなかったんですけど、監視カメラで危険な人物を割り出すようなシステムも実際に導入されていると聞いて、タイムリーなテーマなんだな、と。2020年には東京オリンピックも控えていますし。事件を扱っていますから言い方としては適切じゃないかもしれませんけど、ドラマとしてワクワクする作品だと思います。
これまでの刑事ドラマですと、事件が起きてからその真相を解明したり、
人間模様を描いたりしていくわけですけど、事件を起こすまでの過程を
描いていくわけですが。
東堂のセリフにもあるんですけど、「犯罪予測は100%じゃない」という。劇中では90%と言っていますけど、残りの10%というのは紛れもなく冤罪なわけです。でも9割は阻止できる。そういう部分も、見てくれている方に考えていただけたら嬉しいですね。
その「100%じゃない」という部分が、
今後の展開にも大きな意味を持ちそうですね。
実際、1話で描かれている出来事より前にもエピソードがあるわけで……。その中でとても大事なワードになってくると思います。
第1話でミハンシステムが割り出したテストケースはNO.4でした。
そうなんです。その前に、テストケースの1から3までも確実にあったわけで、そこで何かが起きていたのか起きていないのか、という(笑)。まあ、僕も今、色々言っていますけど、実はあまり知らないんです(笑)。ただ、第1話で東堂が話していたことは、彼のすべてを表していると思います。「犯罪予測は100%じゃない」「現在のところその確率はおよそ90%」「予測が正しければ、犯罪を未然に防げる。まだ失われていない命を救うことができる」という部分には東堂のすべてが集約されていると思っています。
9割防げる、と考えるのと、10人にひとりは冤罪、
と考えるのは、意味合いが大きく違いますね。
そうなんですよね。起きてしまった事件に関して、1割が冤罪なんてことは決してあってはならないけど、これから起こる事件、というところで考えたときのその数字というのはどうなのか。僕自身も、役柄とは関係なくそういうことを考えたときに、世の中には凶悪な事件があり、見ていられないような辛いことがたくさんあるという現実を前にすると……決して悪い数字ではないのかな、とも思ったり。なかなか、そういうことを考えることもないんですけど、今回はこういう役に携わることができたので、良い機会になったような気がします。
東堂というキャラクターを作るにあたって考えたことや、
監督と話し合った部分を教えてください。
監督から言われたのは、出来るだけ動きを少なくしたい、ということでした。余裕があれば動きがあるようなイメージが僕にはあったんですけど、そうではなくて、余裕がある人間ほどシュッと構えているというか……。ミハンシステムに関しては東堂が責任者なので、このシステムに対する自信も持っているし、井沢(沢村一樹)や山内(横山裕)たちをチームに入れるということも彼が決めたわけですから、チームのメンバーよりは余裕を持って色々なことを見ている、ということなんだと思います。そういう部分は大事に演じていこうと思っています。あとは、所々に穏やかな感じとか、ちょっと笑みを浮かべるところなどで、先の先まで見えているような部分も感じてもらえたらいいのかな、という気がしています。
沢村さん演じる井沢も、普段は軽い感じですけど、狂気的な面も
見せています。他のメンバーも過去にいろいろな出来事があったり
する中で、そのメンバーを集めてきた東堂こそが物語の核心的な
部分にいる人物とも言えるのでは?
そうかもしれないですね。井沢さんは最初から闇の部分が描かれていますけど、東堂は正義感を持ってただ犯罪を防ごうとしています。さっきの90%の確率、というのも、東堂の正義感を持ってすれば間違っていないことなんだ、ということがストレートに伝わるようにはしています。そういう風に見えている中に、彼にもちょっとずつ何か変化が出てくるんじゃないかと思っているんです。東堂の首の後ろにある傷とか……。あれは相当古い傷で、見た目の傷以上に、見えないところにも深く残っているもの、という感じですね。それが今の東堂に繋がっているというか。その辺が描かれれば、みなさんも東堂に共感していただけるんじゃないかと思っています。
そこに“東堂の正義”があるんですね。
“東堂の正義”であり、“世の中の大半の人が思う正義”に見える、というところですね。前半は特にそういうところを大切にしたいと思っています。裏が見える登場人物が何人かいますけど、東堂は正義がすべて。その裏に「悪」があるのかというと、そうではないと思っているんですけど、まだ台本が出来ていないので、もしかしたら凄い「悪」なのかもしれないですけど(笑)。
山内に桜木泉(上戸彩)のことを話したのも東堂でした。
その関係も気になります。
桜木泉とも繋がっている……とは思うんですけどね(笑)。何か知っているとは思います。個人的にも繋がっていてほしいですよ。上戸さんともお芝居をしたいので。東堂は説明ゼリフも多いです。特に1話とか。でも、そこに桜木泉の名前が出てきたりすると、ただの説明ゼリフじゃない感じで表現できるので、演じていても楽しい部分ですね。確実にそこに何らかの感情が含まれると思うので。
沢村さんや横山さんのとの実際にお芝居されてみての印象は?
沢村さんは先輩なんですけど、いろいろ話しかけてくださる方で、待ち時間にもかなりしゃべっています。僕、ゴルフが大好きなんですけど、沢村さんともゴルフの話で盛り上がったりしていますね(笑)。沢村さんは明るい方じゃないですか。多分、みなさんがテレビで見ている沢村さんと大体同じイメージだと思います(笑)。あ、それから沢村さんも僕もボーリングが好きなんですよ。でも、このチームで『VS嵐』に出たときに、『ボンバーストライカー』をやったんですけど、ふたりで1ピンも倒せなかったんです。後で、「僕、『VS嵐』の収録の後、めちゃくちゃ凹んだんですよ」って言ったら、「俺もだよ。朝まで引きずったよ」っておっしゃっていました(笑)。横山くんとは、年も近いんですけど、実は年の近い方との絡みってあまり経験がないんです。だから、入る前はどういう風になるのかなかなか想像できなかったんですけど、現場が進むにつれてどんどん話すようになって。僕が『大貧乏』で一緒だったジャニーズWESTの神山智洋くんの話とかで盛り上がったりしています(笑)。ただ、東堂は事件現場に行くわけではないので、僕だけ早く撮影が終わったりするんですよ。だから、今日も横山くんから「いい時間に終わるじゃん!」って言われました(笑)。僕は19時終わりでしたからね。これから苦楽を共にしていけば、もっと仲良くなれると思います(笑)。
最後に、視聴者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。
この未然犯罪捜査というものは、個人情報の扱い方も含めてまだまだ問題もあると思うんですけど、法制化されてちゃんとしたシステムが導入されていけば、確実に安全な社会に向かっていくものになっていくんじゃないかな、と思っています。今のこの瞬間と向き合って作っているドラマなので、ひとりでも多くの方に見ていただけたら嬉しいです。

BACK NUMBER